JP5179018B2 - 繊維フィルタのm/d設計方法 - Google Patents
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Description
本発明者等は、フィルタの動作特性(C、ΔP)が構造特性(M、D)と直接的に関係しているはずであると判断し、その分析の中でMとDはM/Dと一体的に組み合わされ、M/Dを変数とするとの着想を得るに至った。その理由は以下のようである。質量Mが同一でも繊維直径Dが小さくなると、繊維表面積は大きくなるから、CやΔPは増加するはずである。また逆に、繊維直径Dが同一でも質量Mが大きくなると、繊維表面積は大きくなるから、CやΔPは増加するはずである。従って、CやΔPはM/Dを変数とし、その一般関係式として、C=f(M/D)、ΔP=f(M/D)を定立した。茲で、fは一般関数を意味し、その関数関係を最も単純な線形関係(直線関係)に帰着させることにより、本発明を完成するに到ったものである。しかも、本発明者等は前記関数関係を理論的に導出し、CやΔPがM/Dの1次関数になることを理論的に裏付け、この推論の正当性を確信するに至った。この理論を検証するため、動作特性である捕集率C又は圧損ΔPが、構造特性である繊維目付Mと繊維直径Dの組合せ変数M/Dと、近似的に直線関係にあることを仮定して実験したところ、その近似的直線関係を実験データから確認したものである。しかも、この近似的直線関係の発見は、構造特性であるMとDを指定すれば、前記直線関係を用いて、直ちに動作特性であるCとΔPが導出できる。逆に、動作特性であるCとΔPを指定すれば、直ちにM/Dを算出でき、構造特性M、Dを導出することが可能になる。関数関係が直線関係であるから、前記逆算が極めて単純化される特徴がある。このように、本発明では、フィルタの動作特性(C、ΔP)と構造組合特性M/Dとの間に近似的直線関係が成立していることを利用して、(C、ΔP)から(M、D)の導出、及び(M、D)から(C、ΔP)の導出が極めて簡単になる効果が発現する。
図1は繊維フィルタの構成図である。繊維フィルタ2は、繊維4から形成された繊維フィルタで、繊維間をバインダ剤で結合させたり、繊維表面に難燃剤を担持させて構成されている。前記繊維フィルタ2は織物、編物、不織布などからなる布帛であり、特に不織布が好適である。繊維のみからなる繊維フィルタの質量密度を繊維目付M(g/m2)と呼び、バインダ剤や難燃剤などの担持物質質量を含めた質量密度を全体目付又は目付と云い、本発明では以下で繊維目付M(g/m2)を使用する。
S=2πrL=2M/(rR)=4M/(DR) (1)
A=2rL=2M/(πrR)=4M/(πDR) (2)
C=nS=n{4M/(DR)}=kM/(DR) (3)
従って、不定な切片を考慮すると、Cは理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
ΔP=NA=N{4M/(πDR)}=KM/(DR) (4)
従って、不定な切片を考慮すると、ΔPも理論的にM/Dの1次関数で表現されることが証明された。
C=aM+b (a、b:定数) (5)
ΔP=cM+e (c、e:定数) (6)
同様に、繊維目付Mと繊維密度R与えられる場合には、式(3)と(4)から、以下のように、CとΔPは繊維直径Dの双曲線関数になることが分かる。
C=q/D+u (q、u:定数) (7)
ΔP=s/D+t (s、t:定数) (8)
切片b、e、u、tは単純な前記理論式に切片だけの任意性を付加したものである。
v1=S2v2/S1=(S1−A)v2/S1
=(1−A/S1)v2 (9)
P1+1/2Yv1 2=P2+1/2Yv2 2 (10)
P1>P2であるから、圧損ΔPはP1−P2で与えられる。式(10)と組み合わせると以下の式が得られる。
ΔP=P1−P2=(1/2)Y(v2 2−v1 2) (11)
ΔP=(1/2)Yv2 2{1−(1−A/S1)2} (12)
A<<S1が成立するから、(1−A/S1)2は1−2A/S1となる。従って、式(12)は次式で与えられる。
ΔP=Yv2 2A/S1 (13)
Yv2 2/S1=N(定数)とすると、最終的に次式が成立し、目的式が証明された。
ΔP=NA (14)
39.3μmの繊維直径を有したガラス繊維を用いて3種の繊維目付M(g/m2)を有した1層構造の平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維目付M(g/m2)は86、117、139の3種類であり、繊維同士を結合させるバインダ剤を夫々36、45、57(g/m2)だけ塗着して繊維フィルタを構成した。バインダ剤塗着後の繊維フィルタの全体目付(g/m2)は122、162、196になる。
実施形態1により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維目付M(g/m2)が86、117、139の順に、圧損ΔP(Pa)は5.8、6.9、7.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維目付M(g/m2)の座標点として、(M、ΔP)=(86、5.8)、(117、6.9)、(139、7.8)の3点が得られた。
160(g/m2)の繊維目付を有した繊維フィルタを3種の繊維直径D(μm)を有したガラス繊維により夫々形成して、3種類の1層構造式平面状不織繊維フィルタを作製した。この繊維フィルタは、1辺30cm及び厚さ8mmの矩形フィルタで、前記繊維直径D(μm)は20、30、40の3種類である。繊維同士を結合させるバインダ剤は夫々適量だけ塗着され、3種の繊維フィルタが構成された。
実施形態3により作製した3種の繊維フィルタに関し、油蒸気の捕集動作における圧損ΔP(Pa)を測定した。その結果、繊維直径D(μm)が20、30、40の順に、圧損ΔP(Pa)は8.7、7.3、6.8になることが分かった。以上の測定から、圧損ΔP(Pa)と繊維直径D(μm)の座標点として、(D、ΔP)=(20、8.7)、(30、7.3)、(40、6.8)の3点が得られた。
4 繊維
6 ファン
7 吸気
9 排気
A 繊維断面積
D 繊維直径
L 繊維長
P1 吸気圧力
P2 排気圧力
r 繊維半径
S1 フィルタ面積
S2 フィルタ開口面積
v1 吸気速度
v2 排気速度
Claims (4)
- レンジフード又は換気扇に装着される繊維フィルタにおいて、前記繊維フィルタの繊維素材量だけから算出される繊維目付をM(g/m 2 )とし、その繊維直径をD(μm)としたとき、ファン運転時における油蒸気の捕集率C(%)が70%以上となり、且つ、繊維フィルタ前後の圧損ΔP(Pa)が10Pa以下となるように、前記繊維目付M(g/m 2 )及び前記繊維直径D(μm)が前記捕集率C(%)と前記圧損ΔP(Pa)との相関関係に基づいて選択され、前記相関関係がM/Dの1次関数である繊維フィルタのM/D設計方法であり、前記1次関数がDを一定として近似的にC=aM+b、ΔP=cM+eと表現され、a>0且つc>0であり、C≧70%からMの下限値Mminが導出され、ΔP≦10PaからMの上限値Mmaxが導出され、Mmin≦M≦Mmaxの範囲から繊維フィルタの繊維目付Mが選択され、前記1次関数がMを一定として近似的にC=q/D+u、ΔP=s/D+tと表現され、q>0且つs>0であり、C≧70%によりDの上限値Dmaxが導出され、ΔP≦10PaからDの下限値Dminが導出され、Dmin≦D≦Dmaxの範囲から繊維フィルタの繊維直径Dが選択され、前記a、b、cとe及び前記q、u、sとtが実測値から決定されることを特徴とする繊維フィルタのM/D設計方法。
- 前記Mが80.5(g/m 2 )≦M≦198.2(g/m 2 )の範囲にあり、前記Dが14.3(μm)≦D≦68.6(μm)の範囲にある請求項1に記載の繊維フィルタのM/D設計方法。
- 前記繊維フィルタが1層構造である請求項1又は2に記載の繊維フィルタのM/D設計方法。
- 前記繊維フィルタが、密度の異なる2層を接合した2層構造、又は密度の大きな2層の表面層間に密度の小さな中間層を介在させた3層構造を有する請求項1、2又は3に記載の繊維フィルタのM/D設計方法。
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