JP5177495B2 - 数値制御装置、コンピュータプログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
表示手段に加工時の任意の期間の実効トルクを表示させることができるので、作業者は表示手段に表示される加工時の任意の期間の実効トルクに基づいて、過負荷エラーを発生させることのないように加工プログラムの回転数や送り速度を調整することができる。
請求項4の数値制御装置は、請求項3の発明において、前記閾値を前記検出開始から前記検出終了までの時間に基づいて変更する変更手段を備えたことを特徴とする。
表示手段に加工時の任意の期間の実効トルクを表示することができるので、作業者は表示手段に表示される加工時の任意の期間の実効トルクに基づいて、過負荷エラーを発生させることのないように加工プログラムの回転数や送り速度を調整することができる。
図1に示すように、工作機械の数値制御装置1は、加工プログラム20(図2参照)に基づいてワークに加工を施すように制御するものである。この数値制御装置1は、CPU6、ROM7、RAM8(記憶手段)、入出力インターフェース5及びサーボインターフェース9とを有する制御装置4を備えている。また、数値制御装置1は、加工プログラム20や後述する閾値Cを計算する為のパラメータPとQとRなどを入力設定するキーボード2と、演算された実効トルクTを表示するディスプレイ3(表示手段)と、工具が装着される主軸を回転駆動する主軸モータ14と、テーブルをX方向に移動させるX軸モータ15と、テーブルをY方向に移動させるY軸モータ16と、主軸モータ14が固定され、主軸を備えた主軸ヘッドを上下に移動させるZ軸モータ17と、主軸モータ14を駆動制御する主軸用サーボアンプ10と、X軸モータ15を駆動制御するX軸用サーボアンプ11と、Y軸モータ16を駆動制御するY軸用サーボアンプ12と、Z軸モータ17を駆動制御するZ軸用サーボアンプ13とを有する。尚、各軸用サーボアンプ10〜13がトルク検出手段に相当する。
図3は、実効トルク演算後に各モータ14〜17の実効トルクTを示す図表が表示される画面である。この画面には、トルクの検出開始時刻(日時)と、加工プログラム20のプログラム番号と、検出開始の指令を受けてから検出終了の指令を受けるまでの経過時間と、各モータ14〜17の実効トルクTが夫々図表により表示される。また、閾値Cより大きい実効トルクTについては警告表示(背景が赤色)される。
図2に示すように、トルク検出開始Mコードは「M11」で示され、このトルク検出開始Mコード「M11」が読込まれたとき、各軸用サーボアンプ10〜13に対してトルクの検出開始が指令される。トルク検出終了Mコードは「M12」で示され、このトルク検出終了Mコード「M12」が読込まれたとき、各軸用サーボアンプ10〜13に対してトルクの検出終了が指令される。尚、トルク検出開始Mコードが検出開始指令手段に相当し、トルク検出終了Mコードが検出終了指令手段に相当する。
加工プログラム20を実行させる際にこのトルク検出開始終了制御が開始される。
先ず、フラグFが0に設定され(S1)、加工プログラム20中の先頭の1ブロックが読込まれて解釈される(S2)。読込まれたブロックがプログラム終了か否かが判定され、プログラム終了を示すMコード「M30」でない場合(S3;No)、次にそのブロックがトルク検出開始Mコード「M11」であるか否かが判定される。
トルク検出終了Mコード「M12」の場合は(S5;Yes)、検出終了時刻Tbと記憶した検出開始時刻Taより経過時間Tcが演算されてRAM8に記憶され(S13)、フラグFが2に設定された後(S14)S9へ移行する。但し、読込まれた指令がプログラム終了を示すMコード「M30」の場合(S3;Yes)、フラグFが0に設定され(S10)、この処理を終了する。
数値制御装置1の電源がオンされると、この実効トルク演算表示制御が開始され、先ず、閾値Cを計算する為のパラメータPとQとRがキーボード2より入力され、RAM8に記憶される。閾値CはC=P/logQTc+Rで演算される(S20)。ここで、パラメータP、Q及びRはモータの特性に適した値を入力する。次に、フラグFが1に設定されているか否かが判定される。フラグFが1の場合、つまり、検出開始の指令を受けた場合(S21;Yes)、nがインクリメントされてから(S22)、各軸用サーボアンプ10〜13より各モータ14〜17のトルク値Tnと回転数Nnが検出され(S23)、S21へ移行する。
演算した実効トルクTを表示させる際にこの検出トルク表示制御が開始され、先ず、図3に示すように、各モータ14〜17の実効トルクTを示す図表がディスプレイ3に表示される(S40)。キーボード2でカーソル移動させて、ディスプレイ3に表示された複数の実効トルクTの中からグラフ表示したい実効トルクTを選択すると(S41;Yes)、選択された実効トルクTに対応する検出トルク値データT1〜Tnと実行ブロックがRAM8より読み出される(S42)。ディスプレイ3において、実効トルクTの図表が消去されて、図4に示すように、読み出された検出トルク値データT1〜Tnの時間変化がグラフ表示される(S43)。次に、画面の右上部に実行ブロックが表示され(S44)、画面の右下部に実効トルクTと閾値Cが表示されて(S45)、この処理を終了する。
このように、トルク検出開始Mコード「M11」による検出開始の指令を受けてから、トルク検出終了Mコード「M12」による検出終了の指令を受けるまでの間に検出されたトルク値データT1〜Tnに基づいて実効トルクTが演算され、演算された実効トルクTがディスプレイ3に表示されるので、作業者は加工時の任意の期間の実効トルクTに基づいて、過負荷エラーが発生しないように加工プログラムの回転数や送り速度を設定し、各モータ14〜17の回転数を調整することができる。
さらに、実効トルクTが演算された閾値Cより大きいか否かを判断し、肯定判断された場合にその旨の警告を報知するので、各モータ14〜17の過負荷エラーの発生を予知することができる。
1]トルク検出手段を、主軸用サーボアンプ10とX軸用サーボアンプ11とY軸用サーボアンプ12とZ軸用サーボアンプ13とで構成する代わりに、加工中において特に大きな負荷が掛かる主軸モータ14のトルクを検出する主軸用サーボアンプ10のみで構成してもよいし、主軸用サーボアンプ10と他の1つ又は2つのサーボアンプで構成してもよい。
2]実効トルクTが閾値Cより大きい場合に、例えば、画面の下部等に警告する旨のメッセージをディスプレイ3に表示させてもよい。
この場合、図9に示すように、モータの特性により、トルク値Tnの検出開始から検出終了までの経過時間Tcが短い場合、閾値Cが大きくなり、経過時間Tcが長い場合は閾値Cが小さくなるという特性を有する。図9に示す経過時間Tcに応じた閾値Cの特性をテーブルとして予めROM7に記憶しておき、図6のフローチャートのS26において、経過時間Tcに基づいて閾値Cを演算する。これにより、モータの特性に適した閾値Cを自動で設定することができ、閾値Cの設定を簡単に行なうことができる。尚、変更手段は、経過時間Tcに基づいて閾値Cを演算する制御装置4により構成される。
この場合のトルク検出開始終了制御について、図8に基づいて説明する。但し、前記実施例と同一の構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。
10 主軸用サーボアンプ
11 X軸用サーボアンプ
12 Y軸用サーボアンプ
13 Z軸用サーボアンプ
14 主軸モータ
15 X軸モータ
16 Y軸モータ
17 Z軸モータ
Claims (6)
- 工具が装着される主軸を回転駆動する主軸モータと、ワークが載置されたテーブルと前記主軸とを相対的にX軸、Y軸方向に駆動させるX軸モータ、Y軸モータと、前記工具と前記ワークとを相対的に昇降させるZ軸モータとを有し、加工プログラムに基づいて前記ワークに加工を施すように制御する数値制御装置において、
前記主軸モータ、前記X軸モータ、前記Y軸モータ及び前記Z軸モータのうちの少なくとも1つのモータのトルクを検出するトルク検出手段と、
モータのトルクの検出開始を指令する検出開始指令手段と、
前記検出開始指令手段によってモータのトルクの検出開始の指令後、所定の周期で前記トルク検出手段によって検出されたモータのトルクを記憶する記憶手段と、
前記モータのトルクの検出終了を指令する検出終了指令手段と、
前記検出終了指令手段によって検出終了の指令後、前記記憶手段に記憶されたモータのトルクに基づいて、前記検出開始から前記検出終了までの実効トルクを演算する実効トルク演算手段と、
前記実効トルク演算手段により演算された複数の実効トルクを表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段に表示された複数の実効トルクの中からグラフ表示したい実効トルクを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択した実効トルクに対応する検出トルクの検出トルク値データを前記記憶手段から読み出して前記検出トルク値の時間変化を前記表示手段に表示させると共に前記検出トルクに対応する加工プログラムの実行ブロックを前記表示手段に表示させる第2表示制御手段とを備えたことを特徴とする数値制御装置。 - 前記検出開始指令手段は加工プログラムに用いられる第1のMコードで構成し、前記検出終了指令手段は加工プログラムに用いられる第2のMコードで構成したことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記実効トルクが予め設定された閾値より大きいか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記実効トルクが予め設定された閾値より大きいと判断された場合にその旨の警告を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。 - 前記閾値を前記検出開始から前記検出終了までの時間に基づいて変更する変更手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
- コンピュータを、加工プログラムに基づいてワークに加工を施すように、工具が装着される主軸を回転駆動する主軸モータと、前記ワークが載置されたテーブルと前記主軸とを相対的にX軸、Y軸方向に駆動させるX軸モータ、Y軸モータと、前記工具と前記ワークとを相対的に昇降させるZ軸モータとを制御する数値制御装置として機能させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、
前記主軸モータ、前記X軸モータ、前記Y軸モータ及び前記Z軸モータのうちの少なくとも1つのモータのトルクを検出するトルク検出手段と、
モータのトルクの検出開始を指令する検出開始指令手段と、
前記検出開始指令手段によってモータのトルクの検出開始の指令後、所定の周期で前記トルク検出手段によって検出されたモータのトルクを記憶する記憶手段と、
前記モータのトルクの検出終了を指令する検出終了指令手段と、
前記検出終了指令手段によって検出終了の指令後、前記記憶手段に記憶されたモータのトルクに基づいて、前記検出開始から前記検出終了までの実効トルクを演算する実効トルク演算手段と、
前記実効トルク演算手段により演算された複数の実効トルクを表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
前記表示手段に表示された複数の実効トルクの中からグラフ表示したい実効トルクを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択した実効トルクに対応する検出トルクの検出トルク値データを前記記憶手段から読み出して前記検出トルク値の時間変化を前記表示手段に表示させると共に前記検出トルクに対応する加工プログラムの実行ブロックを前記表示手段に表示させる第2表示制御手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項5に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
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