以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.集積回路装置
図1に本実施形態のデータドライバを含む集積回路装置10(表示ドライバ)の回路構成例を示す。なお本実施形態の集積回路装置10は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
表示パネル400(広義には電気光学装置)は、複数のデータ線(例えばソース線)と、複数の走査線(例えばゲート線)と、データ線及び走査線により特定される複数の画素を有する。そして各画素領域における電気光学素子(狭義には、液晶素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。この表示パネルは、例えばTFT、TFDなどのスイッチ素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお表示パネルは、アクティブマトリクス方式以外のパネルであってもよいし、液晶パネル以外のパネル(有機ELパネル等)であってもよい。
メモリ20(表示データRAM)は画像データを記憶する。メモリセルアレイ22は複数のメモリセルを含み、少なくとも1フレーム(1画面)分の画像データ(表示データ)を記憶する。ローアドレスデコーダ24(MPU/LCDローアドレスデコーダ)はローアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ22のワード線の選択処理を行う。カラムアドレスデコーダ26(MPUカラムアドレスデコーダ)はカラムアドレスについてのデコード処理を行い、メモリセルアレイ22のビット線の選択処理を行う。ライト/リード回路28(MPUライト/リード回路)はメモリセルアレイ22への画像データのライト処理や、メモリセルアレイ22からの画像データのリード処理を行う。
ロジック回路40(ドライバ用ロジック回路)は、表示タイミングを制御するための制御信号やデータ処理タイミングを制御するための制御信号などを生成する。このロジック回路40は例えばゲートアレイ(G/A)などの自動配置配線により形成できる。
制御回路42は各種制御信号を生成したり、装置全体の制御を行う。具体的には階調電圧生成回路110に対して、階調特性(γ特性)を調整するための階調調整データ(γ補正データ)を出力したり、電源回路90に対して、電源電圧を調整するための電源調整データを出力する。またローアドレスデコーダ24、カラムアドレスデコーダ26、ライト/リード回路28を用いたメモリへのライト/リード処理を制御する。
表示タイミング制御回路44は表示タイミングを制御するための各種の制御信号を生成し、メモリ20から表示パネル側への画像データの読み出しを制御する。ホスト(MPU)インターフェース回路46は、ホストからのアクセス毎に内部パルスを発生してメモリ20にアクセスするホストインターフェースを実現する。RGBインターフェース回路48は、ドットクロックにより動画のRGBデータをメモリ20に書き込むRGBインターフェースを実現する。なおホストインターフェース回路46、RGBインターフェース回路48のいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。
データドライバ50は、表示パネルのデータ線を駆動するためのデータ信号を生成する回路である。具体的にはデータドライバ50は、メモリ20から画像データ(階調データ、表示データ)を受け、階調電圧生成回路110から複数(例えば256段階)の階調電圧(基準電圧)を受ける。そして、これらの複数の階調電圧の中から、画像データ(階調データ)に対応する電圧(データ電圧)を選択して、表示パネルのデータ線に出力する。
走査ドライバ70は表示パネルの走査線を駆動するための走査信号を生成する回路である。具体的には、内蔵するシフトレジスタにおいて信号(イネーブル入出力信号)を順次シフトし、このシフトされた信号をレベル変換した信号を、走査信号(走査電圧)として表示パネルの各走査線に出力する。なお走査ドライバ70に、走査アドレス生成回路やアドレスデコーダを含ませ、走査アドレス生成回路が走査アドレスを生成して出力し、アドレスデコーダが走査アドレスのデコード処理を行うことで、走査信号を生成してもよい。
電源回路90は各種の電源電圧を生成する回路である。具体的には、入力電源電圧や内部電源電圧を、内蔵する昇圧回路が含む昇圧用キャパシタや昇圧用トランジスタを用いてチャージポンプ方式で昇圧する。そして昇圧により得られた電圧を、データドライバ50、走査ドライバ70、階調電圧生成回路110などに供給する。
階調電圧生成回路(γ補正回路)110は階調電圧を生成してデータドライバ50に供給する回路である。具体的には階調電圧生成回路110は、高電位側電圧と低電位側電圧の間を抵抗分割し、抵抗分割ノードに階調電圧を出力するラダー抵抗回路を含むことができる。また階調調整データが書き込まれる階調レジスタ部や、書き込まれた階調調整データに基づいて、抵抗分割ノードに出力される階調電圧を可変に設定(制御)する階調電圧設定回路などを含むことができる。
2.データドライバ
図2に本実施形態のデータドライバ(ソースドライバ)の構成例を示す。このデータドライバは液晶パネルなどの表示パネル400(電気光学装置)のデータ線を駆動するものであり、D/A変換回路52、データ線駆動回路60-1〜60-Nを含む。そして図2では、1つのD/A変換回路52が、複数のデータ線駆動回路60-1〜60-N(第1〜第Nのデータ線駆動回路)により共用される。なおデータ線駆動回路等を表示パネルの各データ線毎に設けてもよいし、データ線駆動回路が複数のデータ線を時分割に駆動するようにしてもよい。またデータドライバ(集積回路装置)の一部又は全部を表示パネル上に一体に形成してもよい。
D/A変換回路52(電圧生成回路)は、例えば図1のメモリ20から階調データDG(画像データ、表示データ)を受ける。そして階調データDGに対応した第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。
具体的には、D/A変換回路52は、階調データを受け、階調データに対応した第1、第2の階調電圧VG1、VG2を、第1〜第Nのサンプリング期間の各サンプリング期間に時分割に出力する。
データ線駆動回路60-1〜60-Nは階調生成アンプ62-1〜62-N(GA1〜GAN)を含む。これらの階調生成アンプ62-1〜62-Nの各々は、第1〜第Nのサンプリング期間の各サンプリング期間においてD/A変換回路52から出力された第1、第2の階調電圧VG1、VG2をサンプリングし、VG1とVG2の間の階調電圧を生成する。
図3にデータドライバの第2の構成例を示す。図3では、データ線駆動回路60-1〜60-Nは、階調生成アンプ62-1〜62-Nの後段に設けられた駆動アンプ64-1〜64-Nを更に含む。
なお駆動アンプ64-1〜64-Nを設けない変形実施も可能である。またD/A変換器52、データ線駆動回路60-1〜60-N、階調生成アンプ62-1〜62-N、駆動アンプ64-1〜64-Nの詳細については後述する。
データ線駆動回路60-1〜60-Nが含む駆動アンプ64-1〜64-N(DA1〜DAN)は、第1〜第Nのサンプリング期間の後の駆動アンプ用サンプリング期間において、階調生成アンプ62-1〜62-Nの出力電圧をサンプリングする。そして駆動アンプ用サンプリング期間の後の駆動アンプ用ホールド期間において、サンプリングされた出力電圧を出力する。
例えば図4に、6個のデータ線駆動回路GA1〜GA6によりD/A変換回路52が共用される場合の信号波形例を示す。データ線駆動回路GA1〜GA6はサンプリング期間TS1〜TS6(第1〜第Nのサンプリング期間)においてサンプリング動作を行い、その後のホールド期間TH1〜TH6(第1〜第Nのホールド期間)においてホールド動作を行う。
そして駆動アンプDA1〜DA6は、サンプリング期間TS1〜TS6の後の駆動アンプ用サンプリング期間TDSにおいて、サンプリング動作を行い、その後の駆動アンプ用ホールド期間TDHにおいて、ホールド動作を行う。
図2、図3の構成によれば、データ線駆動回路毎にD/A変換回路を設ける必要はなく、複数のデータ線駆動回路60-1〜60-Nに対して1つのD/A変換回路52を設ければ済む。従って、集積回路装置内でのD/A変換回路52の占有面積を削減でき、集積回路装置の小規模化を図れる。
そしてこのように、D/A変換回路52が時分割に第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力したとしても、階調生成アンプ62-1〜62-Nのサンプリング機能により、第1〜第Nの各サンプリング期間での電圧の適正なサンプリングが可能になる。
また、このようにD/A変換回路52を時分割に使用すると、図4に示すようにサンプリング期間TS1〜TS6の総和時間が長くなってしまう。このため、例えば階調生成アンプGA6のホールド期間TH6が短くなり、データ線の駆動時間に余裕が無くなってしまう。
この点、図3に示すように階調生成アンプGA1〜GA6の後段に駆動アンプDA1〜DA6を設ければ、図4のE15に示すように、サンプリング期間TS1〜TS6の間、駆動アンプDA1〜DA6がホールド動作モードになってデータ線を駆動できる。従って、データ線の駆動時間を長くすることができ、データ線に高精度な電圧を供給できる。
また、これまでのデータドライバでは、データ線に供給する電圧を高精度化するために、例えば駆動期間の後半にD/A変換回路によりデータ線を直接駆動するDAC駆動を行っていた。このために、各データ線毎に同じ構成のD/A変換回路を設ける必要があり、D/A変換回路のレイアウト面積が原因となって集積回路装置の大規模化を招いていた。
この点、後述するように、階調生成アンプや駆動アンプにサンプルホールド機能を持たせて、例えばフリップアラウンド型サンプルホールド回路により構成すれば、いわゆるオフセットフリーを実現できる。従って、データ線への出力電圧のバラツキを最小限に抑えて、データ線に高精度な電圧を供給できるようになるため、上記のDAC駆動が不要になる。従って、各データ線毎に同じ構成のD/A変換回路を設ける必要がなくなり、図2、図3に示すように、1つのD/A変換回路を複数のデータ線駆動回路で共用できるようになる。従って、データ線の電圧の高精度化とデータドライバの小面積化を両立できる。
また図2、図3の構成によれば、階調電圧線を、R用(赤)、G用(緑)、B用(青)に時分割に共用できるという利点もある。
具体的には本実施形態では、図1のメモリ20とデータドライバ50とを接続する階調データバスは例えば16ビットのバスになっている。一方、R、G、Bの各サブピクセルのビット数は8ビットであり、R、G、Bのサブピクセルから構成されるピクセルのビット数は8×3=24ビットになる。
そこで図4のE1、E2では、第1の画素のサブピクセルR0の8ビットの階調データと、第1の画素の隣の第2の画素のサブピクセルR1の8ビットの階調データが、16ビットの階調データバスを介してメモリ20からデータドライバ50に転送される。
そして図4のE3ではD/A変換回路52は、サブピクセルR0の8ビットの階調データに対応する第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。するとE4に示すように階調生成アンプGA1は、サンプリング期間TS1においてVG1、VG2のサンプリング動作を行って、VG1とVG2の間の階調電圧を生成する。
またE5ではD/A変換回路52は、サブピクセルR1の8ビットの階調データに対応する第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。するとE6に示すように階調生成アンプGA2は、サンプリング期間TS2においてVG1、VG2のサンプリング動作を行って、VG1とVG2の間の階調電圧を生成する。
またE7、E8では、第1の画素のサブピクセルG0の8ビットの階調データと、第2の画素のサブピクセルG1の8ビットの階調データが、16ビットの階調データバスを介してメモリ20からデータドライバ50に転送される。
そしてE9ではD/A変換回路52は、サブピクセルG0の8ビットの階調データに対応する第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。するとE10に示すように階調生成アンプGA3は、サンプリング期間TS3においてVG1、VG2のサンプリング動作を行って、VG1とVG2の間の階調電圧を生成する。
またE11ではD/A変換回路52は、サブピクセルG1の8ビットの階調データに対応する第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。するとE12に示すように階調生成アンプGA4は、サンプリング期間TS4においてVG1、VG2のサンプリング動作を行って、VG1とVG2の間の階調電圧を生成する。なおE13、E14ではサブピクセルB0、B1の階調データが転送され、上記の同様の処理が行われる。
このようにR0、R1、G0、G1、B0、B1の階調データを転送すれば、R用、G用、B用に別々の階調電圧線を設けなくも済むようになり、1本の階調電圧線をR用、G用、B用の階調データの転送に時分割に使用できるようになる。例えば図4のE1、E2では階調電圧線をR用に使用し、E7、E8では階調電圧線をG用に使用し、E13、E14では階調電圧線をB用に使用できる。
例えば、R用、G用、B用に、各々、64本の階調電圧線が必要な場合に、R用、G用、B用に別々の階調電圧線を設ける手法では、64×3=192本の階調電圧線が必要になる。
この点、本実施形態では、1本の階調電圧線をR用、G用、B用に時分割に使用しているため、64本の階調電圧線で済むようになり、階調電圧線の配線領域を大幅に削減でき、集積回路装置の小面積化を図れる。
3.データ線の共通電位設定
本実施形態では低消費電力化を実現するために、データ線の共通電位設定手法(イコライズ)を採用している。具体的には図4のE16に示すように、駆動アンプ用サンプリング期間TDSにおいて、駆動アンプDA1〜DA6の出力線を共通電位に設定する。
例えば図5においてVCOM生成回路180(コモン電圧生成回路)は、表示パネルの画素の対向電極であるコモン電極に供給するコモン電圧VCOM(対向電極電圧)を生成して出力する。そして生成されたコモン電圧VCOMは、VCOMのパッド(バンプ)を介して表示パネルのコモン電極に供給される。
具体的にはVCOM生成回路180は、図示しない極性反転信号に基づいて、高電位側コモン電圧VCOMHと低電位側コモン電圧VCOMLのいずれかを、コモン電圧VCOMとして出力する。例えばライン反転駆動の場合には、1走査期間毎に液晶素子に印加される電圧の極性が反転するため、VCOM生成回路180は、1走査期間毎に、VCOMHとVCOMLのいずれかを切り替えて出力する。
そして図5では、駆動アンプDA1〜DA6の出力線を、駆動アンプ用サンプリング期間TDSにおいて、図4のE16に示すように共通電位であるコモン電圧VCOMに設定する。具体的には、駆動アンプ用サンプリング期間において、図5のスイッチ素子SVDをオンにして、駆動アンプDA1〜DA6の出力線であるデータ線を、コモン電圧VCOMに設定する。なお共通電位はVCOMに限定されず、例えばGNDの電位などであってもよい。
図5のようにすれば、表示パネルに蓄積された電荷を再利用して、表示パネルのデータ線への電荷の充放電が行われるようになるため、より一層の低消費電力化を図れる。
また、後述するように駆動アンプDA1〜DA6の出力用スイッチ素子SQDは、駆動アンプ用サンプリング期間TDSにおいてオフになり、DA1〜DA6の出力はハイインピーダンス状態になる。従って、このように駆動アンプDA1〜DA6の出力がハイインピーダンス状態になる期間TDSを利用すれば、効率的にデータ線をコモン電圧VCOMに設定できるようになる。またコモン電圧VCOMに設定したことの悪影響が、駆動アンプDA1〜DA6に及ぶのも防止できる。
4.スイッチ回路
以下、本実施形態のデータドライバの種々の変形例について説明する。なお、以下では説明を簡素化するために、1つのD/A変換回路52を共用するデータ線駆動回路60-1〜60-N、階調生成アンプ62-1〜62-N、駆動アンプ64-1〜64-Nを、各々、代表してデータ線駆動回路60、階調生成アンプ62、駆動アンプ64と記載して、説明を行う。
図6に本実施形態のデータドライバの第1の変形例を示す。図6の第1の変形例では、スイッチ回路54が新たに追加されている。
図6において、D/A変換回路52は、図1の階調電圧生成回路110から階調電圧線を介して複数の階調電圧(例えばV0〜V128、V0〜V64)を受ける。そしてこれらの複数の階調電圧の中から階調データDGに対応した第1、第2の階調電圧VG1、VG2を選択して出力する。この場合に、D/A変換回路52が出力する第1、第2の階調電圧VG1、VG2は、隣り合う階調電圧になる。具体的には、階調電圧線を介してD/A変換回路52に入力される複数の階調電圧(V0〜V128、V0〜V64)において隣り合う階調電圧(例えばV0とV1、V1とV2、V2とV3)になる。
例えば図7において階調データDGはD7〜D0の8ビット(256階調)のデータになっている。またD/A変換回路52には複数の階調電圧V0〜V128が入力される。ここでは、V0〜V128には、V0>V1>V2・・・・V127>V128という単調減少の関係が成り立っている。但しV0<V1<V2・・・・V127<V128という単調増加の関係が成り立つようにしてもよい。
D/A変換回路52は、階調データがDG(D7〜D0)=(00000000)、(00000001)の場合には、VG1=V1、VG2=V0を出力し、(00000010)、(00000011)の場合には、VG1=V1、VG2=V2を出力する。またDG=(00000100)、(00000101)の場合には、VG1=V3、VG2=V2を出力し、(00000110)、(00000111)の場合には、VG1=V3、VG2=V4を出力する。
このようにD/A変換回路52は、階調電圧生成回路110から入力される階調電圧V0〜V128のうち、階調データDGに応じた階調電圧であって、隣り合う第1、第2の階調電圧VG1、VG2を出力する。なお図6、図7はD/A変換回路52が第1、第2の階調電圧VG1、VG2の2種類の階調電圧を生成する例であるが、出力される階調電圧の種類(数)はこれに限定されるものではない。
データ線駆動回路60(データ線駆動回路60-1〜60-N)は表示パネル400のデータ線を駆動する回路であり、階調生成アンプ62(階調生成アンプ62-1〜62-N)を含む。この階調生成アンプ62(階調生成サンプルホールド回路)は、第1の階調電圧VG1と第2の階調電圧VG2の間の階調電圧を生成して出力できる。
図7において階調生成アンプ62は、階調データがDG=(00000001)の場合には、VG1=V1とVG2=V0の間の階調電圧VS=V0−(V0−V1)/2を生成(サンプリング)して出力する。なお階調データがDG=(00000000)の場合にはVS=VG2=V0を出力する。また階調データがDG=(00000011)の場合には、VG1=V1とVG2=V2の間の階調電圧VS=V1−(V1−V2)/2を生成して出力する。なお階調データがDG=(00000010)の場合にはVS=VG1=V1を出力する。
スイッチ回路54はD/A変換回路52とデータ線駆動回路60との間に設けられる。なおスイッチ回路54はD/A変換回路52又はデータ線駆動回路60の構成要素であってもよい。
スイッチ回路54は複数のスイッチ素子を含む。例えば図6では第1〜第4のスイッチ素子SW1〜SW4を含む。なおスイッチ素子の個数はこれに限定されず、例えば後述するように8個、16個等であってもよい。また各スイッチ素子SW1〜SW4はCMOSのトランジスタにより構成できる。具体的にはP型トランジスタとN型トランジスタとからなるトランスファーゲートにより構成できる。そしてこれらのトランジスタは、図示しないスイッチ制御信号生成回路からのスイッチ制御信号によりオン・オフされる。
スイッチ素子SW1は、D/A変換回路52の第1の階調電圧VG1の出力ノードである第1の電圧出力ノードNG1と、階調生成アンプ62(データ線駆動回路60)の第1の入力ノードNI1との間に設けられる。スイッチ素子SW2は、D/A変換回路52の第2の階調電圧VG2の出力ノードである第2の電圧出力ノードNG2と、階調生成アンプ62の入力ノードNI1との間に設けられる。これらのスイッチ素子SW1とSW2は排他的にオン・オフになる。例えば図7に示すように階調データがDG=(00000000)の場合にはSW1がオフになる一方でSW2がオンになり、DG=(00000001)の場合にはSW1がオンになる一方でSW2がオフになる。
スイッチ素子SW3は、D/A変換回路52の電圧出力ノードNG1と階調生成アンプ62の入力ノードNI2との間に設けられる。スイッチ素子SW4は、D/A変換回路52の電圧出力ノードNG2と階調生成アンプ62の入力ノードNI2との間に設けられる。これらのスイッチ素子SW3とSW4は排他的にオン・オフになる。例えばDG=(00000001)の場合にはSW3がオフになる一方でSW4がオンになり、DG=(00000010)の場合にはSW3がオンになる一方でSW4がオフになる。
図7に示すように、階調データがDG=(00000000)の場合には、D/A変換回路52はVG1=V1、VG2=V0を出力する。またスイッチ回路54のスイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4は、各々、オフ、オン、オフ、オンになる。従って階調生成アンプ62の入力ノードNI1、NI2には、各々、VI1=VG2=V0、VI2=VG2=V0が入力される。これにより階調生成アンプ62は階調電圧(サンプリング電圧)VS=V0を出力する。
一方、階調データがDG=(00000001)の場合には、スイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4は、各々、オン、オフ、オフ、オンになる。従って階調生成アンプ62は、その入力ノードNI1、NI2にVI1=VG1=V1、VI2=VG2=V0が入力され、階調電圧VS=V0−(V0−V1)/2を出力する。即ち階調データDG=(00000001)に対応する階調電圧を出力する。
階調データがDG=(00000010)の場合には、D/A変換回路52はVG1=V1、VG2=V2を出力する。またスイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4は、各々、オン、オフ、オン、オフになる。従って階調生成アンプ62は、その入力ノードNI1、NI2にVI1=VG1=V1、VI2=VG1=V1が入力され、階調電圧VS=V1を出力する。
一方、階調データがDG=(00000011)の場合には、スイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4は、各々、オフ、オン、オン、オフになる。従って階調生成アンプ62は、その入力ノードNI1、NI2にVI1=VG2=V2、VI2=VG1=V1が入力され、階調電圧VS=V1−(V1−V2)/2を出力する。即ち階調データDG=(00000011)に対応する階調電圧を出力する。
そして図7から明らかなように、スイッチ素子SW1〜SW4は、階調データDGの下位ビットに基づいてオン・オフされる。即ち階調データDGの下位ビットに基づき生成されたスイッチ制御信号に基づいて、スイッチ素子SW1〜SW4はオン・オフされる。例えば階調データDGの下位ビットであるD1、D0が(00)の場合には、図7に示すようにスイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4は、各々、オフ、オン、オフ、オンになり、(01)の場合には、各々、オン、オフ、オフ、オンになる。また(10)の場合には、オン、オフ、オン、オフになり、(11)の場合にはオフ、オン、オン、オフになる。
以上に説明した本実施形態のデータドライバによれば、階調生成アンプ62により階調電圧を生成できるため、図1の階調電圧生成回路110が生成する階調電圧の個数(種類)を削減できる。これにより階調電圧線の本数を削減できると共に、D/A変換回路52の回路規模を削減できる。
例えば階調データDGが8ビットであり、階調数が28=256階調である場合に、従来の手法では、階調電圧生成回路110は256個の階調電圧を生成する必要があり、D/A変換回路52には、これらの256個の階調電圧の中から階調データDGに応じた階調電圧を選択するセレクタ群が必要になる。従って、階調電圧生成回路110やD/A変換回路52の大規模化を招く。また階調電圧線の本数も256本になるため、配線領域の占有面積も大きくなる。
この点、図6の本実施形態のデータドライバによれば、階調生成アンプ62により階調電圧が生成されるため、階調電圧生成回路110は例えば128個の階調電圧を生成すればよく、D/A変換回路52には、これらの128個の階調電圧の中から電圧を選択するセレクタ群を設ければ済む。従って、従来の手法に比べて回路規模の大幅な削減が可能になる。また階調電圧線の本数も128本にすることができ、配線領域の面積も大幅に削減できる。なお、実際には、階調生成アンプ62が第1、第2の階調電圧VG1、VG2を分割した電圧を生成するため、上記の場合に階調電圧線は128+1=129本必要になる。
また図6のデータドライバによれば、階調生成アンプ62にサンプルホールド機能を持たせることができる。従って、D/A変換回路52によりデータ線を直接駆動するDAC駆動を行わなくても、バラツキが少ない電圧をデータ線に供給できる。即ち比較的小規模で簡素な回路構成で、精度の高い電圧をデータ線に供給できる。更に階調生成アンプ62にサンプルホールド機能を持たせることで、1つのD/A変換回路52を複数のデータ線駆動回路60で共有する構成が可能になり、更なる回路の小規模化を図れる。
また図6のデータドライバによれば、D/A変換回路52とデータ線駆動回路60の間にスイッチ回路54が設けられる。従って、D/A変換回路52からの第1、第2の階調電圧VG1、VG2に基づいて、例えば図7に示すように(VI1、VI2)=(V0、V0)、(V1、V0)、(V1、V1)、(V2、V1)・・・というような入力電圧を階調生成アンプ62に入力できる。これにより階調生成アンプ62は、例えばVS=V0、V0−(V0−V1)/2、V1、V1−(V1−V2)/2、V2・・・というような単調減少(或いは単調増加)する階調電圧を出力できるようになり、簡素な回路構成で適正な階調電圧出力を実現できる。
5.フリップアラウンド型サンプルホールド回路
階調生成アンプ62は、いわゆるフリップアラウンド型サンプルホールド回路により構成できる。ここでフリップアラウンド型サンプルホールド回路は、例えば、サンプリング期間において、入力電圧に応じた電荷をサンプリング用キャパシタにサンプリングし、ホールド期間において、このサンプリング用キャパシタのフリップアラウンド動作を行って、蓄積された電荷に対応する電圧をその出力ノードに出力する回路である。
図8(A)、図8(B)を用いてフリップアラウンド型サンプルホールド回路について更に詳細に説明する。
例えば図8(A)、図8(B)において、フリップアラウンド型サンプルホールド回路により構成される階調生成アンプ62は、演算増幅器OP1と、第1、第2のサンプリング用キャパシタCS1、CS2(複数のサンプリング用キャパシタ)を含む。
サンプリング用キャパシタCS1は、演算増幅器OP1の反転入力端子(広義には第1の入力端子)と階調生成アンプ62の入力ノードNI1との間に設けられる。そして図8(A)に示すようにキャパシタCS1には、サンプリング期間において入力ノードNI1の入力電圧VI1に応じた電荷が蓄積される。
サンプリング用キャパシタCS2は、演算増幅器OP1の反転入力端子と階調生成アンプ62の入力ノードNI2との間に設けられる。そしてキャパシタCS2には、サンプリング期間において入力ノードNI2の入力電圧VI2に応じた電荷が蓄積される。
なお図8(A)に示すようにサンプリング期間では演算増幅器OP1の出力がOP1の反転入力端子のノードNEGに帰還される。また、演算増幅器OP1の非反転入力端子(広義には第2の入力端子)は、アナログの基準電圧であるAGNDに設定される。従って演算増幅器OP1のイマジナリーショート機能により、キャパシタCS1、CS2の一端が接続されるノードNEGは、AGNDに設定される。これによりキャパシタCS1、CS2には、入力電圧VI1、VI2に応じた電荷が蓄積されるようになる。
図8(B)に示すようにホールド期間においては、階調生成アンプ62は、サンプリング期間においてサンプリング用キャパシタCS1、CS2に蓄積された電荷に応じた出力電圧VQG(=VS)を、その出力ノードNQGに出力する。具体的には、その一端にノードNEGが接続されるキャパシタCS1、CS2の他端を、演算増幅器OP1の出力端子に接続するフリップアラウンド動作を行うことで、CS1、CS2に蓄積された電荷に応じた出力電圧VQGを出力する。
以上のようなフリップアラウンド型サンプルホールド回路により階調生成アンプ62を構成すれば、いわゆるオフセットフリーを実現できる。
例えば演算増幅器OP1の反転入力端子と非反転入力端子の間に発生するオフセット電圧をVOFとし、AGND=0とし、サンプリング期間での入力電圧をVI1=VI2=VIとし、並列接続されるキャパシタCS1、CS2の並列容量値をCSとする。すると、サンプリング期間において蓄積される電荷Qは下式のように表される。
Q=(VI−VOF)×CS (1)
一方、ホールド期間でのノードNEGの電圧をVXとし、出力電圧をVQGとすると、ホールド期間において蓄積される電荷Q’は下式のように表される。
Q’=(VQG−VX)×CS (2)
また演算増幅器OP1の増幅率をAとすると、VQGは下式のように表される。
VQG=−A×(VX−VOF) (3)
すると電荷保存の法則によりQ=Q’となるため、下式が成立する。
(VI−VOF)×CS=(VQG−VX)×CS (4)
従って上式(3)、(4)により、
VQG=VI−VOF+VX=VI−VOF+VOF−VQG/A
が成立する。従って、階調生成アンプ62の出力電圧VQGは下式のように表される。
VQG={1/(1+1/A)}×VI (5)
上式(5)から明らかなように、階調生成アンプ62の出力電圧VQGは、オフセット電圧VOFに依存せず、オフセットをキャンセルできるため、オフセットフリーを実現できる。
例えば複数のデータ線駆動回路60により複数のデータ線が駆動される場合に、出力電圧VQGにオフセット電圧VOFが表れると、データ線間で出力電圧VQGがばらついてしまい、表示品質が劣化する。
この点、フリップアラウンド型サンプルホールド回路を用いれば、オフセットをキャンセルできるため、データ線間での出力電圧VQGのバラツキを最小限に抑えることができる。従って、バラツキの少ない高精度の電圧をデータ線に供給でき、表示品質を向上できる。また、D/A変換回路52によりデータ線を直接駆動するDAC駆動が不要になるため、高速駆動や制御の簡素化を実現できる。
図9(A)、図9(B)にフリップアラウンド型サンプルホールド回路を用いた階調生成アンプ62の詳細な構成例を示す。
図9(A)、図9(B)の階調生成アンプ62は、演算増幅器OP1と、第1、第2のサンプリング用スイッチ素子SS1、SS2と、第1、第2のサンプリング用キャパシタCS1、CS2と、帰還用スイッチ素子SFGと、第1、第2のフリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2を含む。また出力用スイッチ素子SQGを含む。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの変形実施も可能である。またスイッチ素子SS1、SS2、SA1、SA2、SFG、SQGは、例えばトランスファーゲートなどのCMOSトランジスタにより構成できる。
演算増幅器OP1の非反転入力端子(第2の入力端子)には、アナログの基準電圧AGND(広義には所与の基準電圧)が設定される。
サンプリング用スイッチ素子SS1及びサンプリング用キャパシタCS1は、階調生成アンプ62の入力ノードNI1と演算増幅器OP1の反転入力端子(第1の入力端子)との間に設けられる。サンプリング用スイッチ素子SS2及びサンプリング用キャパシタCS2は、階調生成アンプ62の入力ノードNI2と演算増幅器OP1の反転入力端子との間に設けられる。
帰還用スイッチ素子SFGは、演算増幅器OP1の出力端子とOP1の反転入力端子との間に設けられる。
フリップアラウンド用スイッチ素子SA1は、スイッチ素子SS1とキャパシタCS1との間の第1の接続ノードNS1と、演算増幅器OP1の出力端子との間に設けられる。フリップアラウンド用スイッチ素子SA2は、スイッチ素子SS2とキャパシタCS2との間の第2の接続ノードNS2と、演算増幅器OP1の出力端子との間に設けられる。
そして図9(A)に示すようにサンプリング期間においては、サンプリング用スイッチ素子SS1、SS2及び帰還用スイッチ素子SFGがオンになると共に、フリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2がオフになる。これにより、図8(A)で説明したフリップアラウンド型サンプルホールド回路のサンプリング動作を実現できる。
一方、図9(B)に示すようにホールド期間においては、サンプリング用スイッチ素子SS1、SS2及び帰還用スイッチ素子SFGがオフになると共に、フリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2がオンになる。これにより、図8(B)で説明したフリップアラウンド型サンプルホールド回路のホールド動作を実現できる。
また出力用スイッチ素子SQGは、演算増幅器OP1の出力端子と階調生成アンプ62の出力ノードNQGとの間に設けられる。そして図9(A)に示すようにサンプリング期間においては、出力用スイッチ素子SQGはオフになる。これにより、階調生成アンプ62の出力がハイインピーダンス状態になり、サンプリング期間中の不確定な電圧が後段に伝達されるのを防止できる。
一方、図9(B)に示すように、ホールド期間においては、出力用スイッチ素子SQGはオンになる。これにより、サンプリング期間において生成された階調電圧である電圧VQGを出力できる。
次に図10を用いて、図9(A)、図9(B)の回路動作を説明する。ノードNG1には、D/A変換回路52からの第1の階調電圧VG1が入力され、ノードNG2には、図7で説明したように、VG1とは電圧レベルが異なる第2の階調電圧VG2が入力される。
スイッチ回路54のスイッチ素子SW1、SW2は、図7で説明したように、階調データDGに応じていずれか一方が排他的にオンになる。スイッチ素子SW3、SW4も、階調データDGに応じていずれか一方が排他的にオンになる。
サンプリング期間においては、サンプリング用スイッチ素子SS1、SS2、帰還用スイッチ素子SFGに入力されるスイッチ制御信号がアクティブ(Hレベル)になるため、スイッチ素子SS1、SS2、SFGはオンになる。一方、フリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2、出力用スイッチ素子SQGに入力されるスイッチ制御信号が非アクティブ(Lレベル)になるため、スイッチ素子SA1、SA2、SQGはオフになる。
ホールド期間においては、スイッチ素子SS1、SS2、SFGに入力されるスイッチ制御信号が非アクティブになるため、SS1、SS2、SFGはオフになる。一方、スイッチ素子SA1、SA2、SQGに入力されるスイッチ制御信号がアクティブになるため、SA1、SA2、SQGはオンになる。
なお図10のA1、A2に示すように、サンプリング用スイッチ素子SS1、SS2は、帰還用スイッチ素子SFGがオフになった後にオフになる。このようにすれば、後述するようにチャージインジェクションの悪影響を最小限に抑えることができる。そしてA3に示すように、フリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2、出力用スイッチ素子SQGは、サンプリング用スイッチ素子SS1、SS2がオフになった後にオンになる。
図11(A)、図11(B)に、第2の構成例の階調生成アンプを示し、図12にその回路動作の説明図を示す。
図12のB1、B2に示すように、図11(A)、図11(B)の第2の構成例では、D/A変換回路52からの第1、第2の階調電圧がサンプリング期間において時分割に階調生成アンプ62に入力される。そして図12のB3に示すようにサンプリング用スイッチ素子SS1がオフになることで、B1で入力されてサンプリングされた第1の階調電圧がホールドされる。またB4に示すようにサンプリング用スイッチ素子SS2がオフになることで、B2で入力されてサンプリングされた第2の階調電圧がホールドされる。
この図11(A)〜図12の第2の構成例では、図9(A)〜図10に比べてサンプリング期間が短くなってしまうため、サンプリング動作に時間的な余裕が無くなり、出力電圧VQGの精度が低下するおそれがある。
これに対して図9(A)〜図10の構成では、サンプリング期間を十分に長く取れるため、精度の良いサンプルホールド動作を実現でき、高精度な出力電圧VQGを出力できる。
また、第2の構成例では時系列にスイッチ素子SS1、SS2をオフにする必要があるため、図12のB3、B5に示すようにスイッチ素子SFGがオフになる前にスイッチ素子SS1がオフになってしまう。従って、スイッチ素子SS1がオフになるタイミングでは、スイッチ素子SFGがオン状態であり、ノードNEGがハイインピーダンス状態になっていないため、スイッチ素子SS1でのチャージインジェクションやクロックフィードスルーによる悪影響を受けてしまう。
これに対して、図9(A)〜図10の構成では、図10のA1、A2、A3に示すタイミングでのスイッチ制御が可能になるため、チャージインジェクション等の悪影響を最小限に抑えることができ、出力電圧VQGの変動を最小限にできる。
例えば図13(A)に、スイッチ素子となるトランスファーゲートTGの例を示す。トランスファーゲートTGを構成するN型トランジスタTN、P型トランジスタTPのゲートにはスイッチ制御信号CNN、CNPが入力されている。そしてトランスファーゲートTGがオフになる時に、ゲート・ドレイン間やゲート・ソース間の寄生容量Cgd、Cgsを原因とするクロックフィードスルーが発生する。またトランスファーゲートTGのオフ時に、チャネルの電荷がドレインやソースに流れ込み、チャージインジェクションが発生する。
この点、本実施形態では、図13(B)に示すように帰還用スイッチ素子SFGがオフになった後に、図13(C)に示すようにサンプリング用スイッチ素子SS1、SS2がオフになるため、チャージインジェクションやクロックフィードスルーによる悪影響を図11(A)〜図12の第2の構成例に比べて低減できる。
即ち図13(B)のようにスイッチ素子SS1、SS2がオン状態の時にスイッチ素子SFGがオフになると、スイッチ素子SFGでのチャージインジェクションやクロックフィードスルーの影響は受けてしまう。しかしながら、図13(C)に示すようにスイッチ素子SS1、SS2がオフになるタイミングでは、スイッチ素子SFGがオフなっておりノードNEGがハイインピーダンス状態になっている。従って、SS1、SS2でのクロックフィードスルーやチャージインジェクションによる影響は受けないようになるため、第2の構成例に比べてチャージインジェクションやフィードスルーによる悪影響を低減できる。
なお図13(A)のトランスファーゲートTGのトランジスタTN、TPのゲートには、VDD〜VSSの振幅のスイッチ制御信号CNN、CNPが入力される。従って、トランスファーゲートTGのドレイン又はソースの電位がVSSやVDDに設定されると、N型トランジスタTNからの電荷量とP型トランジスタTPからの電荷量にアンバランスが生じ、チャージインジェクションによる電荷が相殺されずに残るようになる。
この点、図13(B)のようにスイッチ素子SFGがオフになる直前では、演算増幅器OP1の非反転入力端子には、VDD(広義には第2の電源)とVSS(広義には第1の電源)の中間電圧となるAGNDが設定され、演算増幅器OP1のイマジナリーショート機能により、ノードNEGの電位はAGND=(VDD+VSS)/2に設定される。従って、スイッチ素子SFGがオフになる直前ではSFGのソース及びドレインはAGNDに設定され、入力される階調電圧の依存性がないと共に、トランスファーゲートTGのN型トランジスタからの電荷量とP型トランジスタからの電荷量のアンバランスを低減できるため、スイッチ素子SFGがオフになることによるチャージインジェクションの悪影響を最小限に抑えることができる。
なお図14に演算増幅器OP1の構成例を示す。この演算増幅器OP1はA級の増幅動作を行う。図14において、トランジスタTD1、TD2、TD3、TD4、TD5により演算増幅器OP1の差動部(差動段)が構成され、トランジスタTD6、TD7によりOP1の出力部(出力段)が構成される。そして図14では、差動部の出力ノードND1と、演算増幅器OP1の出力ノードND2との間に、位相補償用キャパシタCCPが設けられている。
6.駆動アンプ
図15にデータドライバの第2の変形例を示す。図15では図6と比較して、データ線駆動回路60が駆動アンプ64(駆動アンプ64-1〜64-N)を更に含んでいる。
この駆動アンプ64(駆動用サンプルホールド回路、出力アンプ)は、階調生成アンプ62の後段に設けられ、表示パネル400のデータ線を駆動する。この駆動アンプ64も、図8(A)、図8(B)で説明したフリップアラウンド型サンプルホールド回路により構成できる。このようにすれば、フリップアラウンド型サンプルホールド回路のオフセットキャンセル機能により、駆動アンプ64の出力電圧のバラツキを最小限に抑えることができ、表示品質を向上できる。
図16、図17に駆動アンプ64の具体的な構成例を示す。なお駆動アンプ64の構成はこれに限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
駆動アンプ64は、第2の演算増幅器OP2と、サンプリング用キャパシタCSを含む。サンプリング用キャパシタCSは、演算増幅器OP2の反転入力端子(第1の入力端子)と駆動アンプ64の入力ノードNQGとの間に設けられる。
そして図16に示すように、サンプリング用キャパシタCSには、駆動アンプ用サンプリング期間において入力ノードNQGの入力電圧VQGに応じた電荷が蓄積される。即ち駆動アンプ用サンプリング期間では、階調生成アンプ62はホールド動作を行っており、サンプリング期間で蓄積された電荷に対応した電圧VQGを出力している。駆動アンプ64は、駆動アンプ用サンプリング期間において、この出力された電圧VQGをサンプリングする。
そして駆動アンプ64は、図16の駆動アンプ用サンプリング期間においてキャパシタCSに蓄積された電荷に応じた出力電圧VQDを、図17に示すように駆動アンプ用ホールド期間において出力する。この時、階調生成アンプ62はサンプリング動作を行っており、その出力用スイッチ素子SQGはオフになっている。
更に具体的には、駆動アンプ64は、演算増幅器OP2と、サンプリング用スイッチ素子SS及びサンプリング用キャパシタCSと、第2の帰還用スイッチ素子SFDと、フリップアラウンド用スイッチ素子SAを含む。また出力用スイッチ素子SQDを含む。
ここで演算増幅器OP2の非反転入力端子(第2の入力端子)にはAGNDの基準電圧(所与の基準電圧)が設定される。
サンプリング用スイッチ素子SS及びサンプリング用キャパシタCSは、駆動アンプ64の入力ノードNQGと演算増幅器のOP2の反転入力端子(第1の入力端子)との間に設けられる。帰還用スイッチ素子SFDは、演算増幅器OP2の出力端子と反転入力端子との間に設けられる。
フリップアラウンド用スイッチ素子SAは、スイッチ素子SSとキャパシタCSとの間の接続ノードNSと、演算増幅器OP2の出力端子との間に設けられる。出力用スイッチ素子SQDは、演算増幅器OP2の出力端子と駆動アンプ64の出力ノードNQDとの間に設けられる。
そして図16に示すように駆動アンプ用サンプリング期間においては、サンプリング用スイッチ素子SS及び帰還用スイッチ素子SFDがオンになると共に、フリップアラウンド用スイッチ素子SAがオフになる。これにより、フリップアラウンド型サンプルホールド回路のサンプリング動作を実現できる。
一方、図17に示すように駆動アンプ用ホールド期間においては、サンプリング用スイッチ素子SS及び帰還用スイッチ素子SFDがオフになると共に、フリップアラウンド用スイッチ素子SAがオンになる。これにより、フリップアラウンド型サンプルホールド回路のホールド動作を実現できる。
なお図16に示すように、駆動アンプ用サンプリング期間においては、出力用スイッチ素子SQDはオフになる。これにより、駆動アンプ64の出力がハイインピーダンス状態になり、サンプリング期間中の不確定な電圧が後段に伝達されるのを防止できる。また図17に示すように駆動アンプ用ホールド期間においては、スイッチ素子SQDはオンになる。これにより、サンプリング期間においてサンプリングされた電圧を後段に出力できる。
以上のような駆動アンプ64を設ければ、図16のように階調生成アンプ62がそのホールド期間において出力した電圧VQGを、駆動アンプ用サンプリング期間においてサンプルできる。そして図17のように階調生成アンプ62のサンプリング期間中に、駆動アンプ64は、電圧VQGに応じた電圧VQDを階調生成アンプ62に代わってデータ線に出力できる。
例えば階調生成アンプ62のサンプリング期間を長くすると、その長いサンプリング期間の間は、階調生成アンプ62の出力がハイインピーダンス状態になってしまうため、データ線を駆動できず、駆動時間に余裕が無くなる。
これに対して図16、図17のような駆動アンプ64を設ければ、階調生成アンプ62のサンプリング期間の間、駆動アンプ64がホールド動作モードになってデータ線を駆動できる。この結果、駆動時間を長くすることができ、表示品質を向上できる。
特に、D/A変換回路52を複数のデータ線駆動回路60で共有し、D/A変換回路52が複数のデータ線駆動回路60に対して時分割で階調電圧を供給する構成の場合に、複数のデータ線駆動回路60の複数のサンプリング期間の総和時間は非常に長くなってしまう。
この点、図16、図17のような駆動アンプ64を設ければ、これらの複数のデータ線駆動回路60の複数のサンプリング期間の間、駆動アンプ64がホールド動作モードになってデータ線を駆動できる。従って、高精度の電圧をデータ線に供給することができ、表示品質を向上できる。
なお階調生成アンプ62の他に駆動アンプ64を設けた場合には、階調生成アンプ62が含む演算増幅器OP1を、例えばA級の増幅動作を行う増幅器により構成し、駆動アンプ64が含む演算増幅器OP2を、例えばAB級の増幅動作を行う増幅器により構成してもよい。具体的には、演算増幅器OP2を、サンプリング期間ではA級増幅動作を行い、ホールド期間ではAB級増幅動作を行う増幅器により構成する。
例えば階調生成アンプ62を構成する図14の演算増幅器OP1はA級増幅動作の増幅器になっている。このようなA級増幅動作の増幅器を用いれば、回路を簡素化できると共に低消費電力化も容易になる。そして後段に駆動アンプ64を設けた場合には、階調生成アンプ62の駆動負荷は、駆動アンプ64のサンプリング用キャパシタCS等だけになり、低負荷であるため、問題なく駆動できる。
一方、駆動アンプ64は、そのホールド期間において、大きな寄生容量を有するデータ線を駆動する必要があり、その駆動負荷は高負荷になる。そこで駆動アンプ64の演算増幅器OP2についてはAB級増幅動作が可能な増幅器により構成する。
図18にAB級の増幅動作が可能な演算増幅器OP2の構成例を示す。この演算増幅器OP2は、トランジスタTE1、TE2、TE3、TE4、TE5により構成される差動部(差動段)と、トランジスタTE6、TE7により構成される出力部(出力段)を含む。
図18の演算増幅器OP2では、図14の演算増幅器OP1とは異なり、その一端にバイアス電圧BSが供給され、その他端が出力部のトランジスタTE7のゲートノードNE3に接続されるスイッチ素子SE1が設けられている。またキャパシタCCP2は、差動部の出力ノードNE1と、トランジスタTE7のゲートノードNE3との間に設けられる。
スイッチ素子SE1は、駆動アンプ用サンプリング期間ではオンになる。これにより図18の演算増幅器OP2は、その出力部のトランジスタTE7のゲートにバイアス電圧BSが入力されるようになるため、A級増幅動作の増幅器として機能する。一方、スイッチ素子SE1は、駆動アンプ用ホールド期間ではオフになる。これによりトランジスタTE7のゲートノードNE3がフローティング状態になり、キャパシタCCP2により、ノードNE1の電圧変動に応じてノードNE2の電圧も変動するようになる。これにより図18の演算増幅器OP2はAB級増幅動作の増幅器として機能するようになる。
7.スイッチ素子の個数
図19にデータドライバの第3の変形例を示す。図16ではスイッチ回路54には4個のスイッチ素子SW1〜SW4が設けられているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば図19のスイッチ回路54には8個のスイッチ素子SW1〜SW8が設けられている。なおスイッチ素子の個数を8個よりも多くしてもよい(例えば16個、32個等)。
また図16では階調生成アンプ62には、2個のサンプリング用スイッチ素子SS1、SS2、2個のサンプリング用キャパシタCS1、CS2、2個のフリップアラウンド用スイッチ素子SA1、SA2が設けられているが、これらの個数も2個に限定されない。例えば図19では、4個のサンプリング用スイッチ素子SS1〜SS4、4個のサンプリング用キャパシタCS1〜CS4、4個のフリップアラウンド用スイッチ素子SA1〜SA4が設けられている。なおこれらの個数を4個よりも多くしてもよい(例えば8個、16個等)。
図19においてもスイッチ素子SW1とSW2、SW3とSW4、SW5とSW6、SW7とSW8は、各々、互いに排他的にオン・オフされる。そしてこれらのスイッチ素子SW1〜SW8のオン又はオフの設定により、図7と同様の手法で、階調生成アンプ62に第1、第2の階調電圧VG1、VG2の間の階調電圧を生成させることができる。具体的には図7では、VG1とVG2の間の1つの階調電圧が生成されるが、図19では、VG1とVG2の間の3つの階調電圧の生成が可能になる。
例えば階調データが8ビットであり、階調数が28=256階調である場合に、図16の構成では、階調電圧生成回路110は128個の階調電圧を生成すればよく、D/A変換回路52には、128個の階調電圧の中から電圧を選択するセレクタ群を設ければよい。
これに対して図19の構成によれば、階調電圧生成回路110は64個の階調電圧を生成すればよく、D/A変換回路52には、64個の階調電圧の中から電圧を選択するセレクタ群を設ければ済む。従って、階調電圧生成回路110やD/A変換回路52の回路規模や、階調電圧線の本数を更に削減でき、データドライバを含む集積回路装置の更なる小面積化を図れる。
8.D/A変換回路の構成例
図20にD/A変換回路52の構成例を示す。このD/A変換回路52は第1のD/A変換器DACAと第2のD/A変換器DACBを含む。
ここで、第1のD/A変換器DACA(奇数DAC)は、複数の階調電圧V1、V3、V5、V7・・・Vm-1(広義には複数の入力電圧)の中から階調データ(広義には入力データ)に対応する階調電圧(広義には電圧)を選択することで、第1の階調電圧VG1(広義には第1の電圧)を出力する。
一方、第2のD/A変換器DACB(偶数DAC)は、複数の階調電圧V0、V2、V4、V6、V8・・・Vm(複数の入力電圧)の中から階調データ(入力データ)に対応する階調電圧(電圧)を選択することで、第2の階調電圧VG2(広義には第2の電圧)を出力する。なお第1、第2の階調電圧VG1、VG2は、その電圧差が階調データ(入力データ)の例えば少なくとも1LSB分の電圧になっている。
DACAは、前段のセレクタブロックが有するセレクタの出力が後段のセレクタブロックが有するセレクタに入力される複数段のセレクタブロックBL1A、BL2A、BL3Aを含む。一方、DACBは、前段のセレクタブロックが有するセレクタの出力が後段のセレクタブロックが有するセレクタに入力される複数段のセレクタブロックBL1B、BL2B、BL3Bを含む。なおセレクタブロックの段数は図20のような3段には限定されず、2段や4段以上であってもよい。
図21に第1、第2のD/A変換器DACA、DACBの詳細な構成例を示す。これらのDACA、DACBの各々は、いわゆるトーナメント方式で複数の階調電圧から1つの階調電圧を選択して、第1、第2の階調電圧VG1、VG2として出力する。
図21に示すようにDACAの1段目のセレクタブロックBL1Aは、複数の2入力セレクタS10A〜S13A(2to1セレクタ)を含む。一方、DACBの1段目のセレクタブロックBL1Bは、複数の3入力セレクタS10B〜S13B(3to1セレクタ)を含む。これらのセレクタが含むスイッチ素子は、例えばP型トランジスタとN型トランジスタからなるトランスファーゲートにより構成できる。
DACAの複数の2入力セレクタのうちの2入力セレクタS10A(第iの2入力セレクタ。i=0)は、階調データ(入力データ)に基づいて、V1(第4i+1の入力電圧)とV3(第4i+3)の階調電圧(入力電圧)のいずれかを選択して、後段のセレクタブロックBL2Aの4入力セレクタS20Aに出力する。
また2入力セレクタS11A(第iの2入力セレクタ。i=1)は、階調データに基づいてV5とV7の階調電圧(第4i+1、第4i+3の入力電圧)のいずれかを選択して、後段の4入力セレクタS20Aに出力する。2入力セレクタS12A、S13Aについても同様である。
そして4入力セレクタS20Aは、2入力セレクタS10A、S11A、S12A、S13Aのいずれかの出力電圧を選択して、第1の階調電圧VG1として出力する。
DACBの複数の3入力セレクタのうちの3入力セレクタS10B(第iの3入力セレクタ。i=0)は、階調データ(入力データ)に基づいて、V0とV2とV4の階調電圧(第4i、第4i+2、第4i+4の入力電圧)のいずれかを選択して、後段のセレクタブロックBL2Bの4入力セレクタS20Bに出力する。
また3入力セレクタS11B(第iの3入力セレクタ。i=1)は、階調データに基づいて、V4とV6とV8の階調電圧(第4i、第4i+2、第4i+4の入力電圧)のいずれかを選択して、後段の4入力セレクタS20Bに出力する。3入力セレクタS12B、S13Bについても同様である。
そして4入力セレクタS20Bは、3入力セレクタS10B、S11B、S12B、S13Bのいずれかの出力電圧を選択して、第2の階調電圧VG2として出力する。
なお図21に示すようにDACBでは、階調電圧V4は3入力セレクタS10B、S11Bに共通に入力される。また階調電圧V8は3入力セレクタS11B、S12Bに共通に入力され、階調電圧V12は3入力セレクタS12B、S13Bに共通に入力される。
DACAの2入力セレクタS10A〜S13Aは、DACA専用のセレクタ制御信号EN1Aに基づき制御される。
具体的には、セレクタ制御信号EN1Aの電圧レベルに基づいて、2入力セレクタS10A〜S13Aが有する2つのスイッチ素子のいずれか一方のスイッチ素子がオンになり、他方のスイッチ素子がオフになる。
DACBの3入力セレクタS10B〜S13Bは、DACB専用のセレクタ制御信号EN1B[2]〜EN1B[0]に基づき制御される。
具体的には、セレクタ制御信号EN1B[2]〜EN1B[0]の電圧レベルに基づいて、3入力セレクタS10B〜S13Bが有する3つのスイッチ素子のうちのいずれか1つのスイッチ素子がオンになり、他のスイッチ素子がオフになる。
一方、DACAの2段目(2段目以降)のセレクタブロックBL2Aが含む4入力セレクタS20Aと、DACBの2段目(2段目以降)のセレクタブロックBL2Bが含む4入力セレクタS20Bは、共通のセレクタ制御信号EN2[3]〜EN2[0]に基づき制御される。
具体的には、セレクタ制御信号EN2[3]〜EN2[0]の電圧レベルに基づいて、4入力セレクタS20Aが有する4つのスイッチ素子のうちのいずれか1つのスイッチ素子がオンになり、他のスイッチ素子がオフになる。これによりDACAから第1の階調電圧VG1が出力されるようになる。
またセレクタ制御信号EN2[3]〜EN2[0]の電圧レベルに基づいて、4入力セレクタS20Bが有する4つのスイッチ素子のうちのいずれか1つのスイッチ素子がオンになり、他のスイッチ素子がオフになる。これによりDACBから第2の階調電圧VG2が出力されるようになる。
図21の構成によればDACA、DACBのセレクタのスイッチ素子の個数を減らすことができると共に、セレクタ制御信号の本数も減らすことができる。
例えば図22にDACA、DACBの第2の構成例を示す。図22では、DACAは、16個の階調電圧V0〜V15の中から1つの階調電圧を選択できる構成になっている。DACBも、16個の階調電圧V0〜V15の中から1つの階調電圧を選択できる構成になっている。
そして、DACAの1段目のセレクタブロックBL1Aが含む4入力セレクタは、セレクタ制御信号EN1A[3]〜EN1A[0]に基づき制御され、2段目のセレクタブロックBL2Aが含む4入力セレクタは、セレクタ制御信号EN2A[3]〜EN2A[0]に基づき制御される。
同様に、DACBの1段目のセレクタブロックBL1Bが含む4入力セレクタは、セレクタ制御信号EN1B[3]〜EN1B[0]に基づき制御され、2段目のセレクタブロックBL2Bが含む4入力セレクタは、セレクタ制御信号EN2B[3]〜EN2B[0]に基づき制御される。
図21の第1の構成例によれば、図22の第2の構成例に比べて、スイッチ素子の個数を40個から28個に減らすことができる。またセレクタ制御信号の本数を16本から8本に減らすことができる。従って、D/A変換回路52の回路面積を図22に比べて縮小化できる。またセレクタ制御信号の本数が減ることで、信号線の配線領域を縮小化でき、集積回路装置の小面積化を図れる。
9.最小階調電圧、最大階調電圧の調整
図23にD/A変換回路52の変形例を示す。図23では最小階調電圧VGML(例えば0Vを基準とした最小階調電圧)と、最大階調電圧VGMH(例えば0Vを基準とした最大階調電圧)の調整が可能になっている。
具体的には図23の第1のD/A変換器DACAは、階調電圧V1、V3、V5・・・V63を受け、階調データに対応する電圧を選択して、階調電圧VG1’として出力する。また第2のD/A変換器DACBは、階調電圧V0、V2、V4・・・V64を受け、階調データに対応する電圧を選択して、階調電圧VG2’として出力する。これらのDACA、DACBとしては例えば図21で説明した構成(16階調から64階調に拡張した構成)を採用できる。なお図22で説明した構成を採用してもよい。
3入力セレクタSGAは、DACAからの階調電圧VG1’と、最大階調電圧VGMHと、最小階調電圧VGMLのいずれかを選択して、第1の階調電圧VG1として出力する。3入力セレクタSGBは、DACBからの階調電圧VG2’と、最大階調電圧VGMHと、最小階調電圧VGMLのいずれかを選択して、第2の階調電圧VG2として出力する。
そして図24に示すように階調データDGの全てのビットD7〜D0が「0」(広義には第1の論理レベル)である場合(DG=(00000000)である場合)には、D/A変換回路52は第1の階調電圧VG1として最大階調電圧VGMHを出力すると共に、第2の階調電圧VG2としても最大階調電圧VGMHを出力する。即ち図23の3入力セレクタSGA、SGBは共に最大階調電圧VGMHを選択して出力する。
一方、階調データDGの全てのビットD7〜D0が「1」(広義には第2の論理レベル)である場合(DG=(11111111)である場合)には、D/A変換回路52は第1の階調電圧VG1として最小階調電圧VGMLを出力すると共に、第2の階調電圧VG2としても最小階調電圧VGMLを出力する。即ち図23の3入力セレクタSGA、SGBは共に最小階調電圧VGMLを選択して出力する。
一方、階調データがDG=(00000000)又は(11111111)以外である場合には、セレクタSGA、SGBは、DACA、DACBからのVG1’、VG2’を、第1、第2の階調電圧VG1、VG2として出力する。即ち図7等で説明した手法によりDACA、DACBが出力したVG1’、VG2’を、VG1、VG2として出力する。
図25に、図23、図24の手法を実現するための階調電圧生成回路110の構成例を示す。図25では、アンプOPBHが最大階調電圧VGMHを生成して出力し、アンプOPBLが最小階調電圧VGMLを生成して出力する。そしてこれらの最大階調電圧VGMH、最小階調電圧VGMLを、ラダー抵抗回路RDLにより抵抗分割することで、RDLの各タップ位置に階調電圧V0、V1、V2・・・・V63、V64が生成されて、D/A変換回路52に出力される。
なお図24、図25ではV0が高電位側電圧であり、V64が低電位側電圧になっているが、V0が低電位側電圧であり、V64が高電位側電圧であってもよい。
またアンプOPBH、OPBLは、最大階調電圧VGMH、最小階調電圧VGMLの電圧値を可変に設定できることが望ましい。具体的にはコマンドに基づくレジスタ設定により、電圧値を可変に設定する。なおラダー抵抗回路RDLにより抵抗分割した電圧をインピーダンス変換する演算増幅器等を更に設けてもよい。
本実施形態では図7等で説明したように、階調生成アンプ62が、例えばV0とV1の間、V1とV2の間、V2とV3の間などの階調電圧を生成する。この場合の階調電圧の刻み幅は、図7に示すように等間隔になる。
ところが、図25のVGMHとV0の間や、V64とVGMLの間については、等間隔に階調を刻まない方が望ましい場合がある。例えばガンマ補正とは独立に、コントラストを調整する場合には、VGML、VGMHだけを独立に制御できることが望ましい。
そこで図24、図25では、D/A変換回路52は、階調データが例えばDG=(00000000)である場合にはVG1=VG2=VGMHを出力し、階調データが例えばDG=(11111111)である場合にはVG1=VG2=VGMLを出力するようにしている。このようにすれば、VGMHとV0の間の電圧差や、V64とVGMLの間の電圧差については、等間隔に階調が刻まれずに、任意に設定できるようになる。従って、V0〜V64の設定によるガンマ階調カーブの調整とは独立に、VGMH、VGMLの設定によるコントラスト等の調整が可能になり、利便性を向上できる。
10.電子機器
図26(A)、図26(B)に本実施形態の集積回路装置10を含む電子機器(電気光学装置)の構成例を示す。なお図26(A)、図26(B)の構成要素の一部を省略したり、他の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
図26(A)、図26(B)においてホストデバイス410は、例えばMPU、ベースバンドエンジンなどである。このホストデバイス410は、表示ドライバである集積回路装置10の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図26(B)の画像処理コントローラ420は、ホストデバイス410に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
図26(A)の場合には、集積回路装置10としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には集積回路装置10は、ホストデバイス410からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、表示パネルを駆動する。一方、図26(B)の場合には、集積回路装置10としてメモリ非内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストデバイス410からの画像データは、画像処理コントローラ420の内蔵メモリに書き込まれる。そして集積回路装置10は、画像処理コントローラ420の制御の下で、表示パネル400を駆動する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(電気光学装置、第1の入力端子、第2の入力端子、基準電圧、第1の電源、第2の電源等)と共に記載された用語(表示パネル、反転入力端子、非反転入力端子、AGND、VSS、VDD等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またデータドライバ、D/A変換回路、スイッチ回路、データ線駆動回路、階調生成アンプ、駆動アンプ、集積回路装置、電子機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。