JP5172499B2 - 無機粒子バインダー組成物 - Google Patents
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Description
(A)チタン化合物オリゴマー(a1)に対し、分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物(a2)を反応させた構造又は混合させた組成を有する複合化合物
(B)溶剤
を含有することを特徴とする無機粒子バインダー組成物を提供するものである。
(A)チタン化合物オリゴマー(a1)に対し、分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物(a2)を反応させた構造又は混合させた組成を有する複合化合物
(B)溶剤
(1)(a1)と(a2)の反応により得られる構造を有するもの
(2)(a1)と(a2)の反応により得られる構造を有するもの及び(a1)の混合物
(3)(a1)と(a2)の反応により得られる構造を有するもの及び(a2)の混合物
(4)(a1)及び(a2)の混合物
(5)(a1)と(a2)の反応により得られる構造を有するもの、及び(a1)、(a2)の混合物
このうち、態様(5)の「((a1)と(a2)の反応により得られる構造を有するもの、及び(a1)、(a2)の混合物」が好ましい。
[チタン化合物オリゴマーA(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)の合成]
テトライソプロポキシチタニウム28.4g(0.10モル)をイソプロパノール25.0gに溶解させた後、水2.7g(0.15モル)とイソプロピルアルコール20.0gとアセチルアセトン20.0g(0.2モル)の混合液を滴下した。滴下終了後、30分間還流し、テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナートを得た。これを「チタン化合物オリゴマー溶液A」とする。
[チタン化合物オリゴマーB(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)の合成]
テトライソプロポキシチタニウム28.4g(0.10モル)に対する水の量を水2.2g(0.12モル)とした以外は、製造例1と同様の方法で、テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナートを得た。これを「チタン化合物オリゴマー溶液B」とする。
[チタン化合物オリゴマーC(テトラノルマルブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)の合成]
テトラノルマルブトキシチタニウム34.0g(0.10モル)をノルマルブタノール12.0gに溶解させた後、水2.7g(0.15モル)とノルマルブタノール24.0gの混合液を滴下した。滴下終了後、30分間還流した。これにアセチルアセトン20.0g(0.20モル)を滴下した。滴下終了後、30分間還流し、テトラブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナートを得た。これを「チタン化合物オリゴマー溶液C」とする。
[チタン化合物オリゴマー溶液D(テトラノルマルブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)の合成]
テトラノルマルブトキシチタニウム34.0g(0.10モル)をノルマルブタノール12.0gに溶解させた後、水1.8g(0.10モル)とノルマルブタノール24.0gの混合液を滴下した。滴下終了後、30分間還流した。これにアセチルアセトン20.0g(0.20モル)を滴下した。滴下終了後、30分間還流し、テトラブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナートを得た。これを「チタン化合物オリゴマー溶液D」とする。
製造例1で製造したチタン化合物オリゴマー溶液A(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、エチレングリコール10質量%、及びγーグリシドキプロピルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例1で製造したチタン化合物オリゴマー溶液A(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、1,2−プロパンジオール10質量%、及びγーグリシドキプロピルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例2で製造したチタン化合物オリゴマー溶液B(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、エチレングリコール5質量%、1,2−プロパンジオール5質量%、及びγーグリシドキプロピルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例3で製造したチタン化合物オリゴマー溶液C(テトラノルマルブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、イソプロパノール5質量%、トルエン5質量%、及びγーグリシドキプロピルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例2で製造したチタン化合物オリゴマー溶液B(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、エチレングリコール10質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例3で製造したチタン化合物オリゴマー溶液C(テトラノルマルブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、1,2−プロパンジオール5質量%、イソプロパノール5質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例4で製造したチタン化合物オリゴマー溶液D(テトラノルマルブトキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、エチレングリコール6質量%、イソプロパノール5質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例1で製造したチタン化合物オリゴマー溶液A(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、イソプロパノール5質量%、トルエン5質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルメチルジメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例1で製造したチタン化合物オリゴマー溶液A(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、エチレングリコール10質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルメチルジメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
製造例2で製造したチタン化合物オリゴマー溶液B(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート溶液)80質量%(0.1モル)、1,2−プロパンジオール10質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルメチルジメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
エチレングリコール90質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
1,2−プロパンジオール90質量%、及びγ−アミノプロピルアミノエチルメチルジメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
イソプロパノール45質量%、トルエン45質量%、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10質量%(0.05モル)を混合して無機粒子バインダー組成物を得た。
実施例1においてチタン化合物オリゴマーA(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)を、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)に代えた以外は、実施例1と同様にして、無機粒子バインダー組成物を得た。
実施例1においてチタン化合物オリゴマーA(テトライソプロポキシチタニウムオリゴマーアセチルアセトナート)を、テトライソプロポキシドチタンに代えた以外は、実施例1と同様にして、無機粒子バインダー組成物を得ようとしたが、短時間で白濁液体となってしまった。従って、無機粒子バインダー組成物が得られなかったため、以下の評価は行わなかった。
「希釈有機溶剤」として、トルエン50gとイソプロパノール50gの混合溶剤と、酸化チタン粉末(堺化学社製、R32)10g、及び実施例1〜10、比較例1〜5の無機粒子バインダー組成物10gを、各々ボールミル混錬して無機塗料を調製した。これらの無機塗料を、厚さ5mmのガラス板、鏡面ステンレス板に、それぞれバーコーターNo.4で、乾燥膜厚0.5g/m2で塗布した。その後、200℃にて30分乾燥した。得られた塗膜について以下の評価を行った。結果を表2に示す。
クロスカット試験をJIS K−5600−5−6に準拠した方法により行い、以下の基準で判定した。
◎:100%、○:90〜99%、△:70〜89%、×:70%未満
得られた塗膜表面を指で強く擦った後、擦過した表面に対する脱落しなかった部分の面積を目視で観察し、以下の基準で判定した。
◎:100%、○:90〜99%、△:70〜89%、×:70%未満
得られた塗膜を100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後、クロスカット試験をJIS K−5600−5−6に準拠した方法により行い、以下の基準で判定した。
◎:100%、○:90〜99%、△:70〜89%、×:70%未満
鉛筆引っかき試験をJIS K−5600−5−4に準拠した方法により行った。
Claims (8)
- 少なくとも、下記成分(A)及び成分(B)
(A)チタン化合物オリゴマー(a1)に対し、分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物(a2)を、(a1)と(a2)の質量比が(a1)/(a2)=0.1/50〜50/0.1で反応させた構造又は混合させた組成を有する複合化合物
(B)溶剤
を含有する無機粒子バインダー組成物であって、
該チタン化合物オリゴマー(a1)が、下記式(1)で表されるチタンアルコキシド、水及びキレート化剤をアルコール溶液中で熱処理して反応させることによって得られるものであり、
該分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物(a2)が、アミノ基、メルカプト基又はエポキシ基を含有し、繰り返し単位を含まないシランカップリング剤であることを特徴とする無機粒子バインダー組成物。
- 該キレート化剤が、β−ジケトン、β−ケトエステル、多価アルコール、アルカノールアミン及びオキシカルボン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の無機粒子バインダー組成物。
- 式(1)中のR1〜R4が、それぞれ独立に炭素数1〜8個のアルキル基である請求項1又は請求項2記載の無機粒子バインダー組成物。
- 分子中に1個以上のアルコキシ基を有するシリコン化合物(a2)が、ケイ素原子にアルキル基が直接結合した構造を有するものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の無機粒子バインダー組成物。
- Ti、Zr、Al、Zn、Si、In、Sn、Sb、Mg、V及びNbよりなる群から選ばれた少なくとも1つの金属原子を含む、金属粒子若しくは金属酸化物粒子を結合するため用の請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の無機粒子バインダー組成物。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の無機粒子バインダー組成物及び無機粒子を用いて得られたことを特徴とするセラミックス材料。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の無機粒子バインダー組成物及び無機粒子を混合し、150℃〜900℃で焼成することを特徴とする無機粒子同士の接着性を高める方法。
- 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の無機粒子バインダー組成物及び無機粒子を混合し、150℃〜900℃で焼成してなることを特徴とするセラミックス。
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