JP5172285B2 - ハーネス一体型スライドヒンジ及びスライド型電子機器 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明のハーネス一体型スライドヒンジは、回路を有する複数の筐体を相対移動可能に支持するスライドヒンジであって、一方側の前記筐体に取り付けられる第1のスライド板と、他方側の前記筐体に取り付けられる第2のスライド板と、第1のスライド板と第2のスライド板とを相対移動可能に支持するスライド機構と、複数本の配線と当該配線の端部に設けられた接続部とを有すると共に第1のスライド板と第2のスライド板との間で引き回されるハーネスとを備え、第1のスライド板と第2のスライド板とが相対移動可能に取り付けられ、第1のスライド板と第2のスライド板との間の空間部には、配線を複数本積み重ねた配線積層部がU字形をなすように曲げて収納されていることを特徴とする。
また、配線がスライドヒンジの筐体である第1のスライド板と第2のスライド板との空間部に収容されていることから、スライド運動する際に他の部品と擦れることがないため、接続信頼性が向上する。
さらに、スライドヒンジとハーネスとが一体化されているため、スライド型電子機器に組み込むときに取り扱いが容易となり生産性が向上する。
更にまた、空間部の高さ方向で屈曲半径をとる必要がなく、空間部の幅方向で屈曲半径をとることができるため、屈曲特性に優れない配線であってもハーネス一体型スライドヒンジに用いることができる。
ハーネスを構成する配線が、相互に平行に並べられた複数本の極細同軸ケーブルを被覆材で被覆することにより極細同軸ケーブルを一括被覆してなるフラットケーブルであるため、伝送特性及び耐ノイズ性に優れた薄型のハーネス一体型スライドヒンジを提供することができる。
また、空間部において、第1のスライド板と第2のスライド板とが対向する方向に沿って極細同軸ケーブルが並ぶように配置されていることから、極細同軸ケーブルが空間部の幅方向で屈曲半径をとることができると共に、第1のスライド板と第2のスライド板とによって隣接するフラットケーブルの飛び越えを防ぐことができる。
これにより、スライド型電子機器の筐体に設けられている回路の位置に応じてハーネスの両端部に設けられた接続部を各スライド板の任意の場所から外部に臨ませることができる。
また、第1のスライド板及び第2のスライド板の一方又は両方が、金属又は金属を含む材料で形成された遮蔽部材を取り付けられていることが好ましい。
これにより、ハーネスの接続部のシールド効果を高めることができる。
本発明のスライド型電子機器は、上述のハーネス一体型スライドヒンジを用いていることから、伝送特性及び耐ノイズ性に優れた薄型のスライド型電子機器を提供することができる。
ねじりバネの一端5aは、その先端部が、第1のスライド板2の主面部2a上であって開口部2dの第2のスライド板3のスライド方向側に設けられた支持部2eに回動可能に取り付けられている。また、ねじりバネの他端5bは、その先端部が、第2のスライド板3の主面部3a上であって開口部3eのスライド方向側に設けられた支持部3eに回動可能に取り付けられている。
本実施形態において、ねじりバネ5の各スライド板2,3への取り付け状態では、ねじりバネ5は、図1(a)に示すような各スライド板2,3が重なった状態、及び図1(b)に示すような各スライド板2,3がスライドした状態において、その一端5aと他端5bとの距離が充分に広がったV字状をなしている。
また、ねじりバネ5は、スライドユニット1のスライド方向においてスライド板3がスライド板2に対してスライドする方向を拡がり方向とし、その反対方向を戻り方向とした場合に、ハーネス6に対して拡がり方向側に、ねじりバネ5のねじり部分がハーネス6の広がり方向側となるように主面部2a,3a間の空間部に収納されている。
なお、本実施形態のスライド機構5は、特にねじりバネに限定されるものではなく、第1のスライド板2と第2のスライド板3とをスナップ作動が可能となるように連結するものであれば良い。
なお、本実施形態では、極細同軸ケーブル10の本数は特に限定されるものではなく、収納部の高さとの関係に応じて数本から数10本であってもよい。また、本実施形態では極細同軸ケーブル10のみの構成を示しているが、本実施形態の構成はこれに限定されるものではなく、給電用電線や光ケーブルなどの同軸ケーブル以外のケーブルと極細同軸ケーブルとを組み合わせてフラットケーブル7を構成してもよい。
また、シース11は、極細同軸ケーブル10が互いに隣接ケーブルを飛び越える動きを制限している。また、シース11と極細同軸ケーブル10の接触部10bでは、シース11とジャケット15とが接触しているが、樹脂同士では融着していない。
なお、本実施形態では、シース11と極細同軸ケーブル10の間には、シース11を構成する樹脂等が充填されておらず、隙間16が存在している。しかし本実施形態は、これに限定されるものではなく、フラットケーブル7の可撓性や、屈曲耐久性を向上させるような樹脂等が充填されていても良い。
図1(a)は、本実施形態のスライドユニットの筐体を閉じた状態を示しており、図1(b)は、筐体をスライドした状態を示している。
また、第2のスライド板3を図1(b)の状態からスライド移動させるときも、同様な過程を経て図1(a)の状態に復帰する。
また、各筐体22,23には回路部の入出力部となるコネクタ接続部(図示せず)がそれぞれ備えられている。そして、ハーネス6の一方のコネクタ8が、下側筐体22のコネクタ接続部(図示せず)に接続されており、他方のコネクタ9が、上側筐体23のコネクタ接続部(図示せず)に接続されている。これによって、2つの筐体22,23の各回路部がスライドユニット1を介して電気的に接続されている。
また、本実施形態のスライドユニット1によれば、スライド型電子機器21の配線に適した薄型のスライドユニット1を提供することができる。
本実施形態のハーネス6は、極細同軸ケーブル10の並び順序を維持することが可能であるとともに、空間部の高さが2mmのあいだに収納できる。
さらに、本実施形態のハーネス6によれば、コネクタ8,9付近での極細同軸ケーブル10の並び方向と積層部6bでの並び方向とを90℃変えることができる。したがって、極細同軸ケーブル10は、従来のFPCを筐体間配線材として用いた場合のように空間部の高さ2mmの間で屈曲半径をとる必要がなく、空間部の幅方向に許容曲げ半径以上の大きな曲率半径をとることができる。これにより、携帯電話に求められる10万回以上の屈曲回数要求を満たすことができる。
更にまた、本実施形態のスライド型電子機器21によれば、スライドユニット1を適用するため、スライド動作と電気的接続を省スペースで実現することができる。これにより、薄型のスライド型電子機器21を提供することができる。
例えば、極細同軸ケーブル10のフラットケーブル化において、樹脂シースと変えて樹脂テープあるいは樹脂繊維による平編みによってフラットケーブル化してもよい。
また、ハーネス6は、第1のスライド板2及び第2のスライド板3の開口部の位置や向きに応じて、等長のフラットケーブルで構成してもよく、非等長のフラットケーブルで構成してもよい。
Claims (6)
- 回路を有する複数の筐体を相対移動可能に支持するスライドヒンジであって、
一方側の前記筐体に取り付けられる第1のスライド板と、
他方側の前記筐体に取り付けられる第2のスライド板と、
前記第1のスライド板と前記第2のスライド板とを相対移動可能に支持するスライド機構と、
複数本の配線と当該配線の端部に設けられた接続部とを有すると共に前記第1のスライド板と前記第2のスライド板との間で引き回されるハーネスとを備え、
前記第1のスライド板と前記第2のスライド板とが相対移動可能に取り付けられ、
前記第1のスライド板と前記第2のスライド板との間の空間部には、前記配線を複数本積み重ねた配線積層部がU字形をなすように曲げて収納されていることを特徴とするハーネス一体型スライドヒンジ。 - 前記配線は、複数本の極細同軸ケーブルと、樹脂製の被覆材とから少なくとも構成され、相互に平行に並べられた複数本の前記極細同軸ケーブルを前記被覆材で被覆することにより前記極細同軸ケーブルを一括被覆してなるフラットケーブルであると共に、前記空間部において、前記第1のスライド板と前記第2のスライド板とが対向する方向に沿って前記極細同軸ケーブルが並ぶように前記配線積層部が収納されていることを特徴とする請求項1に記載のハーネス一体型スライドヒンジ。
- 前記第1のスライド板及び前記第2のスライド板の一方又は両方には、前記接続部を取り出す開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のハーネス一体型スライドヒンジ。
- 前記第1のスライド板及び前記第2のスライド板の一方又は両方が、金属又は金属を含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハーネス一体型スライドヒンジ。
- 前記第1のスライド板及び前記第2のスライド板の一方又は両方が、金属又は金属を含む材料で形成された遮蔽部材を取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハーネス一体型スライドヒンジ。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハーネス一体型スライドヒンジによって、回路を有する複数の筐体が相対移動可能に取り付けられると共に、これらの筐体内の回路同士を電気的に接続されてなることを特徴とするスライド型電子機器。
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