JP5167698B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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Description
このとき,ユーザーが前記警報器の付近に居なかった場合など,遮断動作時の電路の状態が,前記漏電警報付配線用遮断器の定格電流を超えた電流が電路に流れることにより,前記漏電警報付配線用遮断器が遮断動作したのか,またはその状態に加えて,電路に漏電電流が流れていたのかを知るすべがなく,電路に漏電電流が流れていた場合には,前記漏電警報付配線用遮断器を再投入した際に,前記警報器が動作することにより,初めて漏電電流が流れていたことを認識し,再び前記漏電警報付配線用遮断器を遮断動作させる必要が生じるなど,遮断動作前の電路の状態が不明で,蓋し利便性が芳しくない場合があるという課題があった。
交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流,及び前記交流電路や設備などの充電部から大地に流れる電流が含まれる漏電電流において,前記交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流である地絡電流を検出する地絡電流検出手段と,
前記交流電路に介在して,該交流電路を入切する接点開閉機構部と,
前記交流電路に所定の電流値を超えた電流が流れた場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う第一の引外し手段と,
前記地絡検出手段により所定の値の地絡電流が検出された場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段と,
前記第一の引外し手段又は第二の引外し手段によって前記接点開閉機構部が開動作した際に,該開動作直前の交流電路に発生した地絡電流の情報を保持する表示情報保持手段と,該表示情報保持手段で保持された地絡電流の情報を固定表示する表示手段と,
常に前記表示手段に電源を供給するために,前記接点開閉機構部における接点の一次側に接続され電源の取得を行う電源取得部と,
を備えたことを特徴とする回路遮断器を提供したものである。
前記地絡電流検出手段と前記表示手段と前記表示情報保持手段と前記電源取得部を備えた地絡電流検出ブロックとに分割され,
前記遮断器ブロックと前記地絡検出ブロックとは連結手段で連結されている
ことを特徴とする回路遮断器を提供してもよい。
遮断動作の動作要因の検出対象電流を,前記漏電電流検出手段で検出した漏電電流と前記地絡電流検出手段で検出した地絡電流の中から,使用者の所望に応じて選択する検出対象選択手段を,
備えたことを特徴とする回路遮断器を提供してもよい。
前記漏電電流検出手段又は前記地絡電流検出手段により,所定の大きさの検出対象の電流が検出された場合には,前記接点開閉機構部が開動作となる回路遮断モードと前記警報信号出力部が警報信号を出力する警報モードを備え,前記回路遮断モード及び前記警報モードのなかから,使用者の所望に応じて選択するモード選択手段を設けた,
ことを特徴とする回路遮断器を提供してもよい。
<回路遮断器の外観>
第1の実施形態として,3線式の電路に一般的に用いられる回路遮断器の例を示し,その外観図を図1乃至図6に示す。
回路遮断器1は,通常電路に接続されて使用される遮断器ブロック10と,地絡電流を検出する地絡電流検出ブロック20とから構成されている。該遮断器ブロック10と該地絡電流検出ブロック20とは,図18に示したような地絡電流検出ブロック20側に設けられたかぎ状凸部21が,遮断器ブロック10側に設けられた前記かぎ状凸部に対応する凹部と嵌合することにより連結される。
前記電路における地絡電流成分を検出する地絡電流検出手段と,該地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に,前記第二の引外し手段に向けて所定の動作信号を出力する第二の引外し手段駆動手段とを備えている。
前記操作部205の拡大図を図12に示している。
該操作部205は,押しボタン式の操作部であり,
遮断器ブロック10の動作モードを設定するための,設定項目選択部205aと,
前記設定項目選択部205aにより選択された設定項目を決定操作するための設定値決定部205bと,
前記感度電流値などの設定項目を増減選択操作するための設定値増加部205c,設定値減少部205dと,
設定された設定値を確認するための設定値確認部205eと,を備えている。
前記表示部202は,液晶ディスプレイにより構成されており,該表示部202には,回路遮断器が動作を行うための各種設定値や,検出対象の電流の設定値に対する割合などを視覚的に表示し,前記操作部205と連動して演算処理回路にて演算処理され,該操作部205に操作した事項は,適宜表示部202に表示されるように構成されている。
図1における表示部は,遮断器ブロック10の運用時における各種表示の状態を示したものである。該表示部202では,前記遮断器ブロック10が,遮断動作もしくは警報を発する動作の動作要因とする検出対象の電流を表示する検出方式と,
検出対象の電流についての動作閾値となる感度電流を表示する感度電流と,
前記感度電流に対する現在の検出対象の電流の割合を示す現在のレベルと,
検出対象の電流が所定の大きさ(感度電流)に達したときの動作モードを示す動作モードの表示が行われ,運用時に必要な情報をユーザーが視認可能なように表示する。
次に,図2における表示部は,遮断器ブロック10の設定値確認時における各種表示の状態を示したものである。この状態は,操作部205における設定値確認部205eを押圧すると,演算処理回路が記憶しておいた設定値を該演算処理回路が読み込むことにより,該表示部202に,現在設定されている各種設定値,即ち,前記検出方式と,前記感度電流と,前記動作モードならびに,前記検出対象の電流が前記感度電流に達した場合に前記動作モードに基づいて動作を行うまでの動作時間の表示を行う。これにより,ユーザーは,遮断器ブロック10の設定値を,表示部を確認することにより視認可能となる。
次に,図3乃至図6における表示部は,遮断器ブロック10の各種設定を行う場合の表示の状態を示したものである。
本実施例においては,設定項目として,前記「検出方式」と,前記感度電流を設定する「感度」と,前記動作モードならびに前記動作時間を設定する「動作」の3つの大項目があり,それぞれの大項目について,詳細な設定項目(小項目)が付随しているため,それぞれ順を追って説明を行う。
まず,基本的な選択/決定の流れについて説明を行う。
前記遮断器ブロック10に各種設定を行う場合,前記設定項目選択部205aを押圧する。すると,前記演算処理回路に信号が入力され,遮断器ブロック10は前記大項目の選択受付待機モードに切り替わる。
前記小項目が選択されているときには大項目の選択状態に切り替わり,
前記大項目が選択されているときには運用状態に切り替わる。
続いて,前述した基本的な選択/決定の流れに基づいて,図3乃至図6を用いて設定項目を選択/決定する場合について説明を行う。
図3には,選択表示に切り替わった場合の初期表示状態を示している。初期表示状態では,検出方式のところに,カーソルが反転オーバーレイ表示され,「検出方式」を選択するモードになっている。この状態で,前記設定値決定部205bを押圧すると,該検出方式の小項目である検出対象の電流項目(Io/Ior/off)にアクティブなカーソルが遷移し,前記設定項目選択部205aを押圧することで,検出対象の電流項目を順次選択することができるようになる。
次に,この状態で,設定項目選択部205aを押圧すると,図4に示した「動作」を選択するモードとなる。続いて設定値決定部205bを押圧すると,小項目である「モード」及び「時間」を選択するモードとなる。図4では,モードが警報で,動作時間が0.3秒となるように選択している。
次に,この状態で,前記設定項目選択部205aを押圧すると,図6に示した「感度」を選択するモードとなる。続いて,設定値決定部205bを押圧すると,小項目である各々の検出対象の電流(Io/Ior)についての感度を選択するモードとなる。
検出対象の電流についての動作閾値となる感度電流を表示する感度電流と,
前記感度電流に対する現在の検出対象の電流の割合を示す現在のレベルと,
検出対象の電流が所定の大きさ(感度電流)に達したときの動作モードを示す動作モードの表示を行い,運用時に必要な情報をユーザーが視認可能なように表示する。
<単相三線式>
図7に示した内部ブロック図は,単相三線式の電路に適用した場合の回路遮断器1であり,遮断器ブロック10と地絡電流検出ブロック20との間を,電源取得部301と零相変流器出力信号取得部302と第二の引外し手段駆動信号送信部303を介して,電源及び信号の送受信を行う様子を示したものである。
また,2006は,電路の相線式の判別を行う相線式判別回路であり,遮断器ブロック10の設置される電路が,単相三線式であるか,もしくは三相三線式であるかを判別する回路である。
表示部202への表示制御,警報信号出力部203からの報知制御を行う演算処理回路部であり,本実施例ではマイコンを用いて構成している。
図8に示した内部ブロック図は,三相三線式の電路に適用した場合の回路遮断器1であり,遮断器ブロック10と地絡電流検出ブロック20との間を,電源取得部301と零相変流器出力信号取得部302と第二の引外し手段駆動信号送信部303を介して,電源及び信号の送受信を行う様子を示したものである。
次に,検出方式がIorである場合の,地絡電流の検出方法について順を追って説明する。
外部要素として,前記電路における電圧位相データと,前記零相変流器107により検出される漏電電流データと,該電路の相線式の判別データを用い,
また,内部要素として,遮断器ブロック10において,前記外部要素を用いて同期演算する際に,それぞれ前記電圧位相検出回路2004,漏電電流検出回路2005,演算処理回路部2007などの,個々の回路特性のばらつきにより生ずる,基準値から位相のズレを補正するための位相補正値と,実効値が1の正弦波データを用いて,
地絡電流を演算処理にて求出する。
まず,電路が単相三線式の場合について図7を用いて説明する。
前記零相変流器107から得られる漏電電流を電圧信号に変換する漏電電流検出回路2005から入力される漏電電流の電圧変換信号データと,
前記相線式判別回路2006から入力される相線式の判別データと,
電圧位相検出回路2004から入力される電路電圧の矩形波信号データと,が入力される。
前記漏電電流検出回路2005から入力される漏電電流の電圧変換信号データをA/D変換部701にて所定の時間ごとにA/D変換しデジタルデータ化するステップ(ステップS001),
前記遮断器ブロック10において,検出方式をIoと設定した場合には,電路における地絡電流は検出せずに,漏電電流を検出するよう動作する。この場合には,前記演算処理回路部2007は,前記漏電電流の電圧変換信号データに,前記正弦波データを乗算するステップ(ステップS006)を実行せず,そのまま1周期の平均値を求めて,予め設定された感度電流データと比較することにより,レベル判定を行い,動作モードに応じて,遮断もしくは警報動作を行う。
なお,前記演算処理回路部2007は,前記表示部202に対する表示制御を行っており,前述した平均値演算部712にて求められた地絡電流もしくは漏電電流の値について,予め設定されている感度電流の値のデータに対する割合を演算し,段階的にレベル表示を行う。
続いて,電路が三相三線式の場合について図8を用いて説明する。
三相三線式の場合には,単相三線式の場合と比較して,前記相線式判別回路2006から演算処理回路部2007に入力されるデータが異なる。
<回路遮断器の外観>
第2の実施形態による回路遮断器の外観構成を図9に示す。本実施例における地絡電流検出ブロック20は,図1に示した回路遮断器と比べて,情報表示操作部の構成を,液晶表示,ならびに押しボタン式の操作部に代えて,LEDによる表示,ならびに機械式の選択式のスイッチを用いて構成した点で異なっている。
操作部として,
検出方式を択一的に選択切り替えするダイヤル式の操作部(検出方式操作部)205aと,
動作時間を択一的に選択切り替えするスライド式の操作部(動作時間操作部)205bと,
感度電流を択一的に選択切り替えするスライド式の操作部(感度設定操作部)205cと,を備え,
また,表示部として,
前記感度電流に対する,前記検出方式で定めた電路における地絡電流もしくは漏電電流の大きさの割合を段階的にレベル表示するレベル表示部202aを備えている。
地絡電流を検出するIor,漏電電流を検出するIo,検出を行わない機能OFFの3つの状態を択一的に選択することができる。
即時動作を行う場合には0.3秒,もしくは時延動作を行う場合には3秒の項目を択一的に選択することができる。
前記検出方式の選択操作部205aにおいて選択された検出対象の電流に対する検出感度を設定するもので,
検出方式がIoの場合には,感度が高い100mA,中程度の200mA,感度が低い500mAの項目を択一的に選択することができる。
また,検出方式がIorの場合には,感度が高い30mA,中程度の60mA,感度が低い150mAの項目を択一的に選択することができる。
第3の実施形態による回路遮断器1の外観構成を図16に示す。本実施例においては,遮断器ブロック10として,図17に示したようなカセット付属装置を挿入することが可能な,カセット付属装置挿入部12を備えた回路遮断器を用いて構成している。
前記電路における地絡電流成分を検出する地絡電流検出手段と,該地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に,前記第二の引外し手段に向けて所定の動作信号を出力する第二の引外し手段駆動手段とが備えられ,
前述の実施例と同じく,電源取得部301と零相変流器出力信号取得部302と第二の引外し手段駆動信号送信部303とが設けられており,これらの電源取得部と,零相変流器出力信号取得部と,第二の引外し手段駆動信号送信部を引き出しもしくは引き込むための孔部が前記遮断器ブロック10及び地絡電流検出ブロック20に設けられている。
<漏電注意の表示>
例えば,電路における漏電電流が感度電流に達して,遮断器の不要動作や不要な警報が報知されることを防止する目的で,該電路において,漏電電流が増加していることをユーザーに知らせるために,漏電電流注意表示手段を前記表示部202に設けて構成してもよい。
例えば,演算処理回路部2007として,A/D変換部を複数設けたマイコンを用いて,Iorの求出と,Ioの求出を並列的に行う演算処理を行ったり,
演算処理の過程で,時間分割を行い,各々の時間分割点において,Iorの求出と,Ioの求出を交互に行うよう演算処理を行うとよい。
図10においては,前記演算処理回路部2007により,「Io注意」の表示を白黒反転表示させ点滅させている。
また,図11においては,前記演算処理回路部2007により,Io注意と明記したLEDを点灯表示させている。なお点滅表示させてもよい。
101 ハンドル
102 電源側端子部
103 負荷側端子部
104 接点開閉機構部
105 電圧引外し素子
106 第二の引外し手段駆動手段
107 零相変流器
701 A/D変換部
702 正弦波データ記憶部
703 時間遅延設定部
704 位相補正値設定部記憶部
705 乗算部
706 平均値演算部
707 レベル判定部
708 設定値記憶部
709 時間判定部
710 第二の引外し手段駆動手段
711 表示制御部
201 情報表示操作部
202 表示部
203 警報信号出力部
204 リセット部
205 操作部
206 スピーカ部
2004 電圧位相検出回路
2005 漏電電流検出回路
2006 相線式判別回路
2007 演算処理回路部
Claims (5)
- 交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流,及び前記交流電路や設備などの充電部から大地に流れる電流が含まれる漏電電流において,前記交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流である地絡電流を検出する地絡電流検出手段と,
前記交流電路に介在して,該交流電路を入切する接点開閉機構部と,
前記交流電路に所定の電流値を超えた電流が流れた場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う第一の引外し手段と,
前記地絡検出手段により所定の値の地絡電流が検出された場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段と,
前記第一の引外し手段又は第二の引外し手段によって前記接点開閉機構部が開動作した際に,該開動作直前の交流電路に発生した地絡電流の情報を保持する表示情報保持手段と,該表示情報保持手段で保持された地絡電流の情報を固定表示する表示手段と,
常に前記表示手段に電源を供給するために,前記接点開閉機構部における接点の一次側に接続され電源の取得を行う電源取得部と,
を備えたことを特徴とする回路遮断器。 - 前記請求項1記載の回路遮断器は,
前記第一の引外し手段と前記第二の引外し手段とを備えた遮断器ブロックと,
前記地絡電流検出手段と前記表示手段と前記表示情報保持手段と前記電源取得部を備えた地絡電流検出ブロックとに分割され,
前記遮断器ブロックと前記地絡検出ブロックとは連結手段で連結されている
ことを特徴とする回路遮断器。 - 交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流,及び前記交流電路や設備などの充電部から大地に流れる電流が含まれる漏電電流を検出する漏電電流検出手段を備え,
遮断動作の動作要因の検出対象電流を,前記漏電電流検出手段で検出した漏電電流と前記地絡電流検出手段で検出した地絡電流の中から,使用者の所望に応じて選択する検出対象選択手段を,
備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。 - 警報信号を外部に出力する警報信号出力部を備え,
前記漏電電流検出手段又は前記地絡電流検出手段により,所定の大きさの検出対象の電流が検出された場合には,前記接点開閉機構部が開動作となる回路遮断モードと前記警報信号出力部が警報信号を出力する警報モードを備え,
前記回路遮断モード及び前記警報モードのなかから,使用者の所望に応じて選択するモード選択手段を設けた,
ことを特徴とする請求項3記載の回路遮断器。 - 前記検出対象選択手段により選択した前記所定の大きさの漏電電流もしくは地絡電流に対して,現在発生している漏電電流もしくは地絡電流の大きさの割合を表示する割合表示手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の回路遮断器。
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