JP5163909B2 - 消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法及び消泡剤組成物 - Google Patents
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Description
請求項1:
下記(A)〜(C)成分を室温〜200℃で混合処理した後に、コハク酸によって中和反応を行うことを特徴とする消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法。
(A)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)微粉末シリカ:1〜20質量部
(C)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド又はシリコネートからなるアルカリ性触媒:0.001〜5質量部
請求項2:
アルカリ性触媒が、カリウムシリコネート、水酸化カリウムのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法。
請求項3:
請求項1又は2に記載の方法で得られたオイルコンパウンドを含むことを特徴とする消泡剤組成物。
請求項4:
オイルコンパウンドを溶媒に分散した溶液型である請求項3記載の消泡剤組成物。
請求項5:
オイルコンパウンドをポリオキシアルキレン基で変性したオルガノポリシロキサンと併用した自己乳化型である請求項3記載の消泡剤組成物。
請求項6:
オイルコンパウンドを乳化したエマルジョン型である請求項3記載の消泡剤組成物。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、本質的に疎水性のものである。ここで、本質的に疎水性とは、一部の官能基に親水性基を含有してもオルガノポリシロキサン全体として疎水性を示すことである。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサン(A)は、直鎖状のものでも分岐状のものでもよいが、特に下記平均組成式(I)で示されるものが好適である。
RmSiO(4-m)/2 (I)
固体酸で中和反応を行い、必要に応じて濾過工程による固体酸の残分や中和塩の除去、及び減圧留去による低沸点留分の除去を行うことにより製造することができる。
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3 (II)
−R4−O(CH2CH2O)a−(CH2(CH3)CHO)b−R5 (III)
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)R’SiO]5−Si(CH3)3
R’:−C3H6O−(C2H4O)30−(C3H6O)10−C4H9、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]30−[(CH3)R’SiO]3−Si(CH3)3
R’:−C3H6O−(C2H4O)20−(C3H6O)20−C4H9、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]40−[(CH3)R’SiO]4−Si(CH3)3
R’:−C3H6O−(C2H4O)21−(C3H6O)7−COCH3、
(CH3)3SiO−[(CH3)2SiO]50−[(CH3)R’’SiO]6−[(CH3)R’’’SiO]1−Si(CH3)3
R’’:−C3H6O−(C2H4O)32−(C3H6O)8−C4H9
R’’’:−C12H25
HO−[CH2(CH3)CHO]35−H、
HO−[CH2(CH3)CHO]70−H、
HO−(CH2CH2O)4−[CH2(CH3)CHO]30−H、
CH2=CHCH2O−(CH2CH2O)32−[CH2(CH3)CHO]8−H、
CH2=CHCH2O−(CH2CH2O)22−[CH2(CH3)CHO]22−C4H9、
CH2=CHCH2O−(CH2CH2O)10−CH3
で例示されるようなポリオキシアルキレン重合体や、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等の非イオン性界面活性剤を用いてもよい。なお、上記に例示した組成式は一例であり、本発明を制限するものではない。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、コハク酸0.1質量部で中和し、次いでナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(a−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(a−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(a−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(A)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が8,000mm2/sでCH3SiO3/2単位を0.01モル分率含有する分岐状の分子鎖末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、ニプシル(Nipsil)HD−2[東ソーシリカ社製、比表面積300m2/g]を12質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート2.4質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、コハク酸0.24質量部で中和し、次いでナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(b−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(b−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)25.5(C3H6O)8.5C4H9、xは30、yは5。)
で表され、且つ粘度が1,000mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(b−2)50質量部と、平均組成が下記式
HO−(C2H4O)25−(C3H6O)35−H
で表されるポリオキシアルキレン重合体(b−3)20質量部を室温で混合して消泡剤組成物(B)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が5,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)R972[日本アエロジル社製、比表面積110m2/g]を8質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウム0.01質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、コハク酸0.05質量部で中和し、次いでナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(c−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(c−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)23(C3H6O)23C4H9、xは27、yは3。)
で表され、且つ粘度が1,700mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(c−2)50質量部と、平均組成が下記式
HO−(C3H6O)30−H
で表されるポリオキシプロピレン重合体(c−3)20質量部を室温で混合して消泡剤組成物(C)を調製した。
実施例1のシリコーンオイルコンパウンド(a−1)20質量部とソルビタンモノステアレート4質量部とポリオキシエチレン(55)モノステアレート6質量部の混合物を加熱溶解後、水70質量部を加え、ホモミキサーで撹拌、乳化して消泡剤組成物(D)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、添加剤として炭酸アンモニウム1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後にナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(e−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(e−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(e−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(E)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、2−クロロエタノール1質量部で中和し、次いで減圧留去により2−クロロエタノールを除去し、ナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(f−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(f−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(f−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(F)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、酢酸0.26質量部で中和し、次いでナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(g−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(g−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(g−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(G)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。100℃以下に冷却後、イソステアリン酸0.91質量部で中和し、次いでナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(h−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(h−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(h−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(H)を調製した。
本質的に疎水性のオルガノポリシロキサンとして、粘度が10,000mm2/sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100質量部、微粉末シリカとして、アエロジル(Aerosil)300[日本アエロジル社製、比表面積300m2/g]を5質量部、アルカリ性触媒として水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート1質量部を用い、窒素ガス雰囲気下、ゲートミキサーを使用して150℃で3時間混練した。中和せずにナイロンメッシュで濾過を行い、シリコーンオイルコンパウンド(i−1)を得た。
このシリコーンオイルコンパウンド(i−1)30質量部に、平均組成が下記式
R1 2R3SiO−(R1 2SiO)x−(R1R2SiO)y−SiR1 2R3
(但し、R1及びR3は−CH3、R2は−C3H6O(C2H4O)21(C3H6O)21CH3、xは135、yは15。)
で表され、且つ粘度が2,500mm2/sであるポリオキシアルキレン変性オルガノシロキサン(i−2)70質量部を室温で混合して消泡剤組成物(I)を調製した。
消泡性(初期):
水性切削油剤(ユシロ化学工業(株)製、ユシローケンFGE275)に各消泡剤サンプルを有効成分量で0.5%添加したものを水で20倍に希釈し、1Lビーカー中でホモミキサーにより10,000rpm×15分間撹拌した。15分間撹拌したときの液+泡の体積(mL)と、撹拌停止から完全に泡が消えるまでの時間を測定した。
消泡性(50℃×7日後):
上記水性切削油剤に各消泡剤サンプルを有効成分量で0.5%添加したものを50℃で7日間保存し、その後水で20倍に希釈し、1Lビーカー中でホモミキサーにより10,000rpm×15分間撹拌した。15分間撹拌したときの液+泡の体積(mL)と、撹拌停止から完全に泡が消えるまでの時間を測定した。
内添安定性:
上記水性切削油剤に各消泡剤サンプルを有効成分量で0.5%添加したものを50℃で7日間保存したときの外観を目視にて下記基準で観察した。
○:浮遊物・沈降物無し
△:浮遊物・沈降物ややあり
×:浮遊物・沈降物多い
オイルコンパウンドの粘度安定性:
各オイルコンパウンドサンプル(a−1)〜(i−1)を25℃で3ヶ月間保存した後の粘度の変化の割合(経時後粘度/初期粘度)を測定した。
○:経時後粘度/初期粘度=1.1未満
△:経時後粘度/初期粘度=1.1以上〜2.0未満
×:経時後粘度/初期粘度=2.0以上〜ゲル化
Claims (6)
- 下記(A)〜(C)成分を室温〜200℃で混合処理した後に、コハク酸によって中和反応を行うことを特徴とする消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法。
(A)25℃における粘度が10〜100,000mm2/sである疎水性のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)微粉末シリカ:1〜20質量部
(C)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド又はシリコネートからなるアルカリ性触媒:0.001〜5質量部 - アルカリ性触媒が、カリウムシリコネート、水酸化カリウムのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の消泡剤用オイルコンパウンドの製造方法。
- 請求項1又は2に記載の方法で得られたオイルコンパウンドを含むことを特徴とする消泡剤組成物。
- オイルコンパウンドを溶媒に分散した溶液型である請求項3記載の消泡剤組成物。
- オイルコンパウンドをポリオキシアルキレン基で変性したオルガノポリシロキサンと併用した自己乳化型である請求項3記載の消泡剤組成物。
- オイルコンパウンドを乳化したエマルジョン型である請求項3記載の消泡剤組成物。
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