本発明は車両のスマートエントリーシステムに関し、特にスマートエントリー機能とともに、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を備えた車両のスマートエントリーシステムに関する。
近年、スマートエントリー機能を備えたスマートエントリーシステムが実用化されている。スマートエントリー機能には、例えば車両に接近するだけで自動的にドアをアンロックするとともに、車両から離れるだけで自動的にドアをロックするものがある。この場合、具体的には車両近傍に形成された作動エリアに携帯機が入ってきたときに自動的にドアがアンロックされるとともに、この作動エリアから携帯機が出たときに自動的にドアがロックされるようになっている。また、これに対してさらにキーレスエントリー機能を併せ持ったスマートエントリーシステムも知られている(例えば特許文献1から4まで参照)。キーレスエントリー機能はリモコン操作でドアをロック、アンロックできるようにする機能であり、この機能によってユーザは自分の意思でもドアをロック、アンロックできるようになる。
ところがこの場合、例えばユーザが作動エリア外でキーレスエントリー機能によってドアをアンロックした後、ドアをロックし忘れたままその場から立ち去ってしまうことなどが発生し得る。すなわち、ドアがアンロックされたままの状態で車両が放置されてしまうという事態が発生し得る。このためアンロックされたドアを自動的にロックできるように、さらにオートリロック機能を備えたスマートエントリーシステムも知られている(例えば特許文献5参照)。このオートリロック機能はアンロックされたドアを所定時間経過後に自動的にロックする機能である。
特許2970638号公報
特開2000−80826号公報
特開2001−98813号公報
特開2002−4675号公報
特許3667272号公報
キーレスエントリー機能を併せ持ったスマートエントリーシステムの場合、スマートエントリー機能とキーレスエントリー機能の競合が問題となる。これに対して上記特許文献1から4までで提案されている技術は、キーレスエントリー機能が優先されている点で共通した技術であるといえる。しかしながらこれらの技術では例えば乗車しようとしているユーザが誤操作してしまった場合などでも、アンロックされているドアがロックされてしまうことになる。このためこれらの提案技術では、係る場合にユーザは再びリモコン操作をしてドアをアンロックしなければならなくなるという点で利便性の低下を招く虞があった。なお、特許文献1が提案する技術にあってはスマートエントリー機能を優先する場合も含まれるが、この場合にはユーザが作動エリア内でキーレスエントリー機能を利用してドアを自由にロック、アンロックすることができなくなる点で不都合な結果を招くこともあり得るため、特許文献1では主にキーレスエントリー機能を優先した場合について着目していると考えられる。
一方、オートリロック機能を併せ持ったスマートエントリーシステムの場合、例えば乗車しようとしているユーザがドアを開ける前にオートリロック機能で自動的にドアがロックされてしまうことがあり、係る場合にはユーザは再びリモコン操作をするなどしてドアをアンロックしなければならなくなってしまう。これに対して特許文献5が提案する技術によれば、オートリロック機能よりもスマートエントリー機能が優先されることから係る不都合を解消することができる。しかしながら特許文献5が提案する技術では、作動エリア内で常にスマートエントリー機能が優先されることから、作動エリア内でオートリロック機能を有効にすることができなくなってしまう。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は携帯機とリモート操作手段と制御装置とを有して構成されるとともに、車両に対する前記携帯機の離間に応じてドアをロックおよび/または前記車両に対する前記携帯機の接近に応じてドアをアンロックする第1のスマートエントリー機能と、前記リモート操作手段の操作に応じてドアをロック或いはアンロックするキーレスエントリー機能とを備える車両のスマートエントリーシステムであって、前記制御装置が、前記携帯機が車室外の作動エリア内に存在する場合に、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかに応じて、前記キーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御またはアンロック制御を許可或いは禁止するキーレスエントリー機能制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、キーレスエントリー機能を単に優先させる場合と異なり、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかに応じてキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御またはアンロック制御を許可或いは禁止できる。このため本発明によれば、必要に応じてキーレスエントリー機能を有効或いは無効にできることから、単にキーレスエントリー機能或いはスマートエントリー機能を優先する技術と比較して、車両のスマートエントリーシステムの利便性を高めることができる。なお、以下に説明する発明の場合も含め、リモート操作手段は携帯機の一部として構成されていてもよく、携帯機とは別に構成されていてもよい。
また本発明は前記キーレスエントリー機能制御手段が、ドアがアンロック状態であるときに、少なくとも前記キーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止してもよい。具体的には例えば上記のようにキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止することで、誤操作によってドアがロックされてしまう虞を回避できる。なお本発明は、次に述べるように例えばドアがロック状態であるときにはキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可できる点で、単にスマートエントリー機能を優先させる技術とは異なるものとなっている。
また本発明は前記キーレスエントリー機能制御手段が、ドアがロック状態であるときに、少なくとも前記キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可してもよい。また例えば上記のようにキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可することで、携帯機が車室外の作動エリア内に位置するにも関わらず、誤作動等なんらかの原因でドアがロック状態になっている場合にもユーザが自由にドアをアンロックすることができる。なお本発明は、ドアがアンロック状態であるときには前述のようにキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止できる点で、単にキーレスエントリー機能を優先させる技術とは異なるものとなっている。
また本発明はさらにドアがアンロックされた後、所定時間が経過したときにドアをロックするオートリロック機能を備えてもよい。ここで、携帯機が車室外の作動エリア内に位置するにも関わらず、ドアがロック状態になるといった事態は具体的には例えばオートリロック機能を備えた場合に発生し得る。このため、ドアがロック状態であるときにキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可することは、上記オートリロック機能を備えている場合に特に好適であるといえる。
また本発明はさらに盗難を防止するために警報を発する盗難防止機能を備えるとともに、該盗難防止機能によって警報が発せられているときに、前記リモート操作手段を、前記警報を停止させるための操作手段として機能させる警報停止手段を前記制御装置が備えてもよい。本発明によれば警報を停止させるための操作手段を新たに必要としないことから携帯機のコストを低減できるとともに、咄嗟に警報を停止したいといった状況で操作手段を使い分ける煩わしさが低減されることから、車両のスマートエントリーシステムの利便性を高めることができる。
また本発明はさらに前記携帯機がリモートトランクリリース操作手段を備えるとともに、該リモートトランクリリース操作手段の操作に応じてトランクをリリース制御するトランクリリース制御手段を前記制御装置が備えてもよい。本発明によれば車室外から容易にトランクをリリースできるようになることから、車両のスマートエントリーシステムの利便性を高めることができる。
また本発明はさらに前記車両に設けられたマニュアル操作手段を有して構成されるとともに、前記携帯機が作動エリア内に存在するときに、前記マニュアル操作手段の操作に応じて、ドアをロック或いはアンロックする第2のスマートエントリー機能を前記第1のスマートエントリー機能の代わりに、或いは前記第1のスマートエントリー機能とともに備えてもよい。またスマートエントリー機能としては、例えば本発明のような第2のスマートエントリー機能を備えてもよい。この場合にも例えばドアがアンロック状態であるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止することで、誤操作によってドアがロックされてしまうことなどを防止できる。またこの場合にも、ユーザが乗車する前にオートリロック機能によってドアがロックされてしまうことを防止できる。
本発明によれば、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステムを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本実施例に係る車両のスマートエントリーシステム(以下、単にスマートエントリーシステムと称す)100Aの構成を関連するその他の構成とともに模式的に示す図である。スマートエントリーシステム100Aは制御装置10Aと携帯機20AとロックトリガSW及びアンロックトリガSWを有して構成されている。携帯機20AはRF(Radio Frequency)送信回路21とLF(Low Frequency)受信回路22を有して構成されている。また携帯機20Aにはロック釦23及びアンロック釦24が設けられている。本実施例ではこのロック釦23及びアンロック釦24でリモート操作手段が実現されている。RF送信回路21はIDコード信号を生成するとともに、生成したIDコード信号を送信するための構成であり、図示しないアンテナを有して構成されている。LF受信回路22は返信要求信号を受信するための構成であり、RF送信回路21と同様に図示しないアンテナを有して構成されている。LF受信回路22は受信電波を周波数をもとに検波し、制御装置10A(より具体的にはLF送信回路3)から返信要求信号を受信したときにRF送信回路21にトリガ信号を出力する。
トリガ信号が入力されたRF送信回路21はIDコード信号を生成する。またRF送信回路21はロック釦23、アンロック釦24が操作されたときにもIDコード信号を生成する。このIDコード信号は、所定周波数で発振して生成する搬送波をIDコードでAM変調することによって生成される。またこのIDコードは携帯機20Aに固有の固有IDコードに対してさらに返信要求信号を受信した場合と、ロック釦23を押した場合と、アンロック釦24を押した場合とで異なるビットを夫々付加することによって生成される。このため上記IDコード信号を復調してIDコード信号からIDコードを抽出することで、携帯機20Aが正規の携帯機であるか否かと、携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するか否かと、ロック釦23、またはアンロック釦24が操作されたかを判別することができる。なお、このIDコード信号の伝播距離は携帯機20Aから5m乃至20m程度の距離になっている。
制御装置10Aはマイコン1Aと、RF受信回路2と、LF送信回路3と、ロックモータ30用のドアロック及びアンロック出力回路4と、フラッシャー31及びブザー32用の出力回路5を有して構成されている。RF受信回路2はIDコード信号をアンテナ2aで受信するとともに、受信したIDコード信号を復調してIDコード信号からIDコードを抽出するための構成である。IDコードを抽出したRF受信回路2は抽出したIDコードをマイコン1Aに出力する。LF送信回路3は所定周波数の返信要求信号を生成するとともに、生成した返信要求信号を車室外アンテナ33を介して送信するための構成である。このためLF送信回路3には車室外アンテナ33として運転席車室外アンテナ33a、助手席車室外アンテナ33b及びバックドア車室外アンテナ33cが夫々接続されている。車室外アンテナ33夫々からは返信要求信号が間欠的に送信される。この返信要求信号の伝播距離は車室外アンテナ33夫々から1m程度の距離になっており、返信要求信号は車両近傍の車室外に図2に示すような携帯機20Aの作動エリアを形成する。またLF送信回路3には車室内アンテナ34としてフロント車室内アンテナ34a及びリヤ車室内アンテナ34bが夫々接続されており、これら車室内アンテナ34によって車室内にも作動エリアが形成される。
ドアロック、アンロック出力回路4にはロックモータ30が接続されている。ドアロック、アンロック出力回路4はマイコン1Aからのロック指令またはアンロック指令に応じてロックモータ30に出力を行い、ドアをロックまたはアンロックするようロックモータ30を駆動する。出力回路5にはフラッシャー31及びブザー32が接続されている。出力回路5はマイコン1Aからの指令に応じて出力を行い、フラッシャー31を点滅させたりブザー32を作動させたりする。
マイコン1Aは図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有して構成されている。マイコン1AにはIG(イグニッション)SWが接続されており、マイコン1AはIGSWがONになると電源が供給されるようになっている。またマイコン1AにはIGキー検知SWのほか、ドアの開閉を検知するためのドアSWとして運転席(以下、単にD席と称す)ドアSW、助手席(以下、単にP席と称す)ドアSW、後部座席(以下、単にRr席と称す)ドアSW及びバックドアSWが、ドアのロック、アンロックを検知するためのロックポジションSWとしてD席ロックポジションSW、P及びRr席ロックポジションSW及びバックドアロックポジションSWが夫々接続されている。
また本実施例ではマイコン1Aにはさらにドアをロック或いはアンロックするためのマニュアルトリガ信号をマイコン1Aに入力するためのトリガSWとしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWが夫々接続されている。本実施例ではロックトリガSW及びアンロックトリガSWはともにドアノブに設けられており、これらロックトリガSW及びアンロックトリガSWでマニュアル操作手段が実現されている。
マイコン1AのROMには第1のスマートエントリー機能を実現するための第1のスマートエントリー機能用のプログラムと、キーレスエントリー機能を実現するためのキーレスエントリー機能用のプログラムと、オートリロック機能を実現するためのオートリロック機能用のプログラムと、第2のスマートエントリー機能を実現するための第2のスマートエントリー機能用のプログラムが夫々格納されている。なおこれらのプログラムは一体として組み合わされていてもよい。マイコン1Aがこれらのプログラムに基づきドアのロック制御或いはアンロック制御を行うことで、第1のスマートエントリー機能、キーレスエントリー機能、オートリロック機能及び第2のスマートエントリー機能が夫々実現される。
またROMには携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在する場合に、ドアがロック状態であるかアンロック状態であるかに応じて、キーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御またはアンロック制御を許可或いは禁止するキーレスエントリー機能制御用のプログラムが格納されている。さらにこのキーレスエントリー機能制御用のプログラムはドアがアンロック状態であるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止するように作成されるとともに、ドアがロック状態であるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可するように作成されている。本実施例ではこのキーレスエントリー機能制御用のプログラムを格納したマイコン1Aでキーレスエントリー機能制御手段が実現されている。
次に第1のスマートエントリー機能について詳述する。例えば携帯機20Aが車室外の作動エリア外からこの作動エリア内に入ってくると、携帯機20AはLF受信回路22で返信要求信号を受信する。返信要求信号を受信した携帯機20Aは、RF送信回路21でIDコード信号を生成するとともに、生成したIDコード信号を送信する。制御装置10AはこのIDコード信号をRF受信回路2で受信する。IDコード信号を受信したRF受信回路2はこの信号からIDコードを抽出するとともに、抽出したIDコードをマイコン1Aに出力する。IDコードが入力されたマイコン1AはこのIDコードを予め格納された固有IDコードと照合して携帯機20Aの正当性を確認するとともに、正当である場合にはIDコードに付加されたビットを判別して携帯機20Aが車室外の作動エリア内に入ってきたことを確認し、ドアのアンロック制御を行う。具体的にはこのときマイコン1Aはドアロック、アンロック出力回路4に対してドアのアンロック指令を出力する。指令を受けたドアロック、アンロック出力回路4はロックモータ30に対して出力を行い、ドアをアンロックするようにロックモータ30を駆動する。これにより携帯機20Aを所持したユーザが車両に接近しただけでドアが自動的にアンロックされる。
一方、車室外の作動エリア内からこの作動エリア外に出た場合には、携帯機20Aは返信要求信号を受信しなくなることから、携帯機20AはIDコード信号を送信しなくなる。この結果、IDコード信号を受信しなくなった制御装置10Aではマイコン1Aがドアのロック制御を行う。具体的にはこのときマイコン1Aはドアロック、アンロック出力回路4に対してドアのロック指令を出力する。指令を受けたドアロック、アンロック出力回路4はロックモータ30に対して出力を行い、ドアをロックするようにロックモータ30を駆動する。これにより携帯機20Aを所持したユーザが車両から離れただけでドアが自動的にロックされる。本実施例ではこのようにして第1のスマートエントリー機能が実現されている。
次にキーレスエントリー機能について詳述する。例えばユーザが車室外の作動エリア外でロック釦23を押すと、携帯機20AはRF送信回路21でIDコード信号を生成するとともに、生成したIDコード信号を送信する。制御装置10AはこのIDコード信号をRF受信回路2でアンテナ2aを介して受信する。IDコード信号を受信したRF受信回路2はこの信号からIDコードを抽出するとともに、抽出したIDコードをマイコン1Aに出力する。IDコードが入力されたマイコン1AはこのIDコードを予め格納された固有IDコードと照合して携帯機20Aの正当性を確認するとともに、正当であればIDコードに付加されたビットを判別して携帯機20Aのロック釦23が操作されたことを確認してドアのロック制御を行う。これにより携帯機20Aのロック釦23を操作することでドアをロックすることができる。
一方、例えばユーザが車室外の作動エリア外でアンロック釦24を押すと、携帯機20AはRF送信回路21でIDコード信号を生成するとともに、生成したIDコード信号を送信する。制御装置10AはこのIDコード信号をRF受信回路2でアンテナ2aを介して受信する。IDコード信号を受信したRF受信回路2はこの信号からIDコードを抽出するとともに、抽出したIDコードをマイコン1Aに出力する。IDコードが入力されたマイコン1AはこのIDコードを予め格納された固有IDコードと照合して正当性を確認するとともに、正当であればIDコードに付加されたビットを判別して携帯機20Aのアンロック釦24が操作されたことを確認してドアのアンロック制御を行う。これにより携帯機20Aのアンロック釦23を操作することでドアをアンロックすることができる。本実施例ではこのようにしてキーレスエントリー機能が実現されている。
次にオートリロック機能について詳述する。本実施例ではオートリロック機能用のプログラムに基づきマイコン1Aでオートリロックタイマーが機能的に形成されている。マイコン1Aはドアのアンロック制御を行った後、オートリロックタイマーをスタートさせ時間Tをカウントする。さらにマイコン1Aはカウントしている時間Tが所定時間を越えたか否かを監視し、時間Tが所定時間を越えたときにドアのロック制御を行う。これによりドアがアンロックされた後、所定時間が経過したときに自動的にドアをロックすることができる。なお、所定時間が経過する前にドアが開かれた場合には、マイコン1Aはオートリロックタイマーの時間Tをクリアする。本実施例ではこのようにしてオートリロック機能が実現されている。
次に第2のスマートエントリー機能について詳述する。ユーザがアンロックトリガSWを操作すると、ドアをアンロックさせるためのマニュアルトリガ信号がマイコン1Aに入力される。このときマイコン1Aは車室外の作動エリア内に携帯機20Aが存在するか否かを判定し、肯定判定であればこのマニュアルトリガ信号に基づきドアをアンロック制御する。またユーザがロックトリガSWを操作すると、ドアをロックさせるためのマニュアルトリガ信号がマイコン1Aに入力される。このときマイコン1Aは車室外の作動エリア内に携帯機20Aが存在するか否かを判定し、肯定判定であればこのマニュアルトリガ信号に基づきドアのロック制御を行う。本実施例ではこのようにして第2のスマートエントリー機能が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Aの動作について図3に示すフローチャートを用いて詳述する。マイコン1AはIDコード信号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。否定判定であればマイコン1AはステップS11で肯定判定されるまでの間、引き続き判定を行う。一方肯定判定であれば、マイコン1AはIDコードに付加されたビットを判別し、アンロック釦24が操作されたか否か(以下、単にリモートアンロックであるか否かと称す)を判定する(ステップS12)。肯定判定であれば、マイコン1Aは携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するか否かを判定する(ステップS13)。なお、このときマイコン1Aは、具体的には新たにIDコード信号を受信したか否かを判定するとともに、受信した場合にIDコードに付加されたビットを判別して携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するか否かを判定する。
ステップS13で肯定判定であれば、マイコン1AはロックポジションSWの出力信号を確認してドアがロック状態であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14で否定判定であれば、マイコン1Aはキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止する(ステップS15)。これにより車室外の作動エリア内で携帯機20Aのロック釦23を操作してもドアがロックされないようにすることができる。すなわちこれにより携帯機20Aの誤操作でドアがロックされることを防止できる。一方、ステップS14で肯定判定であれば、マイコン1Aはキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可する(ステップS16)。これにより車室外の作動エリア内で携帯機20Aのアンロック釦24を操作した結果、ドアがアンロックされるようにすることができる。
ステップS16に続いて、或いはステップS13で否定判定であれば、マイコン1Aはドアのアンロック制御を行う(ステップS17)。すなわち、これらの場合にはキーレスエントリー機能によってドアをアンロックすることができる。続いてマイコン1Aはオートリロックタイマーをスタートさせて時間Tをカウントする(ステップS18)。さらにマイコン1Aはドアが開かれたか否かを判定する(ステップS19)。否定判定であれば、マイコン1Aはオートリロックタイマーの時間Tが30秒(所定時間)を経過したか否かを判定する(ステップS20)。否定判定であればステップS19に戻り、さらにステップS19で否定判定であれば、ステップ20で肯定判定されるまでの間、ステップS19及びS20を繰り返す。
このときオートリロックタイマーの時間Tが30秒を超えれば、ステップS20で肯定判定され、マイコン1Aはドアのロック制御を行う(ステップS21)。すなわち本ステップでオートリロック機能によってドアが自動的にロックされる。続いてマイコン1Aはオートリロックタイマーの時間Tをクリアする(ステップS22)。またステップS19で肯定判定であった場合にも、マイコン1Aはオートリロックタイマーの時間Tをクリアする(ステップS22)。ステップS22の後にはリターンしてステップS11に戻る。なお、このようにしてオートリロック機能によってドアが自動的にロックされたときに、ユーザが車室外の作動エリア内にいる場合でも、本実施例では上記のようにステップS16でドアのアンロック制御が許可されることから、ユーザはアンロック釦24を操作することによってドアをアンロックすることができる。
一方、ステップS12で否定判定であれば、マイコン1AはIDコードに付加されたビットを判別し、ロック釦23が操作されたか否か(以下、単にリモートロックであるか否かと称す)を判定する(ステップS31)。否定判定であれば、本実施例では特段の処理を要しないためリターンしてステップS11に戻る。ステップS31で肯定判定であれば、マイコン1AはステップS13と同様に携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するか否かを判定する(ステップS32)。否定判定であればマイコン1Aはドアのロック制御を行う(ステップS36)。すなわち、この場合にはキーレスエントリー機能によってドアをロックすることができる。
一方、ステップS32で肯定判定であれば、マイコン1Aはドアがロック状態であるか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33で否定判定であれば、マイコン1Aはキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止する(ステップS34)。これにより車室外の作動エリア内で携帯機20Aのロック釦23を操作した結果、ドアがロックされないようにすることができる。すなわちこれにより携帯機20Aの誤操作でドアがロックされることを防止できる。一方、ステップS33で肯定判定であれば、マイコン1Aはキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可する(ステップS35)。これにより車室外の作動エリア内で携帯機20Aのアンロック釦24を操作したときにドアがアンロックされるようにすることができる。ステップS34、S35またはS36の後にはリターンしてステップS11に戻る。
なお、本実施例ではユーザは第2のスマートエントリー機能を利用してドアをロックできることから、これによってキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止しても特段の不都合が生じないようにすることができる。但しこれに限られず、スマートエントリーシステム100Aは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよく、第2のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Aは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。また本実施例では、第1のスマートエントリー機能が車両に対する携帯機20Aの接近、離間に応じてドアをロックおよびアンロックするものとなっているが、これに限られず、第1のスマートエントリー機能は車両に対する携帯機の20Aの離間に応じてドアをロック、または車両に対する携帯機20Aの接近に応じてドアをアンロックするだけのものであってもよく、このときこれに応じて本実施例は適宜変形されてよい。
また本実施例では図示省略しているが、ステップS15で同時にキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御も禁止している。これにより既にアンロック状態にあるドアをアンロックしようとする動作を禁止できることから、無駄な動作が行われることを禁止できる。同様に本実施例ではステップS35で同時にドアのロック制御も禁止しており、これにより既にロック状態にあるドアをロックしようとする動作も禁止している。
また本実施例のようにドアのロック制御の禁止或いはドアのアンロック制御の許可を行う前にリモートロックであるかリモートアンロックであるかを判定する場合には、リモートアンロックである場合にはステップS15に示すドアのロック制御の禁止を行わないようにし、またリモートロックである場合にはステップS35に示すドアのアンロック制御の許可を行わないようにしてもよい。すなわち換言すれば、携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するとともにドアがアンロック状態である場合に、さらにリモートロックであるときにのみキーレスエントリー機能に基づくドアのロック制御を禁止するようにしてもよく、同様に携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在するとともにドアがロック状態である場合に、さらにリモートアンロックであるときにのみキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を許可するようにしてもよい。以上によりキーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Aを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Bは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Bを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Bは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Bを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Bは第1のスマートエントリー機能優先用のプログラムをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。この第1のスマートエントリー機能優先用のプログラムはドアがアンロックされた後、所定時間が経過する前に、携帯機20Aが車室外の作動エリア内からこの作動エリア外に出たときに、ドアのロック制御に関し、オートリロック機能よりも第1のスマートエントリー機能を優先させるように作成されている。本実施例ではこの第1のスマートエントリー機能優先用プログラムを格納したマイコン1Bで第1のスマートエントリー機能優先手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Bの動作について図4に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図4に示すフローチャートは図3に示すフローチャートのステップS19とステップS20の間にステップS40が追加されている点以外、図3に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にステップS40について詳述する。ステップS19で否定判定であれば、マイコン1Bは携帯機20Aが車室外の作動エリア内からこの作動エリア外に出たか否かを判定する(ステップS40)。否定判定であればステップS20に進む。一方、ステップS40で否定判定であれば、マイコン1Bはドアのロック制御を行う(ステップS21)。
このようにステップS20をスキップし、ステップS40に続いてステップS21でドアのロック制御を行うことで、第1のスマートエントリー機能によってドアがロックされることになる。すなわちこれによりオートリロック機能よりも第1のスマートエントリー機能を優先できる。この結果、本実施例ではユーザが車両から立ち去るとき、車両付近にいるうちにドアが自動的にロックされることから、ユーザは自動的にドアがロックされたことを認識し易くなる。なお、スマートエントリーシステム100Bは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Bは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。また、第1のスマートエントリー機能は、少なくとも車両に対する携帯機20Aの離間に応じてドアをロックするものであればよい。以上により、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Bを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Cは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Cを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Cは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Cを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Cはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをROMに格納していない点と、オートリロック機能禁止用のプログラムをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。但し、マイコン1Cはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをさらにROMに格納していてもよい。
オートリロック機能禁止用のプログラムは、携帯機20Aが車室外の作動エリア外にあるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御が行われた後、所定時間が経過する前に携帯機20Aが車室外の作動エリア内に入った場合に、オートリロック機能に基づくドアのロック制御を禁止するように作成されている。本実施例ではこのオートリロック機能禁止用のプログラムを格納したマイコン1Cでオートリロック機能禁止手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Cの動作について図5に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図5に示すフローチャートはステップS17とS18との間にステップS41が追加されている点と、ステップS18とS19との間にステップS42が追加されている点と、ステップS42の肯定判定に続いてステップS43が追加されている点と、ステップS13からS16まで及びステップS32からS35までが省略されている点以外、図3に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にステップS41からS43までについて詳述する。なお、キーレスエントリー機能制御用のプログラムをさらにROMに格納した場合には、ステップS13からS16まで及びステップS32からS35までが追加されることになる。
ステップS17でキーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を行った後、マイコン1Cはオートリロック機能が禁止されているか否かを判定する(ステップS41)。否定判定であれば、マイコン1CはステップS18でオートリロックタイマーの時間Tをスタートさせた後、携帯機20Aが車室外の作動エリア外からこの作動エリア内に入ってきたか否かを判定する(ステップS42)。否定判定であればステップS19に進む。一方ステップS42で肯定判定であれば、マイコン1Cはオートリロック機能を禁止する(ステップS43)。続いてマイコン1Cはオートリロックタイマーの時間Tをクリアする(ステップS22)。これによりオートリロック機能によってドアがロックされることを禁止できる。ステップS22の後にはリターンしてステップS11に戻る。このとき次のルーチン以降でステップS41まで進んだ場合にはステップS41で肯定判定されるようになることから、オートリロック機能に基づくドアのロック制御は禁止される。これにより、車両に乗る前にドアがロックされてしまい、ユーザが携帯機20Aのアンロック釦24を再び操作しなければならないといった煩わしさを解消できることから、利便性を高めることができる。
なお、オートリロック機能の禁止は例えばステップS22で同時に解除できるほか、携帯機20Aが車室外の作動エリア内からこの作動エリア外に出た場合や、第2のスマートエントリー機能やキーレスエントリー機能でドアをロック(またはアンロック)しようとした場合などにもマイコン1Cで解除できる。このため本実施例では携帯機20Aが車室外の作動エリア内に存在する場合でも、例えば第2のスマートエントリー機能やキーレスエントリー機能でドアをアンロックしたときに一旦禁止されたオートリロック機能を再度有効に機能させることができる。また、第1のスマートエントリー機能は車両に対する携帯機の20Aの離間に応じてドアをロック、または車両に対する携帯機20Aの接近に応じてドアをアンロックするだけのものであってもよい。また、スマートエントリーシステム100Cは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよく、第2のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Cは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。以上により、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Cを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Dは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Dを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Dは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Dを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Dはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをROMに格納していない点と、第2のスマートエントリー機能優先用のプログラムをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。但し、マイコン1Dはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをさらにROMに格納していてもよい。
第2のスマートエントリー機能優先用のプログラムは、携帯機20Aが車室外の作動エリア外にあるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御が行われた後、所定時間が経過する前に、携帯機20Aが車室外の作動エリア内に入った場合に、オートリロック機能に基づくドアのロック制御よりも第1のスマートエントリー機能に基づくドアのアンロック制御を優先させるように作成されている。本実施例ではこの第2のスマートエントリー機能優先用のプログラムを格納したマイコン1Dで第2のスマートエントリー機能優先手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Dの動作について図6に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図6に示すフローチャートは図5に示すフローチャートのステップS41及びS43が省略されている点と、ステップS42の肯定判定に続いてステップS44が追加されている点と、ステップS20とステップS21の間にステップS45が追加されている点以外、図5に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にステップS44及びS45について詳述する。ステップS18でオートリロックタイマーの時間Tをスタートさせた後、マイコン1Dは携帯機20Aが車室外の作動エリア外からこの作動エリア内に入ってきたか否かを判定する(ステップS42)。否定判定であればステップS19に進む。一方ステップS42で肯定判定であれば、マイコン1Dは第1のスマートエントリー機能を優先する(ステップS44)。具体的には本ステップでオートリロック機能よりも第1のスマートエントリー機能を優先するようフラグを立てる。ステップS44の後にはステップS19に進む。
その後、ステップS20で肯定判定された場合には、マイコン1Aは第1のスマートエントリー機能が優先になっているか否かを確認する(ステップS45)。否定判定であればステップS21に進む。一方肯定判定であればステップS22に進む。このようにステップS44でフラグを立てたことに基づき、ステップS45に続いてステップS22に進むことで、オートリロック機能に基づくロック制御を行うことなくオートリロックタイマーの時間Tをクリアできることから、オートリロック機能よりも第1のスマートエントリー機能を優先できる。これにより、車両に乗る前にドアがロックされてしまい、ユーザが携帯機20Aのアンロック釦24を再び操作しなければならないといった煩わしさを解消できることから、利便性を高めることができる。
なお、第1のスマートエントリー機能の優先は例えばステップS22で同時に解除できるほか、携帯機20Aが車室外の作動エリア内からこの作動エリア外に出た場合や第2のスマートエントリー機能やキーレスエントリー機能でドアをロック(またはアンロック)しようとした場合などにもマイコン1Dで解除できる。このため本実施例の場合には例えばさらに第2のスマートエントリー機能などでドアをロックした後、携帯機20Aのアンロック釦24でドアをアンロックした場合などには、オートリロック機能を有効に機能させることができる。また、スマートエントリーシステム100Dは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Dは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。また、第1のスマートエントリー機能は、少なくとも車両に対する携帯機20Aの接近に応じてドアをアンロックするものであればよい。以上により、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Dを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Eは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Eを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Eは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Eを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Eはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをROMに格納していない点と、カウントリスタート用のプログラムをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。但し、マイコン1Eはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをさらにROMに格納していてもよい。
カウントリスタート用のプログラムは、携帯機20Aが車室外の作動エリア外にあるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御が行われた後、所定時間が経過する前に、携帯機20Aが車室外の作動エリア内に入った場合に、所定時間のカウントをリスタートさせるように作成されている。本実施例ではこのカウントリスタート用のプログラムを格納したマイコン1Eでカウントリスタート手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Eの動作について図7に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図7に示すフローチャートはステップS44及びS45が省略されている点と、ステップS42で肯定判定であれば、ステップS18に進むようになっている点以外、図6に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にステップS42について詳述する。ステップS42で肯定判定であれば、マイコン1EはオートリロックタイマーTをスタートさせる(ステップS18)。このようにステップS42に続いてステップS18でオートリロックタイマーTをスタートさせることで、カウントをリスタートさせることができる。このため本実施例の場合には実施例4の場合と比較して、利便性を向上させつつオートリロック機能も有効に機能させておくことができる。
なお、第1のスマートエントリー機能は、車両に対する携帯機の20Aの離間に応じてドアをロック、または車両に対する携帯機20Aの接近に応じてドアをアンロックするだけのものであってもよい。また、スマートエントリーシステム100Eは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよく、第2のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Eは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。以上により、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Eを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Fは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Fを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Fは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Fを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Fはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをROMに格納していない点と、所定時間延長用のプログラムをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。但し、マイコン1Fはキーレスエントリー機能制御用のプログラムをさらにROMに格納していてもよい。
所定時間延長用のプログラムは、携帯機20Aが車室外の作動エリア外にあるときに、キーレスエントリー機能に基づくドアのアンロック制御が行われた後、所定時間が経過する前に、携帯機20Aが車室外の作動エリア内に入った場合に、所定時間を延長するように作成されている。本実施例ではこの所定時間延長用のプログラムを格納したマイコン1Fで所定時間延長手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Fの動作について図8に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図8に示すフローチャートはステップS44及びS45が省略されている点と、ステップS41の肯定判定に続いてステップS46及びS47が追加されている点と、ステップS19の否定判定に続いてステップS48が追加されている点と、ステップS22に続いてステップS49が追加されている点以外、図6に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にこれらステップS46からS49までについて詳述する。ステップS42で肯定判定であれば、マイコン1Fはオートリロックタイマーの時間Tをクリアする(ステップS46)。続いてマイコン1Fはオートリロックタイマーをスタートさせて時間T2をカウントする(ステップS47)。すなわち本実施例では時間T2を新たにカウントすることで所定時間を延長しようとしている。
続いてステップS19に進み、ステップS19で否定判定であればマイコン1Fはオートリロックタイマーの時間T2が10秒を経過したか否かを判定する(ステップS48)。ステップS48で否定判定であればステップS20に進み、さらにステップ20で否定判定であればステップ42に戻る。このときステップS42で否定判定され、さらに続いてステップS19で否定判定であれば、ステップS46で肯定判定されるまでの間、ステップS48、S20、S42、S19の順にこれらのステップを繰り返す。
一方、この間に10秒経過してステップS48で肯定判定されれば、マイコン1Fはドアのロック制御を行う(ステップS21)。続いてマイコン1Fはオートリロックタイマーの時間Tをクリアするとともに(ステップS22)、オートリロックタイマーの時間T2をクリアする(ステップS49)。このようにステップS48の肯定判定に続いてステップS21でドアのロック制御を行うことで、オートリロック機能でドアをロックするために設定された所定時間を延長することができる。なお、本実施例の変形例として例えばステップS46からS49までを省略し、ステップS42の肯定判定に続いて時間Tについて設定された所定時間そのものを延長するステップを追加するようにしてもよい。
また、第1のスマートエントリー機能は、車両に対する携帯機の20Aの離間に応じてドアをロック、または車両に対する携帯機20Aの接近に応じてドアをアンロックするだけのものであってもよい。また、スマートエントリーシステム100Eは、第1及び第2のスマートエントリー機能のうち、第1のスマートエントリー機能のみを備えていてもよく、第2のスマートエントリー機能のみを備えていてもよい。また、第2のスマートエントリー機能を備えない場合には、スマートエントリーシステム100Fは当然にしてロックトリガSW及びアンロックトリガSWを備えていなくてよい。以上により、キーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、少なくともいずれか一つの機能を併せ持つ利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Fを実現できる。
本実施例に係るスマートエントリーシステム100Gは、制御装置10Aの代わりに制御装置10Gを有して構成されている点と、携帯機20Aの代わりに携帯機20Gを有して構成されている点以外、実施例1に係るスマートエントリーシステム100Aと同一のものとなっている。また制御装置10Gは、マイコン1Aの代わりにマイコン1Gを有して構成されている点以外、制御装置10Aと同一のものとなっている。このマイコン1Gは盗難防止機能用のプログラムとトランクリリース機能用のプログラムとをさらにROMに格納している点以外、マイコン1Aと同一のものとなっている。一方、携帯機20Gはトランクリリース釦(図示省略)をさらに備えている点以外、携帯機20Aと同一のものとなっている。本実施例ではこのトランクリリース釦でリモートトランクリリース操作手段が実現されている。
盗難防止機能用のプログラムは盗難を防止するために警報を発するように作成されており、本実施例では具体的にはドアに設けられた図示しない振動センサで盗難と思われる異常な振動を検知したときに、ブザー32を作動させて警報を発するように作成されている。スマートエントリーシステム100Gでは、マイコン1Gがこの盗難防止機能用のプログラムを実行することで盗難防止機能が実現されている。また本実施例では上記盗難防止機能用のプログラムはさらに警報停止用のプログラムを有して構成されている。この警報停止用のプログラムは盗難防止機能によって警報が発せされているときにロック釦23及びアンロック釦24を、警報を停止させるための釦として機能させるように作成されている。本実施例ではこの警報停止用のプログラムを格納したマイコン1Gで警報停止手段が実現されている。
一方、携帯機20Gに設けられたトランクリリース釦を操作すると、携帯機20GからIDコード信号が送信される。このIDコード信号は、トランクリリース釦が操作された場合に応じたビットが付加されたIDコードを含んでいる。このためこのIDコード信号を受信した制御装置10Gでは、マイコン1GがこのIDコードに付加されたビットを判別するとともに、トランクリリース釦が操作されたと判定したときにトランクのリリース制御を行い、トランクをリリースする。トランクリリース機能用のプログラムは、このようにトランクリリース釦の操作に応じてトランクのリリース制御するように作成されており、本実施例ではこのトランクリリース機能用のプログラムを格納したマイコン1Gでトランクリリース制御手段が実現されている。
次に本実施例に係るスマートエントリーシステム100Gの動作について図9に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、図9に示すフローチャートはステップS12とステップS13の間にステップS50が追加されるとともに、ステップ50の肯定判定に続いてステップS51が追加されている点と、ステップS31とステップS32の間にステップS52が追加されるとともに、ステップS52の肯定判定に続いてステップS53が追加されている点と、ステップS31の否定判定に続いてステップS60が追加されるとともに、ステップS60の肯定判定に続いてステップS51が追加されている点以外、図3に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にこれらステップS50からS53までと、ステップS60及びステップS61について詳述する。
ステップS12の肯定判定に続いて、マイコン1Gは盗難防止機能によって警報が発せられているか(以下、単に警報中であるかと称す)否かを判定する(ステップS50)。否定判定であればステップS13に進む。一方、肯定判定であればマイコン1Gは警報を停止する(ステップS51)。このようにして警報を停止することで、警報を停止させるようにアンロック釦24を機能させることができる。同様にマイコン1Gは、ステップS31の肯定判定に続いて警報中であるか否かを判定する(ステップS52)。否定判定であればステップS32に進む。一方、肯定判定であればマイコン1Gは警報を停止する(ステップS53)。このようにして警報を停止することで、警報を停止させるようにロック釦23を機能させることができる。
一方、ステップS31で否定判定であれば、マイコン1GはIDコードに付加されたビットを判別し、トランクリリース釦が操作されたか否か(以下、単にリモートトランクリリースであるか否かと称す)であるか否かを判定する(ステップS60)。否定判定であればリターンしてステップS11に戻る。一方肯定判定であれば、マイコン1Gはトランクのリリース制御を行う。これによりユーザは車室外にいるときにも容易にトランクを開けることができる。
なお、警報停止用のプログラムは、例えば携帯機20Gが備える適宜の操作手段(例えばロック釦23、アンロック釦24またはトランクリリース釦のうち、いずれかの釦)を、警報を停止させるための釦として機能させるように作成されてもよく、また例えば携帯機20Aが備えるすべての操作手段(例えばロック釦23、アンロック釦24及びトランクリリース釦)を、警報を停止させるための釦として機能させるように作成されてもよい。以上により、少なくともキーレスエントリー機能またはオートリロック機能のうち、いずれか一つの機能を併せ持つ、利便性の高い車両のスマートエントリーシステム100Gを実現できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
スマートエントリーシステム100Aの構成を関連するその他の構成とともに模式的に示す図である。
車室外の作動エリアを模式的に示す図である。
スマートエントリーシステム100Aの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Bの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Cの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Dの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Eの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Fの動作をフローチャートで示す図である。
スマートエントリーシステム100Gの動作をフローチャートで示す図である。
符号の説明
1 マイコン
2 RF受信回路
3 LF送信回路
4 ドアロック、アンロック出力回路
5 出力回路
10 制御装置
20 携帯機
21 RF送信回路
22 LF受信回路
23 ロック釦
24 アンロック釦
30 ロックモータ
100 スマートエントリーシステム