本発明は、記録媒体を搬送方向である副走査方向に搬送しながら、キャリッジ機構などに搭載して、記録媒体に対向して配置したインクヘッドを、記録媒体の幅方向である主走査方向に走査して移動させながら、記録媒体上にインクを吐出させて画像を形成する画像形成装置に係るものである。
そして、インクヘッドは、黒色インクを吐出するブラックノズルを副走査方向に向かって等間隔に配列したブラックノズル列、及びカラーインクを吐出するカラーノズルを副走査方向に等間隔に配列した2つ以上(通常はシアン、マゼンタ、イエローの3色)のカラーノズル列(通常は、シアン、マゼンタ、イエローの3列のカラーノズル列)を有し、ブラックノズル列に配列されたブラックノズル間の副走査方向の間隔を1ピッチとすると、少なくとも一つのカラーノズル列に配列されたカラーノズルは、ブラックノズル列に配列されたブラックノズルと副走査方向に半ピッチずつずれて配置されている。この半ピッチずつずれているカラーノズルを配列したカラーノズル列を間隙補完カラーノズル列、間隙補完カラーノズル列に配列されたカラーノズルを間隙補完カラーノズルという。なお、ここで、記録媒体がインクヘッドに対向している位置から移動して(搬送されて)行く方向が副走査方向、移動して行く先側が副走査方向の前側、記録媒体の移動してくる側が副走査方向の後側である。一方、インクヘッドの移動(走査)方向である主走査方向には前後の区別はない。
インクヘッドの副走査方向における最後部の間隙補完カラーノズル(この間隙補完カラーノズルを後端間隙補完カラーノズルという。)、すなわち間隙補完カラーノズル列の最後部(記録媒体の搬送されてくる側)に配置されている間隙補完カラーノズルと、同じ間隙補完カラーノズル列に属し、最前部に配置されている間隙補完カラーノズル(この間隙補完カラーノズルを先端間隙補完カラーノズルという。)とは、インクヘッドの任意の主走査方向への走査と、その任意の主走査方向への走査に続く次の走査において、記録媒体上の同じ副走査位置を走査するように設計されている。
好ましい態様として、ブラックノズルがインクを吐出する際には、少なくとも一つの間隙補完カラーノズル列に配列された、そのインクを吐出するブラックノズルに隣接する間隙補完カラーノズルもインクを吐出する。すなわち、この画像形成装置において、黒色又はグレーの画像形成をするときには、ブラックノズルからのブラックインクによる画像形成に加えて、ブラックノズルから吐出されたドットの行の間隙に、間隙補完カラーノズルから吐出されたカラードットの行が形成され、高速印刷が出来、よりきめの細かい優れた画像品質の画像を形成することができる。特に、インクヘッドの走査を1回目から2回目へなどと切り替える際には、1回目のインクヘッドの走査における後端間隙補完カラーノズルと、次のインクヘッドの走査における先端間隙補完カラーノズルとが、同じ主走査線上にインクを吐出するように制御出来るため、この後端間隙補完カラーノズルと先端間隙補完カラーノズルとの主走査線に多少のずれが生じても、それぞれの主走査線上にインクを吐出するため、副走査位置のずれによる白線(白すじ)の発生を防ぐことが出来る。
そして、任意の走査において、インクを吐出する後端間隙補完カラーノズルと、任意の走査に続く次の走査において、同一領域にインクを吐出する先端間隙補完カラーノズルとは、異なった間隙補完カラーノズル列の間隙補完カラーノズルとする。例えば、後端間隙補完カラーノズルがシアンのカラーノズルであれば、先端間隙補完カラーノズルはマゼンタのカラーノズルとすればよい。なお、同一領域とは、所定の走査とその次の走査で間隙補完カラーノズルが重複走査する領域であり、所定の走査で吐出する(最)後端ブラックノズルと、次の走査で吐出する(最)先端ブラックノズルとの間の領域を指す。
間隙補完カラーノズルから吐出されるカラーインクは、ブラックノズルから吐出されるブラックインクを補助して、黒色又はグレーの画像を形成するものであるので、ブラックノズルと間隙補完カラーノズルとは、インク吐出量が異なっていてもよい。通常は、間隙補完カラーノズルから吐出されるインク吐出量を、ブラックノズルから吐出されるインク吐出量よりも少なくすることが好ましい。しかし、後端間隙補完カラーノズル及び先端間隙補完カラーノズルのうち少なくとも一方、又は両方のインク吐出量は、他の間隙補完カラーノズルのインク吐出量より多くすることが好ましい。後端間隙補完カラーノズル及び先端間隙補完カラーノズルは、記録媒体の副走査方向におけるインクヘッドの走査が切り替わる位置に画像形成するためのノズルであり、切り替え時の用紙の搬送に副走査方向のずれが発生しやすく、黒色印刷における白線が発生しやすい位置である。後端間隙補完カラーノズル及び先端間隙補完カラーノズルのうち少なくとも一方、又は両方のインク吐出量を多くすることで、この部分の各インクドットの面積を拡げ、この白線を埋めることが出来る。
また、本発明の画像形成装置は、後端間隙補完カラーノズルに隣接するブラックノズルによるインク吐出が、記録媒体上に黒色又はグレーの画像端部を形成するときは、その画像端部に対する先端間隙補完カラーノズルからのインク吐出を行わないように制御することが好ましい。記録媒体上の一部に黒色又はグレーの画像端部を形成するときは、その画像の副走査方向の後端は、黒色又はグレーと白色との境になる。このような位置に黒色又はグレー以外のカラーインクが幅広く付着していると、画像の端部が黒色又はグレーに見えない場合があり、画像品質が低下する。このような弊害を防止するため、記録媒体上に黒色又はグレーの画像端部を形成するときであって、この画像端部が後端間隙補完カラーノズルに隣接するブラックノズルによるインク吐出で形成されるときには、続いて実行される次のインクヘッドの走査において、その画像端部に対する先端間隙補完カラーノズルからのインク吐出を行わないように制御する。これにより、この画像端部には、画像端部形成のブラックノズルに隣接する後端間隙補完カラーノズルのみからカラーインクが吐出され、通常の黒色インクの間隙に吐出されるおよそ半分のカラーインクが吐出されるだけである。そして、用紙の搬送ずれが起こっていても、幅広いカラーインクの画像端部は形成されない。
同様にして、本発明の画像形成装置は、先端間隙補完カラーノズルに隣接するブラックノズルによる吐出インクが、記録媒体上に黒色又はグレーの画像端部を形成するときは、その画像端部に対する後端間隙補完カラーノズルからのインク吐出を行わないように制御することが好ましい。上記説明は、形成画像後端部に付いて行ったが、形成画像先端部に付いても同様である。
本発明の画像形成装置におけるカラーノズル列は、どのようなカラーを何種類用いてもよいが、従来の画像形成装置におけるカラーノズル列と同じように、それぞれ列ごとにシアン、マゼンタ、イエローの各インクを吐出するカラーノズルで構成されていればよい。そして、間隙補完カラーノズル列は、それぞれ列ごとにシアン、マゼンタの各インクを吐出するカラーノズルで構成されていることが好ましい。シアン、マゼンタは、イエローに較べて暗色であり、また、混合した色も黒に近いため、黒やグレーの補完色として適している。
本発明の画像形成方法では、副走査方向に搬送される記録媒体に対向して配置したインクヘッドを、主走査方向に走査しながら記録媒体上にインクを吐出させて画像を形成する。そして、インクヘッドは、それぞれ副走査方向に等間隔に、黒色インクを吐出するブラックノズルを配列したブラックノズル列、及びカラーインクを吐出するカラーノズルを配列した2つ以上のカラーノズル列を有している。また、少なくとも一つのカラーノズル列(間隙補完カラーノズル列という。)に配列されたカラーノズル(間隙補完カラーノズルという。)は、ブラックノズル列に配列されたブラックノズルと副走査方向に半ピッチずつずれている。さらに、インクヘッドの副走査方向における最後部の、すなわち間隙補完カラーノズル列の最後部(記録媒体の搬送されてくる側)に配置されている間隙補完カラーノズル(この間隙補完カラーノズルを後端間隙補完カラーノズルという。)と、間隙補完カラーノズル列に属し、最前部に配置されている間隙補完カラーノズル(この間隙補完カラーノズルを先端間隙補完カラーノズルという。)とは、インクヘッドの任意の主走査方向への走査と、その任意の主走査方向への走査に続く次の走査において、記録媒体上の同じ副走査位置を走査するように制御されている。さらに、任意の走査において、インクを吐出する後端間隙補完カラーノズルと、任意の走査に続く次の走査において、インクを吐出する先端間隙補完カラーノズルとは、異なった間隙補完カラーノズル列の間隙補完カラーノズルとするように制御されている。
[実施形態]
本発明の具体的な実施形態を図面を参照にして説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一態様であるインクジェット記録装置の機構部全体の概略構成図である。図1に示すように、この画像形成装置は、装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の記録媒体(以下、用紙と称す。)3を積載可能な給紙トレイ4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所定の画像を記録した後、画像形成された用紙3を装置本体1の右側方に装着された排紙トレイ6に排出する。また、この画像形成装置は、装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後、排紙トレイ6に両面に画像形成された用紙3を排出する。
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11、12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向である主走査方向(用紙3の幅方向)に移動(走査)させる。なお、用紙の搬送方向(副走査方向)とキャリッジの動きについては図2に示す。図2において、キャリッジ上のインクヘッド(記録ヘッド)K,C,M,Yは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のノズルをイメージ的に表している。また、用紙上の電話機の図は、形成された画像イメージを表している。なお、ガイドローラに支持されたキャリッジ上のインクヘッド(記録ヘッド)は、左右どちらにも移動するので、主走査方向には前後の区別はないが、用紙は、排紙方向(図においては、下方)にのみ搬送されるので、排紙されていく方向を副走査方向の前側、給紙されてこる側を副走査方向の後側としている。
図1において、キャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔を配列したインク吐出ノズルで構成した記録ヘッド(インクヘッド)14を搭載し、また記録ヘッド14の上部にはインクを供給するインクカートリッジ15が着脱自在に搭載されている。なお、インクカートリッジ15に代えてサブタンクを搭載し、メインタンクからインクをサブタンクに補充供給する構成とすることもできる。
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1つのインクヘッドを用いることができる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。また、記録ヘッド14を構成するインクヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を、インク吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
そして、給紙トレイ4の用紙3は、給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体1内に給紙され、搬送機構5に送り込まれる。また、搬送機構5は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする搬送ガイド部23と、用紙3を搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける加圧コロ25と、用紙3を搬送ローラ24側にガイドするガイド部材26と、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7に案内するガイド部材27と、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する押し付けコロ28とを有している。
更に、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、この搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、この帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するための、クリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1中の矢示A(用紙搬送方向)の方向に周回するように構成されている。この搬送ベルト33は、単層構成でも多層構成でもよい。多層構成の搬送ベルトは、図3の模式的断面図に示すように、第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成とすることができる。また、多層構成の搬送ベルトは、3層以上の構成とすることもできる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とで構成する。
そして、帯電ローラ34は、図1,3に示すように、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。この帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢印Aの方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34からは所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで帯電させる。
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3が給送されると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3のベルト33と接触している面に誘電され、ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平ら
な面が形成される。
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3の記録先頭行を記録ヘッド14に対向する記録領域に移動させた後、記録ヘッド14を主走査方向(用紙3の幅方向)の端から端まで移動しながら、停止している用紙3に液滴であるインク滴を、画像信号に応じて所定のタイミングで吐出して1主走査領域分を記録し、1主走査領域分の走査が終了したら、用紙3を所定量搬送後、次の主走査領域の記録を行う。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。
ここで、黒色又は、グレー画像を印刷する際には、1主走査領域分を、記録ヘッド14における副走査方向に配列されたノズル列の長さに相当する長さより、ノズルの配列1ピッチ分短くする。そして、同じノズル列に属する副走査方向の最後端のノズルが最初の走査において走査した用紙3上の副走査領域と、最先端のノズルが次の走査において走査した用紙3上の副走査領域とが同じになるようにする。なお、この主走査領域の重なりについては、追って詳しく説明する。
このようにして、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
図4は、本発明の画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。この制御部100は、装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(以下NVRAMと略す)104と、その他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。なお、ASIC105については、後述する「高速機」に分類される記録装置では、画像処理の一部を担当する機能が付与されている場合もある。
この制御部100は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F106と、記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108と、主走査モータ109を駆動するための主走査モータ駆動部110と、副走査モータ111を駆動するための副走査モータ駆動部112と、環境温度及び/又は環境湿度を検出する環境センサ113及び図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O114などを備えている。
この制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル115が接続されている。更に、制御部100は、帯電ローラ34に対する高電圧を印加する高圧回路(高圧電源)116のオン/オフの切り替え及び出力極性の切り替え制御を行う。
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称す)等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いは無線装置等を介してホストI/F106で受信する。
そして、CPU101は、ホストI/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理等(場合によっては、後述する画像処理の一部)を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータ(印刷ラスタデータ)への変換は、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバーで画像データをビットマップデータに展開し印刷データのビットマップデータ(印刷ラスタデータ)を作成した上で、該印刷ラスターデータをこの装置に転送するようにしても良い。
ヘッド駆動制御部107は、印刷ラスターデータのうち、記録ヘッド14の1パス分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1パス分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
このヘッド駆動制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
また、ヘッドドライバ108は、ヘッド駆動制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動し、1パス分に相当する画像データを印刷してドットパターンラインを形成する。
ホストPC側で行われる処理の一例として、図5を用いて説明を行う。図5では、全ての画像処理をPC側で処理する「一般機」(画像形成装置)と、一部の処理を記録装置に内蔵したASICで分担する「高速機」とについて示している。この図で示すところの「高速機」では、画像処理をホスト側と記録装置側で分担して処理することができるため、画像処理にかかる時間を短縮できるだけでなく、ホストPCの開放を早めることができる。
画像処理の概要は、入力された画像データをモニター表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理部201,301、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(Black Generation/Under Color Removal)と、記録装置の特性やユーザの嗜好を反映した入出力補正を行うγ補正とを行うBG/UCR/γ補正部202,302、記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行うズーミング(Zooming)処理部203,303、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える中間調処理(多値・少値マトリクス)部204,304より構成される。
本発明におけるモノクロ(グレー)画像の画像データをノズルから噴射するドットのパターン配置に置き換える処理について説明する。図6は、本発明の画像形成装置のヘッドユニット(記録ヘッド14に相当する。)におけるノズルの配列の様子を示す平面図である。図6に示すように、このヘッドユニット401におけるノズル列402は、シアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色毎に、副走査方向に等間隔で1列に配列された4列から構成されている。なお、ひとつのノズル間の間隔を1ピッチという。そして、ヘッドユニット401のノズル列402は、シアン(C)のノズル列(C列)とマゼンタ(M)のノズル列(M列)が副走査方向に対して同一のラスタ位置に配列されて構成する第1のノズル列群403と、ブラック(K)のノズル列と、ブラック(K)のノズル列(K列)と副走査方向に対して同一のラスタ位置に配列されたイエロー(Y)のノズル列(Y列)とを含んで構成されている。第2のノズル列群404のノズルは、第1のノズル列群403のノズルに対して、副走査方向に半ピッチ分ずらして配列されている。
なお、ブラック(K)、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の4つの色に限らず、これ以外の色を加えてもよい。また、主走査方向における各色の配列順序は図6に示す順序に限らない。更に、ブラックノズルの無いラスタのノズル(ここでは第1のノズル列群403)はブラックの代替ドットとして使用するため、濃度が高く黒に近い色となるノズルの組み合わせが好ましい。その組み合わせによって、つまりシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)のいずれの2色とするかによって、擬似ブラックドットはシアン(C)とイエロー(Y)の場合緑系、シアン(C)とマゼンタ(M)の場合青系、イエロー(Y)とマゼンタ(M)の場合赤系のいずれかとなり、搭載するインクの特性にもよるが、一般的にはシアン(C)とマゼンタ(M)の組み合わせによる青系の構成が好ましい。
以下の説明では図6に示す配列のとおり、C列、K列、M列、Y列の順に配列されており、擬似ブラックドットがシアン(C)とマゼンタ(M)の青系となる例で説明する。各ノズルの副走査方向の間隔(ピッチ)を表す密度は150dpiとしている。図6に示すように、イエローノズル列はブラックノズル列と副走査方向に同じラスタ位置に配置され、シアンノルズ列とマゼンタノズル列はブラックノズル列に対し、副走査方向に半ピッチ(300dpi)前にずらしたラスタ位置に配置されている。
図7〜9は、図6に示したヘッドユニットを、2回主走査方向に走査したときの各ノズルのインク吐出状況と、用紙上に書き込まれた黒色領域を模式的に表したものである。なお、このヘッドユニットの走査においては、1回目と2回目の走査においてノズルヘッド1ピッチ分、すなわち150dpiだけ重複している。なお、この画像は1ドットが300dpiを示している。
図7においては、ブラックノズル(ブラック列のノズルを表す。他の色のノズルも同じ)の存在しないラスタのドット(ドットパターンライン)についてはシアンとマゼンタに割り当てる。これにより150dpi間隔のブラックノズルによるインク吐出に加え、ブラックノズルと300dpiずれた位置に配置されたシアンノズルとマゼンタノズルによる吐出も合わせて行われるため、ブラックインクで形成されるブラックドットからなるドットパターンラインと、シアンインクとマゼンタインクで形成される擬似ブラックドットからなるドットパターンラインとが交互に配置されることとなる。
画像の黒(Kのドットパターンライン)の隙間のライン(C+Mのドットパターンライン)はシアンインクとマゼンタインクの混合により青に近い色となる。黒の隙間がブルーで埋まることによりグレーバランスが青寄りになるが、画像の副走査方向の解像度は2倍となり、画像の濃度も向上する。ここで、K及びC+Mのドットパターンラインの交互配置方向は、副走査方向であり、記録ヘッドのノズル列方向でもある。ヘッドユニットが主走査方向に走査すると、図7に従って説明すれば、走査1回目で用紙の上側の領域印刷し、次に、用紙を副走査方向に所定量送ったのち、記録ヘッドが2回目の走査で用紙の下側の領域を印刷する。
図7においては、ヘッドユニットの重複があっても、1回目の走査と2回目の走査において、用紙上にインクを吐出するノズルに重複はない。すなわち、1回目の走査においては、K列、Y列の副走査方向最後端のノズルがインク吐出を停止しており、2回目の走査においては、C列、M列の副走査方向最先端のノズルがインク吐出を停止している。このような状態は、ヘッドユニットの重複がない状態と同等である。しかし、図7に示す状態は、1回目の走査と2回目の走査において、用紙の副走査方向への搬送が正確に実行され、1回目の主走査位置と2回目の主走査位置の、設計値に対する副走査方向へのずれはない。そうすれば、用紙上の印刷状態に示すように正常な画像形成がなされている。
図8に示す印刷例は、図7示す印刷例と同じ操作による印刷であるが、ヘッドユニットの1回目の走査と2回目の走査との間の、用紙の副走査方向への搬送が正確に行われなかった場合を表している。すなわち、ヘッドユニットの2回目の走査前に用紙を副走査方向へ搬送する際、1走査分よりも過剰に搬送してしまい、ヘッドユニットの2回目の走査による用紙上の印刷位置が、正常な位置より後方へずれてしまった状態を表している。図8に従って説明すれば、ヘッドユニットの2回目の走査は、点線で示す位置を走査すべきところ、用紙が「書き込み位置ずれ」と表示した距離だけ過剰に搬送されてしまったため、その分1回目の走査による印刷画像と2回目の走査による印刷画像との間にギャップが生じている。連続する黒色画像の場合は、このギャップは主走査方向の白すじ(白線)として現れる。この白すじが画像品質の劣化となり好ましくない。この現象は、各走査における各ノズルに、それぞれ一対一対応でドットパターンを割り振る制御においては、必ず起こる現象である。従来の画像形成装置におけるヘッドユニットのノズルへのドットパターンの割り振りは、一対一対応であったので、同様の現象が起こっていた。
そこで、本発明の画像形成装置におけるヘッドユニットでは、1回目の走査による印刷画像と2回目の走査による印刷画像との間に、重複する印刷画像部分を設けてある。図9に示す例では、ヘッドユニットの走査と、各ノズルへのインク吐出の割り振りを示している。図9に沿って説明すれば、図7,8と同じように、ヘッドユニットの1回目の走査と2回目の走査とは、各色のノズルが1ピッチ分重なるように、用紙の搬送が行われている。そして、図9に示すヘッドユニットの、副走査方向の最後部のカラーノズルの1回目の走査におけるドットパターンと、副走査方向の最前部のカラーノズルの2回目の走査におけるドットパターンとは同じものとする。すなわち、1回目の走査における最後部のカラーノズルから吐出するカラーインクドットと、2回目の走査における最前部のカラーノズルから吐出するカラーインクドットによって、ひとつの疑似ブラックドットを形成する。
このようにしても、ヘッドユニットが正常に走査されているときは、図7に示した印刷画像と同じように正常なドットパターンが印刷されている。そして、ヘッドユニットが、図8に示すように、用紙に対してずれてしまったときには、図9に示すドットパターンの印刷画像を示す。この印刷画像では、1回目の走査で書き込まれたドットパターンと、2回目の走査で書き込まれたドットパターンとの重なり部分において、書き込みずれ分だけドットのずれが生じている。図9の例で説明すれば、印刷画像の中央部のドットの重なり部分では、上側のドットはシアンであり、下側にずれているドットはマゼンタである。それ故、厳密には、両ドットが重なった部分は、疑似ブラックドットであるが、その上側のずれ部分はシアンドット、下側のずれ部分はマゼンタドットである。しかし、このずれ部分は、図8に示した印刷画像のように白すじではないので、ほとんど目立たず、画像品質を落とすこともない。
なお、このようにして白すじの発生を防止できる、ヘッドユニットの1回目の走査と2回目の走査との間の副走査方向のずれの最大幅は、1回目の走査で形成されるドットの直径と2回目の走査で形成されるドットの直径の和から、正常な印刷において疑似ブラックドットが印刷すべき最小幅を差し引いた長さである。
図10Aには、相対的にブラックドットを大きくして、疑似ブラックドットを小さくした場合のドットパターンを示した。このようにすれば、ブラックインクの領域が多くなり、疑似ブラックインクの領域が少なくなるので、より真の黒又はグレーに近い色味とすることができる。
図10Bには、図10Aと同様に、相対的にブラックドットを大きくし、疑似ブラックドットを小さくしているが、1回目の走査と2回目の走査との重なり部分の疑似ブラックドットは、他の疑似ブラックドットより大きくした場合のドットパターンを示した。上述のように、許容される1回目の走査と2回目の走査との間の副走査方向のずれの最大幅は、1回目の走査と2回目の走査との重なり部分の疑似ブラックドットの大きさに依存するので、少しの副走査方向のずれに対しても白すじが発生しやすくなる。そこで、この部分だけ疑似ブラックドットを大きくしておけば、副走査方向のずれの許容値を大きくして、印刷画像全体の色味を真の黒色又はグレーに近づけることが出来る。
もう少し詳しく説明すると、図11Aに示すように、疑似ブラックドットを全て小さくした場合、1回目の走査によるドットと2回目の走査によるドットとの重なりは、副走査方向のずれ幅とドットの大きさに依存するので、少しの副走査方向のずれに対しても白すじが発生しやすくなる。そこで、図11Bに示すように、1回目の走査と2回目の走査との重なり部分の疑似ブラックドットのみを、他の疑似ブラックドットより大きくしておけば、副走査方向のずれに対する許容値を大きくすることが出来る。さらに、図11Cに示すように、1回目の走査と2回目の走査との重なり部分のドットを形成する、インクヘッドの副走査方向の最後部と最前部のカラーノズルから吐出されるインクドットの大きさを変えて、疑似ブラックドットを形成することも可能である。
黒色又はグレー画像の端部の印刷について説明する。図12Aは、1回目の走査で重複ノズルにおける擬似ブラックインクによる画像形成が終了すべき場合の、正常な印刷状態を表している。この場合、1回目のインクヘッドの走査では、通常どおりの画像印刷が行われ、2回目の走査においては、1回目の走査における最後端の疑似ブラックインクラインの形成のため、2回目の走査で最先端のカラーインクが吐出されている。しかし、副走査方向の搬送ずれは起こっておらず、正常に印刷されているので問題はない。
しかし、図12Bに示すように、副走査方向の搬送ずれが起こって、2回目の走査における最先端のカラーインクが、正常な印刷位置より用紙の後方に吐出されると、白すじは発生しないが、疑似カラードットの幅が広くなる。印刷画像端部においては、疑似カラードットは目立ちやすく、この幅が広くなると画像品質が劣ることが確認されている。
そこで、図12Cに示すように、黒色又はグレー画像の端部が、1回目の走査による疑似ブラックインクラインの画像形成で終了する場合は、その疑似ブラックインクラインは、1回目の走査によるカラードットのみで形成し、2回目の走査における最先端のカラードットは吐出しないようにする。図12Cにおいて、2回目の走査で書き込まれる領域の白抜きの丸は、インクドットが吐出されれば付着すべき場所で、実際にはインクが付着していない領域を表している。ここで、2回目の走査で書き込まれる領域の最前部(最上段)は、最先端のカラーノズルから吐出されるべきカラードットの位置であり、正常な印刷であれば、その上の1回目の走査における最後端のカラードットと重なっているべきものである。しかし、図12Cにおいては、副走査方向の過剰搬送のずれにより、ほぼドットの大きさ分ずれている。ずれてはいても、実際にはこの領域にはインクが付着しておらず、疑似ブラックインクの幅は拡がっていない。この為、図12Cに示す印刷画像においては、画像端部が正常に形成されている。なお、この画像端部の色味は、1回目の走査によるカラードットのみで形成されているので、疑似ブラックインクとしては好ましくないが、端部のみであるので画像品質に影響するほど目立つことはない。なお、擬似ブラックインクの色味を重視する場合には、1回目の走査で吐出されるインクを、例えば、上記説明の様なインクヘッドユニット内の副走査方向最後部のシアンカラーノズルからのシアンインクだけにするのではなく、同じヘッドユニット内の同じ副走査位置にあるマゼンタカラーノズルからのマゼンタインクも追加して吐出させることで、端部でも擬似ブラックドットを形成させることが可能となるため、画像端部の色味が保たれる。
画像後端部の印刷処理について説明したが、画像前端部をインクヘッドの最先端の疑似ブラックノズルで形成する場合の印刷処理についても、同様に1回前の走査における最後端のカラーインクの吐出は行わないように制御すればよい。なお、この場合も同様にして、1回目の走査で吐出されるインクを、同じヘッドユニット内の副走査方向最前部の複数のカラーノズルからのカラーインクを用いて吐出させることで、端部でも擬似ブラックドットを形成させることが可能となるため、画像端部の色味が保たれる。
図13には、画像後端部をインクヘッドの最後端の擬似ブラックノズルで形成する場合の印刷処理のデータ生成の処理フローを示す。印刷ラスターデータから、オーバーラップ部(擬似ブラックドットパターンライン)及び隣接するブラックドットパターンラインに相当するデータラインを抽出し、パターンマッチングにより画像端部か否かを判定する。図13に沿って説明すると、まず、オーバーラップ部の先頭位置を注目画素とする(ステップS1)。注目画素は画像部か否かを判断し(ステップS2)、画像部でなければ(ステップS2のN)、次の位置に注目画素を移動する(ステップS7)。画像部であれば(ステップS2のY)、ウィンドウに相当するビットマップデータを取得する(ステップS3)。そして、所定のパターンとマッチングをし(ステップS4)、マッチすれば(ステップS5のY)、オーバーラップ部データを生成し(ステップS6)、次の位置に注目画素を移動する(ステップS7)。所定のパターンとマッチしなければ(ステップS5のN)、そのまま次の位置に注目画素を移動する(ステップS7)。そして、注目画素がオーバーラップ部のデータエンドでなければ(ステップS8のN)、ステップS2に戻ってオーバーラップ部のデータ生成を繰り返す。注目画素がデータエンドであれば(ステップS8のY)終了となる。
なお、オーバーラップ部のデータ生成においては、パターンマッチングにより隣接画素にブラックドットが両方とも存在する場合はオーバーラップ部データを生成し、オーバーラップ部の擬似ブラックドットを2回の走査にて形成する。隣接画素にブラックドットが片方しか存在しない場合は、オーバーラップ部データは生成せず、片方で隣接するブラックドットの記録と同一走査にて擬似ブラックドットパターンラインを形成する。
図14〜16を参照にして、具体的なヘッドの重複部(ヘッド繋ぎ位置)に相当する画像データからオーバーラップ部データを生成する例を説明する。図14は、画像データのうちヘッド繋ぎ位置近傍の領域(6x5マス)を抽出した図である。番号11〜56のマス位置がそれぞれ一つずつの画素に相当し、画素行11〜16,31〜36,51〜56が間隙補完カラーノズルで記録する画素行であり、画素行21〜26,41〜46がブラックノズルで記録する画素行であるとする。また、画素行31〜36が、ヘッド繋ぎ位置に相当する。なお、図中のグレーの画素部分、すなわち、画素12〜16,23〜26,34〜36,45〜46が画像形成すべき領域であり、図中の白色の画素部分、すなわち、その他の画素領域は空白の領域である。
図13のフロー図に対応して説明すると、ステップ1にて、最初に、オーバーラップ部の先頭位置(31)を注目画素とする。注目画素は非画像部(ステップ2のN)のため、次の注目画素(32)に移動する(ステップ7)。次の注目画素(32)も、非画像部のため(ステップ2のN)、同様に次の注目画素(33)に移動する。注目画素(33)も非画像部のため、さらに次の注目画素(34)に移動する。
注目画素(34)は画像部であるため(ステップ2のY)、ウィンドウ(図15(a)に示す1×3画素)に相当するビットマップデータを取得する。このビットマップデータを所定のパターン(図15(b)に示すパターン)とパターンマッチングを実施し、マッチしないため(ステップ5のN)、次の注目画素(35)に移動する。
注目画素(35)は画像部のため(ステップ2のY)、ウィンドウに相当するビットマップデータを取得する。このビットマップデータを所定のパターン(図15(b)に示すパターン)とパターンマッチングを実施し、マッチするため(ステップ5のY)、オーバーラップ部データを生成し(ステップ6)、次の注目画素(36)に移動する。
注目画素(36)は画像部のため(ステップ2のY)、ウィンドウに相当するビットマップデータを取得し、画素(35)と同様にオーバーラップ部データを生成し(ステップ6)、次の注目画素に移動する(ステップ7)。以降、注目画素がデータエンドになるまで処理を繰返し、注目画素がデータエンドの時点(ステップ8のY)で処理が終了する。
上記処理により生成される擬似ブラック用データ(例えば、マゼンタ)は、画素31〜34は、所定のパターンとマッチしないためオーバーラップ部データ処理されずに、1回目の走査でマゼンタ用データとしてそのまま使用される。すなわち、図16のごとく、画素31〜33まで非画像画素、画素34が画像画素とされる。次に、画素35、36は、所定のパターン(図16(b)とマッチするため、オーバーラップ部データが生成される。そして、1回目の走査でのマゼンタ用データとしては、画素35、36を非画像画素データに変換する。更に、2回目の走査で用いられるオーバーラップ部のマゼンタデータとしては、1回目の走査でオーバーラップ処理されなかった画素31〜34は、非画像部とされ、画素35、36はオーバーラップ処理がなされ、画像画素とされる。