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JP5152024B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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JP5152024B2
JP5152024B2 JP2009024246A JP2009024246A JP5152024B2 JP 5152024 B2 JP5152024 B2 JP 5152024B2 JP 2009024246 A JP2009024246 A JP 2009024246A JP 2009024246 A JP2009024246 A JP 2009024246A JP 5152024 B2 JP5152024 B2 JP 5152024B2
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Description

本発明は、燃料噴射弁に関し、例えば内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に適用して好適なものである。
従来技術として、下記特許文献1に開示された燃料噴射弁がある。この燃料噴射弁は、筒状のハウジングであるケーシング本体および弁座支持体と、ケーシング本体の一部からなり内側空間の軸方向孔が上流側燃料通路となる筒状の固定子部と、ハウジング内に設けられて軸方向に往復変位することにより噴孔からの燃料の噴射を断続する弁部材である弁ニードルと、ハウジング内の固定子部より噴孔側に設けられ磁気コイルに通電されることによりケーシング本体の固定子部に磁気吸引される筒状の可動子とを備えている。
弁ニードルは、可動子の内側に挿設されて可動子を案内する軸状部と、軸状部から径外方向に突設され可動子の反噴孔側の端面と接触可能なストッパとを有している。そして、可動子よりも噴孔側においてケーシング本体および弁座支持体と弁ニードル軸状部との間の空間を形成する軸方向孔が下流側燃料通路となっている。可動子は軸方向に貫通する燃料通路を有しており、この燃料通路が、固定子部内の上流側燃料通路とケーシング本体および弁座支持体内の下流側燃料通路とを連通している。
特表2003−512557号公報
しかしながら、上記従来技術の燃料噴射弁では、可動子(可動コア)を貫通する燃料通路は、加工性や燃料流通特性等から比較的大径とする必要があるため、固定子部(固定コア)の軸方向投影領域内にまで形成されている。これに伴い、固定子部に対向する可動子の面積が減少し、可動子の磁気回路を形成する部分が減少することにより、コイルに通電された際に、固定子部との間に充分な磁気吸引力を発生し難いという問題がある。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を高めることが可能な燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
筒状のハウジングと、
ハウジング内の予め定める位置に固定され、内側の空間が上流側燃料通路となる筒状の固定コアと、
ハウジング内に設けられ、軸方向に往復変位することにより噴孔を開閉して噴孔からの燃料の噴射を断続する弁部材と、
ハウジング内の固定コアより噴孔側に設けられ、コイルに通電されることにより固定コアに磁気吸引される筒状の可動コアと、を備え、
弁部材は、
可動コアの内側に挿設される軸状部と、
軸状部の反噴孔側の端部において径外方向に鍔状に突設され、固定コアの内側にあって、可動コアの反噴孔側の面と接触可能なストッパ部と、を有し、
可動コアよりも噴孔側におけるハウジングと弁部材との間の空間が、上流側燃料通路よりも下流側の下流側燃料通路となる燃料噴射弁であって、
可動コアの外周面部とハウジングの内周面部とが接触して、可動コアが軸方向に変位する際の可動コア案内部となっており、
ストッパ部の外周面部の周方向の一部と固定コアの内周面部とが接触して、弁部材が軸方向に変位する際の弁部材案内部となっており、
ストッパ部の外周面部の周方向の残部と固定コアの内周面部との間には、軸方向に延びる第1通路空間が形成されており、
軸状部の外周面部と可動コアの内周面部との間には、軸方向に延びる第2通路空間が形成されており、
弁部材の軸方向の変位位置に係わらず、上流側燃料通路と下流側燃料通路とが第1通路空間および第2通路空間を介して連通しており、
弁部材の軸方向に直交する断面において、軸状部の外周面部および可動コアの内周面部はともに円形であり、第2通路空間は、軸状部の外周面部と可動コアの内周面部との間の全周に亘って形成されて、固定コアと軸方向に対向する箇所から内周側に外れていることを特徴としている。
これによると、可動コアの外周面部とハウジングの内周面部との接触部を可動コア案内部とし、ストッパ部の外周面部の周方向の一部と固定コアの内周面部との接触部を弁部材案内部として、固定コアの内周面部より内側に形成される第1通路空間と固定コアよりも内周径が小さい可動コアの内周面部よりも内側に形成される第2通路空間とにより上流側燃料通路と下流側燃料通路とを連通することができる。
したがって、可動コアの固定コアに対向する部分に上流側燃料通路と下流側燃料通路とを連通する燃料通路を設ける必要がなく、可動コアの磁気回路を形成する部分の減少を抑止して、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力を高めることができる。
また、請求項1に記載の発明では、弁部材の軸方向に直交する断面では、軸状部の外周面部および可動コアの内周面部はともに円形であり、第2通路空間は、軸状部の外周面部と可動コアの内周面部との間の全周に亘って形成されていることを特徴としているので、可動コアの弁部材軸状部の挿通孔と第2通路空間となる孔とを共通の断面円形状の孔として形成することができる。したがって、可動コアへの当該孔の形成加工が容易である。
また、請求項2に記載の発明では、弁部材の軸方向から見たときに、第1通路空間と第2通路空間とが重なっていることを特徴としている。
これによると、第1通路空間と第2通路空間とからなる上流側燃料通路と下流側燃料通路との連通構造の形成が容易であるとともに、上流側燃料通路と下流側燃料通路との連通構造の燃料流通抵抗の増大を抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の燃料噴射弁において、弁部材の軸方向に直交する断面では、ストッパ部の外周面部の前記残部は、中心に向かって凹んだ略円弧状であることを特徴としている。
これによると、弁部材の軸方向から見たときに第1通路空間と第2通路空間とが重なる連通構造を容易に形成することができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁において、弁部材の軸方向に直交する断面では、ストッパ部の外周面部の前記残部は、直線状であることを特徴としている。
これによると、ストッパ部の外周面部のうち第1通路空間を形成する部分の形成加工が容易である。
また、請求項5に記載の発明では、第1通路空間は複数形成され、複数の第1通路空間がストッパ部の外周面部の周方向において均等に設けられていることを特徴としている。
これによると、ストッパ部の外周面部と固定コアの内周面部との接触部からなる弁部材案内部を複数均等に設けて弁部材の安定した案内を行うことができるとともに、第1通路空間を複数均等に設けて燃料の安定した流通を行うことができる。
本発明を適用した一実施形態における燃料噴射弁であるインジェクタ10の構造を示す断面図である。 インジェクタ10の要部構造を示す断面図である。 図2におけるIII矢視図である。 他の実施形態におけるニードルの上面図である。 他の実施形態におけるニードルの上面図である。 他の実施形態におけるニードルの上面図である。 他の実施形態におけるインジェクタ10の要部構造を示す断面図である。 他の実施形態におけるインジェクタ10の要部構造を示す断面図である。 他の実施形態におけるインジェクタ10の要部構造を示す断面図である。 他の実施形態におけるインジェクタ10の要部構造を示す断面図である。
以下、本発明を適用した実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態のインジェクタ10を示す断面図である。また、図2は、インジェクタ10の要部構造を示す断面図であり、図3は、図2のIII矢視図である。
図1に示すインジェクタ10は、燃料噴射弁であって、たとえば直噴式のガソリンエンジンに適用される。直噴式のガソリンエンジンにインジェクタ10を適用する場合、インジェクタ10はエンジンヘッド(図示せず)に搭載される。
インジェクタ10は、予め定める軸方向Z(開閉方向)に延びる筒部材11、筒部材11の軸方向Z一端部に設けられる入口部材12、筒部材11の軸方向Z他端部に設けられるノズルホルダ13、インジェクタ10内部を軸方向Zへ往復移動可能に収容されるニードル14、およびニードル14を駆動する駆動部15を有している。
以下、インジェクタ10の方向として、筒部材11が延びる方向を軸方向Z(図1における上下方向)と称し、軸方向Zの一方を開弁方向Z1(図1における上方、反噴孔側)と称し、軸方向Zの他方を閉弁方向Z2(図1における下方、噴孔側)と称することがある。
筒部材11は、軸方向Zへ概ね内径が同一の筒状に形成されている。筒部材11は、磁性を有する磁性部16および磁性を有しない非磁性部17を有している。磁性部16は、非磁性部17よりも開弁方向Z1に位置する。したがって閉弁方向Z2に位置する筒部材11の端部は、非磁性部17となる。このような非磁性部17は、磁性部16とノズルホルダ13との磁気的な短絡を防止する。磁性部16および非磁性部17は、たとえばレーザ溶接などにより一体に接続されている。また筒部材11は、たとえば一体に成形した後、熱加工などにより一部を磁性化または非磁性化してもよい。また、非磁性部は、磁性部に対し板厚を薄くした磁気の絞りを設けた形状としてもよい。
入口部材12は、開弁方向Z1に位置する筒部材11の端部に設けられる。入口部材12は、筒部材11の内周側に圧入されている。入口部材12は軸方向Zに貫通する燃料入口18を有する。燃料入口18には、燃料ポンプ(図示せず)から燃料が供給される。燃料入口18には、燃料フィルタ19が設けられる。燃料フィルタ19は、燃料に含まれる異物を除去する。したがって燃料入口18に供給された燃料は、燃料フィルタ19を経由して筒部材11の内周側に流入する。
ノズルホルダ13は、閉弁方向Z2に位置する筒部材11の端部に設けられる。したがって筒部材11とノズルホルダ13とは、協働して筒状のハウジングを構成する。またノズルホルダ13は、磁性を有する。したがって筒部材11の非磁性部17は、軸方向Zに関して、磁性部16と磁性を有するノズルホルダ13との間に位置する。ノズルホルダ13は、筒状に形成される。
ノズルホルダ13は、略同軸であり内径が互いに異なる大径部20、中径部21、小径部22および取付部23を有している。3つの径部20〜22のうち、大径部20は、最も内径が大きく、次に中径部21の内径が大きく、小径部22は最も内径が小さい。また3つの径部20〜22の位置関係は、大径部20が開弁方向Z1の端部に位置し、小径部22が閉弁方向Z2の端部に位置し、中径部21が軸方向Zの中央、すなわち大径部20と小径部22との間に位置する。大径部20の内径は、筒部材11の内径と略等しく、筒部材11と略同軸となるように配置される。取付部23は、閉弁方向Z2に位置する小径部22の端部に設けられる。したがってノズルホルダ13の閉弁方向Z2の端部は、取付部23となる。取付部23には、ノズルボディ24が設けられる。
ノズルボディ24は、筒状に形成され、例えば圧入あるいは溶接などによりノズルホルダ13の取付部23に固定されている。ノズルボディ24の内壁面は、閉弁方向Z2に向かうにつれて内径が小さくなるように傾斜し、いわゆる尖鋭状に形成される。このようなノズルボディ24の先端部には、ノズルボディ24を軸方向Zに貫いて内壁面と外壁面とを連通する噴孔25が形成される。また噴孔25の周囲の内壁面は、弁座29として機能する。
ニードル14は、弁部材であって、筒部材11、ノズルホルダ13およびノズルボディ24の内周側に軸方向Zへ往復移動可能に収容されている。ニードル14は、軸方向Zへ往復変位することによって噴孔25を開閉して、噴孔25からの燃料の噴射を断続する。ニードル14は、ノズルボディ24と概ね同軸上に配置されている。ニードル14は、軸部26、ストッパ27およびシール部28を有している。ニードル14は、軸部26の一方の端部側すなわち燃料入口18側(反噴孔側)の端部において径外方向に鍔状に(フランジ状に)突出するように設けられたストッパ27を有している。また、ニードル14は、軸部26の他方の端部側すなわち燃料入口18とは反対側(噴孔側)の端部にシール部28を有している。シール部28は、ノズルボディ24に形成されている弁座29に着座可能である。
また、ニードル14の周囲において、スットパ27の周囲に第1通路空間からなる燃料通路61が形成され、軸部26の周囲に第2通路空間からなる燃料通路62が形成される。燃料通路61および燃料通路62が、後述する固定コア35の内側の空間である上流側燃料通路321と、可動コア36よりも噴孔側においてノズルホルダ13とニードル14との間に形成された空間である下流側燃料通路322とを常時(ニードル14の軸方向Z変位位置に係わらず)連通し、燃料通路321、61、62、322が、燃料入口18から噴孔25に向かう燃料通路となっている。
これにより、燃料フィルタ19を経由して筒部材11の内周側に流下した燃料は、固定コア35内側の上流側燃料通路321を介してニードル14ストッパ27の周囲に形成される燃料通路61に流入し、さらに燃料通路61の下端部に接続するように形成される燃料通路62から噴孔側に導かれる。その後、燃料は、ニードル14とノズルホルダ13との間に形成される下流側燃料通路322を流下し、噴孔25側へ流入する。燃料通路61、62の構成については後で詳述する。
次に、ニードル14を駆動する駆動部15に関して説明する。図2は、ニードル14が着座している閉弁状態にあるインジェクタ10の一部を拡大している断面図である。駆動部15は、ニードル14を軸方向Zに沿って駆動する。駆動部15は、スプール33、コイル34、固定コア35、磁性プレート50、可動コア36、コネクタ37、第1スプリング39、第2スプリング46、アッパハウジング70、ノズルホルダ13、および筒部材11を有している。
スプール33は、筒部材11の外周側に設置されている。スプール33は、樹脂で筒状に形成され、外周側にコイル34が巻かれている。コイル34は、通電されることによって固定コア35に可動コア36を吸引する磁力を発生する。コイル34は、コネクタ37の端子部38に電気的に接続している。端子部38は、コネクタ37に装着される外部電気回路(図示せず)と電気的に接続され、外部電気回路によってコイル34への通電状態が制御される。
固定コア35は、筒部材11を挟んでコイル34の内周側であって、予め定める設置位置に固定される。固定コア35は、例えば鉄などの磁性材料により筒状に形成され、筒部材11の内周側に例えば圧入などにより固定されている。磁性プレート50は、磁性材料から形成され、コイル34の外周側を覆っている。また、アッパハウジング70は、磁性材料から構成され、コイル34の反噴孔側(開弁方向Z1側)を覆っている。
可動コア36は、筒部材11の内周側、およびノズルホルダ13の大径部20の内周側に軸方向Zへ往復移動可能に設置されている。可動コア36は、例えば鉄などの磁性材料から筒状に形成されている。固定コア35内には第1スプリング39が配置されている。第1スプリング39は、一方の端部がニードル14に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ40と接している。第1スプリング39は、軸方向Zへ伸長する力を有している。そのため、可動コア36およびニードル14は、第1スプリング39により弁座29に着座する閉弁方向Z2へ押し付けられる。アジャスティングパイプ40は、固定コア35の内周側に圧入されている。これにより、第1スプリング39の荷重は、アジャスティングパイプ40の圧入量を調整することにより調整される。コイル34に通電していないとき、可動コア36およびニードル14は、閉弁方向Z2へ押し付けられ、シール部28は弁座29に着座する。
このように駆動部15は、固定コア35および可動コア36を有している。可動コア36には、ニードル14の軸部26(軸状部)が挿入されている。すなわち、可動コア36は、弁部材であるニードル14の軸部26の周囲に筒状に設けられている。可動コア36は、径方向の中央部に軸方向Zへ貫く挿通孔が形成される。挿通孔に臨む内周面部(以下、「穴部」ということがある)41は、内径がニードル14の軸部26の外径よりも大きく形成されている。そのため、ニードル14は、穴部41の内周側を軸方向Zへ移動可能である。
軸部26の横断面すなわち軸方向Zに直交する断面では、軸部26の外周面部42および可動コア36の内周面部41はともに中心を同一とする円形であり、軸部26外周面部42と可動コア36内周面部41との間には、軸部26の全周に亘って燃料通路62が軸方向Zに延びるように形成されている。
また、可動コア36の径方向外側の外周面部43は、筒部材11の内周面部44と接触している。本実施の形態では、筒部材11の内周面部44と接触する可動コア36の外周面部43は、残余の面部より径方向外方に突出する凸部43である。凸部43は、開弁方向Z1に位置する可動コア36の端部に設けられる。また凸部43が筒部材11と接触部分は、非磁性部17から成る部位である。
したがって可動コア36の凸部43は、非磁性部17の内周面部44と接触した状態で軸方向Zに変位するので、可動コア36と非磁性部17とは摺動する。これにより、可動コア36は、常に摺動抵抗(摩擦力)が生じた状態で、非磁性部17によって軸方向Zの移動が案内される。すなわち、可動コア36の外周面部43とハウジングの一部である非磁性部17の内周面部44との接触部が、可動コア36が軸方向Zに変位する際の可動コア案内部となっている。
ニードル14に設けられるストッパ27は、開弁方向Z1への可動コア36の変位を規制する。ストッパ27の外径は、穴部41の内径よりも大きい。そのため、ニードル14のストッパ27は、開弁方向Z1に位置する可動コア36の端面部45(以下、「可動コア36の上端面部45」ということがある)と接する。ストッパ27と可動コア36の上端面部45とが接することにより、可動コア36とニードル14との間におけるニードル14の弁座29側(閉弁方向Z2)への移動および可動コア36の固定コア35側への相対的な移動は制限される。これにより、ニードル14のストッパ27は、可動コア36とニードル14との過剰な相対移動を制限する。
また、ストッパ27は、筒状の固定コア35の内方側にて軸方向Zに沿って往復変位する。図3に示すように、ストッパ27(ストッパ部)は、円盤形状から円形の一部形状もしくは楕円形の一部形状を径外方向から複数等間隔に切り欠いた形状をなしている。ストッパ27の外周面部271は、周方向の一部である外周面部271aが固定コア35の内周面部351と接触している。ストッパ27の外周面部271aは、固定コア35の内周面部351と接触した状態で軸方向Zに変位するので、ストッパ27と固定コア35とは摺動する。これにより、ニードル14のストッパ27は、固定コア35との接触によって常に摺動抵抗(摩擦力)が生じた状態で、固定コア35によって軸方向Zの移動が案内される。すなわち、ストッパ27の外周面部271の周方向の一部である外周面部271aと固定コア35の内周面部351との接触部が、ニードル14(弁部材)が軸方向Zに変位する際の弁部材案内部となっている。
ストッパ271の外周面部271のうち、外周面部271a以外の部分(周方向の残部)である外周面部271bは、ストッパ27の横断面すなわち軸方向Zに直交する断面では、中心に向かって凹んだ円弧状(略円弧状であればよく楕円弧状等を含む)をなしている。ストッパ27の外周面部271bと固定コア35の内周面部351との間に、前述した燃料通路61が軸方向Z(紙面表裏方向)に延びるように形成されている。
図3から明らかなように、軸方向Zから見たときに、燃料通路61と燃料通路62とは一部同士が重なり合っている。すなわち、燃料通路61の一部と燃料通路62の一部とが軸方向Zに延びる直線状の燃料通路を形成している。
可動コア36の反噴孔側の面である上端面部45には、内周側縁部に軸方向Zの開弁方向Z1に突出した凸部51が環状に設けられている。固定コア35側に突出した凸部51が設けられることによって、凸部51の外周側には、固定コア35の下端面部49と可動コア36の上端面部45との間に、可動コア35の変位位置に係わらずコア間空間52が形成される。凸部51を設けることによって固定コア35と可動コア36とが当接する際の当接面積を低減し、所謂スクイズ力を低減するようになっている。
可動コア36は、閉弁方向Z2に位置する端部48(以下、「可動コア36の下端面部48」ということがある)が弾性部材である第2スプリング46と接している。第2スプリング46は、軸方向Zへ伸長する力を有している。第2スプリング46は、開弁方向Z1に位置する端部が可動コア36と接し、閉弁方向Z2に位置する端部がノズルホルダ13と接している。第2スプリング46は、ノズルホルダ13の大径部20および中径部21に収容されている。中径部21と小径部22との接続部分には、内径が互いに異なるので段差があり、閉弁方向Z2に位置する第2スプリング46の端部が当接する段差面部47が形成される。中径部21の内径は、第2スプリング46の外径よりもやや大きくなるように選択される。このような中径部21によって、第2スプリング46の傾きおよび曲がりが低減される。したがって、第2スプリング46の押し付け力を精密に維持することができる。
第2スプリング46は、軸方向Zへ伸長する力を有している。そのため、可動コア36は、第2スプリング46によって応力を付勢され固定コア35側(開弁方向Z1)へ押し付けられている。可動コア36には、第1スプリング39からニードル14を経由して閉弁方向Z2への閉弁力f1が加わり、第2スプリング46から開弁方向Z1への開弁力f2が加わる。図2では、理解を容易にするため、実際に閉弁力f1および開弁力f2が作用する部位には図示せず、閉弁力f1および開弁力f2が作用する方向を図示する。
第1スプリング39の押し付け力である閉弁力f1は、第2スプリング46の押し付け力である開弁力f2よりも大きく設定される。そのため、コイル34への通電が停止されている閉弁状態では、第1スプリング39に接するニードル14は、ストッパ27に接する可動コア36とともに第2スプリング46の開弁力f2に抗して噴孔25側(閉弁方向Z2)へ移動している。その結果、コイル34への通電が停止されている閉弁状態では、ニードル14のシール部28は弁座29に着座している。
前述したように、本実施形態のインジェクタ10において、図2に示すように、ハウジングの一部をなすノズルホルダ13は、大径部20、中径部21、小径部22を有しており、大径部20の内側に可動コア36が配設されている。また、第2スプリング46は、ノズルホルダ13の大径部20および中径部21の内側に配設され、反噴孔側(開弁方向Z1側)の端部が可動コア36の下端面部48に接して支持され、噴孔側(閉弁方向Z2側)の端部がノズルホルダ13の中径部21と小径部22との間の段差面部47に接して支持されている。
ここで、大径部20および中径部21が大内径部であり、小径部22が小内径部である。したがって、ハウジングの一部をなすノズルホルダ13は、小内径部である小径部22と、この小径部22より反噴孔側に小径部22よりも内径が大きい大内径部である中径部21および大径部20とを有し、小径部22と弁部材であるニードル14との間に噴孔25に向かう燃料通路322が形成されるとともに、大内径部の一部である中径部21と小内径部である小径部22との間の段差面部47が弾性部材である第2スプリング46の噴孔側の端部を支持する座面となっている。
次に、上記の構成によりインジェクタ10の作動について説明する。
先ず、開弁時の動作に関して説明する。コイル34への通電が停止されているとき、固定コア35と可動コア36との間には磁気吸引力は発生しない。したがって、ニードル14は、第1スプリング39の押し付け力である閉弁力f1によって閉弁方向Z2に押圧されている。このとき、ニードル14のストッパ27は、可動コア36の上端面部45(本例では凸部51のうち内周側の部分)に接している。そのため、可動コア36は、第1スプリング39の閉弁力f1と第2スプリング46の押し付け力である開弁力f2との差によってニードル14とともに開弁状態のときよりも閉弁方向Z2へ移動して、可動コア36は固定コア35と離れている。このようにニードル14が開弁状態のときよりも閉弁方向Z2へ移動することにより、ニードル14のシール部28は弁座29に着座している。したがって、燃料は噴孔25から噴射されない。この閉弁状態では、可動コア36の下端面部48は、段差面部47とは離間した位置に停止している。
閉弁状態からコイル34に通電すると、コイル34に発生した磁界により磁性プレート50、アッパハウジング70、磁性部16、可動コア36、固定コア35およびノズルホルダ13には磁束が流れ、磁気回路が形成される。これにより、固定コア35と可動コア36との間には磁気吸引力が発生する。固定コア35と可動コア36との間に発生する磁気吸引力と第2スプリング46の開弁力f2との和が第1スプリング39の閉弁力f1よりも大きくなると、可動コア36は開弁方向Z1への移動を開始する。このとき、可動コア36の上端面部45にストッパ27が接しているニードル14は、可動コア36とともに開弁方向Z1へ移動する。その結果、ニードル14のシール部28は、弁座29から離れる。
燃料入口18からインジェクタ10の内部へ流入した燃料は、前述したように燃料フィルタ19、入口部材12の内周側、アジャスティングパイプ40の内周側、固定コア35の内周側(上流側燃料通路321)、燃料通路61、燃料通路62、中径部21の内周側(下流側燃料通路322)、小径部22の内周側(下流側燃料通路322)を順次経由して、ノズルボディ24の内周側に流入する。ノズルボディ24に流入した燃料は、弁座29から離れたニードル14とノズルボディ24との間を経由して噴孔25へ流入する。これにより、噴孔25から燃料が噴射される。
このように、可動コア36には、磁気吸引力だけでなく第2スプリング46の開弁力f2も加わっている。そのため、コイル34へ通電すると、発生した磁気吸引力により可動コア36およびニードル14は迅速に開弁方向Z1へ移動する。
上述したように、閉弁状態から磁気吸引力が作用すると、可動コア36およびニードル14は、可動コア36の上端面部45とストッパ27とが接することによって一体となって開弁方向Z1へ移動する。可動コア36およびニードル14は、可動コア36の上端面部45(本例では凸部51)が固定コア35の下端面部49と衝突して噴孔25を全開(最大開度)とするまで開弁方向Z1へ移動する。可動コア36が固定コア35に衝突すると、可動コア36とニードル14とは軸方向Zへ相対移動可能であるので、ニードル14は開弁方向Z1への慣性力によって、ストッパ27が可動コア36の上端面部45から離間して、さらに開弁方向Z1への移動を継続する。このようにストッパ27が離間しても、ストッパ27は第1スプリング39と接触している状態が維持されるので、なんら他の部材にストッパ27が衝突することはない。したがってニードル14がバウンドすることなく、噴孔25からの不規則な燃料の噴射は低減される。
また、ニードル14は開弁方向Z1への慣性力によって開弁方向Z1への移動を継続して、可動コア36とストッパ27とが離れると、ニードル14には可動コア36を経由した第2スプリング46の開弁力f2が加わらない。そのため、ニードル14には、第1スプリング39の押し付け閉弁力f1のみが加わる。すなわち可動コア36とニードル14とが離れると、ニードル14に対し閉弁方向Z2へ加わる力が大きくなる。したがって、ニードル14の開弁方向Z1への過剰な移動が制限され、いわゆるオーバーシュートは低減される。
同様に、ニードル14が開弁方向Z1への慣性力によって開弁方向Z1への移動を継続して、可動コア36とニードル14とが離れると、可動コア36には第2スプリング46の開弁力f2および磁気吸引力が加わり、第1スプリング39の閉弁力f1が加わらない。すなわち可動コア36とストッパ27とが離れると、可動コア36に対し開弁方向Z1へ加わる力が大きくなる。したがって、可動コア36が固定コア35に衝突すると、その衝撃により可動コア36は閉弁方向Z2へ跳ね返ることなく、少なくともコイル34が通電されている期間は固定コア35に接触した状態が維持される。
可動コア36が固定コア35に衝突する時の衝撃力は、衝撃力に寄与する重量が低減されるため(可動コア36分の重量のみとなるため)小さくなる。このように衝撃力が小さいために、可動コア36は極めて跳ね返り難い。
さらに、ニードル14がオーバーシュートして、ニードル14に加わる力が第1スプリング39の閉弁力f1のみとなると、ニードル14は開弁方向Z1への移動速度が減少し、オーバーシュート量が最大となった後、閉弁力f1によって閉弁方向Z2へ移動を開始する。一方、可動コア36は、磁気吸引力および第2スプリング46の開弁力f2によって固定コア35に接触した状態であるので、ニードル14が閉弁方向Z2へ移動するとき、固定コア35と接触している可動コア36によって閉弁方向Z2への移動が規制される。その結果、ニードル14には再び磁気吸引力および第2スプリング46の開弁力f2が加わるので、ニードル14は開弁状態を維持することができる。このように、可動コア36とニードル14とは相対的に移動可能であるため、ニードル14のバウンドにともなう噴孔25からの不規則な燃料の噴射は低減される。したがって、コイル34への通電時間が短期間でも、噴孔25から噴射される燃料の噴射量を精密に制御することができる。
次に閉弁時の動作に関して説明する。開弁状態(全開状態)からコイル34への通電を停止すると、固定コア35と可動コア36との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、ニードル14は、第1スプリング39の閉弁力f1によって可動コア36とともに閉弁方向Z2へ移動を開始する。したがってニードル14のシール部28は再び弁座29に着座し、燃料通路32と噴孔25との間の燃料の流れは遮断される。したがって、燃料の噴射は終了する。
コイル34への通電を停止したとき、可動コア36およびニードル14は第1スプリング39の閉弁力f1によって第2スプリング46の開弁力f2に抗して閉弁方向Z2へ迅速に移動する。
ニードル14のシール部28が弁座29に着座すると、ニードル14は衝突の衝撃によって開弁方向Z1へ跳ね返ろうとする。ここで、可動コア36とニードル14とは相対移動可能であるため、ニードル14のシール部28が弁座29に着座しても、可動コア36は閉弁方向Z2へ向かう慣性力によって、そのまま閉弁方向Z2への移動を継続し、可動コア36とニードル14とは離れる。
そのため、ニードル14には第1スプリング39の閉弁力f1のみが加わり、可動コア36には第2スプリング46の開弁力f2のみが加わる。したがって可動コア36とニードル14とが離れることによって、ニードル14に作用する合力が閉弁力f1のみになり、ニードル14の開弁方向Z1への跳ね返りが防止される。これにより、コイル34への通電を停止すると、噴孔25からの燃料の噴射は迅速に停止される。したがって、不規則な燃料の噴射が低減され、噴孔25から噴射される燃料の噴射量を精密に制御することができる。
ニードル14が弁座29に衝突する時の衝撃力は、衝撃力に寄与する重量が低減されるため(ニードル14分の重量のみとなるため)小さくなる。このように衝撃力が小さいために、ニードル14は極めて跳ね返り難い。
また、ニードル14が着座すると、ニードル14に対して相対変位可能な可動コア36は、閉弁方向Z2への慣性力によって、可動コア36を開弁方向Z1に付勢する第2スプリング46の開弁力f2に打ち勝ち、さらに閉弁方向Z2に過剰に変位、いわゆるアンダーシュートする。
可動コア36がアンダーシュートして、可動コア36に加わる力が第2スプリング46の開弁力f2のみとなると、可動コア36は閉弁方向Z2への移動速度が減少し、アンダーシュート量が最大となった後、開弁力f2によって開弁方向Z1へ移動を開始する。一方、ニードル14は、第1スプリング39の閉弁力f1によってシール部28が弁座29に着座した状態である。開弁力f2によって開弁方向Z1へ移動する可動コア36は、ニードル14のストッパ27により移動が規制されて停止し、次の開弁動作が開始可能な閉弁状態となる。
上述の構成および作動によれば、可動コア36の外周面部43とハウジングの一部である筒部材11の内周面部44との接触部を可動コア案内部とし、ニードル14ストッパ27の外周面部271の周方向の一部である外周面部271aと固定コア35の内周面部351との接触部を弁部材案内部として、ストッパ27の外周面部271の周方向の残部である外周面部271bと固定コア35の内周面部351との間に形成した燃料通路61と、ニードル14軸部26の外周面部42と可動コア36の内周面部41との間に形成した燃料通路62とで、上流側燃料通路321と下流側燃料通路322とを連通している。
すなわち、固定コア35の内周面部351より内側に形成される燃料通路61と、固定コア35よりも内周径が小さい可動コア36の内周面部41よりも内側に形成される燃料通路62とにより、上流側燃料通路321と下流側燃料通路322とを連通している。
したがって、可動コア36の固定コア35に対向する部分に上流側燃料通路321と下流側燃料通路322とを連通する燃料通路を設ける必要がない。すなわち、可動コア36のコイル通電時に磁気回路を形成することが可能な部分を犠牲として燃料通路を設ける必要がない。これによって、固定コア35と可動コア36との間の磁気吸引力を向上することができる。
また、軸方向Zから見たときに、燃料通路61と燃料通路62とが重なっている。したがって、上流側燃料通路321と下流側燃料通路322とを連通する燃料通路の形成が容易であるとともに、燃料通路61から燃料通路62へ直線的に燃料を流通して燃料通路61、62の燃料流通抵抗の増大を抑制することができる。
また、ニードル14のストッパ27の外周面部271のうち外周面部271bは、軸方向Z直交断面を中心に向かって凹んだ略円弧状としている。これによると、軸方向Zから見たときに燃料通路61と燃料通路62とが重なる連通構造を容易に形成することができる。
また、複数の燃料通路61がストッパ27の外周面部271の周方向において均等に設けられている。これによると、ストッパ27の外周面部271aと固定コア35の内周面部351との接触部からなる弁部材案内部を複数均等に設けてニードル14変位の際に安定した案内を行うことができるとともに、複数の燃料通路61を複数均等に設けて燃料の安定した流通を行うことができる。
また、ニードル14軸部26の外周面部42および可動コア36の内周面部41はともに軸方向Z直交断面を円形としており、燃料通路62を軸部26の全周に亘って円周状に均等に形成している。これによると、ニードル14挿通孔と燃料通路62用の孔とを可動コア36に共通の孔として設けることができる。したがって、ニードル14挿通孔と燃料通路62用の孔と別々に形成する必要がないので、孔の加工が容易である。さらに、この孔は、通路断面円形状の孔であるので、加工は極めて容易である。また、燃料通路62は、軸部26と可動コア36との間に均等に形成されているので、燃料の安定した流通を行うことができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記一実施形態では、ニードル14のストッパ27の外周面部271に、軸方向Z直交断面が中心に向かって凹んだ略円弧状である外周面部271bを複数有していたが、燃料通路61の必要流路面積を確保できるものであればこれに限定されるものではない。燃料通路61を形成する外周面部271bは、複数であることがより好ましいが、単数であってもかまわない。また、燃料通路61を形成する外周面部271bは、軸方向Z直交断面が直線状であってもよい。これによれば、燃料通路61を形成するための外周面部271bの加工が容易である。例えば、図4〜図6に示すようなストッパ27を有するニードル14であってもよい。
また、上記一実施形態では、燃料通路61と燃料通路62とが、軸方向Zから見たときに重なり合っていたが、これに限定されるものではない。例えば、ストッパ27の下端面(噴孔側端面)もしくはこれに対向する可動コア36の上端面(反噴孔側端面)の少なくともいずれかに径方向に延びる溝部を形成して、燃料通路61の下流端と燃料通路62の上流端とを繋ぐものであってもよい。
また、上記一実施形態では、ハウジングと接触して可動コア案内部を構成する可動コア36の外周面部(凸部)43の位置は、可動コア36の外側面のうち上端面(反噴孔側面)近傍に設けられていたが、これに限定されるものではない。可動コア36の上端面と下端面との間にあればよく、単数であっても複数であってもよい。例えば、図7に示すように、可動コア36の軸方向中間部に設けるものであってもよいし、図8に示すように、可動コア36の下端面近傍に設けるものであってもよい。また、図9に示すように、可動コア36の上端面近傍と下端面近傍とに設けるものであってもよい。
また、上記一実施形態では、可動コア36には中央部に挿通孔が1つだけ設けられていたが、例えば、図10に示すように、可動コア36にコア間空間52と下流側燃料通路322とを連通する連通路53を弁開閉時の圧力回復孔として形成した燃料噴射弁であっても、本発明を適用して有効である。
また、上記一実施形態では、筒部材11とノズルホルダ13とでハウジングを構成するものとしていたが、これに限定されるものではなく、例えば3部材以上でハウジングを構成するものであってもよい。
また、上記一実施形態では、インジェクタ10は、直噴式のガソリンエンジンに適用されるものとしていたが、直噴式のガソリンエンジンに限るものではなく、ポート噴射式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
11 筒部材(ハウジングの一部)
13 ノズルホルダ(ハウジングの一部)
14 ニードル(弁部材)
25 噴孔
26 軸部(軸状部)
27 ストッパ(ストッパ部)
34 コイル
35 固定コア
36 可動コア
41 内周面部(可動コア36の内周面部)
42 外周面部(軸部26の外周面部)
43 外周面部(可動コア36の外周面部)
44 内周面部(ハウジングの内周面部)
61 燃料通路(第1通路空間)
62 燃料通路(第2通路空間)
271 外周面部(ストッパ27の外周面部)
271a 外周面部(外周面部271の一部)
271b 外周面部(外周面部271の残部)
321 上流側燃料通路(燃料通路32の一部)
322 下流側燃料通路(燃料通路32の一部)
351 内周面部(固定コア35の内周面部)

Claims (5)

  1. 筒状のハウジングと、
    前記ハウジング内の予め定める位置に固定され、内側の空間が上流側燃料通路となる筒状の固定コアと、
    前記ハウジング内に設けられ、軸方向に往復変位することにより噴孔を開閉して前記噴孔からの燃料の噴射を断続する弁部材と、
    前記ハウジング内の前記固定コアより噴孔側に設けられ、コイルに通電されることにより前記固定コアに磁気吸引される筒状の可動コアと、を備え、
    前記弁部材は、
    前記可動コアの内側に挿設される軸状部と、
    前記軸状部の反噴孔側の端部において径外方向に鍔状に突設され、前記固定コアの内側にあって、前記可動コアの反噴孔側の面と接触可能なストッパ部と、を有し、
    前記可動コアよりも噴孔側における前記ハウジングと前記弁部材との間の空間が、前記上流側燃料通路よりも下流側の下流側燃料通路となる燃料噴射弁であって、
    前記可動コアの外周面部と前記ハウジングの内周面部とが接触して、前記可動コアが軸方向に変位する際の可動コア案内部となっており、
    前記ストッパ部の外周面部の周方向の一部と前記固定コアの内周面部とが接触して、前記弁部材が軸方向に変位する際の弁部材案内部となっており、
    前記ストッパ部の外周面部の周方向の残部と前記固定コアの内周面部との間には、軸方向に延びる第1通路空間が形成されており、
    前記軸状部の外周面部と前記可動コアの内周面部との間には、軸方向に延びる第2通路空間が形成されており、
    前記弁部材の軸方向の変位位置に係わらず、前記上流側燃料通路と前記下流側燃料通路とが前記第1通路空間および前記第2通路空間を介して連通しており、
    前記弁部材の軸方向に直交する断面において、前記軸状部の外周面部および前記可動コアの内周面部はともに円形であり、
    前記第2通路空間は、前記軸状部の外周面部と前記可動コアの内周面部との間の全周に亘って形成されて、前記固定コアと軸方向に対向する箇所から内周側に外れていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記弁部材の軸方向から見たときに、前記第1通路空間と前記第2通路空間とが重なっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記弁部材の軸方向に直交する断面において、前記ストッパ部の外周面部の前記残部は、中心に向かって凹んだ略円弧状であることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記弁部材の軸方向に直交する断面において、前記ストッパ部の外周面部の前記残部は、直線状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記第1通路空間は、複数形成され、前記ストッパ部の外周面部の周方向において均等に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料噴射弁。
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