本発明は、イメージング分光計測装置及び露光装置に関する。
光源からの光を利用して原版(マスク又はレチクル)のパターンを基板にステップアンドスキャン方式で露光する走査型露光装置では、走査露光前に基板の表面位置を最適な結像位置に合わせ込む補正を行う。近年、露光装置には高い結像性能とスループットの向上が益々要求され、基板の表面位置を高精度に計測する需要がある。そこで、特許文献1は、基板の表面位置の計測に白色干渉計を使用することを提案している。白色干渉計は、可干渉距離の短い干渉縞を利用して計測対象物の表面形状を高精度に計測することができる。
しかし、特許文献1は、基板をZ方向に走査するために計測に時間がかかり、スループットをあまり改善できないという問題がある。そこで、特許文献2は、分光スペクトルを取得することによってZ方向の走査を省き、計測の高速化を達成する。特許文献2では、基板表面をラインスキャンし、分光器と二次元撮像素子を用いて干渉信号を取得することで基板の面位置を検出する。
その他の従来技術としては特許文献3がある。
米国特許第6249351号明細書
米国特許出願公開第2007/0086013号明細書
米国特許第5398113号明細書
しかしながら、特許文献2では、二次元撮像素子を用いて信号を検出する際に電荷の読み出しに時間がかかるため、十分な高速計測を実現することができず、スループットの向上は不十分であった。また、これは、表面形状計測装置の上位概念である一般的なイメージング分光計測装置にも当てはまる。イメージング分光計測装置は、膜厚計測装置、眼科装置などの医療やバイオの分野における計測対象物の物理情報を計測する装置である。
そこで、本発明は、計測対象物の物理情報を高速で取得可能なイメージング分光計測装置及び露光装置を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面としての計測装置は、計測対象物を移動するステージと、計測対象物に広帯域光を照射する光源と、分光器と、前記分光器により分光された光を検出し、検出した光を電気信号として出力する二次元撮像素子と、該出力された電気信号を演算処理し前記計測対象物の物理情報を求める演算処理部と、を有する計測装置であって、前記二次元撮像素子の垂直転送方向、及び前記ステージの移動方向と直交する方向、及び前記分光器の入射スリットの長手方向が一致するように配置され、前記二次元撮像素子は、垂直転送方向にビニング処理を行い、前記演算処理部は、前記ビニング処理をされて得られた信号を用いて前記物理情報を求めることを特徴とする。
本発明の別の側面としての露光装置は、光源からの光を利用して基板を露光する露光装置であって、前記基板を支持する基板ステージと、原版のパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、前記基板の表面位置を検出する上述の計測装置と、前記表面形状計測装置の計測結果に基づいて前記投影光学系の結像位置に前記基板の表面位置を合わせるように前記基板ステージを駆動する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、計測対象物の物理情報を高速で取得可能なイメージング分光計測装置及び露光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1の表面形状計測装置200の光路図である。表面形状計測装置200は、計測対象物である基板3を一方向(Y方向)に走査させながら、その高さ方向(Z方向)の位置を検出する。表面形状計測装置200は、光源1と、透過スリット板30と、ビームスプリッタ2aと、基板3と、参照ミラー4と、レンズ5a〜5dと、分光器50と、二次元撮像素子8と、演算処理部9と、を有する。
光源1は、広帯域光を照射するハロゲンランプ又はLED(所謂白色LEDを含む)から構成される。光源1を発した光を、ビームスプリッタ2aでほぼ半分の光量の二つ光に分離させ、基板3と参照ミラー4にそれぞれ垂直に入射させる。光源1は、400nmから800nmの波長帯域を有するが、この範囲に限らず、100nm以上の帯域があれば足りる。基板3上にレジストが塗布されている場合は、レジストの感光を防ぐ目的で、基板3上には紫外線(350nm)以下の波長の光を照射しない方が好ましい。
ビームスプリッタ2aは、金属膜や、誘電体多層膜など膜をスプリット膜としたキューブ型のブームスプリッタや、1μmから10μm程度の厚さの薄い膜(材質はSiCやSiNなど)で構成されるペリクル型ビームスプリッタを使用することもできる。ビームスプリッタ2aで分割された計測光と参照光のうち計測光を基板3上に照射する。
基板3は、少なくとも光軸に直交する一方向(Y方向)に可動するステージにチャックCKを介して搭載される。ステージは、Z方向に移動するZステージ71、Y方向に移動するYステージ72、X方向に移動するXステージ73を含む。基板3で反射した光は再びビームスプリッタ2aに入射する。一方、参照光を参照ミラー4上に照射し、参照ミラー4で反射した後にビームスプリッタ2aに入射させる。参照ミラー4は、面精度が10nmから20nm程度のガラス平面ミラーを使用する。計測光と参照光をビームスプリッタ2aで合成させ、分光器50を介して二次元撮像素子8で受光する。ここで、ビームスプリッタ2aで計測光と参照光が合成させることにより、光の干渉が生じる。
分光器50は、1ライン上の領域を一度に分光し、入射スリット6と分光手段である回折格子7と結像光学系15(ミラー光学系)を有し、レンズ5dが入射スリット6に結像した光を、入射スリット6を通過させた後に回折格子7に入射させる。レンズ5dは、広帯域光が基板3で反射、透過、散乱した光を用いて、基板3を分光器50の入射スリット6に結像する結像光学系として機能する。回折格子7により、干渉光を入射スリット6の短手方向に対して波長毎に一度に回折させ、空間分解方向の広がりと波長分解方向の広がりとを有する分光信号とする。二次元撮像素子8では、分光器50により分光された分光信号を一次元位置情報と波長情報として受光する。二次元撮像素子8は、二次元撮像素子8で受光した光を電気信号として読み出す信号読出部8aを有する。信号読出部8aは、読み出し時にビニング処理を行い、電荷の読み出し時間を短縮して高速に信号を読み出す。 演算処理部9は、二次元撮像素子8から出力された分光信号を演算処理し、計測対象物の物理情報を求める。物理情報は、本実施例では高さであるが、別のイメージング分光計測装置では光吸収量などである。演算処理部9は、読み出した前記二次元撮像素子の複数の画素毎の分光信号に基づいて物理情報を求める。
表面形状計測装置200は、二次元撮像素子8のフレーム単位でステージをステップ駆動させる制御部を有する。このステージの駆動により、二次元撮像素子8で計測対象物の二次元位置情報と波長情報を得て、演算処理部9で計測対象物の物理情報を得る。このようにして、計測対象物の二次元位置に対応した物理情報(本実施例では高さ情報)を計測することが出来る。また、ステージを等速走査駆動させて、二次元撮像素子の1フレーム間に移動する範囲の1ライン上の積算分光信号を取り込んで、計測対象物の物理情報を得ても良い。
ビニング処理の際、計測精度を低下しないように、表面形状計測装置200は、ビニング処理を行う方向と行わない方向とを設定している。具体的には、ビニング処理の方向を、A)走査方向(Y方向)と直交する方向(X方向)、B)入射スリット6の長手方向、C)二次元撮像素子8(例えば、二次元CCD)の垂直転送方向、の三つ全ての方向と一致させている。
以下、ビニング処理の詳細に説明する。図3(a)、図3(b)は、図1の二次元撮像素子8における信号読出部8aの構成を示すブロック図である。ここでは簡単な説明のために、4×5のマトリックスを用いる。二次元撮像素子8は、フォトダイオード90の光起電力によって生成された電荷を転送して読み出してイメージ情報を取得し、電荷転送の方式によってインライン転送型やフレーム転送型が知られている。このうち、本実施例は、信号のSN比が高いフレーム転送型の信号読出部8aを使用する。フレーム転送型の信号読出部8aは、垂直転送CCD91と、水平シフトレジスタ92と、読み出し用アンプ93等により構成される。フォトダイオード90によって生成された電荷は、垂直転送CCD91により垂直方向に転送された後に、水平シフトレジスタ92により水平方向に順次転送され、読み出し用アンプ93により信号が読み出される。
まず、受光用CCDの各々の画素のゲート電極の下に蓄積された電荷をその受光用CCDを用いて高速で垂直転送CCD91に転送する。垂直転送CCD91では、電荷を垂直方向に順次転送する。垂直転送CCD91の各画素を下側から第一行、第二行、第三行、第四行、第五行とする。すると、第五行の画素の電荷が第四行の画素に、第四行の画素の電荷が第三行の画素に、第三行の画素の電荷が第二行の画素に、第二行の画素の電荷が第一行の画素に、そして第一行の画素の電荷が水平シフトレジスタ92にそれぞれ同時に転送される。
通常の電荷の読み出しでは、第五行の画素の電荷が水平シフトレジスタ92に転送されるたびに、読み出し用アンプ93が動作し、水平シフトレジスタ92内のデータを一つずつ読み出す。すべてのデータが読み出されると、再び、各画素の電荷の転送が行われる。即ち、第四行の画素の電荷が第三行の画素に、第三行の画素の電荷が第二行の画素に、第二行の画素の電荷が第一行の画素に、第一行の画素の電荷が水平シフトレジスタ92にそれぞれ同時に転送される。そして、同様に水平シフトレジスタ92内のデータの読み出しを読み出し用アンプ93によって行い、さらに電荷の転送を繰り返す。このようにして、当初各画素に蓄積された電荷を全て転送して読み出すと、1フレームの読み出しが終了する。
ここで、水平シフトレジスタ92内のデータの読み出しを一回の電荷転送のたびに行わず、数回転送を行った後に行うようにすると、ビニング処理を行うことができる(図3(b))。例えば、第五行の画素の電荷を第四行の画素に、第四行の画素の電荷を第三行の画素に、第三行の画素の電荷を第二行の画素に、第二行の画素の電荷を第一行の画素に、第一行の画素の電荷を水平シフトレジスタ92にそれぞれ同時に転送する。その後、水平シフトレジスタ92内のデータの読み出しを行わずに、次の垂直転送を開始する。即ち、第四行の画素の電荷を第三行の画素に、第三行の画素の電荷を第二行の画素に、第二行の画素の電荷を第一行の画素に、第一行の画素の電荷を水平シフトレジスタ92にそれぞれ同時に転送する。その後、水平シフトレジスタ92内のデータの読み出しを行うようにすると、第四行の画素の電荷と第五行の画素の電荷とが加算されて読み出される。このように光電信号を読み出すと、第四行の画素に対応した受光用CCD画素群と第五行の画素に対応した受光用CCD画素群とを一つのラインイメージセンサとして使用するのと等価となる。
このように複数行の画素の電荷を加算して読み出す処理をビニング処理という。ビニング処理により、独立に信号読み出しが行われる複数の受光部分を一つのエリアイメージセンサに対して設定することが可能となる。なお、信号読出部8aの構成上、CCDの水平転送方向にビニング処理を行っても十分な読み出し時間の短縮を実現することは難しい。以下でその理由について説明する。1フレームの読み出しを考えた場合、垂直転送方向へビニング処理を行うとその画素数Nに応じて、その後の水平シフトレジスタ92での水平転送の回数を減らすことができ、1フレームの読み出し時間を短縮できる。一方で、水平転送方向にビニング処理を行った場合には、垂直転送CCD91及び水平シフトレジスタ92でビニング処理を行わない場合と同様の転送が行われ、読み出し用アンプ93で読み出されるまでにかかる時間は変わらない。そこで本実施例は、電荷の読み出し時間短縮のために、CCDの垂直転送方向についてビニング処理を行うようにしている。
本実施例は、A)走査方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)、B)入射スリット6の長手方向、C)二次元撮像素子8の垂直転送方向の三つ全ての方向とビニング処理の方向とを一致させている。図2(a)は入射スリット6の長手方向断面、図2(b)は入射スリット6の短手方向断面、図2(c)は二次元撮像素子8上のイメージとその部分拡大図である。
基板3の表面形状計測では、入射スリット6を通過させた光を回折格子7で一度に回折させて二次元撮像素子8で受光することから、その計測領域は入射スリット6の形状に相当する。このため、スリット形状の計測領域を用いて基板3の表面形状計測を行う場合に、スリット形状の長手方向と垂直な方向に基板3を走査させて計測を行うと作業効率が良くなる。走査方向と垂直な方向(X方向)と入射スリット6の長手方向とが一致していない場合には、基板3の走査距離が長くなり、計測時間が長くなる可能性がある。以上の理由から、本実施例では、A)走査方向と垂直な方向(X方向)とB)入射スリット6の長手方向とを一致させている。
また、信号読出部8aの構成上、電荷の読み出し時間短縮のためには、CCDの垂直転送方向についてビニング処理を行うため、CCDの垂直転送方向の分解能は、ビニング処理の度合いに応じて低下するおそれがある。イメージング分光計測装置や表面形状計測装置、および露光装置においては、基板の高さ方向(Z方向)に相当する波長分解方向の計測精度が求められる。このため、本実施例は、CCDの垂直転送方向を、干渉信号の空間分解方向、即ち、入射スリット6の長手方向と一致させている。干渉信号の空間分解方向とCCDの垂直転送方向とを一致させてCCDの垂直転送方向にビニング処理を行うことにより、波長分解方向、即ち、基板の高さ方向(Z方向)の分解能を落とさずに高速に表面形状計測を行うことができる。なお、基板の高さ方向(Z方向)と波長分解方向とが一致する理由については以下で述べる。
また、ビニング処理においては、二次元撮像素子8でビニング処理を行う画素数Nも重要なパラメータとなる。以下で、このビニング処理を行う画素数Nの決定方法について説明する。ビニング処理を行う二次元撮像素子8の画素数Nは以下の数式で与えられる自然数であることが好ましい。
Vscan:基板3の走査方向(Y方向)の走査速度
Pscan:基板3の走査方向(Y方向)の計測ピッチ
F:二次元撮像素子8のフレームレート
M1:二次元撮像素子8の垂直転送方向の画素数
Pv:入射スリット6の長手方向に必要な画素分解能
画素数Nは、大きければ大きいほど電荷の読み出し時間を短縮することができる。例えば、露光装置に具備される表面形状計測装置に本実施例を適用することで、二次元CCDでの電荷の垂直転送の回数を1/N倍に減らすことができるため、表面形状計測にかかる時間を短縮することができる。ここで、計測対象物の走査において必要なフレームレートは、走査速度と計測ピッチの比で算出される。このため、画素数Nは数式1のように計測対象物の走査において必要なフレームレートとCCDのフレームレートとの比によって制限される。一方で、ビニング処理においては隣り合う複数の画素をひとまとめに出力するため、画素数Nの大きさに応じて分解能が低下するという特徴がある。このため本実施例においては、入射スリット6の長手方向に必要な画素分解能を得るために、画素数Nは二次元撮像素子8の垂直転送方向の画素数と入射スリット6の長手方向に必要な画素分解能の比によって数式2のように制限される。以上から、CCDの画素数Nは数式1及び2を満たす自然数であることが好ましい。
続いて、二次元撮像素子8で受光して記憶装置に記憶された干渉信号(分光信号)を処理して、基板3の形状を求める方法について説明する。二次元撮像素子8で受光する分光信号を図9(a)に示す。横軸は波数、縦軸は光強度の出力を示しており、回折格子7を用いて干渉光を波長毎に回折させることで、参照光と計測光の光路長差を周波数の違いに変換した分光信号として二次元撮像素子8で受光する。この分光信号に対して演算手段でフーリエ変換を行い、周波数領域から時間領域へと変換する。そして、図9(b)に示すように、この実数部分を抽出することで、実空間での光路長差を有する白色干渉信号を取得する。図9(b)は、横軸が基板の高さ方向(Z軸方向)に相当する計測値、縦軸が二次元撮像素子8での光強度の出力を表している。ここで、計測光と参照光との間に光路長差Z0が存在する場合、横軸のZ方向に対してZ=0とZ=±Z0の位置で干渉が現れる。この最大ピーク位置の距離が計測光と参照光の光路長差に相当するため、ピーク位置を検出することにより基板3の表面高さに関する情報を取得することが出来る。図9(c)は、Z=Z0の位置の干渉信号を抽出した図である。インターフェログラムとも呼ばれる。干渉信号の信号ピークの位置を算出し、それに対応したZ方向の計測値がその画素での高さ計測値となる。二次元撮像素子8でビニング処理を行った全ての画素に対して高さを計測することで、基板3の三次元形状計測が可能となる。これにより、分光器50を介して二次元撮像素子8で取得される分光信号において、その波長分解方向の分解能が基板の高さ方向(Z軸方向)の分解能に一致する。信号ピーク位置の算出としては、信号ピークの位置及びその前後の数点のデータを元に曲線(例えば2次関数)近似することで、図9(c)の横軸であるZ方向位置のサンプリングピッチZpの1/10以下の分解能でピーク位置の算出が可能である。サンプリングピッチZpは、実際にZpの等ピッチでステップ的に駆動させるか、Zステージを等速度で駆動させ、サンプリングピッチZpになるような時間サンプリングで干渉信号を取り込むようにしても良い。なお、ピークの位置を計測する方法として、公知の技術であるFDA(特許文献3)を使用することもできる。FDA法では、フーリエスペクトルの位相勾配を用いてコントラストのピーク位置を求めている。
白色干渉計を用いた計測においては、その分解能を決める鍵は,参照光と計測光の光路長差がゼロとなる位置をいかに正確に求めるかにある。そのため、FDA法以外に、位相シフト法やフーリエ変換法により白色干渉縞の包絡線を求め,縞コントラストの最大位置から光路差のゼロ点を求め方法、位相クロス法等、いくつかの縞解析法が公知の技術として提案されている。
再び図1に戻って、レンズ5a乃至5dは、透過スリット板30と参照ミラー4と基板3と分光器50の入射スリット6とが光学的に共役になるように配置される。即ち、透過スリット板30を介した広帯域光をビームスプリッタ2aで分離させた後、スリット像を基板3と参照ミラー4の表面に結像させて、基板3と参照ミラー4にそれぞれ垂直に入射させる。その後、反射した光をビームスプリッタ2aで重ね合わせ、スリット像を入射スリット6に結像させる。分光器50へ導かれた光を回折格子7により、入射スリット6の短手方向に対して波長毎に一度に回折させ、二次元撮像素子8で受光する。
図4は、実施例2の表面形状計測装置200Aの光路図である。表面形状計測装置200Aは、形状対象物である基板3の高さ方向(Z方向)の位置を検出する。表面形状計測装置200Aは、光源1、透過スリット板30、ビームスプリッタ(分割手段)2a、基板3と、参照ミラー4、基板3で反射した光(計測光)と参照ミラー4で反射した光(参照光)を合波するビームスプリッタ(合波手段)2bを有する。また、表面形状計測装置200Aは、合成により生じた干渉信号を分光する分光器50と、分光信号を受光する二次元撮像素子8と、を更に有する。
光源1は、実施例1と同様である。光源1から発した広帯域光は、透過スリット板30を通過し、基板上にスリット像30a(例えば矩形、円弧状又は6角形等の照明領域)を照明する。透過スリット板30は、光量の確保や迷光の遮蔽、計測範囲の規定により高い精度で表面位置計測を行うことができるため、設置することが好ましい。
光源1を発した光は、透過スリット板30を通過した後、ビームスプリッタ2aでほぼ半分の光量の二つ光に分離され、基板3と参照ミラー4に斜めに入射する。即ち、ビームスプリッタ2aは、光源1からの広帯域光を計測光と参照光とに分割し、計測光を基板3の表面に入射させ、参照光を参照ミラー4に入射させる。ビームスプリッタ2aは、金属膜や、誘電体多層膜など膜をスプリット膜としたキューブ型のブームスプリッタや、1μmから10μm程度の厚さの薄い膜(材質はSiCやSiNなど)で構成されるペリクル型ビームスプリッタを使用することもできる。
ビームスプリッタ2aで分割させた計測光と参照光のうち、計測光は基板3上に斜めに照射され、基板3で反射した後、ビームスプリッタ2bに入射する。一方、参照光は参照ミラー4上に斜めに照射され、参照ミラー4で反射した後、ビームスプリッタ2bに入射する。参照ミラー4には、面精度が10nmから20nm程度のガラス平面ミラーを使用することが好ましい。
計測光と参照光は、ビームスプリッタ2bで合成し、分光器50を介して二次元撮像素子8で受光される。ビームスプリッタ2bで計測光と参照光が合成させることにより、光の干渉が生じる。ビームスプリッタ2bは、ビームスプリッタ2aと同じ構成であってもよい。図4のミラー109は、干渉信号を分光器50へと導く偏向ミラーであり、分光器50と二次元撮像素子8の配置によっては省略することができる。分光器50は、合成された計測光と参照光の1ライン上の領域を一度に分光する。分光器50と二次元撮像素子8は、実施例1と同様である。
ビニング処理による読出時間の短縮化のため、本実施例は、A)スリット像30aの長手方向、B)走査方向と垂直な方向(X方向)、C)入射スリット6の長手方向、D)二次元撮像素子8の垂直転送方向、の全方向とビニング処理の方向を一致させている。
基板3の表面形状計測では、透過スリット板30を通過して基板3と参照ミラー4の面上に結像させたスリット像30aを、分光器50を介して二次元撮像素子8で受光することから、その計測領域はスリット像30aに相当する。このため、スリット形状の計測領域を用いて基板3の表面形状計測を行う場合に、スリット形状の長手方向と垂直な方向に基板3を走査させて計測を行うと作業効率が良くなる。A)スリット像30aの長手方向とB)走査方向と垂直な方向(X方向)とが一致していない場合には、基板3の走査距離が長くなり、計測時間が長くなる可能性がある。以上の理由から、本実施例は、A)スリット像30aの長手方向とB)走査方向と垂直な方向(X方向)を一致させている。
また、干渉信号を計測する際、A)スリット像30aの長手方向とC)入射スリット6の長手方向を一致させるため、B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とを一致させることが望ましい。B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とが不一致の場合、スリット像30aの一部の領域しか計測されず、表面位置の計測に時間がかかる。なお、透過スリット板30を使用しない場合には、前述のように参照光と計測光の光路長差を一定に保つ目的で、B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とを一致させることが好ましい。
C)入射スリット6の長手方向とD)二次元撮像素子8の垂直転送方向との一致についての説明は、実施例1と同様である。ビニング処理を行う画素数Nと取得した干渉信号の処理方法も、実施例1と同様である。
図5(a)は、表面形状計測装置200Aの具体的な構成を示す光路図である。図5(b)は入射スリット6の短手方向の断面図である。光源1から発した光をコンデンサレンズ11で集光させ、透過スリット板30とレンズ12、42から構成される結像光学系24を通過させ、ビームスプリッタ2aで分岐させて基板3と参照ミラー4に入射させる。このとき、結像光学系24により、透過スリット板30を通過したスリット像を基板3と参照ミラー4の面上に結像させるようにしている。そして、基板3と参照ミラー4で反射した光をビームスプリッタ2bで重ね合わせ、レンズ52、62から構成される結像光学系16を通過させた後に分光器50に導く。このとき、基板3と参照ミラー4の面上で結像させたスリット像を、結像光学系16により入射スリット6に結像させるようにしている。結像光学系24、16により、透過スリット板30と基板3と参照ミラー4と分光器50の入射スリット6とは光学的に共役な関係となる。その後、入射スリット6を通過した干渉信号は回折格子7へ導かれる。回折格子7では干渉光を入射スリット6の短手方向に対して波長毎に一度に回折させて二次元撮像素子8で受光する。二次元撮像素子8は、分光信号を一次元位置情報と波長情報として検出する。
図6は、実施例3の表面形状計測装置200Bの構成を示す概略図である。表面形状計測装置200Bは、複数の光源104と、バンドルファイバ114と、レンズ5a、5bと、ビームスプリッタ2aと、基板3と、参照ミラー4と、ビームスプリッタ2bと、分光器50と、二次元撮像素子8とを有する。
ビームスプリッタ2a、2b、分光器50、二次元撮像素子8は実施例1と同様である。複数の光源104は広帯域光を発するハロゲンランプ又はLED(所謂白色LEDを含む)であり、独立に照射強度を調整可能な複数の光源である。光源104から発した光は、バンドルファイバ114を介し、スリット状の光でビームスプリッタ2aに導かれる。バンドルファイバ114においては、干渉信号を二次元撮像素子8において複数の光源104のファイバ像毎に区別して受光するように、バンドルファイバ114のファイバ出射端を、ファイバ素線をライン状に配置している。この結果、バンドルファイバ114は、複数の光源104から光をライン状に整形して基板3に照射する。また、バンドルファイバ114の出射面のライン状配列の長手方向は、分光器50の入射スリット6の長手方向と一致する。
ビームスプリッタ2aが入射光をほぼ半分の光量の光に二分割し、基板3と参照ミラー4にそれぞれ斜めに入射させる。基板3で反射した計測光と参照ミラー4で反射した参照光をビームスプリッタ2bで重ね合わせた後、分光器50を介して二次元撮像素子8で受光する。レンズ5aは、前記バンドルファイバ114から出射したライン状に配置されたファイバ素線を、基板3と参照ミラー4の面上に結像させる。このとき、基板3と参照ミラー4の面上に結像させたファイバ像30bにおいては、図6に示すように複数の光源104からのファイバ素線はライン状に区別して配置される。レンズ5bは、基板3と参照ミラー4から反射したスリット像30bを分光器50の入射スリット6に結像させる結像光学系である。ここで、分光器50を介してCCDで受光した干渉信号においては、複数の光源104からのファイバ素線が区別して配置されるようにする。これにより、複数の光源104からの光を、そのファイバ素線毎に区別して二次元撮像素子8で計測することができる。図6においては、例えば、三つの光源A、B、Cから発した光を、二次元撮像素子8上でそれぞれの光源からのファイバ素線毎に区別して計測することができる。三つの光源A、B、Cを用いた場合については後で詳細に説明する。
本実施例は、ビニング処理を使用して電荷の読み出し時間を短縮する。このため、本実施例は、A)スリット像30bの長手方向、B)走査方向と垂直な方向(X方向)、C)入射スリット6の長手方向、D)二次元撮像素子8の垂直転送方向、の全ての方向とビニング処理の方向とを一致させている。
基板3の表面形状計測では、バンドルファイバ114を介して基板3と参照ミラー4の面上に結像させたスリット像30bを、分光器50を介して二次元撮像素子8で受光することから、その計測領域はスリット像30bに相当する。このため、スリット形状の計測領域を用いて基板3の表面形状計測を行う場合に、スリット形状の長手方向と垂直な方向に基板3を走査させて計測を行うと作業効率が良くなる。A)スリット像30bの長手方向とB)走査方向と垂直な方向(X方向)とが一致していない場合には、基板3の走査距離が長くなり、計測時間が長くなる可能性がある。以上の理由から、本実施例では、A)スリット像30bの長手方向とB)走査方向と垂直な方向(X方向)を一致させている。
また、本実施例は、基板3の面上のスリット像30bを効率良く計測するために、A)スリット像30bの長手方向とC)入射スリット6の長手方向とを一致させて計測するようにしている。このために、B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とを一致させることが望ましい。B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とが不一致の場合、スリット像30bの一部の領域しか計測されず、表面形状の計測に時間がかかる。なお、透過スリット板30を使用しない場合には、参照光と計測光の光路長差を一定に保つ目的で、B)走査方向と垂直な方向(X方向)とC)入射スリット6の長手方向とを一致させることが好ましい。
C)入射スリット6の長手方向とD)二次元撮像素子8の垂直転送方向との一致についての説明は、実施例2と同様である。ビニング処理を行うCCDの画素数Nについては、実施例1の内容に加え、使用する複数の光源104とビニング処理された複数のCCD画素群とを対応させ、各光源からの干渉信号毎に画素領域を区別して計測できるように設定することが好ましい。
本実施例では、二次元撮像素子8でビニング処理を行って干渉信号を計測する際に、個別に出射光強度を調整できる複数の光源104を用いて基板の反射率、または干渉信号の光量の変化を計測する。この計測結果から求めた調光条件に従って表面形状計測の際に光源の光量調節を行うことが可能となる。以下で、複数の光源A、B、Cを用いた場合について詳細に説明する。
図6に示すように、複数の光源104をA、B、Cとした場合、光源104から発した光は、スリット形状の出射端を有するバンドルファイバ114を介してビームスプリッタ2aへ導かれる。このとき、バンドルファイバ114を介した光は、光源A、B、Cからのファイバ素線毎に区別された光になるようにする。また、二次元撮像素子8で分光信号を取得する際には、空間分解方向に複数の光源A、B、Cのファイバ素線からの光を区別して受光するようにする。空間分解方向に光源A、B、Cからの分光信号毎に区別された信号から、基板3の反射率や光源A、B、Cの光量に関する情報に基づいて調光条件を求め、その条件にしたがって光源A、B、Cの光量を基板に応じて調整することができる。調整後に再度基板3の計測を行う。これにより、干渉信号のコントラストの低下やSN比の悪化、光量の飽和といった問題を回避するようにしている。従って、様々な基板や基板内の各計測位置に対して、安定した高コントラストな干渉信号を得ることができる。
なお、本実施例においては斜め入射の干渉計の構成についてのみ説明したが、垂直入射の場合についても同様の方法で調光条件を求め、光源の発光光量の調整を行うことが好ましい。
また、実施例1〜3においては説明の簡略化のため、表面形状計測装置200は、計測対象物である基板3を一方向(Y方向)に走査させながら、その高さ方向(Z方向)の位置を検出する装置である。ここで、計測対象物の走査については、一方向(Y方向)への直線的な走査に限定されず、例えば、XY平面上における回転方向(θ方向)に計測対象物を走査して表面形状を計測してもよい(不図示)。
図7は、実施例4の表面形状計測装置を具備した露光装置のブロック図である。露光装置は、図7に示すように、照明装置800と、原版(レチクル)31を載置する原版ステージと、投影光学系32と、基板(ウエハ)3を載置する基板ステージWSと、基板ステージWS上に配置された基準プレート39とを有する。また、露光装置は、表面形状計測装置200と、その演算処理部400(図1の演算処理部9に相当)と、を更に有する。表面形状計測装置200は、表面形状計測装置200Aや200Bであってもよい。制御部1100は、CPUやメモリを有し、照明装置800、原版ステージ、基板ステージWS、表面形状計測装置200と電気的に接続され、露光装置の動作を制御する。制御部1100は、本実施例では、表面形状計測装置200における基板3の表面位置計測値の演算及び制御と、表面位置を検出する際の計測値の補正演算及び制御を行うことができる。また、制御部1100は、二次元撮像素子8のフレーム単位で基板ステージWSをステップ駆動させ、基板3の1ラインの領域をそれぞれ一度に分光した分光信号を一次元位置情報と波長情報として取り込み、そこから二次元位置情報と波長情報を得てもよい。あるいは、制御部1100は、基板ステージWを等速走査駆動させ、二次元撮像素子8の1フレーム間に移動する範囲の1ライン上の積算分光信号を取り込んでもよい。
照明装置800は、転写用の回路パターンが形成された原版31を照明し、光源部800と、照明光学系801とを有する。光源部800は、例えば、レーザー、水銀ランプ、波長20nm以下のEUV(Extreme ultraviolet)光を使用することができる。照明光学系801は、光源部800から射出した光束を用いて原版31を均一に照明する光学系である。
原版31はパターンを有し、原版ステージに支持及び駆動されている。原版31から発せられた回折光は、投影光学系32を通り、基板3上に投影される。原版31と基板3とは、光学的に共役の関係に配置される。原版31と基板3を縮小倍率比の速度比で走査することにより原版31のパターンを基板3上に転写する。原版ステージは、図示しないレチクルチャックを介して原版31を支持し、図示しない移動機構に接続されている。移動機構は、リニアモーターなどで構成され、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向に原版ステージを駆動することで原版31を移動させることができる。
投影光学系32は、物体面からの光束を像面に結像する機能を有し、本実施例では、原版31に形成されたパターンを経た回折光を基板3上に結像する。投影光学系32は、屈折光学系、反射屈折型光学系、反射型光学系のいずれも使用することができる。
基板3は、フォトレジストが基板上に塗布されている。なお、本実施例では、基板3は、表面形状計測装置200が表面形状を検出する被検出体でもある。基板3は、別の実施例では、液晶基板やその他の基板に置換される。
基板ステージWSは、図示しないウエハチャックによって基板3を支持する。基板ステージWSは、原版ステージと同様に、リニアモーターを利用して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向に基板3を移動させる。また、原版ステージの位置と基板ステージWSの位置は、例えば、6軸のレーザー干渉計81などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
続いて、基板3の表面位置(フォーカス)の計測点について説明する。本実施例では、基板3の全域に渡って、走査方向(Y方向)に基板ステージWSを走査しながら、表面形状計測装置200でウエハ面形状を計測し、走査方向と垂直な方向(X方向)には、WSステージをΔXだけステップする。続いて、走査方向にウエハの表面位置を計測する動作を繰り返し行うことにより、基板3全面の形状計測を行うようにしている。なお、高スループット化のためには、表面形状計測装置200を複数用いて、基板3上の異なるポイントの表面位置を同時に計測するようにしてもよい。また、ウエハ上の複数の計測すべき点に光束を入射させ、各々の光束を個別のセンサに導き、異なる位置の高さ計測情報から露光すべき面のチルトを算出してもよい。
このように、本発明の表面形状計測装置を露光装置に搭載することにより、露光前にウエハの表面位置情報を正確、かつ高速に計測し、ウエハ表面位置を最適な結像位置に合わせ込むことが出来るようになる。また、ウエハの領域毎に光強度の調整が可能となるため、ウエハの反射率分布の影響を受けずに、高S/Nの信号を取得出来るので、より高精度に、ウエハ表面位置を最適な結像位置に合わせることが出来るという効果がある。
次に、構成される本発明の露光装置を用いた露光方法について詳細に説明する。図8は露光装置による露光方法のフローチャートである。まず、ステップ(S)100で基板3を装置に搬入し、S101で、このウエハに対してウエハアライメントを行う。ウエハアライメントは、アライメントスコープ(不図示)により、ウエハ上のマークの位置を検出して、露光装置に対して、ウエハのXY平面の位置合わせを行う。
その後、S102で、表面形状計測装置200が基板3上の所定箇所の表面位置を計測し、制御部1000は計測結果をメモリに保存する。S102では、基板3は基板ステージWSにより、表面形状計測装置200の下の位置から、投影光学系32の下の露光位置に第1露光ショットが位置するように移動される。同時に、露光装置の処理手段により、基板3の面形状データを元に、第1露光ショットの表面位置データを作成し、結像位置からのずれ量を算出する。そしてこの露光像面からのずれ量に基づいたZ方向及び傾き(チルト)方向への基板ステージWSを駆動することにより、ほぼ露光スリット単位で基板表面の高さ方向の位置に合わせこむ動作を行う(S103)。このように、制御部1100は表面形状計測装置200の計測結果に基づいて投影光学系32の最適結像位置に基板3の表面位置を合わせるように基板ステージWSを駆動する。
S104では、露光及び基板ステージWSのY方向への走査が行われる。こうして、第1露光ショットが露光終了するとS105で未露光ショットの有無を判断し、未露光ショットが有り場合には、S102に戻る。そして第1露光ショットの場合と同様に次の露光ショットの面形状データを作成して、Z方向及び傾き(チルト)方向へのステージ駆動によりほぼ露光スリット単位でウエハ表面の高さ方向の形状に合わせこむ動作を行いながら露光が行われる(S103)。
S105で、露光すべきショット(即ち、未露光ショット)がないかどうかを判断し、未露光ショットがなくなるまで、上述の動作を繰り返す。全ての露光ショットの露光が終了したら、ステップS106で基板3を回収し、終了する(S107)。
基板ステージWSは、シングルステージに限らず、露光時に使用する露光ステージとウエハのアライメントや表面形状を計測するための計測ステージの2つを持つ、所謂、ツインステージの構成としてもよい。この場合、表面形状計測装置200は、計測ステージ側に配置することになる。
露光装置の計測、加工の基板であるウエハ上には、複雑な回路パターンや、スクライブラインなどが存在するので、反射率分布やローカルチルトなどの発生率が高い。このため、反射率分布やローカルチルトによる計測誤差を低減できる白色干渉計を用い、高精度かつ高速の表面形状の計測は結増性能とスループットや歩留まりの向上をもたらす。
本実施例は、露光装置の表面形状計測装置200として適用される場合についてのみ記載したが、本発明は表面形状計測装置200に限定されず、表面形状計測装置200のフォーカス較正を行うフォーカス較正用装置として使用しても良い。フォーカス較正用装置の場合についても表面形状計測装置200の場合と同様に、ビニング処理により高速に表面形状を計測し、フォーカス較正を行うことができる。
デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)は、前述のいずれかの実施例の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
実施例1の表面形状計測装置の構成を示す図である。
図1に示す入射スリットの短手方向と長手方向の断面図、二次元撮像素子のイメージを示す図である。
二次元撮像素子におけるビニング処理を説明するための図である。
実施例2の表面形状計測装置の構成を示す図である。
図3に示す表面形状測定装置の具体的な構成を示す図である。
実施例3の表面形状計測装置の構成を示す図である。
実施例4の表面形状計測装置を備えた露光装置のブロック図である。
図7に示す露光装置の露光方法のフローチャートである。
二次元撮像素子で取得される分光信号の処理方法を説明するためのグラフである。
符号の説明
1、104 光源
3 計測対象物(基板)
5d、5b 結像光学系
6 入射スリット
8 二次元撮像素子
8a 信号読出部
9 演算処理部
50 分光器
72 ステージ
114 バンドルファイバ
200〜200B 表面形状計測装置(イメージング分光計測装置)