JP5145772B2 - ラック軸力演算方法 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の操舵によりラックバーに作用する軸力を演算するためのラック軸力演算方法に関する。
車両操舵装置においては一般に、運転者によりステアリングホイールの操舵が行われると、ステアリングシャフトの回転運動がラックバーの直線運動に変換される。その操舵力は、ラックバーを介してナックルアームに伝達され、それによりナックルアームがキングピン回りに回動して操舵輪の転舵が行われる。
ところで、この操舵の際には、ラックバーにその軸線方向の力(「ラック軸力」という)が負荷される。いわゆる据え切り時においては、ラック軸力は車両走行時よりも相当大きくなる。このため、この据え切り時のラック軸力にも十分に耐えうるようにラックバーの強度設計を行う必要がある。
このようなラック軸力の算出手法として、たとえば車両の走行時において検出された操舵トルク等から車輪に加わる外力を計算し、これとつり合う力をラック軸力として演算する方法が知られている(たとえば特許文献1参照)。また、このようなラック軸力を演算可能な機構解析ソフトも一般に市販されている。
特開2006−103390号公報
しかしながら、従来のラック軸力の演算処理においては一般に、タイヤの摩擦までは考慮されていない。つまり、いわゆるエアターンと呼ばれるように、便宜上摩擦のない路面上を車輪が操舵されると仮定し、キャンバ角等の変化により生じるラック軸力が算出される。このため、実測値との整合がとれない場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、車両操舵時において実測値と整合がとれる高精度なラック軸力の演算方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のラック軸力演算方法は、操舵によるステアリングホイールの回転運動をラックバーの直線運動に変換して操舵輪の転舵を行う車両操舵装置について、ラックバーに作用する軸力を演算する。このラック軸力演算方法は、操舵に伴うキャンバ角の変化に基づいて、操舵輪を構成するタイヤの接地面の変化量を演算する接地面演算工程と、接地面に加わる摩擦力および接地面の変化量に基づいて、操舵によりタイヤになされた摩擦による仕事量を演算する仕事量演算工程と、操舵によるラックバーの変位量を取得する変位量取得工程と、摩擦による仕事量およびラックバーの変位量に基づいて、ラックバーに作用する軸力を算出する軸力算出工程と、を備える。
ここで、「ラックバーに作用する軸力を演算する」とは、ラックバーに負荷されるラック軸力そのものを演算する場合、および実質的にラック軸力と等価とみなされる軸力を演算する場合を含み得る。後者の例としては、たとえばラックバーに連設されるタイロッドに負荷される軸力を演算し、これをラック軸力とすることが考えられる。
この態様では、まず、操舵に伴うタイヤの接地面の変化量が演算される。すなわち、操舵輪にはタイヤを鉛直方向から所定量傾けるキャンバ角が設定されており、そのキャンバ角が変化すると、タイヤの接地面(接地面積や接地位置)も変化する。この工程では、そのキャンバ角の変化からタイヤの接地面を幾何学的に演算する。
タイヤの接地面には路面からの摩擦力が作用するため、操舵輪が転舵すると、その接地面には摩擦による仕事がなされることになる。つまり、接地面の摩擦力とその摩擦力に抗した移動量から操舵時のタイヤになされる仕事量が演算される。このタイヤへの仕事は操舵により発生するものであるため、その仕事量は操舵によるラックバーの仕事量と実質的に等価とみなすことができる。一方、ラックバーの仕事量は、操舵によりラックバーに作用する軸力とその変位量との積により求まる。ここでは、操舵によるラックバーの変位量を取得してその等価式に代入することにより、ラックバーの軸力を得る。
この態様によれば、操舵によるタイヤの引きずりによる仕事量(エネルギー収支)を考慮してラックバーの軸力が算出されるため、一般の機構解析のようにタイヤの摩擦を考慮しない演算方法よりも高精度で実測値に整合した演算結果を得ることができる。
具体的には、接地面演算工程は、タイヤの路面との対向面について予め設定した座標系を基準に、その対向面を複数の微少要素に分割する要素分割工程と、キャンバ角の変化に基づいて、各微少要素のうち接地面を構成する接地面構成要素を演算する要素演算工程と、を含んでもよい。さらに、仕事量演算工程は、操舵による各接地面構成要素の移動量を演算する移動量演算工程と、各接地面構成要素に加わる摩擦力と各接地面構成要素の移動量とを乗算して得られる微少仕事量の総和を仕事量として算出する仕事量算出工程と、を含んでもよい。
この態様によれば、タイヤの路面との対向面が複数に分割された微少要素にて定義される。その対向面の一部が路面と接触する接触面を構成するため、微少要素のいずれかが接地面構成要素を構成する。ここでは、接触面を微少な接地面構成要素の集合とみなす。そして、各接地面構成要素の接地状態による摩擦力の有無、その摩擦力の大きさ、操舵による各接地面構成要素の移動量から、操舵により個々の接地面構成要素になされた仕事量が求まる。各接地面構成要素の中には操舵によって接地状態と非接地状態との間で変化するものもあり得る。このような操舵の過程で発生した個々の接地面構成要素になされた仕事量の総和を求めることで、タイヤへの仕事量を算出することができる。
移動量演算工程は、操舵によるタイヤの転舵角に基づき演算した接地面構成要素の位置から求まる並進量を上記移動量として算出してもよい。すなわち、操舵がなされると、タイヤの接地点中心の周りに接地面構成要素が変位する。このため、その回転角から各接地面構成要素の並進量を算出でき、これを移動量としてタイヤへの仕事量を算出することができる。
本発明によれば、車両操舵時において実測値と整合がとれる高精度なラック軸力の演算方法を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。 図1は、本実施の形態に係るラック軸力演算方法が適用される車両操舵装置の概略構成を示す図である。
車両操舵装置10において、ステアリングシャフト14は、運転者によって操作されるステアリングホイール12に連結されその回転が入力される入力軸14aと、ピニオン40へ回転を伝達する中間軸14bとに分割されている。入力軸14aと中間軸14bとは自在継手16で接続される。
ラックハウジング50内には、車両の左右方向、すなわち車幅方向に延びるラックバー52が移動可能に収納されている。ピニオン40の両端は、軸受44によって回転可能に軸支される。ピニオン40は、ラックバー52の一部に形成されたラック42と噛合されている。自在継手16に接続された中間軸14bが回転すると、図示しないギヤを介してピニオン40が回転する。ラックバー52の両端には、それぞれタイロッド54の一端が接続される。タイロッド54の他端は、左右の操舵輪58を支持するナックルアーム56に連結されている。ナックルアーム56はキングピン60を支点として回転する。ステアリングホイール12が操作されてステアリングシャフト14が回転すると、この回転がピニオン40およびラック42によってラックバー52の車両左右方向の直線運動に変換される。この直線運動は、ナックルアーム56のキングピン60回りの回動に変換され、操舵輪58の転舵が行われる。
図2は、操舵輪の周辺の構成を概略的に示す図である。
操舵輪58は、いわゆるダブルジョイント式のサスペンション装置によって支持されている。すなわち、ナックルアーム56は、一対のアッパアーム61,62、一対のロアアーム63,64、タイロッド54などによって車体51に連結されている。アッパアーム61,62は、それぞれ車両幅方向に延設されていて、各内端にてゴムブッシュ61a,62aを介して車体51の一部に連結され、各外端にてボールジョイント61b,62bを介してナックルアーム56の上部に連結されている。一方、ロアアーム63,64は、それぞれ車両幅方向に延設されていて、各内端にてゴムブッシュ63a,64aを介して車体51の一部に連結され、各外端にてボールジョイント63b,64bを介してナックルアーム56の下部に連結されている。タイロッド54は、車両幅方向に延接され、その外端にてボールジョイント54aを介してナックルアーム56の中間部に連結され、内端にてボールジョイント54bを介してラックバー52に連結されている。
操舵輪58は、いわゆるダブルジョイント式のサスペンション装置によって支持されている。すなわち、ナックルアーム56は、一対のアッパアーム61,62、一対のロアアーム63,64、タイロッド54などによって車体51に連結されている。アッパアーム61,62は、それぞれ車両幅方向に延設されていて、各内端にてゴムブッシュ61a,62aを介して車体51の一部に連結され、各外端にてボールジョイント61b,62bを介してナックルアーム56の上部に連結されている。一方、ロアアーム63,64は、それぞれ車両幅方向に延設されていて、各内端にてゴムブッシュ63a,64aを介して車体51の一部に連結され、各外端にてボールジョイント63b,64bを介してナックルアーム56の下部に連結されている。タイロッド54は、車両幅方向に延接され、その外端にてボールジョイント54aを介してナックルアーム56の中間部に連結され、内端にてボールジョイント54bを介してラックバー52に連結されている。
このようなダブルジョイント式であることから、アッパアーム61,62およびロアアーム63,64は、各図中実線にて示す状態から操舵が行われると、キャンバ角の変化により図中破線に示すように変位する。すなわち、キングピン60の軸が図中太い一点鎖線にて示す状態から細い一点鎖線にて示す状態にその傾斜角度を変化させる。その結果、操舵輪58の振れまわりが大きくなり、タイヤの接地面が路面に引きずられる量が増え、その摩擦力によってラックバー52に負荷される軸線方向の力(ラック軸力)が大きくなる。このため、車両の設計においてはそのラック軸力がどの程度大きくなるかを正確に把握することが重要となる。
このラック軸力は、通常は市販の機構解析ソフトを用いて求められたりするが、その演算においては一般にタイヤの摩擦は表現されない。つまり、いわゆるエアターンと呼ばれるように、便宜上摩擦のない路面上を剛体の車輪が操舵されると仮定し、キャンバ角等の変化により発生するキングピン軸周りを回転するタイヤの上下運動により生じるラック軸力が算出される。たとえば、キャンバ角等の変化により車輪が持ち上がるいわゆるジャッキアップにより生じるラック軸力が算出されることがあるが、タイヤの引きずりによる摩擦力の影響は考慮されていない。このため、実測値との整合がとれないという問題がある。そこで、本実施の形態では以下に述べるように、タイヤの引きずりを考慮した高精度なラック軸力の演算処理を行う。
次に、本実施の形態に係るラック軸力演算方法の概要について説明する。
図3は、操舵による接地面の変化を表す説明図である。(A)はステアリングが切られていない直進時の状態を表し、(B)は右輪の内切時の状態を表し、(C)は右輪の外切時の状態を表している。図中の矢印は、タイヤの進行方向を表している。
図3は、操舵による接地面の変化を表す説明図である。(A)はステアリングが切られていない直進時の状態を表し、(B)は右輪の内切時の状態を表し、(C)は右輪の外切時の状態を表している。図中の矢印は、タイヤの進行方向を表している。
図3(A)に示すように、直進時においては、タイヤ70の接地面Aはほぼ長方形状となり、その幅方向および長手方向にほぼ均一な接地状態となる。ただし、キャンバ角によってタイヤ70が鉛直方向からややずれて接地するため、やや歪んだ形状にはなる。一方、図3(B)に示す内切時にはキャンバ角の変化によって接地面Aが内側に偏り、図3(C)に示す外切時には接地面Aが外側に偏る。すなわち、操舵によってタイヤ70の接地状態が図示のように変化し、その際、タイヤ70が路面との接地面Aにて引きずられる。本実施の形態では、このタイヤ70の引きずりを考慮してラック軸力の算出を行う。
図4は、ラック軸力演算方法の概要を表す模式図である。
タイヤ70(同図は代表して右輪を示している)は、操舵によってラックバー52、タイロッド54が変位すると、点線のように転舵されてキャンバ角も変化する。このとき、タイヤ70の接地点Jも変位する。ラックバー52は、そのストロークによってタイロッド54を介して操舵輪58を回転させる仕事を行う。一方、タイヤ70は、操舵により接地面が引きずられると、摩擦による仕事を発生させる。ここでは、これらの仕事量を等価とおいてラック軸力を演算する。
タイヤ70(同図は代表して右輪を示している)は、操舵によってラックバー52、タイロッド54が変位すると、点線のように転舵されてキャンバ角も変化する。このとき、タイヤ70の接地点Jも変位する。ラックバー52は、そのストロークによってタイロッド54を介して操舵輪58を回転させる仕事を行う。一方、タイヤ70は、操舵により接地面が引きずられると、摩擦による仕事を発生させる。ここでは、これらの仕事量を等価とおいてラック軸力を演算する。
すなわち、マクロ的にみると、ラック軸力をG[N]、タイロッド54のストロークをRS[mm]とすると、ラックバー52による仕事量(エネルギー)E1は、下記式(1)のようになる。
E1=RS・G ・・・(1)
一方、接地点Jの引きずり量をS、接地点Jの荷重による力(垂直抗力)F、タイヤ70と路面との摩擦係数をμとすると、タイヤ70に負荷される摩擦による仕事量(エネルギー)E2は、下記式(2)のようになる。
E2=μ・F・S ・・・(2)
したがって、E1=E2として下記式(3)が成立する。
G=μ・F・S/RS ・・・(3)
ここで、摩擦係数μおよび引きずり力Fは車両重量やタイヤ70の特性から既知とすると、ラックストロークRSについてはたとえばセンサ等によって検出し、接地点Jの引きずり量Sを演算することにより、ラック軸力Gを算出することができる。
E1=RS・G ・・・(1)
一方、接地点Jの引きずり量をS、接地点Jの荷重による力(垂直抗力)F、タイヤ70と路面との摩擦係数をμとすると、タイヤ70に負荷される摩擦による仕事量(エネルギー)E2は、下記式(2)のようになる。
E2=μ・F・S ・・・(2)
したがって、E1=E2として下記式(3)が成立する。
G=μ・F・S/RS ・・・(3)
ここで、摩擦係数μおよび引きずり力Fは車両重量やタイヤ70の特性から既知とすると、ラックストロークRSについてはたとえばセンサ等によって検出し、接地点Jの引きずり量Sを演算することにより、ラック軸力Gを算出することができる。
図5は、ラック軸力演算処理を行うラック軸力演算装置の概略を示すブロック図である。各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や電気回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態のラック軸力演算装置は、入力部102、挙動データ演算部104、データ転送部106、ラック軸力演算部108、および出力部110を備える。
入力部102は、車両に搭載されたサスペンション装置の挙動計算に必要な各種入力情報を受け付ける。この入力情報はユーザにより入力される。挙動データ演算部104は、その入力情報に基づいてサスペンション装置の挙動計算を実行し、ラック軸力の計算に必要なパラメータを算出する。挙動データ演算部104による演算処理は、後述する公知の機構解析ソフトを用いることにより行われる。データ転送部106は、挙動データ演算部104により算出された結果データの一部をラック軸力演算部108へ転送する。ラック軸力演算部108は、転送された結果データを順次取り込んで後述するラック軸力演算方法に基づく処理を実行し、ラック軸力を演算する。出力部110は、ラック軸力演算部108による演算結果を必要に応じて画面等に出力する。
入力部102は、車両に搭載されたサスペンション装置の挙動計算に必要な各種入力情報を受け付ける。この入力情報はユーザにより入力される。挙動データ演算部104は、その入力情報に基づいてサスペンション装置の挙動計算を実行し、ラック軸力の計算に必要なパラメータを算出する。挙動データ演算部104による演算処理は、後述する公知の機構解析ソフトを用いることにより行われる。データ転送部106は、挙動データ演算部104により算出された結果データの一部をラック軸力演算部108へ転送する。ラック軸力演算部108は、転送された結果データを順次取り込んで後述するラック軸力演算方法に基づく処理を実行し、ラック軸力を演算する。出力部110は、ラック軸力演算部108による演算結果を必要に応じて画面等に出力する。
次に、ラック軸力演算方法による具体的処理の流れについて説明する。
図6は、ラック軸力演算処理の流れを表すフローチャートである。図7〜図15は、そのラック軸力演算処理の過程を具体的に表す説明図である。以下、図6のフローチャートに基づき、図7〜図15の説明図を適宜参照しながら説明する。
図6は、ラック軸力演算処理の流れを表すフローチャートである。図7〜図15は、そのラック軸力演算処理の過程を具体的に表す説明図である。以下、図6のフローチャートに基づき、図7〜図15の説明図を適宜参照しながら説明する。
まず、挙動データ演算部104は、ユーザの入力情報に基づき、操舵時のサスペンション装置の挙動計算を実行する(S10)。挙動データ演算部104は、たとえばADAMS(米国MSC社)等の市販の機構解析ソフト(自動車の設計/テスト専用のAdams/Carなど)を用いてその挙動計算を実行する。上述のように、このような機構解析ソフトについては公知であり当業者間においても多用されているため、その詳細な説明については省略する。ここでは、操舵輪58が設けられるサスペンションのボディ(車体)への取付点の位置情報や、フロントの車軸重量(FR軸重さ)、路面摩擦μ、比ストローク、タイヤの静荷重半径、直進時のタイヤの接地長・接地幅などのサスペンション構成部材の特性に関する情報を入力する。なお、各値は車両または車輪に固有の値であるので、入力が可能となっている。挙動データ演算部104は、その入力情報に基づいて公知の機構演算処理を行い、ラックストロークを所定の変化量で徐々に変化させたときの対応するトー角、キャンバ角、ナックルアーム56側の接地点Jの変位(詳しくは、接地長方向L、接地幅方向W、接地高さ方向Hのそれぞれの変位)、ラックストロークに基づき操舵輪58が持ち上がるいわゆるジャッキアップにより生じるラック軸力等を算出する。データ転送部106は、その演算結果をラック軸力演算部108へ出力する(S12)。
ラック軸力演算部108は、まず、タイヤ70の円柱モデルを想定してその路面との対向面についてタイヤ座標系を設定する(S14)。すなわち、図7(A)にタイヤの平面視を示すように、タイヤ70の接地点中心を原点として接地長Lの方向にX軸、接地幅Wの方向にY軸を規定した座標系を設定し、その対向面を各軸方向に1〜2mm間隔で区切って多数の微少要素に分割する。本実施の形態では、図8に示すように、X軸方向の正方向および負方向にそれぞれ150分割、Y軸方向の正方向および負方向にそれぞれ200分割の微少要素(図中斜線部にてその1つを例示)が定義されている。なお、図7(B)にタイヤの背面視を示すように、タイヤ70には車両重量等に伴う鉛直方向の荷重が負荷されるため、その静荷重半径r(タイヤの軸中心から路面までの距離)は、荷重がない場合の無負荷半径Rよりも小さくなる。無負荷半径Rは、静荷重半径r、直進時の接地長Lにより、下記式(4)から算出することができる。
R=L/2/cos(atan(2・L/r))) ・・・(4)
R=L/2/cos(atan(2・L/r))) ・・・(4)
続いて、ラック軸力演算部108は、操舵時のキャンバ角の変化に応じたタイヤ70の接地範囲を演算する(S16)。図9には、左上段にタイヤ概形の平面視が示され、左下段に背面視が示され、さらに右下段に側面視が示されている。タイヤ70がその直進方向から操舵されると、背面視において点線で示す状態から実線にて示す状態に変化する。すなわち、キャンバ角θが変化し、それに伴ってタイヤ70の接地面の形状も変化する。背面視に太線にて示されるようにタイヤ70の接地幅が変化するとともに、側面視に太線にて示されるように接地長も変化する。タイヤ70の接地範囲は、このようなキャンバ角θの変化に伴うタイヤ70の幾何学的形状から求めることができる。
図10の左段に背面視を示すように、タイヤ70のキャンバ角θが変化すると、一点鎖線にて示すタイヤ70の回転軸から路面gまでの距離mは、下記式(5)のようになる。ここで、wはタイヤの半幅(幅の1/2)を表し、Rは上述した無負荷半径R、rはタイヤ静荷重半径を表している。
m=(r+w・sinθ)/cosθ ・・・(5)
このため、タイヤ70においてm>Rの箇所は接地長L=0となる。一方、m≦Rの箇所はその接地長Lが下記式(6)にて表される。
L=2・m/(tan(asin(m/R))) ・・・(6)
このようにして、タイヤ70の接地幅方向に沿って上記微少要素の間隔おきに接地長Lが算出されると、各微少要素のうち接地面を構成する接地面構成要素が求まる。たとえば、Y軸方向に沿って各微少要素の間隔ごとに算出された接地長Lの2等分して、それをX軸の正負に振り分けた座標に相当する微少要素を接地面構成要素とすることができる。このような演算を、表計算等によりラックストロークRSを所定刻みΔRSで変化させつつ逐次行う。
このため、タイヤ70においてm>Rの箇所は接地長L=0となる。一方、m≦Rの箇所はその接地長Lが下記式(6)にて表される。
L=2・m/(tan(asin(m/R))) ・・・(6)
このようにして、タイヤ70の接地幅方向に沿って上記微少要素の間隔おきに接地長Lが算出されると、各微少要素のうち接地面を構成する接地面構成要素が求まる。たとえば、Y軸方向に沿って各微少要素の間隔ごとに算出された接地長Lの2等分して、それをX軸の正負に振り分けた座標に相当する微少要素を接地面構成要素とすることができる。このような演算を、表計算等によりラックストロークRSを所定刻みΔRSで変化させつつ逐次行う。
図11には、この接地長の演算を表計算にて行った結果が示されている。同図の横軸はタイヤ70の幅方向の座標Yを表し、縦軸はラックストロークRSごとのキャンバ角θを表している。図の太枠内部には接地長L[mm]の演算結果が表示されている。これにより、ラックストロークRSが変化するごとに、つまりキャンバ角θが変化するごとに、各接地幅位置の接地長Lが変化していることが分かる。つまり、接地面が変化していることが分かる。
ラック軸力演算部108は、この接地幅位置と接地長Lとの関係から、各ラックストロークRS位置における接地面位置、つまり接地面構成要素の座標を求めることができる。あるラックストロークRS位置における接地面を座標軸(X,Y)に沿った画面に表示すると、図12のようになる。同図では、横軸がY座標、縦軸がX座標を表しており、接地面を構成する微少要素、つまり接地面構成要素についてのみ、その接地長Lを表記している。その結果、図示の全体がタイヤ70の対向面を表すが、濃色部分が接地面を表している。
ラック軸力演算部108は、以上のようにして算出された各接地面構成要素について、図13に示すトー方向への(回転方向の)座標変換を行う(S18)。操舵によるタイヤ70の転舵によって接地面が回転するためである。各接地面構成要素についてこの座標変換前の座標を(X,Y)、座標変換後の座標を(X’,Y’)とすると、下記式(7)が成立する。
ラック軸力演算部108は、続いて、各接地面構成要素の軌跡から図14に示す並進方向の座標変換を行う(S20)。この並進方向への座標変換は、図示のように車体を基準としたその直進方向を座標Lにて表し、これと直角な方向を座標Wにて表す。このとき、変換後の座標(L,W)について、下記式(8)および(9)が成立する。
L=X’+接地面構成要素の座標L ・・・(8)
W=Y’+接地面構成要素の座標W ・・・(9)
ラック軸力演算部108は、続いて接地面の移動のエネルギー、つまり各接地面構成要素の移動による仕事量の総和を演算する(S22)。すなわち、図15(A)に示すように、操舵によるラックバー52のストロークによりタイヤ70が転舵角αだけ回転すると、同図(B)に示すように、各接地面構成要素はその回転および並進を伴って移動量ΔSだけ移動する。つまり、仮にラックストロークRSがRS1からRS2に変化したときに、ある接地面構成要素の座標が(L1,W1)から(L2,W2)へ移動したとすると、ラックストロークの刻みΔRSは、下記式(10)のようになる。
ΔRS=(RS2−RS1) ・・・(10)
また、接地面構成要素の移動量ΔSは、下記式(11)のようになる。
ΔS={(L2−L1)2+(W2−W1)2}1/2 ・・・(11)
ここで、フロントの車軸重量F、路面摩擦μ、接地している接地面構成要素の個数Nとすると、各接地面構成要素の接地荷重ΔFは、下記式(12)のように表される。
ΔF=(F/2)/N ・・・(12)
したがって、各接地面構成要素の移動による仕事量の総和Eは、上記式(2)に基づき下記式(13)のようになる。
E=Σ(μ・ΔF・ΔS) ・・・(13)
ここで、接地面構成要素が移動前後で接地状態を維持する場合には、上記式(13)において演算される仕事量の演算に含まれる(たとえば図15(B)のΔS:ΔS2のときなど)。一方、接地面構成要素が移動前後で接地しなくなる、あるいは、新たに接地する場合には、上記式(13)において演算されない(たとえば図15(B)のΔS:ΔS1,ΔS3のときなど)。
ラック軸力演算部108は、以上の演算結果を用いてラック軸力Gを演算する(S24)。すなわち、上記式(3)から、各接地面構成要素による微少ラック軸力ΔGは、下記式(14)のようになる。
ΔG=μ・ΔF・ΔS/ΔRS ・・・(14)
L=X’+接地面構成要素の座標L ・・・(8)
W=Y’+接地面構成要素の座標W ・・・(9)
ラック軸力演算部108は、続いて接地面の移動のエネルギー、つまり各接地面構成要素の移動による仕事量の総和を演算する(S22)。すなわち、図15(A)に示すように、操舵によるラックバー52のストロークによりタイヤ70が転舵角αだけ回転すると、同図(B)に示すように、各接地面構成要素はその回転および並進を伴って移動量ΔSだけ移動する。つまり、仮にラックストロークRSがRS1からRS2に変化したときに、ある接地面構成要素の座標が(L1,W1)から(L2,W2)へ移動したとすると、ラックストロークの刻みΔRSは、下記式(10)のようになる。
ΔRS=(RS2−RS1) ・・・(10)
また、接地面構成要素の移動量ΔSは、下記式(11)のようになる。
ΔS={(L2−L1)2+(W2−W1)2}1/2 ・・・(11)
ここで、フロントの車軸重量F、路面摩擦μ、接地している接地面構成要素の個数Nとすると、各接地面構成要素の接地荷重ΔFは、下記式(12)のように表される。
ΔF=(F/2)/N ・・・(12)
したがって、各接地面構成要素の移動による仕事量の総和Eは、上記式(2)に基づき下記式(13)のようになる。
E=Σ(μ・ΔF・ΔS) ・・・(13)
ここで、接地面構成要素が移動前後で接地状態を維持する場合には、上記式(13)において演算される仕事量の演算に含まれる(たとえば図15(B)のΔS:ΔS2のときなど)。一方、接地面構成要素が移動前後で接地しなくなる、あるいは、新たに接地する場合には、上記式(13)において演算されない(たとえば図15(B)のΔS:ΔS1,ΔS3のときなど)。
ラック軸力演算部108は、以上の演算結果を用いてラック軸力Gを演算する(S24)。すなわち、上記式(3)から、各接地面構成要素による微少ラック軸力ΔGは、下記式(14)のようになる。
ΔG=μ・ΔF・ΔS/ΔRS ・・・(14)
したがって、タイヤの引きずりによるトータルのラック軸力Gは、下記式(15)を表計算することにより算出される。
G=ΣΔG=Σ(μ・ΔF・ΔS/ΔRS) ・・・(15)
そして、上記式(14)にて算出されたラック軸力Gと、S10にて得られたジャッキアップ分によるラック軸力とを加算することにより、最終的に実測値と整合するラック軸力が得られる。
G=ΣΔG=Σ(μ・ΔF・ΔS/ΔRS) ・・・(15)
そして、上記式(14)にて算出されたラック軸力Gと、S10にて得られたジャッキアップ分によるラック軸力とを加算することにより、最終的に実測値と整合するラック軸力が得られる。
以上に説明したように、操舵によるタイヤ70の引きずりによる仕事量(エネルギー収支)を考慮してラックバー52の軸力が算出される。このため、一般の機構解析のようにタイヤ70の摩擦を考慮しない演算方法よりも高精度で実測値に整合した演算結果を得ることができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上記実施の形態では、ラックバー52に負荷されるラック軸力そのものを演算する例を示した。変形例においては、実質的にラック軸力と等価とみなされるタイロッド54等の軸力を演算し、これをラック軸力としてもよい。
上記実施の形態では、ラックアンドピニオン式の操舵装置について言及したが、リサーキュレーティング・ボール式の操舵装置において、ラック軸力に相当するタイヤをキングピン軸周りに旋回させる力を演算するものに適用してもよい。
上記実施の形態では、ラックアンドピニオン式の操舵装置について言及したが、リサーキュレーティング・ボール式の操舵装置において、ラック軸力に相当するタイヤをキングピン軸周りに旋回させる力を演算するものに適用してもよい。
上記実施の形態では、いわゆるダブルジョイント式のサスペンション装置を搭載した車両についてラック軸力を算出する例を示した。変形例においては、本発明のラック軸力演算方法を、いわゆるシングルジョイント式その他の形式のサスペンション装置を搭載した車両について適用してもよい。ただし、シングルジョイント式のサスペンション装置によれば、操舵時においてキングピンの軸の変位量が少ないため、タイヤの引きずり量も小さい。言い換えれば、操舵時においてキングピンの軸の変位量が大きくなるダブルジョイント式のサスペンション装置のほうがタイヤの引きずり量が大きくなるため、本発明の適用の効果はより大きくなると言える。
10 車両操舵装置、 12 ステアリングホイール、 14 ステアリングシャフト、 40 ピニオン、 42 ラック、 51 車体、 52 ラックバー、 54 タイロッド、 56 ナックルアーム、 58 操舵輪、 60 キングピン、 61,62 アッパアーム、 63,64 ロアアーム、 70 タイヤ、 102 入力部、 104 挙動データ演算部、 106 データ転送部、 108 ラック軸力演算部、 110 出力部。
Claims (3)
- 操舵によるステアリングホイールの回転運動をラックバーの直線運動に変換して操舵輪の転舵を行う車両操舵装置について、前記ラックバーに作用する軸力を演算するためのラック軸力演算方法において、
前記操舵に伴うキャンバ角の変化に基づいて、前記操舵輪を構成するタイヤの接地面の変化量を演算する接地面演算工程と、
前記接地面に加わる摩擦力および前記接地面の変化量に基づいて、前記操舵により前記タイヤになされた摩擦による仕事量を演算する仕事量演算工程と、
前記操舵による前記ラックバーの変位量を取得する変位量取得工程と、
前記摩擦による仕事量および前記ラックバーの変位量に基づいて、前記ラックバーに作用する軸力を算出する軸力算出工程と、
を備えたことを特徴とするラック軸力演算方法。 - 前記接地面演算工程は、
前記タイヤの路面との対向面について予め設定した座標系を基準に、その対向面を複数の微少要素に分割する要素分割工程と、
前記キャンバ角の変化に基づいて、各微少要素のうち前記接地面を構成する接地面構成要素を演算する要素演算工程と、
を含み、
前記仕事量演算工程は、
前記操舵による各接地面構成要素の移動量を演算する移動量演算工程と、
各接地面構成要素に加わる摩擦力と各接地面構成要素の移動量とを乗算して得られる微少仕事量の総和を前記仕事量として算出する仕事量算出工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のラック軸力演算方法。 - 前記移動量演算工程は、前記操舵による前記タイヤの転舵角に基づき演算した前記接地構成要素の位置から求まる並進量を前記移動量として算出することを特徴とする請求項2に記載のラック軸力演算方法。
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