JP5143526B2 - 建築物の柱脚構造 - Google Patents
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Description
そのボルト孔3に前記アンカーボルト4を挿通しながら、基礎10上に柱部1を立てて倒れないように支持しておき、アンカーボルト4の上端にワッシャ4b等を介してナット4aを締付けることにより、前記基礎10と柱部1とを一体に固定するものである(例えば、特許文献1参照)。
この種の「ベタ基礎」構造は、例えば、図6(b)に示すような「単独基礎」「布基礎」と呼ばれる構造と比較して、相対的に地盤Gへの接触面積が大きいため、建物の荷重を地盤Gに対してより広い面積に分散して作用させることができる。
このため、一般的に、中規模、小規模の建物では、不等沈下に対して有利であるといえる。
例えば、図7に示すように、コンクリートで打設した底板部11の上面にH型鋼20の下フランジ部21の下面を全面に亘って密着させて、その状態で、前記アンカーボルト4を介して前記H型鋼20を固定して前記立上部12としたものである(例えば、特許文献2参照)。
例えば、図7(a)に示すように、H型鋼20の上フランジ部22の幅方向両端縁に、上方に向かって伸びる接続板25,25を設け、その接続板25,25と柱部1の側面とを貫通する水平方向のボルト26とで、H型鋼20と柱部1とを一体化する手法がある。
このため、施工が容易で、より強度に優れた構成からなる柱脚構造が望まれる。
また、この構成によれば、柱部から上フランジ部への荷重の作用点がウェブの中心線から前記H型鋼の幅方向外側へ大きく離れない。このため、ウェブや下フランジ部を含むH型鋼全体の断面を大きくする必要がない。このため、基礎を大型化させることがない。
なお、連結プレートは十字状を成すため、ボルトが挿通される下部プレートは、その上面が外部から手の届く位置となる。このため、ボルト、ナット等の締付けは容易に行うことができる。
このようにすれば、柱脚金具から上フランジ部への荷重の伝達が、下部プレートの全面に亘ってより均等に近いものとなるので好ましい。
また、連結プレートの構成部材を、その板面の面方向が、前記H型鋼の長さ方向及び幅方向に向くように配置すれば、柱部が基礎のH型鋼の長さ方向に倒れようとする際の力、及び、柱部が基礎のH型鋼の幅方向に倒れようとする際の力に対して、最大限の対抗力を有するようにし得る。
底板部11には鉄筋aが配筋されている。また、その底板部11には、上向きに突出するアンカーボルト4が埋め込まれており、そのアンカーボルト4上端が底板部11の上面から突出している。
なお、建物の用途、構造に応じて、H型鋼20の下フランジ部21の下面を全面に亘って底板部11に密着させる場合と、その一部のみ、例えば、アンカーボルト4に近い部分のみを密着させる場合とが考えられる。
なお、上下プレート32,31と連結プレート33との溶接のみを工場溶接として、柱脚金具30と柱部1との溶接を現場溶接とすれば、柱部1の運搬効率を阻害することがない。柱部1の下端部に柱脚金具30を取付けると、その柱脚金具30が邪魔になって運搬しづらいからである。
また、柱脚金具30を工場溶接とすれば、現場溶接の場合と比較して相対的に精度を高めることができるという利点もある。このように、柱脚金具30を工場溶接とすれば、その柱脚金具30を、いわば汎用的な建材として各種建物の柱脚構造に適用することもできる。
このため、柱部1からH型鋼20への荷重の伝達が、下部プレート31の全面に亘って均等に作用しやすくなっている。
また、下部プレート31に形成されるボルト孔31aは、現場で穿孔してもよいし、使用する柱脚でのボルト間隔が予め決定している場合は工場で穿孔してもよい。
補強リブ24は、図1(c)に示すように、ウェブ23を挟んでH型鋼20の幅方向両側に設けられ、図1(a)(b)に示すように、それぞれ、下部プレート31の端縁部(H型鋼20の長さ方向への端縁部)直下、及びその中央の合計3箇所に設けられている。
特に、補強リブ24は、連結プレート33の直下にあることがさらに望ましく、この実施形態のように、連結プレート33の十字状の構成部材(前記板材33a,33b)が、H型鋼20の長さ方向及びその長さ方向に直交する方向に配置されている場合は、図1(a)(b)に示すように、前記補強リブ24を、前記長さ方向に直交する方向の構成部材(前記板材33b,33b)の直下に設けることがさらに有効である。図1(a)(b)では、長さ方向に直交する方向の構成部材(前記板材33b,33b)の全長に亘って、その直下に補強リブ24を配置している。
このコンクリートは、H型鋼20の全長のうち少なくとも前記柱脚金具30の直下に設ければ、前述の補強リブ24の効果と同様の効果を発揮することができるが、この実施形態のようにH型鋼20の長さ方向全長に亘って設けることもできる。このようにすれば、立上部12全体の剛性を高めることができる。
ボルト34を挿通するスペースが確保できる限りにおいて、このような実施形態を採用することも可能であり、また、前述のように、下部プレート31を上フランジ部22に溶接接合する場合は、ボルト34のスペースを考慮する必要がないので、自由な向きに設定できる。
2 フランジ
3,22a,31a ボルト孔
4 アンカーボルト
10 基礎
11 底板部
12 立上部
20 H型鋼
21 下フランジ部
22 上フランジ部
23 ウェブ
24 補強リブ
25 接続板
26,34 ボルト
30 柱脚金具
31 下部プレート
32 上部プレート
33 連結プレート
33a,33b 板材
Claims (3)
- コンクリートを打設して形成したベタ基礎の底板部11上に、上下フランジ部22,21とその上下フランジ部22,21を結ぶウェブ23とからなるH型鋼20を前記上フランジ部22が上向きになるように固定し、その上フランジ部22に垂直方向の柱部1の下端部を固定する建築物の柱脚構造において、
前記柱部1の下端部と前記上フランジ部22との間に柱脚金具30を介在させ、その柱脚金具30は、前記柱部1の下端部に固定される水平な上部プレート32と、前記上フランジ部22の上面に固定される水平な下部プレート31、及び前記上下プレート32,31間を結ぶ平面視十字状を成す連結プレート33とで構成され、前記下部プレート31と前記上フランジ部22とは、その下部プレート31と前記上フランジ部22とを上下方向に貫通するボルト34を介して固定され、
前記平面視十字状を成す連結プレート33の構成部材は、その板面の面方向が、前記上フランジ部22に垂直で且つ前記H型鋼20の長さ方向及び幅方向に配置された板材33a,33bであり、連続する一枚の前記長さ方向に配置される板材33aの表裏両側に、それぞれ前記幅方向に配置される板材33bが接合されて平面視十字状を成しており、前記ボルト34は、前記連結プレート33の前記長さ方向に配置される板材33a及び前記幅方向に配置される板材33bを挟んで前記長さ方向及び幅方向にそれぞれ並列して設けられ、前記ボルト34は、前記ウェブ23を挟んで両側に配置されることを特徴とする建築物の柱脚構造。 - 前記H型鋼20の前記柱脚金具30の直下において、前記上フランジ部22と下フランジ部21とを結ぶ補強リブ24を設け、前記補強リブ24は、前記下部プレート31の前記長さ方向への両端縁部の直下、及び、前記連結プレート33の前記幅方向に配置される板材33bの直下に設けられることを特徴とする請求項1に記載の建築物の柱脚構造。
- 前記H型鋼20の前記柱脚金具30の直下において、前記ウェブ23を挟んで少なくとも一方の側に、前記上フランジ部22と下フランジ部21との間の空間を隙間無く埋めるコンクリートを打設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の建築物の柱脚構造。
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