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JP5140779B1 - 電極材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】タブ溶接性に優れ、活物質層との接触抵抗の低抵抗化を実現する電極材料を提供する。
【解決手段】集電体(電極材料)1は、金属箔からなる基材1aと、炭素を含む導電物質1bとを備え、面積が0.1mmの正方形の視野にて観察した際に、導電物質1bが基材1aの表面に島状に配置されているとともに導電物質1bによる基材1aの表面の被覆率が1〜80%であるように構成した。これにより、基材1aである金属箔の素地の一部が露出し、タブ溶接を良好に行うことができ、活物質層との間の接触抵抗が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の電極に用いられる電極材料およびその製造方法に関する。
二次電池用電極の基材として用いられるアルミニウム箔や銅箔などの金属箔上に炭素系導電物質を塗布した集電体に関する研究は、これまでも様々な研究機関で行われている。また、特許出願も多数なされており、例えば、特許文献1〜特許文献4を挙げることができる。
特許文献1および特許文献2には、アルミニウム箔や銅箔などの基材の表面に導電物質である炭素微粒子(導電物質)と皮膜形成用化合物とからなる皮膜を形成した集電体が記載されている。また、特許文献3には、炭素粉末(導電物質)と結着剤とからなる導電層を活物質との間に設けた集電体が記載されている。また、特許文献4には、カーボンを導電剤とする導電性塗料層を表面に設けた集電体が記載されている。これらは、集電体とその上に形成される活物質層との間の接触抵抗を低減し、電池の高速充放電特性、サイクル特性の向上を図ったものである。
特開2007−226969号公報 特開2010−135338号公報 特開平9−97625号公報 特開2001−351612号公報
ここで、図8を参照して、特許文献1〜特許文献4に記載された、従来技術における集電体の構成について、まとめて説明する。なお、図8は、従来技術における集電体の構成を説明するための模式的断面図である。図8に示すように、従来技術における集電体3は、金属箔からなる基材3aの表面に導電物質層3bが均一に形成される。すなわち、基材3aの表面全体が導電物質層3bによって被覆されている。
図8に示すように、基材3aの表面に導電物質層3bが均一に形成されると、集電体3を用いて電池を作製するために、集電体3と電池の端子とを電気的に接続するための金属製のタブ(不図示)などを集電体3の表面に溶接する際に、導電物質層3bが溶接の障害となって溶接性が悪化するという問題があった。
更には、基材3aの表面に均一に形成された導電物質層3bは一定の厚みを有するため、このような導電物質層3bを形成された集電体3は全体が厚くなってしまう。このため、集電体3上に活物質層(不図示)を積層してなる電極を電池に用いる場合、同じ体積の電池に収納される集電体3上に形成される活物質層(不図示)の厚さが制限されるという問題があった。
本発明は前記した問題に鑑み創案されたものであり、タブ溶接性に優れ、活物質層との間の接触抵抗の低抵抗化を実現する電極材料を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明による電極材料は、金属箔からなる基材と、この基材の表面に設けた炭素を含む導電物質とを備えた電極材料であって、面積が0.1mmの正方形の視野にて観察した際に、導電物質の粒子凝集して基材の表面に島状に配置されているとともに導電物質による基材の表面の被覆率が1〜80%であり、前記導電物質は少なくとも前記面積の単位で均等に配置されているように構成した。
また、本発明による電極材料は、前記導電物質に被覆されていない前記基材の表面は、前記金属箔の素地が露出するように構成される。
かかる構成によれば、導電物質による金属箔からなる基材の表面の被覆率は80%以下であるため、導電物質によって被覆されておらず、金属の素地が露出している部分が20%以上ある。このため、この電極材料を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合であって、集電体と電池の端子と接続するための金属製のタブを溶接する際に、露出した金属の素地に金属製のタブが良好に溶接される。また、導電物質による基材の表面の被覆率を1%以上としたことにより、この電極材料を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合、集電体と、集電体上に積層される活物質層との間の接触抵抗が低減される。
また、本発明による電極材料は、金属箔からなる基材と、この基材の表面に設けた炭素を含む導電物質とを備えた電極材料であって、面積が0.1mm の正方形の視野にて観察した際に、前記導電物質が前記基材の表面に島状に配置されているとともに前記導電物質による前記基材の表面の被覆率が1〜80%であり、導電物質の一部が基材の内部に埋め込まれ、基材の表面からの導電物質の最大高さを3μm以下とすることが好ましい。
かかる構成によれば、導電物質の一部が基材の内部に埋め込まれることにより、基材と導電物質との密着性が向上し、また、基材と導電物質との接触面積が増加する。また、基材面からの導電物質の高さが3μm以下なので、薄膜な電極材料となる。なお、ここでいう「基材の表面」とは、導電物質が埋め込まれていない部分の基材の表面を指し、「基材の表面からの導電物質の高さ」とは、導電物質が埋め込まれていない箇所の基材の表面位置を基準とした際の導電物質の頂点の高さを意味する。また、「導電物質の最大高さ」とは、基材をその断面方向より倍率2000倍にて20視野観察し、撮影した視野中に含まれる全ての島状炭素の高さを得、得られた炭素の高さの平均値に標準偏差(σ)を足し合わせた値を意味する。
また、本発明による電極材料は、導電物質の基材における単位面積当たりの付着量が、0.05〜0.50g/mであることが好ましい。
かかる構成によれば、付着量を0.50g/m以下とすることで、金属製のタブなどが良好に溶接される。また、付着量を0.05g/m以上とすることで、この電極材料を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合、集電体と、集電体上に積層される活物質層との間の接触抵抗が低減される。
本発明に係る電極材料によれば、導電物質を基材である金属箔の表面に島状に配置し、導電物質の被覆率を制限して金属箔の素地を電極材料の表面に一部露出させたことにより、タブなどの溶接性を確保しつつ、電極材料の接触抵抗を低減することができる。
本発明に係る電極材料によれば、基材と導電物質との密着性が向上し、基材と導電物質との接触面積が増加するため、電極材料の接触抵抗を更に低減することができる。また、電極材料の厚さが制限されるため、単位体積あたりの活物質層の量が大きく制限されない。
本発明に係る電極材料によれば、適量な付着量の導電物質が基材の表面に配置されるため、タブなどの溶接性と電極材料の接触抵抗の低減とを良好に両立させることができる。
本発明に係る集電体の構造を説明するための模式的断面図である。 本発明に係る集電体を用いた電極の構造を説明するための模式的断面図である。 本発明に係る集電体の製造方法の流れを示すフローチャートであり、(a)は第1実施形態、(b)は第2実施形態、(c)は第3実施形態についてのフローチャートである。 実施例に係る集電体の試料の表面の走査型電子顕微鏡による写真である。 実施例に係る集電体の試料の断面の走査型電子顕微鏡による写真である。 他の実施例に係る集電体の試料の表面の走査型電子顕微鏡による写真である。 他の実施例に係る集電体の試料の断面の走査型電子顕微鏡による写真である。 従来技術に係る集電体の構造を説明するための模式的断面図である。
以下、本発明に係る電極材料(以下、集電体という)の実施の形態について、詳細に説明する。
[集電体の構造]
本実施形態に係る集電体の構造について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る集電体(電極材料)1は、金属箔からなる基材1aと、基材1aの表面に島状に配置された導電物質1bとからなる。また、導電物質1bは、基材1aの両面に配置されている。なお、導電物質1bは、基材1aの片面に配置してもよい。
なお、本願明細書において、「島状」とは、基材1aの表面の少なくとも一部が導電物質1bによって被覆されずに露出するように導電物質1bが配置されている状態をいう。例えば、図1に示すように複数の導電物質1bの凝集体が互いに孤立して配置されてもよく、凝集体同士が接合して網目状に配置されていてもよいものとする。
本実施形態に係る集電体1は、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として好適に用いることができる。集電体1を用いた電極については、後記する。
集電体1は、面積が0.1mmの正方形の視野で観察した際に、基材1aの表面に導電物質1bが島状に配置された構造とすることで、集電体1を電池の電極として用いる場合に、集電体1と電池の端子とを電気的に接続する金属製のタブ(不図示)を溶接する際の、タブ溶接性を向上することができる。
また、基材1aの導電物質1bによる基材1aの表面の被覆率は、面積が0.1mmの正方形の視野で観察した際に、1〜80%である。導電物質1bによる被覆率が1%以上であると、導電物質1bが配置されないAl箔のみの場合と比較して、集電体1と、二次電池の電極として用いる場合に集電体1の表面に積層される活物質層(図2参照)との間の接触抵抗を低減することができる。また、基材1aの表面の導電物質1bによる被覆率を80%以下とすることで、良好なタブ溶接性を確保することができる。
なお、タブが溶接される部分の面積に比較して、十分小さい面積の領域で観察して被覆率が1〜80%となるようにしたため、導電物質1bは、少なくとも前記した観察面積の単位で均等に基材1aの表面に配置される。
ここで、基材1aの導電物質1bによる表面の被覆率は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、作製した試料の表面を撮影し、撮影した視野中に含まれる炭素による基材表面の被覆面積を画像処理により算出して求めることができる。
また、導電物質1bの基材1aにおける単位面積当たりの付着量は、0.05〜0.50g/mの範囲とすることが好ましく、0.08〜0.40g/mの範囲とすることがより好ましい。
ここで、導電物質1bの基材1aにおける単位面積当たりの付着量は、次のようにして求めることができる。まず、導電物質1bを含有する溶液を基材1aに塗布して乾燥した試料について、質量を測定する。次に、試料表面を水またはアルコールで拭き取り、導電物質1bを除去した後の質量を測定する。そして、その質量差を試料の面積で除することで導電物質1bの基材1aにおける単位面積当たりの付着量を算出することができる。
なお、導電物質1bは、基材1aの表面に付着するようにしてもよいが、図1に示したように、導電物質1bの一部が、基材1aの内部に埋め込まれるようにしてもよい。このような構造は、導電物質1bを基材1aの表面に塗布した後、集電体1に圧着または圧延を施すことにより形成することができる。これによって、基材1aと導電物質1bとの密着性が向上し、また、基材1aと導電物質1bとの接触面積が増加するため、活物質層(図2参照)との間の接触抵抗を更に低減することができる。また、導電物質1bが押し潰されるため、集電体1の厚さを薄くすることができる。
また、集電体1を用いた電極を薄膜化するためには、金属箔からなる基材1aの表面に配置される導電物質1bの、基材1aの表面からの最大高さが3μm以下であることが望ましい。導電物質1bの高さを3μm以下にすることにより、電極が厚くなり過ぎず、集電体1a上に積層される活物質層(図2参照)の塗布量を大きく制限する必要がなく、その結果として、電池の容量が大きく低下することがない。
(基材)
基材1aは、二次電池用の電極材料として一般的に用いられるアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの金属を用いることができる。二次電池用電極材料として使用する際は、基材1aは一般的に厚さが5〜50μm程度の箔状で使用される。本実施形態に係る集電体の製造方法において、圧延工程を実施する場合は、板状または厚肉の箔状の基材1aに導電物質1bを含む溶液を塗布して乾燥した後、圧延を施し薄肉化するようにしてもよい。
なお、基材1aは特定の組成のAlやCuなどに限定されるものではなく、電極に用いられる場合に、その電極の使用環境に適した各種の純金属やその合金を用いることができる。
(導電物質)
導電物質1bは、面積が0.1mmの正方形の視野で観察した際に、基材1aの表面の1〜80%を被覆するように島状に配置され、基材1aとともに構成する集電体1と活物質層(図2参照)との間の接触抵抗を低減するものである。
導電物質1bとしては、炭素系の導電材料を用いることができる。炭素系の導電材料としては、天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛または各種のカーボンブラックを用いることができる。
(電極)
次に、図2を参照して、本実施形態に係る集電体1を用いたリチウムイオン二次電池の電極の構成について説明する。
図2に示した電極10は、本実施形態に係る集電体1と、集電体1の表面(両面)に積層された活物質層2とから構成される。リチウムイオン二次電池の正電極を構成する場合は、集電体1としては、AlやAl合金等の金属を用いることができる。また、正極活物質としては、公知の材料、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム含有酸化物を使用することができる。正極の活物質層2の製造方法も特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、粉末状の前記したリチウム含有酸化物に、バインダーの他、必要に応じて導電材、溶剤等を添加して十分混練した後、集電体1に塗布し、乾燥し、プレスして製造することができる。なお、活物質層2は、導電物質1bが設けられた片面に積層するようにしてもよい。
また、リチウムイオン二次電池の負電極を構成する場合は、集電体1としては、Cu、Cu合金、ニッケル(Ni)、Ni合金、ステンレス等の金属を用いることができる。また、負極活物質としては、例えば、黒鉛系炭素材料を用いることができ、正電極の活物質層2の製造方法と同様にして、製造することができる。
次に、本実施形態に係る集電体1の製造方法について説明する。
[製造方法]
金属箔からなる基材1aの表面に、導電物質1bが島状に配置された構造の集電体1を作製するには、いくつかの製造方法を挙げることができる。これらの製造方法について、順に説明する。
<第1実施形態>
まず、図3(a)を参照(適宜図1参照)して、第1実施形態の製造方法について説明する。
集電体1の第1実施形態の製造方法は、金属箔からなる基材1aの表面に、導電物質1bを含む溶液を塗布し、溶液を乾燥することにより製造するものである。
塗布のみで導電物質1bが島状に基材1aの表面に配置された構造を形成する場合、図3(a)に示すように、集電体1は、導電物質1bを含む溶液を基材1aの表面に塗布し、基材1aの表面に塗布する前ないし塗布した後で、導電物質1bを溶液中で凝集させる塗布工程S11と、溶液を乾燥させる乾燥工程S12とを含む製造方法によって作製することができる。
ここで、溶液を調合した直後には溶液中で均一に分散していた導電物質1bが、時間の経過とともに凝集する。すなわち、調合した溶液を基材1aの表面に塗布する前ないし塗布した後に導電物質1bは凝集する。そして、基材1aの表面に塗布した溶液中では、導電物質1bが島状に凝集された状態を形成することになる。その後、溶液を乾燥させて基材1aの表面に導電物質1bを島状に固着させるものである。
以下、塗布工程S11について詳細に説明する。
(塗布工程)
導電物質1bを理想的な島状の構造に凝集させるには、導電物質1bの粒径と濃度とを調節することが有効である。粒径と濃度とを調節すると、溶液の粘度が変化するため、塗工性及び、乾燥後の導電物質1bの分布に変化が生じる。導電物質1bとして炭素を用いた場合、平均粒径が0.01〜1μmの炭素が、溶液中に0.1〜7質量%含まれる状態が望ましい。平均粒径を0.01μm以上、および濃度を7質量%以下とすることにより、溶液の粘度が上昇し過ぎず、炭素同士の凝集が大きくなり過ぎないため、理想的な島状の構造を得ることができる。また、導電物質1bである炭素の平均粒径を1μm以下、および炭素の濃度を0.1質量%以上とすることにより、島状の構造が形成されるとともに、導電物質1bである炭素と基材1aである金属箔との接触点が十分にあり、集電体1と活物質層2(図2参照)との間の接触抵抗を低減する効果を得ることができる。
導電物質1bを良好に凝集させるための溶液の溶媒としては、例えば、水、トルエン、N-メチルピロリドンなどの、水系、有機溶媒系の各種溶媒を用いることができる。また、一般的に用いられている増粘剤やフッ素系樹脂など、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリプロピレンなどの各種樹脂を添加してもよい。
また、導電物質1bとしては、炭素系材料を用いることができる。具体的には、天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛や各種のカーボンブラックを用いることができる。
導電物質1bを含む溶液の基材1aの表面への塗布には、一般に用いられているバーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ディップコーター、スプレーコーターなど各種コータによる塗布方法を用いることができる。なお、導電物質1bは基材1aの両面または片面に塗布される。
(乾燥工程)
次に、乾燥工程S12について説明する。
乾燥工程S12は、塗布工程S11の後に、溶媒を蒸散させるための工程である。乾燥工程S12は、室温にて乾燥させるようにしてもよいし、必要に応じて熱処理炉などを用いた加熱乾燥を行うようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、図3(b)を参照(適宜図1参照)して、集電体1の製造方法の第2実施形態について説明する。
図3(b)に示すように、集電体1の第2実施形態の製造方法は、第1実施形態の製造方法による塗布工程S21および乾燥工程S22の後に、更に圧着工程または圧延工程(圧着/圧延工程S23)を行うものである。すなわち、第1実施形態の製造方法により作製した集電体1に、更に圧着または圧延を施すものである。
(塗布工程、乾燥工程)
塗布工程S21および乾燥工程S22は、第1実施形態の製造方法における、それぞれ塗布工程S11および乾燥工程S12と同様である。塗布工程S21と乾燥工程S22とを行うことにより、基材1aである金属箔の表面に導電物質1bが島状に配置された集電体1が形成される。
(圧着工程・圧延工程)
乾燥工程S22の後に、集電体1に更に圧着または圧延(圧着/圧延工程S23)を施して、導電物質1bを押し潰し、また、一部を基材1aの内部に埋め込ませる。これによって、塗布工程S11および乾燥工程S12のみで作製した集電体1と比較して、集電体1を薄膜化することができ、更に基材1aとの密着性を向上し、基材1aと導電物質1bとの接触面積を増加させることができる。
なお、圧着または圧延の方法としては、各種圧延機やロールプレス機を用いることができる。なお、本実施形態において、「圧着」とは、基材1aの圧下率が実質的に0である圧下を施すことをいい、「圧延」とは、基材1aの圧下率が0を超える圧下を施すことをいう。なお、圧延を施す場合は、圧下率を20%以下にすることが好ましい。
また、集電体1を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合、集電体1の薄膜化により、集電体1の表面に積層される活物質層2(図2参照)の厚さが制約されず、電池の容量を低下させることがない。また、基材1aと導電物質1bとの密着性の向上や接触面積の増加により、集電体1と活物質層との間の接触抵抗を更に低減することができる。
<第3実施形態>
次に、図3(c)を参照(適宜図1参照)して、集電体1の製造方法の第3実施形態について説明する。
図3(c)に示すように、集電体1の第3実施形態の製造方法は、基材1aである金属箔の表面に、導電物質1bを含む溶液を層状に塗布して、導電物質層を形成する塗布工程S31と、導電物質層を乾燥させる乾燥工程S32と、導電物質層を乾燥させた後に金属箔が塑性変形するように圧延を施して、導電物質1bが島状に金属箔の表面に配置された構造を形成する圧延工程S33と、を順次行うものである。
(塗布工程)
まず、塗布工程S31において、導電物質1bを含む溶液を、基材1aの表面に一様に塗布する。これにより、基材1aの表面を一様に被覆する導電物質1bの層である導電物質層が積層された集電体1が形成される。
(乾燥工程)
次に、乾燥工程S32において、基材1aの表面に塗布された導電物質1bを含む溶液を乾燥させることにより、基材1aの表面に導電物質層が固着した集電体1が形成される。なお、乾燥工程S32は、室温で行うようにしてもよく、熱処理炉を用いて加熱乾燥するようにしてもよい。
(圧延工程)
そして、圧延工程S33において、導電物質層が固着した基材1aである金属箔を圧延することにより、金属箔上に固着した導電物質層が金属箔の伸びに追随できず、導電物質層が分割される。この結果、基材1aである金属箔上に導電物質1bが島状に配置された構造が形成される。
なお、圧延工程S33にて導電物質1bの島状の構造を形成するため、導電物質1bの粒径と濃度とは、第1実施形態および第2実施形態の製造方法の場合に比べて、大きなものでもよい。具体的には、導電物質1bとして炭素を用いる場合は、導電物質1bの平均粒径が0.01〜20μmで、塗布のための溶液の濃度が0.1〜50質量%とすることができる。
また、圧延工程S33においては、塗布する炭素の粒径、濃度、塗布量などに応じて、圧下率を適宜調整することにより、圧延後の基材1aの表面の導電材料1bによる被覆率を1〜80%の範囲内のものとすることができる。
圧延の方法としては、公知の各種圧延機やロールプレス機を用いることができる。
なお、圧延工程S33を行うことにより、圧着工程S23を行う場合と比較しても、同等以上の、導電物質1bの薄膜化と、基材1aとの密着性の向上とを実現することができる。
また、集電体1を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合、集電体1の薄膜化により、集電体1の表面に積層される活物質層(図2参照)の厚みが制約されず、電池の容量を低下させることがない。また、基材1aと導電物質1bとの密着性の向上により、活物質層との間の接触抵抗を更に低減することができる。
次に、本実施形態の集電体について、本発明の要件を満たす実施例と、本発明の要件を満たさない比較例とを比較して説明する。
以下の方法により、試料を作製した。
(基材)
基材として、1000系のAl合金を使用した。また、Al箔の厚さは、圧下しない試料および軽圧下(圧着)した試料は、厚さ15μmのAl箔を用いた。また、高圧下(圧延)を施した試料に関しては、圧延後の厚さが15μmとなるように、適宜に厚さの異なるAl箔を用い、導電物質として炭素を含む溶液を塗布・乾燥した後、圧延を施した。
(導電物質)
導電物質として、炭素粉(STREM CHEMICALS社製のアセチレンカーボンブラック(試料No.1〜7、10)、およびSECカーボン社製のSNE−6G膨張化黒鉛(試料No.8、9))を用いた。
(塗布工程)
塗布工程においては、導電物質を含む溶液の溶媒として水を用い、CMC(カルボキシメチルセルロース)(和光純薬工業株式会社製)樹脂を1質量%の濃度で添加した。また、溶液の塗装は、バーコーター(番手No.5)を用いて行った。
(乾燥工程)
導電物質を含む溶液をAl箔の表面に塗装した後、室温にてAl箔を保持し乾燥を行った。
(圧着工程、圧延工程)
圧延工程において、圧延は、ロール径φ100mmのスキンパスロールを用いて行った。
なお、圧下率は、圧延前および圧延後の試料(箔+導電物質)の厚みをマイクロメータを用いて測定し、式(1)により算出した。
(圧下率の算出)
圧下率は、圧延前の試料の厚さをt0、圧延後の試料の厚さをt1とすると、
(圧下率)=(t0−t1)/t0 × 100 (%)・・・式(1)
により算出した。
圧着工程における圧着は、前記した圧延と同じ装置を用いて行った。なお、圧着の場合は、圧下率を0%(基材の厚さが変化しない)とした。
また、塗布工程において、導電物質を含有する溶液の塗装に用いるバーコーターの番手No.を変えて、導電物質の基材における単位面積当たりの付着量を変化させた試料(試料No.17〜23)を作製した。これらの試料は、塗布工程で用いたバーコーターの番手No.(試料No.17〜23は、それぞれ番手No.2〜7を使用)が異なる以外は、他の試料と同様に作製した。
<評価方法>
(被覆率の評価)
導電物質(炭素)の被覆率は、日立製作所製の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)SU−70を用いて作製した試料の表面を倍率300倍にて撮影し、撮影した視野中に含まれる炭素による基材表面の被覆面積を画像処理により算出して求めた。
(溶接性の評価1)
第1の溶接性(溶接性(1))の評価は、厚さ15μmのAl箔の両面に、導電物質(炭素)が形成された試料を10枚重ね、一定圧力を加えた状態で溶接を行い、8枚以上溶接されたものを良好、7枚以下しか溶接されなかったものを不良と判定した。なお、溶接には、Yokodai.jp社製のスポット溶接機HSW−02Aを用い、電圧25V、通電時間500μ秒にて溶接を行った。
(溶接性の評価2)
第2の溶接性(溶接性(2))の評価は、厚さ15μmのAl箔の両面に導電物質(炭素)が形成された試料を10枚重ね、その外側に、それぞれ厚さ30μmおよび厚さ250μmのAl箔を重ねた状態で、上下より一定圧力を加えた状態で溶接を行い、8枚以上溶接されたものを良好、7枚以下しか溶接されなかったものを不良と判定した。なお、溶接には、ソノボンド社製の超音波溶接機MH2026/CLF2500を用い、圧力0.28MPa、出力400W、エネルギー20Jの条件で、通電時間70μ秒にて溶接を行った。
なお、溶接性の評価は、前記したスポット溶接による溶接性(1)または超音波溶接による溶接性(2)の何れか一方について行った。
(接触抵抗の評価)
試料の両面を2枚のカーボンクロスで挟み、更にその外側を接触面積1cmの2枚の銅電極で挟み、この銅電極に1kgf(9.8N)の荷重をかけて加圧し、直流電流電源を用いて7.4mAの電流を通電し、カーボンクロス間に加わる電圧を電圧計で測定した。接触抵抗は、前記した電流値、接触面積および測定した電圧から算出して求めた。同様の測定を基材のみを用いて行い、基材のみの場合と比較して接触抵抗が低減するものを接触抵抗の低減効果があると判定した。なお、基材であるAl箔のみの場合の接触抵抗は、500[mΩ・cm]であった。
(電池の内部抵抗の評価)
Al箔の基材の片面に導電物質(炭素)が形成された試料(集電体)上に活物質層を形成し、リチウムイオン二次電池用の正極を作製した。活物質としてLiCoOを、導電助剤としてアセチレンブラックを、バインダーとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)を、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)をそれぞれ用いた。そして、これらを所定の割合で混合してスラリーとしたものを、試料の導電物質が形成された面に塗布し、120℃の大気中で乾燥させることにより、厚さが約25μmの活物質層を形成した。
前記した試料調整と同様の方法により、厚さ約15μmのCu箔上に、グラファイトを活物質とするスラリーを塗布・乾燥してリチウムイオン二次電池用の負極を作製し、前記した正極と組み合わせることによって、電池の内部抵抗測定用の電池セルを作製した。
作製した電池セルについて、所定のコンディショニング(調整)充放電処理を行った後に、4.2Vの充電状態から、放電レートを変化させ、各電流で放電したときの放電曲線を測定した。そして、各放電曲線における容量1mAhを放電したときの電流値と電圧値との関係をプロットし、プロットして得られた直線の傾きに基づいて電池セルの内部抵抗を算出した。
また、導電物質を有さない厚さ15μmのAl箔の基材のみを集電体として用いて、他の試料と同様に正極を作製し、この正極を用いて同様に電池セルを作製した。この電池セルについて、他の試料を用いた電池セルと同様に放電曲線を測定し、内部抵抗を算出した。そして、この基材のみの集電体を用いて作製した電池セルの内部抵抗と比較して、内部抵抗が低減するものを、内部抵抗の低減効果があると判定した。なお、基材であるAl箔のみを集電体として用いて作製した電池セルの内部抵抗は45Ωであった。
(最大高さの評価)
導電物質(炭素)の最大高さを求めるために、断面加工装置(日本電子製のクロスセクションポリッシャ(CP)SM−09010)を用いて試料断面を加工後、日立製作所製の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)SU−70を用いて試料断面方向より倍率2000倍にて20視野観察し、撮影した視野中に含まれる全ての島状炭素の高さ(基準面は基材表面の炭素の無い箇所とする)を画像処理により算出した。そして、得られた炭素の高さの平均値+標準偏差(σ)の値を最大高さとした。このように統計処理を行う理由は、ごくわずかな個数の炭素の高さが高くても特性に影響しないことから、そのような突出値を除外するためである。この統計処理により得られる値は、実質的に最大高さに相当する。
(付着量の評価)
導電物質の基材における単位面積当たりの付着量は、以下の手順により測定した。なお、本実施例において、基材における単位面積当たりの付着量とは、基材の片面の単位面積当たりの付着量である。
まず、導電物質を含有する溶液を基材に塗布して乾燥した試料の質量を測定する。次に、試料の表面を水またはアルコールで拭き取り、試料から導電物質を除去する。導電物質を除去した後の試料の質量を測定する。導電物質を除去前および除去後の試料の質量差を、基材の面積で除することで、導電物質の基材における単位面積当たりの付着量を算出する。
なお、基材(すなわち試料)は、50mm角の大きさ(すなわち、面積が2500mm)のAl箔を用いた。
表1および表2に、作製した試料の特性評価結果および良否の判定結果の一覧を示す。
なお、表1および表2において、判定結果が「○」は良好を、「×」は不良を示す。また、表1および表2において、不良と判定された数値に下線を付して示した。
表1に示したように、No.1は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が0.05質量%(すなわち0.1質量%以下)の場合を示す。この場合、炭素による被覆率が小さいため溶接性(スポット溶接による溶接性(1))は良好ではあるが、Al箔のみの場合と比較して接触抵抗の低減効果が確認されなかった。
No.6は、塗布工程における導電物質を含む溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が8質量%の場合を示す。炭素の濃度が高いため、炭素による被覆率も87%と高い値を示す。この場合、Al箔のみの場合と比較して接触抵抗の低減効果が確認されるものの、炭素による被覆率が高いため溶接性(溶接性(1))に優れなかった。
No.2〜No.5、は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が何れも0.05μmで、濃度がそれぞれ0.3質量%、0.5質量%、1質量%および6質量%(すなわち濃度が0.1〜7質量%の範囲内)の場合であり、基材であるAl箔表面の導電物質である炭素による被覆率も1〜80%の範囲内で作製されたものである。溶接性(溶接性(1))と接触抵抗の低減とが両立されていることがわかった。
No.7は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が8質量%の場合であり、試料に軽圧下(圧下率20%の圧延)を施したものである。Al箔表面の炭素による被覆率が92%と高いため、溶接性(溶接性(1))に優れなかった。被覆率は圧化率によっても調整できるが、濃度が8質量%の溶液の塗布に対して、圧下率が小さ過ぎた。
No.8およびNo.9は、何れも、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が3μmで、濃度が15質量%と高濃度ではあるが、高圧下の圧延(それぞれ圧下率50%および80%の圧延)を行ったものである。圧延によりAl箔表面の炭素による被覆率がそれぞれ70%および30%となり、1〜80%の範囲に収まっている。この場合、溶接性(溶接性(1))に優れ、接触抵抗の低減効果も確認された。
No.10は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が0.5質量%(すなわち0.1〜7質量%の範囲内)の場合であり、試料に圧着(圧下率0%の軽圧下)を施したものである。溶液の塗布により炭素の島状の構造が形成されており、圧着を施すことにより、溶接性(溶接性(1))、接触抵抗の低減効果に優れる結果となった。
No.11およびNo.12は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が何れも0.05μmで、濃度がそれぞれ0.5質量%および1.5質量%(すなわち、濃度が0.1〜7質量%の範囲内)の場合であり、基材であるAl箔表面の導電物質である炭素による被覆率も1〜80%の範囲内で作製されたものである。溶接性(超音波溶接による溶接性(2))と接触抵抗の低減とが両立され、内部抵抗も低減されていることがわかった。
No.13は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が8.5質量%の場合を示す。炭素の濃度が高いため、炭素による被覆率も89%と高い値を示す。この場合、Al箔のみの場合と比較して、接触抵抗の低減効果および内部抵抗の低減効果が確認されるものの、炭素による被覆率が高いため、溶接性(溶接性(2))に優れなかった。
No.14およびNo.15は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径がそれぞれ0.1μmおよび0.01μmで、濃度が何れも1質量%(すなわち、濃度が0.1〜7質量%の範囲内)の場合であり、基材であるAl箔表面の導電物質である炭素による被覆率も1〜80%の範囲内で作製されたものである。溶接性(溶接性(1))と接触抵抗の低減とが両立され、内部抵抗も低減されていることがわかった。
No.16は、溶液中の導電物質である炭素の平均粒径が0.05μmで、濃度が0.04質量%の場合を示す。炭素の濃度が低いため、炭素による被覆率も0.5%と低い値を示す。この場合、Al箔のみの場合と比較して、溶接性(溶接性(1))は良好であるが、接触抵抗の低減効果および内部抵抗の低減効果が確認されなかった。
導電物質の基材における単位面積当たりの付着量(以下、単に付着量という)を変化させた試料の評価結果を表2に示す。表2に示したように、導電物質の被覆率が増加すると、付着量も増加することが分かる。
試料No.17では、付着量が0.04g/mと低く、被覆率も1%未満である。このため、Al箔の基材のみの資料と比較して、接触抵抗の低減効果が確認されなかった。
また、試料No.23では、付着量は、0.60g/mと高いため接触抵抗の低減効果は大きいが、被覆率が高く、溶接性(溶接性(1))に優れなかった。
試料No.18〜22の付着量の範囲では、接触抵抗および溶接性(溶接性(1))について良好な結果が得られた。
<SEMによる観察結果>
図4に、導電物質として炭素粉を塗装して作製した集電体の試料の表面について、SEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)により観察を行った結果を示す。塗布した導電物質(炭素)を含む溶液として、炭素の平均粒径が0.05μmで、炭素の濃度が1質量%の溶液を使用した。試料表面のSEMによる観察の結果から、導電物質である炭素の凝集体がAl箔の表面に島状に付着し、Al箔の表面の一部が炭素によって被覆されずに露出していることが確認された。なお、図4において、右下部に示す1目盛りは、10μmである。
図5に、導電物質として炭素粉を塗布して作製した集電体の試料の断面について、SEMにより観察を行った結果を示す。この試料の作製条件は図4に示した試料と同等である。厚み2μm程度の導電物質が、島状に付着していることが確認された。なお、図5において、右下部に示す1目盛りは、2μmである。
図6および図7に、導電物質として平均粒径3μmの炭素粉を用い、炭素の濃度13質量%の導電物質の溶液をAl箔の表面に塗布して乾燥した後、圧下率80%で圧延を施した試料の、それぞれ表面および断面についてSEMによる観察を行った結果を示す。導電物質がAl箔の表面に島状に配置され、塗布と乾燥のみで作製した試料と比較して、導電物質が薄膜化されていることが確認された。なお、図6において、右下部に示す1目盛りは、10μmであり、図7において、右下部に示す1目盛りは、2μmである。
1 集電体(電極材料)
1a 基材
1b 導電物質
2 活物質層
10 電極

Claims (4)

  1. 金属箔からなる基材と、この基材の表面に設けた炭素を含む導電物質とを備えた電極材料であって、面積が0.1mmの正方形の視野にて観察した際に、前記導電物質の粒子凝集して前記基材の表面に島状に配置されているとともに前記導電物質による前記基材の表面の被覆率が1〜80%であり、
    前記導電物質は少なくとも前記面積の単位で均等に配置されていることを特徴とする電極材料。
  2. 前記導電物質に被覆されていない前記基材の表面は、前記金属箔の素地が露出していることを特徴とする請求項1に記載の電極材料。
  3. 金属箔からなる基材と、この基材の表面に設けた炭素を含む導電物質とを備えた電極材料であって、面積が0.1mm の正方形の視野にて観察した際に、前記導電物質が前記基材の表面に島状に配置されているとともに前記導電物質による前記基材の表面の被覆率が1〜80%であり、
    前記導電物質の一部が前記基材の内部に埋め込まれ、前記基材の表面からの前記導電物質の最大高さが3μm以下であることを特徴とする電極材料。
  4. 前記導電物質の前記基材における単位面積当たりの付着量が、0.05〜0.50g/mであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電極材料。
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