図1は、本発明の実施例1に係る画像形成システムの概略構成図である。
このシステムでは、LAN10に、画像形成装置201〜204、PC30及び31並びに管理装置40が結合され、PC30及び31がそれぞれ画像形成装置201〜204の任意の1つを選択的に利用可能となっているとともに、管理装置40により画像形成装置201〜204の利用者、用紙使用枚数、トナー残量及びエラー等が管理される。また、管理装置40が一時的に故障しても画像形成装置201〜204のそれぞれでローカルに上記管理を行えるように管理用設定情報が画像形成装置201〜204のそれぞれに変更されている。
例えば画像形成装置202〜204を新たに導入し、既設の画像形成装置201に設定されている各種設定情報のうち、画像形成装置202〜204にコピー可能なものをコピーすることにより、設定作業を簡単化する。
この場合、画像形成装置204はSNMP及びSOAPのいずれのプロトコルでも設定情報をアクセス可能であるが、画像形成装置201〜203はいずれも、SNMPのみで設定情報をアクセス可能であるとする。
本実施例1では、以下に詳説するように、設定情報のコピーを管理装置40が仲介し、画像形成装置の型式に応じアクセスプロトコルを選択して効率良くアクセスできるようにしている。
図11は、画像形成装置204のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。この画像形成装置204では、MPU21がインターフェイス22を介してROM23、RAM24、HDD25、操作パネル入力装置26、スキャナ表示装置27、プリンタネットワークインターフェイス28、ネットワークインターフェイス29及びFAX2Aに結合されている。図10では、簡単化の為に、複数種のインターフェイスを1つのブロックインターフェイス22で表している。
ROM23は、EEPROM、例えばフラッシュメモリであり、これには、OS(オペレーティングシステム)と、各種ドライバと、操作パネル入力装置26、スキャナ表示装置27、プリンタネットワークインターフェイス28及びFAX2Aを制御してこれらを機能させるためのアプリケーションと、これらの機能で用いられる各種設定情報と、LAN10を介し画像形成装置204から設定情報を読み出し又は画像形成装置204の設定情報を変更するための画像形成装置側設定情報アクセスプログラムとが格納されている。RAM24はワークエリア用であり、HDD25は画像データ格納用である。操作パネル入力装置26は、スキャナ表示装置27、プリンタネットワークインターフェイス28及びFAX2Aを操作するためのものであり、複数の操作キーと表示部とを備えている。スキャナ表示装置27は、画像ファイル作成用並びにプリンタネットワークインターフェイス28及びFAX2Aに対する画像入力用として用いられる。この画像形成装置204は、ネットワークインターフェイス29を介してLAN10に結合されている。
図1中の他の画像形成装置も、画像形成装置204と同様に構成されている。
図12は、管理装置40のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。この管理装置40では、MPU41がインターフェイス42を介してROM43、RAM44、HDD45、入力装置46、表示装置47及びネットワークインターフェイス48に結合されている。
HDD45には、仮想記憶方式のOS、各種ドライバ及びアプリケーションが格納されており、このアプリケーションには、LAN10を介して任意の画像形成装置から設定情報を読み出し、これで他の画像形成装置の設定情報を変更させるための管理装置側設定情報アクセスプログラムが含まれている。ROM43には、HDD45内のOSをRAM44上にロードするためのブートストラップが格納されている。入力装置46は、例えばキーボードとポインティングデバイスとを備えている。管理装置40は、ネットワークインターフェイス48を介してLAN10に結合されている。
図8は、上記画像形成装置側設定情報アクセスプログラムの概略機能ブロック図である。
MIB(管理情報ベース)50には、画像形成装置204の各種設定情報が格納されている。SNMPエージェント51は、MIB50に対しOID(オブジェクト識別子)を指定してMIB50内の設定情報を選択的にアクセスする。SNMPエージェント51は、管理装置40からのゲットリクエスト又はセットリクエストに対し、通信部52のUDP/IPプロトコル処理部を介して、要求された設定情報をMIB50から読み出して管理装置40に返信し、又は、MIB50に設定情報を上書き(変更)する。
ここで、画像形成装置204には、LAN10に結合されたコンピュータにインストールされているWebブラウザから、画像形成装置204を操作できるようにするために、Webサーバ53が備えられている。HTTPプロトコルは、XML文書であるSOAPメッセージのトランスポートプロトコルとして利用される。Webサーバ53は、通信部52のTCP/IP処理部から受け取ったSOAP HTTPリクエストメッセージのヘッダに含まれるリクエストURLに基づいて、このメッセージのボディに含まれるSOAPリクエストメッセージをシリアライザ/デシリアライザ(SOAPメッセージ解釈・実行エンジン)54へ渡す。
シリアライザ/デシリアライザ54は、Webサーバ53から受け取ったXML文書(SOAPリクエストメッセージ)を解釈してその結果に基づき、すなわちオブジェクト識別子とオブジェクト内のメソッド識別子とそのパラメータとに基づき、MIBアクセスオブジェクト55内のメソッドを呼び出してMIB50をアクセスさせ、その結果をXML文書(SOAPリスポンスメッセージ)にしてWebサーバ53へ渡す。
図9は、SNMPとSOAPの両プロトコルに対応したMIB50の一部概略説明図である。
このMIB50では、複数のオブジェクト間がオブジェクト内のフィールドを介してツリー状にリンクされている。Struct0、Struct00、Struct000、・・・はそれぞれフィールドのみを含むクラスのオブジェクト(インスタンス)である。
例えば、オブジェクトStruct00はフィールドParam0、Param1、Param2・・・を含んでおり、それぞれに参照値が格納されて、それぞれツリーの下位側のオブジェクトを参照している。オブジェクトStruct0のフィールドParam0、Param1、Param2、・・・はそれぞれ、設定情報グループであるサブツリーのルートノードに対応したオブジェクトStruct00、Struct01、Struct02、・・・を参照している。リーフノードに対応するオブジェクトStruct00000、Struct00001、Struct00002、・・・には、整数、浮動小数点数又は文字列のデータが設定情報として格納されている。
SNMPエージェント51では、図9中に示すように、例えばStruct0.Param0、Struct00.Param0、Struct000.Param0、Struct000.Param2、Struct0002.Param1のそれぞれを数値0、0、0、2、1と対応付け、OID=0.0.0.2.1をStruct0002のParam1、すなわちStruct0.Param0.Struct00.Param0.Struct000.Param0.Struct000.Param2.Struct0002.Param1に変換する。
MIBアクセスオブジェクト55は、SNMPエージェント51と同様に、MIB50から設定情報を読み出すgetメソッドと、MIB50内の設定情報を変更するsetメソッドとを備えている。MIBアクセスオブジェクト55がSNMPエージェント51と異なる点は、ツリーを辿らずにツリー内の任意のオブジェクトの識別子を、メソッドに引き渡すパラメータとして直接指定できるとともに、上位のオブジェクト識別子、例えばStruct00を指定してその各フィールドが参照するオブジェクトの全体、すなわちオブジェクトStruct00をルートノードとするサブツリーの全体を一括してアクセスできる点である。例えば、getメソッドget(Struct00)により、すなわちグループIDでもあるパラメータStruct00をgetメソッドgetに引き渡すことにより、グループStruct00の全設定情報を読み出すことができる。
図10は、上記管理装置側設定情報アクセスプログラムの概略機能ブロック図である。
設定情報コピー制御部60は、設定情報コピー用プロトコルとしてSNMPを選択した場合、SNMPマネージャ61に対し、コピー元又はコピー先の画像形成装置内のSNMPエージェント51のURL、SNMPエージェント51内のメソッド及びこのメソッドに引き渡すパラメータとしてのOIDを指定して、それぞれ設定情報の読出要求(ゲットリクエスト)又は変更要求(セットリクエスト)を行う。
SNMPマネージャ61は、設定情報コピー制御部60からのこの要求に対し、通信部62、指定された画像形成装置の通信部52及びSNMPエージェント51を介して、MIB50から設定情報を読み出させ又はMIB50内の設定情報を変更させる。SNMPマネージャ61は、読み出された設定情報を、通信部62を介し受け取り、変数(メモリ)に保持する。
設定情報コピー制御部60は、設定情報コピー用プロトコルとしてSOAPを選択した場合、SOAPプロキシオブジェクト63のMIBアクセスプロキシオブジェクト631内のgetメソッド又はsetメソッドsetを介し、あたかもMIB50がローカルに存在するかのようにリモートMIB50をアクセスする。このSOAPプロキシオブジェクト63は、WebサービスであるMIBアクセスオブジェクト55のWSDLファイルを用いて生成されたプロキシクラスのインスタンスである。
getメソッド又はsetメソッドsetには、上述のようにMIB50内のアクセス対象のオブジェクト識別子がパラメータとして引き渡される。このgetメソッド又はsetメソッドの呼び出しに応答して、SOAPプロキシオブジェクト63内のシリアライザ/デシリアライザ632により、この呼び出し情報がXML文書(SOAPリクエストメッセージ)に変換され、Webクライアント64に渡される。Webクライアント64はこれをHTTPリクエストボディとし、これにHTTPヘッダを付加し、通信部62のTCP/IP処理部を介してシリアライザ/デシリアライザ54宛に送信する。シリアライザ/デシリアライザ54で上述の動作が行われてMIBアクセスオブジェクト55を介しMIB50がアクセスされ、読み出しの場合にはその結果が構成要素54〜52、62〜632を介してMIBアクセスプロキシオブジェクト631に返され、getメソッドのパラメータ(オブジェクト識別子)で識別されるオブジェクトがメソッドの戻り値としてメモリに保持される。
設定情報コピー制御部60は、入力装置46からのファイル保存指示入力に応じ、この戻り値であるツリー構造のオブジェクトを、対応する構造のXMLファイルにして、HDD45に格納する。このファイルは、保存時点でのコピー元設定情報として用いることができる。すなわち、ファイルから画像形成装置へ設定情報をコピーすることができる。画像形成装置間で設定情報を直ちにコピーする場合には、上記メモリに保持されているオブジェクトを、設定情報としてコピー先画像形成装置へ送信する。
本実施例1によれば、SNMPプロトコルに加えてSOAPプロトコルを用いても、通常のローカルオブジェクトと同様にMIB50をアクセスすることができるので、設定情報コピー制御部60の構成の複雑化が避けられる。
図4(A)は、図1中の画像形成装置の設定情報コピー用プロトコルとしてSNMPプロトコルを用いることができるか否か及びSOAPプロトコルを用いることができるか否かを、画像形成装置の型式と対応させて示しており、このテーブルは管理装置40のHDD45に格納され、後述のように図10の設定情報コピー制御部60において用いられる。
図4(B)は、図1中の各画像形成装置の装置ID、型式及びIPアドレス並びにSNMP及びSOAPのポート番号を示しており、このテーブルは画像形成装置との通信情報として管理装置40のHDD45に格納され、後述のように図10の設定情報コピー制御部60において用いられる。
また、図5(A)に示すように、設定情報は図9で説明したグループに分けられ、それぞれに図9中のオブジェクト識別子がグループIDとして用いられ、グループ毎に、その設定情報が各型式の画像形成装置に含まれているか否か、すなわちグループに対応した機能の有無が、フラグで表されている。図5(A)では例えば、グループStruct01の設定情報は型式LS-C8100DN及びKM-C870に含まれるが、型式LS-C5030Nには含まれないことを示している。
図5(B)は、各グループIDに含まれるリーフノードのオブジェクト内のフィールドをOIDと対応付けたリストを示す。図5(A)及び図5(B)のデータも、図11のHDD45に格納されており、後述のように図10の設定情報コピー制御部60において用いられる。
管理装置40において、不図示のメニュー画面で「画像形成装置間設定情報コピー」項目を選択すると、図6に示すような画面が表示される。
この画面には、装置ID毎に、コピー元択一用ラジオボタンとコピー先任意数選択用チェックボックスとが表示されており、管理者はこれらにチェックを入れて、任意の1つの画像形成装置から1つ以上のどの画像形成装置へ設定情報をコピーするかを決定する。また、この画面には装置ID毎にコピー内容詳細設定ボタンが表示されている。
図2は、図6の画面上のボタンのクリックイベント発生により開始されるイベントハンドラの処理を示すフローチャートである。以下、括弧内は図中のステップ識別符号である。
(S0)イベント発生源に応じて処理が分岐する。すなわち、「詳細」ボタンがクリックされた場合には、ステップS1へ進み、「開始」ボタンがクリックされた場合には、ステップS4へ進み、「戻る」ボタンがクリックされた場合には、ステップS5へ進む。
(S1)コピー元として選択された装置IDについて「詳細」ボタンがクリックされた場合には、ステップS2へ進み、コピー先として選択された装置IDについて「詳細」ボタンがクリックされた場合には、ステップS3へ進む。
(S2)図7(A)に示すようなコピー元コピー内容詳細設定画面が表示される。
選択したものだけコピーできるようにするため、設定情報が図5(A)のグループに分けられ、各グループにチェックボックスが表示され、初期状態では、その装置が有する設定情報グループの全てのチェックボックスにチェックが入れられている。管理者は、コピーしたくないグループについてポインティングデバイスでチェックボックスをクリックすることにより、チェックを外す。「全解除」ボタンをクリックすれば、全てのチェックが外される。画像形成装置がその機能を持っていないために選択できないグループは、グレイアウト表示され、チェック対象外となっている。
「戻る」ボタンをクリックすると、図6の画面に戻る。
(S3)図7(B)に示すようなコピー先コピー内容詳細設定画面が表示される。
この画面には、コピー元画面で選択された全グループのうち、コピー先が有する設定情報のグループが全てチェックされた状態になっている。管理者は、コピー先装置毎に、コピーさせたくないグループを選択してそのチェックを外すことができる。画像形成装置がその機能を持っていないために選択できないグループ及び図7(A)の画面で選択されなかったグループは、グレイアウト表示され、チェック対象外となっている。
このような選択画面により、不要な設定情報までコピーされたり、必要な設定情報が書き換えられたりするのを防止できるとともに、コピー先画像形成装置が複数であっても、コピー先画像形成装置毎にどのグループの設定情報をコピーさせるかを容易かつ効率的に選択することができる。これらの選択自体は、上述のコピープロトコルと無関係である。
図7(B)の画面で「戻る」ボタンをクリックすると、図6の画面に戻る。
(S4)設定情報コピー制御部60による図3の設定情報コピー処理が開始される。
(S10)図6の画面で選択されたコピー元の装置IDをキーとして図4(B)のテーブルを検索し、コピー元の通信情報及び型式を取得する。
(S11)この型式をキーとして図4(A)のテーブルを検索し、コピー元のプロトコルを決定する。
(S12)このプロトコルがSOAPであればステップS13へ進み、SNMPであればステップS14へ進む。
(S13)ステップS10で取得した型式に基づいて、複数のプロキシクラスの1つを選択し、ステップS10で取得した通信情報をパラメータとして、このクラスのインスタンスであるSOAPプロキシオブジェクト63を生成する。この複数のプロキシクラスは、MIBアクセスオブジェクト55の生成元のクラスのWSDLファイルに基づき予め作成されたものである。
(S14)SNMPエージェント51に対し、ステップS10で取得した通信情報をコピー先(セットリクエスト先)情報として設定する。
図7(A)の画面で選択された各設定情報グループについて、以下のステップS15〜S19の処理を行う。
(S15)図7(A)に対応した情報から、次の設定情報グループIDを読み出す。図7(A)の場合、最初はデバイスシステムの設定グループ、例えば、図5(A)中のStruct00を、パラメータとして読み出す。
(S16)ステップS15で「次の設定情報グループID」が存在すればステップS17へ進み、そうでなければ、ステップS13で生成したオブジェクトの参照をNULLにした後、ステップS20へ進む。
(S17)ステップS11で決定したプロトコルがSOAPであればステップS18へ進み、SNMPであればステップS19へ進む。
(S18)SOAPプロキシオブジェクト63のMIBアクセスプロキシオブジェクト631内のgetメソッドに、ステップS15で読み出したパラメータを引き渡して、このメソッドを呼び出す。これにより、上述のように、MIBアクセスプロキシオブジェクト631に対応した、コピー元画像形成装置内のMIBアクセスオブジェクト55内のgetメソッドが、このパラメータを伴って同様に呼び出される。これにより、MIB50から、このパラメータで識別されるオブジェクトが戻り値としてMIBアクセスオブジェクト55内のgetメソッドに返され、ひいてはMIBアクセスプロキシオブジェクト631内の上記getメソッドに返される。次に、ステップS15へ戻る。
(S19)図5(B)の、上記パラメータで識別されるリストから、OIDを順次読み出しながら、SNMPマネージャ61に対し、上述のようにしてコピー元画像形成装置のSNMPエージェント51に対するゲットリクエストを実行させる。これにより、OIDで識別される設定情報がMIB50から読み出されてSNMPエージェント51に返され、さらに管理装置40のSNMPマネージャ61に返される。次に、ステップS15へ戻る。
以下、図6の画面で選択されたコピー先装置IDのそれぞれについて、以上の処理で取得した設定情報で、対応する設定情報を変更する。
(S20)図6の画面で選択されたコピー先の装置IDをキーとして図4(B)のテーブルを検索し、次のコピー先の通信情報及び型式を取得する。
(S21)ステップS20で「次のコピー先」が存在すれば、ステップS22へ進み、そうでなければ、図3のコピー処理を終了する。
(S22)ステップS20で取得した型式をキーとして、図4(A)のテーブルを検索し、コピー先のプロトコルを決定する。
(S23)このプロトコルがSOAPであれば、ステップS24へ進み、SNMPであれば、ステップS25へ進む。
(S24)ステップS20で取得した型式に基づいて、複数のプロキシクラスの1つを選択し、ステップS20で取得した通信情報をパラメータとして、このクラスのインスタンスであるSOAPプロキシオブジェクト63を生成する。次にステップS26へ進む。
(S25)SNMPエージェント51に対し、ステップS20で取得した通信情報を、コピー先(セットリクエスト先)情報として設定する。
図7(B)の画面で選択された各設定情報グループについて、以下のステップS26〜S30の処理を行う。
(S26)図7(B)に対応した情報から、次の設定情報グループIDをパラメータとして読み出す。
(S27)ステップS26で「次の設定情報グループID」が存在すればステップS28へ進み、そうでなければステップS20へ戻る。
(S28)ステップS22で決定したプロトコルがSOAPであればステップS29へ進み、SNMPであればステップS30へ進む。
(S29)SOAPプロキシオブジェクト63のMIBアクセスプロキシオブジェクト631内のsetメソッドに、ステップS26で読み出したパラメータを引き渡して、このメソッドを呼び出す。このパラメータは、ステップS18で取得した対応するオブジェクトの参照を持っている。この呼び出しにより、上述のように、MIBアクセスプロキシオブジェクト631に対応した、コピー先画像形成装置内のMIBアクセスオブジェクト55内のsetメソッドが、このパラメータを伴って同様に呼び出され、MIB50内の、このパラメータで識別されるオブジェクトの内容が、前記取得したオブジェクトの内容で書き換えられる。次に、ステップS26へ戻る。
(S30)図5(B)の、上記パラメータで識別されるリストから、OIDを順次読み出しながら、SNMPマネージャ61に対し、上述のようにしてコピー先画像形成装置のSNMPエージェント51に対するセットリクエストを実行させる。これにより、OIDで識別される、ステップS19で取得した設定情報で、MIB50内のこのOIDで識別される設定情報が書き換えられる。次に、ステップS26へ戻る。
画像形成装置の型式毎に設定情報コピー用プロトコルが異なり、且つ、コピー先画像形成装置のそれぞれについて変更すべき設定情報のグループの組み合わせが異なっていても、以上のような画一的アルゴリズムにより、すなわち比較的簡単なソフトウェア構成により、設定情報を画像形成装置間で効率良くコピーすることができる。
上記実施例1では、コピー元が画像形成装置であったので、コピー元設定情報が、画像形成装置に現在設定されているものに限定される。一般に、設定情報は使用環境に合わせて画像形成装置毎に変更される。このため、1つの画像形成装置から複数の画像形成装置へ設定情報をコピーした後に、コピー先毎にユーザがその一部を変更しなければならなくなる場合が生じ、煩雑になる。
本発明の実施例2では、このような問題点を解決するための設定情報コピープログラムを、管理装置40に格納している。この実施例2では、コピー元の選択に多様性があるので、最初にコピー元をユーザに選択させると戸惑う虞れがある。そこで、処理を進めて慣れた後にコピー元を選択するように構成している。
図13は、このプログラムでの処理手順を示すフローチャートである。
(S30)1つ以上のコピー先画像形成装置を、ユーザに選択させる。
選択画面には、図14(A)に示すように、LAN10に接続されている複数の画像形成装置が一覧表示されている。この表は、消耗品管理等を含む各種管理に用いられるものであり、それぞれの行が画像形成装置に対応し、装置ID、トナー残量レベル、ネットワーク接続状態、IPアドレス等が記載されている。行をクリックすると、その行の背景色と文字色とが変化して選択状態となる。複数のコピー先装置を選択する場合には、キーボード上のコントロールキーを押した状態でクリックすることにより、クリック毎に前記選択が行われる。
次に、図14(A)に示すようにポップアップメニューをポイントし、「拡張機能」をポイントした後、「複数のデバイスを設定」をポイントしてクリックする。これにより、図14(B)に示すようなダイアログボックスが表示される。図15(A)は、3つのコピー先画像形成装置を選択した場合を示す。このダイアログボックスのパネルには、選択した画像形成装置の識別名が表示される。
図5(A)のテーブルに存在しない画像形成装置、例えば他のメーカの画像形成装置、MIBを備えていない画像形成装置、又はMIBのデータフォーマットが所定のものでない場合には、コピー先として選択することができない。そこで、このダイアログボックス表示前に、コピー先として選択可能か否かが判断され、選択可能なもののみその識別符号がダイアログボックスに表示される。図15(B)は、一覧表では3つの画像形成装置を選択したが、そのうちの1つのみがコピー先として選択されたことを示している。
本実施例2によれば、図14(A)の一覧表示画面は消耗品等の管理用又は印刷対象選択用として用いられるとともに設定情報コピー先画像形成装置選択用としても用いられ、また、一覧表示がダイアログボックスに比し大画面に表示されるとともに、実際に選択されたコピー先画像形成装置がダイアログボックスに表示されるので、分かりやすく、操作性がよい。
(S31)このダイアログボックスの下部に配置された「次へ」ボタンをクリックすると、ステップS32へ進み、「キャンセル」ボタンをクリックすると、図13の処理が取り消されて終了する。
(S32)図7で説明した設定情報グループ選択の画面が、図16に示すように、ダイアログボックスに表示される。各グループは、図7の場合と異なり、コピー元とコピー先とで共通になっており、また、より多くのコピー先画像形成装置を選択可能にするとともに、後述の編集機能との組み合わせ上、複雑化を避けるため、1つのグループのみ選択可能となっている。ステップ30で選択された画像形成装置のいずれもが持っている設定情報グループのみ選択可能であり、図5(A)のテーブルを参照してこれが判定され、選択できないグループはグレイアウト表示される。
(S33)このダイアログボックスの下部に配置された「次へ」ボタンをクリックすると、ステップS34へ進み、「キャンセル」ボタンをクリックすると、図13の処理を終了し、「戻る」ボタンをクリックすると、ステップS30に戻る。
(S34)図16(B)に示すように、設定情報ソース選択画面がダイアログボックスに表示される。ユーザは、「デバイスから作成」、「ファイルから作成」、「新規作成」のうちの1つを選択することができる。「デバイスから作成」は、実施例1の場合と同様に、画像形成装置から読み出した設定情報をコピーに用いることを意味し、「ファイルから作成」は、HDD45に予め格納されている設定情報ファイルの内容を読み出してコピーに用いることを意味し、「新規作成」は、設定情報ファイルを新規に作成することを意味する。後述のように、これら設定情報は他の画像形成装置へコピーする前に編集可能であるので、このダイアログボックスには、「テンプレートとして選択」と記載されている。
(S35)このダイアログボックスの下部に配置された「次へ」ボタンをクリックすると、ステップS36へ進み、「キャンセル」ボタンをクリックすると、図13の処理を終了し、「戻る」ボタンをクリックすると、ステップS32に戻る。
(S36)ステップS34で選択された設定情報ソースが画像形成装置である場合には、ステップS37へ進み、ファイルである場合には、ステップS38へ進み、新規策の場合には、ステップS39へ進む。
(S37)図17(A)に示すように、コピー元画像形成装置選択画面がダイアログボックスに表示される。このダイアログボックスのメインパネルには、コピー元として選択可能な画像形成装置の一覧表が表示され、各行が、LAN10に結合された1つの画像形成装置に対応している。行をクリックすると、上述のようにその行の背景色と文字色とが変化して、選択状態となる。次にステップS40へ進む。
コピー元として選択可能な画像形成装置は、ステップS32で選択されたグループの設定情報を含んでいる画像形成装置であり、図5(A)のテーブルを参照して決定される。
(S38)図17(B)に示すように、ファイル選択画面がダイアログボックスに表示され、そのメインパネルで、参照ボタンをクリックしてファイル一覧ダイアログを表示させた後にファイルを選択することによりファイルパスをテキストボックスに自動入力する。ファイル一覧ダイアログにファイルを表示する前に、ステップS32で選択されたグループの設定情報をファイルが含んでいるか否かが判定され、含んでいるファイルのみファイル一覧ダイアログに表示される。
2つのファイルを選択した場合には、ステップS41で両内容の合成が行われる。
次にステップS40へ進む。
(S39)所定のテンプレートファイルが読み込まれて、後述の編集画面と同様の表示が行われる。ユーザは、既定の設定情報のうち変更すべきものについて、直接入力し、又は、選択リストの中からデータを選択することにより、変更を行って、コピー元ファイルを新規作成し、HDD45に格納させる。このファイルは、ステップS38で選択可能となる。
(S40)このダイアログボックスの下部に配置された「次へ」ボタンをクリックすると、ステップS41へ進み、「キャンセル」ボタンをクリックすると、図13の処理を終了し、「戻る」ボタンをクリックすると、ステップS34に戻る。
(S41)コピー元が画像形成装置の場合には、実施例1と同様にして、設定情報の読み取りが行われてその内容がメモリに格納され、コピー元がファイルの場合にはその内容が読み出されてメモリに格納される。このメモリの内容がステップS44でのクローン作成元Sとして用いられる。ステップS38で2つのファイルを選択した場合には、図17(B)のダイアログボックス中の上側のファイル名のファイルの内容に対し、下側のファイル名のファイルの内容が図20(B)に示すように、メモリ上で上書きされて合成され、クローン作成元として用いられる。この上書きは、XMLファイル中のid属性の値が同一の要素に対して、要素単位で行われる。
(S42)図18に示すような、以上の設定(選択)の確認画面がダイアログボックスに表示される。
(S43)このダイアログボックスの下部に配置された「設定の編集」ボタンをクリックすると、ステップS44へ進み、「ファイル保存」ボタンをクリックすると、ステップS47へ進み、「完了」ボタンをクリックすると、ステップS48へ進み、「戻る」ボタンをクリックすると、ステップS36に戻り、「キャンセル」ボタンをクリックすると、ステップS32に戻る。
(S44)上記クローン作成元SがコピーされてクローンCが生成され、このクローンの内容に基づいて図19(A)に示すような設定情報編集画面がダイアログボックスに表示される。図19(B)は、このダイアログボックスでメインパネルをスクロールした状態を示す。左端の三角アイコンをクリックすると、その項目の詳細な設定情報が、アコーディオン方式により次の設定項目との間に表示される。ユーザは、変更対象の設定情報を、直接入力し、又は、選択リストの中からデータを選択することにより、変更を行う。編集した内容は、クローンCに反映される。
(S45)このダイアログボックスの下部に配置された不図示の「確定」ボタンをクリックすると、ステップS46へ進み、「キャンセル」ボタンをクリックすると、図13の処理を終了する。
(S46)編集後のクローンCの内容と、クローン作成元Mの内容が比較され、変更部分のみの内容がXMLファイル(編集部分ファイル)として保存される。保存前に、ユーザの入力に基づき又は自動的に、ファイル名が付けられる。図20(A)は、このXMLファイルの内容の具体例を示す。図20(A)中のid属性は、ステップS47で保存される内容の対応する要素のそれに一致している。次いでクローン作成元MがクローンCで置換され(M=C)、ステップS42に戻る。
この編集部分ファイルは、ステップS41で述べた下側のファイルとして用いられる。
(S47)クローン作成元Mの内容がXMLファイルとしてHDD45に保存される。保存前に、ユーザの入力に基づき又は自動的に、ファイル名が付けられる。次に、ステップS42に戻る。
(S48)クローン作成元Mの内容で、実施例1と同様にして、コピー先画像形成装置の設定情報が変更され、図13の処理を終了する。
他の点は、実施例1と同一である。
本実施例2によれば、コピー元としてファイルを選択することもできるので、使用環境に応じ設定情報が変更される前の、又は、使用環境に応じ設定情報が変更されて標準的なものになった時点での設定情報をファイルに保存しておき、その内容を、新たに導入された画像形成装置にコピーすることができる。また、画像形成装置又はファイルから読み出した設定情報を、他の画像形成装置にコピーする前に編集することができる。
このような機能により、1つの画像形成装置から複数の画像形成装置へ設定情報をコピーした後にコピー先毎にユーザがその一部を変更するという煩雑さを避けることができる。
また、選択に多様性があるコピー元を、最後に選択するので、すなわち処理を進めて慣れた後にコピー元を選択するので、操作性がよく、ユーザに煩雑感を与えずに多様性による便利感を与えることになる。編集がコピー元に対するものであり、編集機能の付加によりさらに多様性を有するので、選択順を前記のようにした方が、操作性がよく、ユーザに煩雑感を与えずに多様性による便利感を与えるという効果が高められる。
さらに、ステップS46で、編集内容のみがファイルに保存され、これをステップS38で選択すればステップS41で標準的なファイルの内容とメモリ上で合成されるので、全体としてファイル容量の増大を抑制できるとともに、標準的な設定情報にどのような変更を加えるのかを確認でき、利用勝手がよい。また、標準的な設定情報に対する少しの編集又はこれからの変更において、過去の編集内容を再利用でき、設定情報コピーにおける操作性が向上するとともに、1つ以上の標準的なファイルと1つ以上の編集部分ファイルとの組み合わせによる多様性を実現できる。
なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。
例えば、上記実施例では管理装置40により設定情報コピーを仲介する場合を説明したが、PC30、31のそれぞれで設定情報コピーを仲介する構成であってもよいことは勿論である。
また、ステップ38で1つのファイルのみ選択するようにし、ステップS46で部分編集ファイルを残さずに、編集後の内容のファイルのみ残す(上書き保存する)ようにしてもよい。さらに、図13では「キャンセル」が全キャンセルである場合を説明したが、直前のキャンセルを含むように構成してもよいことは勿論である。
また、SOAPプロトコルを用いる場合、図9に示すリーフノードに対応するStruct00000、Struct00001、Struct00002、・・・を直接、上記メソッドに引き渡すことにより、MIB50をアクセスしてもよい。
さらに、SOAPを用いる替わりに、CORBA(Common Object Request Broker Architecture)、COM(Component Object Model)又はJava(登録商標)のRMI(Remote Method Invocation)などのRPC(遠隔手続き呼び出し)技術を用いた構成であってもよい。
また、MIBアクセスオブジェクト55のみならずMIB50も含むオブジェクトのプロキシを管理装置40側に生成する構成であってもよい。