(A)実施形態
以下、本発明によるサンド装置、管理サーバ、入金残高精算機及び遊技システムを、パチンコ機、パチスロ機を有する遊技場に係る遊技システムに適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態の遊技システムの構成を示すブロック図である。図1において、この実施形態の遊技システム1は、複数の遊技機2、サンド装置3、島ユニットコントローラ4、管理サーバ5、データベース6、入金残高精算機7及びページャ基地局8を有する。
遊技機2としては、パチンコ機やスロットマシン等の種々のものがある。以下では、遊技機2がパチンコ機であるとして説明する。
サンド装置3は、各遊技機2に並設して設けられ、遊技媒体を貸し出すためのものである。この実施形態のサンド装置3は、現金又は蓄積入金残高に基づいて遊技媒体を貸し出すものであり、入金残高の蓄積や、蓄積入金残高の取り出しに、顔認証機能を利用している。
島ユニットコントローラ4は、遊技場ホール内で遊技島を構成している複数対の遊技機2及びサンド装置3に共通に設けられ、管理サーバ5と、遊技機2やサンド装置3との通信中継機能を担っているものである。なお、遊技機2やサンド装置3が、島ユニットコントローラ4によらずに、直接、管理サーバ5と通信し得るものであっても良い。
管理サーバ5は、サンド装置3毎の情報や遊技機2毎の遊技情報などの管理機能を担っていると共に、顔認証処理時の照合機能を担っているものであり、例えば、ハードディスクでなるデータベース6が関連して設けられている。データベース6には、顔データベース6aやサンドデータベース6bも含まれている。なお、管理サーバ5は、複数の遊技場に共通なものであっても良く、遊技場以外の場所に設置されているものであっても良い。
入金残高精算機7は、例えば、景品交換所や出口の近傍に配置され、入金された金額のうち、遊技媒体に変換されていない入金残高を精算するものである。
ページャ基地局8は、遊技場従業員に携帯させている図示しないページャ端末と通信を行う基地局であり、遊技場内に設けられている。
例えば、管理室などに配置されている管理サーバ5と、遊技場ホール内に配置されている遊技機2、サンド装置3、島ユニットコントローラ4、入金残高精算機7及びページャ基地局8との間の通信には、遊技場ネットワーク9が利用される。なお、遊技場ネットワーク9ではなく、専用回線などを用いた通信であっても良い。
図2は、実施形態のサンド装置3の外観を示す斜視図である。設置されている状態のサンド装置3については、その表面に設けられている、警告ランプ11、複数(図2は3個の例)の状態表示LED12a〜12c、紙幣挿入口13、硬貨投入口14、リモコン用通信窓15、表示LCD16、テンキー部17、硬貨返却口18及びCCDカメラ窓19を目視できる。
警告ランプ11は、当該サンド装置3に異常が発生したような場合(例えば、後述するような顔認証に矛盾が生じた場合)に点灯又は点滅され、警告を発するものである。
状態表示LED12a〜12cは、それぞれの点灯若しくは点滅、又は、複数の点灯若しくは点滅の組み合わせにより、当該サンド装置3又は対応する遊技機2の状態やガイダンスを表示するものである。例えば、顔認証の処理中状態などを表示するものである。
紙幣挿入口13は、入金に係る紙幣を受け付けると共に入金時の正規でない紙幣を排出させるための部分であり、硬貨投入口14は、入金に係る硬貨を受け付けるための部分である。硬貨返却口18は、入金時の正規でない硬貨を排出させる部分である。なお、入金金種を紙幣のみに限定したサンド装置であっても良く、この場合には、硬貨投入口14や硬貨返却口18は不要である。
リモコン用通信窓15は、遊技場従業員が携帯し、当該サンド装置3に対して指示などを発するリモコン送信機(図示せず)からの赤外線などによるリモコン信号を取り込むための窓部である。
表示LCD16は、管理サーバ5などから与えられたり、当該サンド装置3が形成したりした管理情報やガイダンスなどを表示するものである。テンキー部17は、遊技者や従業員などの操作情報を取り込むものである。表示LCD16とテンキー部17とで操作パネル部が構成されている。
CCDカメラ窓19は、この奥側に後述するCCDカメラ部29(図3参照)が設けられている窓部であり、後述するCCDカメラ部29は、この窓部19を介して顔認証のための撮像を行うものである。CCDカメラ窓19は、透明平板で形成されたものであっても良く、また、半球状を有する板で形成されたものであっても良い。また、CCDカメラ窓19は、CCDカメラ部29と一体となって、後述するような左右方向に揺動するものであっても良い。
なお、CCDカメラ窓19の近傍には、撮像時に遊技者が視線を向ける目標となるマーク19Aが付与されている。
図3は、実施形態のサンド装置3の電気的構成を示すブロック図である。サンド装置3は、電気的な処理構成として、制御部20、通信部21、リモコン受信部22、紙幣処理部23、硬貨処理部24、警告ランプドライバ部25、LEDドライバ部26、表示LCDドライバ部27、テンキーインタフェース部(テンキーIF部)28及びCCDカメラ部29などを有する。
制御部20は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該サンド装置3の全体の制御を司るものである。制御部20は、例えば、後述する図7〜図11、図14のフローチャートに示すような動作を、当該サンド装置3が実行するように、各部を制御する。また、制御部20は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。例えば、入金され、遊技媒体に変換されていない入金残高のデータを記憶している。
この実施形態の場合、制御部20は、当該サンド装置3及び右隣(遊技者側から見た場合における右隣)のサンド装置3R(以下、符号末尾の「R」は右隣のサンド装置の要素であることを表している)のCCDカメラ部29、29Rから与えられた撮像信号(顔画像の信号:以下では、アナログ/デジタル変換された撮像信号をいうこととする))を処理して、登録用又は認証用の一対の顔データに変換する処理を行うようになされている。一対の顔データは、正面の顔データと右横顔の顔データとでなる。CCDカメラ部29の撮像信号(以下では、アナログ/デジタル変換された撮像信号をいうこととする)を処理して得た顔データを「正面顔データ」と呼び、CCDカメラ部29Rの撮像信号を処理して得た顔データを「右横顔データ」と呼ぶこととする。また、正面顔データを作成する元となる撮像信号を正面信号と呼び、右横顔データを作成する元となる撮像信号を右横顔撮像信号と呼ぶこととする。
制御部20は、正面撮像信号及び右横顔撮像信号用の一対の基準濃淡データ20a、20aRを内部記憶しており、CCDカメラ部29、29Rからの正面撮像信号又は右横顔撮像信号を正面顔データ又は右横顔データに変換する際には、後述するように、予め、基準濃淡データ20a、20aRを利用した正面撮像信号又は右横顔撮像信号に対する濃淡補正を行うものである。濃淡補正機能については、動作説明の項で詳述する。
基準濃淡データ20a、20aRは、例えば、サンド装置3、3Rの設置時などに、メーカー関係者や遊技場関係者などの設定作業者によって設定され、その後、固定的に保持するものである。基準濃淡データ20a、20aRとしては、例えば、遊技機2正面の遊技者の位置に関係者を着席させ、携帯型の照明器具によって、遊技機2の島位置に関係なく照明環境を所定環境にしてCCDカメラ部29、29Rによって撮像した正面撮像信号、右横顔撮像信号から、設定作業者が背景部分の領域を指定し、その領域内の正面撮像信号、右横顔撮像信号を用いる。例えば、正面撮像信号又は右横顔撮像信号に、対向する位置の遊技機(パチンコ機又はパチスロ機)の上部に設けられている台番号が映っているような場合には、正面撮像信号又は右横顔撮像信号における台番号を含む小さな領域の信号を、基準濃淡データ20a、20aRとして設定する。
なお、以上のような基準濃淡データ20a、20aRの取得、設定のために、図示は省略するが、サンド装置3は、モニタ部を有する設定用の保守端末との接続コネクタを有し、端末と制御部20との間で信号を授受できるようになされている。なお、通信部21を介した信号授受であっても良い。
なお、照明環境を所定環境にして撮像しても時間帯によって所定環境の達成度合が異なる恐れもあるので、基準濃淡データ20aとして、後述する濃淡補正がし易いように、時間帯ごとに別個のものを用意しておくようにしても良い。
この実施形態の場合、顔認証には、上述のように、一対の顔データを利用することとしている。右端のパチンコ機の併設サンド装置のように、右隣のサンド装置が存在しなくても、一対の顔データが得られるように、右端のパチンコ機の右側に、撮像機能のみを有する薄型装置(以下、撮像専用サンド装置と呼ぶ)を設けておく。この撮像専用サンド装置も、顔認証のための撮像機能面からは、一般的なサンド装置3と同様なものである。
また、この実施形態では、1回の撮像で複数枚の画像を撮像するので、制御部20内のメモリは、それに対応できるメモリ容量を有するものである。
通信部21は、制御部20の制御下で、遊技機2、島ユニットコントローラ4、管理サーバ5などとの通信を実行するものである。図3ではまとめて表記しているが、遊技機2用の通信部は、他の装置用の通信部と別個になっていることが多い。管理サーバ5は、サンド装置3に対しては、1台ずつを順番に通信相手とするポーリング方式を採用しており、通信部21は、そのようなポーリングに応じて、管理サーバ5と通信を行う。なお、入金残高精算機7もサンド装置3と同様に、管理サーバ5からのポーリング方式の対象としても良い。
なお、当該サンド装置3は、右隣のサンド装置(撮像専用サンド装置の場合もある)3Rとは島ユニットコントローラ4を介して通信する。
リモコン受信部22は、上述したリモコン用通信窓15を介して、遊技場従業員が携帯しているリモコン送信機(図示せず)からのリモコン信号を受信して、制御部20に与えるものである。
紙幣処理部23は、図示しない紙幣の搬送構成や認識構成や貯留構成などを直接制御するものであり、上述した紙幣挿入口13から挿入された紙幣の真偽判定や金種判定などを行い、挿入された紙幣の情報を制御部20に与えるものである。なお、紙幣挿入口13に挿入されたものを偽紙幣と判定した場合には、紙幣処理部23は、その判定用紙を紙幣挿入口13から排出させる処理を行う。
硬貨処理部24は、図示しない硬貨の搬送構成や認識構成や貯留構成などを直接制御するものであり、上述した硬貨投入口14から投入された硬貨の真偽判定や金種判定などを行い、投入された硬貨の情報を制御部20に与えるものである。なお、硬貨処理部24は、硬貨投入口14に投入されたものが偽硬貨と判定した場合には、その偽判定の硬貨を硬貨返却口18から排出させる処理を行う。なお、当該サンド装置3が取り扱うことができる硬貨を、五百円硬貨に限定するようにしても良い。これによって、硬貨の真偽判定や金種判定などが容易になる。
警告ランプドライバ部25は、制御部20の制御下で、警告ランプ11を駆動するものであり、LEDドライバ部26は、制御部20の制御下で、状態表示LED12a〜12cを駆動するものである。
表示LCDドライバ部27は、制御部20の制御下で、表示LCD16を駆動するものである。表示LCD16には、例えば、遊技媒体への変換が可能な入金残高データやその他のデータやメッセージが表示される。テンキーインタフェース部28は、テンキー部17に対する操作をセンスして操作信号を制御部20に通知するものである。
CCDカメラ部29は、制御部20の制御下で、CCDカメラ窓19を介して遊技者の顔を撮像し、その画像信号を制御部20に与えるものである。この実施形態の場合、CCDカメラ部29は、図示は省略するが、モノクロCCDカメラと、このCCDカメラが設けられていて、左右方向に揺動(回動)する左右方向調整機構とを有している。
図2及び図3に示したサンド装置3は、遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を備えず、遊技機2の遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を起動制御するものであるが、遊技媒体の排出機能(球貸し機能)を備えたものであっても良い。
図4は、実施形態の管理サーバ5の電気的構成を示すブロック図である。図4において、管理サーバ5は、制御部30、通信部31及びデータベースアクセス部(DBアクセス部)32などを有する。
制御部30は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該管理サーバ5の全体の制御を司るものである。制御部30は、例えば、後述する図12、図13、図16及び図17のフローチャートに示すような動作を、当該管理サーバ5が実行するように、各部を制御する。また、制御部30は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。
通信部31は、制御部30の制御下で、サンド装置3(及び遊技機2との組)、島ユニットコントローラ4、入金残高精算機7、ページャ基地局8などとの通信を実行するものである。図4ではまとめて表記しているが、通信相手によって選択的に使用される複数の通信部を備えていても良い。通信部31は、各サンド装置3に対してはポーリング方式に従って通信を行うものである。
データベースアクセス部32は、制御部20の制御下で、データベース6をアクセスし、データを書き込んだり読み出したりするものである。
図5は、データベース6における顔データベース6aの構成を示す説明図である。顔データベース6aの1レコードは、正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔データ、右横顔データ、登録時刻データ、入金残高データ、サンド履歴データなどのフィールド(項目)を含んでいる。
この実施形態の場合、レコードの登録時には、サンド装置3において、複数枚の撮像画像から1枚の撮像画像の選定処理を行っており、正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔幅データ、正面顔データ及び右横顔データは、選定された撮像画像についてのものである。
正面顔データは、いずれかのサンド装置3が、当該サンド装置3に対応する遊技機2の遊技者の顔画像(正面の顔画像)のデータ(撮像信号)そのもの又はその顔画像データを処理して得た顔の特徴データである。右横顔データは、正面顔データの撮像元のサンド装置3に対し、右隣のサンド装置3Rが撮像した、サンド装置3に対応する遊技機2の遊技者の顔画像(右横側の画像)のデータそのもの又はその顔画像データを処理して得た顔の特徴データである。
正面顔幅/右横顔幅データは、正面顔幅データの右横顔の幅データに対する比になっている。正面顔幅データは、例えば、撮像信号に対してエッジ検出処理を行った後、対応するエッジ線を連結して(切れ切れのエッジ線をその方向性などを考慮して連結する)連続線とした後、顔の輪郭部分を特定し、その輪郭部分における垂直方向に所定位置の幅データ(左右の輪郭線間の水平方向の長さのデータ)を採用する。ここで、所定位置の幅データとは、垂直方向の全ての幅データのうち、最大の幅データであっても良く、また、撮像画像について垂直方向に予め定められた位置(例えば垂直方向に1/2の位置)の幅データであっても良い。右横顔の幅データも同様な処理によって算出したものである。
なお、顔データベース6aの各レコードは、正面顔幅/右横顔幅データによってソーティングされているものである。一般的な顔認証とは異なり、この実施形態での顔データは不特定者のものである。そのため、顔データの照合の際に、他の情報から照合に用いる顔データの範囲を狭めることがほとんどできず、ソーティングによって多少なりとも照合時間の短縮を図っている。
登録時刻データは、当該レコードが形成された時刻(日時情報を含む)である。入金残高の現金への精算は、例えば、入金残高を蓄積したその日限りに認めることとする。この場合、登録時刻データに基づいて、現金精算を行っても良いか否かを判別する。また例えば、データベース6に蓄積した入金残高データの取り出しは、当初の蓄積時点(登録時)から所定期間(例えば1ヶ月)を限って認めるようにしても良く、この場合も、登録時刻データが基準となる。
入金残高データは、遊技媒体への変換が可能な入金残高の額であり、この入金残高を遊技媒体に変換する際には、登録されている顔データ(正面顔データ、右横顔データ)と、その際に撮像によって得た顔データとの一致が必要となっている。
サンド履歴データは、顔幅データ及び顔データを含む送信データが到来したときに、顔幅データ及び顔データを除く部分を受信時刻と共に格納する部分である。
サンドデータベース6bは構成の図示は省略するが、サンド装置3毎の各種データを格納しているものである。例えば、現金入金の入金額と入金時刻のデータが格納されている。また例えば、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中であるか否かのデータが格納されている。但し、サンドデータベース6bには、顔データは格納されていない。
図6は、実施形態の入金残高精算機7の電気的構成を示すブロック図である。図6において、入金残高精算機7は、電気的な処理構成として、制御部40、通信部41、紙幣処理部42、硬貨処理部43、警告ランプドライバ部44、状態LEDドライバ部45、キーインタフェース部(キーIF部)46及び一対のCCDカメラ部47L、47Rなどを有する。
制御部40は、例えば、CPU、ROM、RAMなどでなるものであり、当該入金残高精算機7の全体の制御を司るものである。制御部40は、例えば、後述する図15のフローチャートに示すような動作を、当該入金残高精算機7が実行するように、各部を制御する。また、制御部40は、制御動作に必要なデータを記憶しているものである。
この実施形態の場合、制御部40は、CCDカメラ部47L、47Rから与えられた撮像信号を処理して正面顔データ又は右横顔データに変換する処理を行うようになされている。制御部40は、正面撮像信号及び右横顔撮像信号用の一対の基準濃淡データ40a、40aRを内部記憶しており、CCDカメラ部47L、47Rからの選定した正面撮像信号又は右横顔撮像信号を正面顔データ又は右横顔データに変換する際には、後述するように、予め、基準濃淡データ40a、40aRを利用した正面撮像信号、右横顔撮像信号に対する濃淡補正を行うものである。
通信部41は、制御部40の制御下で、管理サーバ5との通信を実行するものである。管理サーバ5は、入金残高精算機7に対しても、サンド装置3と同様にポーリング対象としても良く、この場合であれば、通信部41は、ポーリングに応じて、管理サーバ5と通信を行う。なお、ポーリング対象とはせずに、通信部41が管理サーバ5との通信を行うものであっても良い。
紙幣処理部42は、図示しない紙幣の搬送構成や紙幣の貯留構成などを直接制御するものであり、制御部40の制御下で、入金残高の返金において紙幣の排出が必要なときに、指示された金種の紙幣を指示された枚数だけ、図示しない紙幣排出口に排出させるものである。
硬貨処理部43は、図示しない硬貨の搬送構成や貯留構成などを直接制御するものであり、制御部40の制御下で、入金残高の返金において硬貨の排出が必要なときに、指示された種類の硬貨を指示された枚数だけ、図示しない硬貨排出口に排出させるものである。
警告ランプドライバ部44は、制御部40の制御下で、図示しない警告ランプを駆動するものである。
状態LEDドライバ部45は、制御部40の制御下で、図示しない1又は複数の状態LEDを駆動するものである。状態LEDの点灯若しくは点滅(又はそれらの組み合わせ)によって、撮像位置に設けられている椅子(図示せず)への着席を遊技者に促したりする。キーインタフェース部46は、図示しない精算キーや係員呼び出しキーなどに対する操作をセンスして操作信号を制御部40に通知するものである。
CCDカメラ部47L、47Rは、制御部40の制御下で、撮像位置に設けられている椅子に着席している遊技者を撮像し、その画像信号を制御部40に与えるものである。ここで、入金残高精算機7における撮像位置に設けられている椅子とCCDカメラ部47Lとの位置関係は、遊技機2の前の椅子と、その遊技機2に対応するサンド装置3におけるCCDカメラ部29との関係と同様であり、入金残高精算機7における撮像位置に設けられている椅子とCCDカメラ部47Rとの位置関係は、遊技機2の前の椅子と、その遊技機2に対応するサンド装置3の右隣のサンド装置3RにおけるCCDカメラ部29Rとの関係と同様である。なお、入金残高精算機7のCCDカメラ部47L、47Rは、例えば、サンド装置3のCCDカメラ部29とは異なり、左右方向の揺動機構が設けられていなくても良い。
また、CCDカメラ部47Lの撮像用の窓(図示せず)の近傍には、撮像時に遊技者が視線を向ける目標となるマーク(図示せず;図2の符号19A参照)が付与されている。
遊技機2、島ユニットコントローラ4及びページャ基地局8の詳細構成は、従来からのものと同様であるので、その詳細構成の説明は省略する。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態の遊技システム1の特徴動作を説明する。この実施形態は、入金残高の蓄積や引き出しに顔認証を利用すると共に、複数の撮像信号からの選定機能、選定された撮像信号に対する濃淡補正機能を導入したことを特徴とするものである。
図7は、実施形態のサンド装置3の待機状態からの処理分岐の概要を示すフローチャートである。
サンド装置3の制御部20は、待機状態においては、球貸しが指示されたか、現金が入金されたか、顔認証を用いた入金が指示されたか、入金残高の返金が指示されたかを繰り返し監視している(S100〜S103)。
当該サンド装置3の球貸しキー、又は、当該サンド装置3と組をなす遊技機2の球貸しキーが操作された場合には、制御部20は、自己が内部で記憶している入金残高データが0であるか否かを確認し(S104)、入金残高データが0であれば直ちに待機状態に戻り、入金残高データが0以外であると、球貸し処理を実行した後(S105)、待機状態に戻る。
球貸し処理では、詳細な処理の図示は省略しているが、制御部20は、図示しない遊技媒体の排出機構と連携して遊技機2の遊技媒体受け台へ所定数の遊技媒体を排出させると共に、内部記憶する入金残高データを、1単位分だけ減少させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ、また、入金残高データの変動を管理サーバ5に通知する。このとき、管理サーバ5は、データベース6における各サンド装置3毎(又は各遊技機2毎)のデータを格納しているサンドデータベース6bの、当該サンド装置3の入金残高データを更新する。
なお、管理サーバ5への各種データの通知(送信)は、管理サーバ5が当該サンド装置3にポーリングによって送信権を与えたタイミングで実行される。以下、ポーリングについていちいち言及しないが、同様に、サンド装置3から管理サーバ5へのデータ送信は、ポーリングのタイミングで実行される。
また、サンド装置3の制御部20は、紙幣処理部23や硬貨処理部24からの入金通知があると、すなわち、現金入金があると、詳細処理の図示は省略しているが、内部記憶する入金残高データを入金分だけ増加させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ、また、入金残高データの変動を管理サーバ5に通知して管理サーバ5の入金残高データも更新させ(S106)、そして、待機状態に戻る。
サンド装置3の制御部20は、入金残高の返金(蓄積)が指示された場合には、図8に示す返金処理に移行し、顔認証を用いた入金が指示された場合には、図11に示す顔認証を用いた入金処理に移行する。
サンド装置3のテンキー部17などに設けられている返金キー、又は、サンド装置3に対応する遊技機2に設けられている返金キーが操作された場合には、言い換えると、入金残高の返金が指示された場合には、サンド装置3の制御部20は、図8に示すように、まず入金残高データが0であるか否かを確認し(S150)、入金残高データが0であると、図7に示した待機状態に戻る。
一方、サンド装置3の制御部20は、入金残高データが0以外であると、撮像開始時刻を定め(なお、撮像時間(例えば3秒)は固定的に定まっている)、状態表示LED12a〜12cの点灯又は点滅の組み合わせ(1個のみ点灯若しくは点滅する場合を含む;以下同様)によって、又は、表示LCD16のメッセージ表示によって、まもなく(10秒後から)撮像を開始し、所定時間(3秒後)だけ撮像する旨や、撮像時には、マーク19Aに視線を向けながら顔を左右にゆっくり動かせることを求める旨を遊技者に通知すると共に(S151)、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rに、撮像開始時刻を含む撮像の指示を与える(S152)。
サンド装置3の制御部20は、図8では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rから、撮像指示に対する受信応答があったことを条件とし、上記撮像開始時刻から所定時間の間、CCDカメラ部29によって撮像させ(S153)、また、右隣のサンド装置3RのCCDカメラ部29Rが撮像した所定時間の右横顔撮像信号を取り込む(S154)。なお、撮像指示に対する受信応答がない場合には、撮像指示を右隣のサンド装置3Rに再送する。
なお、所定時間の撮像では、この時間の間に、連続的に撮像するようにしても良く、また、間欠的に撮像するようにしても良い。後者の方が撮像枚数が少なくなる反面、選定した画像でも最適でないことも生じる。
図8では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rは、撮像指示が与えられると、撮像が可能な状態であることを確認して(撮像が不可能な場合は、例えば、自サンド装置に係る遊技者に対する撮像の準備又は動作を実行している場合(図8のS153の処理を開始している場合)、受信応答を返信すると共に、自己のCCDカメラ部29Rに対し、右横顔撮像のための揺動を指示し、その後、撮像指示に含まれている撮像開始時刻から所定時間だけ、CCDカメラ部29Rによって撮像させ、得られた撮像信号(右横顔撮像信号)を、指示元のサンド装置3の制御部20に送信する。
なお、各サンド装置3のCCDカメラ部29における待機時の向きは、当該サンド装置3の遊技者を撮像する方向である。
上述のように、撮像時には、遊技者は、当該サンド装置3のCCDカメラ窓19の近傍のマーク19Aを向きながら、左右に顔を振ることになる。
その後、サンド装置3の制御部20は、CCDカメラ部29が得た複数の正面撮像信号から1つの正面撮像信号の選定を行う(S155)。この正面撮像信号の選定は、選定された正面撮像信号と同時刻に撮像された右横顔撮像信号の選定にもなっている。例えば、サンド装置3の制御部20は、各正面撮像信号のそれぞれについて、垂直方向に所定位置の幅データを算出し、算出された幅データの最大値を与える正面撮像信号を選定する。
次に、サンド装置3の制御部20は、選定された正面撮像信号及び右横顔撮像信号に対し、設定されている基準濃淡データ20a、20aRを利用して濃淡補正を行う(S156)。
図9は、このステップS156の撮像信号に対する濃淡補正動作の詳細を示すフローチャートである。図9は、正面撮像信号に対する濃淡補正動作、右横顔撮像信号に対する濃淡補正動作の順に処理を行う例を示している。
制御部20は、まず、正面撮像信号において、基準濃淡データ20aに対応する領域を認識する(S175)。この認識では、基準濃淡データ20aの位置情報が固定であるので、正面撮像信号におけるその領域との一致度(例えば、対応する位置の画素値間の差の2乗和を適用する)を算出すると共に、その位置より、画素単位で、水平方向や垂直方向に数画素(1〜5画素)ずらした他の候補領域との一致度も算出し、最も一致している(一致度の値が最も小さい)候補領域を、対応する領域と認識する。なお、第3者が通路を通過した瞬間に撮像したような、最も高い一致度でも閾値より小さい場合には、対応する領域が認識し得ない場合に行う後述するような処理を行う。
次に、制御部20は、認識領域での最小輝度及び最大輝度を検出し(S176)、検出された最小輝度min及び最大輝度maxと、基準濃淡データ20aにおける最小輝度MIN及び最大輝度MAX(これらをこのときに検出するようにしても良く、設定時に、これらも設定するようにしても良い)とに基づいて、正面撮像信号における各輝度の補正関数を決定する(S177)。そして、制御部20は、決定した補正関数に従って、正面撮像信号を補正する(S178)。
図10は補正関数の一例の説明図である。図10において、横軸(x軸)は正面撮像信号における輝度を変数とした座標軸であり、縦軸(Y軸)は基準濃淡データ20aにおける輝度を変数とした座標軸である。正面撮像信号における輝度は、基準濃淡データ20aにおける輝度と一致していることが望ましく、すなわち、図10における傾き45度の直線L0が両輝度の理想的な関係を表している。そのため、正面撮像信号における輝度直線L1を直線L0に補正させる関数が補正関数となる。
制御部20は、右横顔撮像信号に対しても、ステップS175〜S178と同様な濃淡補正動作を行う(S179〜S182)。
図8に戻って、制御部20は、濃淡補正動作を終了すると、正面撮像信号及び右横顔撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる正面顔データ及び右横顔データへの変換を行うと共に、正面顔幅/右横顔幅データを算出し(S157)、得られた正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔データ及び右横顔データを一旦バッファリングする(S158)。撮像信号を顔データへ変換する圧縮方法は、既存の任意の方法を適用できる。上述したように、撮像信号を圧縮することなく、送信信号とするようにしても良い。
なお、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中においては、返金を拒否するようにしても良い。すなわち、撮像を実行する際には、他の処理を禁止し、明確に撮像のタイミングを規定するようにする。なお、顔データは個人に帰属する情報であるので、蓄積返金時に初めて登録させ、不必要な登録を実行しないようにしている。なお、図8では省略しているが、撮像に失敗した場合や、撮像信号において基準濃淡データに対応する領域を認識できない場合等では、状態表示LED12a〜12cの表示内容や表示LCD16の表示メッセージを再撮像を行う旨の内容とし、撮像を再度行うようにする。
サンド装置3の制御部20は、自己が送信権を獲得したときには、蓄積用であることを表すデータ、当該サンド装置3のID、入金残高データ、正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔データ及び右横顔データを少なくとも含む蓄積用送信データを管理サーバ5に送信し(S159)、状態表示LED12a〜12c又は表示LCD16に撮像終了を表示し(S160)、管理サーバ5からの蓄積完了通知を待ち受ける(S161)。なお、この蓄積用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
管理サーバ5の制御部30は、蓄積用送信データを受信すると、図12に示すように、顔データベース6aへの入金残高データの蓄積動作を行うと共に(S200〜S203)、サンドデータベース6bにおける入金残高データを0クリアし(S204)、その後、蓄積用送信データを送信したサンド装置3に対するポーリング送信によって、蓄積完了を通知する(S205)。
管理サーバ5の制御部30による顔データベース6aへの入金残高データの蓄積動作は、例えば、以下の通りである。制御部30は、受信した顔データ(正面顔データ及び右横顔データ)と合致する顔データのレコードが既に存在するかを確認する(S200)。存在している場合には、そのレコードの入金残高データを、当初の値に受信した入金残高データの値を加算したものに更新すると共に、サンド履歴データに、今回の受信に係る履歴データを追加する(S201)。受信した顔データと合致する顔データのレコードが、顔データベース6aに存在していない場合には、受信した顔データ用の新たなレコードを設定し(S202)、顔データのフィールドには受信した顔データを挿入し、登録時刻データのフィールドには制御部30が内蔵するタイマによる今回の受信時刻を挿入し、入金残高データのフィールドには受信した入金残高データを挿入し、サンド履歴データのフィールドには今回の受信に係るデータを挿入する(S203)。受信した顔データ用の新たなレコードの設定では、顔データに基づいたソーティングを行っている。
顔データベース6aに、受信した顔データと合致する顔データのレコードが存在するとは、正面顔幅/右横顔幅データも、正面顔データも、右横顔データもそのレコードの格納データと合致していると判断できるレベルのものである。なお、まず最初に、正面顔幅/右横顔幅データに基づいて、候補レコードを絞り込み、次に、絞り込んだレコードについて、正面顔データだけで合致度を判断し、その合致度が第1の閾値以上であれば、右横顔データについては合致判断を省略して合致するとし、正面顔データについての合致度が第1の閾値より小さく、第2の閾値以上のときには、右横顔データを用いた合致判断を行うようにし、平均的な合致判断の時間を短縮するようにしても良い。正面顔データについての合致度が第2の閾値より小さいときは合致しないと判断する。
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から蓄積完了通知が与えられると、入金残高データの表示を0クリアし(S162)、図7の待機状態に戻る。
サンド装置3の制御部20は、待機状態において、サンド装置3のテンキー部17などに設けられている蓄積残高呼出キーが操作された場合には、言い換えると、顔認証を用いた入金が指示された場合には、図11に示すように、撮像開始時刻を定め、状態表示LED12a〜12cの点灯又は点滅の組み合わせによって、又は、表示LCD16のメッセージ表示によって、まもなく(10秒後から)撮像を開始し、所定時間(3秒後)だけ撮像する旨や、撮像時には、マーク19Aに視線を向けながら顔を左右にゆっくり動かせることを求める旨を遊技者に通知すると共に(S250)、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rに、撮像開始時刻を含む撮像の指示を与える(S251)。
サンド装置3の制御部20は、図11では省略しているが、右隣のサンド装置3Rの制御部20Rから、撮像指示に対する受信応答があったことを条件とし、上記撮像開始時刻から所定時間の間、CCDカメラ部29によって撮像させ(S252)、また、右隣のサンド装置3RのCCDカメラ部29Rが撮像した所定時間の右横顔撮像信号を取り込む(S253)。
上述のように、このときの撮像時にも、遊技者は、当該サンド装置3のCCDカメラ窓19の近傍のマーク19Aを向きながら、左右に顔を振ることになる。
その後、サンド装置3の制御部20は、CCDカメラ部29が得た複数の正面撮像信号から1つの正面撮像信号の選定を行う(S254)。
次に、サンド装置3の制御部20は、選定した正面撮像信号及び右横顔撮像信号に対し、設定されている基準濃淡データ20a、20aRを利用して濃淡補正を行い(S255)、濃淡補正された正面撮像信号及び右横顔撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる顔データへ変換すると共に、正面顔幅/右横顔幅データを算出し(S256)、得られた正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔データ及び右横顔データを一旦バッファリングする(S257)。
なお、当該サンド装置3に対応する遊技機2が遊技中においては、顔認証による入金を拒否するようにしても良い。すなわち、撮像時には他の処理を禁止し、明確に撮像のタイミングを規定するようにする。
サンド装置3の制御部20は、自己が送信権を獲得したときには、引出用であることを表すデータ、当該サンド装置3のID、正面顔幅/右横顔幅データ及び顔データを少なくとも含む引出用送信データを管理サーバ5に送信し(S258)、撮像終了を遊技者に通知し(S259)、管理サーバ5からの入金通知などの返信を待ち受ける(S260〜S263)。なお、この引出用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
管理サーバ5の制御部30は、引出用送信データを受信すると、図13に示すような顔データベース6aからの入金残高データの引出動作を行う。
管理サーバ5の制御部30は、正面顔幅/右横顔幅データに基づいて、候補レコードを絞り込んだ上で、受信した顔データと合致する顔データ(正面顔データ及び右横顔データ)のレコードが顔データベース6aに存在するか否かを確認する(S300)。受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在するとする判断基準は、上述の残高蓄積の際の判断基準と同様である。
存在している場合には、そのレコードの入金残高データが0か否かを判別する(S301)。入金残高データが0以外であると、管理サーバ5の制御部30は、そのレコードの入金残高データを含む入金通知を形成してサンド装置3に返信し(S302)、当該レコードの入金残高データを0クリアし、履歴データに今回の内容を追加すると共に、サンドデータベース6bにおける当該サンド装置3についての入金残高データの更新も行う(S303)。
これに対して、受信した顔データと合致する顔データのレコードにおける入金残高データが0であると、管理サーバ5の制御部30は、サンド履歴データに基づいて、直前に引出を行ったサンド装置(以下、このサンド装置の符号を3Xとする)と引出時刻とを認識し、その直前に引出を行ったサンド装置3Xについてのサンドデータベース6bの格納内容などに基づいて、サンド装置3Xの現在の状態が不正の可能性があるものか否かを判別する(S304)。
遊技者がサンド装置3Xにおいて蓄積残高の引出しを行って遊技を行い、残高を再度蓄積することなく、サンド装置3Xに残高を残したまま、他のサンド装置3の位置に移動して蓄積引出を要求した場合において、前のサンド装置3Xに対する次の遊技者が、前の遊技者が残していった残高をそのまま流用して遊技している可能性があると、管理サーバ5の制御部30は、認識することができる。顔データベース6a及びサンドデータベース6bの格納内容に基づいて、前のサンド装置3Xにおける引出時刻以降、サンド装置3からの今回の引出要求の間に、前のサンド装置3Xに対する現金の入金がないのに、前のサンド装置3Xに入金残高があることを検出することにより、上述した不正の可能性がある状況を管理サーバ5の制御部30は認識することができる。
直前に引出を行ったサンド装置3Xの現在状態が不正の可能性がある状態であると、管理サーバ5の制御部30は、サンド装置3Xに対しては使用不可通知を形成して送信すると共に(S305)、今回受信した引出用送信データの送信元のサンド装置3に対しては、サンドデータベース6bにおけるサンド装置3Xについての入金残高データを含む入金通知を形成してサンド装置3に返信し(S306)、受信顔データのレコードの入金残高データを0クリアし、履歴データに今回の内容を追加すると共に、サンドデータベース6bにおける当該サンド装置3についての入金残高データの更新も行い(S307)、サンド装置3Xを担当する遊技場従業員が携帯するページャ端末に対して、サンド装置3Xについて不正の可能性がある旨を通知する(S308)。
ステップS306で形成する入金通知と、ステップS302による正規の入金通知とを、サンド装置3の制御部20が区別できる情報を盛り込むことが好ましい。
入金残高データが0であり、前のサンド装置3Xについて不正の可能性がない場合には、管理サーバ5の制御部30は、蓄積残高が0である旨を、今回受信した引出用送信データの送信元のサンド装置3に送信する(S309)。
また、管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在しないと判定した場合には、そのサンド装置3についての顔認証失敗回数CNTを1インクリメントし(S310)、その回数CNTが上限(例えば3回)に達したか否かを判別し(S311)、上限に達していない場合には、再読み取りによる顔データの再送通知をサンド装置3に送信し(S312)、上限に達した場合には、認証エラー通知をサンド装置3に送信する(S313)。
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から入金通知が与えられると、内部記憶する入金残高データを入金分だけ増加させ、かつ、表示LCD16による入金残高の表示も更新させ(S264)、そして、図7に示した待機状態に戻る。なお、状態表示LED12a〜12cの点灯若しくは点滅の組み合わせなどによって、上述したステップS306による入金通知の受信と、ステップS302による入金通知の受信とを区別できるようにしても良い。
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から、残高が0である旨の通知が与えられると、表示LCD16や状態表示LED12a〜12cによってその旨を表示し(S265)、図7の待機状態に戻る。
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から、再撮像による顔データの再送通知が与えられると、上述したステップS250に処理を戻す。
サンド装置3の制御部20は、管理サーバ5から、認証エラー通知が与えられると、表示LCD16や状態表示LED12a〜12cによってその旨を表示し(S266)、図7の待機状態に戻る。
図14は、サンド装置3Xが使用不可通知を受信したときの動作を示すフローチャートである。
サンド装置3Xの制御部20は、使用不可通知を受信すると、自己が内部で記憶している入金残高データや表示している入金残高データを強制的に0クリアすると共に(S350)、警告ランプ11を点灯又は点滅させて警告を発する(S351)。なお、警告をブザーによっても行うようにしても良い。
図15は、入金残高精算機7の精算時の動作を示すフローチャートである。顔データに対応付けて蓄積させた入金残高を、遊技者は現金に精算することができる。精算可能日を限定しなくても良い。但し、以下では、現金入金して蓄積させた初日に限り、現金に精算することができるものとして説明する。
入金残高精算機7の制御部40は、精算キーや係員呼び出しキーの操作を待ち受けており、精算キーが操作されたときには、図15に示す処理を開始する。なお、係員呼び出しキーの操作時の動作説明は省略する。なお、遊技者は、入金残高精算機7の本体の前に設置されている椅子に着席して精算キーを操作する。
入金残高精算機7の制御部40は、精算キーが操作されて入金残高の精算が指示された場合には、撮像開始時刻を定め、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせによって(又は、表示LCDを有する場合であればそのメッセージ表示によって)、まもなく(10秒後から)撮像を開始し、所定時間(3秒後)だけ撮像する旨や、撮像時には、マークに視線を向けながら顔を左右にゆっくり動かせることを求める旨を遊技者に通知し(S400)、その後の撮像開始時刻から所定時間だけ、CCDカメラ部47L及び47Rによって撮像させる(S401)。
このときの撮像時にも、遊技者は、入金残高精算機7のCCDカメラ部47Lに係るCCDカメラ窓(図示せず)の近傍のマークを向きながら、左右に顔を振ることになる。
その後、入金残高精算機7の制御部40は、CCDカメラ部47Lが得た複数の正面撮像信号から1つの正面撮像信号の選定を行う(S402)。
次に、入金残高精算機7の制御部40は、選定された正面撮像信号及び右横顔撮像信号に対し、設定されている基準濃淡データ40a、40aRを利用して濃淡補正を行い(S403)、濃淡補正された正面撮像信号及び右横顔撮像信号をそれぞれ、特徴データでなる顔データへ変換すると共に、正面顔幅/右横顔幅データを算出し(S404)、得られた正面顔幅/右横顔幅データ、正面顔データ及び右横顔データを一旦バッファリングする(S405)。
入金残高精算機7の制御部40は、自己が送信権を獲得したときには、精算用であることを表すデータ、当該入金残高精算機7のID、正面顔幅/右横顔幅データ及び顔データを少なくとも含む精算用送信データを管理サーバ5に送信し(S406)、撮像終了を遊技者に通知し(S407)、管理サーバ5からの認証通知の返信を待ち受ける(S408〜S411)。なお、この精算用送信データの通信を暗号化通信により行うようにしても良い。
管理サーバ5の制御部30は、精算用送信データを受信すると、図16に示すような顔データの認証動作を行う。
管理サーバ5の制御部30は、受信した正面顔幅/右横顔幅データに基づいて、候補レコードを絞り込んだ後、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在するか否かを確認する(S450)。
存在している場合には、そのレコードの入金残高データが0か否かを判別する(S451)。入金残高データが0以外であると、管理サーバ5の制御部30は、そのレコードの登録時刻データが本日になっているか否かを判別する(S452)。登録時刻が本日であると、そのレコードの入金残高データを含む肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信し(S453)、入金残高精算機7からの精算完了の返信を待ち受け(S454)、精算完了が返信されると、顔データベース6aの該当するレコードそのものを削除する(S455)。
入金残高データが0の場合には、管理サーバ5の制御部30は、その旨の肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S456)。
入金残高データが0以外であって登録時刻が本日でない場合には、管理サーバ5の制御部30は、その旨の肯定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S457)。
また、管理サーバ5の制御部30は、受信した顔データと合致する顔データのレコードが顔データベース6aに存在しない場合には、否定認証通知を形成して入金残高精算機7に送信する(S458)。
入金残高精算機7の制御部40は、管理サーバ5から入金残高データを含む肯定認証通知が与えられると、紙幣処理部42や硬貨処理部43によって、入金残高に相当する現金を払出し(S412)、精算完了を管理サーバ5に送信し(S413)、その後、待機状態に復帰する。
また、入金残高精算機7の制御部40は、入金残高データが0である旨の肯定認証通知が与えられると、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで(又は、表示LCDを有する場合であればそのメッセージ表示によって)、入金残高データが0である旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S414)、その後、待機状態に復帰する。
さらに、入金残高精算機7の制御部40は、入金残高データが0以外であって登録時刻が本日でない旨の肯定認証通知を受け取ると、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで(又は、表示LCDを有する場合であればそのメッセージ表示によって)、登録日以外の現金精算をできない旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S415)、その後、待機状態に復帰する。
さらにまた、入金残高精算機7の制御部40は、否定認証通知を受け取ると、図示しない状態表示LEDの点灯又は点滅の組み合わせで(又は、表示LCDを有する場合であればそのメッセージ表示によって)、顔データが認証できなかった旨を報知し(報知時間は5秒程度の所定時間;S416)、その後、待機状態に復帰する。なお、精算時においても、認証失敗時に顔データを再送させるようにしても良い。
以上のようにして、顔データを登録した日においては、顔データに対応付けて蓄積した入金残高を精算することができる。
図17は、管理サーバ5の制御部30が実行する顔データベース6aの整理動作を示すフローチャートである。
管理サーバ5の制御部30は、営業時間後の所定時刻(例えば午後11時)になると自動的に図17に示す処理を開始する。管理サーバ5が、テンキー部や、リモコン受信部などのマンマシンインターフェースを備えている場合であれば、遊技場管理者や従業員からの指示によって、図17に示す処理を開始するようにしても良い。
管理サーバ5の制御部30は、図17に示す処理を開始すると、先頭レコードを処理対象レコードに設定した上で(S500)、全てのレコードに対する第1の整理処理(S502及びS503)が終了していないことを確認し(S501)、処理対象レコードの入金残高データが0か否かを判別する(S502)。処理対象レコードの入金残高データが0であれば、そのレコードを削除した後(S503)、処理対象レコードの入金残高データが0以外であれば直ちに、処理対象レコードを後続する次のレコードに設定し(S504)、上述したステップS501に戻る。
管理サーバ5の制御部30は、全てのレコードに対する第1の整理処理が終了すると、先頭レコード(第1の整理処理で残っている中での先頭レコード)を処理対象レコードに設定した上で(S505)、全てのレコードに対する第2の整理処理(S507及びS508)が終了していないことを確認した後(S506)、処理対象レコードの登録時刻データや履歴データを参照しつつ1月(この期間を利用者が可変設定できるようにしても良い)以上このレコードがアクセスされていないか否かを判別する(S507)。処理対象レコードが1月以上アクセスされていないものであれば、そのレコードを削除した後(S508)、処理対象レコードが1月より近いときにアクセスされているものであれば直ちに、処理対象レコードを後続する次のレコードに設定し(S509)、上述したステップS506に戻る。
管理サーバ5の制御部30は、全てのレコードに対する第2の整理処理が終了すると、図17に示す一連の処理を終了する。
以上のようにして、入金残高が0のレコードや、入金残高が0以外であるが1月以上アクセスされていないレコードを整理することができる。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、入金残高を顔データに対応付けて管理サーバに蓄積し、蓄積した入金残高を顔認証によってサンド装置に取り出す方法を、撮像環境や撮像条件などが悪い遊技場に適用することができる。
ここで、顔認証に供する撮像画像を、複数枚撮像した中から、顔の幅データに基づいて、最適なものを1枚選定するようにしたので、この点から顔認証精度を向上させることができる。
また、撮像信号に対し、基準濃淡データを用いた濃淡補正を行うようにしたので、入金残高を管理サーバに蓄積するために撮像を行った遊技機と、蓄積した入金残高を顔認証によって取り出すために撮像を行った遊技機とが異なっていても、濃淡補正によって、被写体に係る撮像信号を同様なものとでき、顔認証を適切に実行させることができる。
カードを利用した入金残高の蓄積、取り出しでは、遊技者の離席時にカードを盗難されることもあったが、上記実施形態のような顔データの利用では、このような盗難による問題は発生しない。また、実施形態では、カードの搬送機構などが存在せず、その分、サンド装置の信頼性を高めることができる。さらに、カードの搬送構成や貯留構成アクセス構成などを顔画像の撮像構成に置き換えられるので、サンド装置の簡易、安価化が期待できる。また、消耗品であるカードの不存在によっても、遊技システムの低廉化を図ることができる。
カードの場合、カードを盗んだ者がカードを盗んだことを証明することは困難を伴うが、顔データに基づいて引き出した入金残高を残したまま、他の遊技機に移動して再度入金残高を引き出そうとした場合に、前の遊技機に残高を残してきたことを管理サーバが認識でき、仮に、そこで他の者が遊技を行っていても、その不正行為を履歴データによって証明することができる。
また、上記実施形態では、顔データをソーティングして顔データベースに格納しておくようにしたので、蓄積した入金残高の取出し時の認証動作を、この面で、迅速化させることができる。顔データを認証に利用する他のシステムでは、顔認証以外の他の認証方式を併用している。例えば、カードからの所定データ(口座データやカードIDなど)を得た上で、顔データを用いた認証を行うようになされており、照合に供するデータベース側の顔データは一意に定まっている。一方、この実施形態の場合、照合に供するデータベース側の顔データの範囲を狭めることができず、それなりのデータ量を有する顔データのソーティングが有効に機能する。
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
上記実施形態では、遊技者が顔を左右に動かして複数の撮像信号を得るものを示したが、CCDカメラを移動させながらの撮像によって(左右方向の移動に限定されず、上下方向の移動であっても良い:直線移動だけでなく揺動的な移動であっても良い)複数の撮像信号を得るものであっても良い。さらに、CCDカメラのズーム機能により複数の撮像信号を得るようにしても良い。この場合であれば、例えば、垂直方向の所定位置の顔の幅データ値が予め定められているデータ値に合致する撮像信号を選定するようにすれば良い。
また、上記実施形態においては、登録のための撮像時の撮像枚数と、登録内容と照合するための撮像時の撮像枚数とが同じものを示したが異なるようにしても良い。例えば、顔認証の基準となる登録のための撮像時の撮像枚数をより多くし、認証精度をより高めるような撮像信号の選定精度を向上させるようにしても良い。
上記実施形態では、遊技媒体の排出構成は遊技機が備え、その遊技機に排出を指示するサンド装置を示したが、遊技媒体の排出構成を備えるサンド装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、入金残高を蓄積させる際の正規の撮像回数が1回のものを示したが、2回以上、撮像を実行させるようにしても良い(但し、1回当たりの撮像枚数は複数であり、その中から1枚を上述のようにして選定する)。例えば、1回目で管理サーバに仮登録し、2回目の顔データが、1回目の顔データと合致することを以って本登録を行うようにしても良い。蓄積された入金残高の引き出しでも、2回以上の撮像を実行させることとし、セキュリティを高めるようにしても良い。
さらに、上記実施形態においては、顔データベースの格納顔データと、読取り顔データとの照合では、判定結果が合致と非合致とのいずれかであるものを示したが、半合致のような中間的な判定結果を設けるようにしても良い。例えば、中間的な判定結果が得た場合には、管理サーバは、警報音をならすと共に、自管理サーバが有するモニタに、格納顔データと読取り顔データとを並べて表示し、管理者に合致判定させるようにしても良い。
さらにまた、上記実施形態では、撮像信号から顔データへの変換をサンド装置が実行するものを示したが、管理サーバに撮像信号をそのまま与えて管理サーバが顔データへの変換を行うようにしても良い。このようにした場合には、サンド装置の処理負担を軽減することができる。また、通信の中継を行う島ユニットコントローラ4に、撮像信号から顔データへの変換機能を設けるようにしても良い。このようにした場合には、サンド装置及び管理サーバの処理負担を軽減することができる。また、撮像信号そのものを顔データとして用いるようにしても良い。
以上のようなサンド装置以外が撮像信号を顔データに変換する場合において、撮像信号の濃淡補正や正面顔幅/右横顔幅データの算出は、サンド装置が行っても良く、また、撮像信号が与えられる装置が行っても良い。
また、上記実施形態においては、蓄積された入金残高を読み出して球貸しを行い、その後の残った入金残高の再蓄積を許容するものを示したが、再蓄積を許容しない遊技システムであっても良い。さらに、再蓄積を前提としているため、上記実施形態では、蓄積残高を読み出しても顔データベースからレコードを削除しないものを示したが、蓄積残高を読み出したときには、顔データベースからそのレコードを削除するようにしても良い。なお、この場合、再蓄積時にも、新たな蓄積として、レコードを作成すれば良い。
さらにまた、上記実施形態においては、入金残高を蓄積させる際に、サンド装置から管理サーバに対し、顔データと入金残高データとを共に含む送信データを送信するものを示したが、顔データと入金残高データとを別個の送信データに分けて異なるタイミングで送信するようにしても良い。この場合において、顔データと入金残高データのいずれを先に送信するかは問われない。
また、上記実施形態においては、入金残高を蓄積させる操作が返金キーの操作であって、入金された現金の一部が遊技媒体に変換された後の残高を蓄積できるものを示したが、これに加え、又は、これに代えて、入金された直後の残高、言い換えると、遊技媒体に変換がなされる前の入金残高を顔データに対応付けて蓄積できるようにしても良い。すなわち、遊技者は、現金を入金した直後に直ちに顔データに対応付けて入金残高を蓄積させ、蓄積させた入金残高からサンド装置への引き出しを行うことができる。
さらに、上記実施形態においては、蓄積された入金残高の引き出しでは全額が引き出されるものを示したが、遊技者が、サンド装置のテンキー部などによって、蓄積されている入金残高の一部を引き出すことができるようにしても良い。
さらにまた、上記実施形態においては、サンド装置及び管理サーバ間で、金銭データとして残高データを直接授受するものを示したが、他の形式で金銭データを授受し、管理サーバに入金残高データを蓄積させるようにしても良い。例えば、現金入金があったときには顔データに対応させないで入金額を管理サーバに与えて、サンド装置のIDに対応付けて管理させ、返金キーがあったときに、顔データと消費データ(遊技媒体への変換を行った金銭データ)とを管理サーバに与え、このときに始めて、顔データベースに、顔データと演算で得られた入金残高データとを対応付けて格納するようにしても良い。また、蓄積されている入金残高データの引出時にも、顔データベースに入金残高データを残し、再蓄積時にも、消費データを管理サーバに与えるようにしても良い。特許請求の範囲における「入金残高データ」の装置間の移動は、このような間接的な場合をも含むものとする。
上記実施形態においては、操作ガイダンスや警告などを視覚的に表示、報知するものを示したが、これに代え、聴覚的に、操作ガイダンスや警告などを報知するようにしても良い。また、警告の報知は、サンド装置や入金残高精算機の単独装置だけでなく、島ユニットなどのグループ単位の装置を利用して行うようにしても良い。例えば、各装置が有する発光構成を利用して発光パターンなどによって報知するようにしても良い。
上記実施形態においては、顔データの照合時に、単にデータを照合するものを示したが、一方又は双方の顔データに対し、ソフト的なズーム処理を行って輪郭などを合わせた後、顔データの照合を行うようにしても良い。なお、顔の幅データをズーム処理のパラメータとして用いるようにしても良い。CCDカメラ部がズーム機能を備え、撮像信号における輪郭が概ね一定になるように調整して撮像するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、一対の顔データが正面顔及び右横顔のものを示したが、遊技者にリール方向を向かせたステレオ顔データであっても良い。また、一つの顔データだけを利用する場合にも本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態では、モノクロCCDカメラを利用するものを示したが、カラーCCDカメラを利用しても良い。この場合には、基準色調データを記憶しておき、背景の色調が基準色調データに合致するように撮像信号を補正するようにすれば良い。また、カラー撮像の場合には、肌色とみなせる画素数の多少などによって、複数の撮像信号から1つの撮像信号を選定するようにしても良い。同様に、モノクロの場合にも、顔の輪郭線内の画素数をパラメータとして、複数の撮像信号から1つの撮像信号を選定するようにしても良い。また、CCDカメラがオートフォーカス機能を有している場合であれば、オートフォーカス機能部から距離データを出力させるようにし、距離データが予め定められている距離データに最も近い撮像信号を選定する。
さらにまた、男性の平均的な顔の撮像信号や女性の平均的な顔の撮像信号を、サンド装置が、選定用基準データとして保持し、複数の撮像信号の中から、選定用基準データとの距離に基づいて、一つの撮像信号を選定するようにしても良い。
上記実施形態においては、複数の撮像信号から1つの撮像信号を選定してから濃淡補正を行うものを示したが、複数の撮像信号に対して濃淡補正した後に、1つの撮像信号を選定するようにしても良い。ズーム処理などの他の補正処理のタイミングも、選定処理の前後は問われないものである。
さらにまた、上記実施形態においては、入金残高の蓄積や、蓄積されている入金残高の引出しに、顔認証だけを利用するものを示したが、物品の携帯を不要とする他の認証方法を併用するようにしても良い。例えば、パスワード入力による認証方法や、他の個体認証方法を併用するようにしても良い。なお、パスワード入力を併用するようにした場合には、蓄積されている入金残高の引出し時に、照合する顔データの範囲を絞り込むことができて照合時間を短いものとすることができる。
上記実施形態においては、サンド装置が、入金残高データを顔データに対応付けて管理サーバに蓄積でき、また、引き出せる機能を有するものであったが、このような機能に加えて、入金残高データを今までと同様にカードに記憶したりカードから読み出したりする機能を有するサンド装置であっても良い。このようなサンド装置の場合には、遊技者は、テンキーなどを利用して、入金残高データを管理データに蓄積させるか、カードに記録させてそのカードを排出させるかを選択することができる。
また、上記実施形態においては、管理サーバ及びサンド装置間の通信方式としてポーリング方式を適用したものを示したが、他の方式を適用するようにしても良い。例えば、蓄積時には、サンド装置が送信権の要求を行い、管理サーバが競合調停を行っていずれかのサンド装置に送信権を付与するようにしても良い。
さらに、上記実施形態においては、基準濃淡データを利用した補正では、濃淡に基づく濃淡補正を行っているが、これと共に色調(色彩)も合わせて補正するようにしても良い。これにより、さらに確実な顔認証の照合を行うことが可能となる。