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JP5036654B2 - 半導体チップの圧縮成形方法 - Google Patents

半導体チップの圧縮成形方法 Download PDF

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JP5036654B2 JP2008188273A JP2008188273A JP5036654B2 JP 5036654 B2 JP5036654 B2 JP 5036654B2 JP 2008188273 A JP2008188273 A JP 2008188273A JP 2008188273 A JP2008188273 A JP 2008188273A JP 5036654 B2 JP5036654 B2 JP 5036654B2
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Description

本発明は、基板に装着したIC等の半導体チップを樹脂材料にて圧縮成形(樹脂封止成形)する半導体チップの圧縮成形方法及び金型の改良に関する。
従来から、コンプレッションモールド法を用いて、基板に装着した半導体チップを圧縮成形することが行われているが、この方法は、次のようにして行われている。
即ち、半導体チップの圧縮成形用金型(上型、下型)を用いて、まず、上型の所要位置(基板セット部)に半導体チップを装着した基板を基板供給機構にて供給セットすると共に、離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を樹脂材料供給機構にて供給して加熱溶融化し、金型を型締めするようにしている。
このとき、基板に装着した半導体チップを下型キャビティ内の加熱溶融化された樹脂材料(溶融樹脂)内に浸漬することができる。
従って、次に、下型キャビティの底面に設けられたキャビティ底面部材を上動することにより、下型キャビティ内の樹脂に所要の樹脂圧を加えることができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、金型を型開きすることにより、基板に装着した半導体チップをキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
なお、前記した上型と下型とから成る半導体チップの圧縮成形用金型に代えて、上型と下型と中間型とから成る半導体チップの圧縮成形用金型を用いる場合がある。
この場合、例えば、離型フィルムを下型側と中間型とで挟持し、下型キャビティ内に離型フィルムを被覆させることになる。
また、金型の型締時に、少なくとも、下型キャビティ内を外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成すると共に、外気遮断空間部から外部に空気を強制的に吸引排出することにより、下型キャビティ内を所要の真空度に設定することができるように構成することがある。
特開2007−194287号
また、近年、例えば、半導体チップの圧縮成形用金型を用いて、透明性を有する樹脂材料にて基板に装着したLED(Light Emitting Diode)チップを圧縮成形してLED成形品を形成することが行われている。
この場合、下型キャビティを、大キャビティと、大キャビティ底面に設けた所要複数個の小キャビティとで構成すると共に、金型の型締時に、小キャビティの位置とLEDチップ(半導体チップ)の位置とを合致させるように構成されている。
更に、小キャビティとLEDチップとは両方とも極めて小さいため、上型の所要位置にLEDチップを装着した基板を基板供給機構にて供給セットする場合、位置ずれの許容範囲が極めて狭くなるので、基板の位置決めを効率良く(正確に)行うことが求められている。
しかしながら、半導体チップの圧縮成形用金型における上型の所要位置に半導体チップ(例えば、LEDチップ)を装着した基板を基板供給機構にて供給セットする場合、基板供給機構において、基板供給機構に載置される基板の位置が僅かではあるが、ずれ易いのが通例である。
従って、金型内(上型の下方位置)において、基板供給機構から基板を上動させることにより、上型の所要位置に基板を供給セットした場合、上型の所要位置に基板を効率良く位置決めして(正確に)供給セットすることができないと云う弊害がある。
なお、特に、上型の所要位置に基板を吸着して供給セットする場合、基板が吸引される空気(流体)にて揺れ易く、上型の所要位置に基板を効率良く位置決めして供給セットすることができない。
従って、本発明は、金型の所要位置に半導体チップを装着した基板を効率良く位置決めして供給セットすることができる半導体チップの圧縮成形方法及びその金型を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形方法は、上型と下型と前記した下型を遊嵌する貫通孔を有する中間型とから成る半導体チップの圧縮成形用金型を用いて、上型の基板セット部に半導体チップを装着した基板を供給セットし、且つ、前記した下型と中間型とで離型フィルムを挟持すると共に、前記した挟持された離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給セットして前記した金型を型締めすることにより、前記したキャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、前記した中間型と前記した下型に設けた挟持部材とで離型フィルムを挟持する工程と、前記した下型の型面に設けた基板用の位置決めピンにて前記した挟持された離型フィルムに穴を開けて貫通させる工程と、前記した下型の型面に上下動自在に設けた可動支受ピンと下型キャビティとに前記した挟持された離型フィルムを被覆させる工程と、前記した離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、前記した位置決めピンを基板に設けた位置決め孔に貫通させる工程と、前記した離型フィルムを介して前記した可動支受ピンで基板を支受することにより、前記した基板と前記した下型面との間に所要の間隔を設定する工程と、前記した金型を型締めする工程と、前記金型の型締時に、前記した上型の基板セット部に基板を供給セットする工程と、前記金型の型締時に、前記した可動支受ピンを基板で下方向に押圧することにより、前記した可動支受ピンを前記した下型内に収容する工程と、前記した下型キャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする。
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形方法は、前記した中間型と下型に設けた挟持部材とで離型フィルムを挟持する工程と、前記した下型の型面に設けた基板用の位置決めピンにて前記した挟持された離型フィルムに穴を開けて貫通させる工程と、前記した下型の型面に上下動自在に設けた可動支受ピンと下型キャビティとに前記した挟持された離型フィルムを被覆させる工程と、前記した位置決めピンを基板に設けた位置決め孔に貫通させる工程と、前記した離型フィルムを介して前記した可動支受ピンで基板を支受することにより、前記した基板と前記した下型面との間に所要の間隔を設定する工程と、前記した金型を型締めする工程と、前記金型の型締時に、前記した上型の基板セット部に基板を供給セットする工程と、前記した金型を型開きする工程と、前記した離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、前記した金型を型締めする工程と、前記金型の型締時に、前記した可動支受ピンを基板で下方向に押圧することにより、前記した可動支受ピンを前記した下型内に収容する工程と、前記した下型キャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、金型の所要位置に半導体チップを装着した基板を効率良く位置決めして供給セットすることができる半導体チップの圧縮成形方法及びその金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
本発明(実施例1)において、まず、中間型と下型挟持部材とで挟持された離型フィルムを下型位置決めピンにて穴を開けて貫通させ、且つ、挟持離型フィルムを上下動自在に設けた可動支受ピンと下型キャビティとに被覆させると共に、離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する。
次に、位置決めピンを基板の位置決め孔に貫通させ、且つ、離型フィルムを介して可動支受ピンで基板を支受することにより、基板と下型の型面との間に所要の間隔を設定すると共に、金型を型締めすることにより、基板セット部に基板を供給セットする。
従って、下型の位置決めピンを基板の位置決め孔に貫通させることにより、半導体チップの圧縮成形用金型の所要位置に半導体チップを装着した基板を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
本発明(実施例2)において、まず、基板セット部に基板を供給セットし、X基板寄せ機構とY基板寄せ機構とを連結機構で連動させて同時に開状態から閉状態とする。
次に、X基板寄せ機構にて押圧係止片を介して基板のC辺を押圧することにより、基板のA辺をX基準線(基準ピン)に当接・押圧して位置決めすると共に、Y基板寄せ機構にて押圧係止片を介して基板のD辺を押圧することにより、基板のB辺をY基準線(基準ピン)に当接・押圧して位置決めする。
即ち、X基板寄せ機構とY基板寄せ機構とを同時に閉状態に設定することにより、X基準線(基準ピン)とY基準線(基準ピン)とに対して同時に押圧して位置決めすることができる。
従って、半導体チップの圧縮成形用金型の所要位置に半導体チップを装着した基板を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
まず、実施例1を、図1、図2、図3、図4、図5に示す半導体チップの圧縮成形要金型を用いて、詳細に説明する。
(実施例1における半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
図1〜図5に示すように、半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの樹脂封止成形用金型)1には、基本的な金型構造として、固定上型2と、上型2に対向配置した可動下型3とが設けられて構成されている。
また、上型2と下型3との間には中間型(フィルム挟持用の中間プレート)4が設けられて構成されと共に、中間型4には少なくとも下型2を遊嵌する遊嵌孔(貫通孔)5が設けられて構成されている。
また、上型2の型面には、半導体チップを装着した基板6を、半導体チップ側(半導体チップ装着面側)を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部7(上型の所要位置)と、基板6を基板セット部7に供給する基板供給機構(図示なし)とが設けられて構成されている。
なお、上型2の基板セット部7には基板6を固定する適宜な手段、例えば、基板を吸着固定する基板吸着固定手段(図示なし)を設けて構成することができる。
また、下型3の型面には、基板6に装着した半導体チップを圧縮成形(樹脂封止成形)する圧縮成形用のキャビティ8が設けられて構成されている。
また、中間型4と下型3との間には離型フィルム9を張架することができるように構成されると共に、下型キャビティ8内に離型フィルム9を吸着被覆することができるように構成されている。
また、図示はしていないが、前記した金型1(2、3、4)には、下型キャビティ8内に樹脂材料10を供給する樹脂材料供給機構と、金型1(2、3、4)を所要の温度にまで加熱する加熱手段とが設けられて構成されている。
また、上型2の型面には、金型1(2、3、4)の型締時に、少なくとも下型キャビティ8内を外気遮断状態にするOリング等の外気遮断部材11が設けられて構成されると共に、金型1(2、3、4)の所要個所には、図示はしていないが、適宜な外気遮断部材が設けられて構成されている。
従って、金型1(2、3、4)の型締時に、上型2における外気遮断部材11の先端に中間型4の上型側型面を当接することにより、上型2の基板セット部7に供給セットされた基板6の半導体チップ装着面と下型3の型面との間を所要の間隔(距離)12で保持する金型の中間的な型締めを行うことができるように構成されている(図4を参照)。
このとき、少なくとも下型キャビティ8内を外気遮断状態にして外気遮断空間部を設定することができるように構成されている。
また、金型1(2、3、4)には、図示はしていないが、金型1(2、3、4)に形成される外気遮断空間部から空気を強制的に吸引排出して外気遮断空間部を所要の真空度に設定する真空ポンプ等の真空引き機構が設けられて構成されている。
従って、金型1(2、3、4)の型締時に形成される外気遮断空間部から空気を強制的に吸引排出して外気遮断空間部を所要の真空度に設定することができるように構成されている。
(下型について)
また、下型3には、下型本体3と、下型キャビティ8内の樹脂(10)を所要の押圧力で押圧する(加圧する)キャビティ底面部材13と、キャビティ底面部材13の下方位置側に固設された基台14とが設けられて構成されている。
また、下型本体3に対して、キャビティ底面部材13を上下摺動自在に設けて構成されている。
従って、キャビティ底面部材13と基台14とを一体にして上動させることにより、下型キャビティ8内の樹脂(10)を押圧して圧縮成形することができるように構成されている。
また、下型3には、下型3と中間型4との間に張架した離型フィルム9を中間型4とで挟持する挟持部材15が下型本体3と基台14との夫々に対して上下摺動自在に設けられて構成されている。
従って、離型フィルム9を中間型4と挟持部材15とで挟持した状態で下動することにより、離型フィルム9を下型3の型面と下型キャビティ8内とに(吸着して)被覆させることができるように構成されている。
(位置決めピンについて)
また、下型(下型本体)3の型面には、上型2の基板セット部7に供給セットされる基板14の位置を位置決めする基板用の位置決めピン16が、所要数、立設して構成されている。
また、位置決めピン16は尖端を有し、その先端側(上端側)は尖端形状(尖がった形状)に形成されると共に、その基端側(下端側)は下型3の型面に固設されて構成されている。
また、基板6には、下型3の位置決めピン16に対応する基板の位置決め孔(基板の貫通孔)17が設けられて構成されている。
従って、基板の位置決め孔17に対して、下型3の位置決めピン16をその先端側から(貫通して)嵌装することにより、後述するように、その基端側(下型3の型面)に、或いは、その先端と基端との中間部に基板の位置決め孔17(基板6)を位置させることができるように構成されている(図3、図4、図5を参照)。
また、上型2の型面(基板セット部7)には、下型3の位置決めピン16に対応する位置決めピンの位置決め挿通孔18が設けられて構成されている。
従って、上型の位置決め挿通孔18に、基板の位置決め孔17に嵌装した位置決めピン16をその先端側から挿通して収容することができるように構成されている。
また、中間型4と下型3との間に張架された離型フィルム9を中間型4と挟持部材15とで挟持して下動することにより、尖端を有する位置決めピン16(の尖端)にて、挟持した離型フィルム9の所要個所を突き刺して貫通させて、離型フィルム9に穴(孔部19)を開けることができる。
このとき、孔部19を開けられた離型フィルム9をその孔部19の位置において、位置決めピン16の基端側(下型3の型面)に離型フィルム9(孔部19)を位置させることができるように構成されている。
また、このとき、離型フィルム9を下型キャビティ8の内面に被覆させることができるように構成されている。
また、離型フィルム9を貫通した(突き抜けた)位置決めピン16を基板6の位置決め孔17に嵌装させる(嵌め込む)ことにより、基板6の位置決め孔17の位置を位置決めピン16の位置に合致させることができるように構成されている。
また、金型1(2、3、4)の型締時に、離型フィルム9と基板位置決め孔17とを貫通(嵌装)した位置決めピン16を上型2における位置決めピンの位置決め挿通孔18に挿通して収容することができるように構成されている。
このとき、基板6を上型2の基板セット部7に供給セットすることができるように構成されている。
従って、基板6を上型2の基板セット部7(上型2の所要位置)に供給セットする場合において、下型3の位置決めピン16を基板の位置決め孔17に嵌装させて合致させることができるので、(また、基板の位置決め孔17に嵌装した位置決めピン16を上型の位置決めピンの挿通孔18に挿通して収容することができるので、)基板セット部7に基板6を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
(可動支受ピンについて)
また、下型(本体)3の型面には、基板6を支受した状態で弾性上下動する可動支受ピン20が、所要数、下型の型面から突出した状態で設けられて構成されている。
また、可動支受ピン20の基端側(下端側)には、圧縮スプリング等の弾性部材21が上方向に可動支受ピン20を弾性付勢することができるように構成されている。
また、離型フィルム9を下型3の型面と下型キャビティ8とに被覆させるとき、離型フィルム9にて、可動支受ピン20を下型3の型面から突設した状態で被覆することができるように構成されている。
従って、離型フィルム9で可動支受ピン20を被覆した状態で、即ち、離型フィルム9を介して可動支受ピン20で基板6を支受することができるように構成されている。
このとき、基板6を、可動支受ピン20で、所要の高さ(距離)22にて、即ち、下型3の型面位置から可動支受ピン20の先端位置までの距離(22)にて、保持することができるように構成されている(図3を参照)。
また、このとき、可動支受ピン20にて基板6を水平面状態で支受して保持することができるように構成されている。
また、前述したように、可動支受ピン20を用いて、基板6を水平面状態で支受し、且つ、下型3の型面位置から所要の高さ22に保持することができるので、下型キャビティ8内で加熱溶融化した樹脂材料(10)の高さにばらつきがあったとしても、この加熱溶融化した樹脂材料(10)に基板6と半導体チップとが効率良く接触しないように構成されている。
また、基板セット部7に供給セットされた基板6の半導体チップ装着面と下型3の型面とを離型フィルム9を介して閉じ合わせることにより、金型1(2、3、4)を完全に型締めしたとき、可動支受ピン20は基板6(上型2)で下方向に押圧されることにより、下型3内に収容されるように構成されている。
(実施例1における半導体チップの圧縮成形方法について)
まず、図1に示すように、中間型4と下型3の挟持部材15との間に離型フィルム9を張架する。
次に、離型フィルム9を中間型4と挟持部材15とで挟持すると共に、離型フィルム9を中間型4と挟持部材15とで挟持した状態で下動させる。
従って、図2に示すように、下動した離型フィルム9を、下型3の型面と下型キャビティ8とに吸着被覆させることができる。
また、このとき、下型3型面に立設した位置決めピン16で、下動する離型フィルム9を突き刺して貫通させることにより、離型フィルム9に孔部19を開けて形成することができる。
また、このとき、可動支受ピン20を下型3の型面上に突設した状態で、可動支受ピン20に離型フィルム9を被覆させることができる。
また、このとき、下型本体3の型面位置を中間型4の遊嵌孔5内に遊嵌した状態で位置させることができる。
次に、離型フィルム9を被覆した下型キャビティ8内に樹脂材料10を供給して加熱溶融化することができる。
次に、中間型4の遊嵌孔5内にある下型3の所要位置に、基板6を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で供給セットする。
このとき、図3に示すように、基板の位置決め孔17に位置決めピン16を嵌装させて合致させることができる。
また、このとき、離型フィルム9を被覆した可動支受ピン20で、基板6を下型3の型面から所要の高さ(距離)22にて、且つ、水平面状態にて、保持することができる。
従って、基板6(及び半導体チップ)に下型キャビティ8内で加熱溶融化した樹脂材料(10)と接触することがないように構成されている。
次に、図4に示すように、離型フィルム9を介して可動受ピン20で基板6を所要の高さ(22)で支受した状態で、且つ、基板6の位置決め孔17に位置決めピン16を合致させた状態で、下型3と中間型4とを上動させることにより、基板6を上型の基板セット部7に供給セットすることができる。
このとき、例えば、図4に示すように、上型2の型面における外気遮断部材11の先端と中間型4の上型側型面とを当接させる金型を中間的に型締めする金型の中間的な型締めを行うことができる。
このとき、基板6の半導体チップ装着面と下型3の型面との間を所要の間隔(距離)12で保持することができる。
従って、基板6の表面(半導体チップ装着面)と半導体チップとを下型キャビティ8内で加熱溶融化された樹脂材料(10)に効率良く接触させないように構成することができる。
また、前述したように、このとき、基板6を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で、上型2の基板セット部7に(吸着)供給セットすることができる。
また、このとき、上型2の型面に設けられた外気遮断部材11にて少なくとも下型キャビティ8内を外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成することができる。
従って、外気遮断空間部から空気を強制的に吸引排出することにより、外気遮断空間部を所要の真空度に設定することができる。
また、このとき、基板6の位置決め孔17を嵌装した位置決めピン16は上型2の型面(基板セット部7)における位置決めピンの挿通孔18内に挿通して収容されることになる。
従って、基板6の位置決め孔17を嵌装して合致させた位置決めピン16を上型2の位置決めピンの挿通孔18に挿通して収容することにより、基板セット部7に基板6を効率良く位置決めして(正確に)供給セットすることができる。
また、次に、図5に示すように、基板6の半導体チップ装着面と下型3の型面とを離型フィルム9を介して閉じ合わせることにより、金型1(2、3、4)を完全に型締めする金型の完全型締めを行うことができる。
このとき、上型2の型面と中間型4の上型側型面とを閉じ合わせることになる。
また、前述したように、このとき、基板6の位置決め孔17を嵌装して合致させた位置決めピン16は上型2の位置決めピンの挿通孔18内に挿通して収容されることになる。
また、このとき、離型フィルム9で被覆された可動支受ピン20は基板6(上型2)に下方向に押圧されるので、可動支受ピン20は下型3内に収容されることになる。
従って、次に、キャビティ底面部材13を上動させて下型キャビティ8内の樹脂(10)をキャビティ底面部材13にて押圧することにより、基板6に装着した半導体チップを下型キャビティ8内で圧縮成形することができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、金型1(2、3、4)を型開きすることにより、下型キャビティ8内で下型キャビティ8の形状に対応した樹脂成形体内に基板6に装着した半導体チップを圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
(実施例1の作用効果について)
即ち、実施例1において、図4に示すように、離型フィルム9を介して可動支受ピン20で基板6を支受した状態で、且つ、基板6の位置決め孔17に位置決めピン16を嵌装合致させた状態で、基板6を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で、上型2の基板セット部7に(吸着)供給セットすることができる。
従って、前述したように、基板セット部7に基板6を供給セットしたとき、基板6の位置決め孔17に嵌装して合致させた位置決めピン16を、上型2の位置決めピンの挿通孔18に挿通して収容することにより、基板セット部7に基板6を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
また、実施例1において、図4に示すように、基板セット部7に基板6を供給セットしたとき、基板6の半導体チップ装着面と下型3の型面との間を所要の間隔12で保持することができる。
従って、基板6の表面(半導体チップ装着面)と半導体チップとを、下型キャビティ8内で加熱溶融化された樹脂材料(10)に効率良く接触させないように構成することができる。
(実施例1における他の半導体チップの圧縮成形方法について)
また、実施例1において、離型フィルム9を被覆した下型キャビティ8内に樹脂材料10を供給する前に、まず、下型3側に基板6を供給して下型3と中間型4とを上動することにより、基板セット部7に基板6を供給セットし、次に、下型3と中間型4とを下動して離型フィルム9を被覆した下型キャビティ8内に樹脂材料10を供給する構成を採用することができる。
即ち、図2に示す状態で、即ち、離型フィルム9を被覆した下型キャビティ8内に樹脂材料10を供給しない状態で、先に、基板6を供給セットすることができる。
この場合、前述したように、離型フィルム9を位置決めピン16で突き刺して貫通することにより、離型フィルム9に孔部19を形成することができる。
また、この場合、前述したように、離型フィルム9を介して基板6を可動支受ピン20で支受することができる。
また、この場合、基板6の位置決め孔17を嵌装して合致させた位置決めピン16を、上型2の位置決めピンの挿通孔18に挿通して収容することにより、基板セット部7に基板6を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
次に、実施例2を、図6、図7(1)、図7(2)、図8(1)、図8(2)、図9(1)、図9(2)、図10(1)、図10(2)を用いて、詳細に説明する。
また、実施例2に用いられる半導体チップの圧縮成形用金型の基本的な構成は、実施例1と同様である。
(実施例2における半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
図6に示す実施例2における半導体チップの圧縮成形用金型31(半導体チップの樹脂封止成形用金型)は、実施例1と同様に、固定上型32と、上型32に対向配置した可動下型(図示なし)とが設けられて構成されている。
また、実施例2に用いられる金型31における上型32の型面には、半導体チップを装着した基板33を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部34が設けられて構成されている。
また、図示はしていないが、下型には、基板に装着した半導体チップを圧縮成形(樹脂封止成形)する圧縮成形用の下型キャビティと、下型キャビティの底面に設けられてキャビティ底面部材とが設けられて構成されている。
また、図示はしていないが、実施例1と同様に、下型キャビティに離型フィルムを被覆させることができるように構成されている。
なお、図示はしていないが、実施例1と同様に、離型フィルムを中間型と下型側(例えば、実施例1に示す挟持部材)とで挟持する構成を採用しても良い。
また、図示はしていないが、金型31には、基板セット部34に半導体チップを装着した基板33を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で供給セットする基板供給機構と、下型キャビティ内に樹脂材料を供給する樹脂材料供給機構とが設けられて構成されている。
従って、基板供給機構にて、基板セット部34に、基板33を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で供給セットし、且つ、樹脂材料供給機構にて、樹脂材料を(離型フィルムを被覆した)下型キャビティ内に供給することができるように構成されている。
即ち、実施例2において、実施例1と同様に、まず、基板セット部34に、半導体チップを装着した基板33を、半導体チップ装着面側を下方に向けた状態で供給セットし、且つ、離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化すると共に、金型を型締めする。
このとき、半導体チップを下型キャビティ内で加熱溶融化された樹脂材料中に浸漬することができる。
次に、下型キャビティ内の加熱溶融化された樹脂材料をキャビティ底面部材で所要の押圧力にて押圧することになる。
従って、硬化に必要な所要時間の経過後、下型キャビティ内で下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
(位置決め用の基準ピンについて)
また、上型32の基板セット部34における所要個所には、基板33を供給セットする位置を決める位置決め用の基準ピンが設けられて構成されている。
即ち、図6に示す図例では、X方向に基準ピン35が2個、設けられて構成されると共に、X方向に配置した2個の基準ピン35にてX方向の基準線(X基準線)が形成されて構成されている。
また、図6に示す図例では、Y方向に基準ピン36が2個、設けられて構成されると共に、Y方向に配置した2個の基準ピン36にてY方向の基準線(Y基準線)が形成されて構成されている。
なお、通常、基板セット部34において、X基準線とY基準線とが形成する所要の角度は直角にて形成される。
(基板における4つの辺について)
実施例2に用いられる基板33は、通常、4つの辺(線)を有する矩形状にて形成されると共に、図6に示すように、基板セット部34に供給セットされる基板33において、X基準線に対応する基板の辺をA辺とし、Y基準線に対応する基板の辺をB辺とし、A辺に対向配置し且つB辺に隣接する基板の辺をC辺とし、B辺に対向配置し且つA辺(C辺)に隣接する基板のD辺とする。
なお、通常、基板33は矩形状であるので、基板におけるA辺とB辺とが形成する所要の角度は直角にて形成されることになる。
また、基板セット部34に供給セットされる基板33におけるA辺、B辺、C辺、D辺の名称は、基板セット部34における位置に各別に対応して用い、基板セット部34におけるA辺、B辺、C辺、D辺と称する。
(基準ピンと基板の辺との関係について)
即ち、後述するように、実施例2においては、基板33のC辺側を押圧することによって、基板33のA辺をX方向に配置された基準ピン35に押圧・当接してX基準線に合致させることができるように構成されている。
また、後述するように、基板33のD辺側を押圧することによって、基板33のB辺をY方向に配置された基準ピン36に押圧・当接してY基準線に合致させることができるように構成されている。
従って、後述するように、実施例2においては、X基準線とY基準線との夫々に対して基板33における対応する辺から各別に且つ同時に押圧して寄せることによって基板33を基板セット部34に位置決めするものである。
なお、後述するように、基板セット部34において、基板セット部34のA辺に対応する位置の外側には基板係止機構37が配置されている。
また、基板セット部34のC辺に対応する位置の外側にはX基準線への基板寄せ機構38が配置されている。
また、基板セット部34のD辺に対応する位置の外側にはY基準線への基板寄せ機構39が配置されて構成されている。
また、前述したように、基板セット部34のA辺に対応する位置側にはX基準線(X方向の2個の基準ピン35で形成される線)が配置されて構成されている。
また、前述したように、基板セット部34のB辺に対応する位置側にはY基準線(Y方向の2個の基準ピン36で形成される線)が配置されて構成されている。
(基板寄せ機構について)
即ち、前述したように、上型32の型面における基板セット部34には、X方向の基準線(基準ピン35)に基板33を寄せて(押圧して)係止するX基準線への基板寄せ機構(X基板寄せ機構)38と、Y方向の基準線(基準ピン36)に基板33を寄せて(押圧して)係止するY基準線への基板寄せ機構(Y基板寄せ機構)39とが設けられて構成されている(図6を参照)。
従って、X基板寄せ機構38で基板33を寄せて基板33のA辺を基準ピン35に当接することができるように構成されると共に、Y基板寄せ機構39で基板33を寄せて基板33のB辺を基準ピン36に当接することができるように構成されている。
また、X基板寄せ機構38は基板セット部34におけるX方向の基準線(基準ピン35)とは反対側となる対向した位置に(基板セット部34におけるC辺の外側に)設けられて構成されると共に、Y基板寄せ機構39はY方向の基準線(基準ピン36)とは反対側となる対向した位置に(基板セット部34におけるD辺の外側に)設けられて構成されている。
また、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構37とは、後述する連結機構にて同時に連動して作動するように構成されている。
従って、後述するように、基板セット部34に基板33を供給セットする場合、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とで同時に作動させると共に、XとYとの基準線(基準ピン35、36)の夫々に基板33の各辺A、Bを各別に押圧することにより、基板セット部34で基板33を効率良く位置決めすることができるように構成されている。
(X基準線への基板寄せ機構の構成について)
即ち、図6及び図7(1)に示すように、X基準線への基板寄せ機構(X基板寄せ機構)38は、基板セット部34におけるX方向の基準線(2個の基準ピン35で形成される線)に対向する位置側に(即ち、基板セット部34におけるC辺側に)設けられて構成されている。
また、X基板寄せ機構38には、基板33のC辺側を押圧してX基準線に寄せて係止する基板押圧係止用の押圧係止片(小片)40が設けられて構成されると共に、図例では、2個の押圧係止片40が基板セット部34におけるC辺に沿って設けられて構成されている。
即ち、基板33を押圧係止片40にて基準ピン35側の方向に押圧して寄せることにより、基準ピン35と押圧係止片40とが共働作用することになるので、基板33を基板セット部34に効率良く係止して供給セットすることができる。
従って、基板セット部34に基板33を効率良く係止し得て、基板セット部34に基板33を効率良く位置決めすることができるように構成されている。
なお、これらの2個の押圧係止片40はX基準線に(概ね)平行した状態で設けて構成することができる。
また、X基板寄せ機構38には、2個の押圧係止片40を各別に押圧する押圧部材(押圧棒)41が2個、押圧係止片40の位置に対応して設けられて構成されている。
また、X基板寄せ機構38には、1本の回転軸(回動軸)42と、2個の支持台43とが設けられて構成されている。
また、2個の支持台43の間に1本の回転軸42が回転自在となるように支持された状態で設けられている。
また、支持台43に押圧部材41が回転軸42にて回転自在となるように装設されると共に、回転軸42は押圧部材41の中間部に設けられて構成されている。
従って、支持台43において、回転軸(回動軸)42にて、押圧部材41を所要の角度の間で往復回転させる(回動する)ことができるように構成されている。
また、回転軸42を回転の軸心として押圧部材41を回転することにより、押圧部材41の先端部41aを押圧係止片40に(回転)押圧して押圧係止片40を(その基端側を固定した状態で)基準ピン35(X基準線)の方向に傾かせて変形させる(押圧湾曲させる)ことができるように構成されている。
従って、押圧部材41で押圧された押圧係止片40で基板を基準ピン35(X基準線)に寄せて係止することができるので、基板33を基板セット部34に供給セットすることができるように構成されている。
また、支持台43には、押圧部材41を弾性付勢する弾性付勢部材として「ねじりばね44」が回転軸42に対して各別に軸装されて構成されている。
即ち、「ねじりばね(弾性付勢部材)44」にて押圧部材41の先端部41aを基板セット部34(上型32の型面)に弾性付勢して押圧することができるように構成されている。
従って、押圧部材41の先端部41aを基板セット部34に押圧した状態を、押圧部材の閉状態とすることができる。
なお、X基板寄せ機構38における押圧部材41の先端側41aとは反対側となる末端側にはシャフト45が設けられて構成され、押圧部材41において、基板セット部34側から、先端部41a、回転軸42(中間部)、シャフト45(末端部)の順に配置されて構成されている。
また、X基板寄せ機構38には、押圧部材41の末端部側のシャフト45を上型32の方向に(上方向に)押圧するプッシャ(図示なし)が設けられて構成されている。
従って、プッシャでシャフト45を上方向に押圧することにより、支持台43における押圧部材41の中間部に設けられた回転軸42を支点として、押圧部材41の先端部41aが下型の方向に(下方向に)所要の角度で回転する(回動する)ことになる。
このとき、押圧部材41の先端部41aを、押圧部材の閉状態から押圧部材の開状態に設定して構成することができる。
また、プッシャによるシャフト45への上方向の押圧を解除することにより、押圧部材41の先端部41aは「ねじりばね44」の弾性作用にて上方向に押圧され、押圧部材41の先端部41aを押圧部材の閉状態にして元の状態に戻すことができる。
即ち、回転軸42を支点として押圧部材41の先端部41aを上下方向に所要の角度で往復回転する(回動する)ことができるように構成されている。
(Y基準線への基板寄せ機構の構成について)
即ち、Y基準線への基板寄せ機構(Y基板寄せ機構)39には、X基板寄せ機構38と同様に、2個の押圧係止片46が2個の基準ピン36で形成されるY基準線(基板セット部34のB辺側)に対応して基板セット部34のD辺の外側に配置されて構成されている。
また、Y基板寄せ機構39には、X基板寄せ機構38と同様に、押圧部材47と、押圧部材47を装設する支持台48と、押圧部材48の中間部に設けられた回転軸(回動軸)49と、支持台48で回転軸49に軸装した「ねじりばね50」と、押圧部材47の末端側に設けられたシャフト51とが設けられて構成されている。
また、Y基板寄せ機構39は、後述する連結機構にてX基板寄せ機構38と連動して押圧部材47の先端部47aを、押圧部材の閉状態から開状態に開いて設定することができるように構成されている。
即ち、Y基板寄せ機構39において、X基板寄せ機構38と同様に、押圧部材47の先端部47aは「ねじりばね50」の弾性作用にて上方向に押圧されているので、回転軸49を支点として押圧部材47の先端部47aを上下方向に所要の角度で往復回転する(回動する)ことができるように構成されている。
このとき、押圧部材47の先端部47aを、押圧部材の閉状態から開状態に開いて設定することができる。
なお、Y基板寄せ機構39には、X基板寄せ機構38と同様に、シャフトを押圧するプッシャ(図示なし)を設けて構成することができる。
(押圧部材の押圧作用について)
次に、図8(1)、図8(2)を用いて、X基板寄せ機構38にて、基板セット部34に基板33を供給セットして押圧係止する場合に、押圧部材41の先端部41aが押圧係止片40を押圧する作用について説明する。
なお、図8(1)は基板の寄せ係止前の状態(基板寄せ機構の開状態)を示し、図8(2)は基板の寄せ係止時の状態(基板寄せ機構の閉状態)を示している。
例えば、基板33を載置した基板供給機構から基板33を上動させて上型32の型面に設けられた基板セット部34に供給セットする。
このとき、図8(1)に示すように、押圧部材41の先端部41aと基板セット部34の押圧係止片40とは離間した状態にあり、図8(1)に示す図例では、基板33と、基準ピン35及び押圧係止片40とは接触しない状態で(隙間がある状態で)、基板セット部34に基板33が供給セットされて構成されている。
従って、次に、図8(2)に示すように、押圧部材41の先端部41aを基板セット部34側に回転させることにより、押圧部材(押圧棒)41を水平状態にして閉状態とし、押圧係止片40を押圧部材41の先端部41aで押圧することができる。
このとき、押圧部材41にて押圧係止片40を(その先端側から)基板33側に押圧湾曲させることができるように構成されている。
また、このとき、押圧部材41にて、基板33(のC辺)を、押圧係止片40を介して基準ピン35側に押圧することにより、基準ピン35に基板33(のA辺)を押圧係止し得て、基板33を基板セット部34に係止して供給セットすることができる。
例えば、まず、X基板寄せ機構38において、押圧部材41を回転させて押圧部材41を閉状態にすることにより、押圧部材41の先端部41aで押圧係止片40を押圧し、次に、押圧係止片40で基板のC辺を押圧することにより、基板のA辺をX基準線(X方向の基準ピン35)に押圧(当接)することができる。
また、このとき、同時に、Y基板寄せ機構39において、押圧部材47を回転させて押圧部材を閉状態にすることにより、押圧部材47の先端部47aで押圧係止片46を押圧し、次に、押圧係止片46で基板33のD辺を押圧することにより、基板33のB辺をY基準線(Y方向の基準ピン36)に押圧(当接)することができる。
従って、基板セット部34に供給セットした基板33を、X基準線(X方向の基準ピン35)とY基準線(Y方向の基準ピン36)とに対して各別に且つ同時に押圧して寄せることができるので、基板セット部34に供給セットされる基板33を効率良く位置決めすることができる。
(押圧係止片の押圧作用とその反作用について)
即ち、押圧係止片40、46を、回転して閉状態となる押圧部材41、47にて押圧することにより、押圧係止片40、46を基板セット部34側に湾曲させた状態に構成することができる。
このとき、押圧係止片40、46は基板33の辺を押圧することになり、基準ピン35、36と押圧係止片40、46とは共働作用して基板33を基板セット部34に係止して供給セットさせることができる。
また、押圧部材41、47を回転させて開状態とすることにより、押圧部材41、47による押圧係止片40、46への押圧を解除することができる。
このとき、押圧係止片40、46(の先端部)は押圧部材41、47による押圧作用に対する反作用で元の状態に(元の形状及び位置に)戻るように構成されている。
なお、押圧係止片41、47が金属片で形成されている場合には、押圧部材41、47で押圧された押圧係止片40、46は、スプリングバック作用にて元の状態に戻ることになる。
(連結機構について)
次に、図9(1)、図9(2)、図10(1)、図10(2)を用いて、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを同時に開閉することにより、基板を2方向から同時に押圧して基板の位置決めを行う連結機構52を説明する。
なお、図9(1)、図10(1)は、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とが閉状態となったときの連結機構52の状態を示している。
また、図9(2)、図10(2)は、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とが開状態となったときの連結機構の状態を示している。
即ち、図例に示すように、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを同時に開閉する連結機構52には、X基板寄せ機構38の回転軸42に軸方向に連設された回動部53と、回動部53に軸方向に平行状態で切り欠いて設けられた切欠平面部54とが設けられて構成されている。
従って、X基板寄せ機構38の回転軸42と切欠平面部54を有する回動部53とは同じ軸方向を回転の軸心として回転(回動)するように構成されている。
このとき、回動部53の切欠平面部54はその全体が回転軸42の軸芯を中心にして回転するように構成されている。
また、連結機構52には、Y基板寄せ機構39の回転軸49を回転(回動)させるアーム55が設けられて構成されている。
また、連結機構52においては、切欠平面部54の上に、回動部53の軸方向とは直角となる方向に差し渡されて載置された連結棒56が固定されない状態で設けられて構成されている。
また、アーム55の一端側にはY基板寄せ機構39の回転軸49が直角方向に固設されると共に、アーム55の端側には連結棒56が直角方向に固設されて構成されている。
従って、X基板寄せ機構38の回転軸42(回動部53)を所要の角度で往復回転させる(回動させる)ことにより、回動部53の切欠平面部54にて連結棒56を、軸方向を水平状態にして上下方向に曲線を描いて移動させることができるように構成されている。
また、連結棒56を、軸方向を水平状態にして上下方向に曲線(円弧)を描いて移動させることにより、アーム55をY基板寄せ機構39の回転軸49を軸心として回動させることができるように構成されている。
従って、アーム55を回動させることにより、Y基板寄せ機構39の回転軸49を回動させることができるように構成されている。
即ち、図9(1)、図10(1)に示すように、切欠平面部54が水平面状態のとき、X基板寄せ機構38(回転軸42)とY基板寄せ機構39(回転軸49)とは閉状態にあり、軸方向が水平状態の連結棒56は、切欠平面部54に固設はされていないが、切欠平面部に接触して付着した状態にある。
また、図9(2)、図10(2)に示すように、X基板寄せ機構38の回転軸42を所要の角度で回転(回動)させた場合、回動した回動部53の切欠平面部54は基板セット部34とは反対側に傾いて傾斜面となり、連結棒56を上方向に曲線を描いて移動させて傾斜面の上方の縁辺に連結棒56を載置した状態に設定することができる。
このとき、連結棒56にてY基板寄せ機構39の回転軸49を所要の角度で回転(回動)させ、Y基板寄せ機構39を開状態に設定することができる。
従って、X基板寄せ機構38(における押圧部材41)を開閉することにより、連結機構52にて、同時に、Y基板寄せ機構39(における押圧部材46)を開閉することができるように構成されている。
なお、図9(2)、図10(2)において、符号62は、連結棒56が上下方向に曲線(円弧)を描いて移動する距離を示している。
また、図10(2)において、符号63は、アーム55が回転する角度を示している。
(基板係止機構について)
また、実施例2において、図6及び図7(2)に示すように、基板33を基板セット部34に係止する基板係止機構37が補助的に設けられて構成されている。
なお、基板係止機構37の基本的な構成は、前記した基板寄せ機構38、39と同様である。
即ち、図例に示すように、基板係止機構37には、回転(回動)して基板33を押圧(或いは解除)する基板押さえ部材(グリップ部材)57と、基板押さえ部材57を回転(回動)する回転軸(回動軸)58と、回転軸58を回転自在(回動自在)に支持し且つ基板押さえ部材57を回転自在(回動自在)に支持する支持台59と、支持台59位置で回転軸58に軸装し且つ基板押さえ部材57を基板セット部34側(上型32の型面側)に押圧付勢する「ねじりばね60」と、回転軸58を介して基板セット部34と反対側に設けられたシャフト61と、シャフト61を押圧するプッシャ(図示なし)とが設けられて構成されている。
なお、支持台59において、基板押さえ部材57が支持台59に支持された回転軸58を回転の中心に所要の角度で往復回転する(回動する)ように構成されている。
従って、プッシャにてシャフト61を上方向に押圧することにより、基板押さえ部材57の先端部57aを基板セット部34から離間して閉状態から開状態にすることができるように構成されている。
また、プッシャによるシャフト61への押圧を解除することにより、基板押さえ部材57の先端部57aを基板セット部34に押圧して基板33を(補助的に)係止することができるように構成されている。
なお、基板セット部34において、2個の基板押さえ部材57の先端部57aの間には2個のX方向の基準ピン35が配置されて構成されている。
(実施例2における半導体チップの圧縮成形方法について)
即ち、実施例2において、まず、半導体チップを装着した基板33を上型32の基板セット部34に半導体チップ装着側を下方に向けた状態で供給セットする。(なお、このとき、基板セット部34においては、基板33と、位置決め用の基準ピン35、36或いは押圧係止片40、46との間には隙間が存在するのが通例である。)
このとき、X基板寄せ機構38におけるシャフト45をプッシャにて上方向に押圧することにより、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とは連結機構52にて連動して同時に開状態となっている。
次に、X基板寄せ機構38におけるシャフト45をプッシャの押圧から解除することにより、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを連結機構52にて連動して同時に閉状態にすることができる。
このとき、X基板寄せ機構38(押圧部材41の先端部41a)にて押圧係止片40を押圧することにより、基板33のC辺を押圧して基板33のA辺をX基準線に押圧して(基板33のA辺を基準ピン35に当接して)位置決めすることができる。
また、このとき、Y基板寄せ機構39(押圧部材47の先端部47a)にて押圧係止片46を押圧することにより、基板33のD辺を押圧して基板33のB辺をY基準線に押圧して(基板33のB辺を基準ピン36に当接して)位置決めすることができる。
即ち、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを同時に閉状態に設定することにより、X基準線(基準ピン35)とY基準線(基準ピン36)とに対して同時に押圧して位置決めすることができる。
従って、実施例2におけるX基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とで基板セット部34に基板33を効率良く位置決めして供給セットすることができる。
なお、実施例2においては、基板33の位置決めに、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを用いる構成であるので、基板に位置決めピンに対応する位置決め孔を設ける必要はない。
また、実施例2において、X基板寄せ機構38とY基板寄せ機構39とを同時に閉状態とすると共に、更に、基板係止機構37にて補助的に基板33を係止することができる。
また、実施例2において、基板係止機構37と、X基板寄せ機構38及びY基板寄せ機構39と連動させて、基板係止機構37、X基板寄せ機構38、Y基板寄せ機構39の3者を同時に開閉する構成を採用することができる。
また、実施例2においては、コンプレッションモールド法による半導体チェックの圧縮成形用金型31を用いて例示したが、本発明に係る位置決めの構成(基板寄せ機構38、39)は、トランスファモールド法に用いられる半導体チップの樹脂封止成形用金型(ポット、プランジャ、ランナ・ゲート等の樹脂通路、樹脂成形用キャビティを有する金型)に採用することができる。
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
図1は、本発明に係る半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの樹脂封止成形用金型)を概略的に示す概略縦断面図であって、金型の型開状態を示している(実施例1)。 図2は、図1に対応する金型を概略的に示す概略縦断面図であって、離型フィルムを位置決めピンで突き刺して貫通した状態を示している(実施例1)。 図3は、図1に対応する金型を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の位置決め孔に位置決めピンを貫通して合致させた状態と、基板を可動支受ピンで支受した状態とを示している(実施例1)。 図4は、図1に対応する金型を概略的に示す概略縦断面図であって、上型の基板セット部に基板を供給セットした状態を示している(実施例1)。 図5は、図1に対応する金型を概略的に示す概略縦断面図であって、金型の型締状態を示している(実施例1)。 図6は、本発明に係る他の半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの樹脂封止成形用金型)を概略的に示す概略平面図であって、上型の型面を示している(実施例2)。 図7(1)、図7(2)は、図6に示す上型の要部を拡大して概略的に示す拡大概略たて断面図であって、図7(1)は上型の基板寄せ機構を示し、図7(2)は基板係止機構を示している(実施例2)。 図8(1)、図8(2)は、図7(1)に示す上型の基板寄せ機構の要部を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、図8(1)は基板の寄せ係止前の状態(基板寄せ機構の開状態)を示し、図8(2)は基板の寄せ係止時の状態(基板寄せ機構の閉状態)を示している(実施例2)。 図9(1)、図9(2)は、上型の要部(連結機構)を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、図9(1)は基板の寄せ機構の閉状態を示し、図9(2)は基板の寄せ機構の開状態を示している(実施例2)。 図10(1)、図10(2)は、上型の要部(連結機構)を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、図10(1)は図9(1)に対応し、図10(2)は図9(2)に対応している(実施例2)。
1 半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの樹脂封止成形用金型)
2 固定上型
3 可動下型
4 中間型
5 遊嵌孔(貫通孔)
6 基板
7 基板セット部
8 下型キャビティ
9 離型フィルム
10 樹脂材料
11 外気遮断部材
12 所要の間隔(距離)
13 キャビティ底面部材
14 基台
15 挟持部材
16 基板用の位置決めピン
17 基板の位置決め孔
18 位置決めピンの挿通孔
19 孔部(離型フィルム)
20 可動支受ピン
21 弾性部材
22 所要の高さ(距離)
31 半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの樹脂封止成形用金型)
32 固定上型
33 基板
34 基板セット部
35 基準ピン(X方向)
36 基準ピン(Y方向)
37 基板係止機構
38 (X基準線への)基板寄せ機構
39 (Y基準線への)基板寄せ機構
40 押圧係止片
41 押圧部材
41a 先端部
42 回転軸
43 支持台
44 ねじりばね
45 シャフト
46 押圧係止片
47 押圧部材
47a 先端部
48 支持台
49 回転軸
50 ねじりばね
51 シャフト
52 連結機構
53 回動部
54 切欠平面部
55 アーム
56 連結棒
57 基板押さえ部材
57a 先端部
58 回転軸
59 支持台
60 ねじりばね
61 シャフト
62 距離
63 角度

Claims (2)

  1. 上型と下型と前記した下型を遊嵌する貫通孔を有する中間型とから成る半導体チップの圧縮成形用金型を用いて、上型の基板セット部に半導体チップを装着した基板を供給セットし、且つ、前記した下型と中間型とで離型フィルムを挟持すると共に、前記した挟持された離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給セットして前記した金型を型締めすることにより、前記したキャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、
    前記した中間型と前記した下型に設けた挟持部材とで離型フィルムを挟持する工程と、
    前記した下型の型面に設けた基板用の位置決めピンにて前記した挟持された離型フィルムに穴を開けて貫通させる工程と、
    前記した下型の型面に上下動自在に設けた可動支受ピンと下型キャビティとに前記した挟持された離型フィルムを被覆させる工程と、
    前記した離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、
    前記した位置決めピンを基板に設けた位置決め孔に貫通させる工程と、
    前記した離型フィルムを介して前記した可動支受ピンで基板を支受することにより、前記した基板と前記した下型面との間に所要の間隔を設定する工程と、
    前記した金型を型締めする工程と、
    前記金型の型締時に、前記した上型の基板セット部に基板を供給セットする工程と、
    前記金型の型締時に、前記した可動支受ピンを基板で下方向に押圧することにより、前記した可動支受ピンを前記した下型内に収容する工程と、
    前記した下型キャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする半導体チップの圧縮成形方法。
  2. 中間型と下型に設けた挟持部材とで離型フィルムを挟持する工程と、
    前記した下型の型面に設けた基板用の位置決めピンにて前記した挟持された離型フィルムに穴を開けて貫通させる工程と、
    前記した下型の型面に上下動自在に設けた可動支受ピンと下型キャビティとに前記した挟持された離型フィルムを被覆させる工程と、
    前記した位置決めピンを基板に設けた位置決め孔に貫通させる工程と、
    前記した離型フィルムを介して前記した可動支受ピンで基板を支受することにより、前記した基板と前記した下型面との間に所要の間隔を設定する工程と、
    前記した金型を型締めする工程と、
    前記金型の型締時に、前記した上型の基板セット部に基板を供給セットする工程と、
    前記した金型を型開きする工程と、
    前記した離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱溶融化する工程と、
    前記した金型を型締めする工程と、
    前記金型の型締時に、前記した可動支受ピンを基板で下方向に押圧することにより、前記した可動支受ピンを前記した下型内に収容する工程と、
    前記した下型キャビティ内で前記したキャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの圧縮成形方法。
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