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JP5034421B2 - 路車間通信システム及び方法とこれに用いる光ビーコン、車載機及び車両 - Google Patents

路車間通信システム及び方法とこれに用いる光ビーコン、車載機及び車両 Download PDF

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Description

本発明は、路側に設置した光ビーコンと車両に搭載された車載機との間で光信号による双方向通信を行う、路車間通信システム及び方法とこれに用いる光ビーコン、車載機及び車両に関するものである。
路車間通信システムを利用した交通情報サービスとして、光ビーコン、電波ビーコン又はFM多重放送を用いたいわゆるVICS(Vehicle Information and Communication System)が既に展開されている。このうち、光ビーコンは近赤外線を通信媒体とした光通信を採用しており、車載機との双方通信が可能となっている。
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
上記光ビーコンは、車載機との間で双方向通信を行う投受光器(ビーコンヘッド)を備えており、この投受光器は、ダウンリンク情報を送出する発光ダイオード(LED)と、車載機からのアップリンク情報を受信するフォトセンサとを備えている。
他方、上記車載機も、光ビーコンの投受光器との間で双方向通信を行うために、LEDとフォトセンサを有する投受光器(車載ヘッド)を備えている。
特開2005−268925号公報
上記光ビーコンを用いた路車間通信システムにおいて、車載機が光ビーコンからのダウンリンク情報を適切に受信できず、所定のサービスを享受できないことがある。
その原因としては、光ビーコンの投受光器のLEDの経年劣化によりその光量が低下した場合、光ビーコンの投受光器の発光パネルが汚れて光の透過率が低下した場合、車載機側の投受光器のフォトセンサの経年劣化によりその受光感度が低下した場合、及び、車両のフロントガラスの汚れや周辺環境(降雨や霧等)によって車載機の投受光器の手前で信号が反射される場合等が考えられる。
しかし、現状の車載機では、光ビーコンからのダウンリンク情報についての受信エラーレートを特に把握しておらず、光ビーコンとの路車間通信が正常か否かを自己判断する機能を備えていない。このため、従来では、光ビーコンからのダウンリンク情報を何らかの原因で適切に受信していない場合でも、ドライバがそれに気付かないまま適切な交通情報サービスが得られているものとして、車両走行を継続している恐れがある。
一方、光ビーコンからのダウンリンク情報として信号情報や停止線までの距離情報が含まれており、この情報を利用して車両のブレーキ制御や減速指示等を行う安全運転支援システムが提案されている(例えば、特願2006−121692号、特願2006−121700号)。
かかる安全運転支援のための情報をダウンリンク情報が含んでいる場合には、適切なダウンリンク情報が受信されていないことをドライバが気付かずに車両走行を継続すると、不完全な状態で安全運転支援システムが続行されることになり、却って危険となる可能性もある。
本発明は、このような実情に鑑み、ダウンリンク情報の良否を車載機で判定できるようにして、ドライバがメンテナンスの要否を判断することができる路車間通信システム及び方法とこれに用いる光ビーコン、車載機及び車両を提供することを目的とする。
本発明の路車間通信システムは、道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲にダウンリンク領域が設定された投受光器を有する光ビーコンとを備え、前記車載機と前記光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う路車間通信システムであって、前記光ビーコンは、車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに、特定の車両からのアップリンク情報の受信に対応してその特定の車両に送出する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数を格納する通信制御部を有しており、前記車載機は、前記最小フレームに含まれている通算フレーム数と受信できた前記最小フレームの数とに基づいてフレーム受信率を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定する判定部を有していることを特徴とする。
この路車間通信システムによれば、光ビーコンの通信制御部が、車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに、特定の車両からのアップリンク情報の受信に対応してその特定の車両に送出する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数を格納するので、そのダウンリンク情報を受信した車載機は、当該ダウンリンク情報を構成する最小フレームのデータを読み取ることで、車両ID情報の送出時点からの通算フレーム数を把握することができる。
従って、上記通算フレーム数と受信できた最小フレームの数とに基づいてフレーム受信率を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定する判定部を車載機に設けるようにすれば、ダウンリンク情報の不良を自動的に検出することができる。
そして、当該車載機に、前記判定部が判定した通信状態の異常をドライバに報知する出力部を設けることにより、ドライバがメンテナンスの要否を判断できるようになる。
なお、上記出力部としては、通信状態の異常をドライバに視覚で注意喚起するディスプレイ装置や、その異常を音声で注意喚起するスピーカ等を採用することができる。
また、上記判定部を有する車載機が、車載機が受信したダウンリンク情報に含まれる支援情報に基づいてドライバに対する安全運転支援の制御を行う支援制御部を備えている場合には、通信状態が異常であると前記車載機の判定部が判定した場合に前記支援制御部による安全運転支援を停止させる停止部を設けることが好ましい。
この停止部を有する車載機によれば、路車間通信の通信状態が異常である場合には停止部が安全運転支援を停止させるので、路車間通信が不完全な状態で安全運転支援システムが続行されるのを未然に防止することができる。
なお、この場合にも、停止部が作動して安全運転支援が停止したことをドライバに報知する出力部を設けるようにすれば、ドライバがメンテナンスの要否を即座に判断することができる。
以上の通り、本発明によれば、車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに、特定の車両からのアップリンク情報の受信に対応してその特定の車両に送出する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数が含まれているので、この通算フレーム数を、ダウンリンク情報の良否を車載機で判定するためのデータとして利用することができる。
このため、当該ダウンリンク情報の良否判定によって判明した通信状態の異常をドライバに報知することにより、ドライバがメンテナンスの良否を判断することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の光ビーコンを含む路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とから構成されている。交通管制システム1は、管制室に設けられた中央装置3と、道路Rの各所に多数設置された光ビーコン(光学式車両感知器)4とから構成されており、光ビーコン4は、近赤外線を通信媒体とした光通信によって車載機2との間で双方向通信を行う。なお、中央装置3は交通管制室に設けられている。
〔光ビーコンの構成〕
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続されたビーコン制御機7と、この制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数(図例では4つ)の投受光器(ビーコンヘッド)8とを備えている。
各投受光器8は、筐体9の内部に発光ダイオード(LED)10とフォトセンサ11を収納して構成されている(図3参照)。このうち、LED10は、近赤外線よりなるダウンリンク情報を後述する通信領域Aに発光し、フォトセンサ11は、車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク情報を受光する。
図2は、上記光ビーコン4の平面図である。
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、各車線R1〜R4に対応して設けられた前記複数の投受光器8と、これらの投受光器8を一括制御する制御部である一台の前記ビーコン制御機7とを備えている。
上記ビーコン制御機7は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、通信部6による中央装置3との双方向通信と、各投受光器8による車載機2との路車間通信の制御を行う通信制御部として機能する。なお、このビーコン制御機7による路車間通信の内容については後述する。
ビーコン制御機7は、道路脇に立設した支柱12に設置されており、各投受光器8は、支柱12から道路R側に水平に架設した架設バー13に取り付けられ、道路Rの各車線R1〜R4の直上に配置されている。
各投受光器8のLED10は、各車線R1〜R4の直下よりも上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該投受光器8の上流側(図2の右側)に設定されている。
図3は、光ビーコン4の通信領域Aを示す側面図である。
図3に示すように、この通信領域Aは、後述する車載機2の投受光器20がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4の投受光器8がアップリンク情報を受信することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
光ビーコン(光学式車両感知器)4の「近赤外線式インタフェース規格」では、アップリンク領域UAは、ダウンリンク領域DAの車両進行方向の上流部分(図3の右側部分)と重複しており、ダウンリンク領域DAとアップリンク領域UAの上流端cは互いに一致している。
従って、ダウンリンク領域DAの車両進行方向長さは通信領域A全体の同方向長さと一致する。
また、上記規格では、一般道向けの光ビーコン4の場合で、ダウンリンク領域DAの下流端aは、投受光器8の直下の1.0〜1.3m上流側に位置し、ダウンリンク領域DAの下流端aからアップリンク領域UAの下流端bまでの距離は2.1mと規定され、アップリンク領域UAの下流端bから同領域UAの上流端cまでの距離は1.6mと規定されている。この場合、通信領域Aの車両進行方向の全長は3.7mとなる。
もっとも、各領域DA,UAの車両進行方向長さは上記各数値に限定されない。また、図3に仮想線で示すように、ダウンリンク領域DAの上流端c’をアップリンク領域の上流端cよりも更に上流側(図3の右側)に位置させる場合もある。
〔車載機及び車両の構成〕
図4は、光ビーコン4と通信する前記車載機2と、この車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
図4に示すように、この車両Cは、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体15と、この車体15に搭載された前記車載機2と、車両Cの各部を統合制御する電子制御装置(ECU)16と、車体15を駆動するエンジン17と、車体15を制動するブレーキ装置18と、車両Cの現時の速度を常時検出している速度検出器26とを備えている。ECU16は、ドライバのアクセル操作に基づくエンジン17の駆動制御や、ブレーキ操作に基づく制動制御等、車両Cに対する各種の制御を行う。
車載機2は、車載コンピュータ19と、このコンピュータ19のセンサ用インタフェースに接続された投受光器(車載ヘッド)20と、搭乗席のドライバに対するヒューマンインタフェースとしてのディスプレイ21及びスピーカ装置22とを備えている。
車載機2の投受光器20も、光ビーコンの投受光器8と同様に、発光ダイオード(LED)とフォトセンサを備えている(図示せず)。このうち、LEDは、近赤外線よりなるアップリンク情報を発光し、フォトセンサは、通信領域Aに発光された近赤外線よりなるダウンリンク情報を受光する。
車載コンピュータ19は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、投受光器20による光ビーコン4との路車間通信の制御処理を行う。
また、車載コンピュータ19は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として判定部23、支援制御部24及び停止部25を備えている。
〔車載コンピュータの処理内容〕
上記判定部23は、後述するダウンリンク情報30の最小フレーム31の通算フレーム数nに基づいて受信率rを算出する。
この受信率rは、受信できた最小フレーム31のフレーム数をn1、通算フレーム数をnとすると、r=n1/nで算出される。判定部23は、上記受信率rを予め設定した所定の閾値と比較し、その受信率rが閾値よりも低い場合には、路車間通信の通信状態が不良(異常)であると判定し、閾値以上の場合には、路車間通信の通信状態が良好であると判定する。
車載コンピュータ19は、通信状態が異常であると当該判定部23が判定すると、その旨の注意喚起表示をディスプレイ21に表示させたり、或いは、その旨の音声出力をスピーカ装置22から発声させたりして、ドライバに報知する。なお、ディスプレイ21とスピーカ装置22の双方で、通信状態の異常をドライバに報知することにしてもよい。
支援制御部24は、ダウンリンク情報に含まれる支援情報に基づいてドライバに対する安全運転支援の制御を行う。この安全運転支援としては、例えば、信号情報や距離情報等の支援情報に基づく車両Cの減速制御やドライバへの報知制御が含まれる。
この信号情報は、光ビーコン4の下流側の信号が変わるタイミング情報であり、上記距離情報は、ダウンリンク領域DAから光ビーコン4の下流側の所定位置(例えば、停止線)までの長さ情報である。
これらの信号情報及び距離情報がダウンリング情報に含まれている場合、支援制御部24は、信号が赤に変わる時点で車両Cが交差点内に進入していないように、ECU16にブレーキ装置18を作動させて車両Cを減速したり、信号が赤に変わることを前記ディスプレイ21やスピーカ装置22によってドライバに報知する。
なお、本出願人が既に提案した特願2006−121692号には、通信領域Aを通常よりも狭めることで距離情報の精度を向上することが記載され、特願2006−121700号には、距離情報を車載機2側で補正することで当該距離情報の精度を向上することが記載されている。
本実施形態の支援制御部24にもこれらの技術を適用して距離情報を高精度化すれば、車両Cを所定位置で正確に停止させることができる。
車載コンピュータ19の停止部25は、通信状態が異常であると前記判定部23が判定した場合に、支援制御部24による安全運転支援を停止させるものである。また、車載コンピュータ19は、この停止部25が作動して安全運転支援が停止されると、その旨の注意喚起表示をディスプレイ30に表示させたり、或いは、その旨の音声出力をスピーカ装置22から発声させたりして、ドライバに報知する。なお、ディスプレイ21とスピーカ装置22の双方で、安全運転支援の停止をドライバに報知することにしてもよい。
ディスプレイ21は、ナビゲーション装置やテレビジョン装置の画像表示部を構成する車載ディスプレイや、車体15のフロントガラス面に図形を架空表示するヘッドアップディスプレイ等よりなる。また、スピーカ装置22は、搭乗席の車体15のフロントパネルやドア等に設けられたスピーカよりなる。
これらのディスプレイ21及びスピーカ装置22は、通信状態の異常やそれに伴う安全運転支援の停止をドライバに報知する出力部として機能する。
〔路車間通信〕
図5は、通信領域Aにおいて光ビーコン4の投受光器8と車載機2の投受光器20との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図5を参照しつつ、この路車間通信の内容を説明する。
まず、光ビーコン4のビーコン制御機7は、各車線R1〜R4に対応する各投受光器8から、ダウンリンクの切り替え前の第一情報として、車線通知情報を含む第一のダウンリンク情報28を、各車線R1〜R4のダウンリンク領域DAに所定の送信周期で常に送信し続けている(図5のF1)。なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
車載機2を搭載した車両Cがダウンリンク領域DAの上流側部分に進入すると、車載機2の投受光器20が車線通知情報(車両ID無し)を含む第一のダウンリンク情報28を受信する。このさい、車載機2の車載コンピュータ19は、当該車両Cが通信領域A内に存在していることを認識する。その後、車載コンピュータ19はアップリンク情報29の送信を開始し(図5のF2)、このアップリンク情報29を光ビーコン4の投受光器8に対して所定の送信周期で送信する(図5のF3)。
車載コンピュータ19は、アップリンク情報29の送信をアップリンク領域UA(図3参照)において行い、そのアップリンク情報29に当該車両Cに特定の車両IDを格納して当該アップリンク情報29を送信する。
なお、車載コンピュータ19は、ビーコン間の旅行時間情報を有している場合には、この情報もアップリング情報29に含ませる。また、車載コンピュータ19は、光ビーコン4のビーコン制御機7がダウンリンクの切り替えを行ったことを認識するまで、当該アップリンク情報29を送信し続ける。
一方、光ビーコン4の投受光器8がアップリンク情報29を受信すると(図5のF4)、ビーコン制御機7は、ダウンリンクの切り替え後の第二情報として、上記車両ID情報を有する車載機2のための車線通知情報を含む第二のダウンリンク情報30の送信を開始し(図5のF5)、このダウンリンク情報30の送信を所定時間内において可能な限り繰り返す(図5のF6)。
上記車線通知情報には、車線R1〜R4ごとに車両IDを格納するフィールドがあり、各車両IDに対して車線番号を付与することができる。このため、異なる車線R1〜R4を走行する各車両Cの車載コンピュータ19は、その格納フィールド内のいずれに自車両の車両IDが含まれるかを判断することにより、自車両がどの車線R1〜R4を走行しているかを認識できる。
第二のダウンリンク情報30には、車両IDを含む車線通知情報の他に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報、及び、ドライバに対する安全運転支援のための前記支援情報等が含まれている。
この支援情報には、光ビーコン4の下流側の信号が変わるタイミング情報である前記信号情報や、ダウンリンク領域DAから光ビーコン4の下流側の所定位置(例えば、停止線)までの長さ情報である距離情報等が含まれる。
図5に示すように、第二のダウンリンク情報30は、単一又は複数の最小フレーム31で構成されている。前記「近赤外線式インタフェース規格」によれば、この最小フレーム31のデータ量は合計128バイトと規定され、ヘッダ部32に5バイト、実データ部33に123バイトが割り当てられている。
そこで、本実施形態では、最小フレーム31の実データ部33の中に通算フレーム数nの格納部34(1〜2バイト)を設けている。
この通算フレーム数nは、第二のダウンリンク情報30(各車線R1〜R4ごとの車両IDを有する車両通知情報を含む。)の送信開始時点(図5のT0)から見て、当該最小フレーム31が何番目のフレームであるかを示している。光ビーコン4のビーコン制御機7は、この通算フレーム数nを各最小フレーム31の格納部34に格納して、当該フレーム31を投受光器8から送出させる。
なお、前記規格によれば、第二のダウンリンク情報30は、1〜80個の最小フレーム31で構成することができ、送信可能時間は250msに設定されている。また、このダウンリンク情報30は送信すべき情報量に対応した任意数の最小フレーム31で構成され、上記送信可能時間の範囲内で繰り返し送信される。
最小フレーム31の送信周期は約1msである。従って、例えば、三つの最小フレーム31で一つのダウンリンク情報30を構成する場合には、ダウンリンク情報30の送信周期は約3msになるので、当該ダウンリンク情報30は所定の送信可能時間(250m)の間に約80回繰り返して送信されることになる。
車載機2の車載コンピュータ19は、第二のダウンリンク情報30を受信した時点(図6のF7)で光ビーコン4でのダウンリンクの切り替えを認識し、この時点でアップリンク情報29の送信を停止する。
また、前記した通り、車載コンピュータ19は、第二のダウンリンク情報30を受信すると、判定部23において、当該ダウンリンク情報30の最小フレーム31に含まれている通算フレーム数nに基づいて前記フレーム受信率r(=n1/n)を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定する(図5のF8)。
このように、本実施形態の光ビーコン4によれば、ビーコン制御部7が、第二のダウンリンク情報30を構成する最小フレーム31に、特定の車両Cに対する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数nを格納しているので、そのダウンリンク情報30を受信した車載機2の車載コンピュータ19において、当該ダウンリンク情報30を構成する最小フレーム31のデータを読み取ることで、車両ID情報の送出時点からの通算フレーム数nを把握することができる。
また、本実施形態の車載機2によれば、車両コンピュータ19の判定部23が、上記通算フレーム数nに基づいてフレーム受信率rを算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定するので、ダウンリンク情報30の不良を自動的に検出することができる。
また、本実施形態の車載機2によれば、上記判定部23が判定した通信状態の異常をドライバに報知するディスプレイ21やスピーカ装置22を備えているので、車両Cに搭乗したドライバがメンテナンスの要否を容易に判断することができる。
更に、本実施形態の車載機2によれば、第二のダウンリンク情報30に含まれる支援情報に基づいてドライバに対する安全運転支援の制御を行う支援制御部24と、通信状態が異常であると判定部23が判定した場合に支援制御部24による安全運転支援を停止させる停止部25を備えているので、路車間通信が不完全な状態で安全運転支援システムが続行されるのを未然に防止することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、車載コンピュータ19の各機能部23,24,25は、車両Cの電子制御装置(ECU)16に組み込むこともできる。
また、規格外となるが、通算フレーム数nの格納部34は、最小フレーム31の実データ部33以外の部分に設けることもできる。
更に、上記実施形態では、各最小フレーム31の全てに通算フレーム数nを格納しているが、すべての最小フレーム31に格納する必要はなく、複数個の最小フレーム31ごとに通算フレーム数nを格納することもできる。
例えば、ビーコン制御機が最小フレーム31の10フレームごとに通算フレーム数nを格納している場合、車載機2の投受光器20が通算フレーム数ns=10を格納した最小フレーム31を受信したあと、通算フレーム数ne=20を受信するまでに受信できたフレーム数n1を車載コンピュータ19でカウントしておけば、r=n1/(ne−ns)の式で受信率rを算出することができる。
本発明の路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の光ビーコンの平面図である。 上記光ビーコンの通信領域を示す側面図である。 光ビーコンと通信する車載機と、この車載機が搭載された車両の概略構成図である。 通信領域で行われる路車間通信の手順とデータ内容を示す概念図である。
符号の説明
1 交通管制システム
2 車載機
4 光ビーコン
7 ビーコン制御機(通信制御部)
8 投受光器(ビーコン側)
15 車体
16 電子制御装置(ECU)
19 車載コンピュータ
20 投受光器(車載機側)
21 ディスプレイ(出力部)
22 スピーカ装置(出力部)
23 判定部
24 支援制御部
25 停止部
28 第一のダウンリンク情報
29 アップリンク情報
30 第二のダウンリンク情報
31 最小フレーム
A 通信領域
C 車両
R 道路
DA ダウンリンク領域
UA アップリンク領域

Claims (8)

  1. 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲にダウンリンク領域が設定された投受光器を有する光ビーコンとを備え、前記車載機と前記光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う路車間通信システムであって、
    前記光ビーコンは、車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに、特定の車両からのアップリンク情報の受信に対応してその特定の車両に送出する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数を格納する通信制御部を有しており、
    前記車載機は、前記最小フレームに含まれている通算フレーム数と受信できた前記最小フレームの数とに基づいてフレーム受信率を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定する判定部を有していることを特徴とする路車間通信システム。
  2. 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲にダウンリンク領域が設定された光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う路車間通信方法であって、
    前記光ビーコンが、車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに、特定の車両からのアップリンク情報の受信に対応してその特定の車両に送出する車両ID情報を送出し始めてからの通算フレーム数を格納して当該ダウンリンク情報を前記車載機に送信し、
    前記車載機が、前記最小フレームに含まれている通算フレーム数と受信できた前記最小フレームの数とに基づいてフレーム受信率を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定することを特徴とする路車間通信方法。
  3. 請求項1に記載の路車間通信システムに用いられることを特徴とする光ビーコン。
  4. 道路を走行する車両の車載機であって、前記道路の所定範囲にダウンリンク領域が設定された光ビーコンの投受光器との間で光信号による双方向通信を行う、路車間通信に使用する車載機において、
    前記光ビーコンが車両ID情報を含むアップリンク情報の受信を契機として同じ車両ID情報を含めて送出するダウンリンク情報を構成する最小フレームに含まれている、自車両から送信したアップリンク情報に対応して自車両に向けて送出される車両ID情報を前記光ビーコンが送出し始めてからの通算フレーム数と、受信できた前記最小フレームの数とに基づいてフレーム受信率を算出し、路車間通信の通信状態の良否を判定する判定部を有していることを特徴とする車載機。
  5. 前記車載機の判定部が判定した通信状態の異常をドライバに報知する出力部を備えている請求項4に記載の車載機。
  6. 受信したダウンリンク情報に含まれる支援情報に基づいてドライバに対する安全運転支援の制御を行う支援制御部と、通信状態が異常であると前記判定部が判定した場合に前記支援制御部による安全運転支援を停止させる停止部とを備えている請求項4に記載の車載機。
  7. 前記停止部が作動して安全運転支援が停止したことをドライバに報知する出力部を備えている請求項6に記載の車載機。
  8. 車体と、この車体の駆動及び制動を制御する制御装置と、前記車体に搭載された請求項4〜7のいずれか1項に記載の車載機とを備えていることを特徴とする車両。
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