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JP5032196B2 - 磁気共鳴イメージング装置およびスラブ領域設定方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置およびスラブ領域設定方法 Download PDF

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JP5032196B2 JP2007123813A JP2007123813A JP5032196B2 JP 5032196 B2 JP5032196 B2 JP 5032196B2 JP 2007123813 A JP2007123813 A JP 2007123813A JP 2007123813 A JP2007123813 A JP 2007123813A JP 5032196 B2 JP5032196 B2 JP 5032196B2
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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置およびスラブ領域設定方法に関する。
磁気共鳴イメージング装置において血流を描出するMRA(magnetic resonance angiography)としてTOF(time of flight)法や位相コントラスト法(phase contrast)などが知られている。
一般に、MRAは、血流がスライス面を通過する時間と血流の信号に与える効果を利用する手法である。この効果は移動するスピンが有する2つの性質のいずれかによって起こる。1つは、流速を持つスピンは静止系におけるスピンと異なる信号強度を持つという性質、2つ目は、傾斜磁場の中をスピンが移動することにより横磁化の位相シフトが生じるとう性質である。TOF法は、前者の性質を利用した方法である。
TOF法には、スライス面を撮像する2DTOF(two dimensional time of flight)法と3Dボリュームであるスラブを撮像する3DTOF(three dimensional time of flight)法がある。
3DTOF(three dimensional time of flight)法においては、2DTOF(two dimensional time of flight)法に比べてスラブ(スライス)が厚いため、血流がスラブ内を通過する際に何回もRFパルスを受けることにより、血流内のスピンが飽和されていき、スラブおける血流の流入部から遠い血流は飽和される。そのため、流入部から遠い血管における信号強度が低下する。この飽和を防ぐため、比較的高いフリップアングルを用いたり、スラブに対しランプパルス(ramped pulse)を照射させるTONE(tilted optimized non-saturating excitation)方法が知られている。TONE法は、スラブに対してフリップアングルが徐々に大きくなるように形成されたランプパルスをスラブに照射することにより、流入部から遠い部分のバックグラウンドと血液のコントラストを改善できる(特許文献1、特許文献2参照)。
また、3DTOF法では、2DTOF法に比べスラブが厚いため、スラブ内において信号強度の差が大きくなる。そのため、スラブ端においてスラブを構成するスライスの一部を削除する手法が取られている。
このランプパルスや比較的高いフリップアングルを用いる場合、スラブプロファイルによってはスラブ端のスライスで背景信号が高くなることがある。たとえば、脳脊髄液など水に近いT1緩和時間、T2緩和時間を有し、信号強度の高い最適なフリップアングルが小さい組織においてこのようなことが起こる。これは、最適なフリップアングルが小さいため、スラブ端でランプパルスのフリップアングルが最大になった後、ランプパルスのフリップアングルが急激に小さくなる間に、これらの組織における信号強度が高くなる最適なフリップアングルがスラブ内に含まれるからである。
通常、スラブ端において削除させるスライス枚数は固定されており、スラブを構成するスライス枚数が少ない場合は、削除するスライス内に高輝度の背景信号を有するスライスが含まれるため、最終的に得られる最大輝度を投影したMIP(maximum intensity projection)画像の画質に問題はない。
特開平5−269107号公報 特開平7−313485号公報
しかし、スラブを構成するスライス枚数が多い場合、削除するスライス内に高輝度の背景信号を含むスライスが含まれない。換言すれば、画像を生成するスラブ領域内に高輝度の背景信号を含むこととなる。したがって、この場合MIP画像を生成すると、画像上に高輝度の信号ラインが生じ、画質が低下する等の問題が生じる場合がある。
したがって、本発明の目的は、スラブプロファイルにおける信号強度のシミュレーションに基づいて、画像を生成するスラブ領域を選択することにより、画像品質を向上させることができる磁気共鳴イメージング装置およびスラブ領域設定方法を提供することにある。
上記目的の達成のために本発明の磁気共鳴イメージング装置は、3Dタイムオブフライト法により、静磁場空間内の被検体にランプパルスを送信し、当該被検体から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施することによって、前記被検体についてイメージングする磁気共鳴イメージング装置であって、前記被検体において前記スキャンを実施する第1スラブ領域と撮像プロトコルとを設定するプロトコル設定部と、前記撮像プロトコル設定部により設定された前記撮像プロトコルに基づいて、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度と、前記第1スラブ領域の厚さ方向との関係を、スラブプロファイルとしてシミュレーションするスラブプロファイルシミュレーション部と、前記スラブプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さを変更したスラブ領域を、第2スラブ領域として選択するスラブ領域選択部とを有し、前記撮像プロトコル設定部は、前記スラブ選択部により選択された第2スラブ領域を、前記被検体において前記スキャンが実施されるスラブ領域として設定する。
好適には、前記スラブ領域設定部は、前記スラブプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点であって、予め定められた変化量のしきい値を超える信号強度の変化が開始する変化開始点である前記極点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さ方向の位置を変更することによって、当該第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域における信号強度の変化する割合の正負が、前記ランプパルスにおけるフリップアングルが変化する割合の正負と逆となる領域を、第2スラブ領域として選択する。
好適には、前記スラブプロファイルシミュレーション部は、前記撮像プロトコル設定部が設定した前記撮像プロトコルに基づいて、スピンを励起するフリップアングルと、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される前記磁気共鳴信号の信号強度との関係である信号強度プロファイルをシミュレーションする信号強度シミュレーション部と、前記撮像プロトコル設定部が設定した撮像プロトコルであるフリップアングルと前記ランプパルスの波形とに基づいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向における前記ランプパルスが前記第1スラブ領域のスピンを励起するフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルをシミュレーションするフリップアングルプロファイルシミュレーション部とを含み、前記信号強度シミュレーション部によりシミュレーションされた信号強度プロファイルと前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされたフリップアングルプロファイルに基づいて前記スラブプロファイルをシミュレーションする。
好適には、前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部は、前記ランプパルスの波形を高速フーリエ変換することにより前記フリップアングルプロファイルをシミュレーションする。
好適には、前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記フリップアングルの分布をシミュレーションする。
好適には、前記信号強度シミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記信号強度をシミュレーションする。
好適には、前記スラブプロファイルシミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記スラブプロファイルをシミュレーションする。
また、上記目的のために本発明のスラブ領域設定方法は、3Dタイムオブフライト法により、静磁場空間内の被検体にランプパルスを送信し、当該被検体から磁気共鳴信号を収集するスキャンが実施されるスラブ領域を設定するスラブ領域設定方法であって、前記被検体において前記スキャンを実施する第1スラブ領域と撮像プロトコルとを設定する第1ステップと、前記第1ステップにおいて設定された前記撮像プロトコルに基づいて、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度と、前記第1スラブ領域の厚さ方向との関係を、スラブプロファイルとしてシミュレーションする第2ステップと、前記第2ステップによりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さを変更したスラブ領域を、第2スラブ領域として選択する第3ステップと、前記第3ステップにおいて選択された第2スラブ領域を、前記被検体において前記スキャンが実施されるスラブ領域として設定する第4ステップとを含む。
好適には、前記第3ステップは、前記第2ステップにおいてシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点であって、予め定められた変化量のしきい値を超える信号強度の変化が開始する変化開始点である前記極点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さ方向の位置を変更することによって、当該第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域における信号強度の変化する割合の正負が、前記ランプパルスにおけるフリップアングルが変化する割合の正負と逆となる領域を、第2スラブ領域として選択する。
好適には、前記第2ステップは、前記第1ステップにおいて設定した前記撮像プロトコルに基づいて、フリップアングルと、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される前記磁気共鳴信号の信号強度との関係である信号強度プロファイルをシミュレーションし、前記第1ステップにおいて設定した撮像プロトコルであるフリップアングルと前記ランプパルスの波形とに基づいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向における前記ランプパルスが前記第1スラブ領域のスピンを励起するフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルをシミュレーションし、前記信号強度プロファイルと前記フリップアングルプロファイルに基づいて、前記スラブプロファイルをシミュレーションする。
本発明によれば、スラブプロファイルにおける信号強度のシミュレーションに基づいて、画像を生成するスラブ領域を選択することにより、画像品質を向上させることができる磁気共鳴イメージング装置およびスラブ領域設定方法を提供することができる。
以下より、本発明にかかる一実施形態について図面を参照して説明する。
(装置構成)
図1は、本発明にかかる一実施形態のRFコイル部により構成される磁気共鳴イメージング装置の構成を示す構成図である。本装置は、本発明の実施形態の一例である。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有している。ここで、スキャン部2は、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、クレードル15とを有する。そして、操作コンソール部3は、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24と、制御部30と、記憶部31と、操作部32と、画像再構成部33と、表示部34とを有する。
スキャン部2について説明する。
スキャン部2は、図1に示すように、被検体40において体動する撮影対象を含む撮影スライス領域が収容される静磁場空間11を含んでいる。そして、スキャン部2は、操作コンソール部3からの制御信号に基づいて、静磁場が形成される静磁場空間11に収容した被検体40の撮影領域にRFパルスを照射し、その撮影領域から生ずる磁気共鳴信号をイメージングデータとして収集し、被検体40についてスキャンを実施する。
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
静磁場マグネット部12は、被検体40が収容される静磁場空間11に静磁場を形成するために設けられている。静磁場マグネット部12は、水平磁場型であって、被検体40が収容される静磁場空間11において載置される被検体40の体軸方向(y方向)に沿うように、超伝導磁石(図示なし)が静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、水平磁場型の他に、垂直磁場型であってもよく、また静磁場マグネット部12は、永久磁石により構成されていてもよい。
勾配コイル部13は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に3次元の位置情報を持たせるために、静磁場空間11に勾配磁場を形成する。勾配コイル部13は、スライス選択勾配磁場、読み取り勾配磁場、位相エンコード勾配磁場の3種類の勾配磁場を形成するために勾配コイルを3系統有する。
RFコイル部14は、たとえば、被検体40を囲むように配置される。RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される静磁場空間11内において、制御部30からの制御信号に基づいて、電磁波であるRFパルスを被検体40に送信して高周波磁場を形成する。これにより、被検体40の撮影スライス領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体40の撮影スライス領域におけるプロトンのスピンが元の磁化ベクトルへ戻る際に生ずる電磁波を、磁気共鳴信号として受信する。
クレードル15は、被検体40を載置するテーブルを有する。クレードル15は、制御部30からの制御信号に基づいて、静磁場空間11の内部と外部との間でテーブルに載置された被検体40を移動する。
操作コンソール部3について説明する。
操作コンソール部3は、スキャン部2が被検体についてスキャンを実施するように制御し、そのスキャン部2が実施したスキャンによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、被検体40の画像を生成すると共に、その生成した画像を表示する。
操作コンソール部3を構成する各部について、順次、説明する。
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて静磁場空間11内に高周波磁場を形成するために、ゲート変調器(図示なし)とRF電力増幅器(図示なし)とRF発振器(図示なし)とを有する。RF駆動部22は、制御部30からの制御信号に基づいて、RF発振器からのRF信号を、ゲート変調器を用いて所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調する。そして、ゲート変調器により変調されたRF信号を、RF電力増幅器により増幅した後、RFコイル部14に出力する。
勾配駆動部23は、制御部30の制御信号に基づいて勾配コイル部13を駆動させて、静磁場空間11内に勾配磁場を発生させる。勾配駆動部23は、勾配コイル部13の3系統の勾配コイルに対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集するために、位相検波器(図示なし)とアナログ/デジタル変換器(図示なし)とを有する。データ収集部24は、RFコイル部14からの磁気共鳴信号を、RF駆動部22のRF発振器の出力を参照信号として、位相検波器によって位相検波し、アナログ/デジタル変換器に出力する。そして、位相検波器により位相検波されたアナログ信号である磁気共鳴信号を、アナログ/デジタル変換器によってデジタル信号に変換して、画像再構成部33に出力する。
制御部30は、コンピュータと、コンピュータを用いて所定のスキャンに対応する動作を各部に実行させるプログラムとを有する。そして、制御部30は、操作部32に接続されており、操作部32に入力された操作信号を処理し、クレードル15とRF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24との各部に、制御信号を出力し制御を行う。また、制御部30は、所望の画像を得るために、操作部32からの操作信号に基づいて画像再構成部33を制御する。
図2は、本発明にかかる一実施形態における制御部30の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部30は、スラブプロファイルシミュレーション部301と、スラブ領域選択部302とを有しており、スラブプロファイルシミュレーション部301は、信号強度シミュレーション部301aと、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bとを有している。そして、制御部30において、被検体40の磁気共鳴画像を生成するための第2スラブ領域が選択される。詳細については後述するが、たとえば、後述する撮像プロトコル設定部321で設定された撮像プロトコルに基づいて、信号強度シミュレーション部301aが、フリップアングルと前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号における信号強度との関係をシミュレーションする。そして、撮像プロトコル設定部321で設定されたフリップアングルとランプパルスの波形に基づいて、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bが、ランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイル、すなわち、ランプパルスの励起プロファイルをシミュレーションする。そして、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションされたフリップアングルと前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号における信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションされたランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布に基づいて、スラブプロファイルシミュレーション部301が第1スラブ領域の厚さ方向における磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルをシミュレーションする。そして、スラブプロファイルにおける第1スラブ領域に基づいて、スラブ領域選択部302が、被検体40の磁気共鳴画像を生成するための第2スラブ領域を選択する。
制御部30の各部について順次説明する。
信号強度シミュレーション部301aは、後述する撮像プロトコル設定部321で設定された被検体40における第1スラブ領域におけるT1緩和時間、T2緩和時間、TE(エコー時間)、TR(繰り返し時間)に基づいて、フリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度との関係をシミュレーションする。
フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bは、撮像プロトコル設定部321で設定されたフリップアングルとランプパルスの波形に基づいて、ランプパルスの第1スラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。
また、他のシミュレーション方法として、フリップアングルが90°以下の場合、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bは、ランプパルスの波形を高速フーリエ変換することによりランプパルスのスラブ領域に厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。
スラブプロファイルシミュレーション部301は、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションされたフリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号における信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションされたRFパルスの第1スラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布に基づいて、第1スラブ領域の厚さ方向における、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルをシミュレーションする。
スラブ領域選択部302は、スラブプロファイルシミュレーション部301によりシミュレーションされたスラブプロファイルにおけるスラブにおいて、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度が変化する割合の正負が逆になる極点、および磁気共鳴信号の信号強度の変化量に基づいて、画像を生成する際に使用する第2スラブ領域を選択する。
記憶部31は、コンピュータにより構成されている。そして、記憶部31は、データ収集部24に収集された画像再構成処理前の磁気共鳴信号、画像再構成部33で画像再構成処理された画像データ等を記憶する。
操作部32は、キーボードやマウスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データ、撮像プロトコルなどが入力され、その操作データ、撮像プロトコルを制御部30に出力する。
図3は、本発明にかかる一実施形態における、操作部32の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、操作部32は、撮像プロトコル設定部321を有しており、撮像プロトコル設定部321は、オペレータが入力した被検体における第1スラブ領域と、第1スラブ領域におけるT1緩和時間およびT2緩和時間と、フリップアングルと、TEと、TRと、撮像シーケンスなどを含む撮像プロトコルを設定する。第1スラブ領域は、被検体の撮像領域として最初に設定するスラブ領域である。また、T1緩和時間とT2緩和時間は、組織で固有の値であるため、予め撮像プロトコル設定部321に設定しておいてもよい。予め撮像プロトコル設定部321に設定する場合、第1スラブ領域において信号強度が高くなる組織は水に近い特性を持つことから、水のT1緩和時間、T2緩和時間を設定してもよい。
画像再構成部33は、コンピュータにより構成されている。そして、画像再構成部33は、データ収集部24に接続されており、データ収集部24から出力される磁気共鳴信号に対して画像再構成処理を実施して、画像を生成する。
表示部34は、ディスプレイなどの表示デバイスにより構成されており、画像再構成部33が生成する被検体40の画像を表示する。
(動作)
以下より、上記の本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1を用いて、RFパルスが、スラブに対してフリップアングルが徐々に大きくなるように形成されたランプパルスの場合に、画像を生成する第2スラブ領域を選択する動作について説明する。
図4は、本発明にかかる一実施形態において、被検体40を撮像する撮像領域である第2スラブ領域を選択する動作を示すフロー図である。
まず、図4に示すように、撮像プロトコルを設定する(ST10)。
ここでは、スキャン部2がスキャンを実施する際の撮像条件を、操作部32から入力される撮像プロトコルに基づいて、撮像プロトコル設定部321が設定する。
撮像プロトコル設定部321が被検体40における撮像領域と、撮像シーケンスと、設定した撮像領域におけるT1緩和時間およびT2緩和時間と、フリップアングルと、TEと、TRの設定を行う。
具体的には、位置決め画像を撮影し、オペレータが位置決め画像上でスライス厚、スライス枚数、スライス長等を入力し、その入力スライスデータを基に、撮像プロトコル設定部321が複数のスライス領域からなる撮像領域である第1スラブ領域を設定する。
そして、撮像プロトコル設定部321が、オペレータが操作部32に入力した撮像シーケンスの設定を行う。撮像シーケンスとして、たとえば、GRE(Gradient Echo),FSE(Fast Spin Echo),EPI(Echo Planar Imaging),FGSE(Fast Gradient Spin Echo)などがあげられる。これらの撮像シーケンスから適切なシーケンス種別が選定される。撮像シーケンスを設定することにより、RFパルスの波形が定まる。本実施形態においては、たとえば、RFパルスの波形がランプパルスとなる撮像シーケンスを選択する。
そして、撮像プロトコル設定部321が、設定した第1スラブ領域における操作部32に入力されたT1緩和時間およびT2緩和時間の設定を行う。T1緩和時間およびT2緩和時間は組織で固有の値であるため、オペレータが操作部32に入力せずに、予め撮像プロトコル設定部321に設定させておいてもよい。本実施形態においては、信号強度が高くなる組織は水に近い特性を持つことから、水のT1緩和時間、T2緩和時間を設定してもよい。また、撮像プロトコル設定部321が、操作部32に入力されたTE、TRおよびフリップアングルの設定を行う。
また、図5は、本発明にかかる一実施形態における、撮像プロトコル設定部321が設定する撮像シーケンスを示す撮像シーケンス図である。図5においては、ランプパルスRαと、スライス選択方向の勾配パルスGzと、位相エンコード方向の勾配パルスGyと、周波数エンコード方向の勾配パルスGxとを示している。なお、ここでは、縦軸が強度を示し、横軸が時間を示している。
図5に示すように、本実施形態においては、たとえば、3DTOF法に対応する撮像シーケンスにて、繰り返し時間TRごとに繰り返し実施するように、撮像シーケンスを設定する。
つぎに、図4に示すように、フリップアングルと信号強度との関係をシミュレーションする(ST20)。
ここでは、撮像プロトコル設定部321が設定した撮像プロトコルに基づいて、信号強度シミュレーション部301aが信号強度をシミュレーションする。
図6は、本発明にかかる一実施形態におけるフリップアングルと第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度との関係である信号強度プロファイルを示す図である。縦軸は磁気共鳴信号の信号強度であり、横軸はフリップアングルである。また、実線は第1スラブ領域における水の信号強度であり、破線は脂肪の信号強度である。
信号強度シミュレーション部301aが、撮像プロトコル設定部321で設定された被検体40の第1スラブ領域におけるT1緩和時間およびT2緩和時間、TE、TRに基づいて、図6に示すような、フリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度との関係をシミュレーションする。
例えば、SPGR法において、第1スラブ領域における磁気共鳴信号は、第1スラブ領域におけるT1緩和時間、T2緩和時間、TE、TRを用いて以下の数式(1)で表される。
Figure 0005032196
α:フリップアングル
この数式(1)を信号強度シミュレーション部301aに実装させておき、最初に設定した撮像領域である第1スラブ領域におけるT1緩和時間とT2緩和時間、およびオペレータが決定したTEとTRが撮像プロトコル設定部321により設定される。T1緩和時間とT2緩和時間は、組織で固有の値であるため、予め撮像プロトコル設定部321に設定されている値を用いてもよい。予め信号強度シミュレーション部301aに設定する場合、第1スラブ領域で信号強度が高くなる組織は水に近い特性を持つことから、水のT1緩和時間、T2緩和時間を設定する。そして、各撮像プロトコルが撮像プロトコル設定部321により設定されることにより、フリップアングルと磁気共鳴信号の信号強度との関係がシミュレーションされる。
図6に示すように、水のT1緩和時間が脂肪のT1緩和時間よりも長いため、水の磁気共鳴信号の信号強度は低くなる。また、フリップアングルと信号強度の関係は、水は脂肪に比べて、信号強度の高くなる最適なフリップアングルが小さくなる。
また、図6に示すフリップアングルの範囲F1、F2、F3は後述の図7におけるフリップアングルの範囲Fにそれぞれ対応する。ここで、範囲F1は、信号強度プロファイルにおいて水の信号強度および脂肪の信号強度の両方の最大値を含まないフリップアングルの範囲である。また、範囲F2は、信号強度プロファイルにおいて脂肪の信号強度の最大値は含まないが、水の信号強度の最大値を含むフリップアングルの範囲である。また、範囲F3は、信号強度プロファイルにおいて水の信号強度および脂肪の信号強度の両方の最大値を含むフリップアングルの範囲である。
つぎに、図4に示すように、第1スラブ領域におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする(ST30)。
ここでは、撮像プロトコル設定部321が設定したフリップアングルと撮像シーケンスに基づいて、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bがフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルをシミュレーションする。
図7は、本発明にかかる一実施形態におけるランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルを示す図である。縦軸はフリップアングルであり、横軸はスラブ領域の厚さ方向の距離である。
図7に示すように、本発明にかかる一実施形態におけるRFパルスは、3DTOF法に用いられるスラブに対してフリップアングルが徐々に大きくなるように形成されたランプパルスである。
図7に示すランプパルスにおけるフリップアングルの範囲Fが、図6に示すフリップアングルの範囲F1、F2、F3のいずれかに対応し、図7に示すフリップアングルの範囲Fが図6に示すフリップアングルの範囲F1、F2、F3のそれぞれとなることにより、後述の図8における水および脂肪のスラブプロファイルの形状が変化することとなる。
フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bが、撮像プロトコル設定部321が設定したフリップアングルと、撮像シーケンスを設定することにより定まるランプパルスの波形に基づいて、ランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。例えば、複数のフリップアングルに関するフリップアングルの分布を予め求め、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bに実装させる。そして、撮像プロトコル設定部321により設定されたフリップアングルに基づき、予めフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bに実装させていたフリップアングルの分布から、目的のフリップアングルの分布をライン補間などにより近似的にシミュレーションする。
また、他のシミュレーション方法として、フリップアングルが90°以下の場合、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bは、ランプパルスの波形を高速フーリエ変換することにより、ランプパルスの第1スラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。例えば、RF波形f(k)をフーリエ変換すると、数式(2)で示される励起プロファイルx(j)がシミュレーションされる。
Figure 0005032196
j:空間座標、k:空間周波数、n:RF分解能
そして、撮像プロトコル設定部321でスラブ領域の中心に対応するフリップアングルが設定されるため、シミュレーションした励起プロファイルから、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bが数式(3)で示されるランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。
Figure 0005032196
α:フリップアングル
つぎに、図4に示すように、第1スラブ領域におけるスラブプロファイルをシミュレーションする(ST40)。
ここでは、信号強度シミュレーション部301aがシミュレーションしたフリップアングルと信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bがシミュレーションしたスラブにおけるフリップアングルの分布に基づいて、スラブプロファイルシミュレーション部301が、スラブプロファイルをシミュレーションする。
図8は、本発明にかかる一実施形態におけるスラブ領域の厚さ方向にて発生する磁気共鳴信号の信号強度であるスラブプロファイルを示す図である。縦軸は磁気共鳴信号の信号強度であり、横軸はスラブの厚さ方向の距離である。
スラブプロファイルシミュレーション部301が、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションされたフリップアングルと第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションされたランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布に基づいてスラブ領域の厚さ方向における第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルをシミュレーションする。
例えば、SPGR法において、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションした第1スラブ領域におけるフリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度との関係を表す数式(1)に、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションした数式(3)で表されるフリップアングルの分布を示すフリップアングルプロファイルを代入することにより、スラブプロファイルシミュレーション部301が、スラブ領域の厚さ方向における磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルをシミュレーションする(数式(4))。
Figure 0005032196
図8に示すように、組織が脂肪の場合、第1スラブ領域の端で信号強度が急激に高くなることはないが、組織が水の場合、第1スラブ領域端で信号強度が急激に高くなる場合がある。これは、水の信号強度が最大となるフリップアングルが小さいため、図7に示す第1スラブ領域においてフリップアングルが急激に低下する部分のフリップアングルの範囲Fに対応する、図6に示すフリップアングルの範囲F2に、水における信号強度が最大となるフリップアングルが含まれる可能性が高いためである。また、図7に示す第1スラブ領域においてフリップアングルが急激に低下する部分のフリップアングルの範囲Fに対応する、図6に示すフリップアングルが範囲F1の場合、範囲F1に水の信号強度が最大となるフリップアングルが含まれる可能性が低いため、組織が水であっても第1スラブ領域端で信号強度が高くなることはない。また、図7に示すフリップアングルの範囲Fに対応する図6に示すフリップアングルが範囲F3の場合は、範囲F3に水と脂肪の信号強度が最大となるフリップアングルが含まれる可能性が高いため、組織が水か脂肪かに関わらず第1スラブ領域端で信号強度が高くなる。
つぎに、図4に示すように、第2スラブ領域を選択する(ST50)。
ここでは、スラブプロファイルシミュレーション部301がシミュレーションしたスラブプロファイルを基に、スラブ領域選択部302が第2スラブ領域を選択する。
図9および図10は、本発明にかかる一実施形態における選択された第2スラブ領域を示す図である。縦軸は第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度であり、横軸はスラブ領域の厚さ方向の距離である。また、縦軸に平行な破線で区切られたスラブ厚さD1は、第1スラブ領域を示し、縦軸に平行な実線で区切られたスラブ厚さD2は、第2スラブ領域を示す。また、厚さD3、厚さD4は削除される、すなわちキス・オフ(kiss-off)スライスを示す。
図7に示すフリップアングルの範囲Fに対応する図6に示すフリップアングルの範囲が範囲F2の場合には、図9に示すように、スラブ領域選択部302が、たとえば、スラブプロファイルシミュレーション部301によりシミュレーションされた水のスラブプロファイルにおける第1スラブ領域の端部に信号強度の極大点が存在する。そして、第1スラブ領域において、スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる点すなわち極点であって、予め定められた変化量のしきい値を超える信号強度の変化が開始する変化開始点である極点を算出した後に、算出した当該極点に対応するように、第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域におけるスラブプロファイルの傾きが、予め定められた傾きのしきい値の範囲内となる領域を、画像を生成する際に使用する第2スラブ領域として選択する。換言すれば、スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる点であって、予め定められたしきい値を超える信号強度の変化量の変化開始点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように、第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域におけるスラブプロファイルの傾きが、予め定められた傾きのしきい値の範囲を超える領域を、第1スラブ領域において削除されるスライスとして選択する。図9における実線と破線との間の厚さD3が削除される複数のスライスとなる。また、この厚さD3における削除されるスライス枚数と同じ枚数のスライスである図9における実線と破線との間の厚さD4が第1スラブ領域の他端から除外されるスライスとなる。そして、第1スラブ領域から厚さD3とD4のスライスを削除して残った領域が、画像を生成する際に使用する第2スラブ領域として選択される。また、第1スラブ領域の他端における除去するスライス枚数は、信号強度が増加する点により選択したスライス枚数と異なる枚数であってもよい。たとえば、通常、固定されているスライスの削除枚数であってもよい。
また、図7に示すフリップアングルの範囲Fに対応する図6に示すフリップアングルの範囲が範囲F1の場合には、図10に示すように、水のスラブプロファイルにおける第1スラブ領域の端部において信号強度の極大点が存在しないが、上述と同様な方法によって第2スラブ領域を設定することができる。また、通常用いているように、予め設定されたキス・オフ・スライス(kiss-off slice)数を削除される厚さD3およびD4のスライス数とし、第2スラブ領域を設定することも可能である。
つぎに、図4に示すように、第2スラブ領域の確認を行う(ST60)。
ここでは、スラブ領域選択部302が選択した第2スラブ領域が画像を生成する領域として適切であるか確認する。
スラブ領域選択部302が選択した第2スラブ領域が、たとえば、オペレータが必要とする撮像領域を満たしていることを確認する。第2スラブ領域が、オペレータが必要とする撮像領域を満たしている場合、選択した第2スラブ領域は画像を生成する領域として適切である。また、第2スラブ領域が、前記撮像領域を満たしていない場合、選択した第2スラブ領域が画像を生成する領域として適切ではない。
次に、図4に示すように、プロトコルの設定が完了しているかの判断を行う(ST70)。
ここでは、撮像プロトコル設定部321で設定した撮像プロトコルが適切であるかを、制御部30が判断する。例えば、ステップST60において選択した第2スラブ領域が必要とする撮像領域を満たしている場合には、撮像プロトコルが適切である(YES)と判断する。また、選択した第2スラブ領域が画像を生成する領域として適切でない場合、設定した撮像プロトコルが適切でない(NO)と判断し、撮像プロトコルを変更し、ステップST10からST50を行い、再度、第2スラブ領域を選択する。
つぎに、図4に示すように、第2スラブ領域の画像を生成する(ST80)。
ここでは、スラブ領域選択部302が選択した第2スラブ領域の画像を生成する。
ステップST70において、撮像プロトコルが適切である(YES)と判断された場合、第1スラブ領域をスキャンして、画像再構成部33が生成された第1スラブ領域における画像から第2スラブ領域の画像を選択し、第2スラブ領域の画像を生成する。
以上のように、本発明の本実施形態は、RFパルスとしてランプパルスを使用して画像を生成する場合、たとえば、TOF法などの場合、撮像プロトコル設定部321で設定された第1スラブ領域の組織におけるT1緩和時間およびT2緩和時間と、TEと、TRとに基づいて、信号強度シミュレーション部301aが、フリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号における信号強度との関係をシミュレーションする。そして、撮像プロトコル設定部321で設定されたフリップアングルとランプパルスの波形に基づいて、フリップアングルプロファイルシミュレーション部301bが、ランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布をシミュレーションする。そして、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションされたフリップアングルと、第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号における信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションされたランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布に基づいて、スラブプロファイルシミュレーション部301がスラブ領域の厚さ方向における磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルをシミュレーションする。そして、スラブ領域選択部302が、極点であって、予め定められたしきい値を超える信号強度の変化量の変化開始点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように、第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域におけるスラブプロファイルの傾きが予め定められた傾きのしきい値の範囲内となる領域を、第2スラブ領域として選択する。そして、スラブ領域選択部302が選択した第2スラブ領域を確認し、選択した第2スラブ領域が画像を生成する領域として適切な場合は、スキャンを開始する。また、選択した第2スラブ領域が画像を生成する領域として適切でない場合は、撮像プロトコルを変更し、再度第2スラブ領域を選択する。そして、画像再構成部33がスキャンすることにより生成された第1スラブ領域における画像から第2スラブ領域の画像を選択し、第2スラブ領域の画像を生成する。
このように、本実施形態は、スラブの厚さ方向における信号強度を示すスラブプロファイルにおける信号強度に基づいて、画像を生成する第2スラブ領域を選択することにより、生成する画像上に高輝度の信号ラインが生じることを防止することができる。よって、画像品質を向上させることができる。
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
スラブプロファイルシミュレーション部301によりシミュレーションされるスラブ領域の厚さ方向にて発生する磁気共鳴信号の信号強度を示すスラブプロファイルは、上記のシミュレーション方法に限定されず、たとえば、公知のブロッホ・シミュレーションによって求めることもできる。また、信号強度シミュレーション部301aによりシミュレーションされるスラブにおけるフリップアングルと磁気共鳴信号の信号強度との関係、およびフリップアングルプロファイルシミュレーション部301bによりシミュレーションされるランプパルスの第1スラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布は、上記の方法に限定されず、たとえば、公知のブロッホ・シミュレーションによって求めることもできる。また、スラブ領域選択部302が第2スラブ領域を選択する方法として、磁気共鳴信号の信号強度極点を基に選択したが、これには限定されず、予めしきい値を設定しておき、信号強度がしきい値を超えた点を基に第2スラブ領域を選択してもよい。
図1は、本発明にかかる一実施形態のRFコイル部により構成される磁気共鳴イメージング装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明にかかる一実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明にかかる一実施形態における操作部32の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明にかかる一実施形態における被検体40を撮像する撮像領域である第2スラブ領域を選択する動作を示すフロー図である。 図5は、本発明にかかる一実施形態における、撮像プロトコル設定部321が設定する撮像シーケンスを示す撮像シーケンス図である。 図6は、本発明にかかる一実施形態におけるスラブ領域のフリップアングルと第1スラブ領域にて発生する磁気共鳴信号の信号強度の関係を示す図である。 図7は、本発明にかかる一実施形態におけるランプパルスのスラブ領域の厚さ方向におけるフリップアングルの分布を示す図である。 図8は、本発明にかかる一実施形態におけるスラブ領域の厚さ方向にて発生する磁気共鳴信号の信号強度を示す図である。 図9は、本発明にかかる一実施形態における選択された第2スラブ領域を示す図である。 図10は、本発明にかかる一実施形態における選択された第2スラブ領域を示す図である。
符号の説明
10:磁気共鳴イメージング装置、11:静磁場空間、12:静磁場マグネット部、13:勾配コイル部、14:RFコイル部、15:クレードル、22:RF駆動部、23:勾配駆動部、24:データ収集部、30:制御部、301:スラブプロファイルシミュレーション部、301a:信号強度シミュレーション部、301b:フリップアングルプロファイルシミュレーション部、302:スラブ領域選択部、31:記憶部、32:操作部、321:撮像プロトコル設定部、33:画像再構成部、34:表示部、40:被検体

Claims (10)

  1. 3Dタイムオブフライト法により、静磁場空間内の被検体にランプパルスを送信し、当該被検体から磁気共鳴信号を収集するスキャンを実施することによって、前記被検体についてイメージングする磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記被検体において前記スキャンを実施する第1スラブ領域と撮像プロトコルとを設定するプロトコル設定部と、
    前記撮像プロトコル設定部により設定された前記撮像プロトコルに基づいて、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度と、前記第1スラブ領域の厚さ方向との関係を、スラブプロファイルとしてシミュレーションするスラブプロファイルシミュレーション部と、
    前記スラブプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点を算出し、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さを変更したスラブ領域を、第2スラブ領域として選択するスラブ領域選択部と
    を有し、
    前記撮像プロトコル設定部は、前記スラブ選択部により選択された第2スラブ領域を、前記被検体において前記スキャンが実施されるスラブ領域として設定する、
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記スラブ領域設定部は、
    前記スラブプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点であって、予め定められた変化量のしきい値を超える信号強度の変化が開始する変化開始点である前記極点を算出した後に、算出した当該極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さ方向の位置を変更することによって、当該第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域における前記スラブプロファイルの傾きが、予め定められた傾きのしきい値の範囲内となる領域を第2スラブ領域として選択する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記スラブプロファイルシミュレーション部は、
    前記撮像プロトコル設定部が設定した前記撮像プロトコルに基づいて、スピンを励起するフリップアングルと、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される前記磁気共鳴信号の信号強度との関係である信号強度プロファイルをシミュレーションする信号強度シミュレーション部と、
    前記撮像プロトコル設定部が設定した撮像プロトコルであるフリップアングルと前記ランプパルスの波形とに基づいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向における前記ランプパルスが前記第1スラブ領域のスピンを励起するフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルをシミュレーションするフリップアングルプロファイルシミュレーション部と
    を含み、
    前記信号強度シミュレーション部によりシミュレーションされた信号強度プロファイルと前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部によりシミュレーションされたフリップアングルプロファイルに基づいて前記スラブプロファイルをシミュレーションする、
    請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部は、前記ランプパルスの波形を高速フーリエ変換することにより前記フリップアングルプロファイルをシミュレーションする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記フリップアングルプロファイルシミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記フリップアングルの分布をシミュレーションする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記信号強度シミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記信号強度をシミュレーションする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記スラブプロファイルシミュレーション部は、ブロッホ・シミュレーションにより前記スラブプロファイルをシミュレーションする、
    請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 3Dタイムオブフライト法により、静磁場空間内の被検体にランプパルスを送信し、当該被検体から磁気共鳴信号を収集するスキャンが実施されるスラブ領域を設定するスラブ領域設定方法であって、
    前記被検体において前記スキャンを実施する第1スラブ領域と撮像プロトコルとを設定する第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて設定された前記撮像プロトコルに基づいて、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される磁気共鳴信号の信号強度と、前記第1スラブ領域の厚さ方向との関係を、スラブプロファイルとしてシミュレーションする第2ステップと、
    前記第2ステップによりシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点を算出した後に、当該算出した極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さを変更したスラブ領域を、第2スラブ領域として選択する第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて選択された第2スラブ領域を、前記被検体において前記スキャンが実施されるスラブ領域として設定する第4ステップと
    を含む、
    スラブ領域設定方法。
  9. 前記第3ステップは、
    前記第2ステップにおいてシミュレーションされた前記スラブプロファイルにおいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向にて前記スラブプロファイルの傾きの正負が逆になる極点であって、予め定められた変化量のしきい値を超える信号強度の変化が開始する変化開始点である前記極点を算出した後に、算出した当該極点に対応するように前記第1スラブ領域の厚さ方向の位置を変更することによって、当該第1スラブ領域の厚さ方向の位置が変更された領域におけるスラブプロファイルの傾きが、予め定められた傾きのしきい値の範囲内となる領域を第2スラブ領域として選択する、
    請求項8に記載のスラブ領域設定方法。
  10. 前記第2ステップは、
    前記第1ステップにおいて設定した前記撮像プロトコルに基づいて、フリップアングルと、前記第1スラブ領域についてスキャンを実施する際に収集される前記磁気共鳴信号の信号強度との関係である信号強度プロファイルをシミュレーションし、
    前記第1ステップにおいて設定した撮像プロトコルであるフリップアングルと前記ランプパルスの波形とに基づいて、前記第1スラブ領域の厚さ方向における前記ランプパルスが前記第1スラブ領域のスピンを励起するフリップアングルの分布であるフリップアングルプロファイルをシミュレーションし、
    前記信号強度プロファイルと前記フリップアングルプロファイルに基づいて、前記スラブプロファイルをシミュレーションする、
    請求項8または9に記載のスラブ領域設定方法。
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