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JP5031192B2 - 非水電解質ナトリウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

非水電解質ナトリウム二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用の正極活物質に関する。
ポータブル電子機器用の二次電池として、非水電解質リチウム二次電池が実用化されており、広く用いられている。しかし、その正極活物質としては、資源としての埋蔵量が少なく高価なCoの化合物であるLiCoO2が用いられており、資源として豊富な元素を主に含有する化合物からなる非水電解質二次電池用正極活物質が求められている。
そこで、資源として豊富な元素である鉄とナトリウムとの複合酸化物であるNaFeO2が非水電解質二次電池用の正極活物質として提案され、このものは、Na22とFe34を混合して空気中において600〜700℃で焼成することにより得られることも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
マテリアル・リサーチ・ブレティン(Marterial Research Bulletin)、(米国)、ペルガモン プレス(Pergamon Press)、1994年、Vol.29、No.6、p.659−666
上記のNaFeO2は、X線回折における面間隔2.20Åのピーク強度を、面間隔5.36Åのピーク強度で除した値が2.3であり、このものからなる正極活物質を用いてなる非水電解質二次電池は、放電電圧が放電とともに急速に低下するという問題点があった(例えば、非特許文献1参照。)。
そこで本発明の目的は、放電電圧が放電とともに急速に低下することのない非水電解質二次電池を与え、主に鉄とナトリウムとの複合酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物からなる正極活物質について鋭意検討した結果、六方晶の結晶構造を有し、X線回折分析において特定の二つの回折ピークの強度比が一定の範囲である前記複合酸化物を正極活物質として用いることにより、放電電圧が放電とともに急速に低下することのない非水電解質二次電池が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、そのような正極活物質が、主にナトリウム化合物と鉄化合物とを含有する金属化合物混合物を加熱するにあたり、一定温度未満での温度上昇中において特定の雰囲気中で加熱することにより得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物であって、六方晶の結晶構造を有し、かつ該複合酸化物のX線回折分析において、面間隔2.20Åのピークの強度を面間隔5.36Åのピークの強度で除した値が2以下である複合酸化物からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質を提供する。また本発明は、ナトリウム化合物と鉄化合物とを含有する金属化合物混合物を、400℃以上900℃以下の温度範囲で加熱するにあたり、温度上昇中の100℃未満の温度範囲においては雰囲気を不活性雰囲気として加熱することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。さらに本発明は、前記記載の非水電解質二次電池用正極活物質を含んでなることを特徴とする非水電解質ナトリウム二次電池を提供する。
本発明の正極活物質を用いれば、放電電圧が放電とともに急速に低下することがなく、さらに放電平坦部の放電電圧が3V以上と高く、二次電池としての特性が優れた非水電解質二次電池を製造することができ、そして、本発明の製造方法によれば、本発明の正極活物質を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、主にナトリウムと鉄とを含有する複合酸化物からなる。
この複合酸化物としては、具体的には、式(1)
NaFe1-xx2 (1)
(ただし、Mは1種以上の3価金属である。)で示される化合物が挙げられる。
ここで、Mとしては、Al、Ga、In、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Nb、Mo、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、これらのうち、放電電圧が高くなる傾向があるので、Al、Ga、V、Mn、Co、Ni、YおよびLaからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、資源的に埋蔵量が豊富であるAl、MnおよびNiからなる群より選ばれる1種以上が特に好ましい。xの値は六方晶の結晶構造が維持される0≦x<0.5の範囲で選ぶことができるが、放電容量が大きくなる傾向があるので、0≦x≦0.1の範囲が好ましく、Mが含まれていないx=0の場合が特に好ましい。なお、Feの係数の1−xが0.5より大きいので、式(1)で示される化合物は、主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物である。
そして、本発明において、この複合酸化物は、六方晶の結晶構造を有し、かつ該複合酸化物のX線回折分析において、面間隔2.20Åのピークの強度を面間隔5.36Åのピークの強度で除した値が2以下である。従来の複合酸化物NaFeO2は、面間隔2.20Åのピークの強度を面間隔5.36Åのピークの強度で除した値は2より大きく、例えば、特許文献1に記載されたNaFeO2は、特許文献1のX線回折チャートから読み取れるように、面間隔2.20Åのピークの強度を面間隔5.36Åのピークの強度で除した値は2.3であった。
これらの面間隔2.20Åと面間隔5.36Åの回折ピークは、それぞれα−NaFeO2型構造の(104)面および(003)面のからの回折ピークに相当する。そして、この結晶格子の面間隔には、複合酸化物に含まれるNaとFe以外の金属元素により、および製造方法等により、若干の変動があり、2.20Åのピークは±0.02Åの幅で変動があるので面間隔は2.20±0.02Åであり、面間隔5.36Åのピークは±0.04Åの幅で変動があるので、面間隔は5.36±0.04Åである。この、2.20±0.02Åのピークの強度を面間隔5.36±0.04Åのピークの強度で除した値rが2以下となる場合に、理由は明らかではないが、この主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物は、放電電圧が放電とともに急速に低下することのない非水電解質二次電池を与える非水電解質二次電池用正極活物質となる。rは1.7以下が好ましく1.5以下がさらに好ましい。
次に、本発明の正極活物質の製造方法について説明する。
本発明の正極活物質は、主にナトリウム化合物と鉄化合物とを含有する金属化合物混合物を、400℃以上900℃以下の温度範囲で加熱するにあたり、温度上昇中の100℃未満の温度範囲においては雰囲気を不活性雰囲気として加熱することにより製造することができる。
ナトリウム化合物、鉄化合物、式(1)のMの化合物としては、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物等を用いることができ、ナトリウム化合物としてはNa22が特に好ましく、鉄化合物としてはFe34が特に好ましい。
主にナトリウム化合物と鉄化合物とを含有する金属化合物混合物は、金属化合物を所定のモル比となるように秤量し、乾式または湿式混合により混合して得ることができる。乾式混合が簡便であり好ましく、工業的に通常用いられる乳鉢、回転撹拌機、V型混合機、W型混合機、リボン混合機、ドラムミキサー、ボールミル等の装置により混合を行うことができる。
得られた金属化合物混合物を加熱することにより、本発明の正極活物質を得ることができるが、この加熱において、温度上昇中の100℃未満の温度では不活性雰囲気中で加熱する。不活性雰囲気としては、具体的には、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、二酸化炭素等が挙げられ、アルゴンと窒素が好ましい。この不活性雰囲気中には、1体積%程度までの酸素や水素は含有されてもよいが、水蒸気が多く混入すると、得られる正極活物質が、放電電圧が放電とともに急速に低下することのない非水電解質二次電池を与える正極活物質とはならないことがあり、本発明の製造方法における不活性雰囲気の露点は0℃以下が好ましい。なお、加熱温度に達した後、温度下降中の100℃未満においては、不活性雰囲気を用いなくてもよい。
100℃以上の温度においては、雰囲気は特に限定されず、上記不活性雰囲気;酸素を1体積%以上含有した不活性雰囲気や酸素等の酸化性雰囲気;水素および/または一酸化炭素を含有した不活性雰囲気、水素、一酸化炭素等の還元雰囲気のいずれでもよく、また、ハロゲンが含有されてもよい。好ましくは酸化性雰囲気であり、空気および酸素がより好ましい。
加熱温度は400℃以上900℃以下の温度範囲が好ましく、より好ましくは600℃以上760℃以下の温度範囲であり、その温度範囲における保持時間は、通常は2時間から30時間である。なお、混合物は、加熱の前にペレット状に圧縮成形してもよい。また、加熱温度に達するまでの温度上昇速度は、特に限定されるものではないが、通常、600℃/時間以下である。また加熱後、室温に達するまでの温度下降速度は特に限定されるものではないが、通常、600℃/時間以下である。温度下降速度が小さいと、放電容量が大きくなることもある。
加熱に用いる炉は、雰囲気置換が可能であることが必要である。真空置換(炉内の雰囲気を真空ポンプを用いて排気した後、所定のガスを炉内に入れる操作のこと。)ができるものが好ましいが、例えば管状炉のように、雰囲気ガスを効率的に流通させられる形式のものであってもよい。
また、加熱することにより得られる正極活物質を、振動ミル、ジェットミル、乾式ボールミル等の工業的に通常行われる公知の方法によって、所定の粒度に調整することができる。
次に、本発明の正極活物質を有してなる非水電解質ナトリウム二次電池について説明する。
ここで、従来のNaFeO2からなる正極活物質を正極に用い、ナトリウムイオンを主な電荷担体とした非水電解質二次電池は、二次電池としての特性が十分ではないことが知られている。そのため、従来のNaFeO2からなる正極活物質を正極に用いた非水電解質二次電池としては、過塩素酸リチウムを含有する非水電解質を用い、金属リチウムからなる負極を用いてなり、電荷担体がナトリウムイオンではなく主にリチウムイオンである非水電解質二次電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、本発明者らは、本発明者が見出した本発明の正極活物質を用いて非水電解質ナトリウム二次電池を製造すると、驚くべきことに、その非水電解質ナトリウム二次電池は、放電電圧が放電とともに急速に低下することがなく、放電平坦部の放電電圧が3V以上と高く、高い特性を示す非水電解質二次電池となるのである。
まず、本発明の正極活物質を有してなる本発明の非水電解質ナトリウム二次電池の正極は、本発明の正極活物質の他に、さらに導電材としての炭素質材料、バインダーなどを含む正極合剤を正極集電体に担持させて製造することができる。該炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどが挙げられる。導電材として、それぞれ単独で用いてもよいし、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いてもよい。
ここで、バインダーとしては通常は熱可塑性樹脂が用いられ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などが挙げられる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でAlが好ましい。正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、正極集電体上に塗布し乾燥した後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。また、必要に応じ、本発明の非水二次電池用活物質以外の活物質を正極に混合してもよい。
次に、本発明の非水電解質ナトリウム二次電池の負極としては、例えばナトリウム金属、ナトリウム合金またはナトリウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料などを用いることができる。ナトリウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料としては、炭素質材料、正極よりも低い電位でナトリウムイオンのドープ・脱ドープが行える酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物、ホウ酸塩等が挙げられる。
ここで、必要に応じてバインダーとして熱可塑性樹脂を負極に加えることができる。熱可塑性樹脂としては、PVDF、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
また、負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、特にナトリウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工しやすいという点でCuが好ましい。該負極集電体に負極活物質を含む合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、負極集電体上に塗布し、乾燥した後プレスするなどして固着させる方法が挙げられる。
次に、本発明の非水電解質ナトリウム二次電池で用いるセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン、芳香族アラミドなどの材質からなり多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができる。該セパレータの厚みは、通常は10〜200μm程度である。
次に、本発明の非水電解質ナトリウム二次電池で用いる非水電解質に用いる溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイトなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの二種以上を混合して用いる。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネート、または環状カーボネートとエーテル類の混合溶媒がさらに好ましい。
ここで、環状カーボネートと非環状カーボネートの混合溶媒としては、動作温度範囲が広く、負荷特性に優れるという点で、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。
なお、非水電解質として固体電解質を用いてもよく、固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などからなる電解質を用いることができる。また、高分子に非水電解質溶液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。また、無機化合物からなる電解質を用いると、安全性を高めることができることがある。
次に、本発明の非水二次電池の形状は特に限定されず、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などのいずれであってもよい。
また、外装として負極または正極端子を兼ねる金属製ハードケースを用いずに、アルミニウムを含む積層シート等からなる袋状パッケージを用いてもよい。
このようにして、本発明の正極活物質を用いて製造された非水電解質ナトリウム二次電池は、従来の二次電池としての特性の良くない非水電解質ナトリウム二次電池とは異なり、放電電圧が放電とともに急速に低下することのない非水電解質二次電池となる。
また、本発明の正極活物質を用いて製造された非水電解質ナトリウム二次電池は、放電平坦部の放電電圧も高い。放電平坦部は、放電曲線において、放電開始後に放電初期の電圧低下を過ぎ、電圧が放電の進行とともに大きくは変化しない部分である。ここで、放電平坦部の放電電圧は、正極の面積を基準として0.1mA/cm2以下の電流密度で放電した際の電圧(電流密度が大き過ぎると低く測定されることがある。)であり、例えば、次のような条件で測定することができる。
電解液:プロピレンカーボネート(以下、PCということがある。)にNaClO4を1モル/リットルとなるように溶かしたもの(以下、1M NaClO4/PCと表すことがある。)
負極:金属ナトリウム
放電電流密度:0.1mA/cm2
この放電平坦部の放電電圧が、本発明の正極活物質を用いて製造された非水電解質ナトリウム二次電池においては、3.0V以上となる。
さらに、本発明の正極活物質を用いて製造された非水電解質ナトリウム二次電池は、高い放電容量と優れたサイクル特性(充放電を繰り返しても放電電圧の低下が少ないこと。)を示す。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、特に断らない限り、充放電試験用の電極と試験電池の作製、粉末X線回折測定は下記の方法により実施した。
(1)充放電試験用の試験電池の作製
正極活物質と導電材のアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、50%プレス品)、バインダーのPTFE(ダイキン工業株式会社製、Polyflon TFE F−201L(商品名))を、活物質:導電材:バインダー=70:25:5(重量比)の組成となるように秤量し、まず活物質と導電材をメノウ乳鉢で十分に混合した後、バインダーを加えて引き続き均一になるように混合したものを均一な厚みの正方形になるように成形し、直径1.5cmのコルクボーラーでくり抜いて円形ペレットとした。該ペレットを正極集電体となるチタンエクスパンドメタルに乗せ、メノウ乳棒で軽く押さえた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極ペレットを得た。
HSセル(宝泉株式会社製)の下側パーツの窪みに、チタンメッシュを下に向けて正極ペレットを置き、電解液として1M NaClO4/PC(富山薬品工業株式会社製、導電率5.42mS/cm)、2枚のポリプロピレン多孔質膜(セルガード株式会社製、セルガード3501(商品名))の間にグラスフィルター(東洋濾紙株式会社製、GA−100(商品名))をはさんだものをセパレータとし、また金属ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を負極とし、それらを組み合わせて試験電池を作製した。なお、試験電池の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
(2)粉末X線回折測定
測定は、株式会社リガク製RINT2100HLR/PC型を使用し、以下の条件で行った。
X線 :CuKα
電圧−電流 :50kV−300mA
測定角度範囲:2θ=10〜80°
ステップ :0.01°
スキャンスピード:2°/分
実施例1
(1)正極活物質の合成
アルゴン雰囲気のグローブボッックス内で、Na22(Fluka Chemie AG製)とFe34(Aldrich Chemical Company,Inc.製)をNaとFeがNaFeO2の化学量論比となるように秤取した後、メノウ乳鉢でよく混合した。得られた混合物をアルミナ製ルツボにいれ、あらかじめ真空ポンプで雰囲気を排気した後にアルゴンを導入して置換したグローブボックスに連結された電気炉に入れて、炉内の雰囲気をアルゴンにして昇温を開始した。100℃に達する直前に電気炉内を空気中に開放し、その後は空気雰囲気で加熱を行い、650℃で12時間保持し、取り出すことで、非水電解質ナトリウム二次電池用正極活物質E1を得た。E1の粉末X線回折測定結果を図1に示した。E1は六方晶の結晶構造を有しており、2.20Åのピーク強度を面間隔5.36Åのピーク強度で除した値は1.5であった。
(2)ナトリウム二次電池の正極活物質とした場合の充放電性能評価
E1を用いて試験電池を作製し、以下の条件で定電流充放電試験を実施した。
電流密度:0.1mA/cm2
走査電位範囲:1.5V−3.5V
得られた充放電曲線を図2に示した。約0.36Naの充電後、約0.3Naの放電に対応する、3.3V(vs.Na/Na+)の放電平坦部が確認された。
実施例2
(1)正極活物質の合成
アルゴン雰囲気のグローブボッックス内で、Na22(Fluka Chemie AG製)とFe34(Aldrich Chemical Company,Inc.製)をNaとFeがNaFeO2の化学量論比となるように秤取した後、メノウ乳鉢でよく混合した。得られた混合物をアルミナ製ルツボにいれ、あらかじめ真空ポンプで雰囲気を排気した後にアルゴンを導入して置換したグローブボックスに連結された電気炉に入れて、炉内の雰囲気をアルゴンにして昇温を開始した。100℃に達する直前に電気炉内を空気中に開放し、その後は空気雰囲気で加熱を行い、650℃で12時間保持後、室温まで温度下降速度30℃/時間で降温し、電気炉から取り出すことで、非水電解質ナトリウム二次電池用正極活物質E2を得た。E2は六方晶の結晶構造を有しており、2.20Åのピーク強度を面間隔5.36Åのピーク強度で除した値は1.3であった。
(2)ナトリウム二次電池の正極活物質とした場合の充放電性能評価
E2を用いて試験電池を作製し、以下の条件で定電流充放電試験を実施した。
電流密度:0.2mA/cm2
走査電位範囲:1.5V−3.6V
約0.44Naの充電後、約0.34Naの放電に対応する、3.2V(vs.Na/Na+)の放電平坦部が確認された。
実施例1における粉末X線回折測定結果を示す図。 実施例1における充放電曲線を示す図。

Claims (1)

  1. 主に酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩およびハロゲン化物からなる群より選ばれる1種以上のナトリウム化合物と酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩およびハロゲン化物からなる群より選ばれる1種以上の鉄化合物とを含有する金属化合物混合物を、400℃以上900℃以下の温度範囲で加熱するにあたり、温度上昇中の100℃未満の温度範囲においては雰囲気を不活性雰囲気として加熱することを特徴とする式NaFe1-xx2(ただし、MはAl、Ga、In、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Nb、Mo、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、0≦x<0.5である。)で示される複合酸化物からなる非水電解質ナトリウム二次電池用正極活物質の製造方法。
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