JP5010697B2 - 液体容器 - Google Patents
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Description
(1)吸気吐出口の一部、または周辺に吐出口と吸気口を区分する仕切り板ないし突起を設け、注出する際に吸気口を塞がないようにして、吸気口を確保する方法により、注出時の脈動を防止する構成が知られている。
しかし、上記構成では、容器成形工程の打ち込みブローピンの挿入時に、吐出口と吸気口を区分している仕切り板または突起が邪魔になり、通常の成形方法では成形が困難になる。
また、容器に内容液を充填する工程では充填ノズルが容器内部まで挿入されるが、口部仕切り板または突起が邪魔になり支障をきたすおそれがある。
(2)容器上部に2箇所の口を設けておき、両方ともキャップ止めしておき、内容物注出時には両方のキャップを外し、1方は吐出口とし、他方は吸気口として脈動を防止する構成が知られている。
しかし、上記構成では、容器使用時にキャップ2個を外し、また嵌める手間がかかり、外さずに注出作業を行うと脈動が発生して注ぎ口から内容液がこぼれる欠点があり、また容器のコストアップにつながる。
(3)容器口部の下方に、口部より大きく広がる拡開部を成形し、その拡開部の下の本体側に突起形状又は絞り形状を設けることにより吐出口と吸気口を形成しておき、内液中を通して容器内のエアー空間にエアーを供給する機構を設けて、注出時の脈動を防止する構成が知られている(特公平7−2500号)。
しかし、上記構成では、吐出口と吸気口とを近い個所に配置するため、容器を吐出口の軸線を傾ける方向に倒して注出すると脈動防止機能の効果が減少する。また、内液中を通して容器内エアー空間にエアーを供給する機構となっているため、口部の吐出口と吸気口や把手部形状に設計上の制限が生ずる。
また、エアー逃げ流路が細くなって吐出時間が長びき、更に、口部の形状により、傾けた後に容器内に残液が残るという問題がある。
(4)通常の容器口部に吸気機能を有した別部品を取り付けることにより、吐出口と吸気口を区分しておき、確保された吸気口によりエアーは容器内に供給され注出時の脈動を防止する構成が知られている。
上記構成では、2ピース容器になるため、成形・組み立て工程が増え、容器のコストアップになるという問題点がある。
(5)容器口部の下方にエアーリング(吐出口周囲のエアー溜り)を設けて把手部内部の吸気口に接続する機構により、注出時に、吐出口部からエアーリングを通り把手部吸気部を経て本体に至るエアー流路を形成して、脈動を防止する構成が知られている。
しかし、上記構成は脈動効果が得られるエアーリング形状にすると、通常把手部を握って傾けられる角度(100〜120°)では容器内に残液が多く残る。また残液を注出しようとすると、把手部を持ち替えて傾けることになり、容器の使いやすさに支障が生じると共に、注出先の形状に制限がある場合には困難になる。
また、この発明では、口部の吐出口や、吸気口、および把手部形状の設計の自由度が高く、用途に応じた形状とすることができる容器を提供することにある。
容器本体(10)の上部へ突出し容器内に充填された内容液の吐出口(2a)となる筒状の口部(2)と、該口部(2)の下側で前記口部の流路断面と同一または大径の流路断面に形成されたエアー溜部(3)と、該エアー溜部(3)の一側に開口形成された吸気口(8a)と連通する中空のエアー流路(L2)を有し前記エアー溜部(3)と容器本体(10)との間に掛け渡された把手部(8)と、前記エアー溜部(3)の下側でエアー溜部の流路断面と略同心で小径の流路断面に形成された絞り部(4)とを有する液体容器において、
前記エアー溜部(3)が、前記絞り部(4)の流路断面より広がるリング状の空間によりエアー溜まりを形成し、
絞り部(4)が、エアー溜部(3)と容器本体(10)の間の周壁(4a)を内側に突出させた円形の開口からなり、
前記吸気口(8a)が形成された把手部(8)と略対向する位置の前記絞り部(4)を形成する周壁(4a)に該周壁(4a)を貫通すると共に内面が容器本体(10)とエアー溜部(3)とを一連につなぎ前記エアー溜まりに形成されるエアー層を分断する流路(F2)となる残液流通溝(6)を設けてなり、
該残液流通溝(6)は、前記周壁(4a)の内周面側で開口する溝の開口部分を溝の他の部分よりも幅狭に設定してなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
容器本体(10)の上部へ突出し容器内に充填された内容液の吐出口(2a)となる筒状の口部(2)と、該口部(2)の下側で前記口部の流路断面と同一または大径の流路断面に形成されたエアー溜部(3)と、該エアー溜部(3)の一側に開口形成された吸気口(8a)と連通する中空のエアー流路(L2)を有し前記エアー溜部(3)と容器本体(10)との間に掛け渡された把手部(8)と、前記エアー溜部(3)の下側でエアー溜部の流路断面と略同心で小径の流路断面に形成された絞り部(4)とを有する液体容器において、
前記エアー溜部(3)が、前記絞り部(4)の流路断面より広がるリング状の空間によりエアー溜まりを形成し、
絞り部(4)が、エアー溜部(3)と容器本体(10)の間の周壁(4a)を内側に突出させた円形の開口からなり、
前記吸気口(8a)が形成された把手部(8)と略対向する位置の前記絞り部(4)を形成する周壁(4a)に該周壁(4a)を貫通すると共に内面が容器本体(10)とエアー溜部(3)とを一連につなぎ前記エアー溜まりに形成されるエアー層を分断する流路(F2)となる残液流通溝(6)を設けてなり、
前記吸気口(8a)からエアー流路(L2)に連なる流路の断面が、吸気口(8a)と同じ断面で絞られることなくエアー溜部(3)の外方へ横に延びてエアー流路(L2)と連通しており、容器成形工程の打ち込みブローピンの挿入による成形が容易に行える
ことを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記把手部(8)が、前記エアー溜部(3)から前記口部(2)と離間する方向へ下向きに傾斜しながら延びて容器本体(10)の高さ方向中途位置に接続されており、
該把手部(8)と容器本体(10)との間に把手部(8)に沿って延びる把持用の穴(7)が形成されていることを特徴とする。
(1)内容液を容器から注出する際の脈動を防止することができる。
(2)吐出口の軸線を傾ける方向に容器を倒した状態でも、注出時における脈動防止効果は減少しない。
(3)口部の吐出口、吸気口、および把手部形状の設計の自由度が高く、用途に応じた形状とすることができる。
(4)前記脈動防止の効果を有すると共に、容器を傾けた際の内容液の残量を減少させることができる。
口部2は、外周に図示省略のキャップを螺着するネジを有する筒状からなっており、容器本体10の上部の一側に突出しており、容器本体10の内容液を注出するための吐出口2aとなっている。
上記口部2の基端側に連接してエアー溜部3が形成されている。
エアー溜部3は、図示例の場合、口部2より大径に形成された管形状、本実施例では略八角柱状からなっている。
上記エアー溜部3の一側面には、吸気口8aが開口されている。
該吸気口8aは、流路が狭く絞られることなく、また仕切り板による制限もなく、エアー溜部3に接続される。
把手部8は、図4および図5に示すように、前記吸気口8aとほぼ同じ断面で連通する中空のエアー流路L2を有する管状体からなっており、前記エアー溜部3と容器本体10の他方との間に一体に掛け渡されている。
前記エアー流路L2は、把手部8の全長にわたって形成された中空部からなっており、内容液の吐出時に容器本体10の吐出側とは離間した対向側へエアーを導入する。
なお図中7は、容器本体10に形成されて把手部8をつかむための穴である。
前記エアー溜部3の基端には、エアー溜部3の流路より狭い流路に形成された絞り部4が設けられている。
絞り部4は、図示例の場合、前記エアー溜部3の下方で、エアー溜部3の流路断面と略同心で小径に設定された流路断面に形成されている。
本実施例では、エアー溜部3と容器本体10の間の周壁を内側に突出するように曲成して環状の絞り部形成壁4aを形成し、該絞り部形成壁4aて形成された中央の円形の開口を絞り部4としている。
この絞り部4を介して、拡開されて容器本体10の一方が連なっている。
容器本体10は、上部の一方が吐出口2aが形成された口部2につながる第1開口部10aと、他方で把手部8のエアー流路L2とつながる第2開口部10bとを有している。
上記構成からなるので、減容ボトルを、口部2の軸線を傾ける方向に倒して内容液を吐出すると、周囲にあるリング状の空間によりエアー溜まりが形成される。
これにより、図4および図5に示すように、エアー溜部3の内側にエアー層Eを発生させる。
エアー溜部3の下方には吐出流れを絞る絞り部4が形成されているので、内容液は一度、絞り部4で流路断面が狭まり、大径のエアー溜部3で流路断面が広がって開放されて口部2の吐出口2aに流れ出ていく。
従って、容器本体10を傾けた際にも脈動防止効果が確実となる。
即ち、前記吸気口8aからエアー流路L2に連なる流路の断面が、吸気口8aと同じ断面で絞られることなくエアー溜部3の外方へ横に延びてエアー流路L2と連通しており、容器成形工程の打ち込みブローピンの挿入による成形が容易に行える。
内容液の充填工程では、吐出口が広いため、充填ノズルが挿入しやすい。
残液を注出しようとすると、把手部8を持ち替えて更に傾けることになり、容器本体10の使いやすさが損なわれ、吐出先のコップなどの形状に制約がある場合などは注出しにくくなる。
そこで、本実施例では、図4及び図6から図8に明瞭なように、前記絞り部4に残液流通溝6が設けられている。
残液流通溝6は、吸気口8aが形成された把手部8と対向する位置のエアー溜部3の側壁面に連なるように、前記絞り部形成壁4aを貫通すると共に内面が容器本体10からエアー溜部3につながるチャンネル状の流路からなっている。
この残液流通溝6は、図5で明瞭なように、前記周壁4aの内周面側で開口する溝6の開口部分6aを溝6の他の部分よりも幅狭に設定している。
これにより、エアー溜部3へは、絞り部4の開口からの液体の流れF1と、残液流通溝6を通る液体の流れF2が生じる(図4(b)参照)。
一方、同時に、残液流通溝6からの液体の流れF2は残液流通溝6の延長方向にあるエアー溜部3のエアー層Eを分断し、分断されたエアー層Eは図5に点線で示すようにエアー導入路L1に導かれる。
これにより脈動防止の効果を有しながら、容器本体を傾けた際の内容液の残量を減少することができる。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
また内容液の注出時に、容器の胴部が変形しやすく脈動現象が発生しやすい薄肉の減容ボトルには特に有益である。
2 口部
2a 吐出口
3 エアー溜部
4 絞り部
4a 絞り部形成壁部
6 残液流通溝
7 穴
8 把手部
8a 吸気口
10 容器本体
L1 エアー導入路
L2 エアー流路
Claims (3)
- 容器本体(10)の上部へ突出し容器内に充填された内容液の吐出口(2a)となる筒状の口部(2)と、該口部(2)の下側で前記口部の流路断面と同一または大径の流路断面に形成されたエアー溜部(3)と、該エアー溜部(3)の一側に開口形成された吸気口(8a)と連通する中空のエアー流路(L2)を有し前記エアー溜部(3)と容器本体(10)との間に掛け渡された把手部(8)と、前記エアー溜部(3)の下側でエアー溜部の流路断面と略同心で小径の流路断面に形成された絞り部(4)とを有する液体容器において、
前記エアー溜部(3)が、前記絞り部(4)の流路断面より広がるリング状の空間によりエアー溜まりを形成し、
絞り部(4)が、エアー溜部(3)と容器本体(10)の間の周壁(4a)を内側に突出させた円形の開口からなり、
前記吸気口(8a)が形成された把手部(8)と略対向する位置の前記絞り部(4)を形成する周壁(4a)に該周壁(4a)を貫通すると共に内面が容器本体(10)とエアー溜部(3)とを一連につなぎ前記エアー溜まりに形成されるエアー層を分断する流路(F2)となる残液流通溝(6)を設けてなり、
該残液流通溝(6)は、前記周壁(4a)の内周面側で開口する溝の開口部分を溝の他の部分よりも幅狭に設定してなることを特徴とする液体容器。 - 容器本体(10)の上部へ突出し容器内に充填された内容液の吐出口(2a)となる筒状の口部(2)と、該口部(2)の下側で前記口部の流路断面と同一または大径の流路断面に形成されたエアー溜部(3)と、該エアー溜部(3)の一側に開口形成された吸気口(8a)と連通する中空のエアー流路(L2)を有し前記エアー溜部(3)と容器本体(10)との間に掛け渡された把手部(8)と、前記エアー溜部(3)の下側でエアー溜部の流路断面と略同心で小径の流路断面に形成された絞り部(4)とを有する液体容器において、
前記エアー溜部(3)が、前記絞り部(4)の流路断面より広がるリング状の空間によりエアー溜まりを形成し、
絞り部(4)が、エアー溜部(3)と容器本体(10)の間の周壁(4a)を内側に突出させた円形の開口からなり、
前記吸気口(8a)が形成された把手部(8)と略対向する位置の前記絞り部(4)を形成する周壁(4a)に該周壁(4a)を貫通すると共に内面が容器本体(10)とエアー溜部(3)とを一連につなぎ前記エアー溜まりに形成されるエアー層を分断する流路(F2)となる残液流通溝(6)を設けてなり、
前記吸気口(8a)からエアー流路(L2)に連なる流路の断面が、吸気口(8a)と同じ断面で絞られることなくエアー溜部(3)の外方へ横に延びてエアー流路(L2)と連通しており、容器成形工程の打ち込みブローピンの挿入による成形が容易に行えることを特徴とする液体容器。 - 把手部(8)が、前記エアー溜部(3)から前記口部(2)と離間する方向へ下向きに傾斜しながら延びて容器本体(10)の高さ方向中途位置に接続されており、
該把手部(8)と容器本体(10)との間に把手部(8)に沿って延びる把持用の穴(7)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体容器。
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