JP5008271B2 - アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法 - Google Patents
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Description
本発明による方法は、気相酸化反応工程、急冷工程、脱水工程、不飽和アルデヒド吸収工程、アルカン回収リサイクル工程、酸化エステル化反応工程、未反応不飽和アルデヒドの回収工程、油水分離工程、不飽和カルボン酸エステルの精製工程、不飽和カルボン酸のエステル化工程からなる。
また、アルカンからアルデヒドを効果的に得る反応方法として、アルカンを脱水素触媒と酸化触媒を組み合わせて行うことも効果的な方法の一つである。脱水素触媒を予備反応器に充填し、アルカンのみを供給し、一部を脱水素、変換し次いで広くオレフィンからアルデヒドを得るために知られる酸化触媒系を組み合わせて、アルデヒドを得ることができる。この方式は、予備反応器が必要にはなるが、中間体のオレフィンの分離生成工程は不要であるので、反応特性からは優れる方法の一つである。脱水素触媒として、アルミナ、酸化Cr/アルミナ、Pt/アルミナ、Pt/Zn−アルミナ、活性炭などから酸化触媒の選定と合わせて最適なものを選定して用いることができる。酸化触媒としては、シーライト構造を有するMoBiFeNiMgCe系、MoSbFeCoCeCs系等のモリブデンおよび鉄を含む複合酸化物類が好ましく用いられる。
次に反応器から急冷塔工程について詳細を説明する。アルカンの酸化反応によって生成した不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を含む生成ガスは反応性が高いため生成物の熱分解(アフターバーニング)、重合反応を起こしやすい。したがって触媒層から出た反応ガスは可能な限り滞留時間を短くすることが好ましい。具体的な時間としては3秒以下、好ましくは2秒以下、さらに好ましくは1秒以下の時間で急冷塔に導入する。また、反応ガスを熱交換によって急激に冷却することも効果的である。冷却の方法としては、スチーム、水の噴霧、熱交換器による除熱など最適な手法から選択できる。冷却する温度は不飽和アルデヒドなどが変性しにくい350℃以下の温度まで冷却する。好ましくは330℃以下、さらに好ましくは300℃以下に冷却することが好ましい。
また、塔底部の凝縮液には、タール状物も冷却操作によって発生するため塔壁や配管に付着し閉塞が起こりやすくなる。これらを抑制する方法として重合防止剤を添加することが好ましい。さらに凝集を抑制する分散剤を合わせて存在させることが液の抜き出し操作を容易にすることから好ましい。ここでもちいる重合防止剤は水溶性、油溶性の両方に溶解するものが好ましい、単独でその機能を持つ重合防止剤が操作からは好ましいが、複数組み合わせることで実施することもできる。添加する量は、凝縮液組成によってコストと効果からそれぞれ概ね1〜1000ppmの範囲から最適な量が選定され、好ましくは1〜500ppmの範囲である。重合防止剤はハイドロキノン類、Nオキシル構造を持つものなどから広く選定することができる。
不飽和カルボン酸を分離した、組成として不飽和アルデヒド、未反応のアルカン、炭酸ガス、水等を含むガスが、急冷塔上部から脱水塔に導かれる。該ガス中に水分が多く含まれたままであると、後工程の酸化エステル化工程に、水が持ち込まれる事となり、酸化エステル化の反応性が低下する。したがって、酸化エステル化工程の前段階で水を除去することは、酸化エステル化工程にとって極めて重要なことである。ガス中に含まれる水を分離除去する方法は、一般的に多く知られているが、本発明の方法は、次の方法による。要すれば、不飽和カルボン酸を分離したガス成分を酸化エステル化工程に使用するアルコールと同種のアルコールを含む液とを接触させ、水とアルコールの潜熱交換によって水を除去する極めて効率の良い方法である。具体例で説明すると塔上部より供給されるアルコールを含む液状の有機溶剤液は塔下部から上昇してくる不飽和アルデヒド、未反応のアルカン、炭酸ガス等、水を含む組成ガスと向流で接触し、熱変化から見ると潜熱交換作用と思われる効果によって、ガス状の水は凝縮液化して液体となり塔の底部へ下降する。一方アルコールを含む液状の有機溶剤液は水から熱を奪いガス化する。ガス状になったアルコール含有有機成分は、不飽和アルデヒド、未反応のアルカン、炭酸ガス等と同様に上部から次の不飽和アルデヒド吸収工程へ導かれる。すなわち、潜熱交換作用を用い簡便に脱水する方法である。
脱水工程での潜熱交換作用によって脱水された後のガスは、その中に含まれる不飽和アルデヒドを液として得るために不飽和アルデヒド吸収塔の塔底部に導かれる。ガス状の不飽和アルデヒド含有有機成分は、不飽和アルデヒド吸収塔の塔底部における冷却凝縮および未凝縮の不飽和アルデヒドを含む塔内上昇ガスを塔頂からの溶媒と接触吸収させる方法によって得ることができる。得られた不飽和アルデヒドを含む有機溶液は、不飽和アルデヒドの酸化エステル化反応工程の原料として供される。
これが、本工程の概要ではあるが、その詳細は下記の如くその運転条件、重合防止法、不純物抑制法と多岐に及ぶ。
冷却凝縮の効果は、ガス温度ひいては塔内の操作温度を低下させ、ガス吸収としてはより好ましい運転条件を達成するということおよび、アルデヒド類は過酸化物を生じやすく、これはラジカル重合を引き起こす要因となることを冷却により回避できることにある。
上昇ガスと塔底循環液との気液の直接接触によりガス側の顕熱は液側に移動し、急激に冷却されその結果として不飽和アルデヒドを含むガス中の有機成分の殆どは凝縮する。 循環液はガスからの顕熱及び凝縮潜熱を受け液温が上昇し塔底へ流下後、熱交換器で冷却され循環液として再度塔内に供される。
これらの事情を鑑みると、本発明では、常圧から2.0kg/cm2Gが好ましく、より好ましくは常圧から1.5kg/cm2Gの圧力条件で運転する。
吸収溶剤は、純アルコールを新規にプロセス外から導入してもよいし、本工程の下流の工程で回収されたアルコールをリサイクル使用してもよい。または、それらを組み合わせて用いることもできる。但し、吸収溶剤中の水濃度は、2重量%以下とする。好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下とすることが望ましい。吸収溶剤中に水が多いと、酸化エステル化工程において、不飽和カルボン酸の副生量が増大し、不飽和カルボン酸エステルの生成を阻害してしまう。
このアセタール類は当該プロセスの製品である不飽和カルボン酸エステルに近い沸点を有する物質が多く、製品の精製工程では蒸留分離することが困難である。アセタールが残留していると製品の純度低下につながる為、アセタールの生成を抑制することが重要である。本発明者らは、該プロセスにおけるアセタール生成の抑制法として、不飽和アルデヒド吸収液として使用する、本工程の下流の工程からリサイクルされたアルコールを含む液と pHの高い液を混合し、これを吸収液として吸収塔内に供し、塔底液のpHを5以上好ましくは6以上に調整する事で、アセタールの生成を抑制できる事を見いだした。混合するpHの高い液としては、水酸化ナトリウムのメタノール溶液等が挙げられるが、好ましくは、該プロセス内で用いているpHの高い液、例えば酸化エステル化工程の出口液等の一部をリサイクルして使用する事が好ましい。
塔内では、トレイや充填物が使用される。トレイの具体例としては、バブルキャップトレイ、デュアルトレイ、シーブトレイ、ターボグリッドトレイ、スーパーフラッシュトレイ、マックスフラクストレイ等が挙げられ、溢流堰やダウンカマーの有無などは区別されない。また、充填物の具体例としては、円柱状、円筒状、サドル型、球状、立方体状、角錐体状など従来から使用されている充填物の他、高性能な充填物として特殊な形状を持つ規則充填物や不規則充填物でもよく、これらは本発明に好ましく用いる事ができる。規則充填物としては、スルザーパッキング(スルザーブラザーズ社製)、住友スルザーパッキング(住友重機械工業社製)、テクノパック(三井物産社)などのガーゼ型規則充填物、エムシーパック(三菱化学エンジニアリング社製)、テクノパック(三井物産社)、メラパック(住友重機械工業社製)などのシート型規則充填物、フレキシグリッド(コーク社製)のグリッド型規則充填物、さらには、ハニカムパック(日本ガイシ社製)、グッドロールパッキング(東京特殊金網社製)、インパルスパッキング(ナガオカ社製)、ジェムパック(グリッチ社製)、モンツパック(モンツ社製)が挙げられる。不規則充填物としては、インタロックサドル(ノートン社製)、フレキシリング(日揮社製)、IMTP(ノートン社製)、カスケードミニリング(マツイマシン社製)、ラッシヒリング、テラレット(日鉄化工機)等が挙げられる。
担体は活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、シリカアルミナマグネシア、ゼオライト、ジルコニア含有シリカ、マグネシア、水酸化マグネシウム、チタニア、炭酸カルシウム、などから広く選ぶことができる。好ましくは、化学的に安定な材料であり、特に酸および塩基に対して安定な担体である。さらに好ましく最適な、比表面積、細孔構造を有するものから選ばれる。好ましくは活性炭、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、シリカアルミナマグネシア、ゼオライト、ジルコニア含有シリカである。
即ち、本発明の活性化の対象となるパラジウム・(鉛およびまたはビスマス)担持触媒のパラジウム/(鉛及び又はビスマス)の担持組成比(原子比)としては3/0.1〜3/10と広い範囲から選べるが、好ましくは3/0.1〜3/3の範囲、より好ましくは3/0.7〜3/1から選ぶのが好適である。
パラジウム・鉛系の触媒の場合には、さらに好ましくはパラジウム金属(3d(3/2)+3d(5/2))/鉛金属(4f(7/2)×1.75)のX線光電子スペクトル強度比が1/0.2〜1/0.7の範囲となることである。
カルボン酸エステルの製造反応で使用する酸素は分子状酸素、すなわち酸素ガス自体又は酸素ガスを反応に不活性な希釈剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形とすることができ、空気を用いることもできる。また、この反応を連に実施する際には鉛を含む物質を反応器に加えながら反応を行うことで触媒の劣化を抑制できる。このとき、反応器出口側の酸素分圧を0.8kg/cm2G以下とすることで反応器に供給する原料液中の鉛濃度を少量にして触媒の劣化を抑制でき好ましい。反応圧力は減圧から加圧下の任意の広い圧力範囲で実ることができるが、通常は0.5〜20kg/cm2G の圧力で実施される。反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8%)を越えないように全圧を設定するとよい。
つまり、該工程では、塔頂から酸化エステル化工程で生じた低沸点化合物が抜き出され、焼却処理される。また、塔の中間段(供給段と塔頂の真中付近の段をいう)からは、主として回収された不飽和アルデヒドとアルコールが共沸混合物として抜き出される。これは、酸化エステル化工程へリサイクルする事ができる。さらに、塔底からは、主として不飽和カルボン酸エステル、未回収不飽和アルデヒド、未回収アルコール、水が抜き出され、製品の不飽和カルボン酸エステルを得るために、次工程へと供される。
より好ましくは、炭素数7〜18からなる脂肪族炭化水素、脂肪族環式炭化水素、及び又は芳香族炭化水素である。炭素数が5以下では有機溶剤と未反応アルカンの比揮発度が小さく、蒸留により分離回収する場合に、多くの蒸留塔段数を必要とし多くのエネルギーを要する。一方、炭素数20以上を越えると常用の吸収塔の操作温度では、高粘度となり吸収効率が悪化するため好ましくない。好適な有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルヘプタン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、エイコサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、シメン、デユレン、メチルタフタレン、エチルナフタレン、プロピルナフタレン、ジメチルナフタレン、ジフェニールなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
また、蒸留塔もしくは放散塔は加圧下で操作することもでき、この場合は吸収塔および場合によっては反応器も同時に加圧下で操作することも可能で、プロセス全体を一貫して加圧下で操作することもできる。
また、アルカンの吸着分離回収方法として、複数の吸着ユニットが配列された圧力スイング吸着(PSA装置、pressure swing absorption gas generator)を用いた方法でアルカンを含むガスからアルカンのみを選択吸着して分離する。吸着したアルカンはバルブ操作などによって切り替えられ、圧力を操作することによって吸着塔からアルカンを脱離し反応器にリサクルすることもできる。
不飽和アルデヒド回収工程の塔底部からは、不飽和カルボン酸エステル、未回収不飽和アルデヒド、未回収アルコール、不飽和カルボン酸、水を主たる組成とする液が当該工程に供される。組成中の水分は、静置分離、遠心分離、抽出法等の操作で油水分離される。水分が除去された粗不飽和カルボン酸エステル含有液は高沸分離塔に供され、高沸点化合物、例えば不飽和カルボン酸等が蒸留分離される。塔頂からは、粗不飽和カルボン酸エステルが得られ低沸分離塔へ供され、塔底からは不飽和カルボン酸が得られ、不飽和カルボン酸エステル化工程に供される。
低沸分離塔では、低沸点化合物、例えば未回収の不飽和アルデヒド、未回収アルコール等が蒸留分離される。塔頂から抜き出される低沸点化合物には、有効成分としての不飽和アルデヒド、アルコールが含有されている為、これを回収し、酸化エステル化工程または不飽和アルデヒド回収工程にリサイクルすることができる。
低沸分離された粗不飽和カルボン酸エステルは、製品塔に供され、塔頂から製品を得る。
急冷塔塔底液、高沸分離塔塔底液には、高濃度の不飽和カルボン酸が含まれている。
これらの液は、エステル化工程に供され、公知のエステル化触媒、例えば硫酸、強酸性イオン交換樹脂を用いてエステル化される。この工程で生成した不飽和カルボン酸エステルは、不飽和カルボン酸エステル精製工程に供される。
以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例等で用いる圧力はゲージ圧力で表示し、kg/cm2Gで示すことにする。
1.気相酸化反応工程
三酸化モリブデン144.0g、五酸化バナジウム8.27gおよびリン酸(85重量%)12.5gをパイレックス(登録商標)製三つ口フラスコに水1000mlとともに加え、24時間、加熱還流した。ついで、水溶液の不溶成分をロ別後濃縮し、赤褐色の結晶を得た。この結晶はX線回折、原子吸光分析および31PNMRで調べたところ、P:Mo:Vの原子比が1:11:1のモリブドバナドリン酸(PMo11V)であった。前述の操作を繰り返して得たモリブドバナドリン酸1678gを塩化第一銅49.5(g)を1450(L)の水に溶解し、この溶液に6.4重量%の硝酸アンモニウム水溶液725(g)を加え、よくかきまぜ、得られたスラリー溶液を濃縮し、ついで120℃で12時間乾燥した後、粉砕し、外径6(mm)、内径3(mm)、高さ6(mm)のリング形状に成型し、これを窒素気流中450℃で3時間、さらに空気中350℃で2時間焼成した。PMo11VCu0.5の組成をもつ触媒が得られた。
ジャケット部の熱媒温度を290℃で、イソブタン60vol%、酸素15vol%、水蒸気5vol%、窒素20vol%の混合ガスを接触時間3.3秒で供給した。12時間後に反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブタンの8.3%が転化し、メタクロレインの選択率は50.1%、メタクリル酸の選択率は11.7%であった。
次に、急冷塔、脱水塔、吸収塔による不飽和アルデヒド吸収工程は、特開平11−80077号公報を参考にして、以下のように実施した。
上記1.の工程で得られたメタクロレイン及び水蒸気を含有するガスを急冷塔に導入した。
導入されるメタクロレイン含有ガスの組成は、メタクロレインが2.35mol%、水が15mol%、アセトン等の液状副生物の合計が0.2mol%、そして窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、未反応イソブタン等の気体の合計が82.45mol%であった。クエンチ水を用いてガスを80℃に冷却し、部分脱水メタクロレインを得た。また、急冷塔塔底液は、エステル化工程に供された。
200g/hrで供給した。脱水塔内におけるガス温度は底部で80℃、最上部で18℃に制御し、液状メタノール温度は、18℃に制御した。脱水塔の塔底部圧力は1.5kg/cm2Gに制御した。以上の条件で部分脱水混合ガスを更に脱水し、メタクロレインおよびメタノールガスを含む脱水混合ガスを脱水塔の最上部より得た。得られた脱水混合ガスを内径10cm、高さ5m、実段数30段のシーブトレイを装着した棚段塔型式の吸収塔の塔底気相部に供給した。吸収塔内の塔底液温度は、8℃、最上段の気相温度を−12℃に制御した。吸収塔の底部では、ボトム液を冷凍機にて−25℃に冷却循環しながら塔内に戻しつつ導入ガスの凝縮を行った。塔頂からは、液状メタノールにハイドロキノン100重量ppmを加えた溶液を 650g/hrで供給し、未凝縮のメタクロレインを吸収した。
特開平3−176439号公報の実施例1を参考にして未反応アルカンの回収を行った。つまり、未反応のイソブタン、酸素、二酸化炭素、その他窒素等を含有するガスをDixson Packingを充填した、径が15.84cm、充填高さ2mの吸収塔へ塔底部から5Nm3/hrで導入し、上部からn−パラフィンを47kg/hrで供給した。このn−パラフィンはデカン、ウンデカン、ドデカンの混合物であり、含有率はそれぞれ22,52,26重量%であった。吸収塔の外套部に−12℃の冷媒を循環させ常圧で操作したところ、未反応イソブタンの99.5%を回収することができた。このようにして得られた吸収液を放散塔上部から導入し、下部から気相酸化反応に用いるガスの一部を用いほぼ定量的にリサイクルすることができた。
本工程で用いる触媒を、以下のように製造、調整した。
シリカゾル水溶液としてステックスN−30(日産化学(株)製 SiO2分:30重量%)に硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをそれぞれAl/(Si+Al)=10モル%、Mg/(Si+Mg)=10モル%となるように加え溶解させた後、130℃の温度に設定した噴霧乾燥機で噴霧乾燥して粒子系60μmの球状担体を得た。300℃、ついで600℃で焼成した後、これを担体として塩化パラジウム、硝酸鉛を担体100重量部当たりそれぞれパラジウム、鉛分として5重量部、6.5重量部となるように担持した後、ヒドラジンで還元して触媒(Pd5.0Pb6.5/Mg、Al−SiO2と表記する。)を得た。得られた担持触媒のPd/Pb担持組成比は原子比で3/1.95、パラジウム/鉛金属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)は38.745度であり、パラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペクトルの強度比/1.24であった。ついで、触媒分離器を備え、液相部が3.5リットルの外部循環型ステンレス製気泡塔反応器にこの触媒800gを仕込み、触媒の活性化処理を行った。活性化処理を50時間で終了し、触媒を分析したところPd/Pb担持組成比(原子比)は3/1.09、パラジウム・属間化合物の(111)面のX線回折角(2θ)は38.634度であった。またパラジウム(3d)/鉛(4f)のX線光電子スペクトルの強度比は1/0.597であった。
不飽和アルデヒド回収工程は、特開平11−246453号公報の実施例1を参考に実施した。上記工程4.で得たメタクロレイン、メタクリル酸メチル、水、メタクリル酸及びメタノールからなる反応混合物および、不飽和カルボン酸エステル化工程で得られたメタクリル酸メチルを含む液を径10cm、高さ6m、実段数45のシーブトレイを装着した棚段塔型式の蒸留塔の塔頂より30段目に、1943g/hrで供給した。
塔頂からは、塔内の流下液中の重合防止剤濃度が100ppm以上になるようにハイドロキノンを供給した。塔頂には、塔頂凝縮器を有する、減圧下でも液抜きできる装置を有し、塔底には、リボイラーおよび液面計でコントロールされた減圧下で塔底液を抜き出せる装置を有する。蒸留塔の塔頂温度は31℃、塔底温度は84℃、塔底より6段目の温度は81.4℃、塔頂の圧力は650torrで操作し、塔頂から15段目の塔中段液を700g/hr得た。
上記工程5.で得た塔底液を1180g/hrで抜き出し、pHが2〜3となるように調整し、油水分離用遠心分離器へ供給した。油層は次の高沸分離工程に付した。
7.高沸分離工程
特開平11−302224号公報の実施例1を参考にして、高沸分離工程を以下のように実施した。内径10cm、実段30段のシーブトレイを装着した棚段塔型式の蒸留塔の塔頂より20段目に上記工程6.で遠心分離器によって油水分離された油層を1000g/hrで供給した。塔頂には塔頂凝縮器を有する、減圧下で液抜きのできる装置を有している。塔底にはリボイラー、および、液面計でコントロールされた減圧下で塔底液を抜き出せる装置を有する。塔頂より塔内流下液中の重合防止剤濃度が100ppm以上となるようにハイドロキノンを供給しながら、還流量が1000g/hr、塔頂圧が150mmHg、塔頂温度45℃、塔底温度70℃の条件下で連続蒸留を行い、塔頂液と塔底液を得た。塔頂液は、次の低沸分離工程へ送られ、塔底液はエステル化工程に付した。
特開平11−35523号公報の実施例1を参考にして、低沸分離工程を以下のように実施した。内径10cm、実段60段のシーブトレイを装着した棚段型式の蒸留塔の塔頂より20段目に工程7で得た凝縮液を920g/hrで供給した。塔頂には、ブライン冷却器を有する減圧下で液抜きが可能な装置を設け、塔底にはリボイラー、および、液面計でコントロールされた減圧下で塔底液を抜き出せる装置を有する。塔頂より塔内流下液中の重合防止剤濃度が100ppm以上となるようにハイドロキノンを供給しながら、還流量が400g/hr、塔頂圧が250mmHg、塔頂温度45℃、塔底温度80℃の条件下で連続蒸留した。塔底液である粗メタクリル酸メチルは、次のメタクリル酸メチル精製工程に送られた。
上記工程8.で抜き出した塔底液を内径10cm、段数30段のシーブトレイを装着した棚段塔型式の蒸留塔の塔底に、688g/hrで供給した。塔頂にはブライン凝縮器を有する減圧下で液抜きできる装置を設け、塔底にはリボイラー、および、液面計でコントロールされた減圧下で塔底液を抜き出せる装置を有する。還流量が225g/hr、塔頂圧が140mmHg、塔頂温度が55℃、塔底温度が80℃の条件下で連続蒸留を行った。塔頂からは、588g/hrの精製メタクリル酸メチルを得た。
得られた精製メタクリル酸メチルのAPHAは約3であり、その純度は、99.90重量%以上であった。それを用いて製造したメタクリル酸メチルのポリマーの黄色度YIは3.5であり、モノマー、ポリマーともに優れた評価が得られた。
以上の工程で得られたメタクリル酸メチルは、仕込みイソブタンから44.5%の収率であった。
酸化触媒として、Mo原料としてヘプタモリブデン酸アンモニウム、Fe、Co、Bi、Rb、Cu、In原料とし硝酸塩を用い、アンチモンとして酸化アンチモンを1ミクロン以下に粉砕し、各水溶液を混合してスラリー化した。得られたスラリー溶液を濃縮し、ついで120℃で12時間乾燥した後、粉砕し、外径6(mm)、内径3(mm)、高さ6(mm)のリング形状に成型し空気中540℃で2時間焼成してMo12Fe1.2Co6Bi2.4Sb1.3Cu1.2In0.3Rb0.15、の組成をもつ酸化触媒を得た。
この触媒を外径48.6(mm)、内径45.0(mm)、長さ4.5(m)のジャケット付きステンレス製反応管(SUS304製)に、ガス入口部から出口部に向かって、触媒層を2層の反応帯に分け、入口部から2.3(m)間は触媒濃度C1、2.2(m)から4.5(m)間は触媒濃度C2になるように充填した。触媒濃度C2はリング触媒のみを充填した。また、触媒濃度C1は触媒濃度C2の半分になるように磁器製ラッシヒリング(外径6(mm)、内径3(mm)、高さ6(mm)のリング形状)で希釈した。
酸化反応器のジャケット部の熱媒温度は350℃、酸化反応器に酸素を供給し、酸化反応器を通過させる時点の組成が、イソブタン40vol%、酸素15vol%、水蒸気5vol%、窒素バランスとなるように設定し混合ガスを接触時間3.3秒で供給した。12時間後に反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブタンの30%が転化し、メタクロレインの選択率は65.3%、メタクリル酸の選択率は2.7%であった。
水8450gにNb2O5として80.2重量%を含有するニオブ酸1290gとシュウ酸二水和物〔H2C2O4・2H2O〕4905gを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.532(molNb/Kg液)である。
この液を95℃で1時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶解した水溶液を得た。この水溶液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ混合液を得た。このニオブ混合液のシュウ酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.32であった。
るつぼにこのニオブ混合液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb2O50.864gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.65(molNb/Kg液)であった。
2KMnO4+3H2SO4+5H2C2O4→K2SO4+2MnSO4+10CO2
+8H2O
得られたニオブ原料液を、下記の触媒調製のニオブ原料液(N)として用いた。
仕込み組成式がMo1V0.22Nb0.10Sb0.26On/45wt%SiO2で示される酸化物触媒となる乾燥粉体を次のようにして製造した。
水4750gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4)6Mo7O24・4H2O〕を909.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を131.7g、三酸化二アンチモン〔Sb2O3〕を149.5g加え、攪拌しながら90℃で2.5時間加熱して混合液(A)とした。
ニオブ混合液(N)786.6gに、三酸化二アンチモン〔Sb2O3〕44.8gを加えた。氷冷下で撹拌しながら、H2O2として30wt%を含有する過酸化水素水185.5gをゆっくり添加した。その後、攪拌混合して、混合液(B)とした。
得られた混合液(A)を70℃に冷却した後にSiO2として30.6wt%を含有するシリカゾル2941.2gを添加した。更にH2O2として30wt%を含有する過酸化水素水173.9gを添加し、50℃で1時間撹拌混合した。
得られた原料調合液を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は120℃であった。
上記操作を5回繰り返し、乾燥粉体を集めて、以下の焼成例に用いた。乾燥粉体の保管は吸湿しないよう、密閉できる容器を用いた。
乾燥粉体480gを直径3インチのSUS製焼成管に充填し、5.0NL/minの窒素ガス流通下、管を回転させながら、340℃まで1時間で昇温し、340℃で4時間保持した。その後、640℃まで1時間で昇温し、640℃で2時間保持して本焼成して、触媒とした。
本触媒を実施例1と同様に反応を実施した。24時間後に反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブタンの8.3%が転化し、メタクロレインの選択率は50.1%、メタクリル酸の選択率は11.8%であった。
12−モリブドリン酸(H3PMo12O40・30H2O:日本無機化学)の結晶2370(g)および塩化第一銅50(g)を20(L)の水に溶解し、この溶液に6.4重量%の硝酸アンモニウム水溶液100(g)を加え、よくかきまぜ、得られたスラリー溶液を濃縮し、ついで120℃で12時間乾燥した後、粉砕し、外径6(mm)、内径3(mm)、高さ6(mm)のリング形状に成型し、これを窒素気流中450℃で3時間、さらに空気中350℃で2時間焼成した。こうして、PMo12Cu0.5組成の触媒が得られた。
この触媒および実施例1と同様の反応器を用い、同じ条件で気相酸化反応を行った。但し生成したメタクロレインはリサイクルする事によりメタクリル酸の収率を高めるようにした。12時間後に反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブタンの8.3%が転化し、メタクロレインの選択率は11.3%、メタクリル酸の選択率は40.7%であった。
さらに、実施例1の2〜9の工程を経て得られたメタクリル酸メチルは、仕込みイソブタンから40.4%の収率であった。
12−モリブドリン酸(H3PMo12O40・30H2O:日本無機化学)の結晶2370(g)と実施例2で用いたニオブ混合液(N)(ニオブ濃度が0.65(mol−Nb/Kg液))を384.7、硝酸クロム(III)九水和物を100.1g、硝酸カリウム101.2g加え、さらに、この溶液にキノリン1300gと水20Lを加えてかき混ぜ、得られたスラリーを濃縮した。ついで120℃で12時間乾燥した後、粉砕し、外径6(mm)、内径3(mm)、高さ6(mm)のリング形状に成型し、これを窒素気流中450℃で3時間、さらに空気中350℃で2時間焼成した。P1Mo12Nb0.1Cr0.25K1組成の触媒が得られた。
ここで得られた触媒を使用した他は、比較例1と同様の実験を行った。12時間後に反応ガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブタンの8.3%が転化し、メタクロレインの選択率は13.7%、メタクリル酸の選択率は30.2%であった。さらに、実施例1の2〜9の工程を経て得られたメタクリル酸メチルは、仕込みイソブタンから33.7%の収率であった。
b 分子状酸素含有ガス
c 不飽和アルデヒド、不飽和カルボン酸含有ガス
d 不飽和カルボン酸除去ガス
e 不飽和カルボン酸含有廃水
f アルコール類
g 不飽和アルデヒド含有脱水ガス
h アルコール類
i リサイクルアルカン含有ガス
j 不飽和アルデヒド/アルコール溶液
k 分子状酸素含有ガス
l 酸化エステル化反応液
m 回収不飽和アルデヒド、アルコール
n 低沸廃油
o 不飽和カルボン酸エステル/水分含有液
p 粗不飽和カルボン酸エステル含有液
q 不飽和カルボン酸エステル
r 不飽和カルボン酸含有液
s 粗不飽和カルボン酸エステル含有液
(1)気相酸化反応工程
(2)急冷工程
(3)脱水工程
(4)不飽和アルデヒド吸収工程
(5)未反応アルカン回収工程
(6)酸化エステル化工程
(7)不飽和アルデヒド回収工程
(8)油水分離工程
(9)不飽和カルボン酸エステル精製工程(高沸分離、低沸分離、製品塔を含む)
(10)不飽和カルボン酸のエステル化工程
Claims (12)
- アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法であって、アルカンと酸素を気相で触媒と接触反応させることにより、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を不飽和アルデヒド/不飽和カルボン酸の比が2以上19以下で生成させ、未凝縮の不飽和アルデヒドを吸収塔に導入して、アルコールを含む有機溶媒との接触により不飽和アルデヒドを回収し、得られた不飽和アルデヒド及びアルコールと、酸素を含むガスとを液相で触媒と接触反応させて、不飽和カルボン酸エステルを合成する工程を有し、かつ前記吸収塔の塔底液をpH6.5以上に調整することを特徴とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法。
- アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法であって、未反応のアルカンを回収し、回収したアルカンを気相酸化反応器にリサイクルする工程を有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法であって、不飽和カルボン酸エステルを合成する工程で生成した不飽和カルボン酸エステルを含む反応液から未反応不飽和アルデヒドを分離回収し、酸化エステル化反応工程に不飽和アルデヒドをリサイクルする工程を有する請求項1記載の製造方法。
- アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法であって、副生する不飽和カルボン酸を回収し、不飽和カルボン酸とアルコールを酸触媒によって不飽和カルボン酸エステルを合成する工程を有する請求項1記載の製造方法。
- 下記(1)〜(9)を含むプロセスで構成されることを特徴とした、アルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続製造方法。
(1)気相酸化反応工程:アルカンと酸素を少なくとも含むガスを250℃以上の温度、気相で触媒と接触させ、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を不飽和アルデヒド/不飽和カルボン酸の比が2以上19以下で生成させる反応工程。
(2)急冷工程:(1)の工程で得られた反応ガスを急冷し200℃以下の温度にし、反応物から不飽和カルボン酸を主として含む凝縮物と不飽和アルデヒド、水、未反応アルカンを含む成分を分離する工程。
(3)脱水工程:水、不飽和アルデヒドおよび未反応のアルカンを含有する系にアルコールを含む有機溶媒とを接触させ水を選択的に除去する工程。
(4)不飽和アルデヒド吸収工程:脱水された不飽和アルデヒド、未反応アルカンを含むガスを冷却し凝縮した不飽和アルデヒドを吸収塔に導入し、吸収塔の塔底液を6.5以上に調整して不飽和アルデヒドを回収しつつ、未凝縮の不飽和アルデヒドは、アルコールを含む有機溶媒と接触させ回収する工程。
(5)アルカン回収リサイクル工程:未反応のアルカンを回収し、回収したアルカンを再度(1)の気相酸化反応工程にリサイクルする工程
(6)酸化エステル化反応工程:(4)で得た不飽和アルデヒドを含むアルコール溶液を原料とし、酸素を含むガスと触媒の存在下で接触させ、不飽和カルボン酸エステルを合成する工程
(7)未反応不飽和アルデヒドの回収工程:酸化エステル化反応によって生成した不飽和カルボン酸エステル、水、不飽和カルボン酸および未反応不飽和アルデヒド、残留アルコールを含む反応液から、低沸点成分である未反応の不飽和アルデヒド、アルコールを主として含む蒸留組成物と高沸点成分である不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸、水を主として含む蒸留組成物に分離し、低沸点成分を上記(4)にリサイクルする工程。
(8)油水分離工程:上記(7)の高沸点成分を含む液を油水分離する工程
(9)不飽和カルボン酸エステルの精製工程:上記(8)で得た油層に含まれる不飽和カルボン酸エステルおよび不純物を含む溶液から不飽和カルボン酸エステルを精製し、純度の高い不飽和カルボン酸エステルを得る工程。 - アルカンがプロパンであり、気相酸化反応で得られる不飽和アルデヒドがアクロレインであり、得られる不飽和カルボン酸がアクリル酸であり、酸化エステル化反応で得られる不飽和カルボン酸エステルがアクリル酸エステルである請求項1の製造方法。
- アルカンがイソブタンであり、気相酸化反応で得られる不飽和アルデヒドがメタクロレインであり、得られる不飽和カルボン酸がメタクリル酸であり、酸化エステル化反応で得られる不飽和カルボン酸エステルがメタクリル酸エステルである請求項1の製造方法。
- アルコールがメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、2エチルヘキサノールから選ばれ、単独及びまたは混合して用いることを特徴とする請求項1〜3の不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
- 気相酸化反応に用いる反応器が熱交換器型の固定床反応器であって、反応条件ガス線速における圧力損失が、円柱状触媒を反応器に用いた場合の70%以下となる形状に設計、成型した触媒を用いることを特徴する請求項1〜3の製造方法。
- 気相酸化反応に用いる反応器が流動層反応器であって、30〜70重量%のシリカを含み、平均粒子径が30〜100μmの球状触媒を用いることを特徴する請求項1〜3の製造方法。
- 不飽和アルデヒドとアルコールおよび酸素から酸化エステル化反応によって、不飽和カルボン酸エステルを生成する工程の貴金属担持触媒で式RrBbNnであって、Rはパラジウム、金、ルテニウムの少なくとも1つを含み、BはPb、Bi、Tl、Hg、から選ばれた少なくとも1つ、NはMg、K、Naの1つを含み、平均粒子径が30〜200μmの球状の担体に担持してなる触媒を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアルカンを原料とする不飽和カルボン酸エステルの連続的製法であって、未反応アルカンを含むガス混合物に、炭素数が6〜10の炭化水素系有機溶媒を接触させて、未反応アルカンを吸収回収し、次いでこの未反応アルカン吸収液を蒸留操作またはガス供給による放散(ストリッピング)操作により、アルカンと炭素数が6〜10の炭化水素系有機溶媒に分離し、得られたガス状のアルカンを再び原料として、気相酸化反応器にリサイクルする方法。
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