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JP5094295B2 - 膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池に用いる膜電極接合体および燃料電池に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池には、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)などがある。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動して高出力密度が得られることから、電気自動車用電源として期待されている。
固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜電極接合体(Membrane and Electrode Assembly、以下「MEA」ともいう)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、例えば、電解質膜が一対の触媒層および導電層(ガス拡散層)により挟持されてなるものである。
触媒層は、電解質と導電材に活性金属触媒が担持された混合物により形成された多孔性のものである。また、導電層は、カーボンクロスなどのガス拡散基材表面にカーボン粒子および撥水剤などからなるカーボン撥水層が形成されてなるものが用いられている。
固体高分子型燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード極側の触媒層に供給された燃料ガスに含まれる水素は、下記式(1)に示すように活性金属触媒により酸化されてプロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード極側触媒層に含まれるプロトン伝導材料、さらにアノード極側触媒層と接触している電解質膜を通り、カソード極側触媒層に達する。また、アノード極側触媒層で生成した電子は、アノード極側触媒層を構成している導電材、さらにアノード極側触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触している導電層、セパレータおよび外部回路を通してカソード極側触媒層に達する。そして、カソード極側触媒層に達したプロトンおよび電子は、下記式(2)に示すように活性金属触媒によりカソード極側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
アノード極側触媒層:H 2 →2H + +2e - (1)
カソード極側触媒層:1/2O 2 +2H + +2e - →H 2 O(2)
そのため、電解質膜は、高いプロトン伝導性、および、電極に挟まれたセパレータとしての機能などを有することが求められる。
固体高分子型燃料電池においては、アノード電極側で生成したプロトンを効率良くカソード電極側に移動させるために、電解質膜に多量の水分を供給する必要があり、通常、燃料ガスである水素を加湿することにより行われる。加湿の度合は最適範囲に制御する必要がある。該最適範囲より加湿の度合が小さい場合は、プロトンの移動度が低下するために、出力は低下する。一方、該最適範囲より加湿の度合が大きい場合は、過剰な水が触媒活性部位を覆いガスの拡散を阻害するために、出力が低下する現象が発生する。従って、加湿条件は常に精密に制御することが求められ、このことは燃料電池システムを構築する際の負担になっていた。
加湿条件の問題への対策として、触媒層、特に化学反応で水が生成するカソード電極側触媒層に撥水性を有する物質を含有させることで、触媒層に過剰な水分が滞留する状況を回避する方法が多くの特許により公知となっている(特許文献1)。
これらの特許では、撥水性物質としてフッ化物あるいはフッ化物を含有するカーボン粒子を使用することを推奨している。しかし、これらの技術では、加湿の度合が大き過ぎる場合に生じる出力の低下を回避することは可能であるが、加湿の度合が小さ過ぎる場合には出力の低下を回避することができないばかりか、出力低下の幅が大きくなってしまうことがしばしば生じていた。
上記とは逆に、電解質膜または触媒層に吸水性のあるシリカ微粒子、あるいはシリカファイバーを含有させることにより、電解質膜および触媒層の保水性を増大させて、無加湿運転が可能な固体高分子型燃料電池の技術が開示されている(特許文献2)。この技術は、無加湿という条件下での出力向上には寄与しうるものではあるが、高出力化を重視して加湿を行っている通常の固体高分子型燃料電池の系には対応できておらず、この系で加湿度合の変動が起こった場合に高出力を維持するための手段とはなっていなかった。
そのため、高出力の固体高分子型燃料電池においては、加湿度合の意図しないゆらぎが生じても触媒層の水分含有量を適切に保ち、高出力を維持するための方法が求められていた。
一方、表面に化学修飾等の操作が行われていないシリカは、表面に親水性の水酸基を有するため吸水性を有するが、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を化学修飾することにより撥水性を付与できることが知られている。(非特許文献1)。しかしながら、燃料電池の電極の触媒層としては、シリカ微粒子そのものがフッ化物樹脂ほど強い撥水性が期待できないと考えられていたため、この化学修飾を行ったシリカの微粒子を触媒層に含有させても、電池性能の向上は図れないと考えられていた。
特許第3245929号公報 特開平6−111827号公報 超親水・超撥水化技術(2001年1月(株)技術情報協会刊)
本発明の課題は、カソード電極側の触媒層の水分含有量を適正な範囲に維持するための手段を提供することにより、燃料電池が加湿条件の変動に対し安定に高出力を維持するための手段を提供することである。
上記課題のもと、発明者が鋭意検討した結果、下記手段により上記課題を解決しうることを見出した。
(1)一対の電極と該電極間に設けられた電解質膜を有する膜電極接合体であって、前記電極の電解質膜に接する側にそれぞれ触媒層が設けられており、該触媒層の少なくとも一方が、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を含有する、膜電極接合体。
(2)前記表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子中の該シリカ微粒子の一次粒子直径の平均値が50nm以下である、(1)の膜電極接合体。
(3)前記のシリカ微粒子が、前記触媒層中に、0.6〜25重量%の範囲で含まれる、(1)または(2)の膜電極接合体。
(4)前記含フッ素有機基が、2以上のフッ素原子を有する1価の有機基であって、炭素数が3以上16以下である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
(5)前記含フッ素有機基が、ポリフルオロアルキル基、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオキサアルキル基、またはこれらのいずれかの基と2価の炭化水素基とが結合した有機基である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
(6)前記シリカ微粒子が含まれる触媒層が、カソード電極に設けられている(1)〜(5)のいずれか1項の膜電極接合体。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の膜電極接合体を有する燃料電池。
本発明の構成によれば、加湿条件にかかわらず、カソード電極側触媒層の水分含有量が適正な範囲に保たれ、高出力を安定に維持できる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、アルキル基等の「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素数が限定されている基の場合、該炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。
本発明の特徴は、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子をカソード電極側触媒層に含有させることにより、該触媒層の水分含有量を適切な範囲に安定化させ、加湿条件の変動に対しても安定に高出力の得られる燃料電池を実現している点にある。従来技術においては、触媒層の水分調節剤として、加湿条件が最適な条件より高加湿である場合か、逆に低加湿である場合のどちらか一方の場合だけに対応して出力向上を図る手段であり、振幅の大きな加湿条件変動への対応能力は不十分であった。
本発明の表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を触媒層の水分調節剤として用いると、フル加湿運転で取り出し電流量が多くカソード電極側触媒層で生成水分によるフラッディングが起り易い条件の場合も、低加湿運転で電解質中のイオン伝導性の維持が難しい場合の両方において、高出力を維持することが可能になったものである。
前述したように、従来技術で用いていたシリカ微粒子は表面に化学修飾が行われていないものであり、それが持つ吸水剤あるいは保水剤としての機能が利用されていた。その際、微粒子を使用することが推奨されていたが、その理由は比表面積が大きい方が保水作用を発現するサイト数が多くなり、大きな保水作用が期待できるからであった。
一方、シリカの表面に炭化水素基または含フッ素有機基を化学修飾することでシリカの表面に撥水性を付与できることは以前から知られていたが、シリカ微粒子の表面に炭化水素基または含フッ素有機基を化学修飾したものを撥水剤として燃料電池の触媒層に適用しようとする試みは、従来殆ど行われていなかった。その理由は、該シリカ微粒子にはフッ化物樹脂ほど強い撥水性が期待できないと考えられていたからである。
それ故、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子(以下、「本発明で用いるシリカ微粒子」ということがある)をカソード電極側触媒層に含有させることにより発現する本発明の効果は、公知特許、文献等からは類推し難いものであった。
さらに、本発明の効果は、本発明で用いるシリカ微粒子の一次粒子直径が1μmのシリカ微粒子では僅かにしか発現しない一方で、直径が50nm前後を境に、それ以下の領域で急峻に立ち上がるという挙動を示すことも、従来知見からの本発明の類推を困難にしていた。
カソード電極側触媒層に含有させる本発明で用いるシリカ微粒子の表面に存在させる炭化水素基または含フッ素有機基の量は、シリカ微粒子1g当り1.5×10-6〜1.5×10-3モルの範囲であることが好ましく、7.5×10-5〜7.5×10-4モルの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、加湿の度合が大き過ぎたり、取り出し電流値を大きくした場合に生じる、フラッディングによる出力低下を抑止するという効果を奏し好ましい。
本発明でシリカ微粒子の表面に炭化水素基または含フッ素有機基を付与する方法は特に限定されないが、シラン化合物を用いた方法で比較的容易に付与することができる。
シラン化合物は、
(R1a(R2b(R3cSi(X)4-a-b-c
で表すことができ、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜16の1価の炭化水素基または含フッ素有機基であり、かつR1、R2、R3のうちの少なくとも1つは、炭化水素基または含フッ素有機基である。
Xはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基で置換されたアルコキシ基、アミノキシ基、アミド基またはイソシアネート基である。
a、b、cはそれぞれ独立に0〜3の整数であって1≦a+b+c≦3である。ここで4−a−b−cが2または3の場合、複数のXは同じであっても異なっていてもよい。
1、R2、R3が含フッ素有機基の場合、下記に例示する1価の有機基に含まれる水素原子の1以上がフッ素原子と置換された炭化水素基が好ましく、2以上のフッ素原子を含んでいることがさらに好ましい。
(1価の有機基の例示)
アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等の1価の炭化水素基;クロロアルキル基等の1価のハロゲン化炭化水素基;エポキシ基、アミノ基、メルカプト基を有する1価の(ハロゲン化)炭化水素基;炭素鎖の中間にエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、イミノ結合、アミド結合等の連結結合を有する1価の(ハロゲン化されていてもよい)炭化水素基;
含フッ素有機基が2以上のフッ素原子を有する1価の有機基である場合は、ポリフルオロアルキル基、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオキサアルキル基、またはこれらのいずれかの基とアルキレン基等の2価の炭化水素基とがエステル結合等の連結結合で結合した有機基(上記2価の炭化水素基が連結結合とは他端でケイ素原子と結合する)が好ましい。
ポリフルオロアルキル基、ポリフルオロオキサアルキル基、およびポリフルオロチオキサアルキル基は、ケイ素原子と結合する端部(その周辺も含む)がアルキレン基(特に、エチレン基)であって他の部分は水素原子が全てフッ素原子と置換されている基(以下、「パーフルオロ有機基」ということがある)であるのも好ましい。
パーフルオロ有機基としては、炭素数3以上のパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサアルキル基、またはパーフルオロチオキサアルキル基が好ましく、特に炭素数3〜16のパーフルオロアルキル基が好ましい。
シリカ微粒子の表面に本シラン化合物を作用させる際の方法としては、本シラン化合物とシリカ微粒子を直接接触させる方法;本シラン化合物とシリカ微粒子を乾燥雰囲気で直接接触させた後、必要に応じて余剰成分を洗い流し水と接触させる方法;本シラン化合物の溶液中にシリカ微粒子を分散させた後溶媒を蒸発させ、その後水または水蒸気で処理する方法;予め本シラン化合物を水分の存在下で加水分解した後、シリカ微粒子と接触またはシリカ微粒子と種々の方法で混合する方法等;が挙げられる。上記各方法において、反応を促進するために適宜加熱してもよい。
シリカ微粒子の一次粒子直径は、その平均値が50nm以下であることが好ましく(シリカ微粒子の表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有する場合は、シリカ微粒子のみの部分をいう)、20nm以下であることがより好ましい。該シリカ微粒子直径の下限については特に制限はないが、現実的に、5nm未満の粒子直径のものを調製することは困難であるため、5nm以上とすることが一般的である。特に、発明で用いるシリカ微粒子として、炭化水素基または含フッ素有機基を付与したものを採用する場合、該炭化水素基または含フッ素有機基を含めたものの平均直径が7〜56nmであることが好ましい。
カソード電極側触媒層における、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子の含有量は、0.6〜25重量%であることが好ましく、2〜12重量%であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、触媒層中の触媒の重量比低下による出力低下を回避しつつ、本発明の効果を有効に引き出すことができるという利点がある。
シリカ微粒子の表面に存在させる炭化水素基または含フッ素有機基の量は、シリカ微粒子1g当り1.5×10-6〜1.5×10-3モルの範囲であることが好ましく、7.5×10-5〜7.5×10-4モルの範囲であることがより好ましいことを前述したが、これらの表面化学修飾基の最適量は、水分を保持している触媒層のバインダーに対し適度な撥水を及ぼすために最適な量であるか、あるいは、触媒層の水分含有量の安定化にとって最適な表面親疎水性基の数比率にするための量のどちらかと考えられる。
<<電解質膜>>
本発明で用いる電解質膜として、公知の電解質を膜状に製膜したものおよび公知の電解質膜を広く採用することができる。
その中でも、フッ素系ポリマーが化学的安定性に優れていることから好ましく使用できる。具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成工業株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で知られる高いプロトン伝導性を有するパーフルオロスルホン酸膜が挙げられる。
また、本発明では、電解質として、主鎖に芳香族環を有するスルホアルキル化芳香族炭化水素系ポリマーを電解質として用いることができる。特に、下記(化1)で表されるスルホアルキル基を側鎖に導入したスルホアルキル化芳香族炭化水素系ポリマーを電解質として用いることが好ましい。
スルホアルキル化芳香族炭化水素系ポリマーの具体例としては、このような1977年イギリスのICI社によって開発された下記(化2)で代表される構造単位を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ドイツBASF社で開発された半結晶性のポリアリールエーテルケトン(PAEK)、住友化学工業等で販売されている下記(化3)で代表される構造単位を有するポリエーテルケトン(PEK)、テイジンアモコエンジニアリングプラスチックスで販売されているポリケトン(PK)、住友化学工業、テイジンアモコエンジニアリングプラスチックスや三井化学等で販売されている下記(化4)で代表される構造単位を有するポリエーテルスルホン(PES)、ソルベイアドバンスドポリマーズ(株)で販売されている下記(化5)で代表される構造単位を有するポリスルホン(PSU)、東レ、大日本化学工業、トープレン、出光石油化学や呉羽化学工業等で販売されている下記(化6)で代表される構造単位を有するリニア或いは架橋型のポリフェニレンサルフィッド(PPS)、旭化成工業、日本ジーイープラスチックス、三菱エンジニアリングプラスチックスや住友化学工業で販売されている下記(化7)で代表される構造単位を有する変性ポリフェニレンエーテル(PPE)等のエンジニアリングプラスチック或いはそのポリマアロイに下記(化1)で表されるスルホアルキル基を側鎖に導入した芳香族炭化水素系ポリマーが挙げられる。
このうち、主鎖の耐酸化劣化特性の観点から、主鎖構造は、PEEK、PEAK、PEK、PK、PPS、PESおよびPSUが好ましい。
Figure 0005094295
また、本発明では、電解質として、特開平9−102322号公報に開示されている、炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成される、スルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、特開平9−102322号公報に開示されているスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−ETFE、米国特許第4,012,303号および米国特許第4,605,685号に開示されている、炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系ビニルモノマーとのコポリマーによって作製された膜に、α,β,β−トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して電解質とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFEなどを用いることもできる。
本発明で用いられる電解質膜のイオン交換容量は、好ましくは0.40〜4.00ミリ当量/gであり、より好ましくは0.6〜3.4gミリ当量/gであり、さらに好ましくは1.00〜2.9ミリ当量/gである。イオン交換容量を0.40ミリ当量/g以上とすることにより、出力性能が向上する傾向にあり、4.00ミリ当量/g以下とすることにより、電解質膜の耐水性が向上する傾向にあり好ましい。
なお、本発明でいう、イオン交換基当量重量とは、導入されたイオン交換性を有する官能基の単位モルあたりの電解質であるポリマーの分子量を表し、値が小さいほどイオン交換性の官能基の含量が高いことを示す。イオン交換基当量重量は、1H−NMRスペクトロスコピー、元素分析、特公平1−52866号公報に記載の酸塩基滴定、非水酸塩基滴定(規定液はカリウムメトキシドのベンゼン・メタノール溶液)等により測定が可能である。
電解質は、通常、電解質膜の状態で、燃料電池に使用される。製膜方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)あるいは溶融状態より製膜する方法(溶融プレス法または溶融押し出し法)等が可能である。具体的には前者については、例えば、電解質であるイオン交換ポリマーを含む溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜できる。製膜に用いる溶媒は、電解質であるイオン交換ポリマーを溶解し、その後に除去し得るものであれば特に制限はなく、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、または、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジクロロメタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコールが好適に用いられる。
本発明で用いる電解質膜の厚みは特に制限はないが、10〜300μmが好ましく、10〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。10μm以上とすることにより、より実用に適した強度を有するものとなり、300μm以下とすることにより、膜抵抗の低減つまり発電性能向上がより向上する傾向にあり好ましい。溶液キャスト法の場合、電解質膜の厚みは、電解質であるイオン交換ポリマーの溶液濃度の調整または基板上へ塗布する厚さの調整により制御できる。溶融状態より製膜する場合、電解質膜の厚みは、溶融プレス法または溶融押し出し法等で得た所定厚さのフィルムを所定の倍率に延伸することで制御できる。
<<電解質膜の他の成分>>
また、本発明に用いる電解質膜を製造する際に、通常のポリマーに使用される可塑剤、安定剤、離型剤等の添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。
本発明に用いる電解質膜には、膜特性を向上させるため、必要に応じて、酸化防止剤、繊維、微粒子、吸水剤、可塑剤、相溶剤等を添加してもよい。これら添加剤の含有量は電解質膜の全体量に対し1〜30質量%の範囲が好ましい。
酸化防止剤としては、(ヒンダード)フェノール系、一価または二価のイオウ系、三価〜五価のリン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系、サリチレート系、オキザリックアシッドアニリド系の各化合物が好ましい例として挙げられる。具体的には特開平8−53614号公報、特開平10−101873号公報、特開平11−114430号公報、特開2003−151346号公報に記載の化合物が挙げられる。
繊維としては、パーフルオロカーボン繊維、セルロース繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等が好ましい例として挙げられ、具体的には特開平10−312815号公報、特開2000−231928号公報、特開2001−307545号公報、特開2003−317748号公報、特開2004−63430号公報、特開2004−107461号公報に記載の繊維が挙げられる。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム等からなる微粒子が好ましい例として挙げられ、具体的には特開平6−111834号公報、特開2003−178777号公報、特開2004−217921号公報に記載の微粒子が挙げられる。
吸水剤(親水性物質)としては、架橋ポリアクリル酸塩、デンプン−アクリル酸塩、ポバール、ポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリグリコールジアルキルエーテル、ポリグリコールジアルキルエステル、シリカゲル、合成ゼオライト、アルミナゲル、チタニアゲル、ジルコニアゲル、イットリアゲルが好ましい例として挙げられ、具体的には特開平7−135003号公報、特開平8−20716号公報、特開平9−251857号公報に記載の吸水剤が挙げられる。
可塑剤としては、リン酸エステル系化合物、フタル酸エステル系化合物、脂肪族一塩基酸エステル系化合物、脂肪族二塩基酸エステル系化合物、二価アルコールエステル系化合物、オキシ酸エステル系化合物、塩素化パラフィン、アルキルナフタレン系化合物、スルホンアルキルアミド系化合物、オリゴエーテル類、カーボネート類、芳香族ニトリル類が好ましい例として挙げられ、具体的には特開2003−197030号公報、特開2003−288916号公報、特開2003−317539号公報に記載の可塑剤が挙げられる。
さらに本発明に用いる電解質膜には、(1)膜の機械的強度を高める目的、および(2)膜中の酸濃度を高める目的で種々のポリマーを含有させてもよい。
(1)機械的強度を高める目的には、分子量10,000〜1,000,000で本発明の電解質と相溶性のよい高分子化合物が適する。例えば、パーフッ素化ポリマー、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリオキセタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンが挙げられる。これらのポリマーは、2種類以上を併用してもよい。これらのポリマーの含有量としては全体に対し1〜30質量%の範囲が好ましい。
相溶剤としては、沸点または昇華点が250℃以上のものが好ましく、300℃以上のものがより好ましい。
(2)酸濃度を高める目的には、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリベンズイミダゾールなどの耐熱芳香族高分子のスルホン化物などのプトロン酸部位を有するポリマーなどが好ましく、含有量としては全体に対し1〜30質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いる電解質膜の特性としては、以下の諸性能を持つものが好ましい。
イオン伝導度は例えば25℃95%RHにおいて、0.005S/cmであることが好ましく、0.01S/cm以上であるものがより好ましい。
強度としては例えば引っ張り強度が10MPa以上であることが好ましく、20MPa以上であるものがさらに好ましい。
本発明に用いる電解質膜は安定した吸水率および含水率を持つものが好ましい。また、本発明に用いる電解質膜は、アルコール類、水およびこれらの混合溶媒に対し、溶解度は実質的に無視できる程度であることが好ましい。また上記溶媒に浸漬した時の重量減少、形態変化も実質的に無視できる程度であることが好ましい。
膜状に形成した場合のイオン伝導方向は表面から裏面の方向が、それ以外の方向に対し高い方が好ましいが、ランダムであってもよい。
本発明に用いる電解質膜の耐熱温度は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。耐熱温度は例えば1℃/分の測度で加熱していったときの重量減少5%に達した時間として定義できる。この重量減少は、水分等の蒸発分を除いて計算される。
さらに、電解質膜を燃料電池に用いる場合、アノード燃料とカソード燃料の酸化還元反応を促進させる活性金属触媒を添加してもよい。これにより、電解質膜中に浸透した燃料が他方極側に到達すること無く電解質膜中でより消費されやすくなり、クロスオーバーをより効果的に防ぐことができる。用いられる活性金属触媒は、後述する活性金属触媒が適しており、白金または白金を基にした合金が好ましい。
<<燃料電池の構成>>
次に、本発明の膜電極接合体および、該膜電極接合体を用いた燃料電池について説明する。
図1は本発明の膜電極接合体の断面概略図の一例を示したものである。MEA10は、電解質膜11と、それを挟んで対向するアノード電極12及カソード電極13を備える。
アノード電極12とカソード電極13は、例えば、導電層12a、13aと触媒層12b、13bからなる。触媒層12b、13bは、活性金属触媒を担持した導電材をプロトン伝導材料に分散させた分散物からなる。触媒層12b、13bを電解質膜11に密着させるために、導電層シート12a、13aに触媒層12b、13bを塗設したものを、電解質膜11にホットプレス法(好ましくは120〜250℃、2〜100kg/cm2)で圧着するか、適当な支持体に触媒層12b、13bを塗設したものを、電解質膜11に転写しながら圧着した後、導電層12a、13aで挟み込む方法を一般に用いる。但し、本発明の膜電極接合体では、触媒層のみを有していれば、導電層を有することを必須の要件とするものではない。
図2は燃料電池の構造の一例を示す。燃料電池はMEA10と、MEA10を挟持する一対のセパレーターからなる集電体17およびガスケット14を有する。アノード極側の集電体17にはアノード極側給排気口15が設けられ、カソード極側の集電体17にはカソード極給排気口16設けられている。アノード極側給排気口15からは、水素、アルコール類(メタノール等)等のガス燃料またはアルコール水溶液等の液体燃料が供給され、カソード極側給排気口16からは、酸素ガス、空気等の酸化剤ガスが供給される。
膜電極接合体10に使用される触媒層は、活性金属触媒を担持した導電材により構成されるものであり、必要に応じて撥水剤や結着剤が含まれていてもよい。また、触媒を担持していない導電材と必要に応じて含まれる撥水剤や結着剤とからなる層(導電層)を、触媒層の外側に形成してもよい。触媒層には、導電材に活性金属触媒を担持した触媒が用いられる。活性金属触媒としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいずれのものでもよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、あるいはそれらの合金が挙げられる。このような触媒の中で、特に白金が多くの場合用いられる。
通常用いられる活性金属触媒の粒子サイズは、2〜10nmの範囲であり、粒子サイズが小さい程単位質量当りの表面積が大きくなるので活性が高まり有利であるが、小さすぎると凝集させずに分散させることが難しくなる傾向にあるので、2nm以上が好ましい。
水素−酸素系燃料電池における活性分極はアノード極側(水素極側)に比べ、カソード極側(空気極側)が大きい。これは、アノード極側に比べ、カソード極側の反応(酸素の還元)が遅いためである。カソード極側の活性向上を目的として、活性金属触媒として、Pt−Cr、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Cu、Pt−Feなどのさまざまな白金基二元活性金属触媒を用いることができる。アノード燃料に一酸化炭素を含む化石燃料改質ガスを用いる燃料電池においては、COによる触媒被毒を抑制することが重要である。この目的のために、Pt−Ru、Pt−Fe、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Moなどの白金基二元活性金属触媒、Pt−Ru−Mo、Pt−Ru−W、Pt−Ru−Co、Pt−Ru−Fe、Pt−Ru−Ni、Pt−Ru−Cu、Pt−Ru−Sn、Pt−Ru−Auなどの白金基三元活性金属触媒を用いることができる。
活性金属触媒を担持させる導電材としては、電子導伝性物質であればいずれのものでも良く、例えば各種金属や炭素材料などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、およびアセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等が挙げられ、これらが単独あるいは混合して使用される。特に、アセチレンブラック、Vulcan XC−72、ケチェンブラック、カーボンナノホーン(CNH)、カーボンナノチューブ(CNT)が好ましく用いられる。
触媒層の機能は、(1)燃料を活性金属触媒に輸送すること、(2)燃料の酸化(アノード極)、還元(カソード極)反応の場を提供すること、(3)酸化還元により生じた電子を集電体に伝達すること、(4)反応により生じたプロトンを電解質膜に輸送すること、である。(1)のために触媒層は、液体および気体燃料が奥まで透過できる多孔質性であることが必要である。(2)は上記で述べた活性金属触媒が、(3)は同じく上記で述べた導電材が担う。(4)の機能を果たすために、触媒層にプロトン伝導材料を混在させる。
触媒層に用いるプロトン伝導材料としては、プロトン供与基を持った固体であれば制限はないが、電解質膜に用いられる酸残基を有する高分子化合物、ナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリベンズイミダゾール等の耐熱芳香族ポリマー、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリオキセタン、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンの膜が挙げられ、具体的には、特開2002−110174号公報、特開2002−105200号公報、特開2004−10677号公報、特開2003−132908号公報、特開2004−179154号公報、特開2004−175997号公報、特開2004−247182号公報、特開2003−147074号公報、特開2004−234931号公報、特開2002−289222号公報、特開2003−208816号公報に記載のものが挙げられる。
触媒層にはさらに撥水剤を含むものが好ましく、撥水剤としては、例えば、フッ素化カーボン、撥水性を有する含フッ素樹脂が好ましく、特に耐熱性、耐酸化性の優れたものがより好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が使用される。
活性金属触媒の使用量は、0.03〜10mg/cm2の範囲が電池出力と経済性の観点から適している。活性金属触媒を担持する導電材の量は、活性金属触媒の質量に対して、1〜10倍が適している。プロトン伝導材料の量は、活性金属触媒を担持した導電材の質量に対して、0.1〜0.7倍が適している。
導電層は、電極基材、透過層、あるいは裏打ち材とも呼ばれ、集電機能および水がたまりガスの透過が悪化するのを防ぐ役割を担う。通常は、カーボンペーパーやカーボン布を使用し、撥水化のためにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)処理を施したものを使用することもできる。
本発明では、カソード電極側触媒層に、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を含有させるが、これに併せて、フッ素樹脂等の耐熱性や耐酸化性に優れた撥水剤を併用してよい。また、アノード電極側触媒層にも表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を含有させることも好ましい態様である。撥水剤に導電性をもたせるために炭素系の撥水材料を用いることもできる。導電性をもつ炭素系の撥水材料として、活性炭、カーボンブラック、炭素繊維を用いることが可能で、具体的には特開2005−276746号公報に記載のものが挙げられる。
活性金属触媒を担持する方法としては、熱還元法、スパッタ法、パルスレーザーデポジション法、真空蒸着法などが挙げられる(例えば、WO2002/054514号公報など)。
次に、アノード電極およびカソード電極の作製方法について説明する。ナフィオンに代表されるプロトン伝導材料を溶媒に溶解し、活性金属触媒を担持した導電材と混合した分散液(触媒層塗布液)を分散する。
分散液の溶媒はヘテロ環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセタミド等)、水等が好ましく用いられ、この中でもヘテロ環化合物、アルコール類、多価アルコール類、アミド類が好ましく用いられる。
分散方法は、攪拌による方法でも良いが、超音波分散、ボールミル等を用いることもできる。得られた分散液はカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等の塗布法を用いて塗布することができる。
分散液の塗布について説明する。塗布工程においては、上記分散液を用いて、押出成型によって製膜してもよいし、これらの分散液をキャストまたは塗布して製膜してもよい。この場合の支持体は特に限定されないが、好ましい例としては、ガラス基板、金属基板、高分子フィルム、反射板等を挙げることができる。高分子フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系高分子フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のエステル系高分子フィルム、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系高分子フィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。塗布方式は公知の方法でよく、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等を用いることができる。特に、支持体として導電性多孔質体(カーボンペーパー、カーボンクロス)を用いると触媒層と導電層を有する電極が作製できる。
これらの操作はカレンダーロール、キャストロール等のロールまたはTダイを用いたフィルム成形機で行なうこともでき、プレス機器を用いたプレス成形とすることもできる。さらに延伸工程を追加し、膜厚制御、膜特性改良を行ってもよい。この他の方法として、上記のようにペースト状にした分散液を通常のスプレー等を用いて電解質膜に直接噴霧して触媒層を形成する方法等も用いることができる。噴霧時間と噴霧量を調節することで均一な触媒層を形成することができる。
塗布工程の乾燥温度は乾燥速度に関連し、材料の性質に応じて選択することができる。好ましくは−20℃〜150℃であり、より好ましくは20℃〜120℃であり、さらに好ましくは50℃〜100℃である。乾燥時間は短時間であるほうが生産性の観点から好ましいが、あまり短時間であると気泡、表面の凹凸等の欠陥の原因となる。このため、乾燥時間は1分〜48時間が好ましく、5分〜10時間がより好ましく、10分〜5時間がさらに好ましい。また、湿度の制御も重要であり、25〜100%RHが好ましく、50〜95%RHがさらに好ましい。
塗布工程における塗布液(分散液)中には金属イオンの含量が少ない物が好ましく、特に遷移金属イオン、中でも鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオンは少ない物が好ましい。遷移金属イオンの含量は500ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。従って、前述の工程で使用する溶媒も、これらのイオンの含量の低いものが好ましい。
さらに塗布工程を経た後に表面処理を行なってもよい。表面処理としては、粗面処理、表面切削処理、除去処理、コーティング処理を行なってもよく、これらは電解質膜あるいは多孔質導電シートとの密着を改良できることがある。
本発明の膜電極接合体が有する触媒層の厚さは5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
膜電極接合体の製造方法は、例えば、電解質膜と、触媒層、導電層等を接合しMEAを作製する。作製方法については特に制限はなく、公知の方法を適用することが可能である。
MEAの作製には、次の4つの方法が好ましい。
(1)プロトン伝導材料塗布法:白金担持カーボン材料、プロトン伝導材料、溶媒を基本要素とする触媒層ペースト(インク)を電解質膜の両側に直接塗布し、多孔質導電シート等の導電層を熱圧着(ホットプレス)して5層構成のMEAを作製する。
(2)多孔質導電シート塗布法:触媒層ペーストを多孔質導電シート(導電層)表面に塗布し、触媒層を形成させた後、電解質膜と熱圧着(ホットプレス)し、5層構成のMEAを作製する。塗布の支持体が異なる以外は上記(1)と同様である。
(3)Decal法:触媒層ペーストを支持体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート等)上に塗布し、触媒層を形成させた後、電解質膜に触媒層のみを熱圧着(ホットプレス)により転写させ3層のMEAを形成させ、多孔質導電シートを圧着し、5層構成のMEAを作製する。
(4)触媒後担持法:白金未担持カーボン材料をプロトン伝導材料とともに混合したインクを電解質膜、多孔質導電シートまたはPTFE上に塗布・製膜した後、白金イオンを当該固体電解質に含浸させ、白金粒子を膜中で還元析出させて触媒層を形成させる。触媒層を形成させた後は、上記(1)〜(3)の方法にてMEAを作製する。
上記、ホットプレスを行なう場合は、以下のものが好ましい。
電解質はスルホン酸を置換基として持つプロトン型でもよいし、特開2004−165096号公報、特開2005−190702号公報に記載されているように、スルホン酸が塩形態である塩型であってもよい。塩型である場合のスルホン酸のカウンターカチオンは、1価または2価のカチオンが好ましく、1価のカチオンがさらに好ましい。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウムが好ましく、これらのカチオンおよびプロトンの群から複数の物を採用してもよい。ナトリウム塩、カリウム塩であるものが特に好ましい。
上記塩を用いる場合にはさらに以下の工程が必要である。
燃料電池用途として使用するには、電解質膜がプロトン伝導性を有する必要性がある。そのために、酸との接触によって、電解質膜の塩置換率を接触する前の99%以下にする。触媒層と電解質膜を接合した後に酸と接触させることによって、電極接合時に受ける熱履歴による膜の含水率およびイオン伝導性の低下を回復させることができる。
酸と接触させる方法としては、塩酸、硫酸、硝酸、有機スルホン酸のような酸性水溶液に浸漬または酸性水溶液を噴霧する公知の方法を使用することができるが、浸漬する方法が簡便で好ましい。また、鉱酸である塩酸、硫酸、硝酸を用いる方法が好ましく、使用する酸性水溶液の濃度は、イオン伝導性の低下状況、浸漬温度、浸漬時間等にも依存するが、例えば、0.0001〜5規定の酸性水溶液を好適に用いることができ、0.1〜2規定の範囲が特に好ましい。浸漬温度は多くの場合は室温であれば十分に転化することができ、浸漬時間を短縮する場合は、酸性水溶液を加温してもよい。この場合には30〜100℃の範囲が好ましく、50〜95℃の範囲がより好ましい。浸漬時間は、酸性水溶液の濃度および浸漬温度に依存するが、概ね10分間〜24時間の範囲で好適に実施することができるが、生産性の観点から上記範囲で、6時間以下が好ましく、4時間以下が特に好ましい。この酸性溶液に含まれる不純物は1重量%以下が好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。
燃料電池運転の際に、膜の内部を移動するプロトンが酸として機能することによって置換したカチオンが洗い流され、より高いイオン伝導性を発現させる方法等も用いることができる。このようにして製造された膜電極接合体を用いて燃料電池を製造する方法を説明する。
固体高分子型燃料電池は、以上のように形成された電解質膜と電極との接合体の外側に燃料流路と酸化剤流路を形成する溝付きの集電体としての燃料配流板と酸化剤配流板を配したものを単セルとし、このような単セルを複数個、冷却板等を介して積層することにより構成される。このうち、集電体(バイポーラプレート)は、表面等にガス流路を有するグラファイト製または金属製の流路形成材兼集電体である。こうした集電体の間に電解質膜とガス拡散電極との接合体を挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池スタックを作製することができる。
燃料電池の単セル電圧は一般的に1.2V以下であるので、負荷の必要電圧に合わせて、単セルを直列スタッキングして用いる。スタッキングの方法としては、単セルを平面上に並べる「平面スタッキング」および、単セルを、両側に燃料流路の形成されたセパレーターを介して積み重ねる「バイポーラースタッキング」が用いられる。前者は、カソード極(空気極)が表面に出るため、空気を取り入れ易く、薄型にできることから小型燃料電池に適している。この他にも、MEMS技術を応用し、シリコンウェハー上に微細加工を施し、スタッキングする方法も提案されている。
燃料電池の作動温度は、高温であるほど触媒活性が上がるために好ましいが、通常は水分管理が容易な50℃〜120℃で運転させる。酸素や水素の供給圧力は、高いほど燃料電池出力が高まるため好ましいが、膜の破損等によって両者が接触する確率も増加するため適当な圧力範囲、例えば、1〜3気圧の範囲に調整することが好ましい。
燃料電池の燃料として用いることのできるのは、アノード燃料としては、水素、アルコール類(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタンなど)、ギ酸、水素化ホウ素錯体、アスコルビン酸などが挙げられる。カソード燃料としては、酸素(大気中の酸素も含む)、過酸化水素などが挙げられる。
上記アノード燃料およびカソード燃料を、それぞれの触媒層に供給する方法には、(1)ポンプ等の補機を用いて強制循環させる方法(アクティブ型)と、(2)補機を用いない方法(例えば、液体の場合には毛管現象や自然落下により、気体の場合には大気に触媒層を晒し供給するパッシブ型)の2通りがあり、これらを組み合わせることも可能である。前者は、反応ガスの加圧調湿等を行い、高出力化ができる等の利点がある反面、より小型化がし難い欠点がある。後者は、小型化が可能な利点がある反面、高い出力が得られにくい欠点がある。
燃料電池は、自動車用、家庭用、携帯機器用など様々な利用が考えられているが、特に、水素型燃料電池は、高出力が得られる利点を活かし、様々な家庭用給湯発電装置、輸送機器の動力、携帯電子機器のエネルギー源としての利用が期待されている。例えば、好ましく適用できる給湯発電装置としては、家庭用、集合住宅用、病院用、輸送機器としては、自動車、船舶、携帯機器としては、携帯電話、モバイルノートパソコン、電子スチルカメラなどが挙げられる。好ましく適用できるポータブル機器としては、ポータブル発電機、野外照明機器などが挙げられる。また、産業用や家庭用などのロボットあるいはその他の玩具の電源としても好ましく用いることができる。さらには、これらの機器に搭載された2次電池の充電用電源としても有用である。さらに非常用電源の用途も提案されている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。ただし、試料No.106は参考例である。
実施例(燃料電池の作製と性能評価)
(1)電解質膜の作製
特開2006−344578の実施例1と同様な工程で、ベンゼン環と硫黄原子を含んだアルキル鎖を介してベンゼン環に接続されたスルホ基を有するポリマーからなる電解質膜を合成した。次いで、25℃で、15重量%の濃度になるようにNN−ジメチルホルムアミド/メタノールの混合溶媒に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して平均膜厚(dM)40μmの電解質膜を作製した。得られた化ポリスルホン1の平均イオン交換容量は1.2ミリ当量/gであった。
(2)表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子とその分散液、および、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有さないシリカ微粒子の分散液の作製
一次粒子直径の平均値が100nm、50nm、20nm、8nmであるシリカ微粒子を、それぞれ2−ブタノンと、重量比3:7で混合し、室温、窒素雰囲気下で分散しながら、トリフルオロプロピルトリメトキシシランをシリカ微粒子1g当り1.5×10-4モル添加した。次いで、50℃で1時間煮沸した後、純水をシリカ微粒子1g当り6.6g添加し、50℃煮沸をさらに1時間加えた。そして、煮沸温度を70℃に上げ、2−ブタノンと水を蒸発させた。得られたものを、室温、10Pa以下の環境で16時間真空脱水し、その後、2−ブタノンと、重量比1:9で混合し、室温で再度分散させることにより、表面がトリフルオロプロピル基で修飾されたシリカ微粒子の10重量%分散液に仕上げた。また、一次粒子直径の平均値が20nmであるシリカ微粒子を2−ブタノンと、重量比1:9で混合し、室温、窒素雰囲気下で分散しながら、ヘキシルトリメトキシシランをシリカ微粒子1g当り1.5×10-4モル添加した。その後の工程を前記と同様に行い、表面がヘキシル基で修飾されたシリカ微粒子の10重量%分散液を作製した。
さらに、一次粒子直径の平均値が20nmであるシリカ微粒子を2−ブタノンと、重量比1:9で混合して室温で分散しただけの、シリカ微粒子の10重量%分散液を作製した。
この分散液のシリカ微粒子は、表面に存在する官能基の殆どは水酸基であり、炭化水素基または含フッ素有機基は付与されていない。
(3)触媒層バインダー/シリカ微粒子混合液の調製
前記で作製したシリカ微粒子の分散液と、触媒層のバインダーとなるナフィオン117の5質量%溶液(アルドリッチ製)とを、超音波照射とスターラーによる撹拌を組み合わせて混合分散した。その際、シリカ微粒子の10重量%分散液に予め2−ブタノンを適宜加えて希釈しておくことにより、ナフィオン117溶液に混合させた。シリカ微粒子の量を変えた場合でも、シリカ微粒子分散液とナフィオン117溶液のミックス時の液量比(重量)が4:6の一定となるようにした。
(4)触媒層塗布物の作製
白金担持カーボン(カーボン担体:VulcanXC72、白金質量比:50%、田中貴金属製)2.0gと純水4.0gの混合物を作製し、それに前記の触媒層バインダー/シリカ微粒子混合液26.6gを混合し、超音波照射とスターラーによる撹拌を組み合わせて60分間混合分散した。得られた分散物を補強材入りPTFEフィルム支持体(サンゴバン製)上に、白金塗布量が0.20mg/cm2となるように塗布し、室温で乾燥することにより触媒層塗布物を作製した。作製した触媒層塗布物は、後述の膜電極接合体の作製工程に使用するため、所定の大きさに打ち抜いた。
(5)膜電極接合体の作製
前述の(1)にて作製した電解質膜の両面に、前記(4)で得られた触媒層塗布物を塗布面が電解質膜に接するように張り合わせた。次いで、125℃、3MPa、10分間で熱圧着し、圧力をかけたまま降温した後、PTFEフィルム支持体を剥離した。これを0.5Mの硫酸中に室温で24時間浸漬して、室温で水洗することにより、膜電極接合体を作製した。表1のように、アノード極側、およびカソード極側に使用する触媒層の種類を変え、他は同様に行って、膜電極接合体の試料(101)〜(111)を作製した。
Figure 0005094295
(6)燃料電池性能の評価
上記で得られた膜/電極接合体(101)〜(111)に電極と同サイズにカットしたE−TEK製ガス拡散電極(導電層)を積層し、エレクトロケム社製標準燃料電池試験セルにセットし、試験セルを燃料電池評価システム((株)エヌエフ回路設計ブロック製、As−510)に接続した。
アノード電極側に加湿した水素ガスを、カソード電極側に加湿した模擬大気を流し、電圧が安定するまで運転した。水素ガスおよび模擬大気ガスの供給背圧は2気圧とした。そして、アノード電極12とカソード電極13間に、負荷をかけて電流−電圧特性を記録した。
セル内の温湿度は、90℃100%RH、および90℃75%RHの2通りで特性試験を行った。表2に、各試料の、(1)90℃100%RHで電流密度1.0A/cm2における出力電圧、(2)90℃100%RHで電流密度1.25A/cm2における出力電圧、(3)90℃75%RHで電流密度1.0A/cm2における出力電圧を示す。
(1):90℃フル加湿でぼぼ最大の電力が得られる運転条件。
(2):90℃フル加湿であるが電流密度が高く、カソード電極側触媒層の水分過剰による出力低下を起こす運転条件。
(3):90℃で加湿が低湿度に振れた運転条件という位置付けの性能指標である。何れの場合においても、高い出力電圧を維持しているほど好ましい。
Figure 0005094295
(7)結果
表2のデータより、カソード電極側触媒層に、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を含有させた触媒層を用いることにより、前記(1)のフル加湿下、および(3)の低加湿下の両方の加湿条件において優れた出力特性であった。また、水分過剰による出力低下を起し易い、前記(2)のフル加湿の高電流密度領域においては、比較例に対し、前記(2)の温湿度条件からの出力電圧の低下幅が小さく、高出力であることが確認された。
また、本発明の効果は、本発明で用いるシリカ微粒子の一次粒子直径への依存性が大きく、一次粒子の平均直径を50nm以下にした場合に顕著に発現し、その際、前記平均直径を小さくすることに伴い、低加湿条件での出力が特に増大することも明らかとなった。この傾向は、従来知見からは予測困難な結果であった。
本発明の膜電極接合体は、カソード電極側の触媒層の保水性が適切に制御され、加湿条件の変動に対し安定に高出力を維持することが可能になった。よって、該条件下での燃料電池への利用が期待される。
膜電極接合体の構成の一例を示す概略断面図である。 燃料電池の構造の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・膜電極接合体(MEA)
11・・・電解質膜
12・・・アノード電極
12a・・・アノード極導電層
12b・・・アノード極触媒層
13・・・カソード電極
13a・・・カソード極導電層
13b・・・カソード極触媒層
14・・・ガスケット
15・・・アノード極ガス給排口
16・・・カソード極ガス給排口
17・・・集電体

Claims (6)

  1. 一対の電極と該電極間に設けられた電解質膜を有する膜電極接合体であって、前記電極の電解質膜に接する側にそれぞれ触媒層が設けられており、該触媒層の少なくとも一方が、表面に炭化水素基または含フッ素有機基を有するシリカ微粒子を含有し、該シリカ微粒子の一次粒子直径の平均値が50nm以下である、膜電極接合体。
  2. 前記のシリカ微粒子が、前記触媒層中に、0.6〜25重量%の範囲で含まれる、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記含フッ素有機基が、2以上のフッ素原子を有する1価の有機基であって、炭素数が3〜16である、請求項1または2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記含フッ素有機基が、ポリフルオロアルキル基、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオキサアルキル基、またはこれらのいずれかの基と2価の炭化水素基とが結合した有機基である、請求項1または2に記載の膜電極接合体。
  5. 前記シリカ微粒子が含まれる触媒層が、カソード電極に設けられている請求項1〜のいずれか1項の膜電極接合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜電極接合体を有する燃料電池。
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