JP5093744B2 - 型内被覆成形用金型 - Google Patents
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Description
その後、金型を再度型締することによって成形品の表面に塗料を均一に拡張させた後、硬化させて被覆する型内被覆成形方法である。
そのため、特に、外観に対して高い品質が要求される自動車用の部品、例えば、バンパー、ドア、ドアミラーカバー、フェンダー等多くの部品には、前記型内被覆成形方法の利用が検討されている。
(1) 雄型と雌型により形成した金型キャビティを有し、該金型キャビティで成形した樹脂成形品の表面に被覆を施して装飾面を形成するための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、該金型キャビティに隣接して薄肉部を形成する中間キャビティ、並びに、該中間キャビティを介して金型キャビティにつながる補助キャビティを備えて、金型開閉方向におけるキャビティ寸法について、該薄肉部の最小寸法が、補助キャビティに配した塗料注入機の塗料注入口から、金型キャビティの装飾面まで、の最小寸法となるように形成して、該塗料注入口から注入した塗料を、該薄肉部を介して、該装飾面に注入する構成とした。
図1〜図6は本発明の実施形態に係わり、図1は型内被覆成形用金型の構成を説明するため概略の構造を示した断面図であり、図2は型内被覆成形用金型に形成される補助キャビティと中間キャビティを説明するための説明図である。図3は補助キャビティ、中間キャビティ及び金型キャビティの樹脂と塗料の流れを説明するための図であり、図4は中間部で塗料の硬化物を捕集する機構の概念図である。図5は中間部の長さ(L)及び厚み(W)を説明する図である。図6は一般的な型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。
図1に示した金型100は、可動型10、固定型20、及び、塗料注入機50等を備えており、図1に示した実施形態の1例においては、可動型10が雌型であり、固定型20が雄型である。
なお、前述したくいきり構造の嵌合部(くいきり部と称することもある)は金型キャビティ15、中間キャビティT、並びに隣接する補助キャビティ18とを周りから囲むようにして形成される。そして、金型100はくいきり部にて金型キャビティ15、中間キャビティT、並びに補助キャビティ18に充填した樹脂が、金型100から漏れ出すことを防止する。
なお、本実施形態においては、金型キャビティ15で成形する樹脂成形品の一面について、被覆による加飾が製品外観に影響を与える装飾面とし、補助キャビティ18等については成形後に切除する構成とした。
しかし、本発明の実施の形態がこれに限るものではないことは勿論であって、例えば、補助キャビティを設けない場合においては、金型キャビティに塗料注入口を設けるとともに、金型キャビティの一部として薄肉部を形成する薄肉キャビティを形成し、該薄肉キャビティを介して、塗料注入口から装飾面(被覆による外観の良否が製品の良否に影響を与える部分)まで塗料を流す構成すれば良く、塗料注入口から薄肉キャビティまでの間で塗料により被覆される部分については「ぶつ」による外観不良が製品の良否に影響を与えない非装飾面となるよう構成とされていれば良い。従って、本発明の技術思想を逸脱しない範囲について適宜形態の変更が可能である。
図1に示した金型100で成形される成形品は、図2(2)にその概略形状を示唆するように長方形の平板状であって、その1辺に対して、補助キャビティ18が中間キャビティTを介して隣接する。そして、補助キャビティ18には、塗料を注入するために、塗料注入機50の塗料注入口51、並びに、樹脂を射出注入するために、ホットランナの樹脂注入口61が設けられている。
そして、この中間キャビティTは、図2に示すように、補助キャビティ18から金型キャビティ15に向う方向で、一旦、途中で金型開閉方向における最小寸法が、金型キャビティ15の入り口側(中間キャビティ側)寸法より、小さくなるように形成されており、後述する塗料注入工程において、補助キャビティ18から金型キャビティ15に向かって流れる塗料が、その流路を、中間キャビティTの最小寸法部分で絞り込まれるような形状として形成されている。
本実施の形態における塗料注入機50は、可動型10に取りつけられて、補助キャビティ18の可動型10側に配設された塗料注入口51より、補助キャビティ18に塗料を注入することができるよう構成されている。また、塗料注入機50の塗料注入口51には、図示しないバルブを取りつけており、基材の射出成形時においては、該バルブが閉じられていることによって、金型100の補助キャビティ18内に射出された樹脂が塗料注入口51より塗料注入機50内に進入することを防止している。
まず、第1の工程として、図示しない型締装置により金型100を型締めする。この状態において、薄肉部を形成する薄肉キャビティとして設けた中間キャビティTの近傍は図3(1)に示すようになっている。
そして、図3(2)に示したように基材である熱可塑性樹脂を樹脂注入口61から補助キャビティ18に射出し、該射出された樹脂は、補助キャビティ18から中間キャビティTを介して金型キャビティ内に充填される。なお、本実施の形態においては、基材としてABS樹脂であるUMGABS(旧社名:宇部サイコン)株式会社製のUT20Bを使用した。
基材の冷却後、図3(3)に示すように金型をわずかに開いた状態(本実施の形態においては1mmほど型開方向に可動型10を移動させた状態)として、補助キャビティ18及び金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品と、可動型10のキャビティ面との間に空隙(塗料用間隙、或いは単に隙間と称することもある)を生じさせる。
なお、この際に生じさせる中間キャビティTの隙間は樹脂の金型の型開量、と熱収縮量によって決まるため、中間キャビティTの最小寸法部に充填される樹脂の熱収縮量は、金型キャビティ15に充填された熱収縮量より小さいので、必然的に塗料が流れる隙間の寸法は、この部分で小さくなる。なお、塗料の固形物を捕集するため中間キャビティTの塗料を流す流路厚みが0.1mmになる程度に隙間厚み(W)を決定することが好ましい。
以上の工程で、塗料の硬化物を外観に影響を与えない補助キャビティ及び中間キャビティTに封じ込めることにより、外観不良のない良好な型内被覆成形品を得ることができた。
15 金型キャビティ
18 補助キャビティ
20 固定型
50 塗料注入機
51 塗料注入口
60 ホットランナ
61 樹脂注入口
100 型内被覆成形用金型
T 中間キャビティ
K 塗料用間隙
L 中間キャビティ長さ
W 中間キャビティ隙間厚み
Claims (2)
- 雄型と雌型により形成した金型キャビティを有し、該金型キャビティで成形した樹脂成形品の表面に被覆を施して装飾面を形成するための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、
該金型キャビティに隣接して薄肉部を形成する中間キャビティ、並びに、該中間キャビティを介して金型キャビティにつながる補助キャビティを備えて、
金型開閉方向におけるキャビティ寸法について、該薄肉部の最小寸法が、補助キャビティに配した塗料注入機の塗料注入口から、金型キャビティの装飾面まで、の最小寸法となるように形成して、
該塗料注入口から注入した塗料を、該薄肉部を介して、該装飾面に注入する型内被覆成形用金型。 - 金型開閉方向におけるキャビティ寸法について、前記薄肉部を形成するためのキャビティにおける最小寸法が、塗料注入口から装飾面までに設けられた他のキャビティ部分の寸法と比較して、1mm以上小さい寸法である請求項1に記載の型内被覆成形用金型。
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