以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置10は送信データS1を符号化部11に入力する。符号化部11は、送信データS1に対してブロック符号化処理を施し、これにより得たブロック符号化データS2を並べ替え部12に送出する。本実施の形態の場合、符号化部11は、LDPC符号化処理を行うようになっている。
並べ替え部12は、1つのデータシンボルが異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成されるように、ブロック符号化データS2を並べ替えて変調部15に供給する。具体的には、ブロック符号化データS2をセレクタ13に入力し、当該セレクタ13によってブロック符号化データS2をビット単位でメモリ14−1〜14−3又は変調部15に送出する。メモリ14−1〜14−2はバッファメモリとして機能し、一旦格納したビットを、タイミングを合わせて変調部15に送出する。例えば、変調部15でQPSKを行う場合には、メモリ14−1を用い、メモリ14−1に格納されたビットがセレクタ13から直接変調部15に送出されるビットとタイミングを合わせて出力される。これにより、変調部15では、メモリ14−1から入力されるビットと、直接セレクタ13から入力されるビットの計2ビットを用いてQPSKの1シンボルが形成される。また変調部15で16QAMを行う場合には、メモリ14−1〜14−3を用い、メモリ14−1〜14−3に格納されたビットがセレクタ13から直接変調部15に送出されるビットとタイミングを合わせて出力される。これにより、変調部15では、メモリ14−1〜14−3から入力されるビットと、直接セレクタ13から入力されるビットの計4ビットを用いて16QAMの1シンボルが形成される。
因みに、図1では、図を簡単化するために、3つのメモリ14−1〜14−3しか記載していないが、変調部15で64QAMを行う場合には、5つのメモリを設け、変調部15によって、各メモリからの入力と直接セレクタ13から入力されるビットの計6ビットを用いて64QAMの1シンボルを形成すればよい。
なお、図1に示した並べ替え部12の構成は一例であって、要は、1つのブロック内符号化データが複数のデータシンボルに割り当てられるように、ブロック符号化データS2を並べ替えて変調部15に供給する構成であればどのような構成を採用してもよい。
変調部15は、制御信号S10に基づいて適応変調を行う。すなわち、変調部15は、制御信号S10に基づいて、BPSK、QPSK、16QAM又は64QAMのうちいずれの変調処理を行うかを変更する。なお、制御信号S10は、並べ替え部13のセレクタ13にも入力されており、セレクタ13は変調部15でどの変調処理が行われるかに応じて、ビット並べ替え規則を変更する。その詳細については後述する。
変調部15により得られた送信シンボルにより得られた送信シンボルに対応するベースバンド信号S3は、無線部16に入力される。無線部16は、ベースバンド信号S3に対してディジタルアナログ変換やアップコンバート等の所定の変調処理を施し、これにより得たRF信号S4をアンテナ17に供給する。
図2を用いて、本実施の形態の符号化部11によるLDPC符号の生成処理を説明する。符号化部(LDPCエンコーダ)11は、送信データS1(すなわちLDPC符号化前データ)を入力とし、これをLDPC符号化することによりブロック符号化データS2(すなわちLDPC符号化後データ)を出力する。例えば、LDPC符号化前のデータを(m1a,m2a,・・・,m490a)とし、パリティチェックマトリクスをGとすると、LDPC符号化後データとして(C1a,C2a,・・・,C980a)が出力される。つまり、490ビットからなる符号化前ブロック#1から、980ビットからなる符号化後ブロック#1が形成される。
図3を用いて、変調部15による変調処理を説明する。この変調処理は周知の技術であるため簡単に説明する。図3AはBPSKの信号点配置を示しており、1シンボルで1ビット、つまりb1が送信される。図3BはQPSKの信号点配置を示しており、1シンボルで2ビット、つまり(b1,b2)が送信される。図3Cは16QAMの信号点配置を示しており、1シンボルで4ビット、つまり(b1,b2,b3,b4)が送信される。図3Dは64QAMの信号点配置を示しており、1シンボルで4ビット、つまり(b1,b2,b3,b4,b5,b6)が送信される。
次に、図4〜図7を用いて、本実施の形態の特徴である並べ替え部12による並べ替え処理について説明する。図4〜図7は、LDPC符号化された各符号化ブロック内のビットが、変調後のどのシンボルに割り当てられているかを示すものである。具体的には、980ビットで構成されている1つのブロック内符号化データ(LDPC符号化後のデータ)が、どのシンボルに配置されているかを示すものである。また、横軸はシンボルの時間的な並びを示している。縦軸は1シンボルを構成するビット番号、つまり、BPSKの場合b1、QPSKの場合b1,b2、16QAMの場合b1,b2,b3,b4、64QAMの場合b1,b2,b3,b4,b5,b6を示している。
さらに、図中#X−Yは、X番目の符号化ブロックのY番目(980ビットの中のY番目)のビットを示している。例えば#1−1は、1番目の符号化ブロックの1番目のビットを示す。同様に、例えば#3−979は、3番目の符号化ブロックの979番目のビットを示す。
図4(a)は、変調方式がBPSKのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式がBPSKのときには、1シンボルで1ビット(b1)を送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化ブロックを1つだけ送信する。
図4(b)は、変調方式がQPSKのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式がQPSKのときには、1シンボルで2ビット(b1、b2)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを2つ送信できる。ここでの各シンボルは、図からも明らかなように、異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成される。具体的には、QPSKの980シンボルのビットb1に符号化後ブロック#1のビット#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットb2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図4(c)は、変調方式が16QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が16QAMのときには、1シンボルで4ビット(b1、b2、b3、b4)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを4つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、16QAMの980シンボルのビットb1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットb2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットb3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットb4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図4(d)は、変調方式が64QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が64QAMのときには、1シンボルで6ビット(b1、b2、b3、b4、b5、b6)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを6つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKや16QAMのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、64QAMの980シンボルのビットb1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットb2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットb3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットb4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当て、980シンボルのビットb5に符号化後ブロック#5のデータ#5−1〜#5−980を割り当て、980シンボルのビットb6に符号化後ブロック#6のデータ#6−1〜#6−980を割り当てる。
これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
次に、本実施の形態の並べ替え部12の並べ替え処理の第2の例を、図5を用いて説明する。図5でも、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てるといった点では図4と同様であり、図4のように並べ替えたときと同様の効果を得ることができる。図5が図4と異なる点は、QPSK、16QAM、64QAMにおいて、一つの符号化後ブロックを固定ビット(例えば、b1のみ)に割り当てるのではなく、全てのビット(例えば、16QAMのときにはb1、b2、b3、b4)に割り当てるようにした点である。具体的には、例えば変調方式が16QAMのとき、符号化後ブロック#1については、データ#1―1をb1に割り当て、#1−2をb2に割り当て、#1−3をb3に割り当て、#1−4をb4に割り当てるというように、ブロック#1のデータをb1、b2、b3、b4を用いて送信するという特徴をもつ。
このような割り当て方を採用した理由について述べる。16QAMのb1の受信品質、b2の受信品質、b3の受信品質、b4の受信品質には差がある。ここでは、b1の受信品質が最も悪いものとする。すると、例えば、ブロック#1をb1のみで送信した場合、ブロック#1は受信品質が悪いブロックとなってしまう。パケット通信を行っている場合、パケットエラーは最も受信品質の悪いブロックの受信品質に影響を受けることになる。したがって、この場合、ブロック#1〜#4の受信品質をなるべく均一にした方が良い。図5のような割り当てを行うとこれを実現できる。さらに、好適には、ブロック#1〜ブロック#4についてb1、b2、b3、b4に割り当てる回数をできる限り均一となるようにすると良い。なお、割り当てる回数の差は、高々1回であることが望ましい。因みに、1回の差は、送信シンボル数が必ず4(ビット)の倍数(16QAMが1シンボルに送信できるビット数)であるとは限らないために、どのように割り当てたとしても発生してしまうことがある。
なお、ここでは16QAMのときを例に説明したが、64QAMについても同様の処理を行うことで同様の効果を得ることができる。但し、QPSKの場合は、b1、b2には受信品質の差がないため、同様の効果を得ることができるとは限らない。しかし、送信装置、受信装置により発生する歪みにより、受信品質に差が発生する可能性は否定できないため、効果が得られる可能性はある。
次に、本実施の形態の並べ替え部12の並べ替え処理の第3の例を、図6に示す。図6でも、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てられているといった点では図4と同様であり、図4のように並べ替えたときと同様の効果を得ることができる。図5が図4と異なる点は、同一シンボルでは、同一のブロックデータを送信するが、QPSKでは、送信する順番として、ブロック#1のデータ、ブロック#2のデータブロックを交互に、16QAMでは、ブロック#1、ブロック#2、ブロック#3の順番で、64QAMでは、ブロック#1、ブロック#2、ブロック#3、ブロック#4、ブロック#5、ブロック#6の順番で送信している点である。すなわち、図4のようにブロックのデータを連続したシンボルに割り当てるのではなく、間隔をおいたシンボルに割り当てるようにしてもよい。但し、図4や図5のような割り当て方の方が、ブロック内データをより多くのシンボルに分散できるので、受信品質の改善効果は高い。
次に、本実施の形態の並べ替え部12の並べ替え処理の第4の例を、図7に示す。図7でも、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てられているといった点では図4と同様であり、図4のように並べ替えたときと同様の効果を得ることができる。図7は、図5と図6の考えを組み合わせた例である。図7では、2ビット単位で、割り当てるシンボルを変更している。これにより、図4や図5と同様の効果を得ることができるが、図4や図5のような割り当て方の方が、ブロック内データをより多くのシンボルに分散できるので、受信品質の改善効果は高い。
このように本実施の形態によれば、送信データに対してブロック符号化処理を施してブロック符号化データを形成する符号化部11と、ブロック符号化データを変調してデータシンボルを形成する変調部15と、1つのデータシンボルが異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成されるように、ブロック符号化データを並べ替えて変調部15に供給する並べ替え部12とを設けたことにより、変調多値数を大きくした場合でも符号化ブロックのブロックサイズを変えることなく比較的簡易な構成によりバースト誤りを抑制できる送信装置10を実現できる。
因みに、並べ替え部12の処理は、変調部15の変調多値数が多くなるほど、1シンボルがより多くのブロックのブロック符号化データが集まって構成されるように、ブロック符号化データを並べ替えていると言うこともできる。
なお、本実施の形態では、主に、ブロック符号としてLDPC符号を用いる場合について説明したが、LDPC符号以外のブロック符号にも広く適用できる。LDPC符号以外のブロック符号としては、BCH符号、リード・ソロモン符号等がある。また、本実施の形態では、主に、LDPC符号等のブロック符号を用いる場合を例に説明しているが、本実施の形態によるシンボルへのビット割り当てはターボ符号や畳み込み符号などのトレリス符号を用いる場合でも適用できる。詳細については、実施の形態6で説明する。
また、本実施の形態は、シングルキャリアの場合を例に説明したが、OFDM等のマルチキャリア方式であっても、広く適用することができる。
(実施の形態2)
図8に、本発明の実施の形態2に係るマルチアンテナ送信装置の構成を示す。
マルチアンテナ送信装置100は、所謂OFDM−MIMO通信を行う送信装置であり、2つのアンテナからそれぞれ異なる変調信号を送信するようになっている。具体的には、アンテナ114Aからは変調信号Aを送信すると共に、アンテナ114Bからは変調信号Bを送信する。ここで図8では、変調信号Aについての信号処理系統と、変調信号Bについての信号処理系とはほぼ同様の構成であるため、変調信号Aの処理系統については符号の後ろに「A」を付けて示し、それと対応する変調信号Bの処理系統については符号の後ろに「B」を付けて示した。
マルチアンテナ送信装置100のフレーム構成信号生成部115は、フレーム構成に関する情報、符号化方法の情報及び変調方式の情報などの制御信号116を出力する。符号化部102Aは、変調信号Aのデータ101A及び制御信号116を入力とし、制御信号116に基づいた符号化を施し、符号化後のデータ103Aを出力する。
並べ替え部104Aは、符号化後のデータ103A及び制御信号116を入力とし、制御信号116に基づいて符号化後のデータ103Aを並べ替え、並べ替え後のデータ105Aを出力する。
変調部106Aは、並べ替え後のデータ105A及び制御信号116を入力とし、制御信号116に基づきBPSK、QPSK、16QAM又は64QAMのいずれか変調を施し、ベースバンド信号107Aを出力する。
シリアルパラレル変換部(S/P)108Aは、ベースバンド信号107Aを入力とし、シリアルパラレル変換を施し、パラレル信号109Aを出力する。逆フーリエ変換部(ifft)110Aは、パラレル信号109Aを入力とし、フーリエ変換を施し、フーリエ変換後の信号111AすなわちOFDM信号を出力する。無線部112Aは、フーリエ変換後の信号111Aを入力とし、周波数変換、増幅等の所定の無線処理を施すことで変調信号Aの送信信号113Aを形成する。送信信号Aはアンテナ114Aから電波として出力される。
変調信号Bについても、符号化部102B、並べ替え部104B、変調部106B、シリアルパラレル変換部(S/P)108B、逆フーリエ変換部(ifft)110B、無線部112Bによって同様の処理が施され、変調信号Bの送信信号113Bがアンテナ114Bから電波として出力される。
図9に、マルチアンテナ送信装置100の各アンテナ114A、114Bから送信される変調信号A、変調信号Bのフレーム構成例を示す。図9(a)はアンテナ114Aから送信される変調信号Aのフレーム構成を示し、図9(b)はアンテナ114Bから送信される変調信号Bのフレーム構成を示すものである。本実施の形態の場合、通信方式として空間多重のMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を用いるので、同一キャリア、同一時刻の変調信号Aと変調信号Bのシンボルは、それぞれ異なるアンテナから同時に送信され、空間で多重される。
フレームの先頭に配置されているプリアンブルは、チャネル変動を推定するためのものであり、受信機では、プリアンブルを用いてチャネル変動を推定し、ZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Square Error)を施すことで、変調信号Aと変調信号Bとを分離することができる。
キャリアYの時間方向に亘って配置されたパイロットシンボルは、受信装置において、プリアンブルで除去できなかった周波数オフセットや、デバイスの特性による歪み(振幅・位相)を推定し、除去するために用いられるシンボルである。
またデータシンボルは、データを伝送するためのシンボルであり、プリアンブルに続いて送信される。
図10に、マルチアンテナ送信装置100から送信された信号を受信復調するマルチアンテナ受信装置の構成を示す。
マルチアンテナ受信装置300の無線部303_1は、アンテナ301_1で受信した受信信号302_1を入力とし、増幅、周波数変換等を施し、ベースバンド信号304_1を出力する。フーリエ変換部(fft)305_1は、ベースバンド信号304_1を入力とし、フーリエ変換を施し、フーリエ変換後の信号306_1を出力する。
変調信号Aのチャネル変動推定部307_1は、フーリエ変換後の信号306_1を入力とし、図9(a)に示した変調信号Aのプリアンブルを抽出し、このプリアンブルに基づいて変調信号Aのチャネル変動を推定し、変調信号Aのチャネル変動推定信号308_1を出力する。
変調信号Bのチャネル変動推定部309_1は、フーリエ変換後の信号306_1を入力とし、図9(b)に示した変調信号Bのプリアンブルを抽出し、このプリアンブルに基づいて変調信号Aのチャネル変動を推定し、変調信号Bのチャネル変動推定信号310_1を出力する。
なお、無線部303_2、フーリエ変換部305_2、変調信号Aのチャネル変動推定部307_2、変調信号Bのチャネル変動推定部309_2は、上述と同様の動作をする。
信号処理部311は、フーリエ変換後の信号306_1、306_2、変調信号Aのチャネル変動推定信号308_1、308_2、変調信号Bのチャネル変動推定信号310_1、310_2を入力とし、ZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Square Error)等の処理を行うと共にデコードを行いことで、変調信号Aの受信データ312A及び変調信号Bの受信データ312Bを得る。信号処理部311の詳細の動作については、図12を用いて後述する。
図11に、マルチアンテナ送信装置とマルチアンテナ受信装置との間での通信モデルを示す。アンテナ409Aから送信される変調信号をTxa(t)、アンテナ409Bから送信される変調信号をTxb(t)(t:時間)とする。また、各送受信アンテナ間でのチャネル変動をそれぞれh11(t)、h12(t)、h21(t)、h22(t)とし、アンテナ410_1で受信した受信信号をRx1(t)、アンテナ410_2で受信した受信信号をRx2(t)とすると、以下の関係式が成立する。
図12に、マルチアンテナ受信装置300の信号処理部311の構成を示す。分離・周波数オフセット推定・補償部401は、フーリエ変換後の信号306_1、306_2、変調信号Aのチャネル変動推定信号308_1、308_2、変調信号Bのチャネル変動推定信号310_1、310_2を入力とし、(1)式についての逆行列演算(ZF)を行うことで変調信号Aと変調信号とを分離する。また分離・周波数オフセット推定・補償部401は、図9に示したパイロットシンボルを用いて、周波数オフセットや、デバイスの特性による歪み(振幅・位相)を推定し、推定結果に基づいて、これを補償することで、変調信号Aの補償後のベースバンド信号402A、変調信号Bの補償後のベースバンド信号402Bを得る。
軟判定計算部403Aは、変調信号Aの補償後のベースバンド信号402Aを入力とし、ブランチメトリックを計算することで軟判定値404Aを得る。デインターリーブ部405Aは、軟判定値404Aを入力とし、デインターリーブ(並べ替え部104Aと逆の処理)を行うことでデインターリーブ後の軟判定値406Aを得る。デコーダ407Aは、デインターリーブ後の軟判定値406Aを入力とし、これを復号することで変調信号Aの受信データ408Aを得る。
また、軟判定計算部403B、デインターリーブ部405B、デコーダ407Bは、上述と同様の動作をし、変調信号Bの受信データ408Bを得る。
図13は、図9のフレーム構成で変調信号を送信した場合に、受信装置において得られる、時間i、i+1、i+2、i+3、i+4、i+5におけるキャリア1からキャリア6の信号電力対雑音電力比(SNR)の関係の一例を示したものである。図13のように、データシンボルのSNRは、プリアンブルから時間的に離れるにつれてSNRが低下する。これは、受信装置における周波数の推定誤差、デバイスの特性による歪み(振幅・位相)の推定誤差が、プリアンブルから時間的に離れるにつれて大きくなるからである。
例えば図87のように、1OFDMシンボル内でインターリーブを施し、受信装置においてデインターリーブを施した場合、時間i+4、i+5のようにプリアンブルから時間的に離れたOFDMシンボルに属するデータは、デインターリーブを施しても、図13の現象を考慮すると、SNRが劣悪なデータシンボルのみで構成されることになるので、誤り訂正を行っても符号化ゲインを得るのが困難であり、誤り率特性が劣化することになる。
ここで、送受信装置がそれぞれ1本のアンテナのみ具備する従来のシステムでは、この問題を解決することは、非常に簡単であった。周波数オフセット、歪み推定のためのシンボル、例えばパイロットシンボルを挿入すればよい。このとき、パイロットシンボルの挿入頻度もそれほど多くする必要がないため、パイロットシンボルの挿入による伝送速度の低下も小さく、パイロットシンボルを挿入しても、システムとしてのデメリットはそれほど大きくなかった。
一方、空間多重を用いたMIMOシステムを例とするマルチアンテナシステムでは、伝送路上で混ざり合った各変調信号を分離するための分離用シンボル(図9のプリアンブル)は必ず必要となる。また、この分離用シンボルを用いて、チャネル変動h11〜h22が推定されている。
ここで、チャネル変動h11〜h22の推定精度を劣化させる要因として、周波数オフセット、歪みの時間的変動がある。しかしながら、パイロットシンボルを挿入し、周波数オフセット、歪み推定の時間的変動を推定するだけでは前述のSNRの低下を防ぐことは困難である。
あくまでも、チャネル変動h11〜h22の推定精度を確保しない限り、前述のSNRの低下を防ぐことは困難なためである。これを実現するためには、分離用シンボルの挿入頻度をあげる方法が考えられる。つまり、パイロットシンボルの挿入頻度をあげても、解決が困難である。
しかし、分離用シンボルは、全キャリアに亘って配置する必要があるので、分離用シンボルの挿入頻度をあげると伝送速度の低下が著しいという課題が発生する。したがって、分離用シンボルの挿入頻度をできる限り少なく保ったままで、SNRを改善することが重要である。
本実施の形態では、プリアンブルの挿入頻度を増やさずに、プリアンブルの離れた位置のシンボルに割り当てられたデータの誤り率特性の劣化を抑制することができるマルチアンテナ送信装置を提案するものである。
本実施の形態では、符号化部102A、102Bと変調部106A、106Bとの間に設けた並べ替え部104A、104Bの並べ替え処理を工夫することで、上述した問題を解決した。以下その詳細について説明する。
ここで、並べ替え部104A、104Bは、入力されるm番目のデータを、周波数軸においてキャリアp(m)の位置のデータシンボルに、かつ時間軸において時間q(m)の位置のデータシンボルに、配置するように並べ替えるものとする。この並べ替え処理を、π(m)=(p(m),q(m))で表す。
図14及び図15は、並べ替え部104A、104Bによる符号化後のデータの並べ替え処理例を示す。なお図14及び図15は、一例として6OFDMシンボル内でデータの並べ替えを行った例を示すものである。なお、プリアンブルは省略している。図14、図15において、(1)、(2)、(3)………は、データの配置の順番を示しており、例えば、1番目に入力されたデータを(1)のデータシンボルに配置し、2番目に入力されたデータを(2)のデータシンボルに配置することを意味している。
図14、図15の並べ替えで重要なことは、1番目のデータ、2番目のデータを異なる時間のデータシンボル位置に配置することである。例えば、符号化部102A、102Bがブロックサイズ6のブロック符号化処理を施した場合には、並べ替え部104A、104Bは、符号化ブロック内の6個のデータを、時間的に異なる位置のシンボルに割り当てる。つまり、例えば、q(1)≠q(2)≠q(3)≠q(4)≠q(5)≠q(6)、q(7)≠q(8)≠q(9)≠q(10)≠q(11)≠q(12)となるようにブロック符号化後のデータをシンボルに割り当てる。
これにより、受信装置がデインターリーブを施したデータ系列において、SNRが劣悪なデータが連続することがなくなるため、誤り訂正を行うことで符号化ゲインを得ることができるようになり、誤り率特性の劣化を抑制できる。
因みに、周波数軸方向におけるSNRの相関性(近いキャリア同士ではSNRの相関性が高い)を考慮した場合、上記の条件に加え、p(1)≠p(2)≠p(3)≠p(4)≠p(5)≠p(6)、p(7)≠p(8)≠p(9)≠p(10)≠p(11)≠p(12)となるように符号化データを並べ替えると、誤り率特性の劣化を一段と抑制できるようになる。
このように、本実施の形態によれば、同一符号化ブロック内の符号化データが、時間方向の複数のデータシンボルに割り当てられるように符号化データを並べ替える並べ替え部104A、104Bを設けたことにより、プリアンブルから遠く離れた位置のデータシンボルに符号化ブロック内の全てのデータが割り当てられることを回避できる。換言すれば、各符号化ブロック間の、プリアンブルからの距離を実質的に均一化できるので、プリアンブルからの距離に起因する誤り率特性の劣化を抑制し得るマルチアンテナ送信装置100を実現できる。また、フェージングによるノッチの影響も軽減できる。
なお、本実施の形態では、図9のように、プリアンブル、データシンボル、パイロットシンボルのみで構成されたフレーム構成を例に採って説明したが、これに限ったものではなく、例えば制御情報を伝送するシンボル等を含んでいてもよい。要は、データシンボルの前にプリアンブルを配置するものに広く適用して好適である。
また、図8に示した構成例では、各変調信号A、Bについて各々符号化部102A、102Bを設けた構成を説明したが、1つの符号化部で変調信号A、B両方の符号化処理を行う構成に適用することもできる。
図16に、その構成例を示す。図8との対応部分に同一符号を付して示す図16において、マルチアンテナ送信装置500がマルチアンテナ送信装置100と異なる点は、符号化部102及び並べ替え部104が一つしかない点である。
符号化部102は、データ101及び制御信号116を入力とし、制御信号116に基づいた符号化を施すことで、符号化後のデータ103を得る。並べ替え部104は、符号化後のデータ103及び制御信号116を入力とし、制御信号116に含まれるフレーム構成の情報に基づき、符号化後のデータイ103を並べ替え、並べ替え後のデータ105A、105Bをそれぞれ変調部106A、106Bに供給する。
図17、図18、図19に、並べ替え部104による符号化後のデータの並べ替え処理例を示す。
図17では、はじめに、符号化後の6ビットのデータを変調信号Aの異なる時間のデータシンボルに割り当てる(図17の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)に相当する)。更に、符号化後の6ビットのデータを変調信号Bの異なる時間のデータシンボルに割り当てる(図17の(7)、(8)、(9)、(10)、(11)に相当する)。次に、符号化後の6ビットのデータを変調信号Aに割り当てる。このように、符号化後のデータを異なる時間のデータシンボルに割り当てると共に、変調信号A、変調信号Bに交互に割り当てる。このようにすることで、図14、図15に示した割り当て例と同様の効果を得ることができるのに加えて、変調信号A、変調信号Bに交互に割り当てているため、空間的なダイバーシチゲインを得ることができるというさらなる効果を得ることができる。
図18では、変調信号A、変調信号Bに交互にデータの割り当てを行っている。そのとき、奇数番目だけを抽出した6ビットのデータ、または、偶数番目だけを抽出した6ビットのデータを、異なる時間のシンボルに配置する。例えば、変調信号Aの(1)(3)(5)(7)(9)(11)のデータシンボルを見れば明らかである。このようにすることで、図14、図15に示した割り当て例と同様の効果を得ることができるのに加えて、変調信号A、変調信号Bに交互に割り当てているため、空間的なダイバーシチゲインを得ることができるというさらなる効果を得ることができる。
図19では、まず、変調信号Aにデータを割り当て、次に変調信号Bに割り当てている。そして、符号化後の6ビットを単位として、これらを異なる時間のシンボルに配置する。このようにすることで、図14、図15に示した割り当て例と同様の効果を得ることができる。
図20に、図16に示すような構成のマルチアンテナ送信装置500から送信された信号を受信復調するマルチアンテナ受信装置の信号処理部の構成を示す。ここでマルチアンテナ受信装置の全体構成は、図10に示したような構成とすればよく、信号処理部311を、図20に示すように構成すればよい。
図12との対応部分に同一符号を付して示す図20の信号処理部311は、デインターリーブ部405、デコーダ部407が1つだけしか設けられていない点を除いて、図12の信号処理部311と同様の構成である。デインターリーブ部405は、変調信号Aの軟判定値404A、変調信号Bの軟判定値404Bを入力とし、フレーム構成に応じてデインターリーブを行う(図16の並べ変え部104と逆の処理を行う)ことで、デインターリーブ後の軟判定値406を得る。デコーダ407は、デインターリーブ後の軟判定値406を入力とし、これを復号することで受信データ408を得る。
(実施の形態3)
本実施の形態では、マルチアンテナ送信装置でLDPC符号化を行う場合の具体的な形態を説明する。さらには、適応変調を行う場合の具体的な形態を説明する。
図21は、図8の符号化部102A、102Bでそれぞれ符号化後のブロックサイズが980ビットでなるLDPC符号化を行った場合の、並べ替え部104A、104Bによるデータシンボルへの符号化後データの割り当て例を示す。変調信号AのA(1)、A(2)、………、A(980)の980シンボルに1つの符号化ブロック内の980ビットを割り当てる。ここで、(1)、(2)、………、(980)は、データの順番を示している。同様に、変調信号BのB(1)、B(2)、………、B(980)の980シンボルに1つの符号化ブロック内の980ビットを割り当てる。このように、1つの符号化ブロック内のデータ(ビット)が複数のデータシンボルに割り当てられている。これにより、1つの符号化ブロック内のデータを少ないデータシンボルに割り当てる場合と比較して、バースト誤りを抑制できる。
図22に、図16の符号化部102でブロックサイズが980ビットでなるLDPC符号化を行った場合の、並べ替え部104によるデータシンボルへの符号化後データの割り当て例を示す。変調信号A及び変調信号Bの980シンボルに1つの符号化ブロック内の980ビットを割り当てる。ここで、(1)、(2)、・・・、(980)はデータの順番を示している。このように、1つの符号化ブロック内のデータ(ビット)が複数のデータシンボルかつ複数のアンテナに割り当てることにより、1つの符号化ブロック内のデータを少ないデータシンボルに割り当てる場合と比較してバースト誤りを抑制できるのに加えて、空間的なダイバーシチゲインを得ることができるというさらなる効果を得ることができる。
次に、通信状況により適応変調を行う(すなわち変調方式を切り替える)マルチアンテナ送信装置に、本発明を適用した場合の形態について説明する。
図23に適応変調を行うマルチアンテナ送信装置の構成を示す。図8との対応部分に同一符号を付して示す図23のマルチアンテナ送信装置600は、例えば基地局に設けられている。受信装置2303は、アンテナ2301で受信した受信信号2302を入力とし、受信処理を行うことで、通信相手の端末が送信した通信状況の情報、例えばビットエラー率、パケットエラー率、フレームエラー率、受信電界強度、マルチパスの状況など情報を得、これから変調方式を決定し、これを制御情報2304として出力する。フレーム構成信号生成部115は、制御情報2304を入力とし、制御情報2304に基づき、変調方式、フレーム構成を決定し、これらをフレーム構成信号116として変調部106A、106Bに加えて符号化部102A、102B及び並べ替え部104A、104Bに送出する。
並べ替え部104A、104Bは、実施の形態1で説明したのと同様に、変調方式に応じて並べ替えを変更する。
図24に、マルチアンテナ送信装置600と通信を行う通信相手の端末の構成例を示す。図10との対応部分に同一符号を付して示す図24のマルチアンテナ受信装置700の送信装置2403は、送信データ2402、ベースバンド信号304_1、304_2、受信データ312A、312Bを入力とし、例えばベースバンド信号304_1、304_2から受信電界強度を推定し、受信データ312A、312Bからビットエラー率、パケットエラー率、フレームエラー率を求め、これらの情報と送信データを含んだ送信信号2404を形成し、これをアンテナ2405から電波として出力する。これにより、基地局(マルチアンテナ送信装置600)の変調方式が変更される。
なお、変調方式の変更方法はこれに限ったものではなく、通信相手である端末が希望する変調方式を指定してもよく、また、基地局が、通信相手の端末が送信した変調信号を受信し、その受信状態に基づいて、送信する変調信号の変調方式を決定するようにしても同様に実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、LDPC符号化後の最後のブロックデータの割り当て方の工夫を説明する。図25において、縦軸は周波数を示し、キャリア1からnを用いてデータを送信する。また横軸は時間を示す。
図25において、1パケットのデータを、最初は16QAMを用いて送信しているものとする。したがって、例えば実施の形態1で説明した方法のように、980シンボルで4つの符号化後ブロック#1〜#4を並列に送信することになる。1パケットのデータ量が可変であるとすると、最後に送信するデータ量が、必ずしも、16QAMで4つの符号化ブロックを満たす量となるわけではない。ここで、重要なことは、1シンボルが異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まった構成とすることであり、後述する実施の形態5の構成方法を用いてもよい。
本実施の形態では、最後に送信する符号化ブロックの数が1つの場合、図25Aのように、最後のブロックの変調方式としてBPSKを選択し、980シンボルで1つの符号化ブロック#1のみを送信する。
また、最後に送信する符号化ブロックの数が1つより多く2つ以下の場合、図25Bのように、最後のブロックの変調方式としてQPSKを選択し、980シンボルで2つの符号化ブロック#1、#2を送信する。この場合には、図4(b)、図5(b)、図6(b)又は図7(b)で説明したような並べ替えを行うとよい。
また、最後に送信する符号化ブロックの数が2つより多い場合、図25Cのように、最後のブロックの変調方式として16QAMを選択し、980シンボルで例えば4つの符号化ブロック#1〜#4を送信する。この場合には、図4(c)、図5(c)、図6(c)又は図7(c)で説明したような並べ替えを行うとよい。
このように送信することで、1つの符号化ブロックデータが常に980シンボルによって送信されるため、フェージングのノッチによる影響を軽減でき、受信品質が向上する。
なお、別の割り当て方としては、符号化ブロックの数に拘わらず16QAMを選択し、不足した分のデータはすべて、例えば“0”のダミーのデータを送信するようにしてもよい。このように送信しても、1つの符号化ブロックデータが常に980シンボルによって送信されるため、フェージングのノッチによる影響を軽減でき、受信品質を向上させることができる。
以上の操作は、パケット通信を行っていた場合、受信品質をできる限り均一にするためには、非常に重要である。すなわち、もし、最後の符号化ブロックのデータを、980シンボルより少ないシンボル数で送信すると、最後の符号化ブロックの誤り率特性が劣化してしまい、パケットエラーの発生確率が大きくなってしまう。本実施の形態の方法によれば、これを有効に回避できる。
(比較例)
ここでは図26を用いて、本発明による符号化ブロックデータの複数シンボルへの均一割り当て方法との比較例として、従来一般的に行われている割り当て方法とその欠点について説明する。
図26Aは、通信状況として時間と受信電界強度の関係の一例として、980シンボル区間での受信電界強度の状態を示している。
図26Bは、変調方式がBPSKのときのフレーム構成例を示している。なお、図26Bでは、例えばOFDMのようにキャリア1からキャリアnを用いているマルチキャリア伝送方式の場合を例として示している。従って、縦軸は周波数軸となっており、キャリア1からキャリアnが存在する。変調方式がBPSKのときには、図26Bのように1つの符号化後ブロック(ブロック#1)を伝送するのに980シンボルが必要となる。
これに対して、変調方式が16QAMのときには、16QAMでは1シンボルで4ビットを伝送できるため、1つの符号化後ブロックを伝送するのに245シンボルが必要となる。したがって、980シンボルを用いると、ブロック#1、ブロック#2、ブロック#3、ブロック#4の4ブロックを送信できることになる。
そして、従来は、図26Cに示すように、BPSKと同様に、時間方向に、ブロック#1のシンボル、ブロック#2のシンボル、ブロック#3のシンボル、ブロック#4のシンボルと順に割り当てることが一般的である。
ここで、図26BのようにBPSKを用いている場合には、図26Aのような通信状況であっても、1つの符号化ブロックで受信電界強度の大きい時間と小さい時間が存在するので、符号化ブロック単位で復号を行うと、受信電界強度の大きいデータの影響により、誤りが訂正される可能性が高い。
これに対して、図26Cのように16QAMを用いている場合には、ブロック#1及びブロック#3は、受信電界強度が大きいので受信品質は良いが、ブロック#2及びブロック#4は、受信電界強度が小さいので受信品質が悪くなる。このように、変調方式の変調多値数が増加するにつれ、1つの符号化ブロックが必要とするシンボル数が減少するため、フェージングによる受信電界強度のノッチの影響を受け易い。つまり、ノッチによる受信品質の低下を受け易くなる。
本発明の送信装置は、上記実施の形態でも説明したように、このような問題を符号長(ブロックサイズ)を変えること無しに、有効に解決したものである。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1の簡単な変形例について説明する。つまり、本実施の形態は、“1つのデータシンボルは、異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成される”といった基本構成は実施の形態1と同様であり、本実施の形態はその変形例である。
本実施の形態における送信装置の構成例は図1のとおりであり、その動作も実施の形態1と同様である。また、本実施の形態における符号化部11によるLDPC符号の生成処理に関する構成は、図2のとおりであり、その動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、変調部15による変調処理が、QPSK及び16QAMの場合を例にとって説明する。つまり、本実施の形態の場合、変調部15は、図3に示したような信号点配置及びビット配置を行うものとする。
図27は、本実施の形態の送信装置が、LDPC符号化された各符号化ブロック内のビットを、変調後のどのシンボルに割り当てるかを示すものである。具体的には、980ビットで構成されている一つのブロック内符号化データ(LDPC符号化後のデータ)を、どのシンボルに配置するかを示すものである。また、横軸はシンボルの時間的な並びを示している。縦軸は1シンボルを構成するビット番号、つまり、QPSKの場合b1、b2、16QAMの場合b1、b2、b3、b4を示している。
さらに、図中#X−Yは、X番目の符号化ブロックのY番目(980ビットの中のY番目)のビットを示している。例えば#1−1は、1番目の符号化ブロックの1番目のビットを示す。同様に、例えば#2−979は、2番目の符号化ブロックの979番目のビットを示す。
図27Aは、変調方式がQPSKのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。本実施の形態では、変調方式がQPSKのときには、1シンボルで2ビット(b1、b2)送信し、両者のビットを用いて、1番目の符号化ブロックのデータを送信する。したがって、490シンボルを用いて、980ビットで構成された1つの符号化ブロックを送信することになる。
図27Bは、変調方式が16QAMのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。変調式が16QAMのときには、1シンボルで4ビット(b1、b2、b3、b4)送信することになるので、490シンボルによって980ビットで構成された符号化後ブロックを2つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、1つのブロック内符号化データを複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、16QAMの980シンボルのビットb1、b2に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットb3、b4に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当てる。
これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をQPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的(または、周波数的(特に、OFDMなどのマルチキャリア伝送のとき))(または、空間的(特に、MIMO伝送のとき))に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図27Cは、シングルキャリア伝送を用いたときの本実施の形態におけるフレーム構成例を示している。プリアンブル2801は、例えば、受信装置で、信号検出、周波数オフセット推定及び補償、利得制御を行うためのシンボルである。制御情報シンボル2802は、例えば、変調方式の情報、符号化率の情報、パケットの長さの情報を伝送するためにシンボルである。データシンボル2803は、データを伝送するためのシンボルであり、変調方式がQPSKのときは、図27Aの構成でデータを伝送し、変調方式が16QAMのときは、図27Bの構成でデータを伝送する。
図28は、本実施の形態の送信装置の構成例を示している。図28では、図1と同様に動作するものについては同一符号を付した。送信装置2900はセレクタ2901を有する。セレクタ2901は、送信データS1、制御信号S10を入力とし、制御信号S10に含まれる変調方式の情報に応じて、送信データS1を振り分ける。本実施の形態では、セレクタ2901は、変調方式がQPSKのとき、振り分けデータ#1を出力信号2901_1として符号化部11_1に出力する。このとき、セレクタ2901は、符号化部11_2には出力信号2901_2を出力しない。これに対して、セレクタ2901は、変調方式が16QAMのとき、振り分けデータ#1を出力信号2901_1として符号化部11_1に出力すると共に、振り分けデータ#2を出力信号2902_2として符号化部11_2に出力する。
符号化部11_1、11_2は、それぞれ、入力されたデータを符号化し、符号化後のデータ2902_1、2902_2を出力する。符号化部11_2は、変調方式がQPSKのときには符号化動作を行わない。なお、符号化部11_1、11_2は、変調方式の情報を制御信号S10から知ることができる。
変調部15は、符号化後のデータ2902_1、2902_2、制御信号S10を入力とし、制御信号S10の変調方式に応じた変調を行ことで送信シンボル、つまり、ベースバンド信号S3を得、これを無線部16に出力する。このとき、変調部15は、プリアンブルや制御情報シンボルも付加する。無線部16以降の動作は、図1と同様である。
図28の送信装置2900においては、符号化部11_1、11_2を並列に配置し、変調多値数が大きな変調方式ほど、多くの符号化部を並列動作させるようになっている。これにより、図1に示したような構成と比較して、送信処理の高速化が可能となる。特に、変調多値数の大きな変調方式に切り替えた場合でも、変調多値数の小さな変調方式と同等のシンボルレートを維持できる利点がある。但し、図1に示すような構成でも、図27に示したような送信フレームを形成することは可能である。図1の構成は、図28の構成と比較して、送信処理速度は遅いものの、符号化部が少ないので回路規模は小さくて済む。
図29は、本実施の形態における受信装置の構成例を示している。受信装置3000は、無線部3003に、アンテナ3001で受信した受信信号3002を入力し、受信信号3002に周波数変換、直交復調等の処理を施すことでベースバンド信号3004を得、これを出力する。
制御部3005は、ベースバンド信号3004を入力とし、図27Cのプリアンブル2801、制御情報シンボル2802を検出し、これらのシンボルに基づいて、信号検出、周波数オフセット推定、チャネル推定を行と共に変調方式の情報を抽出し、これらの情報を含む制御信号3006を各部に出力する。
軟値作成部3007は、ベースバンド信号3004、制御信号3006を入力とし、制御信号3006に含まれるチャネル推定情報とベースバンド信号3004から、復号のための各ビットの軟値を計算することで軟値信号3008を得、これを出力する。
振り分け部3009は、制御信号3006、軟値信号3008を入力とし、制御信号3006に含まれる変調方式の情報がQPSKを示していた場合、軟値信号3008を軟値#1信号3010_1として復号部3011_1に出力する。これに対して、振り分け部3009は、変調方式の情報が16QAMを示していた場合、軟値信号3008を軟値#1信号3010_1と軟値#2信号3010_2に振り分け、これらをそれぞれ復号部3011_1、3011_2に出力する。ここで、軟値#1信号3010_1は、図27A、図27Bのブロック#1に関する軟値であり、軟値#2信号3010_2は、図27Bのブロック#2に関する軟値である。
復号部3011_1は、軟値#1信号3010_1、制御信号3006を入力とし、軟値#1信号3010_1に基づき復号を行うことで復号後のデータ#1信号3012_1を得、これを出力する。この復号後のデータ#1信号3012_1は、図27A、図27Bの#1のブロックのデータに相当する。
復号部3011_2は、軟値#2信号3010_2、制御信号3006を入力とし、軟値#2信号3010_2に基づき復号を行うことで復号後のデータ#2信号3012_2を得、これを出力する。この復号後のデータ#2信号3012_2は、図27Bの#2のブロックのデータに相当する。なお、復号部3011_2は、変調方式がQPSKのときは復号動作を行わない。
パラレル・シリアル変換部3013は、復号後のデータ#1信号3012_1、復号後のデータ#2信号3012_2、制御信号3006を入力とし、変調方式に応じて並べ替えを行うことで並べ替え後のデータ3014を得、これを出力する。
以上の構成により、図1又は図28のような構成の送信装置10、3000から図27のようなフレーム構成の変調信号をされた場合に、受信信号から送信データS1に相当する復号後のデータ3014を得ることができる。
特に、本実施の形態の受信装置においては、図29のように、復号部を並列に設置し、受信信号の変調多値数が大きいほど、多くの復号部を並列動作させるようになっている。これにより、受信処理の高速化が可能となる。特に、受信信号の変調多値数が大きい場合でも、変調多値数の小さな受信信号と同等のシンボルレートで受信処理を行うことができるといった利点がある。さらに言うと、受信側での誤り率特性を向上させるために図27に示したようなフレーム構成の変調信号を伝送した場合でも、図29のような構成の受信装置3000を用いれば、シンボルレートを低下させずに受信処理を行うことができるようになる。
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、1シンボルがより多くのブロックのブロック符号化データが集まって構成されるように、ブロック符号化データを並べ替えるようにしたことで、実施の形態1と同様に、受信品質を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、送信側に複数の符号化部を並列に配置し、変調多値数が大きな変調方式ほど、多くの符号化部を並列動作させるようにしたことにより、変調多値数の大きな変調方式に切り替えた場合でも、変調多値数の小さな変調方式と同等のシンボルレートを維持できるようになる。また、受信側に複数の復号部を並列に配置し、受信信号の変調多値数が大きいほど、多くの復号部を並列動作させるようにしたことにより、受信信号の変調多値数が大きい場合でも、変調多値数の小さな受信信号と同等のシンボルレートで受信処理を行うことができるようになる。つまり、シンボルレートの高速化に対し、容易に対応することができるため、より高速なデータ伝送を実現することができる。
なお、実施の形態1では、例えば図4〜図7に示したように各シンボルに1ビット単位でブロックデータを割り当てた例を説明したのに対して、本実施の形態では、例えば図27に示したように各シンボルに2ビット単位でブロックデータを割り当てる例について説明した。すなわち、16QAMに着目した場合、実施の形態1では、1シンボルを構成する各ビットb1,b2,b3,b4独立にブロックデータを割り当てたが、本実施の形態では、ビットb1,b2を1つの単位として、これら2ビットにはブロックデータ#1を割り当て、ビットb3,b4を1つの単位として、これら2ビットにはブロックデータ#2を割り当てた。しかし、本実施の形態で説明した送信装置及び受信装置は、実施の形態1のようなフレーム構成にも適用することができる。図30に、その適用可能なフレーム構成例を示す。
また、本実施の形態では、LDPC符号等のブロック符号に対する処理を例に説明したが、ターボ符号や畳み込み符号などのトレリス符号に対しても、上述したのと同様な方法を適用することができる。詳細については、実施の形態6で説明する。
また、本実施の形態では、シングルキャリア通信を行う送信装置、受信装置の構成を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDMなどのマルチキャリア通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。
また、MIMO通信等のマルチアンテナ通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。本実施の形態で説明した技術は、多重化方法によらず、広く適用することができる。
特に、OFDMなどのマルチキャリア方式では、シンボルを配列する方法として、時間軸以外に周波数軸つまり(サブ)キャリア方向に並べる方法がある(例えば、図9、図14、図25などを参照)。
本実施の形態の技術は、シンボルを時間軸に並べる場合、周波数軸に並べる場合のいずれにも適用でき、上述したのと同様の効果を得ることができる。さらに、MIMO伝送方式のようにシンボルを空間軸に並べる場合でも適用でき、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
実施の形態1、実施の形態5では、本発明を、LDPC符号等のブロック符号に適用する場合について説明したが、本実施の形態では、本発明を、ターボ符号や畳み込み符号などのトレリス符号に適用する場合について説明する。
本実施の形態の特徴は、トレリス符号化により順次形成されるトレリス符号化データを、複数シンボルに亘って割り当てて送信シンボルを形成した後に、その送信シンボルをシンボル単位でインターリーブするようにした点である。
これにより、ランダムビットインターリーブ処理を行うのと同様の処理を、小さい回路規模で、高速に行うことができるようになる。つまり、本実施の形態における、順次形成されるトレリス符号化データを複数シンボルに亘って割り当てる処理は、従来のランダムビットインターリーブ処理と比較すると非常に簡単な処理で済み、かつそのシンボルに対してシンボル単位でのインターリーブを施すと言った簡単な処理を施すだけなので、従来のビットインターリーバと比較して簡易な回路で、ビットインターリーブと等価の処理を行うことができる。
図31A、図31Bは、本実施の形態における、例えば、畳み込み符号化された各符号化されたデータが、変調後のどのシンボルに割り当てられるかを示すものである。また、横軸はシンボルの時間的な並びを示している。縦軸は1シンボルを構成するビット番号、つまり、QPSKの場合b1、b2、16QAMの場合b1、b2、b3、b4を示している。
さらに、図中#X−Yは、X番目の符号化処理により得られたY番目のビットを示している。例えば#1−1は、1番目の符号化処理により得られた1番目のビットを示す。同様に、例えば#2−100は、2番目の符号化処理により得られた100番目のビットを示す。図31の配置は、シンボルインターリーブ前の順番を示しており、シンボルインターリーブは、100シンボルで行われる。シンボルインターリーブについては、図32、図33を用いて詳しく説明する。
図31Aは、変調方式がQPSKのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。変調方式がQPSKのときには、1シンボルで2ビット(b1、b2)送信する。本実施の形態では、この両者のビットを用いて、1番目の符号化データと2番目の符号化データを送信する。ここで、1番目の符号化データ(#1−1、#1−2、#1−3・・・)とは、一つのトレリス符号化が施されたデータであり、また、2番目の符号化データ(#2−1、#2−2、#2−3・・・)とは、一つのトレリス符号化が施されたデータである。
ここで言う一つのトレリス符号化処理とは、1つのトレリス符号器から符号化されて順次出力される符号化データの1つのまとまりのことである。従って、1番目の符号化データと2番目の符号化データの作り方は、例えば後述するように異なる符号化部を設け、1番目の符号化部により得られる符号化データを1番目の符号化データとし、2番目の符号化部により得られる符号化データを2番目の符号化データとすればよい。
また、単一の符号化部により順次出力される符号化データのうち、例えば、1個目の符号化データから100個目の符号化データまでを1番目の符号化データとし、101個目の符号化データから200個目の符号化データまでを2番目の符号化データとしてもよい。
図31Bは、変調方式が16QAMのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。変調式が16QAMのときには、1シンボルで4ビット(b1、b2、b3、b4)送信する。本実施の形態では、この4つのビットを用いて、4つの符号化データを送信する。
図31Bの例では、16QAMのビットb1を用いて1番目の符号化データ#1に関連するデータが送信される。同様に16QAMのビットb2を用いて2番目の符号化データ#2に関連するデータが、16QAMのビットb3を用いて3番目の符号化データ#3に関連するデータが、16QAMのビットb4を用いて4番目の符号化データ#4に関連するデータが送信される。
これにより、各符号化ビット(データ)をQPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的(または、周波数的(特に、OFDMなどのマルチキャリア伝送のとき))(または、空間的(特に、MIMO伝送のとき))に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化データの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、データがバースト的に誤る確率を低くできるので、誤り率特性を改善できる。当然、QPSKについてもビット単位で同様の操作が行われているため、同様の効果を得ることができる。
図31Cは、シングルキャリア伝送を用いたときの本実施の形態におけるフレーム構成例を示している。なお、図31Cのフレーム構成は、既に説明した図27Cと同様のため、ここでの説明は省略する。
図32は、本実施の形態における送信装置の構成例を示している。図32では、図1、図28と同様に動作するものについては、図1、図28と同一符号を付した。セレクタ2901は、送信データS1、制御信号S10を入力とし、制御信号S10に含まれる変調方式の情報に応じて、送信データS1を振り分ける。
本実施の形態では、セレクタ2901は、変調方式がQPSKのとき、振り分けデータ#1を出力信号2901_1として符号化部11_1に、振り分けデータ#2を出力信号2901_2として符号化部11_2に出力する。このとき、セレクタ2901は、符号化部11_3、11_4には出力信号2901_3、2901_4は出力しない。
これに対して、セレクタ2901は、変調方式が16QAMのとき、振り分けデータ#1を出力信号2901_1として符号化部11_1に、振り分けデータ#2を出力信号2902_2として符号化部11_2に、振り分けデータ#3を出力信号2901_3として符号化部11_3に、振り分けデータ#4を出力信号2902_4として符号化部11_4に出力する。
符号化部11_1、11_2、11_3、11_4は、それぞれ、入力されたデータをトレリス符号化することで符号化データ2902_1、2902_2、2902_3、2902_4を得、これを出力する。符号化部11_3、11_4は、変調方式がQPSKのときには符号化動作を行わない。なお、符号化部11_1〜11_4は、変調方式の情報を制御信号S10から知ることができる。
マッピング部3304は、符号化データ2902_1、2902_2、2902_3、2902_4、制御信号S10を入力とし、QPSKのときには図31Aに示したマッピング処理を行うと共に、16QAMのときには図31Bに示したマッピング処理を行うことで、送信シンボル、つまりベースバンド信号3305を得、これをインターリーバ3301に出力する。
インターリーバ3301は、ベースバンド信号S3を入力とし、この信号にシンボルインターリーブ処理を施し、インターリーブ後のベースバンド信号3302を出力する。変調部3303は、インターリーブ後のベースバンド信号3302を帯域制限し、帯域制限後のベースバンド信号S3を出力する。
本実施の形態の送信装置3300の大きな利点は、インターリーブ処理にある。この点について詳しく説明する。
一般に、インターリーバには、ビット単位でインターリーブ処理を行うビットインターリーバと、シンボル単位でインターリーブ処理を行うシンボルインターリーバがある。ビットインターリーブ処理は、シンボルインターリーブ処理に比して、受信品質の改善効果が大きい。
本実施の形態の送信装置3300のインターリーバ3301は、マッピング部3304により得られたシンボルをインターリーブするので、シンボルインターリーバである。しかし、本実施の形態では、各符号化部11_1〜11_4により順次形成される符号化データ2902_1〜2902_4が連続して同一シンボルに含まれないよう、マッピング部3304によってマッピングを行ってデータシンボルを形成した後に、シンボルインターリーブ処理するので、ビットインターリーブと等価な処理を行うことができる。
具体的には、本実施の形態では、インターリーバ3301をマッピング部3304の後段に配置することにより、インターリーバ3301によってシンボルインターリーブを行う。
ここで、本実施の形態では、図31のようにフレーム構成を決めているため、シンボルインターリーブを施すことで、各符号化データ#1、#2、#3、#4は、ビットインターリーブを施されたこと等化となる。つまり、本実施の形態では、マッピング部3304によって図31のようなシンボルを形成し、その後段にシンボルインターリーバ3301を配置することで、ビットインターリーブを施した場合と同様の受信品質を受信側で得ることが可能となる。
また、本実施の形態の構成は、ビットインターリーバを設ける場合と比較して、回路規模の点で優れている。何故なら、ビットインターリーブを行うためには、例えば符号化部11_1〜11_4とマッピング部3304の間にインターリーバを配置する方法が従来一般的である。しかしながら、このように、符号化部とマッピング部の間にインターリーバを配置する場合、インターリーバが4つ必要となる。これに対して、本実施の形態の場合には、1つのシンボルインターリーバ3301で済むからである。
次に、図33を用いて、シンボルインターリーバ3301の動作の一例を示す。図33(a)は、インターリーバ3301による、内蔵メモリへのシンボルデータの書き込み方向と読み出し方向の一例を示したものである。図33のように、マッピング部3304から“シンボル1”“シンボル2”“シンボル3”・・・“シンボル100”の順番にシンボルが出力されるものとする。そして、インターリーバ3301は、図33(a)の横軸方向にメモリへの書き込みを行う。また、インターリーバ3301は、図33(a)の縦軸方向に読み出しを行う。これにより、インターリーブ後のシンボルは、図33(b)のように並べ替えられる。
図29との対応部分に同一符号を付して示す図34に、本実施の形態の受信装置の構成例を示す。図34が図29と異なる点は、主に、送信装置3300でインターリーブしたシンボルの順番をもとに戻すためにデインターリーバ3501が挿入されている点と、4つの符号化部11_1〜11_4に対応した4つの復号部3011_1〜3011_4を有する点である。
以上の構成により、受信装置3500は、図32の送信装置3300から送信された変調信号を受信し、復号後のデータ3014を得ることができる。特に、受信装置3500は、復号部3011_1〜3011_4が並列に設置することで、高速動作が可能となる。また、受信装置3500は、ビットインターリーブされた信号と等価の信号を受信し、それを復号するので、誤り率特性の良い復号データ3014を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信データをトレリス符号化する符号化部11_1〜11_4と、トレリス符号化部11_1〜11_4により順次形成される符号化データが連続して同一シンボルに含まれないようなマッピングを行って、データシンボルを形成するマッピング部3304と、データシンボルをインターリーブするシンボルインターリーバ3301とを設けたことにより、小さい回路規模でビットインターリーブと等価のインターリーブ処理を行って、受信側での受信品質を有効に向上させることができる。
つまり、マッピング部3304では、トレリス符号化部11_1〜11_4により、順次形成される符号化データが、連続して同一シンボルに含まれないようなマッピングを行うといった単純な処理を行えばよく、インターリーバ3301では、1系統のシンボルに対してインターリーブ処理を施せばよい。本実施の形態の送信装置3300は、このような単純な処理の組み合わせで、従来のビットインターリーバと等価の処理を、しかも高速で行うことができる。この高速化に関しては、符号化部11_1〜11_4を並列に設けたことが寄与している。但し、単純に符号化部11_1〜11_4を並列に設け、かつビットインターリーブを行おうとすると、各符号化部11_1〜11_4の後段にビットインターリーバを設けなければならず、回路規模が大きくなる。本実施の形態の構成は、ビットインターリーブを行う場合に、回路規模の増大を抑制しつつ、高速化を実現するものである。
なお、本実施の形態では、マッピング部3304によって行う各シンボルへのビット割り当て処理を、図31A、図31Bを例にして説明したが、この例に限らず、例えば図35A、図35Bのような割り当て処理を行ってもよい。要は、各符号化部11_1〜11_4により順次形成される符号化データ(例えば#1−1、#1−2、#1−3、………)が連続して同一シンボルに含まれないようなマッピングを行うようにすればよく、実施の形態1、実施の形態5の変調部の処理として説明したシンボルへのビット割り当ても、適宜、本実施の形態のマッピング部3304の処理として適用できる。
また、本実施の形態では、データをトレリス符号化して送信する場合を説明した。特に、インターリーバ、デインターリーバの挿入位置について詳しく説明した。ここで、本実施の形態におけるトレリス符号とは、畳み込み符号や、ターボ符号を含むものとする。特にターボ符号を用いた場合、符号化、復号化において、インターリーバ、デインターリーバが必要になる。
この場合、図32のインターリーバ3301と図34のデインターリーバ3501は、ターボ符号の符号化、復号化の際のインターリーバ、デインターリーバとは、別のものである場合が考えられる。別の場合として、図32のように、インターリーバ3301を設けず、各ターボ符号器が異なるインターリーバを有する方法も考えられる。ただし、この場合、各ターボ符号器でエンコードされたデータは、異なる復号を行う必要があるので、復号部の共通化を行うことができない。
また、本実施の形態では、シングルキャリア通信を行う送信装置、受信装置の構成を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDMなどのマルチキャリア通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。また、MIMO通信等のマルチアンテナ通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。本実施の形態で説明した技術は、多重化方法によらず、広く適用することができる。特に、OFDMなどのマルチキャリア方式では、シンボルを配列する方法として、時間軸以外に周波数軸つまり(サブ)キャリア方向に並べる方法がある(例えば、図9、図14、図25などを参照)。本実施の形態の技術は、シンボルを時間軸に並べる場合、周波数軸に並べる場合のいずれにも適用でき、上述したのと同様の効果を得ることができる。さらに、MIMO伝送方式のようにシンボルを空間軸に並べる場合でも適用でき、同様の効果を得ることができる。
つまり、本実施の形態の特徴の一つは、複数系統の符号化データをパラレルに入力し、1系統のデータシンボルを出力するマッピング部3304と、このデータシンボルをインターリーブするシンボルインターリーバ3301とを設けた点にある。
これにより、マッピング処理とシンボルインターリーブ処理との組み合わせにより、符号化処理とビットインターリーブ処理の高速動作が可能となり、且つ、回路規模を削減した構成のビットインターリーバを実現することができるようになる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上述した実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6で提示した原理を、特に、トレリス符号とブロック符号の連接符号に適用する場合について説明する。本実施の形態では、ブロック符号化したデータを、トレリス符号化する場合について説明する。
図1及び図32との対応部分に同一符号を付して示す図36に、本実施の形態における送信装置の構成例を示す。送信装置3900は、セレクタ3901に、送信データS1、制御信号S10を入力する。セレクタ3901は、制御信号S10に含まれる変調方式の情報に応じて、送信データS1を振り分ける。本実施の形態では、セレクタ3901は、変調方式がQPSKのとき、振り分けデータ#1を出力信号3902_1としてブロック符号化部3903_1に出力する。このとき、セレクタ3901は、ブロック符号化部3903_2には出力信号3902_2を出力しない。これに対して、セレクタ3901は、変調方式が16QAMのとき、振り分けデータ#1を出力信号3902_1としてブロック符号化部3903_1に出力すると共に、振り分けデータ#2を出力信号3902_2としてブロック符号化部3903_2に出力する。
ブロック符号化部3903_1、3903_2は、それぞれ振り分けデータ#1(出力信号3902_1)、振り分けデータ#2(出力信号3902_2)を入力とし、それぞれ、入力されたデータをブロック符号化し、ブロック符号化後のデータ3904_1、3904_2、3905_1、3905_2を出力する。このときの動作を、図37を用いて説明する。
図37は、本実施の形態におけるブロック符号化の例を示している。図37Aは、変調方式がQPSKのときの図36のブロック符号化部3903_1の動作を示している。なお、上述したように、このとき、図36のブロック符号化部3903_2は動作しない。
図中#X−Yは、X番目の符号化ブロックのY番目(980ビットの中のY番目)のビットを示している。例えば#1−1は、1番目の符号化ブロックの1番目のビットを示す。同様に、例えば#2−979は、2番目の符号化ブロックの979番目のビットを示す。
図37Aのように、変調方式がQPSKのとき、ブロック符号化部3903_1のみ動作し、ブロック符号化部3903_1によって、980ビットで構成されたブロック符号化されたデータ#1−1〜#1−980、#2―1〜#2―980が生成される。
一方、変調方式が16QAMのとき、図37Bのように、ブロック符号化部3903_1、3901_2の両者が動作し、それぞれによって、980ビットで構成されたブロック符号化データが生成される。
図36におけるトレリス符号化部3906_1、3906_2、3906_3、3906_4は、それぞれブロック符号化データ3904_1、3904_2、3905_1、3905_2を入力とし、これらをトレリス符号化し、トレリス符号化後のデータ3907_1、3907_2、3907_3、3907_4を出力する。
図38を用いて、トレリス符号化部3906_1、3906_2、3906_3、3906_4による動作及びマッピング部3304によるシンボルへのビット割り当て動作について説明する。
図38Aは、変調方式がQPSKのときの図37Aのように生成されたブロック符号化データを、さらにトレリス符号化した場合のトレリス符号の状態例を示している。ブロック符号化データ#1−1〜#1−490からは、トレリス符号化部3906_1によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#1’―1〜#1’―980が生成される。ただし、#1’の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号化データ(図37の場合#2のブロック符号化データ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#1’―1〜#1’―980は、マッピング部3304によって、QPSK変調で送信される2ビットのうちのビットb1に割り当てられる。
同様に、ブロック符号化データ#1−491〜#1−980からは、トレリス符号化部3906_2によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#1”―1〜#1”―980が生成される。ただし、#1”の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号化データ(図37の場合#2のブロック符号化のデータ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#1”―1〜#1”―980は、マッピング部3304によって、QPSK変調で送信される2ビットのうちのビットb2に割り当てられる。
図38Bは、変調方式が16QAMのときの図37Bのように生成されたブロック符号化データをさらにトレリス符号化した場合のトレリス符号の状態例を示している。ブロック符号化データ#1−1〜#1−490からは、トレリス符号化部3906_1によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#1’―1〜#1’―980が生成される。ただし、#1’の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号化データ(図37の場合#3のブロック符号化のデータ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#1’―1〜#1’―980は、マッピング部3304によって、16QAMで送信される4ビットのうちのビットb1に割り当てられる。
同様に、ブロック符号化データ#1−491〜#1−980からは、トレリス符号化部3906_2によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#1”―1〜#1”―980が生成される。ただし、#1”の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号後のデータ(図37の場合#3のブロック符号化のデータ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#1”―1〜#1”―980は、マッピング部3304によって、16QAMで送信される4ビットのうちのビットb2に割り当てられる。
同様に、ブロック符号化データ#2−1〜#2−490からは、トレリス符号化部3906_3によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#2’―1〜#2’―980が生成される。ただし、#2’の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号化データ(図37の場合#4のブロック符号化のデータ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#2’―1〜#2’―980は、マッピング部3304によって、16QAMで送信される4ビットのうちのビットb3に割り当てられる。
同様に、ブロック符号化データ#2−491〜#2−980からは、トレリス符号化部3906_4によるトレリス符号化によって、トレリス符号化データ#2”―1〜#2”―980が生成される。ただし、#2”の最後の数ビットのデータについては、次のブロック符号後のデータ(図37の場合#4のブロック符号化のデータ)を用いることで生成される。そして、トレリス符号化データ#2”―1〜#2”―980は、マッピング部3304によって、16QAMで送信される4ビットのうちのビットb4に割り当てられる。
これにより、各符号化ビット(データ)をQPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的(または、周波数的(特に、OFDMなどのマルチキャリア伝送のとき))(または、空間的(特に、MIMO伝送のとき))に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化データの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、データがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。QPSKについてもビット単位で同様の操作が行われているため、同様の効果を得ることができる。本実施の形態では、ブロック符号及びトレリス符号の両者に対し、上記効果を得ることができるという利点がある。
なお、図36のマッピング部3304及びインターリーバ3301の動作については、実施の形態5、実施の形態6で説明と同様なので、ここでの詳しい説明は省略する。
図29及び図34との対応部分に同一符号を付して示す図39に、本実施の形態の受信装置の構成例を示す。図39が、図29及び図34と異なる点は、主に、送信装置3900がブロック符号化とトレリス符号化による連接符号化を行うようになっているので、復号の最終段にブロック符号の復号部4001_1、4001_2が挿入されている点である。ブロック符号復号部4001_1、4001_2は、トレリス復号化されたデータ3012_1〜3012_4を入力とし、ブロック符号を復号化し、そのデータ4002_1、4002_2を出力する。
以上の構成により、受信装置4000は、図36の送信装置3900から送信された変調信号を受信し、復号後のデータ3014を得ることができる。特に、受信装置4000は、(トレリス符号要)復号部3011_1〜3011_4と、ブロック符号用復号部4001_1、4001_2を、それぞれ並列に設置することで、高速動作が可能となる。また、受信装置4000は、ビットインターリーブされた信号と等価の信号を受信し、それを復号するので、誤り率特性の良い復号データ3014を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、連接符号を用いた場合でも、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6の方法を適用することで、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、マッピング部3304によって行う各シンボルへのビット割り当て処理を、図38を例にして説明したが、この例に限らず、適宜、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6で説明した割り当て例を組み合わせても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、データをトレリス符号化して送信する場合を説明した。ここで、本実施の形態におけるトレリス符号とは、畳み込み符号や、ターボ符号を含むものとする。特にターボ符号を用いた場合、符号化、復号化において、インターリーバ、デインターリーバが必要になる。この場合、図36のインターリーバ3301と図39のデインターリーバ3501を、ターボ符号の符号化、復号化に用いられるインターリーバ、デインターリーバとは別に設けるようにしてもよい。別の例として、図36のようなインターリーバ3301を設けず、各ターボ符号器に異なるインターリーバを設けるようにしてもよい。ただし、この場合、各ターボ符号器でエンコードされたデータは、異なる復号を行う必要があるので、復号部の共通化を行うことは困難である。
また、本実施の形態では、シングルキャリア通信を行う送信装置、受信装置の構成を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDMなどのマルチキャリア通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。また、MIMO通信等のマルチアンテナ通信を行う送信装置、受信装置でも同様に実施することができる。本実施の形態で説明した技術は、多重化方法によらず、広く適用することができる。特に、OFDMなどのマルチキャリア方式では、シンボルを配列する方法として、時間軸以外に周波数軸つまり(サブ)キャリア方向に並べる方法がある(例えば、図9、図14、図25などを参照)。本実施の形態の技術は、シンボルを時間軸に並べる場合、周波数軸に並べる場合のいずれにも適用でき、上述したのと同様の効果を得ることができる。さらに、MIMO伝送方式のようにシンボルを空間軸に並べる場合でも適用でき、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態1〜6で説明したデータ送信方法を、MIMOシステム、特に、図8、図9、図10、図11に示したような空間多重MIMOシステムに適用した場合の、受信品質を一段と向上させる方法及び構成について説明する。
(1)一般的な空間多重MIMOシステムの概要
本実施の形態の特徴を説明する前に、一般的な空間多重MIMOシステムの構成、送信方法及び復号方法の概要について説明する。
図40に、Nt×Nr空間多重MIMOシステムの構成を示す。図40において、図40Aは送信装置の概略構成を示し、図40Bは図40Aの送信装置から送信された信号を受信する受信装置の概略構成を示す。
図40Aの送信装置は、情報ベクトルzを、符号化部(outer encoder)4101で符号化することで符号化ビットベクトルu’を得、インターリーブ部(Π)4102でインターリーブ処理することでインターリーブ後の符号化ビットベクトルu=(u1,…,uNt)を得る。ただし、ui=(ui1,…,uiM),M:シンボル当たりの送信ビット数を表す。
送信ベクトルs=(s1,…,sNt)Tと表し、送信アンテナ#iから送信される送信信号si=map(ui)と表した場合、送信エネルギーを正規化した値E{|si|2}=Es/Ntと表される(Es:チャネル当たりの総エネルギー)。
図40Bに示すように、受信装置は、ディテクタ(MIMO detecter)4111と、デインターリーバ(Π−1)4112と、デコーダ(outer soft−in/soft−out decoder)4113と、インターリーバ(Π)4114とを有する。
受信装置で受信される受信ベクトルをy=(y
1,…,y
Nr)
Tとすると、受信ベクトルyは、次式のように表される。
なお、式(2)において、H
NtNrはチャネル行列、n=(n
1,…,n
Nr)
Tはノイズベクトルであり、n
iは平均値0、分散σ
2のi.i.d.(independent identically distributed)複素ガウス雑音である。
送信シンボルと受信シンボルは多次元ガウス分布の関係にあることから、受信ベクトルに関する確率p(y|u)は、次式のように表すことができる。
ここで、図40Bのように、受信装置が、MIMO detecter 4111と、outer soft−in/soft−out decoder 4113とを有し、反復復号を行う場合を考える。図40Bにおける対数尤度比のベクトル(L−value)は、次の式(4)、式(5)及び式(6)のように表される(例えば非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。
(2)反復検波の概要
ここでは、Nt×Nr空間多重MIMOシステムにおけるMIMO信号の反復検波について説明する。
ベイズの定理より、式(7)は、次式のように表すことができる。
ただし、U
mn,±1={u|u
mn=±1}とする。ここで、例えば非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8に記載されているように、式(8)を、次式
を用いて近似すると、式(8)は、次式のように近似することができる。
式(10)におけるP(u|u
mn)とln P(u|u
mn)は、次式のように表される。
ところで、式(3)で定義した式の対数確率は、次式のように表される。
したがって、式(10)及び式(13)から、MAP(Maximum A posteriori Probability)又はAPP(A Posteriori Probability)では、事後のL−valueは、次式のように表される(非特許文献3参照)。
以降では、式(14)を用いた反復検波を、反復APP復号と呼ぶ。
式(10)及び式(13)から、Max−Log近似(非特許文献9参照)を利用した対数尤度比(Max−Log APP)における事後のL−valueは、次式のように表される(非特許文献6、非特許文献7参照)。
以降では、式(15)、式(16)を用いた反復検波を、反復Max−log APP復号と呼ぶ。反復検波で必要とする外部情報は、式(14)又は式(15)から事前入力を減算することで、求めることができる。
(3)本実施の形態のシステムモデルと反復復号
(3−1)システムモデル
図41に、本実施の形態のシステムモデルを示す。図41では、説明を簡単化するために、最も簡単な2×2空間多重MIMOシステムを例として示している。図41において、図41Aは送信装置の概略構成を示し、図41Bは図41Aの送信装置から送信された信号を受信する受信装置の概略構成を示す。
図41の送信装置は、ストリームAを符号化部(outer encoder)4201_1で符号化すると共にストリームBを符号化部(outer encoder)4201_2で符号化する。本実施の形態の場合、符号化部4201_1と符号化部4201_2は、互いに同一のLDPC符号で符号化を行うLDPC符号化器によって構成されている。
符号化部4201_1で符号化されたストリームAはインターリーバ(πa)4202_1でインターリーブされ、符号化部4201_2で符号化されたストリームBはインターリーバ(πb)4202_2でインターリーブされる。
インターリーブ処理されたストリームA、ストリームBは、それぞれ、変調部(Modulator)4203_1、4203_2によって変調された後、送信アンテナT#1、T#2から送信される。ここでは、変調部4203_1、4203_2の変調方式を2h−QAM(hビットで1シンボルを形成)とする。
図41Bの受信装置は、上述のMIMO信号の反復検波(反復APP(またはMax−log APP)復号)を行う。本実施の形態の場合、送信装置がLDPC符号化を行うようになっているので、受信装置はLDPC符号の復号として、例えばsum−product復号を行う。
図42は、送信フレーム構成を示しており、特にインターリーブ後のシンボルの順番を示している。図中、i
a,i
bはそれぞれストリームA、ストリームBについてのインターリーブ後のシンボルの順番を示し、j
a,j
bは変調方式におけるビット位置(j
a,j
b=1,・・・,h)を示し、π
a,π
bはストリームA、ストリームBのインターリーバを示し、Ω
b ia,ja,Ω
b ib,jbはストリームA、ストリームBのインターリーブ前のデータの順番を示している。因みに、図42では、i
a=i
bのときのフレーム構成を示している。ここで、(i
a,j
a),(i
b,j
b)を、次式のように記述する。
(3−2)反復復号
ここでは、受信装置がLDPC符号の復号を行う際に用いるsum−product復号及びMIMO信号の反復検波のアルゴリズムについて詳しく述べる。
(3−2−1)sum−product復号
2元(M×N)行列H={H
mn}を、復号対象とするLDPC符号の検査行列とする。集合[1,N]={1,2,・・・,N}の部分集合A(m),B(n)を次式のように定義する。
A(m)は検査行列Hのm行目において、1である列インデックスの集合を意味し、B(n)は検査行列Hのn行目において、1である行インデックスの集合である。sum−product復号のアルゴリズムは以下のとおりである。
・Step A・1(初期化) : Hmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して事前値対数比βmn=0とする。ループ変数(反復回数)lsum=1とし、ループ最大回数をlsum,maxと設定する。
・Step A・2(行処理) : m=1,2,・・・,Mの順にH
mn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、次の式(21)−式(23)の更新式を用いて外部値対数比α
mnを更新する。
上式においてfはGallagerの関数である。また、λ
nの求め方については後述する。
・Step A・3(列処理) : n=1,2,・・・,Nの順にH
mn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、次の更新式を用いて外部値対数比β
mnを更新する。
・Step A・4(対数尤度比の計算) : n∈[1,N]について対数尤度比L
nを、次式のように求める。
・Step A・5(反復回数のカウント) : もしlsum<lsum,maxならばlsumをインクリメントして、step A・2に戻る。lsum=lsum,maxの場合、この回のsum−product復号を終了する。
以上が、1回のsum−product復号の動作である。その後、MIMO信号の反復検波が行われる。上述のsum−product復号の動作説明で用いた変数m,n,αmn,βmn,λn,Lnにおいて、ストリームAにおける変数をma,na,αa mana,βa mana,λna,Lna、ストリームBにおける変数をmb,nb,αb mbnb,βb mbnb,λnb,Lnbで表す。
(3−2−2)MIMO信号の反復検波
ここでは、MIMO信号の反復検波におけるλ
nの求め方について詳しく説明する。
式(2)から、次式が成立する。
図42のフレーム構成と、式(18)、式(19)とから、次式を定義する。
このとき、na,nb∈[1,N]となる。以降では、MIMO信号の反復検波の反復回数kのときのλna,Lna,λnb,Lnbをそれぞれλk,na,Lk,na,λk,nb,Lk,nbと表す。
・Step B・1(初期検波;k=0) : 初期検波のとき、λ
0,na,λ
0,nbを以下のように求める。
反復APP復号の場合:
反復Max−log APP復号の場合:
ただし、X=a,bとする。そして、MIMO信号の反復検波の反復回数をl
mimo=0とし、最大反復回数をl
mimo,maxと設定する。
・Step B・2(反復検波;反復回数k) : 反復回数kのときのλk,na,λk,nbは、式(12)、式(14)−式(16)、式(27)及び式(28)から、次の式(32)−式(35)のように表される。ただし、(X,Y)=(a,b)(b,a)となる。
・Step B・3(反復回数のカウント、符号語推定) : もしl
mimo<l
mimo,maxならばl
mimoをインクリメントして、step B・2に戻る。l
mimo=l
mimo,maxの場合、推定符号語を次式のように求める。ただし、X=a,bとする。
(4)ファクターグラフによる考察
ここでは、ストリームA、ストリームBのインターリーブパターンが同一(SIP:Same Interleave Pattern)の場合、及び、インターリーブパターンが異なる(VIP:Varying Interleave Pattern)場合のファクターグラフを記述し、本実施の形態のようにVIPを用いた場合の効果について考察する。
(4−1)インターリーブパターンが同一(SIP)の場合
上記のシステムモデルにおいて、一例として変調方式を16QAMとし、ストリームA、ストリームBのインターリーブパターンが同一の場合のファクターグラフを、図43に示す。このとき、次式
の関係式が成立したとき、次式
の関係式が成立する。
ストリームAとストリームBのためのLDPC符号は同一であるため、図43のように、ノードとエッジは対称軸を中心に対称となる。SIPを行った場合には、対称軸に対し対称関係にある、ストリームAの変数(Variable)ノードに対応する(ia,ja)とストリームBの変数(Variable)ノードに対応する(ib,jb)では、式(38)が成立する。
(4−2)インターリーブパターンが異なる(VIP)場合
上述のモデルにおいて、一例として変調方式を16QAM(すなわちh=4)とし、ストリームA、ストリームBのインターリーブパターンが異なる場合のファクターグラフを、図44に示す。図44におけるノード及びエッジは、sum−product復号の部分については、対称軸を中心に対称となっている。しかし、MIMO信号の反復検波に関するエッジは、対称軸に対して対称とならない。これにより、VIPの場合、SIPの場合より多くの時刻(または周波数)の信頼度伝播が行われるようになる。したがって、時間(場合によっては周波数)及び空間ダイバーシチゲインが向上する可能性が高くなる。
上述したように、ストリームAとストリームBのインターリーブパターンを異なるようにすることにより、LDPC符号化を行った場合の受信品質を向上させることができる。なお、上述した例では、LDPC符号化を行った場合について説明したが、これに限らず、要は上述したような反復復号を行う場合に、ストリーム毎に異なるインターリーブパターンでインターリーブ処理を施すようにすれば、アンテナ数(送信変調信号数)や変調方式によらず、上述した例と同様に受信品質を改善することができる。
また、上述した例では、MIMO通信において、ストリーム毎に異なるインターリーブパターンでインターリーブ処理を施す場合について述べたが、これに限らず、図41Aとの対応部分に同一符号を付して示す図45のように、シングルアンテナから複数のストリームの信号を送信する通信方式に適用しても同様の効果を得ることができる。
(5)本実施の形態のインターリーブ方法及び構成
以降では、実施の形態1〜7で説明したデータの並べ替え方法を用い、かつ、空間多重MIMOシステムに上記特徴を利用した、本実施の形態のインターリーブ方法及び構成について詳しく説明する。
(5−1)実施例1
図46に、実施例1の形態のマルチアンテナ送信装置の構成例を示す。マルチアンテナ送信装置4600の概略構成は、実施の形態2で説明した図8のマルチアンテナ送信装置100とほぼ同様なので、図8との対応部分に同一符号を付して詳しい説明は省略する。以下では、本実施の形態の特徴である並べ替え部104A、104Bでのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理に相当する)を中心に説明する。
また、本例では、符号化部102A、102Bによって、図2で説明したようなLDPC符号化を行った場合を例にとって説明する。
図47及び図48は、LDPC符号化された各符号化ブロック内のビットが、変調後のどのシンボルに割り当てられているかを示すものである。具体的には、980ビットで構成されている1つのブロック内符号化データ(LDPC符号化後のデータ)が、どのシンボルに配置されているかを示すものである。また、横軸はシンボルの時間的な並びを示している。縦軸は1シンボルを構成するビット番号、つまり、BPSKの場合b1、QPSKの場合b1,b2、16QAMの場合b1,b2,b3,b4、64QAMの場合b1,b2,b3,b4,b5,b6を示している。
図47は、図46のアンテナ114Aから送信される変調信号(ストリーム)Aについてのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)例を示している。
図47(a)は、変調方式がBPSKのとき各シンボルへのビット割り当てを示している。変調方式がBPSKのときには、1シンボルで1ビット(A_b1)を送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化ブロックを1つだけ送信する。
図47(b)は、変調方式がQPSKのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。変調方式がQPSKのときには、1シンボルで2ビット(A_b1,A_b2)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを2つ送信できる。ここでの各シンボルは、図からも明らかなように、異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成される。具体的には、QPSKの980シンボルのビットA_b1に符号化後ブロック#1のビット#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットA_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図47(c)は、変調方式が16QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が16QAMのときには、1シンボルで4ビット(A_b1、A_b2、A_b3、A_b4)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを4つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、16QAMの980シンボルのビットA_b1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットA_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットA_b3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットA_b4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図47(d)は、変調方式が64QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が64QAMのときには、1シンボルで6ビット(A_b1、A_b2、A_b3、A_b4、A_b5、A_b6)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを6つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKや16QAMのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、64QAMの980シンボルのビットA_b1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットA_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットA_b3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットA_b4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当て、980シンボルのビットA_b5に符号化後ブロック#5のデータ#5−1〜#5−980を割り当て、980シンボルのビットA_b6に符号化後ブロック#6のデータ#6−1〜#6−980を割り当てる。
これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図48は、図46のアンテナ114Bから送信される変調信号(ストリーム)Bについてのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)例を示している。
図48(a)は、変調方式がBPSKのとき各シンボルへのビット割り当てを示している。変調方式がBPSKのときには、1シンボルで1ビット(B_b1)を送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化ブロックを1つだけ送信する。
図48(b)は、変調方式がQPSKのときの各シンボルへのビット割り当てを示している。変調方式がQPSKのときには、1シンボルで2ビット(B_b1,B_b2)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを2つ送信できる。ここでの各シンボルは、図からも明らかなように、異なる符号化ブロックのブロック内符号化データが集まって構成される。具体的には、QPSKの980シンボルのビットB_b1に符号化後ブロック#1のビット#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットB_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図48(c)は、変調方式が16QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が16QAMのときには、1シンボルで4ビット(B_b1、B_b2、B_b3、B_b4)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを4つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、16QAMの980シンボルのビットB_b1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットB_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットB_b3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットB_b4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当てる。これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
図48(d)は、変調方式が64QAMのときの各シンボルへのビット割当てを示している。変調方式が64QAMのときには、1シンボルで6ビット(B_b1、B_b2、B_b3、B_b4、B_b5、B_b6)送信することになるので、980シンボルによって980ビットの符号化後ブロックを6つ送信できる。ここでの各シンボルへのビット割当ての特徴は、QPSKや16QAMのときと同様に、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てることである。具体的には、64QAMの980シンボルのビットB_b1に符号化後ブロック#1のデータ#1−1〜#1−980を割り当て、980シンボルのビットB_b2に符号化後ブロック#2のデータ#2−1〜#2―980を割り当て、980シンボルのビットB_b3に符号化後ブロック#3のデータ#3−1〜#3−980を割り当て、980シンボルのビットB_b4に符号化後ブロック#4のデータ#4−1〜#4−980を割り当て、980シンボルのビットB_b5に符号化後ブロック#5のデータ#5−1〜#5−980を割り当て、980シンボルのビットB_b6に符号化後ブロック#6のデータ#6−1〜#6−980を割り当てる。
これにより、各符号化ブロック内のビット(データ)をBPSKと同等の数のシンボルに亘って時間的に分散して配置できるため、フェージングによるノッチによって符号化ブロック内のデータの品質が全体的に落ち込むことを回避できる。つまり、符号化ブロック内のほとんどのデータがバースト的に誤る確率が低くなるので、誤り率特性を改善できる。
以上に加えて、本実施例においては、図47及び図48に示したように、変調信号A、変調信号Bにおけるビットシフト量を変えることにより、シンボルへのビット割り当てパターンを変調信号Aと変調信号Bとで変えるようになっている。具体的には、並べ替え部104A、104Bを異なるビットシフタで構成すればよい。これにより、簡単な回路構成でシンボルへのビット割り当てパターンを変調信号Aと変調信号Bとで変えることができる。以下、この点について詳しく説明する。
まず、一つの条件として、図47及び図48で用いる符号化方式は同一であるものとする。これにより、符号化部102A、102Bを共通化できるので、その分回路を簡素化できる。
ここで、シンボルへのビット割り当てパターン(インターリーブパターン)を変調信号(ストリーム)Aと変調信号(ストリーム)Bとで変えるための最も簡単な方法として、ストリームAとストリームBで異なるランダムインターリーバを用いることが考えられる。しかし、この方法は、演算規模が大きくなる。
そこで、本実施例では、ビットシフトのみで、シンボルへのビット割り当てパターン(インターリーブパターン)を変調信号(ストリーム)Aと変調信号(ストリーム)Bとで変えるようにした。
図47(a)及び図48(a)に示すように、変調信号A、変調信号BとしてBPSKの変調信号を送信する場合、変調信号Aに対して変調信号Bを2ビットシフトして形成する。
また、図47(b)及び図48(b)に示すように、変調信号A、変調信号BとしてQPSKの変調信号を送信する場合、A_b1で送信する順番に対し、A_b2は2ビットシフトさせ、B_b1は4ビットシフトさせ、B_b2は6ビットシフトさせる。これにより、変調信号Aと変調信号Bのインターリーブパターンを異ならせることができると共に、A_b1、A_b2、B_b1、B_b2のインターリーブパターンを異ならせることができる。特に、A_b1、A_b2、B_b1、B_b2のインターリーブパターンを異ならせることにより、図43及び図44のファクターグラフを用いて上述したように、受信品質を改善できる。
同様に、図47(c)及び図48(c)、図47(d)及び図48(d)に示すように、変調信号A、変調信号Bとして16QAM、64QAMの変調信号を送信する場合にも、各ビット(A_b1、A_b2、・・・、B_b1、B_b2、・・・)で送信する符号ブロックにおいて、各ビットに対して異なるシフト量のビットシフトを施すことで、データを送信する順番を、各変調信号の各ビット(A_b1、A_b2、・・・、B_b1、B_b2、・・・)で異なるようにした。
このように、変調信号A、変調信号Bの各ビットに対して異なるシフト量のビットシフトを施すことで、データを送信する順番を各変調信号の各ビットで異なるようにしたことにより、受信機において、反復APPや反復Max−log APPを行った場合の受信品質を改善することができる。
(5−2)実施例2
図49及び図50に、図47及び図48とは異なるインターリーブ処理例を示す。図49は、図46のアンテナ114Aから送信される変調信号(ストリーム)Aについてのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)例を示し、図50は、図46のアンテナ114Bから送信される変調信号(ストリーム)Bについてのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)例を示す。
因みに、図47と図49の関係、および、図48と図50の関係は、図4と図5の関係と同様である。
図49、図50でも、1つのブロック内符号化データが複数のシンボルに割り当てるといった点では図47、図48と同様であり、図47、図48のように並べ替えたときと同様の効果を得ることができる。図49、図50が図47、図48と異なる点は、QPSK、16QAM、64QAMにおいて、一つの符号化後ブロックを固定ビット(例えば、A_b1のみ)に割り当てるのではなく、全てのビット(例えば、16QAMのときにはA_b1、A_b2、A_b3、A_b4)に割り当てるようにした点である。
このような割り当て方を採用した理由について述べる。16QAMのA_b1の受信品質、A_b2の受信品質、A_b3の受信品質、A_b4の受信品質には差がある。ここでは、A_b1の受信品質が最も悪いものとする。すると、例えば、ブロック#1をA_b1のみで送信した場合、ブロック#1は受信品質が悪いブロックとなってしまう。パケット通信を行っている場合、パケットエラーは最も受信品質の悪いブロックの受信品質に影響を受けることになる。したがって、この場合、ブロック#1〜#4の受信品質をなるべく均一にした方が良い。図49、図50のような割り当てを行うとこれを実現できる。さらに、好適には、ブロック#1〜ブロック#4についてA_b1、A_b2、A_b3、A_b4に割り当てる回数をできる限り均一となるようにすると良い。なお、割り当てる回数の差は、高々1回であることが望ましい。因みに、1回の差は、送信シンボル数が必ず4(ビット)の倍数(16QAMが1シンボルに送信できるビット数)であるとは限らないために、どのように割り当てたとしても発生してしまうことがある。
なお、ここでは16QAMのときを例に説明したが、64QAMについても同様の処理を行うことで同様の効果を得ることができる。但し、QPSKの場合は、A_b1、A_b2には受信品質の差がないため、同様の効果を得ることができるとは限らない。しかし、送信装置、受信装置により発生する歪みにより、受信品質に差が発生する可能性は否定できないため、効果が得られる可能性はある。また、図49、図50のようなインターリーブ処理を施して送信し、受信機において反復APPや反復Max−log APPを行えば、受信品質を改善できることは、図47、図48のようなインターリーブ処理を施した場合と同様である。
なお、上述の説明では、ビットシフト量を異なるようにすることで変調信号(ストリーム)毎及び変調信号(ストリーム)内でのインターリーブパターンを異ならせる場合について説明したが、変調信号(ストリーム)毎及び変調信号(ストリーム)内でのインターリーブパターンを異ならせる方法はこれに限ったものではない。例えば、前述のように、変調信号毎にランダムインターリーブを施す方法もある。この場合、演算規模が大きくなるといった欠点はあるが、データの受信品質の改善できるといった点では上述の例と同様の効果が得られる。
また、図33のようなブロックインターリーバを複数用意し、各変調信号の各ビット(A_b1、A_b2、・・・、B_b1、B_b2、・・・)で異なるブロックインターリーブ処理を施すような方法も考えられる。要するに、各変調信号の各ビット(A_b1、A_b2、・・・、B_b1、B_b2、・・・)で異なるデータの並べ替えを行うことが重要な点である。
次に、本実施例の送信装置の構成について詳しく説明する。
図51に、本実施例の送信装置の構成を示す。図51の送信装置5000は、各アンテナから、図47と図48のペア、または、図49と図50のペアの変調信号を送信するための構成例である。なお、図51では、図28、図32と同様に動作する構成要素については同一符号を付している。
図51の送信装置5000が、図28の送信装置2900及び図32の送信装置3300と異なる点は、ストリームA送信信号生成部5010及びストリームB送信信号生成部5020によって、2つのストリームS1_A、S1_Bから2つの送信信号S4_A、S4_Bを生成し、これらを2つのアンテナ17_A、17_Bから送信する点である。
加えて、符号化部11とマッピング部3304の間に順番入替部5001が設けられている点である。
はじめに、ストリームA送信信号生成部5010について説明する。符号化部11_1、11_2、11_3、11_4、11_5、11_6は同一の符号化器で構成されている。このようにすることで、続く順番入替部5001_1、5001_2、5001_3、5001_4、5001_5、5001_6の順番入替(インターリーブパターン)を異ならせれば、図44のファクターグラフを用いて上述したように受信品質を向上させることができる。
各順番入替部5001_1、5001_2、5001_3、5001_4、5001_5、5001_6は、それぞれ異なる順番入れ替えを行う。実際上、順番入替部5001_1は、符号化データ2902_1、制御信号S10を入力とし、制御情報のフレーム構成にしたがい、例えば、図47のようなデータの順番の入れ替えを行い、順番入れ替え後の符号化データ5002_1を出力する。順番入替部5001_2、5001_3、5001_4、5001_5、5001_6についても、順番入替部5001_1と同様の動作を行う。
マッピング部3304は、制御信号S10に含まれるフレーム構成に関する情報に基づいて、順番入れ替え後の符号化データ5002_1、5002_2、5002_3、5002_4、5002_5、5002_6をマッピング処理することで、送信シンボル、つまりベースバンド信号S3を得る。
ここで、当然であるが、変調方式に応じて、動作させる符号化部11の数及び順番入替部5001の数は異なる。
ストリームB送信信号生成部5020の構成は、ストリームA送信信号生成部5010の構成と同様である。重要なのは、一つに、ストリームA用の符号化部11と、ストリームB用の符号化部(図示せず)とを同一の符号化方式とすることである。また、一つに、ストリームA用の順番入替部5001とストリームB用の順番入替部(図示せず)の順番入替処理を、例えば図47及び図48に示したように、すべて異なるようにすることである。これにより、受信装置は品質の高いデータを得ることができる。
図50の送信装置5000から送信された送信信号を受信する受信装置は、例えば上述した図41Bに示したように構成すればよい。
(5−3)実施例3
上述した(5−1)実施例1の項及び(5−2)実施例2の項では、図47と図48のペアの変調信号(ストリーム)A、B、または、図49と図50のペアの変調信号(ストリーム)A、Bといったように、変調信号(ストリーム)間でのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)を異ならせる場合について説明したが、各変調信号(ストリーム)間でのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)を同一にし、別の手段でインターリーブを異なるようにする方法について以降で説明する。
例えば、アンテナ114A(又は17_A)から送信する変調信号(ストリーム)Aのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)と、アンテナ114B(又は17_B)から送信する変調信号(ストリーム)Bのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)を、共に図47に示すものとしてもよい。同様に、例えば、アンテナ114A(又は17_A)から送信する変調信号(ストリーム)Aのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)と、アンテナ114B(又は17_B)から送信する変調信号(ストリーム)Bのインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)を、共に図49に示すものとしてもよい。
このように、変調信号(ストリーム)Aのフレーム構成と変調信号(ストリーム)Bのフレーム構成を同一にすれば、変調信号(ストリーム)Aの符号化部及び順番入替部と、変調信号(ストリーム)Bの符号化部及び順番入替部とを、同一構成とすることができるので、その分だけ回路の共通化を図ることができ、送信装置の構成を簡単化できる。
図52は、本実施例の、異なるインターリーブパターンを採用した場合と同様の効果を得ることができる送信装置の構成を示す。図52の送信装置5300は、図51の送信装置5000と比較して、OFDM信号を送信する点で異なるが、本実施の形態の特徴であるインターリーブ処理(すなわちシンボルへのビット割り当て処理)については、図51の送信装置5000と同様である。以降では、(5−2)実施例2の項でした特徴以外の、本実施例の構成で独特の重要な点について説明する。
図51との対応部分に同一符号を付して示す図52において、送信装置5300は、ストリームA送信信号生成部5310及びストリームB送信信号生成部5320を有する。ここで、ストリームA送信信号生成部5310と、ストリームB送信信号生成部5320の概略構成は一部を除いてほぼ同様なので、以下ストリームA送信信号生成部5310の構成を例にとって説明する。
並べ替え部5301は、ベースバンド信号3305を入力とし、並べ替えを行い、並べ替え後のベースバンド信号5302を出力する。シリアルパラレル変換部(S/P)5303は、並べ替え後のベースバンド信号5302を入力とし、シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号5304を出力する。逆フーリエ変換部(IFFT)5305は、パラレル信号5304を入力とし、逆フーリエ変換を行い、逆フーリエ変換後の信号S3すなわちOFDM信号を出力する。無線部16は、逆フーリエ変換後の信号S3を入力とし、周波数変換、増幅等の処理を施すことで送信信号S4_Aを形成する。送信信号S4_Aはアンテナ17_Aから電波として出力される。
送信装置5300において、重要な点は、ストリームA送信信号生成部5310が有する並べ替え部(5301)と、ストリームB送信信号生成部5320が有する並べ替え部(図示せず)との並べ替え処理を異なるようにした点である。この点について、図53を用いて詳しく説明する。
ストリームA送信信号生成部5310の並べ替え部5301で行う並べ替え処理と、ストリームB送信信号生成部5320の並べ替え部(図示せず)で行う並べ替え処理とを異なるようにすれば、各アンテナ17_A、17_Bから送信されるOFDM信号の、周波数(サブキャリア)に対するシンボルの割り当てをアンテナ間で異ならせることができる。
図53は、異なるインターリーブパターンを採用した場合と同様の効果を得ることができるシンボルの割り当て例を示す。図53Aは、周波数軸方向にシンボルを規則的に配置する例を示している。図53Bは、周波数軸方向にシンボルをランダムに配置する例を示している。なお、図53における数字はシンボルの割り当ての順番を示している。図53のように、アンテナ17_Aで送信するストリームAとアンテナ17_Bで送信するストリームの周波数方向でのシンボル割り当てを異なるようにすれば、受信機において、反復APP又は反復Max−log APPを行うことで、受信品質を改善できる。
(5−4)実施例4
上述した図47及び図48の例では、ストリームAの変調方式とストリームBの変調方式とが同一の場合のインターリーブ処理(シンボルへのビット割り当て)例を説明したが、ストリームAの変調方式とストリームBの変調方式が異なる場合も考えられる。この場合、ビットシフト量を、固定でなく、変調方式に応じて変えればよい。そのときの例について、図54を用いて詳しく説明する。
図54Aは、ストリームA、ストリームBの変調方式が共にQPSKの場合における、アンテナ114A(ストリームA)とアンテナ114B(ストリームB)に対する、インターリーブ処理(シンボルへのビット割り当て)例を示している。図54Aに示した処理は、図47(b)及び図48(b)に示した処理と同様である。
図54Bは、本実施例で提示する、アンテナ114A(ストリームA)とアンテナ114B(ストリームB)に対する、インターリーブ処理(シンボルへのビット割り当て)例を示す。図54Bでは、ストリームAの変調方式が16QAM、ストリームBの変調方式がQPSKである場合について示されている。
図54Aに示したアンテナ114B(ストリームB)についてのシンボルへのビット割り当て処理と、図54Bに示したアンテナ114B(ストリームB)についてのビット割り当て処理を比較すればわかるように、本実施例で提示するインターリーブ方法においては、アンテナ114A(ストリームA)に施す変調方式に応じて、アンテナ114B(ストリームB)についてのビットシフト量(並べ替えパターン)を異ならせるようになっている。
このような処理は、ストリームAの変調方式とストリームBの変調方式とが異なることまで許可したシステムに有効である。つまり、このようなシステムの場合、図47と図48や、図49と図50のようなフレーム構成では十分でなく、図54Bのようなフレーム構成(シンボルへのビット割り当て処理)も追加する必要がある。
これを実現するためには、例えば、図51の送信装置5000を例にとれば、制御信号S10に含まれる変調方式の情報に応じて、順番入替部5001_1〜5001_6の入れ替えパターンを切り替えればよい。これにより、ストリームAとストリームBの変調方式が同一の場合だけでなく、異なる場合にも、各ストリーム間及び各ストリーム内でのシンボルへのビット割り当てパターンを異なるように設定することができる。この結果、ストリームAとストリームBの変調方式が異なる場合にも、受信機において、反復APP又は反復Max−log APPを行うことで、受信品質を改善できる。
(5−5)効果
以上のように、本実施例1〜4によれば、各ストリーム(送信データ)に対してブロック符号化処理を施して各ストリームのブロック符号化データを形成する符号化部と、各ストリームのブロック符号化データを並べ替える複数の並べ替え部(順番入替部)と、並べ替え後のブロック符号化データを変調することで異なる符号化ブロックの符号化データが集まって構成されたデータシンボルを形成する変調部(マッピング部)とを有する送信装置において、前記複数の並べ替え部(順番入替部)の並べ替えパターンをそれぞれ異なるようにしたことにより、変調多値数を大きくした場合でも符号化ブロックのブロックサイズを変えることなく比較的簡易な構成によりバースト誤りを抑制でき、かつ、受信装置で反復復号を行った際の受信品質を改善することができる。
なお、実施例1〜4では、主に、空間多重MIMOシステムの場合について説明したが、図47と図48の並べ替えパターン、又は、図49と図50の並べ替えパターンを、図45に示したような、シングルアンテナから複数のストリームの信号(符号化データ)を送信する送信装置のインターリーバ(πa)4202_1とインターリーバ(πb)4202_2のインターリーブパターンとして採用しても、受信装置側で、反復検波を行った際の受信品質を向上させることができる。このことは、ファクターグラフを考察すれば理解できる。
つまり、例えば、図47、図48、図49、図50のフレーム構成のように、複数の符号化データにおいて、符号化データごとに異なるインターリーブ(並び替え)を施すことで、受信装置側で、反復検波を行った際、データの受信品質を向上させることができる。なお、図47、図48、図49、図50のフレーム構成のように、送信装置において、変調方式を通信状況によって切り替えてもよい。このような送信装置は、例えば図51、図52、図56のストリームAの送信信号生成部5010、5310、5610の構成を用いることで、実現することができる。
また、例えば、図6、図7、図27のフレーム構成においても、異なる符号化データに対して異なるインターリーブ(並び替え)を施す(例えば、符号化データ#1と符号化データ#2で異なるインターリーブパターンとする)ことは、上述と同様に有効である。要するに、シンボルを複数の符号化データで構成する場合に、異なる符号化データに対して異なるインターリーブパターンを用いることは、受信装置側でのデータの受信品質を向上させる上で有効である。
(5−6)実施例5
本実施例では、アンテナ毎に同一の符号化処理を施す複数の符号化部を設ける場合とは異なる構成例を示す。
図52との対応部分に同一符号を付して示す図55において、送信装置5500は、送信データ(ストリーム)S1を符号化部5501に入力する。符号化部5501は、送信データS1を符号化し、符号化データ5502を出力する。なお、符号化部5501は、実質的には、1つの符号化部で図52のような複数の符号化部11_1〜11_6の機能を果たすように構成されている。順番入替部5503は、符号化部5501から出力された符号化データ5502の順番を入れ替え、順番入れ替え後のデータ5504を出力する。順番入替部5503は、例えば、図47、図48、図49又は図50いずれかに示される順番の入れ替えを行い、順番入れ替え後のデータ5504を振り分け部5505に出力する。
振り分け部5505は、順番入れ替え後のデータ5504を、マッピング部5507_A及びマッピング部5507_Bに振り分けて出力する。このように、送信装置5500においては、1系統の符号化部5501及び順番入替部5503によって得られた順番入れ替え後のデータ5504を、振り分け部5505によって複数のマッピング部5507_A、5507_Bに振り分けるようにしている。これにより、送信装置5500においては、順番入替部5503によって、並べ替え後のデータ5506_A、データ5506_Bが異なる並び替えパターンとなるような並び替え処理を敢えて行わなくても(すなわち、順番入替部5503によって、例えば図47、図48、図49又は図50いずれかに1つに示される単一の並び替え処理を行うだけで)、受信側で図44に示したようなファクターグラフが得られ、受信品質を改善することができる。このように、送信データS1を1つの符号化部5501に入力し、順番入れ替え後のデータ5504を各アンテナ17_A、17_Bに割り当てる構成を採用すれば、簡易な構成で、上述した実施例1〜4と同様の効果を得ることができる。
(5−7)実施例6
上述した例では、各アンテナ間で同一の符号化を行った場合について説明したが、ファクターグラフの考察から、例えば図51のストリームA送信信号生成部5010に設けられた符号化部と、ストリームB送信信号生成部5020に設けられた符号化部とで異なる符号化を行った場合でも、上述と同様に受信品質の向上効果は得られる。ただし、このようにした場合、ストリーム間で符号化部を共用できないので、演算規模及び回路規模が大きくなる。なお、当然、ストリーム間で異なる符号化を行う処理と、ストリーム間で異なる順番入替を行う処理とを併用して実施してもよい。
なお、本実施の形態では、主に、ブロック符号としてLDPC符号を用いる場合について説明したが、LDPC符号以外のブロック符号にも広く適用できる。LDPC符号以外のブロック符号としては、BCH符号、リード・ソロモン符号等がある。また、本実施の形態では、主に、LDPC符号等のブロック符号を用いる場合を例に説明しているが、本実施の形態によるシンボルへのビット割り当てはターボ符号や畳み込み符号などのトレリス符号を用いる場合でも適用できる。
また、本実施の形態は、シングルキャリア、OFDMの場合を例に説明したが、CDMAやOFDM以外の他のマルチキャリア方式にも、広く適用することができる。
また、本実施の形態では、送信アンテナ数2、受信アンテナ数2、送信変調信号数(ストリーム数)2の場合を例に説明したがこれに限ったものではなく、送信アンテナ数3以上、送信変調信号数3以上の場合についても同様に実施することができるとともに同様の効果を得ることができる。
因みに、本実施の形態では、主に、空間多重MIMOシステムを前提としているので、データシンボルは、同一時刻に、同一周波数に配置されて送信される。また、式(1)に示すようなチャネル変動を推定するために、既知の信号である、パイロットシンボル、プリアンブル、通信相手に変調方式を通知するための制御信号は、データシンボルとは別に送信される。
(実施の形態9)
実施の形態8では、ブロック符号を採用した場合の実施の形態を述べたが、本実施の形態では、例えば、畳み込み符号やターボ符号等のトレリス符号を採用した場合の実施方法について詳しく説明する。
図51との対応部分に同一符号を付して示す図56において、送信装置5600は、ストリームA送信信号生成部5610と、ストリームB送信信号生成部5620とを有し、これらによって、アンテナ17_Aから送信する送信信号S4_Aと、アンテナ17_Bから送信する送信信号S4_Bとを生成する。ストリームA送信信号生成部5610と、ストリームB送信信号生成部5620とは、同様の構成なので、代表して、ストリームA送信信号生成部5610の構成について詳しく説明する。
ストリームA送信信号生成部5610は、符号化部11_1〜11_6とマッピング部3304との間に、インターリーバ5601_1〜5601_6が設けられている。インターリーバ5601_1〜5601_6は、符号化データ2902_1〜2902_6を入力し、インターリーブ後のデータ5602_1〜5602_6をマッピング部3304出力する。
ここで、ストリームA送信信号生成部5610の各符号化部11_1〜11_6は、同一のトレリス符号化(例えば畳み込み符号化やターボ符号化)を行う。ストリームB送信信号生成部5620の各符号化部(図示せず)も、ストリームA送信信号生成部5610の各符号化部11_1〜11_6と同一のトレリス符号化を行う。これにより、例えば、高速な符号化処理、又は符号化部の共有化が可能となる。必ずしもストリームAとストリームBとで同一の符号化を行う必要はないが、符号化処理を共通化すれば、符号化処理の高速化及び回路規模の削減という点で有利である。
各インターリーバ5601_1〜5601_6のインターリーブパターンは、実施の形態8の順番入替部5001_1〜5001_6(図51)と同様に異なるように設定されている。ストリームA送信信号生成部5610のインターリーバ5601_1〜5601_6のインターリーブパターンだけでなく、ストリームB送信信号生成部5620のインターリーバ(図示せず)を含めた全てのインターリーバのインターリーブパターンが異なるように設定されている。
異なるインターリーブパターンを設定する方法としては、例えば、図33のようなブロックインターリーバを用いる場合、インターリーバ5601_1〜5601_6のインターリーブパターンの読み出し方向及び又は書き込み方向の段数を異なるように設定すればよい。また、すべて異なるランダムなインターリーバを用いてもよい。
因みに、実施の形態8のファクターグラフでは、LDPC符号を例に、VIP(Varying Interleave Pattern)による効果を説明しているが、畳み込み符号やターボ符号をsum−product復号した場合でも、同様のファクターグラフを描くことができるので、畳み込み符号やターボ符号にVIPを採用した場合でも、実施の形態8と同様に受信品質の向上効果を得ることができる。
つまり、本実施の形態によれば、畳み込み符号やターボ符号等のトレリス符号にVIPを採用したことにより、受信装置で、反復APP又は反復Max−log APPを行うことで、実施の形態8と同様の理由から、受信品質を改善できる。
次に、トレリス符号として、特に、ターボ符号を用いる場合について詳しく説明する。
図57は、ターボ符号化器の構成例を示す。要素符号化器#1は、データ5701を入力とし、符号化データ5703を出力する。インターリーバ5704は、データ5701を入力とし、インターリーブ後のデータ5705を出力する。要素符号化部#2は、インターリーブ後のデータ5705を入力とし、符号化データ5707を出力する。パンクチャ・多重部5708は、符号化データ5703、5707を入力とし、これらをパンクチャ及び多重化処理し、パンクチャ及び多重後の符号化データ5709を出力する。多重部5710は、データ5701、パンクチャ・多重後の符号化データ5709を入力とし、これらを多重化して多重後のデータ5711を出力する。
図56の符号化部11_1〜11_6は、図57のターボ符号化器で構成される。したがって、上述の説明におけるインターリーバ5601_1〜5601_6を設ける場合には、ターボ符号化器に搭載されているインターリーバ5704を流用する場合と、インターリーバ5704とは別個に設ける場合とがある。
ターボ符号化器に搭載されているインターリーバ5704を流用する場合、上記説明のようにインターリーブパターンを異なるように設定しようとすると、以下のような不都合が生じる。
<1>ターボ符号においては、符号化器におけるインターリーバの設計が、受信品質を確保する上で重要である。そして、符号として、性能が良いインターリーブパターンを複数用意するのは困難である。
<2>たとえ、異なるインターリーブパターンを用意できたとしても、受信装置において、それぞれに対応する復号器を設計するのは困難である。また、異なる復号器を搭載すると、受信装置の回路規模が大きくなる。因みに、同一の符号を用いる場合は、共通化等を容易に行うことができるので、受信装置の回路規模は小さくて済む。
このように、回路規模の点を考慮すると、ターボ符号化器に搭載されているインターリーブパターンを異なるようにすることは好ましくない。
本実施の形態では、係る点を考慮して、ターボ符号化器のインターリーバとは別個に、符号化部11_1〜11_6の後段にそれぞれインターリーブパターンの異なる複数のインターリーバ5601_1〜5601_6を設けた。これにより、受信装置で、反復APP又は反復Max−log APPを行うことで、実施の形態8と同様の理由から、受信品質を改善できる。因みに、実施の形態8と同様に、ストリームAの変調方式とストリームBの変調方式は同一でも、異なっていても、受信品質の改善効果は得られる。
図56の送信装置5600から送信された送信信号を受信する受信装置は、例えば上述した図41Bに示したように構成すればよい。
図56とは異なる送信装置の構成例として、図52のような構成も考えることができる。図52の順番入替部5001_1〜5001_6が、図56のインターリーバ5601_1〜5601_6に相当する。したがって、図52の各順番入替部5001_1〜5001_6の入れ替えパターン(インターリーブパターン)をそれぞれ異なるものに設定する。ただし、ストリームA送信信号生成部5310とストリームB送信信号生成部5320の入れ替えパターンは同一とする。また、サブキャリアに対するシンボル割り当てを決めるための、並べ替え部5301の並べ替えパターンを、ストリームAとストリームBとで異なるように設定する。これにより、上記と同様の効果を得ることができるので、受信装置におけるデータの受信品質が向上する。
以上のように、本実施の形態によれば、各ストリーム(送信データ)に対してトレリス符号化処理を施してトレリス符号化データを形成する符号化部と、各ストリームのトレリス符号化データを並べ替える複数のインターリーバと、並べ替え後のトレリス符号化データを変調することで異なるトレリス内符号化データが集まって構成されたデータシンボルを形成する変調部(マッピング部)とを有する送信装置において、前記複数のインターリーバの並べ替えパターンをそれぞれ異なるようにしたことにより、変調多値数を大きくした場合でも符号化ブロックのブロックサイズを変えることなく比較的簡易な構成によりバースト誤りを抑制でき、かつ、受信装置で反復復号を行った際の受信品質を改善することができる。
なお、本実施の形態は、シングルキャリア、OFDMの場合を例に説明したが、CDMAやOFDM以外の他のマルチキャリア方式にも、広く適用することができる。
本実施の形態では、空間多重MIMOシステムを前提としているので、データシンボルは、同一時刻に、同一周波数に配置されて送信される。また、式(1)に示すようなチャネル変動を推定するために、既知の信号である、パイロットシンボル、プリアンブル、通信相手に変調方式を通知するための制御信号は、データシンボルとは別に送信される。
また、本実施の形態では、送信アンテナ数2、受信アンテナ数2、送信変調信号数(ストリーム数)2の場合を例に説明したがこれに限ったものではなく、送信アンテナ数3以上、送信変調信号数3以上の場合についても同様に実施することができるとともに同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、トレリス符号の場合について説明したが、実施の形態7で述べたように、トレリス符号とブロック符号を組み合わせたときも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、特に、空間多重MIMOシステムの場合について説明したが、図45に示したような、シングルアンテナから複数のストリーム(符号化データ)の信号を送信する送信装置において、符号化部(outer encoder)4201_1、4201_2でトレリス符号化処理を行い、インターリーバ(πa)4202_1とインターリーバ(πb)4202_2とのインターリーブパターンを異なるようにすれば、受信装置側で、反復検波を行った際、インターリーブパターンを同一にした場合と比較し、より多くの時刻(または周波数)の信頼度伝播が行われるようになる。したがって、時間(場合によっては周波数)及び空間ダイバーシチゲインが向上する可能性が高くなり、これにより、データの受信品質を向上させることができる。このことは、ファクターグラフを考察すれば理解できる。
つまり、例えば、図47、図48、図49、図50のフレーム構成のように、複数の符号化データにおいて、符号化データごとに異なるインターリーブ(並び替え)を施すことで、受信装置側で、反復検波を行った際、データの受信品質を向上させることができる。なお、図47、図48、図49、図50のフレーム構成のように、送信装置において、変調方式を通信状況によって切り替えてもよい。このような送信装置は、例えば図51、図52、図56のストリームAの送信信号生成部5010、5310、5610の構成を用いることで、実現することができる。
また、例えば、図6、図7、図27のフレーム構成においても、異なる符号化データに対して異なるインターリーブ(並び替え)を施す(例えば、符号化データ#1と符号化データ#2で異なるインターリーブパターンとする)ことは、上述と同様に有効である。要するに、シンボルを複数の符号化データで構成する場合に、異なる符号化データに対して異なるインターリーブパターンを用いることは、受信装置側でのデータの受信品質を向上させる上で有効である。
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で説明したビット割り当て方法を用い、かつ、OFDM等のマルチキャリア方式を用いたアクセス方式を適用したときの実施方法について説明する。ここでは、一例として、OFDMを用いたときの実施方法について詳しく説明する。
図59は、基地局と端末の通信状況の一例を示している。図59において、基地局5901は、端末A、端末B、端末C、端末Dと通信している。ここでは、端末A〜端末Dのみ示しているが、実際には、他の端末が存在する。図59A及び図59Bは、それぞれ次の各ケースで、基地局5901から端末A〜端末Dに電波を送信する場合を示している。
ケース1(図59A): 基地局と端末A〜端末Dの距離が遠い場合
ケース2(図59B): 基地局と端末A〜端末Dの距離が近い場合
これらのケースを例に、本実施の形態を説明する。ただし、本実施の形態において、端末A、端末B、端末C、端末Dという名をつけて記載しているが、これは、端末を識別するために名付けたものであって、端末Aが常に固定の端末であるということを示すために名付けたものではない。
図60は基地局と端末の間でのデータの流れの一例を示しており、図60(a)は基地局から端末に送信される信号を示し、図60(b)は端末から基地局に送信される信号を示している。
制御情報シンボル6001は、基地局が端末を制御するための情報を伝送するためのシンボルである。パイロットシンボル6002は、例えば送受信機で既知のシンボルであり、端末は、パイロットシンボルを受信し、このパイロットシンボルの受信状態に基づいて、例えば、チャネル変動を推定し、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を作成する。
フィードバック情報6003_1は、端末Aが基地局に送信するフィードバック情報を示しており、例えば、前述のCSIをフィードバック情報6003_1として送信する。同様に、フィードバック情報6003_Xは、端末Xが基地局に送信するフィードバック情報を示している。
送信方法通知シンボル6004は、周波数割り当て、変調方式、符号化率等の情報を含むシンボルである。基地局は、端末から送信されたフィードバック情報に基づいて、送信方法を決定し、決定した送信方法に従ってデータシンボルを形成して送信する。送信方法通知シンボル6004は、その送信方法の情報を通知するためのシンボルである。この送信方法については、後述する。
チャネル推定シンボル6005は、端末がチャネル変動を推定するためのシンボルである。端末は、受信したチャネル推定シンボル6005を基にチャネル変動を推定し、推定したチャネル変動を基にデータシンボル6006を復調する。基地局は、チャネル推定シンボル6005に続いてデータシンボル6006を送信する。
図61は、変調方式がQPSK、16QAMのときのシンボルへのビット割り当て方法の一例を示している。図61Aは、ケース1(図59Aに示したように、基地局と端末A〜端末Dの距離が遠い場合)のときの、シンボルへのビット割り当て方法の一例を示している。また、図61Bは、ケース2(図59Bに示したように、基地局と端末A〜端末Dの距離が近い場合)のときの、シンボルへのビット割り当て方法の一例を示している。
ケース1の場合、端末A〜端末Dにおいて基地局からのデータの受信品質を確保するために、QPSK変調方式を選択する。そのときのQPSKへのビットの割り当て方法の一例が、図61Aの(X)及び図61Bの(Y)に示されている。
図61の#X−Yは、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7の説明と同様で、X番目の符号化ブロック(データ)のY番目(100ビットの中のY番目)のビットを示している。例えば#1−1は、1番目の符号化ブロック(データ)の1番目のビットを示す。同様に、例えば#2−48は、2番目の符号化ブロック(データ)の48番目のビットを示す。
図61Aのフレーム構成では、QPSKのb1のビットを用いて1番目の符号化ブロック(データ)#1に関連するデータが送信され、b2のビットを用いて2番目の符号化ブロック(データ)#2に関連するデータが送信される。図61Aの(X)における#1(符号化ブロック(データ)#1)は、基地局が端末Aに送信するデータであり、図61Aの(X)における#2(符号化ブロック(データ)#2)は、基地局が端末Bに送信するデータである。図61Aの(Y)における#1(符号化ブロック(データ)#1)は、基地局が端末Cに送信するデータであり、図61Aの(Y)における#2(符号化ブロック(データ)#2)は、基地局が端末Dに送信するデータである。
ケース2の場合、端末A〜端末Dにおいて基地局からのデータの受信品質は確保できるため、16QAMを選択する。そのときの16QAMへのビットの割り当て方法の一例が、図61Bである。
図61Bのフレーム構成では、16QAMのb1のデータを用いて1番目の符号化ブロック(データ)#1に関連するデータが送信され、b2のビットを用いて2番目の符号化ブロック(データ)#2に関連するデータが送信され、b3のビットを用いて3番目の符号化ブロック(データ)#3に関連するデータが送信され、b4のビットを用いて4番目の符号化ブロック(データ)#4に関連するデータが送信される。図61Bにおける#1(符号化ブロック(データ)#1)は、基地局が端末Aに送信するデータであり、図61Bにおける#2(符号化ブロック(データ)#2)は、基地局が端末Bに送信するデータあり、図61Bにおける#3(符号化ブロック(データ)#3)は、基地局が端末Cに送信するデータであり、図61Bにおける#4(符号化ブロック(データ)#4)は、基地局が端末Dに送信するデータである。
図62は、基地局が送信する変調信号の時間―周波数軸におけるフレーム構成の一例を示しており、OFDM方式を用いているものとする。図62では、簡略化するために、図60のデータシンボル6006のみのフレーム構成を示している。図62Aは、ケース1(図59Aに示すように、基地局と端末A〜端末Dの距離が遠い場合)のときのフレーム構成、図62Bは、ケース2(図59Bに示すように、基地局と端末A〜端末Dの距離が近い場合)のときのフレーム構成を示している。
ケース1の場合、基地局は、図61で説明したように、端末Aのデータと端末Bのデータにより、QPSKの1シンボルを構成し、図62Aの参照符号6201で示したように、キャリア1、キャリア2、キャリア3を用いて、端末Aのデータ及び端末Bのデータを送信する。同様に、基地局は、端末Cのデータと端末Dのデータにより、QPSKの1シンボルを構成し、図62Aの参照符号6202で示したように、キャリア4、キャリア5、キャリア6を用いて、端末Cのデータ及び端末Dのデータを送信する。そして、他のキャリア(キャリア7、キャリア8、キャリア9、キャリア10)は、端末A〜端末D以外の端末へデータを送信する際に用いられる。
ケース2の場合、基地局は、図61で説明したように、端末Aのデータ、端末Bのデータ、端末Cのデータ、端末Dのデータにより16QAMの1シンボルを構成し、図62Bの参照符号6203で示したように、キャリア1、キャリア2、キャリア3を用いて、端末Aのデータ、端末Bのデータ、端末Cのデータ、端末Dのデータを送信する。そして、他のキャリア(キャリア4、キャリア5、キャリア6、キャリア7、キャリア8、キャリア9、キャリア10)は、端末A〜端末D以外の端末へデータを送信する際に用いられる。
図63は、図62のフレーム構成の信号を送信するための基地局の構成の一例を示している。基地局6300のセレクタ6301は、データS1を入力とし、データS1を各端末のデータへと振り分ける。具体的には、セレクタ6301は、端末Aに送信するためのデータ6302_1、端末Bに送信するためのデータ6302_2、・・・、端末Xに送信するためのデータ6302_Xを出力する。
符号化部6203_1は、端末Aに送信するためのデータ6302_1を入力とし、端末Aに送信するための符号化データ6304_1を得る。符号化部6203_2は端末Bに送信するための符号化データ6304_2を得る。同様にして、端末Cに送信するための符号化データ6304_3、端末Dに送信するための符号化データ6304_4、・・・、端末Xに送信するための符号化データ6304_Xが得られる。
マッピング部6305は、端末Aに送信するための符号化データ6304_1、端末Bに送信するための符号化データ6304_2、端末Cに送信するための符号化データ6304_3、端末Dに送信するための符号化データ6304_4、・・・、端末Xに送信するための符号化データ6304_X、および、フレーム構成信号6321を入力とし、図60、図61、図62のフレーム構成となるように、マッピングを行うことで、送信シンボル、つまりベースバンド信号6306を得、これを出力する。
シリアルパラレル変換部(S/P)6307は、ベースバンド信号6306を入力とし、シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号6308を出力する。逆高速フーリエ変換部(IFFT)6309は、パラレル信号6308を入力とし、逆フーリエ変換を行い、逆フーリエ変換後の信号6310を出力する。無線部6311は、逆フーリエ変換後の信号6310を入力とし、周波数変換、増幅等の処理を施し、これにより得た送信信号6312を出力する。送信信号6312は、アンテナ6313から、電波として出力される。
受信部6316は、アンテナ6314で受信された受信信号6315を入力とし、周波数変換、復調、復号等の処理を施し、受信ディジタル信号6317を出力する。送信方法決定部6318は、受信ディジタル信号6317を入力とし、端末から送信されたフィードバック情報(例えば、各端末が送信したCSI)を基に、各端末宛の信号の送信方法を決定し、その情報6319を出力する。
フレーム構成信号生成部6320は、各端末宛の信号の送信方法の情報6319を入力とし、この送信方法の情報6319に基づいてフレーム構成(周波数割り当て、変調方式、符号化率等)を決定し、決定した情報をフレーム構成信号6321としてセレクタ6301、符号化部6303_1〜6303_X、マッピング部6305に出力する。
図64は、本実施の形態における端末の構成の一例を示している。端末6400の無線部6403は、受信アンテナ6401で受信した受信信号6402を入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号6404を出力する。チャネル変動推定部6405は、ベースバンド信号6404を入力とし、ベースバンド信号6404に含まれるパイロットシンボル6002(図60)に基づいてチャネル変動を推定し、チャネル推定信号6406を出力する。
対数尤度演算部6407は、ベースバンド信号6404、チャネル推定信号6406を入力とし、非特許文献3〜非特許文献8に示されているような方法で対数尤度比を計算し、各ビットの対数尤度比6408を出力する。ビット選択部6409は、各ビット対数尤度比6408、フレーム構成信号6420を入力とし、図62のフレーム構成において、自局宛のビットのみ選択し、選択したビットの対数尤度比6410を出力する。復号部6411は、選択したビットの対数尤度比6410を入力とし、復号を行うことで受信データ6412を得、これを出力する。
フィードバック情報生成部6413は、チャネル推定信号6406を入力とし、このチャネル推定信号6406を基にフィードバック情報6414を作成し、これを出力する。フィードバック情報6414は、例えばチャネル推定信号6404を量子化した情報としてもよいし、基地局に送信して欲しいサブキャリアの候補に関する情報でもよい。また、フィードバック情報6414は、上記の例に限らず、基地局が、サブキャリアの配置を判断できる情報であれば、いかなる情報でもよい。例えば、ビットエラー率、パケットエラーの発生に関する情報(ACK/NACK)でもよい。
送信部6416は、フィードバック情報6414、送信データ6415を入力とし、これらから基地局宛の変調信号6417を得る。変調信号6417は、電波としてアンテナ6418から出力される。
以上のようにすることで、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で説明したビット割り当て方法を、OFDM等のマルチキャリア方式のアクセス方式に適用して実施することができる。このとき、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で説明した効果に加え、各端末宛の信号(ビット)を適切なサブキャリアに配置できるため、各端末宛の信号は、周波数ダイバーシチゲインが得られるという効果を得ることができる。
次に、図61とは異なるビットの割り当て方法の一例を、図65に示す。図65が図61と異なる点は、例えばQPSKの場合、図65Aに示すように、符号化ブロック#1、符号化ブロック#2のそれぞれのデータが固定ビット(例えば、b1のみ又はb2のみ)に配置されるのではなく、両方のビットb1、b2に配置されるようになっている点である。同様に、16QAMの場合、図65Bに示すように、符号化ブロック#1、符号化ブロック#2、符号化ブロック#3、符号化ブロック#4のそれぞれのデータが固定ビット(例えば、b1のみ、b2のみ、b3のみ又はb4のみ)に配置されるのではなく、複数のビットb1、b2、b3、b4に配置されるようになっている点である。この点は、図5と同様である。
図62のフレーム構成とは異なるフレーム構成の一例を、図66に示す。図66のフレーム構成が図65のフレーム構成と異なる点は、時間と共に使用するサブキャリアが変化する点である。
図66Aは、ケース1の場合のフレーム構成であり、基地局は、端末Aのデータ及び端末Bのデータにより、QPSKの1シンボルを構成し(図66Aにおいて、“端末A,B”に相当)、端末Cのデータ及び端末Dのデータにより、QPSKの1シンボルを構成する(図66Aにおいて、“端末C,D”に相当)。
図66Bは、ケース2の場合のフレーム構成であり、基地局は、端末Aのデータ、端末Bのデータ、端末Cのデータ、端末Dのデータにより、16QAMの1シンボルを構成する(図66Bにおいて、“端末A,B,C,D”に相当)。
図66のようなフレーム構成としても、図62と同様に実施することができる。
他のフレーム構成方法について、以下で説明する。図67は、上記とは異なるフレーム構成の一例を示している。図67の特徴としては、時間の経過に伴って周波数割り当て(サブキャリア割り当て)を変更する点である。図67Aは、ケース1の場合のフレーム構成であり、基地局は、端末Aのデータ及び端末Bのデータにより、QPSKの1シンボルを構成し(図67Aにおいて、参照符号6701で示された“端末A,B”に相当)、端末Cのデータ及び端末Dのデータにより、QPSKの1シンボルを構成する(図67Aにおいて、参照符号6702で示された“端末C,D”に相当)。そして、時間の経過に伴って、サブキャリアの割り当てが図67Aのように変更される。
図67Bは、ケース2の場合のフレーム構成であり、基地局は、端末Aのデータ、端末Bのデータ、端末Cのデータ、端末Dのデータにより、16QAMの1シンボルを構成する(図67Bにおいて、参照符号6703で示された“端末A,B,C,D”に相当)。そして、時間の経過に伴って、サブキャリアの割り当てが図67Bのように変更される。
図68は、上記とは異なるフレーム構成の一例を示している。図68の特徴としては、時間の経過に伴って周波数割り当て(サブキャリア割り当て)を変更すると共に、1シンボルを形成する端末のデータを時間の経過に伴って変更する点である。図68において、図67と同様のものについては同一符号を付した。
図68Aは、ケース1の場合のフレーム構成である。時刻iにおいて、基地局は端末B、端末Cとの通信を完了する。そして、新たに基地局は、端末P、端末Qとの通信を開始するものとする。このとき、基地局は、端末Aのデータ及び端末Pのデータにより、QPSKの1シンボルを構成し(図68Aにおいて、参照符号6801で示された“端末A、P”に相当)、端末Qのデータ及び端末Dのデータにより、QPSKの1シンボルを構成する(図68Aにおいて、参照符号6802で示された“端末Q,D”に相当)。
図68Bは、ケース2の場合のフレーム構成であり、時刻iにおいて、基地局は端末B、端末Dとの通信を完了する。そして、新たに基地局は、端末P、端末Qとの通信を開始するものとする。このとき、基地局は、端末Aのデータ、端末Pのデータ、端末Cのデータ、端末Qのデータにより、16QAMの1シンボルを構成する(図68Bにおいて、参照符号6803で示された“端末A,P,C,Q”に相当)。
図69は、上記とは異なるフレーム構成の一例を示している。図69のフレーム構成は、図66と図68のフレーム構成を組み合わせたものである。図69Aは、ケース1の場合のフレーム構成である。時刻iにおいて、基地局は端末B、端末Cとの通信を完了する。そして、新たに基地局は、端末P、端末Qとの通信を開始するものとする。また、図68Bは、ケース2の場合のフレーム構成であり、時刻iにおいて、基地局は端末B、端末Dとの通信を完了する。そして、新たに基地局は、端末P、端末Qとの通信を開始するものとする。
以降では、図61、図65とは異なる符号化ブロックのビットの割り当て方法について説明する。
図70が、図61、図65と異なる点は、変調方式が16QAMのとき、1シンボルを符号化ブロック#1のデータと符号化ブロック#2のデータで構成している点である。また、変調方式が64QAMのときも、1シンボルを符号化ブロック#1のデータと符号化ブロック#2のデータで構成している。ここで、符号化ブロック#1は基地局が端末Aに送信するデータであり、符号化ブロック#2は基地局が端末#Bに送信するデータである。
図71は、図70の16QAMフレーム構成において、16QAMの代わりに用いる変調方式の同相I―直交Q平面における信号点配置の一例を示している。図71Aにおける、16個の●に、b1〜b4のビットが割り当てられる。×はQPSKの信号点配置である。×の1個を中心として●が4点配置されており、●は回転しているがQPSKの配置となる。したがって、●の同相I―直交Q平面における信号点配置(I,Q)は、次式のようにあらわすことができる。
図71Bは、b1、b2のビットの決定方法を説明するための図である。受信信号が、エリア#1の場合(b1,b2)=(0,0)、エリア#2の場合(b1,b2)=(0,1)、エリア#3の場合(b1,b2)=(1,1)、エリア#4の場合(b1,b2)=(1,0)と判定する。b3、b4のビットは、●と受信信号の位置関係から決定される。
図72は、図70の64QAMフレーム構成において、64QAMの代わりに用いる変調方式の同相I―直交Q平面における信号点の一例を示している。図72Aにおける、64個の●に、b1〜b6のビットが割り当てられる。×はQPSKの信号点配置である。×の1個を中心として●が16点配置されており、●は回転しているが16QAMの配置となる。したがって、●の同相I―直交Q平面における信号点配置(I,Q)は、次式のようにあらわすことができる。
図72Bは、b1、b2のビットの決定方法を説明するための図である。受信信号が、エリア#1の場合(b1,b2)=(0,0)、エリア#2の場合(b1,b2)=(0,1)、エリア#3の場合(b1,b2)=(1,1)、エリア#4の場合(b1,b2)=(1,0)と判定する。b3、b4、b5、b6は、●と受信信号の位置関係から決定される。
図73は、図61、図65、図70と異なる符号化ブロックのビットの割り当て方法を示す図である。図73Aに示すように、変調方式が16QAMのとき、1シンボルを符号化ブロック#1のデータと符号化ブロック#2のデータで構成する。また、変調方式が64QAMのときも、1シンボルを符号化ブロック#1のデータと符号化ブロック#2のデータで構成している。ここで、符号化ブロック#1は基地局が端末Aに送信するデータであり、符号化ブロック#2は基地局が端末#Bに送信するデータである。
図74は、図73Bの64QAMフレーム構成において、64QAMの代わりに用いる変調方式の同相I―直交Q平面における信号点の一例を示している。図74Aにおける、64個の●に、b1〜b6のビットが割り当てられる。×は16QAMの信号点配置である。×の1個を中心として●が4点配置されており、●は回転しているがQPSKの配置となる。したがって、●の同相I―直交Q平面における信号点配置(I,Q)は、次式のようにあらわすことができる。
図74Bは、b1、b2、b3、b4のビットの決定方法を説明するための図である。直線とI,Q軸により、I−Q平面が16個のエリアに分割されている。そして、受信信号が、エリア#1〜エリア#16のうちのどのエリアに存在するかに基づいて、(b1,b2,b3,b4)が(0,0,0,0)〜(1,1,1,1)のどのビットであるかを決定する。
以上のようにすることで、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で説明したビット割り当て方法を、OFDM等のマルチキャリア方式のアクセス方式に適用して実施することができる。このとき、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で説明した効果に加え、各端末宛の信号(ビット)を適切なサブキャリアに配置できるため、各端末宛の信号は、周波数ダイバーシチゲインが得られるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で提示した送信方法は、非特許文献10で示されているようなMIMO伝送に適用することもできる。つまり、本実施の形態、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7で提示した送信方法は、MIMO伝送を行っているか、行っていないかに関係なく実施することができる。また、各符号化ブロックの符号化率は、同一でも異なっていても、どちらであっても、実施することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態10で説明したビット割り当て方法を用いたときの再送方法(ARQ:Automatic Repeat reQuest)について説明する。
ここでは、一例として、端末#Aと端末#Bが通信を行っており、端末#Aが端末#Bに再送データを送信する場合を例に説明する。
図75は、端末#Aが送信する信号の時間軸における1フレームのフレーム構成の一例を示している。制御情報シンボル7501は、例えば、送信相手先(端末#Bに相当する)の情報、データ長、再送のデータであるか否かの情報、再送回数、変調方式、誤り訂正方式など、通信を成立させるために送信する、データ以外の情報を送信するためのシンボルである。チャネル推定シンボル7502は、通信相手の端末#Bがフェージングによる伝播環境の変動を推定するためのシンボルである。データシンボル7503は、図78のような構成で送信される。図78において重要な点は、データのエラーを検出するために、CRC(Cyclic Redundancy Check)が付加されている点である。図78の構成については後述する。
図76は、端末#Bが送信する信号の時間軸における1フレームのフレーム構成の一例を示している。チャネル推定シンボル7601は、通信相手の端末#Aがフェージングによる伝播環境の変動を推定するためのシンボルである。チャネル変動シンボル7601の後にデータシンボル7602が送信される。再送要求情報シンボル7603は、端末#Bが再送を要求するか否かの情報、および、再送方法を通信端末に通知するためのシンボルである。制御情報シンボル7604は、例えば、送信相手先(端末#Aに相当する)の情報、データ長、変調方式の情報、符号化率・符号化方法の情報など、通信を成立させるための、送信するデータ以外の情報を送信するためのシンボルである。
図77は、端末#Aと端末#Bの間のデータの流れの一例を示している。
図77<1>:初めに、端末#Aは図75のフレーム構成にしたがったフレーム#1の変調信号を送信する。ここで送信するデータは、再送データではない。
図77<2>:端末#Bは、フレーム#1の信号を受信し、復調し、CRCチェックを行う。その結果、誤りが発生しなかったので、端末#Aに対し、再送を要求しない。
図77<3>:端末#Aは、フレーム#2の変調信号を送信する。ここで送信するデータは再送データではない。
図77<4>:端末#Bは、フレーム#2の信号を受信し、復調し、CRCチェックを行う。その結果、誤りが発生していたので、端末#Aに対し、再送を要求する。
図77<5>:端末#Aは、端末#Bから、再送を要求されたため、フレーム#2で送信されたデータに相当するフレーム#2’を送信する。ここで、フレーム#2’の意味について説明する。
フレーム#2’の生成方法、つまり、ARQの方式の代表的な方法として、非特許文献11に示されているように、以下の方法がある。
チェイスコンバイニング方法: この方法を用いる場合、再送時に、1度目に送信したデータと同一のデータを送信する。
ハイブリッドARQ: 符号化されたデータ系列をオリジナル系列とし、誤り訂正符号化を行った際に発生した冗長なデータ(パンクチャデータ)をパリティ系列とする。そして、まず、オリジナル系列を送信し、通信相手から、再送が要求された場合、再送データとして、パリティ系列を送信する。例えば、畳み込み符号のパンクチャデータ(冗長なデータ)の生成方法については、非特許文献11に示されている。
図77<6>:端末#Bは、フレーム#2’の信号を受信し、復調し、CRCチェックを行う。その結果、誤りが発生しなかったので、端末#Aに対し、再送を要求しない。
図77<7>:端末#Aは、フレーム#3の変調信号を送信する。
図77<8>:端末#Bは、フレーム#3の信号を受信し、復調し、CRCチェックを行う。その結果、誤りが発生していたので、端末#Aに対し、再送を要求する。
図77<9>:端末#Aは、端末#Bから、再送を要求されたため、フレーム#3で送信されたデータに相当するフレーム#3’を送信する。フレーム#3’の生成方法は、上述と同様である。
図77<10>:端末#Bは、フレーム#3’の信号を受信し、復調し、CRCチェックを行う。その結果、誤りが発生していたので、端末#Aに対し、再送を要求する。
図77<11>:端末#Aは、端末#Bから、再送を要求されたため、フレーム#3で送信されたデータに相当するフレーム#3’’を送信する。このとき、フレーム#3’’のデータは、1度目に送信したデータでもよいし、フレーム#3’と同一でもよい。つまり、フレーム#3’は、特定のARQ方式に限定されるものではない。
以上が、本実施の形態の第1のARQにおけるデータの流れである。次に、図75で説明した端末#Aが送信するデータシンボル7503の構成方法、および、再送データの生成方法について詳しく説明する。
図78、図79は、図75のデータシンボル7503の構成の一例を示している。変調方式としてQPSK、16QAMのいずれかを選択可能となっている。図78と図79とのフレーム構成の関係は、図31と図35とのフレーム構成の関係と同様である。
図78、図79のフレーム構成が、図31、図35のフレーム構成と違う点は、CRCが含まれている点である。図78及び図79において、変調方式がQPSKのとき(図78A、図79Aのとき)、CRCをチェックすることにより符号化ブロック#1及び符号化ブロック#2に誤りがあるかをチェックすることができる。ただし、符号化ブロック#1と符号化ブロック#2のどちらに誤りがあるかを判断することはできないものとする。したがって、再送時は、符号化ブロック#1および符号化ブロック#2の両者に対する再送データが送信される。
同様に、図78及び図79において、変調方式が16QAMのとき(図78B、図79Bのとき)、CRCをチェックすることにより符号化ブロック#1、符号化ブロック#2、符号化ブロック#3、符号化ブロック#4に誤りがあるかをチェックすることができる。ただし、符号化ブロック#1、#2、#3、#4のどの符号化ブロックに誤りがあるかを判断することはできないものとする。したがって、再送時は、符号化ブロック#1、#2、#3、#4のすべてに対する再送データが送信される。
図80は、本実施の形態における端末#Aの構成の一例を示している。図80において、図32と同様に動作するものについては同一符号を付している。
図80において、CRC付加部8001は、符号化データ2902_1、2902_2、2902_3、2902_4及び制御信号S10を入力とし、制御信号S10にしたがってフレーム中の所定位置にCRCを付加し、CRC付加後の符号化データ8002_1、8002_2、8002_3、8002_4を出力する。
受信装置8005は、受信アンテナ8003で受信した受信信号8004を入力とし、所定の処理を行い、受信データ8006を出力する。再送情報抽出部8007は、受信データ8006を入力とし、再送に関する情報、つまり、端末#Bが再送を要求しているか否かの情報、再送回数の情報等の情報を抽出し、これを再送に関する情報8009として出力する。また、再送情報抽出部8007は、再送に関する情報8009以外のデータ8008も出力する。
フレーム構成信号生成部8010は、再送に関する情報8009を入力とし、この情報8009に基づいて、再送データを送信するか否か、変調方式、符号化方法、符号化率等の送信条件を決定し、決定した送信条件に関する情報を制御信号S10として出力する。
図81は、本実施の形態における端末#Bの構成の一例を示している。図81において、図34と同様に動作するものについては同一符号を付している。
図81において、再送要求部8101は、復号データ3014を入力とし、復号データに対しCRCチェックを行ことで、再送を要求するか否かを決定し、決定結果を再送要求情報8102として出力する。
送信装置8104は、再送要求情報8102、送信データ8103を入力とし、所定の処理を施すことで、図76のフレーム構成にしたがった変調信号8105を生成し、これを出力する。変調信号8105は、アンテナ8106から電波として出力される。
以上のような装置構成により、上述のARQ方式を実現することができる。
次に、上述の第1のARQ方式とは異なる第2のARQ方式について説明する。
図82、図83に、図78、図79とは異なる、データシンボル7503の構成の一例を示す。図82、図83は、図75の端末#Aが送信するデータシンボル7503(図75)の構成の一例を示している。図82、図83のフレーム構成が、図78、図79のフレームと異なる点は、符号化ブロック単位でCRCを挿入している点である。これにより、誤りが含まれているかどうかを、符号化ブロック単位でチェックすることができるようになる。
図82、図83において、変調方式がQPSKのとき(図82A、図83Aのとき)、符号化ブロック#1の誤りチェックのためにCRC#1が挿入されており、符号化ブロック#2の誤りチェックのためにCRC#2が挿入されている。同様に、変調方式が16QAMのとき(図82B、図83Bのとき)、符号化ブロック#1の誤りチェックのためにCRC#1が挿入されており、符号化ブロック#2の誤りチェックのためにCRC#2が挿入されており、符号化ブロック#3の誤りチェックのためにCRC#3が挿入されており、符号化ブロック#4の誤りチェックのためにCRC#4が挿入されている。これにより、各変調方式において、符号化ブロック単位で(すなわちどの符号化ブロックに)誤りがあるかをチェックすることができるようになる。
そして、端末#Aでは、例えば誤りが存在する符号化ブロックのみの再送データを送信する。例えば、変調方式がQPSKのとき、端末#Bが符号化ブロック#1にのみ誤りがあると判断したら、端末#Aは符号化ブロック#1の再送データを送信する。また、変調方式が16QAMのとき、端末#Bが符号化ブロック#1及び符号化ブロック#2に誤りがあると判断したら、端末#Aは符号化ブロック#1及び符号化ブロック#2の再送データを送信する。
再送時の変調方式は、前回までのデータを送信した際の変調方式と同一でもよいし、異なっていてもよい。ただし、再送データを送信する際も、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態10で説明したビット割り当て方法を用いた方が、受信品質の関点、符号化器・復号化器の動作速度の関点から好ましい。
以上の第1のARQ方式又は第2のARQ方式により、実施の形態1、実施の形態5、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態10で説明したビット割り当て方法を用いた再送を実現することができる。このとき、第1のARQ方式を用いればCRCの情報を削減することができ、第2のARQ方式を用いれば再送データの量を削減することができる。
本実施の形態では、2種類のARQ方式(チェイスコンバイニング及びハイブリッドARQ)を例に説明したが、これに限ったものではなく、他のARQ方式を用いた場合においても、広く本実施の形態を実施することができる。また、本実施の形態で、CRCを挿入する場合を例に説明したが、例えば、LDPC符号を用い、Belief Propagation復号を行う場合には、誤りの有無を判断できるため、必ずしもCRCを挿入する必要はない。
本実施の形態は、シングルキャリア伝送を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDM等のマルチキャリア伝送を用いたときも同様に実施することができる。また、本実施の形態の再送方法は、非特許文献10で示されているようなMIMO伝送に適用することもできる。つまり、本実施の形態の再送方法は、MIMO伝送を行っているか、行っていないかに関係なく実施することができる。また、各符号化ブロックの符号化率は、同一でも異なっていても、どちらであっても、実施することができる。
(他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態1では、一つの符号化部11を用いる場合を前提条件として説明したが、別の実施の形態として、システムが、符号化率R=1/2、2/3、ブロック長が980ビットの符号をサポートしている場合も、符号化率R=1/2、2/3において、別々に実施すれば、上述の実施の形態を同様に実施することができる。また、システムが、符号化率R=1/2、2/3、ブロック長が980、1960ビットの符号をサポートしている場合も、それぞれの場合において、別々に実施すれば、上述の実施の形態と同様に実施することができる。
例えば、図4、図5,図6、図7、図30、図31、図35、図47、図48、図49、図50、図54、図61、図65、図70、図73、図78、図79、図82、図83において、符号化ブロック#1、#2、#3、#4、#5、#6はそれぞれ異なる符号化率であってもよい。また、1番目の符号化データ(#1)、2番目の符号化データ(#2)、3番目の符号化データ(#3)、4番目の符号化データ(#4)はそれぞれ異なる符号化率であってもよい。なお、符号化データ#1の符号化率R1、符号化データ#2の符号化率R2、符号化データ#3の符号化率R3、符号化データ#4の符号化率R4は、全てが互いに異なる値であってもよいし、R1=R2、かつR3=R4で、R1とR4が異なる値であってもよい。符号化率が同じとなる符号化データの組み合わせは上記に限定されない。このように符号化率を設定することにより、同時に異なる種類のデータ、例えば、音声データとパケットデータ、映像データとパケットデータ、映像データと音声データのように、複数の種類のデータを所望の誤り率耐性の誤り訂正符号を用いて並列に伝送することができる(例えば、音声データを伝送する場合符号化率3/4の誤り訂正符号、パケットデータを伝送する場合符号化率1/3の誤り訂正符号を用いる)システムを構築することができ、各データを品質よく伝送することができるという効果を有することになる。
また、図4、図5、図6、図7、図30、図31、図35、図47、図48、図49、図50、図54、図61、図65、図70、図73、図78、図79、図82、図83において、変調方式の1シンボルあたりの送信ビット数をnとし、符号化データの種類をm種類(つまり、1番目の符号化データ(#1)、2番目の符号化データ(#2)、・・・、m番目の符号化データ(#m)が存在する)とした場合に、m>nとしてもよい(m、nはいずれも整数である)。m>nとすることで、1シンボルを構成するビットすべてで互いに異なる符号化データを送信することになり、m種類の符号化データすべてが、より多くのシンボルを用いて送信されることになる。そのため、フェージングのノッチによって符号化データのほとんどがバースト的に誤る確率が低くなり、データの受信品質が向上する。
したがって、複数の変調方式を切り替えることが可能な送信装置において、切り替え可能な変調方式のうち、最大の変調多値数(最大信号点数)をもつ変調方式が1シンボルに送信することができるビット数をnmaxとすると(nmaxは整数)、送信装置がnmax以上の種類の符号化データ(つまり、1番目の符号化データ(#1)、2番目の符号化データ(#2)、・・・、nmax番目の符号化データ(#m)が存在する)を生成した場合、切り替え可能なすべての変調方式において、1シンボルを構成するビットすべてで異なる符号化データを送信することができる。これにより、送信装置で切り替え可能なすべての変調方式において、フェージングのノッチによって符号化データのほとんどがバースト的に誤る確率が低くなるので、データの受信品質が向上する。
また、上述した実施の形態2〜4では、マルチアンテナ送信装置、マルチアンテナ受信装置がそれぞれ2本のアンテナをもつ、空間多重を用いたMIMOシステムの場合について説明したが、これに限ったものではなく、アンテナ数が増大し、送信する変調信号数が増大した場合についても同様に実施することができる。また、スペクトル拡散通信方式を用いたシステムに適用した場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、本発明のマルチアンテナ送信装置は、実施の形態2に示した構成に限らず、例えば固有モードを用いたMIMOシステムにも適用できる。図58を用いて、固有モードの通信方法について詳しく説明する。
MIMOシステムでは、受信局だけでなく送信局側においてもチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が既知である場合に、送信局が送信のチャネルシグネチャベクトル(channel signature vector)を用いてベクトル化された信号を送信アレーアンテナより受信局に対して送信し、さらに受信局で、受信アレーアンテナの受信信号から送信のチャネルシグネチャベクトルに対応付けられた受信のチャネルシグネチャベクトルを用いて送信信号を検出し復調する通信方法が実現できる。
特に、通信空間に複数のチャネルを構成し、信号を多重伝送する通信モードとして、チャネル行列の特異ベクトル(singular vector)または固有ベクトル(eigen vector)を利用した固有モード(eigenmode)がある。この固有モードは、これら特異ベクトルや固有ベクトルを前述したチャネルシグネチャベクトルとして利用する方法である。ここでチャネル行列は、送信アレーアンテナの各アンテナ素子と受信アレーアンテナの各アンテナ素子のすべて、または一部の組み合わせの複素チャネル係数を要素とする行列である。
送信局が下り回線のチャネル状態情報を得る方法としては、無線回線の上りと下りで同一の周波数キャリアを利用するTDDでは、チャネルの双対性(reciprocity)により、受信局からの上り回線を用いて送信局においてチャネル状態情報の推定(estimating)または測定(measuring)をすることが可能である。一方で、上りと下りで異なる周波数キャリアを利用するFDDでは、受信局において下り回線のチャネル状態情報を推定または測定し、その結果を送信局へ通知(reporting)することにより、送信局において下り回線の正確なCSIを得ることできる。
固有モードは、特にMIMOシステムの無線チャネルが狭帯域のフラットフェージング過程として扱える場合には、MIMOシステムのチャネルキャパシティを最大にできるという特徴がある。例えば、OFDMを採用した無線通信システムでは、マルチパス遅延波によるシンボル間干渉を取り除くためガードインターバルを挿入し、OFDMの各サブキャリアはフラットフェージング過程となるような設計を行うのが一般的である。したがって、MIMOシステムにおいてOFDM信号を送信する場合、固有モードを用いることによって、例えば各サブキャリアで複数の信号を空間的に多重化して伝送することが可能となる。
MIMOシステムを利用した通信方法としては、送信局および受信局において下り回線のチャネル状態情報を既知とする固有モードに対して、受信局においてのみ無線チャネルのチャネル状態情報を既知とする方法がいくつか提案されている。固有モードと同じ目的である空間的に信号を多重化して伝送する方法としては、例えばBLASTが知られている。また信号の多重度を犠牲にし、つまりキャパシティを増加させるためでなくアンテナの空間ダイバーシチ効果得る方法としては、例えば時空間符号を用いた送信ダイバーシチが知られている。固有モードが送信アレーアンテナで信号をベクトル化して送信する、言い換えると信号をビーム空間(beam space)にマッピングしてから送信するビーム空間モードであるのに対して、BLASTや送信ダイバーシチは信号をアンテナエレメント(antenna element)にマッピングすることからアンテナエレメントモードであると考えられる。
図58は、固有モード通信の送受信機の構成の一例である。送信のチャネル解析部2607は、送信局と受信局間の伝搬チャネルの推定結果であるチャネル状態情報に基づいて、多重化チャネルを構成するために複数の送信のチャネルシグネチャベクトルを算出するとともに、チャネル状態情報によって形成されるチャネル行列をSVD(SVD:Singular Value Decomposition)に基づき、固有値(例えば、λA、λB、λC、・・・、λX)、また、固有パス(例えば、パスA、パスB、パスC、・・・、パスX)を求め、制御情報2608として出力する。
送信局は、多重フレーム生成部2601が送信ディジタル信号、制御情報2608を入力とし、多重化チャネルへマッピングするために複数の送信フレームを生成し、チャネルAの送信ディジタル信号2602A、チャネルBの送信ディジタル信号2602B、・・・、チャネルXの送信ディジタル信号2602Xを出力する。
符号化・並べ替え・変調部2603Aは、チャネルAの送信ディジタル信号2602A、制御情報2608を入力とし、制御情報2608に基づき、符号化率、変調方式を決定し、チャネルAのベースバンド信号2604Aを出力する。チャネルBからチャネルXについても同様な動作となり、チャネルBのベースバンド信号2604BからチャネルXのベースバンド信号2604Xが得られる。なお、図58では、図を簡単化するために、符号化・並べ替え・変調部を1つのブロックで示したが、実際には、上述した実施の形態1〜3のような構成となっており、並べ替え部によって1つのブロック内符号化データが複数のデータシンボルに割り当てられるように、ブロック符号化データが並べ替えられて変調部に供給されるようになっている。
ベクトル多重化部2605は、チャネルAからチャネルXのベースバンド信号2604Aから2604X、制御情報2608を入力とし、チャネルAからチャネルXのベースバンド信号2604Aから2604Xに個別にチャネルシグネチャベクトルを乗算し、合成した後、送信アレーアンテナ2606より受信局に対して送信する。
受信局では、受信のチャネル解析部2615が、予め送信局と受信局間の伝搬チャネルの推定結果であるチャネル状態情報に基づいて、多重化された送信信号を分離するために、複数の受信のチャネルシグネチャベクトルを算出する。多重信号分離部2610は、受信アレーアンテナ2609で受信した受信信号を入力として、各々のチャネルシグネチャベクトルを掛け合わせ得られる複数の受信信号、つまり、チャネルAの受信信号2611AからチャネルXの受信2611Xを生成する。
復号化部2612Aは、チャネルAの受信信号2611A、送信方法情報2618を入力とし、送信方法情報2618(変調方式、符号化率の情報)に基づき復号を行い、チャネルAのディジタル信号2613Aを出力する。チャネルBからチャネルXについても同様な動作となり、チャネルBのディジタル信号2613BからチャネルXのディジタル信号2613Xが得られる。
送信方法情報検出部2617は、チャネルAのディジタル信号2613Aを入力とし、各チャネルの変調信号の送信方法、例えば、変調方式、符号化率の情報を抽出し、送信方法情報2618を出力する。
受信データ合成部2614は、チャネルAからチャネルXのディジタル信号2613Aから2613X、および、送信方法情報2618を入力とし、受信ディジタル信号を生成する。
なお、上述の実施の形態では、本発明の送信方法を実現するための送信装置の構成例として図32の構成を例に挙げたが、本発明の送信方法を実現するための送信装置の構成は図32の例に限らない。
例えば図84に示すように、符号化部11_1〜11_4の後段にインターリーバ8401_1〜8401_4を設け、符号化データ2902_1〜2902_4をインターリーバ8401_1〜8401_4によってビットインターリーブした後にマッピング部3304に入力させてもよい。また、1つのインターリーバによって複数の符号化データ2902_1〜2902_4をインターリーブして、マッピング部3304に出力してもよい。ここでも、実施の形態8、実施の形態9でも述べたように、インターリーバ8401_1〜8401_4において、インターリーブのパターン(インターリーブ方法)をそれぞれ異なるようにすると、受信装置で反復検波を行った際、データの受信品質が向上するという効果を有することになる。
また、例えば簡略化して示す図85のように、符号化部11_1〜11_4とマッピング部3304の間に、パンクチャ部8501_1〜8501_4、マルチプレクサ(MUX)8502及びインターリーバ8503を設け、符号化データ2902_1〜2902_4を、インターリーバ8401_1〜8401_4によってビットインターリーブし、マルチプレクサ(MUX)8502によってマルチプレクスし、インターリーバ8503によってビットインターリーブした後にマッピング部3304に入力させてもよい。
このように、本発明の送信方法は、インターリーバやパンクチャ部の有無や位置に関わらず、実施することができる。
図86に、送信装置を図84や図85のようにした場合の、受信装置の構成例を示す。図86では、図34との対応部分に同一符号を付した。受信装置8600は、軟値作成部3007と振り分け部3009の間に、デインターリーバ8601が設けられている点を除いて、図34の受信装置3500と同様の構成でなる。