本発明の好ましい実施形態を、以下の図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、特定の状況に対して作成された設定に基づいて、ユーザのためにデバイスの動作を編成するフレキシブルで拡張性のあるアーキテクチャを含む。このような状況には、特に会議室や教室に関するスマートな環境が含まれる。会議室という設定では、本システムは、プロジェクタ、コンピュータディスプレイ、及びテレビ会議システムの使用を調整して、文書(ドキュメント)を共有することでビデオ会議を支援することが可能である。複数のデバイスを所与の設定に基づいて調整して、各々のデバイスを特定のユーザタスクに対する適切な状態にする。ユーザは、本システムがタスクを実行するために必要とされるデバイス編成を実行している間に、タスク指向の動作(task-oriented actions)を選択することにより、本システムを制御することが可能である。
本システムは以下に示すいくつかの構成要素(部品;components)を含む。設定記憶部、制御される必要がある物理的な空間の各々に対する1つ以上の編成部、各々の空間に対する任意のユーザコンソール(端末)、及び各々の物理的な空間に対する1つ以上の被制御デバイスである。このシステムのアーキテクチャには、デバイス、部屋、人々、及び会議に関する情報を記憶するデータベースが含まれる。システムのソフトウエアは、文脈(context)上の情報(例えば、テレビ会議システムのIPアドレス、アプリケーションの設定、及び電話番号)を、特定のユーザ、部屋、及び会議に対応する特定のデバイスと関連付けることを可能とする、プロトタイプのインスタンス表記を用いたインヘリタンス(継承)・メカニズムを実現する。
このシステムアーキテクチャは拡張可能である。拡張可能な理由は、このアーキテクチャが、特定のデバイスの集合で動作するように設計されているキャンドルーム(canned room)制御環境とは異なり、動的なプラグ・アンド・プレイというデバイス機能をサポートしているからである。デバイスは、システムを再起動したり、既存の設定に影響を及ぼしたりすることなく、スワップすることが可能である。既存の編成フレームワークにおいてソフトウエアコードになんら変更を要求することなく、新しいデバイスを導入することが可能である。従って、このシステムソフトウェアは、会議室のセッティングに追加された新たなデバイスに対応するために再構築する必要がない。
デバイスを編成すると、複数のデバイスを独立に管理する必要がなくなる。従って、会議室の実用性(usefulness)と使い易さ(usability)とが向上する。本発明は、ジョイスティックやボタンなどの「基本的(プリミティブ)」ではない、ビデオスイッチ、ビデオ会議システム及びアプリケーションなどの既存の複雑なデバイスを組み込むことが可能である。本システム全体を操作するために、専用の遠隔制御デバイスは必要とされない。
本発明は、ユーザにとって予測可能であり、制御可能とすることが可能である。本発明は、ある場所から別の場所に移動することもある長期間にわたるタスクではなく、短期間の会議のサポートに関することが可能である。例えば、会議が開始した時に、あるプロジェクタがオフになった場合には、本発明のシステムはそれをオンにする。ディスプレイを別のプロジェクタに再ルーティングする、というあまり好ましくない動作は実行しない。オンラインサポート用のスタッフが環境空間を操作する必要性が軽減され、システムのセットアップとメンテナンスに要する時間が低減され、設備を設定して操作するために必要とされるエキスパート・ユーザの数が減少する。
<I.システムのソフトウエア・アーキテクチャ>
図1は、各構成部品のスタック構造として図示された、本発明の実施形態に係るシステムのソフトウエア・アーキテクチャの一例を示す。システムソフトウェア100の各構成部品のスタック構造は、例示した7つのレイヤーに分類することが可能である。これらのレイヤーをボックス102内に示す。レイヤーIには、サードパーティ(他社製品)、オープンソースのデバイス、及びアプリケーションが含まれる。レイヤーII、III、及びIVには、ラッパー、パーシステンス(接続維持)・インタフェース、及びデータ・オブジェクトがそれぞれ含まれる。レイヤーV、VI、及びVIIには、セキュリティ・レイヤー、アプリケーション・レイヤー、及びユーザインタフェース(UI)・レイヤーがそれぞれ含まれる。
図1で、各構成部品が属しているレイヤーは、部品名の後の括弧内に示されている。最下層の構成部品から始めると、デバイス及びアプリケーションのレイヤーIには、認証デバイス145、データベース105、及び通信/プレゼンテーション・デバイス130が含まれる。ラッパー・レイヤーIIには、認証デバイス・ラッパー150、データベース抽出・レイヤー110、及び通信/プレゼンテーション・デバイス・ラッパー135が含まれる。パーシステンス・インタフェース・レイヤーIIIには、認証(authentication)とアクセス(access)のパーシステンス・インタフェース、即ち、AA・パーシステンス・インタフェース155、及びパーシステンス・インタフェース115が含まれる。
データ・オブジェクト・レイヤーIVには、ジェネリック・オブジェクト120及びビジネス・オブジェクト125が含まれる。セキュリティ・レイヤーVには、認証とアクセス制御140と共に、セキュリティ147と図示されている、認証要求を生成する認証デバイス147が含まれる。アプリケーション・レイヤーVIには、アプリケーション・ロジック160が含まれる。また、UIレイヤーVIIには、ユーザインタフェース(UI)165の外に、認証デバイス145のUI149と、通信/プレゼンテーション・デバイス130のUI132と、が含まれる。
本システムは、設定情報と認証情報とを記憶する1つ以上のデータベース105を含む。このようなデータベースの例としては、これに限定される訳ではないが、「MySQL」や「Oracle」のリレーショナル型データベースがある。これらのデータベース105は、データベース抽出レイヤー110によってラッピング(アクセス可能と)されている。このデータベース抽出レイヤー110は、データベース105に対するアクセスを管理し、アプリケーション・ロジック160などのシステムソフトウェア100の残余の部分を、データベース105の特定の選択やブランドとは無関係に構成している。言い換えれば、データベース抽出レイヤー110は、種々のタイプのデータベースを認識していて、どのデータベースを選択して使用するかとは無関係に、そのクライアントに対して同じインタフェースを提供する。
加えて、パーシステンス・インタフェース115は、データベースの記録を、第1クラスのオブジェクトとして操作することを可能とする。また、セッション(通信)からセッションまでに存在しているパーシステント・データのために、システムソフトウェア100からパーシステント・ストレージの詳細を隔離することを可能とする。パーシステンス・インタフェース115は、メモリー内のオブジェクトを、データベース105内の記録と透過的に関連付ける。このインタフェースは、データベース105を読み取ってオブジェクトを作成したり、オブジェクトをデータベース105に記憶したりする。
システムソフトウェア100がこれらのデータベースを利用する場合には、データベース抽出レイヤー110とパーシステンス・インタフェース115とが協働(collaborate)して、適切なデータをメモリーに記憶する。データベース105、データベース抽出レイヤー110、及びパーシステンス・インタフェース115は、他社製品のソフトウエア、市販のソフトウエア、或いはオープンソースのソフトウエアの何れであってもよい。
ジェネリック・オブジェクト120は、データベース105に記憶されているオブジェクトのスキーマを表している。これらのオブジェクトには、会議、部屋、設定、会議のクリエータ、デバイス、及びデバイス状態と共に、関連する属性のオブジェクトが含まれる。これらのオブジェクトを、図2を参照して以下に詳細に説明する。データベース抽出レイヤー110、パーシステンス・インタフェース115、及びジェネリック・オブジェクト120は、データベース105内のデータを表しているが、会議固有の機能を実行するわけではない。
一方、ビジネス・オブジェクト125は、システムソフトウェア100のインスタンスを形成する種々の通信/プレゼンテーション・デバイス及びアプリケーション130を直接に制御するオブジェクトを含む。通信/プレゼンテーション・デバイス及びアプリケーションの例としては、これに限定される訳ではないが、タンバーグ(Tandberg)社のシステムや、ソニー社の「PCS1ビデオ会議システム」がある。ビジネス・オブジェクト125は、図3に関連した説明で詳述されるように、部屋制御装置PC315上の部屋制御部によって作成されたIDevice型のオブジェクトである。
ジェネリック・オブジェクト120から得たデバイス状態の収集情報は、ビジネス・オブジェクト125に渡される。ビジネス・オブジェクト125で、会議を運営するためにどのような動作をすればよいか知っているIDevice型のオブジェクトの新たな収集情報に変換される。通信/プレゼンテーション・デバイス・ラッパー135は、デバイス及びアプリケーションのアクセスを管理すると共に、アプリケーション・ロジック160などのシステムソフトウェア100の残余の部分を、デバイス及びアプリケーション130のタイプやブランドを含む、特定の選択とは無関係に構成している。
例えば、2つのビデオ会議用デバイスにとってデバイスが違えば、これら各々のデバイスをオン/オフしたりダイアルしたりするために送られる実際のコマンドも異なる。しかしながら、2つのビデオ会議用デバイスが、ダイアルし、接続/接続解除する能力を有するという事実が重要なことである。通信/プレゼンテーション・デバイス・ラッパー135は拡張性を提供する。これは、デバイス及びアプリケーション130を、本システムを再起動したり、既存の設定に影響を及ぼしたりすることなく、動的にロードすることが可能であるからである。
認証とアクセスの制御は、一般に140で示すセキュリティ部品、即ち、認証とアクセスの制御装置によって実行される。このソフトウエア部品には、サインイン(接続)従っているユーザの認証、サインインしたユーザに対する通信用トークンの生成、これらの通信用トークンのシステムソフトウェア100の他の部品に対する配布、及び要求に応じての通信用トークンの確認などがその動作に含まれる。この部品は、ユーザアカウントを維持しているが、ログインの際の資格証明が「ウインドウズ(Windows(登録商標))」のドメインのログインに対応していれば、ウインドウズ・ドメイン(Windows(登録商標) Domain)認証を用いてユーザを認証することが可能である。従って、この部品によって、ドメインユーザと遠隔ユーザの双方が、システムソフトウェア100を利用することが可能となる。
加えて、信頼性の高い認証デバイス145を用いて、認証要求を生成することが可能となる。これらの認証要求をセキュリティ147として図示する。認証デバイスの例には、これに限定される訳ではないが、ユーザのバッジの無線周波数識別(RFID)を行う「フェリカ(FeliCa)」などの読取装置や、ユーザ生体認証読取装置(user biometric reader)などのハードウェアが含まれる。
認証デバイス・ラッパー150は、認証デバイスのアクセスを管理すると共に、アプリケーション・ロジック160などのシステムソフトウェア100の残余の部分を、認証デバイスのタイプとブランドを含む、特定の選択とは無関係に構成している。認証デバイス・ラッパー150は、種々の認証デバイス145に対して同様のアクセスを提供する。
加えて、認証とアクセスのパーシステンス・インタフェース、即ち、AA・パーシステンス・インタフェース155によって、ユーザを認証すること及びユーザが第1クラスのオブジェクトとしてアクセスすることを承認することに関連するデータベースの記録を操作することを可能にする。また、AA・パーシステンス・インタフェース155によって、アプリケーション・ロジック160などのシステムソフトウェア100の残余の部分から、パーシステント・ストレージの詳細を隔離することを可能とする。
アプリケーション・ロジック160は、適切な設定情報を正しい時間に正しい部屋に伝達すると共に、会議を編成する、分散された部品から成るネットワークに対応している。アプリケーション・ロジック160は、ユーザが本システムを使用することを可能とするコンソールと通信している。
最終的には、会議用コンソールや設定エディターなど、複数のユーザインタフェース(UI)165によって、ユーザは、システムソフトウェア100中に記憶されている情報を作成したり、修正したり、使用したりすることが可能である。複数のユーザは、これらのUI165を介して、システムに並行に(同時に)接続することが可能である。さらに、UI132によって、ユーザは、通信/プレゼンテーション・デバイス及びアプリケーション130とインタフェースすることが可能であり、UI149によって、ユーザは、認証デバイス145とインタフェースすることが可能である。UI165についてのより詳細な説明は、VIII.ユーザインタフェース装置に記載される。
<II.データベースのスキーマ>
図2に、本発明の実施形態に関わる、図1のジェネリック・オブジェクト120の一例を示す。図2は、データベース105に記憶されているオブジェクトのスキーマ(構造)を表す。このデータベース構造は、次のようにしてデータベース・オブジェクトを組織化する。オブジェクトは各々が固有の識別番号(ID)を有し、オブジェクトは各々がテーブル中にフィールドとして記憶されるゼロ個以上のプロパティ(特性)を含み、オブジェクトは各々が幾つもの属性(attributes)と関連付けることが可能である。
オブジェクトのタイプには、会議210、部屋220、設定230、クリエータ240、デバイス状態250、デバイス260、及び属性270がある。オブジェクトの各々は、各オブジェクト中にPKとして示される一次キー(primary key)を含むが、これはオブジェクトのIDである。オブジェクトの各々は、図2の種々のオブジェクト中にFK1、FK2、FK3として図示されているように、1つ以上の外部キー(foreign key)も含むことが可能である。これらの外部キーは他のオブジェクトに対するポインタである。
以下、オブジェクトを表す場合には、会議オブジェクト210、部屋オブジェクト220、設定オブジェクト230、クリエータオブジェクト240、デバイス状態オブジェクト250、デバイスオブジェクト260、及び属性オブジェクト270という場合がある。また、テーブルを表す場合には、会議テーブル210、部屋テーブル220、設定テーブル230、クリエータテーブル240、デバイス状態テーブル250、デバイステーブル260、及び属性テーブル270という場合がある。
各々の会議は1つの部屋と関連している。構成された各々の会議は、会議テーブル210中に記録を有する。会議室などの物理スペースは各々が、部屋テーブル220中の記録によって表される。加えて、各々の会議は、複数のプレゼンタに同時に対応するために1つ以上の構成と関連付けることが可能である。本システムを用いている会議のプレゼンタは各々が、クリエータテーブル240中に対応する記録を有する。会議テーブル210の場合、FK1は部屋テーブル220に対するポインタであり、FK2は設定テーブル230に対するポインタである。
会議における設定の各々は、会議を主催(own)している人物、即ちクリエータを有している。設定とは各々が、1つ以上のデバイス状態の集合体(collection)であり、設定テーブル230中に対応する記録を有する。設定テーブル230の場合、FK1はクリエータテーブル240に対するポインタであり、FK2は設定テーブル230中の別の記録に対するポインタである。これによって、ある設定を別の設定からインヘリタンス(継承)することが可能となる。また、FK3はデバイス状態テーブル250に対するポインタである。
デバイスは各々が、1つ以上のデバイス状態と関連付けられている。物理的なデバイスタイプとアプリケーションタイプはその各々が、デバイステーブル260中に対応する記録を有しており、各々のデバイス状態がデバイス状態テーブル250中に記録を有している。デバイス状態テーブル250の場合、FK1はデバイステーブル260に対するポインタである。加えて、FK3はルート(root)テーブルに対するポインタであり、オブジェクトに対してより多くの文脈を提供する。
従って、テーブル250に記憶されている各々のデバイス状態のオブジェクトは、他のデバイス状態に対するプロトタイプとして働くことが可能である。例えば、第1のデバイス状態のオブジェクトは、第2のデバイス状態のオブジェクトを指している。その場合、プロトタイプ−インスタンス表記のインヘリタンスを用いて、この第2のオブジェクトは第3のオブジェクトを指すことが可能であり、さらに順に次々に指すことが可能である。テーブル250に記憶されているさらなる各デバイス状態のオブジェクトは、追加の属性を有することが可能であるが、その例を図4に関連して解説する。
属性オブジェクト270を除く、他のタイプのオブジェクトはその各々が、ゼロ個以上の任意の属性を有することが可能である。部屋オブジェクト220、デバイス状態オブジェクト250、及びデバイスオブジェクト260だけが、図2でこれらの属性を示す。これらのオブジェクトに対する属性は属性オブジェクト270中に記憶されている。属性オブジェクト270には値が記憶される。また、値を動的に割り当てることも可能である。従って、めったに使用されない情報を属性として記憶することが可能であり、テーブル中でフィールドとしてスペースを取ることはない。
デバイス関連の情報は属性として表される。例えば、異なるシリアルポートによって制御されるプロジェクタの場合には、シリアルポートの値を属性として表すことが可能である。別の例として、部屋を表すサービスと関連付けられたURL(universal resource locator)を属性として表すことが可能である。部屋オブジェクト220、デバイス状態オブジェクト250、及びデバイスオブジェクト260の場合、FK1、FK2、FK1はそれぞれ、属性オブジェクト270に対する関連付けられたポインタである。
<III.各部品の構成>
図3に、本発明の実施形態に関わる、図1のソフトウエア部品に対応するシステム論理部品とその接続の一例に係るダイアグラムを示す。これらの論理部品は、当業者には理解可能なように、部屋が備える利用可能な部品の例示的な部分集合であると共に、図示しない他のタイプの論理部品を含むことが可能である。これらの論理部品には、部屋内のデバイスを制御し、認証を実行し、設定を実行するために、アプリケーションを駆動するサービスが含まれる。
本発明のシステムのハードウェア部品とソフトウエア部品はすべて同じコンピュータ上で実行可能ではあるが、一般的にはこれらの部品はいくつかのマシンに分散されており、これらのマシンは同じ場所に置かれているマシンもあれば、遠隔地に置かれているマシンもある。従って、論理部品とサービスの実現は任意である。
部品間での通信はWebサービス・コールによって仲介されるが、リモート・プロシージャ・コール(RPC)や他のカスタムプロトコルなど、他の通信メカニズムを用いることも可能である。ハードウェア部品は、ビデオ・グラフィックス・アレイ(VGA)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、イーサネット(登録商標)などの種々の方法を用いて互いに接続することが可能である。図3の例では、VGA(ビデオ)接続を実線で示している。USB(シリアル)接続は小さい破線で示している。イーサネット(登録商標)接続は大きい破線で示している。図3に示すシステム接続のタイプと組み合わせは、説明が目的であり、この図に示すものに限定されることはない。例えば、NTT社のビデオ会議システムでは「テレネット」を用い、タンバーグ社のビデオ会議システムはシリアル接続を用いている。別の例として、図3には示されていない他のタイプの接続を用いることも可能である。
図3に、本システムの1つのハードウェア実施形態300を示す。システム・ハードウェア300は、設定レポジトリ(記憶部)310と、部屋制御用パーソナル・コンピュータ(PC)315と、を含んでいる。また、システム・ハードウェア300は、2台のコントローラとして、第1の表示用PC(表示用PC1)320と第2の表示用PC(表示用PC2)325とを含んでいる。設定レポジトリ310は、会議の設定を記憶するサーバである。設定を行う場合には、誰かが、特定の部屋で行われる特定の会議に対して、会議のプレゼンタ、デバイス、アプリケーション及びドキュメントに関し、どのような設定を用いるべきであるかを指定する。
1つの設定レポジトリを、1つのネットワーク上の複数の部屋で共有することが可能である。たった1つの部屋しか含まない設備の場合、部屋制御用PC315が会議設定を記憶することが可能である。複数の会議室を含む設備の場合、1つ以上の設定レポジトリを用いることが可能である。複数の地理的区域に1つのシステムがインストールされていて、遠隔の地域で会議が開催される場合には、設定レポジトリ310をこれらさまざまな地理的区域で複製することによって、遅延時間(latency)という問題を回避することが可能である。
表示用PC320と表示用PC325は、対応するSMARTボードの電子式ホワイトボード上に、対応するオーバヘッドプロジェクタによって表示を投影する。第1の表示用PC(表示用PC1)320は、第1のスマートボード(スマートボード1)330上に、第1のプロジェクタ(プロジェクタ1)340によって表示を投影する。また、第2の表示用PC(表示用PC2)325は、第2のスマートボード(スマートボード2)335上に、第2のプロジェクタ(プロジェクタ2)345によって表示を投影する。
部屋制御用PC315は、このマシン上で実行されるサービスを介してプロジェクタ340とプロジェクタ345を制御することが可能である。或いは、表示用PC320と表示用PC325が、それぞれプロジェクタ340とプロジェクタ345を制御することが可能である。部屋制御用PC315はビデオスイッチ350を制御し、このスイッチは次に表示のルーティング(経路)を制御する。ルーティングには、部屋内のVGAケーブルにプラグで接続可能なゲスト用ラップトップ355が含まれる。このビデオスイッチ350を用いて、互いに異なった複数のビデオソースを選択することが可能である。また、部屋制御用PC315は、部屋の照明、オーディオ、エアコンなどの他の機能を制御することも可能である。
システム・ハードウェア300は、例えば、遠隔地に在るコンピュータ360、コンソールタブレット用PC(コンソールタブレット)365、及びパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)370などの任意の数のデバイスを介して、ユーザが制御することが可能である。ユーザの識別(identification)は、例えば、RFIDを用いる「フェリカ」バッジ読取装置(フェリカ読取装置)375、指紋読取装置380、生体認証読取装置385、光デバイス(図示せず)、磁気カード読取装置(図示せず)、セルラー電話(図示せず)などの任意の数のデバイスによって実行される。
一般に、ユーザコンソール、即ちコンピュータ360、コンソールタブレット365、及びPDA370の何れかを、認証デバイスであるフェリカ読取装置375、指紋読取装置380、及び生体認証読取装置385の何れかに接続して制御する。しかしながら、他のマシンをこれらの認証デバイスに接続してこれらを制御することも可能である。例えば、1つの部屋を備える設備の場合には、部屋制御用PC315を認証デバイスに接続してこれらを制御することが可能である。一般的には、システムを設定する毎に、ユーザの認証を取り扱う認証サービスを1つのサーバ上に設けるだけでよい。認証サービスは、一般には、設定レポジトリと一緒に配置される。1つの部屋しか備えない設備の場合には、これら認証サービスと設定レポジトリとは、部屋制御用PC315に設けることが可能である。
タンバーグ社、ソニー社、クアルコム(QUALCOMM)社、NTT社などのビデオ会議用デバイス395を、ビデオ会議形式の会議で用いることが可能である。ビデオ会議用デバイス395は、部屋制御用PC315によって、このマシン上で実行されるサービスを介して制御される。Pボックス390、即ちプロジェクタ・ボックスは、自在に操作可能(proprietary)な会議の記録(キャプチャ)と再生(プレイバック)のためのシステムである。ビデオスイッチ350は、自身に入力されるプレゼンテーションをそのまま映し出す(mirror)ように出力することができる。この出力はPボックス390に送信されて、後で再生される。Pボックス390の詳細は、2004年10月26日に提出された、ローレント・デノウエ(Laurent Denoue)等による「プレゼンテーションの獲得と記憶のためのシステムと方法」という題名の公開されている米国特許出願第10/973,698号に記載されている。
2つ以上のシリアルデバイスと2つ以上のTCP/IPデバイスを同時に制御することが可能である。同様に、1つ以上のアプリケーションを、スマートボード330とスマートボード335に対応した、表示用PC320及び表示用PC325の各々の表示用PC上で実行することが可能である。システム・ハードウェア300とシステムソフトウェア100を含むシステム全体を操作するために、専用の遠隔制御用デバイスはなんら必要ない。コンピュータ360、コンソールタブレット365、及びPDA370のデバイスのうちの何れかが、どのデバイスを用いるかとは無関係に本システムを制御することが可能である。さらに、本システムは、ユーザコンソールの前に居るユーザに制御されることなく、ある日のある時間に自律的に会議を実施する設定を含む会議設定によって、自律的に実行することが可能である。
システム部品同士間の相互作用に関する以下の説明では、図2のデータベースのスキーマの部品と共に、図1のシステムソフトウェア部品及び図3のシステム論理部品を解説する。「システム」と称する場合、この「システム」には図1〜図3に示す部品が含まれる。
<IV.デバイスとデバイス状態>
設定レポジトリ310は、図2に示すデータベースのスキーマに対応して、会議210、部屋220、設定230、クリエータ240、デバイス状態250、デバイス260、及び属性270の各オブジェクトのデータベース105を管理している。物理的な部屋の各々は、1つ以上のデバイスを含むことが可能である。会議の各々は、1つ以上の設定を用いて、物理的な部屋に備えられたデバイスの何らかの部分集合の使用を編成する。設定オブジェクト230は、1組のデバイス状態オブジェクト250を集合体とすること(collecting)によってデバイスを表している。デバイス状態オブジェクト250の各々は、特定の文脈における何らかのデバイスを表している。
図3の例では、部屋は2つの同じプロジェクタ340とプロジェクタ345を含むことが可能である。データベース105は、プロジェクタ340とプロジェクタ345の両方のプロジェクタのタイプを特徴付ける1つのデバイスオブジェクト260を含んでいる。会議の設定は、プロジェクタ340とプロジェクタ345に対して1つずつで、合計2つのデバイス状態オブジェクト250を含んでいる。デバイス状態250はその各々の属性が、特定のプロジェクタ340及びプロジェクタ345を、どのように本システムに接続すべきであるか指定する。その中には、プロジェクタ自身がどのようにビデオスイッチデバイス350に接続されるか、プロジェクタ自身を制御するためにどのシリアルポートを用いるべきであるか、を指定することを含む。
<V.会議>
会議の各々は、少なくとも一人のプレゼンタと関連付けられる。また、プレゼンタの各々は、設定と関連付けられる。関連付けられたプレゼンタの誰でもが会議を開始することが可能である。会議を開始するに先立って、会議のプレゼンタの各々は、会議の自分の担当部分を設定する。使用される部屋、デバイス、及びアプリケーションを選択することにより、また、会議中にもし使用されるのであれば、ビデオ会議のためのドキュメントと接続先を指定することによって、設定が行われる。部屋の各々は初期設定(default configuration)を有することが可能であるが、会議の各々は部屋の設定に関してカスタマイズ(設定変更)することが可能である。UI群165を介して、プレゼンタは、何処かにあるコンピュータ360などのデバイスを用いてアプリケーション・ロジック160にアクセスして、会議を予定(スケジュール化)して設定することが可能である。プレゼンタが会議の自分の担当部分を設定した後に、設定が設定レポジトリ310に保存される。
予定された会議の時間になると、それが会議のプレゼンタのうちの一人が設定したものであっても、この会議と関連付けられているユーザなら誰でもUI165を用いて会議を開始することが可能である。会議と関連付けられているユーザは、彼らの個別の設定に従って、認証デバイスであるフェリカ読取装置375、指紋読取装置380、及び生体認証読取装置385の何れかにより認証されなければならない。或いは、本システムは、予定された会議の時間になったら、自律的に会議を開始することが可能である。また、本システムはプレビュー・モードを備えており、このプレビュー・モードにより、プレゼンタの誰もが、予定された会議の時間に先立って会議をプレビューすることが可能である。
システムがスタートすると、アプリケーション・ロジック160に含まれる編成用部品が、設定レポジトリ310に対して、制御される部屋又は空間に対して適切な設定を要求する。任意ではあるが、時間の設定を要求する。また、任意ではあるが、プレゼンタのうちの一人が会議を開始することを要求する。設定レポジトリ310によって返信された情報は、会議の設定に変換されて、部屋制御用PC315上で実行中の部屋制御サービスに伝達される。この会議が2つ以上の設定と関連付けられている場合には、一時に1つの設定しかアクティブとはならない。
会議中に、プレゼンタは、所定の時間に誰がプレゼンテーションを行うかを、適宜(動的に)選択することが可能である。この設定は、この会議に関与する各々のデバイス及びアプリケーションをどのように設定すべきであるかを記述したデバイス状態オブジェクト250の集合体を含む。これによって、本システムは、会議に関与するデバイスを、以前の状態とは無関係に、周知の状態(known state)に置くことが可能となる。従って、例えば会議と会議の合間に、ビデオソースの切り替えやプロジェクタの設定変更など、デバイスの手動操作を行っても、これが予定された会議中にシステムの挙動に影響を及ぼすことはない。例えば、プレゼンタが別のビデオソースに切り替えたとしても、元のビデオソースのデバイス状態オブジェクト250中の「周知の状態」の情報を用いることにより、スケジュール化された会議が再開されたときに、システムは自動的に元のビデオソースに戻ることが可能である。
図4に、本発明の実施形態に関わる、会議の開始時における会議の設定の論理構造の一例を示す。設定レポジトリ310は、上述したように、この設定を部屋制御用PC315上の部屋制御サービスに対して伝達する。例示した会議、即ち会議405は、ある日のある時間に部屋410で開催されるように、スケジュール化されている。二人のクリエータ415及びクリエータ420、即ちプレゼンタが、会議でプレゼンテーションをする予定であり、設定425と設定430が作成されている。これらの設定の各々は、3つのデバイス状態及び2つのデバイスと関連付けられている。
設定425は、設定425自身と関連付けられた2つのデバイス435及びデバイス440を有する。デバイス435の例としてはプロジェクタがある。ここでは各々プロジェクタ340とプロジェクタ345に対応する、2つのデバイス状態450とデバイス状態455とを有する。設定425の場合には、デバイス440は、デバイス440自身と関連付けられた1つのデバイス状態460を有する。デバイス状態465はデバイス状態460に対する文脈となり、デバイス状態470はデバイス状態465に対する文脈となる。
また、設定430は、デバイス440及びデバイス445と関連付けられている。設定430の場合、デバイス440は、デバイス440自身と関連付けられた2つのデバイス状態475と480を有する。デバイス状態475とデバイス状態480は、同じデバイスであるデバイス440に対する互いに異なった2つの状態である。最後に、ここで例示された会議設定では、デバイス445は、デバイス445自身と関連付けられたデバイス状態485を1つ有するだけである。例示されたデバイス445は、図3におけるように、ビデオスイッチ350の1つのインスタンスに対応する、唯一のデバイス状態485を有するビデオスイッチである。
<VI.会議におけるデバイス>
開始されようとしている会議と関連付けられている設定中のデバイス状態オブジェクト250の各々に対して、部屋制御用PC315上の部屋制御部が、デバイス又はアプリケーションを管理するためのIDevice型のオブジェクトを作成する。「IDevice」はインタフェースであって、これを介して部屋制御部は、その目的とは無関係にすべてのデバイス及びアプリケーションと相互作用する。これらのIDevice型のオブジェクトはビジネス・オブジェクト125であり、部屋制御部はアプリケーション・ロジック160に包含されている。
各々のIDeviceが固有の識別番号(ID)を有しており、以下に詳述する初期化コードを実現し、コマンドを実行することが可能である。このインタフェースが本システムを拡張性のあるものとしている。この理由は、このインタフェースを実現するいかなる部品でも、編成用部品に対する変更をなんら必要とすることなく、実行中の本システムに対して追加することが可能であるからである。オブジェクトを作成するファクトリは、所定の論理オブジェクトタイプ、即ち、オブジェクトクラスとクラスが定義されている外部ライブラリを指定するストリング(文字列)を、入力として受け取ることが可能である。
これらの仕様(specification)は、デバイス状態オブジェクト250に関する属性として渡される。このようなライブラリはどの時点でも導入可能である。このため、オブジェクトは、本システム中のいかなるコンピュータを再コンパイル又は再起動したりする必要なく、本システムに動的に追加することが可能である。従って、例えば、1つのモデルのプロジェクタ340又はプロジェクタ345を別のモデルと交換するというように、物理デバイスを交換することができる。また、設定レポジトリ310において1つのエントリ(登録情報)を修正することにより、或いは、編成用部品を実行させるコンピュータに1つのファイルを追加することによって、設定を更新して新しいデバイスを制御することが可能である。
デバイス同士間ではなんらかの相互作用が必要である。例えば、アプリケーションを表すIDeviceは、このアプリケーションが走行する表示用マシンを表すIDeviceを知っている必要がある。従って、IDeviceの作成は3つのフェーズ(段階)からなるプロセスである。
フェーズ1では、設定中の各々のデバイス状態オブジェクト250に対して、IDeviceの新しいインスタンスが作成される。一般的には、IDeviceを実現する毎に、その内部状態を満たすためにそれが作成される基となる、デバイス状態オブジェクト250の属性が用いられる。これに伴って、インスタンス化されるIDeviceの操作で用いられる他のIDeviceに対するIDの参照情報(reference)がしばしば保存される。例えば、シリアルポート情報などの他のパラメータもまた、このフェーズで保存することが可能である。
フェーズ2では、さまざまなIDeviceに対する参照情報が分析される。フェーズ1でキャッシュ(一時記憶)されていたIDを用いて、IDeviceのインスタンスを見つけ出し、これらのIDeviceインスタンスに対する参照情報を記憶する。
フェーズ3では、ビジネス・オブジェクト125によってデバイスコードを実行して、デバイスを周知の状態にして、例えば、アプリケーションを立ち上げる。このフェーズは、設定中のデバイス状態オブジェクト250に、優先権を割り当てて実行することが可能である。従って、例えば、アプリケーションは、ユーザコンソールがこれらアプリケーションにコマンドを送信しようとする前にスタートする。
<VII.アプリケーション>
本システムによって制御されるデバイスには、例えば、例示のプロジェクタ340、プロジェクタ345、ビデオスイッチ350、及びビデオ会議用デバイス395等のシリアル制御されるデバイスと、他のコンピュータである設定レポジトリ310、部屋制御用PC315、表示用PC320、表示用PC325、Pボックス390等のネットワーク制御されるデバイスと、が含まれる。制御された空間内のコンピュータ上で走行する「パワーポイント(Power Point)」などのアプリケーションもまた、編成されるデバイスを構成する。
また、アプリケーションは、アプリケーション・ロジック160中に包含される第1の表示用PC320と第2の表示用PC325上のコントローラ部品によって制御される。このコントローラ部品は、編成用部品からの入力を受信して、これに対応するアプリケーションを例えば、第1のスマートボード330又は第2のスマートボード335に表示するために選択する。表示用マシンである第1の表示用PC320と第2の表示用PC325の各々で、複数のアプリケーションを同時に走行させることが可能である。本システムは、どのような種類のアプリケーションをこの方法で走行させることが可能であるかについてはなんら制限を設けない。また、本システムでは、2つの表示用PCを備える場合には制限されず、表示用PCをいくつでも本システム中に設定することが可能である。
アプリケーションの各々は、コントローラ部品を介してコマンドを受信することが可能である。本システムには、3つのクラスのアプリケーションが存在する。それは、システム固有のアプリケーションと、不透明な(opaque)アプリケーションと、部分的に自動制御されるアプリケーションとである。
電子式ホワイトボード・アプリケーションは、システム固有のアプリケーションの一例である。これは、カスタム・メッセージをそのメッセージ・キュー(保持部)に入力することによって、きめの細かいレベルで制御することが可能なものである。Webブラウザ等の不透明なアプリケーションは、開き(open)、閉じ(close)、隠し(hide)、表示(display)することが可能である。しかしながら、システムによってカスタム的(in any custom way)に制御することは不可能である。 最後に、3種類目のアプリケーションは、その実行を制御するために、公開されたアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)を有するアプリケーションである。例えば、「パワーポイント」はスライドを前進させ、他の遠隔制御動作を実行する「COM(component object model)」のAPIである。
「パワーポイント」をプログラムで制御する特殊なIDeviceを作成することが可能である。これによって、本システムのプレゼンタは、例えば、第1のスマートボード330を制御する第1の表示用PC320等、ディスプレイを制御するコンピュータと物理的に相互作用することなしに、コンソールタブレット365などのコンソールを用いて、一般のディスプレイ上でプレゼンテーションを進行することが可能となる。従って、ある空間に対するリモート(遠隔)・プレゼンタも、ある空間内に居るローカル・プレゼンタと同様に、ローカル・オーディエンスに対してプレゼンテーションを実行することが可能となる。
<VIII.ユーザインタフェース装置>
本実施形態では、上記の次世代機能性を有する会議室での使いやすさを目指して設計される会議室のユーザインタフェース設計に必要なUI165を提供する。実施形態では、使用可能なスマート環境(Usable Smart Environment)(「USE」)システムが、スマート環境(特に会議室や教室)での使いやすさを高めることに特化して設計される柔軟で拡張可能なアーキテクチャを提供する。USEシステムの特徴は、使いやすい、カスタマイズされた中央制御コンソールである。コンソールの設計ならびに基盤システムのアーキテクチャは、人々の会議室の使い方についての比較文化民族学的研究に基づいている。このシステムは、特定の人々や集団、作業のタイプ、および固有の物理空間に合わせたスマート環境のカスタマイズおよび個人向け設定を可能にする。
実施形態では、USEシステムの主眼は、ユーザ同士が会議室に入って相互関係を形成および維持することであり、必ずしもテクノロジを使用することではない。この主眼は、テクノロジを使用する負担を与えることなく、会議室で会議を行う人々の自然な行動をサポートするために、個々のテクノロジ機器を統合することにつながる。
実施形態では、USEシステムは、次世代機能性を確保しながら、使いやすさを目指して設計される、「ウィザード不要」の会議室をベースとする。USEは、マルチディスプレイシステムを仲介する固有のユーザインタフェース(UI)、文書によるサポートを伴う没入型(ディスプレイにより周囲が囲まれる)の会議、デジタルホワイトボード/注釈、およびセキュア認証といった機能を含む。会議をスケジュールする際には、ユーザは、あらかじめ定義された構成を選択したり、それらの構成を、ディスプレイにアプリケーションを割り当てることにより、会議の必要に合わせて修正したりできる。以下では、ユーザインタフェースの設計について詳述する。
実施形態では、USEシステムは、特定の状況に合わせて作成された構成に基づいて、ユーザに代わって、機器の動作を調整する。たとえば、会議室の設定では、システムは、共有文書によるテレビ会議をサポートするために、プロジェクタ、コンピュータディスプレイ、および遠隔会議システムの使い方を調整する。既存のインフラストラクチャと異なり、システム全体の操作に、専用の遠隔制御機器を必要としない。他の会議室制御システムと異なり、このアプローチは、新しい機器を取り込む場合に再構築が必要なシステムソフトウェアを必要としない。
実施形態では、USEシステムは、使いやすさと新しい種類の機能性との釣り合いを効果的にとる。新しい種類の機能性の例としては、複数のディスプレイ、新しいインタフェース、リッチメディアシステム、新しいアップロード/アクセス/セキュリティシステム、ロバストなモバイル統合(スマートフォンやラップトップコンピュータなどのモバイル機器を会議に取り込むこと)などがある。コンテキストアウェアコンピューティング、インタラクティブファニチャ、埋め込みシステム、およびモバイル機器などの分野で開発が行われているように、ユーザは、(特にスマート環境において)遭遇するすべてのテクノロジにおいて、自分の個人用機器が適応可能な使いやすさを有することを期待する。
(USEコンソールのユーザインタフェース)
(説明)
UIは、複数の物理機器を、既述のように、例えば図3におけるコンソールタブレット365を用いて、1つのタッチスクリーンまたは他のモバイルコンピューティング機器から操作することを想定している。UIは、UIとコントローラとの間のブリッジとして動作するWebサービスを介して、会議室コントローラと通信することが可能なグラフィカルインターフェースである。Webサービスブリッジを介して行き来するすべての通信は、XMLソケット接続を介して処理されることが可能である。
図5は、ユーザインタフェースが、実施形態に従って、目標指向のインタフェースからプロセス指向のインタフェースに適応されることが可能であることを示す。UIは、個々のユーザのそれぞれに適応可能である。図5は、目標指向とプロセス指向に関する項目の対応関係を示しており、異なるユーザに対する、UIのあらゆる変形形態が、これの項目の範囲内に収まることになる。これらの項目の中でのユーザの場所は、ユーザがシステムに登録する際の格付けとして割り当てられる。この格付けは、ユーザがシステムを使用し続けるにつれて更新されることが可能である。
UIは、その最も単純な形式では、可能な最終結果(たとえば、「トムを呼ぶ」、あるいは、「自分のパワーポイントファイルを提示する」)だけをユーザに提示する。この目標指向形式のUIは、図5の「目標」に示されるように、ユーザの要求を実行するために必要な、複雑なプロセスからユーザを隔離する。目標指向のユーザが安心できる様式ですべての選択肢を提示することにより、このタイプの個々のユーザは、システムを信頼する。これは、ユーザが、UIを使用することにではなく、自分の作業に集中することを可能にする。たとえば、この目標指向形式のUIは、最高経営責任者(CEO)のような幹部によって使用されそうである。したがって、図5の「目標」の下に示されるように、目標指向形式のUIは、「視覚的に単純なUI」および「明快な単一ステップ操作」(これによってユーザは、自分の作業に集中できる)、さらに「不透明なプロセス」を求めるユーザ向けであり、これによってユーザは、ユーザの要求を実行するための複雑なプロセスに悩まされることなく、目標を実現できる。各目標を実行するために必要となるプロセスは、会議タスク支援システムのアプリケーションブロック160を通じて指示・実行されるように、各目標と対応付けられて予め登録されている。
多くのユーザは、プロセスをユーザから隠しすぎるシステムを信頼しない。そこで、このようなユーザは、図5の「プロセス」の下に示されるような、より詳細な、プロセス指向のUIを提示されることが可能である。したがって、このUIは、基盤システムについてのより多くをユーザに露出して、より細かいユーザ制御を可能にする。このレベルの詳細は、多くのユーザを混乱させる可能性がある。したがって、ある時点で、UIに複雑さを加えることは、ユーザにとって非実用的である。UIが任意の機器コントローラの機能性を1対1で提示するようになると、UIは、元のコントロールを使用することとだんだん似てくる。したがって、図5の「プロセス」の下に示されるように、プロセス指向形式のUIは、ユーザがより細かいユーザ制御を行うことを可能にする「視覚的に複雑なUI」、「複数ステップ操作」、および「明快なプロセス」を求めるユーザ向けである。
(設計における考慮事項)
会議室内の会議室機器の中には、ユーザの入力に反応するのに数秒を要する可能性のあるものがある。実施形態では、UIは、UI内の任意のアニメーションまたはトランジションをスローダウンすることによって、ユーザを少しだけスローダウンさせることが可能である。実施形態では、図18に示される、ボタンのようなオブジェクトであっても、通常より遅いアニメーションサイクルを有することが可能である。
実施形態では、UIは、タッチスクリーンタブレットPC上で動作することが可能である。代替として、UIは、任意のタイプのコンピュータまたはラップトップ上で動作することが可能である。タッチスクリーンの代わりに、任意のタイプのポインティング機器を、標準のコンピュータスクリーンとともに使用することが可能である。しかしながら、既に示されているように、UIの目標の1つは、非コンピュータライクなインタフェースをユーザに提供することである。そのユーザにとって、UIを有する個々のコンソールは、単純に、コンピュータではなくユーザの会議を制御するツールである。ユーザがコンソールをコンピュータと見なして、メールチェックやWebサーフィンをするためにUIを終了すると、ユーザは、会議室の制御を失う。
実施形態では、UIが特徴づけるUI要素は、明快にラベル付けされた仮想ボタンである。ボタンは、使いやすさのために、円形または三角形の形状である。さらに、ボタンは、やはり使いやすさのために、緑、赤、および黄色の原色で示されている。実施形態では、どのボタンも、任意の形状、サイズ、および色であってよい。実施形態では、ボタンのうちの1つまたは複数が、任意のタイプのコントローラ(スライダなど)であってもよい。
このUIは、スクリーンに表示されている情報の意味を解釈する必要がほとんどない、まったく使いやすい設計である。図8〜18の例は、制御コンソールの、より単純な目標指向UIの実施形態をキャプチャした画面ショットである。実施形態では、UIは、ツールバー、パレット、明快にラベル付けされたボタンなど、UI要素の任意の組み合わせを特徴とする。
(設計の詳細)
図6は、実施形態による、2つのディスプレイスクリーン610および620を有する例示的会議室を示す写真である。2つのディスプレイスクリーン610および620は、図6の奥の壁に示されているが、室内の任意の場所にあってよい。実施形態では、任意の構成の、任意の数のディスプレイスクリーンを、USE UIで使用することが可能である。図6はさらに、天井から吊り下げられた2つのプロジェクタ630および640を示しており、これらは、異なるアプリケーションからの表示をディスプレイスクリーンに投射する。図6には、2つのスピーカ650および660も奥の壁に示されており、これらは、遠隔会議または他の用途に使用される。
図7は、実施形態による、2つの例示的ディスプレイスクリーン710および720とともに使用される例示的USE UIを例示的タッチスクリーンタブレットPC 705上に有する例示的会議室を示す写真である。この会議室は、図6に示された会議室と同様の様式でセットアップされている。席についているユーザは示されていないが、テレビ会議が進行中である。一般に、会議室には、ユーザと、任意の数の他の人々とがいる。会議を召集したユーザは、テーブル上のタッチスクリーンタブレットPC 705を使用して、後で詳述するように、会議を開き、制御する。この例では、パワーポイントのプレゼンテーションも、テレビ会議の一部である。左側のディスプレイスクリーン710に示されているのが、パワーポイントのプレゼンテーションの1枚のスライドである。右側のディスプレイスクリーン720に示されているのは、遠隔場所(同じ建物の別の会議室であっても、それ以外の場所であってもよい)にいるテレビ会議出席者のひとりである。図8から18に関連する説明は、図7に示されている要素への参照を含んでいる。
図8は、実施形態による、例示的スタート画面を示すUI画面ショットである。ユーザが会議を開くために会議室に入ると、ユーザは、この画面がUIタッチスクリーン(たとえば、タブレットPC 705のタッチスクリーン)に表示されているのを見る。実施形態では、スタンドアロンの無線周波数識別(Radio Frequency Identification)(RFID)スマートカード装置(図示せず)がUSB経由でUSEに接続され、テーブル上の、タッチスクリーンタブレットPC 705の横に配置されている。実施形態では、ユーザは、識別のために自分のスマートカードをRFIDスマートカード装置に通して読み込ませる(これについては後で詳述する)。UIタッチスクリーンの中央に示されているのは「開始」ボタン810であり、ユーザは、このボタンに触れるだけでUSEを開始できる。ユーザが、UIタッチスクリーンを使用して会議の終了を決定すると、USEシステムは、この画面に戻る。
図9は、実施形態による、図7に示された会議室の例示的な2つのスクリーンに対して動作可能なアプリケーションの例示的なメインメニューを示すUI画面ショットである。この画面は、図7に示された会議室が2つのディスプレイスクリーンを有することから、左半分と右半分とに分割されている。図9では、画面の左半分は、「左スクリーン選択肢」905とラベル付けされ、図7の左ディスプレイスクリーン710上で実行可能なアプリケーションを制御する。図9の画面の右半分は、「右スクリーン選択肢」910とラベル付けされ、図7の右ディスプレイスクリーン720上で実行可能なアプリケーションを制御する。異なるディスプレイスクリーンで実行可能なアプリケーションのタイプは、ディスプレイスクリーンの機能が異なる可能性があるので、異なってよい。ディスプレイスクリーン上での実行および表示が可能なアプリケーションの例としてパワーポイント(パワーポイントプレゼンテーション)、ホワイトボード(電子ホワイトボード上への書き込みを可能にする電子マーカを有する双方向ホワイトボード)、および外部ラップトップ(UIコンソールがラップトップかどうかに関係なく、UIコンソールに追加されるラップトップ)がある。従業員またはゲストが、これらのラップトップを会議室に持ち込む可能性がある。
ユーザがUSE UIを使用して会議を開始する前に、個々のスクリーンで使用可能なアプリケーションが、USEにプログラムされている。さらに、各ユーザに関する情報がUSEにプログラムされており、各ユーザは、関連付けられた識別番号(「ID」)を有する。たとえば、ユーザが1つまたは複数のパワーポイントプレゼンテーションを会議に取り入れる予定であるとする。プレゼンテーションを含むユーザのファイルは、USEにプリロードされており、ユーザのIDで識別される。別の例では、想定されている会議出席者の情報が、USEにプリロードされており、ユーザのIDに関連付けられている。出席者の情報には、出席者の名前および連絡先情報(電話番号など)が含まれる。ユーザがタッチスクリーン上で自分のRFIDスマートカードを装置に通して読み込ませると、USEに既にプログラムされている、そのユーザのIDに関連付けられた情報が、そのユーザの現在のUSEセッションの間、そのユーザにとって使用可能になる。
図9の例は、2つのスクリーンだけを示しているが、実施形態では、USEは、任意の数のスクリーンを扱うことが可能である。3つ以上のスクリーンを扱う場合、図9のユーザインタフェースは、タイリング可能である。USEは、いくつのスクリーンを同時に扱う必要があるかに応じて、自身を構成することが可能である。したがって、3つ以上のスクリーンの場合、図9のメインメニューは、行および列の配列でそれぞれが正方形にされたタイルとして表示されることが可能である。複数のスクリーンについては、2つのスクリーンラベル905および910の代わりに、追加のスクリーンラベルが必要になる。たとえば、複数のスクリーンの場合のスクリーンラベルは、スクリーン1、スクリーン2、スクリーン3、・・・、スクリーンNのようになるであろう(Nはスクリーンの数)。
実施形態では、図9のメインメニューのアプリケーションをサポートするために、追加のアプリケーションをUSEコントローラに埋め込むことが可能である。これらの追加アプリケーションは、外部ハードウェア機器の使用を可能にすることができる。たとえば、複数画面処理をバックグラウンド機能として実行するために、複数画面処理アプリケーション(たとえば、明示的並列命令コンピューティング技術(Explicitly Parallel Instruction Computing)(「EPIC」)を使用するアプリケーション)をUSEで使用することが可能である。別の例は、ハイデフィニション(High Definition)(「ハイデフ(HiDef)」)会議をサポートすることが可能なアプリケーションである。別の例は、ユーザが3次元(「3D」)パワーポイントプレゼンテーションを表示することを可能にするアプリケーションである。別の例は、会議での携帯電話の使用を扱うことが可能なアプリケーションである。
図9では、図7の左ディスプレイスクリーン710に表示されることが可能なアプリケーションが、ユーザが選択できるボタンとしてリストされている。これらの例示的ボタンは、「プレゼンテーション」ボタン915、「ホワイトボード」ボタン920、および「外部ラップトップ」ボタン925である。ユーザが図7の左ディスプレイスクリーン710をオフにして右ディスプレイスクリーン720だけを使用したい場合、ユーザは、「オフ」ボタン930を選択できる。図9では、図7の右ディスプレイスクリーン720に表示されることが可能なアプリケーションが、ユーザが選択できるボタンとしてリストされている。これらの例示的ボタンは、「プレゼンテーション」ボタン935、「ホワイトボード」ボタン940、「テレビ会議」ボタン945、および「外部ラップトップ」ボタン950である。ユーザが図7の右ディスプレイスクリーン720をオフにして左ディスプレイスクリーン710だけを使用したい場合、ユーザは、「オフ」ボタン955を選択できる。
図9〜17に示されたどの画面でも、ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に使用できるアプリケーションである。図9〜17に示されたどの画面でも、ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に使用できるアプリケーションである。さらに、図9〜17に示されたどの画面でも、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了することが可能である。
図10は、実施形態による、図9でユーザによって選択された例示的テレビ会議のための、ユーザの、テレビ会議出席者の例示的リストを示すUI画面ショットである。この例では、ユーザが、図9の「右スクリーン」910で「テレビ会議」ボタン945を選択し、図10のUI画面ショットが表示される。図10の画面の右半分は、この時点で「テレビ会議」1010とラベル付けされている。テレビ会議システムのブランド名(たとえば、「Tandberg」(Tandberg Device Library)を、画面の、たとえば、「テレビ会議」1010のすぐ下に表示することが可能である。
「テレビ会議」1010の下に、ユーザが召集した会議出席者のリストがある。この出席予定者のリストは、USE内のユーザの識別番号にリンクされている。各出席者の名前とともに電話番号が保存されている。実施形態では、電話番号の代わりに、または電話番号とともに、他の形式の連絡先を使用することも可能である。出席者の名前は、出席者の居場所(会議室や他の部屋など)であってもよい。ユーザは、USE UIで会議を開始する時間の前に、出席予定者の情報をUSEに入力することが可能である。代替として、ユーザは、別のユーザの代わりに出席予定者の情報を入力するためのシステム許可を与えられることが可能である。たとえば、幹部がUSE UIを使用して会議を開始する時間の前に、幹部が召集した出席予定者の連絡先情報を、幹部補佐が入力することが可能である。
図10では、出席予定者の例示的リストに、3つの部屋の名前と、1人の出席者の名前がある(「ナカイSCR デンマーク」、「タキグチ コウイチ」、「管理者会議」、および「クモ会議室」)。ユーザは、出席者を、対応するボタンを選択することによって選択する。たとえば、ユーザは、3つの部屋(「ナカイSCR デンマーク」ボタン1035、「管理者会議」)ボタン1045、および「クモ会議室」ボタン1050)から1つを選択できる。これらの部屋には、1人または複数人の出席者が、会議に参加するために集まることが可能である。ユーザは、出席者の「タキグチ コウイチ」ボタン1040を選択することも可能である。たとえば、出席予定者のタキグチ氏は、彼自身の電話番号の場所(事務所など)にいると考えられる。他の会議出席者も、タキグチ氏の場所でタキグチ氏とともに会議に参加することが可能である。ユーザは、左矢印ボタン1060および右矢印ボタン1065を使用して出席予定者のリストのページをめくることが可能である。2つの矢印ボタン1060および1065の間に示されているのは、出席予定者のページ総数のうちの現在のページである。ページインジケータ1063は、ユーザが、3ページ分の出席予定者のうちの2ページ目(すなわち、「ページ2/3」)を表示していることを示している。
ユーザが、場合によっては会議に召集すべき他の連絡先を参照したい場合、ユーザは、「参照」ボタン1075を選択することが可能であり、それによって別の画面(図示せず)が表示される。この画面には、会議に召集する選択を行うための、ユーザの連絡先のリストがあり、ユーザが電話番号を入力することも可能である。
マイクアイコン1068は、他のすべての会議出席者に対する音声がオンかオフかを示す。マイクがオンであれば、図10のように、マイクアイコン1068が表示される。マイクがオフであれば、マイクアイコン1068は、マイクの周囲が円で囲まれ、その円にスラッシュがかかっているように表示される。ミュートボタン1070は、ユーザがいつでもマイクをミュートしたりミュート解除したりすることを可能にする。
図10の「左スクリーン」905、ならびにアプリケーションボタン915、920、925、および「オフ」ボタン930は、図9と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図11は、実施形態による、図10でユーザによって選択された例示的プレゼンテーションのための、ユーザの、プレゼンテーションの例示的リストを示すUI画面ショットである。この例では、ユーザが、図10の「左スクリーン」905から「プレゼンテーション」ボタン915を選択し、図11のUI画面ショットが表示される。図11の画面の左半分は、この時点で「プレゼンテーション」1105とラベル付けされている。
「プレゼンテーション」1105の下には、テレビ会議中にユーザが参照できる、ユーザのプレゼンテーションのリストがある。このプレゼンテーションのリストは、USE内のユーザの識別番号にリンクされている。これらのプレゼンテーションは、パワーポイントプレゼンテーションであっても他のタイプのプレゼンテーションであってもよい。ユーザは、USE UIで会議を開始する時間の前に、これらのプレゼンテーションのファイル名をUSEに入力することが可能である。代替として、ユーザは、別のユーザの代わりにプレゼンテーションファイル名を入力するためのシステム許可を与えられることが可能である。たとえば、幹部がUSE UIを使用して会議を開始する時間の前に、幹部のプレゼンテーションファイル名を、幹部補佐が入力することが可能である。
図11では、プレゼンテーションの例示的リストは、「議事日程」、「Enterprise Content Services」、「ECS/OOM Resolution」、「ECM, BCS, and SES: TLA’s for CM」、および「USE Design Presentation」である。ユーザは、プレゼンテーションを、対応するボタンを選択することによって選択する。たとえば、ユーザは、「議事日程」ボタン1115、「Enterprise Content Services」ボタン1120、「ECS/OOM Resolution」ボタン1125、「ECM, BCS, and SES: TLA’s for CM」ボタン1130、およ
び「USE Design Presentation」ボタン1135から1つを選択することが可能である。「電子メール」ボタン1140を選択すると、別の画面(図示せず)が表示され、この画面では、ユーザは、会議の一環として、ユーザの電子メールを呼び出して読むことが可能である。ユーザは、左矢印ボタン1150および右矢印ボタン1155を使用して、プレゼンテーションのリストのページをめくることが可能である。2つの矢印ボタン1150および1155の間に示されているのは、プレゼンテーションのページ総数のうちの現在のページである。この例は、ユーザが、2ページ分のプレゼンテーションのうちの1ページ目(すなわち、「ページ1/2」)を表示していることを示している。左矢印ボタン1150が淡色表示になっているのは、ユーザが1ページ目より前のページを選択できないことを示している。同様に、ユーザがプレゼンテーションの最後のページを表示しているとすれば、右矢印ボタン1155が淡色表示になり、ユーザが最後のページより後のページを選択できないことを示す。
ユーザが、場合によっては会議に含めるべき他のプレゼンテーションを参照したい場合、ユーザは、「参照」ボタン1145を選択することが可能であり、それによって別の画面(図示せず)が表示される。この画面には、会議に含める選択を行うための、ユーザのプレゼンテーションの追加リストがある。この画面ではさらに、ユーザは、まだUSEにロードされていないものの、USEシステムからのアクセスが可能であるプレゼンテーション(たとえば、ネットワークファイルシステムにあるプレゼンテーション)のファイル名を参照することが可能である。
図11の画面の半分の「テレビ会議」1010(出席者ボタン1035、1040、1045、および1050、ページ矢印ボタン1060および1065、ページインジケータ1063、マイクアイコン1068、マイクボタン1070、および「参照」ボタン1075を含む)は、図10と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図5の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図12は、実施形態による、図11でユーザによって選択された例示的プレゼンテーションに対する例示的プレゼンテーション制御を示すUI画面ショットである。この例では、ユーザが、図11の「プレゼンテーション」1105の下の画面の左側から、「USE Design Presentation」ボタン1135を選択し、図12のUI画面ショットが表示される。図12の画面の左半分は、この時点で「プレゼンテーション」1205とラベル付けされている。プレゼンテーションのブランド名(たとえば、「パワーポイント」)を、画面の、たとえば、「プレゼンテーション」1205のすぐ下に表示することが可能である。この例では、「USE Design Presentation」はパワーポイントプレゼンテーションであり、「パワーポイント」は、画面の「プレゼンテーション」1205のすぐ下に表示される。
「プレゼンテーション」1205の下には、「USE Design Presentation」1250とラベル付けされた領域がある。会議を現在運営しているユーザ、ならびに会議の日付を(たとえば、「ジョン ドウ(John Doe)」および「01/29/2007」1270のように)画面に表示することが可能である。前述のように既にUSEシステムにロードされている、ユーザの「USE Design Presentation」は、図7に示された左ディスプレイスクリーン710に表示される。ジョン ドウは、図7の左ディスプレイスクリーン710上のプレゼンテーションの表示を参照しながら、左矢印ボタン1255および右矢印ボタン1260を使用して、プレゼンテーションのスライドのページをめくることが可能である。2つの矢印ボタン1255および1260の間に示されているのは、プレゼンテーションのスライドの総数のうちの現在のスライドである。デフォルトでは、プレゼンテーションは、1枚目のプレゼンテーションスライドの表示から始まる。この例示的スライドインジケータ1258は、ジョン ドウが、プレゼンテーションの9枚のスライドのうちの1枚目のスライド(すなわち、「スライド1/9」)を表示していることを示している。左矢印ボタン1255が淡色表示になっているのは、1枚目のスライドより前に、ジョン(John)が選択するスライドが存在しないことを示している。同様に、ジョンがプレゼンテーションの最後のスライドを表示しているとすれば、右矢印ボタン1260が淡色表示になり、最後のスライドより後に、ジョンが選択するスライドが存在しないことを示している。
ジョン ドウが別のプレゼンテーションに切り替えたい場合、ジョンは、「リスト」ボタン1265を選択することが可能であり、選択すると、図11と同様の別の画面(図示せず)が表示され、この画面には、「USE Design Presentation」以外のジョンのプレゼンテーションのリスト、すなわち、プレゼンテーション1115、1120、1125、1130、ならびに「電子メール」1140が表示される。ジョンは、会議で使用するために1つまたは複数のプレゼンテーションを選択することが可能である。ジョンはさらに、まだUSEにロードされていないものの、USEシステムからのアクセスが可能であるプレゼンテーション(たとえば、ネットワークファイルシステムにあるプレゼンテーション)のファイル名を検索することが可能である。実施形態では、システムは、ユーザが各プレゼンテーションのどこを表示していたかを記憶している。ジョンは、「リスト」ボタン1265を選択してプレゼンテーションのリストを表示することにより、開いている複数のプレゼンテーションの間でトグルを行うことが可能である。実施形態では、ジョンが、開いているプレゼンテーションの間でトグルを行うことを可能にするために、トグルボタン(図示せず)を画面に表示することも可能である。
図12の画面の半分の「テレビ会議」1010(出席者ボタン1035、1040、1045、および1050、ページ矢印ボタン1060および1065、ページインジケータ1063、マイクアイコン1068、マイクボタン1070、および「参照」ボタン1075を含む)は、図10と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図13は、実施形態による、図12でユーザによって選択された例示的会議出席者に対する例示的テレビ会議制御を示すUI画面ショットである。この例では、ユーザジョン ドウが、図12の「テレビ会議」1010の下の画面の右側から「タキグチ コウイチ」ボタン1040を選択し、これによって遠隔会議システム(たとえば、Tandberg遠隔会議システム)内でコマンドイベントのシーケンスが開始され、遠隔会議システムは、遠隔会議システムを介してタキグチ氏を呼び出すよう要求される。ジョンがタキグチ氏との連絡を確立すると、タキグチ氏がテレビ会議への出席に同意し、図13のUI画面ショットが表示される。UI画面の「タキグチ コウイチ」ボタン1040の横にタキグチ氏の写真1371を表示することにより、タキグチ氏がテレビ会議に参加している現在の出席者の1人であることを示すことも可能である。ジョン ドウは、会議に出てほしい出席者を何人でも選択することが可能である。ジョンは、矢印ボタン1060および1065を使用して出席者のページをスクロールしたり、「参照」ボタン1075でその他の出席者を参照したり、出席者/部屋ボタン(1035、1045、1050など)を選択したりすることによって、自分のリストにあるどの出席者とも簡単に連絡を開始する。この例では、マイクアイコン1068で示されるように、マイクはミュート解除されたままである。ジョンは、いつでもマイクボタン1070を選択してマイクをミュートすることが可能である。
遠隔場所からテレビ会議に参加しているのがタキグチ氏だけであれば、タキグチ氏のリアルタイム映像が図7の右ディスプレイスクリーンに表示される。2人以上の人々が、遠隔場所から参加している場合は、遠隔場所から参加している全員のリアルタイム映像を表示するために、図7の右ディスプレイスクリーン720がタイルに分割される。遠隔場所からの「出席者」が、図13の「クモ会議室」選択1050のような、部屋にいる人々である場合は、その部屋の中の人々のリアルタイム映像が、図7の右ディスプレイスクリーン720に表示される。ユーザの写真を、テレビ会議の参加者として画面に表示することも可能である。これらの映像を図7の右ディスプレイスクリーン720に表示することは、USEにあらかじめロードされているテレビ会議ソフトウェア(Tandbergなど)によって処理される。
会議が終了する前にタキグチ氏が会議を離れることをジョン ドウが決定した場合、ジョンは、「呼出終了」ボタン1372を選択することによって、タキグチ氏との電話接続を終了することが可能である。この「呼出終了」ボタン1372は、2人以上の出席者が会議に参加している場合には、使用される可能性がより高い。出席者が、電話を切ることによってテレビ会議から離れることを決定した場合は、出席者の写真1371および対応する「呼出終了」ボタン1372が画面から消える。
図13の画面の半分の「プレゼンテーション」1205(「USE Design Presentation」1250とラベル付けされたプレゼンテーション領域、スライド矢印ボタン1255および1260、スライドインジケータ1258、「リスト」ボタン1265、ならびに、ユーザおよび日付(「ジョン ドウ(John Doe)」および「01/29/2007」)1270を含む)は、図12と同じである。図13の画面の半分の「プレゼンテーション」1205における唯一の違いは、ジョン ドウが右矢印ボタンを選択して、プレゼンテーションをスライド2に進めたことであり、スライドインジケータ1258の表示は「スライド2/9」に変わっている。図13の左スライド矢印ボタン1255は、淡色表示ではなくなっている。
ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図14は、実施形態による、図13のテレビ会議セットアップのための例示的テレビ会議制御および表示を示すUI画面ショットである。ユーザであるジョン ドウは、ジョンのテレビ会議の出席者全員との連絡を確立している。ジョンの会議に含まれるのは、ジョンと、ジョンとともに会議室にいる全員、ならびにタキグチ コウイチ氏だけである。この例では、ジョンは、マイクボタン1070を選択して、遠隔場所にいる会議出席者への音声をミュートする。これにより、ジョンは、たとえば、ジョンとともに会議室にいる出席者とオフラインの議論を行うことが可能である。マイクアイコン1068は、この時点では、マイクの周囲が円で囲まれ、その円にスラッシュがかかっているように表示される。ボタン1070は、この時点では、「ミュート解除」と表示されている。マイクがミュートされていることをユーザに気づかせるために、領域1405を別の色(赤など)で表示することが可能である。さらに、出席者の場所のリストを画面に表示することが可能である。この例では、「タキグチ コウイチ」は「ユキ会議室」1400にいると表示されている。
図14の画面の半分の「テレビ会議」1010の他の要素(出席者ボタン1035、1040、1045、および1050、ページ矢印ボタン1060および1065、ページインジケータ1063、マイクアイコン1068、マイクボタン1070、および「参照」ボタン1075を含む)は、図10と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図15は、実施形態による、ユーザによって選択されたホワイトボードの例を示すUI画面ショットである。この例では、ユーザが図14の「選択肢」ボタン980を選択すると、図10に示されたUI画面ショットが表示される。ユーザが、図10の「左スクリーン」905から「ホワイトボード」ボタン520を選択し、図15のUI画面ショットが表示される。図15の画面の左半分は、この時点で「ホワイトボード」1500とラベル付けされている。ホワイトボードのブランド名(たとえば、スマートボード(SmartBoard))を、画面の、たとえば、「ホワイトボード」110のすぐ下に表示することが可能である。
「ホワイトボード」1500の下は、「ホワイトボード」1501とラベル付けされた領域である。この領域の中に、ホワイトボードが使用中であることをユーザに示すために、マーカ/ペンのイメージ152を表示することが可能である。会議を現在運営しているユーザ、ならびに会議の日付を(たとえば、「ジョン ドウ(John Doe)」および「01/29/2007」1507のように)画面に表示することが可能である。USEシステムにあらかじめロードされているホワイトボードソフトウェアが、図7に示されている左ディスプレイスクリーン310に電子ホワイトボードを表示する。ホワイトボードソフトウェアは、ジョンが空白のホワイトボードに描画し始めることを可能にする。ホワイトボードソフトウェアはさらに、ジョンが、保存されたホワイトボードセッションからメモを引き出して、これに追加描画することも可能にする。実施形態では、ホワイトボードソフトウェアの描画ツールは、コンソールUIではなくホワイトボード画面に表示される。
この例では、ジョンは、12ページの、以前に保存されたメモを引き出している。ジョンが図10の「ホワイトボード」920を選択した直後、および、図15が表示される直前には、ジョンが選択することが可能な、ホワイトボードメモの使用可能な集合の画面(図示せず)が表示される。この画面は、ホワイトボードメモの集合のリストが表示される以外は、図11のプレゼンテーションのリストとよく似ている。ジョンが、この画面から12ページ分のメモの集合を選択するとする。すると、図15の画面ショットが表示される。
ジョン ドウは、図7の左ディスプレイスクリーン710上のホワイトボードの表示を参照しながら、左矢印ボタン1503および右矢印ボタン114を使用して、メモのページをめくることが可能である。2つの矢印ボタン1503および1504の間に表示されているのは、メモの総数のうちの現在のメモである。デフォルトでは、ホワイトボードソフトウェアは、1ページ目のメモを表示する。例示的メモインジケータ1505は、ジョン ドウが、12ページ分のメモのうちの3ページ目(すなわち、「メモ3/12」)を表示していることを示している。
ジョン ドウが別の、ホワイトボードメモの集合に切り替えたい場合、ジョンは、「参照」ボード1506を選択することが可能であり、これによって、他の保存されたメモの集合のリストを有する別の画面(図示せず)が表示される。ジョンは、会議で使用するために1つまたは複数のメモの集合を選択することが可能である。ジョンはさらに、まだUSEにロードされていないものの、USEシステムからのアクセスが可能であるメモ(たとえば、ネットワークファイルシステムにあるメモ)のファイル名を検索することが可能である。実施形態では、システムは、ユーザがホワイトボードメモの各集合のどこを表示していたかを記憶している。ジョンは、「参照」ボタン1506を選択してメモの集合のリストを表示することにより、開いている複数のホワイトボードメモの集合の間でトグルを行うことが可能である。実施形態では、ジョンが、開いているメモの集合の間でトグルを行うことを可能にするために、トグルボタン(図示せず)を画面に表示することも可能である。
実施形態では、システムは、ユーザが、各プレゼンテーションおよびホワイトボードメモの各集合のどこを表示していたかを記憶している。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン710に対して使用可能なアプリケーションである。実施形態では、ユーザが「プレゼンテーション」915を選択し、次に、図11に示されている「Use Design Presentation」1135を選択した場合は、図14に示されるように、プレゼンテーション内の、ユーザが表示していた場所が表示される。代替として、現在使用中のプレゼンテーションおよびホワイトボードメモ集合のメニューアイテムを表示するメニュー画面を表示することが可能なボタン(図示せず)を図15の画面に与えることが可能である。ユーザは、これらのメニューアイテムの1つを選択することが可能であり、システムは、プレゼンテーションまたはメモ(たとえば、図14に示されているプレゼンテーション)の中の、ユーザが表示していた場所を直接表示することが可能である。
図15の画面の半分の「テレビ会議」1010(出席者ボタン1035、1040、1045、および1050、ページ矢印ボタン1060および1065、ページインジケータ1063、マイクアイコン1068、マイクボタン1070、および「参照」ボタン1075を含む)は、図10と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図16は、実施形態による、ユーザによって選択されたラップトップの例を示すUI画面ショットである。この例では、ユーザが図11の「選択肢」ボタン980を選択すると、図10に示されたUI画面ショットが表示される。ユーザが、図10の「左スクリーン」905から「外部ラップトップ」ボタン525を選択し、図16のUI画面ショットが表示される。図16の画面の左半分は、この時点で「ラップトップ」1600とラベル付けされている。
「ラップトップ」1600の下は、「ラップトップ」1601とラベル付けされた領域である。この領域の中にあるのは、図7の左ディスプレイスクリーン710にラップトップのディスプレイが表示されていることをユーザに示すために表示されることが可能なラップトップイメージ1602である。ユーザは、いくつかのラップトップから選択することが可能である。この例では、ユーザは、ボタン1603、1604、1605、および1606のいずれかを選択することによって、4つのラップトップのいずれかを選択することが可能である。この例では、ボタン1604に対応するラップトップが選択されている。ラップトップ上で表示されるような、ラップトップのディスプレイが、図7の左ディスプレイスクリーン710に表示される。想定されるのは、ユーザがこのラップトップを使用していて、そのラップトップ上のアイテムを、テレビ会議に参加している他の人々にも見せたい場合である。会議を現在運営しているユーザ、ならびに会議の日付を、図16の画面に表示することも可能である。
ジョン ドウが、ボタン1604に対応するラップトップとは別のラップトップに切り替えたい場合、ジョンは、他のボタン1603、1605、および1606のどれでも選択することが可能である。実施形態では、システムは、ユーザが各ラップトップのどこを表示していたかを記憶している。ジョンは、任意のボタン1603、1604、1605、および1606を選択することにより、使用しているラップトップの間でトグルを行うことが可能である。実施形態では、ジョンが、使用しているラップトップの間でトグルを行うことを可能にするために、トグルボタン(図示せず)を画面に表示することも可能である。
実施形態では、システムは、ユーザが、各プレゼンテーション、ホワイトボードメモの各集合、および各ラップトップセッションのどこを表示していたかを記憶している。ユーザが「選択肢」ボタン980を選択すると、USEは、図9の画面の左半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の左ディスプレイスクリーン310に対して使用可能なアプリケーションである。実施形態では、ユーザが「プレゼンテーション」915を選択し、次に、図11に示されている「Use Design Presentation」1135を選択した場合は、図14に示されるように、プレゼンテーション内の、ユーザが表示していた場所が表示される。代替として、現在使用中のプレゼンテーション、ホワイトボードメモ集合、およびラップトップセッションのメニューアイテムを表示するメニュー画面を表示することが可能なボタン(図示せず)を図15の画面に与えることが可能である。ユーザは、これらのメニューアイテムの1つを選択することが可能であり、システムは、プレゼンテーション、メモ、またはラップトップセッション(たとえば、図14に示されているプレゼンテーション)の中の、ユーザが表示していた場所を直接表示することが可能である。
図16の画面の半分の「テレビ会議」1010(出席者ボタン1035、1040、1045、および1050、ページ矢印ボタン1060および1065、ページインジケータ1063、マイクアイコン1068、マイクボタン1070、および「参照」ボタン1075を含む)は、図10と同じである。ユーザが「選択肢」ボタン985を選択すると、USEは、図9の画面の右半分に表示された、使用可能なアプリケーションのメインメニューを表示する。これらは、図7の右ディスプレイスクリーン720に対して使用可能なアプリケーションである。さらに、ユーザは、「会議終了」ボタン990を選択することにより、いつでも会議を終了できる。
図17は、実施形態による、例示的UI画面ショットと、対応する、会議室ディスプレイスクリーンの例示的写真を示す。これらのUI画面ショットは、図9、11、および13に示されたものと同様であるが、まったく同じというわけではない。これらの対応する例示的写真は、図6および7の写真と同様であるが、まったく同じというわけではない。
画面ショット10は、図9の画面ショットと同じである。「左スクリーン」14は、会議室20の右ディスプレイスクリーン24を制御する。「右スクリーン」16は、写真20に示された会議室の右ディスプレイスクリーン26を制御する。「左スクリーン」14の下は、ユーザ22が選択できる、使用可能なアプリケーションのリストである。同様に、「右スクリーン」16の下は、ユーザ22が選択できる、使用可能なアプリケーションのリストである。この時点では、ユーザ22がまだアプリケーションをまったく選択していないので、「USEが動作中であるが、これらのスクリーンに表示されるアプリケーションがまだ選択されていない」ということを示すために、スクリーン24および26にUSEロゴを表示することが可能である。
画面ショット30は、図11の画面ショットと同様である。ユーザ22は、画面ショット10において、「左スクリーン」14から「プレゼンテーション」18を選択し、「右スクリーン」16から「テレビ会議」19を選択した。画面ショット30の「プレゼンテーション」34側には、ユーザのプレゼンテーションのリストが表示される。画面ショットの「テレビ会議」36側には、ユーザの出席予定者のリストが表示される。ユーザ22がプレゼンテーション「View of the Future − Beyond Web 2.0」ボタン38を選択したとすると、このプレゼンテーションからのスライドが、写真40の会議室の左ディスプレイスクリーン24に表示される。この時点では、ユーザ22がまだ、テレビ会議の出席者を選択していないので、写真40の会議室の右スクリーン26には、USEロゴが表示されたままである。
画面ショット50は、図13の画面ショットと同様である。ユーザ22は、画面ショット30において、画面ショットの「プレゼンテーション」34側からプレゼンテーション「View of the Future − Beyond Web 2.0」ボタン38を選択し、画面ショットの「テレビ会議」36側から出席者「サスガ カズヤス」39を選択した。画面ショット50の「プレゼンテーション」54側には、プレゼンテーション「View of the Future − Beyond Web 2.0」のスライドを制御する領域58が表示される。写真60の会議室の左ディスプレイスクリーン24には、このプレゼンテーションのスライド2が表示されている。画面ショット50の「テレビ会議」56側では、「サスガ カズヤス」59が強調表示されていて、サスガ氏がテレビ会議に参加していることを示している。写真60の会議室の右ディスプレイスクリーン26には、サスガ氏のリアルタイム画像が表示されている。
図18は、実施形態による、図8〜17に示されたボタンの各種ボタン状態を示す。「活性状態」ボタン1801は、ユーザがこのボタンを選択できることを示している。USEがラップトップまたは他の機器で、マウスとともに使用されている場合、「上方待機状態」ボタン1802は、ユーザがこのボタンの上方にマウスを動かし、この場所でユーザがまだマウスでボタンをクリックしていないことを示している。同様に、ユーザがマウスを動かしている場合、「クリック状態」ボタン1803は、ユーザが、このボタンを選択するために、このボタンをマウスでクリックしたことを示している。「動作中状態」ボタン1804は、USEがバックグラウンドで処理中であること、ユーザは処理が終わるまで待たなければならないこと、ならびに、ユーザは処理が終わるまで他のどのボタンも選択することを許可されないことを示している。USE UIがタッチスクリーンとともに用いられている場合、「選択状態」ボタン1805は、ユーザがタッチスクリーン上でこのボタンに触れることによってこのボタンを選択したことを示している。「選択状態」ボタン1805は、ユーザがボタンをマウスでクリックする代わりにユーザがボタンに触れる以外は、「クリック状態」ボタン1803と同様である。「使用不可状態」ボタン1806は、ユーザがこのボタンを選択できないことを示している。たとえば、図16では、「プレゼンテーション」の下の「戻る」三角印が、「使用不可状態」で示されている。これは、2ページ分のプレゼンテーションのページ1が表示されていて、それより前のページが存在しないためである。「一時使用不可状態」ボタン1807は、ユーザがこのボタンを一時的に選択できないことを示している。たとえば、図9のアプリケーションを新しいバージョンにアップグレードしている場合には、一時的に使用不可にすることが可能である。
図示されているボタンは、使いやすさのために、円形または三角形の形状である。さらに、ボタンは、やはり使いやすさのために、緑、赤、および黄色の原色で示されている。実施形態では、どのボタンも、任意の形状、サイズ、および色であってよい。実施形態では、ボタンのうちの1つまたは複数が、ボタンの代わりに、任意のタイプのコントローラ(スライダなど)であってもよい。
<IX.相互作用>
本システムでの設定の利用により、制御目的での本システムとの相互作用の多くが、少ない数の単純な選択動作だけで済むように、或いは、まったく不必要なものとなっている。
1つのクラスの相互作用では、認証とアクセス制御140制御下で、本システムにログインする。プレゼンタは、バッジをフェリカ(RFID)読取装置375にかざすか又は通すことにより、バッジを用いて本システムにログインすることが可能である。また、プレゼンタは、指紋読取装置380や他の生体認証読取装置385を用いたり、ユーザIDとパスワードとを、トラステッド・アプリケーション中にタイプ入力したりすることによって、本システムにログインすることが可能である。
親指又はRFIDを1回通すだけで、第1のスマートボード330等の画面上でドキュメント又は電子式ホワイトボード・アプリケーションを開いたり、第2のスマートボード335等の別の画面上でテレビ会議のコール(通話)を開始することが可能である。各々の例において、プレゼンタは、デバイス制御の手順や、どのリモコンを用いるかを理解することにではなく、概略の説明(sketching)、プレゼンテーション(presenting)、又は対話(communicating)などのタスクに集中する。
しかしながら、ログイン動作は厳密には必要なものではない。例えば、ペンを取り上げて電子式ホワイトボード上に描くと、正しいアプリケーションが自動的にブートストラップ(起動処理)され、文脈が作成される。この文脈の中に、ホワイトボード上での描画の結果を永続的に保存することが可能である。続いて、プレゼンタがこのアドホック(ad hoc)な文脈中で作成されたデータを保存したい場合には、プレゼンタはログインして、このデータをプレゼンタ自身のパーソナル・スペースに転送させることが可能である。
プレゼンタが一度でもログインすれば、その人物は、リモコンや部屋を制御するために、リモコンやシステムの種々のデバイスのボタンを用いる必要はない。デバイス状態のほとんどは自動的に設定される。例えば、ビデオ会議を設定するのに、どの電話番号やIPアドレスを選んでダイアルするか等、何らかの入力が必要とされる場合がいくつかある。このような入力は、部屋を制御するために用いられるタッチスクリーン型のコンソール上で、1回選択すれば遂行可能である。本システムは、プロジェクタ340又はプロジェクタ345を、自動的にビデオモードに切り替えて、接続を開始する適切な方法を決定し、遠隔サイトに接続する。これによって、1部のデバイスが未知の状態(unknown state)で取り残された未編成の空間が存在するという落とし穴(pitfall)のうちの1つが回避される。未編成の空間では、所望のタスクを遂行するために何をする必要があるのかが分かりにくくなってしまう。
<X.システムのハードウェア、ソフトウエア、及び部品>
本発明の実施形態は、本明細書の開示の教示に従ってプログラムされた、従来型の汎用コンピュータ、特殊目的のデジタルコンピュータ、マイクロプロセッサを用いて実現可能な、コンピュータを用いた方法とシステムとを含むことが可能である。本明細書の開示の教示に基づいて、プログラマは適切なソフトウエア・コーディングを容易に作成することが可能である。本発明の実施形態は、本明細書に提示する特徴のいずれかを実行するために、コンピュータによって実行可能な命令からなるプログラムを含むことが可能である。
本発明の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体などのコンピュータ読み取り可能なメディアを含むことが可能である。このコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本明細書に提示する特徴のいずれかを実行するようにコンピュータをプログラムするために用いることが可能な命令を記憶させることが可能である。この記憶媒体には、これに限られないが、フロッピディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、及び光磁気ディスクなどの任意のタイプのディスクや、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、フラッシュメモリーや、命令及び/又はデータを記憶するのに適した任意の媒体もしくはデバイスを含むことが可能である。
本発明は、汎用/特殊目的コンピュータ又はマイクロプロセッサなどのコンピュータのハードウェアの双方を制御する、また、本発明の結果を利用して、これらが人間のユーザや他のメカニズムと相互作用することを可能とするソフトウエアを含むことが可能である。このようなソフトウエアは、これに限られないが、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、実行環境/容器、ユーザインタフェース、及びユーザアプリケーションを含むことが可能である。
本発明の実施形態は、本発明のプロセスを実施するコードを提供することを含むことが可能である。この提供する方法は、何らかの仕方でユーザにコードを提供することを含むことが可能である。例えば、この提供する方法は、このコードを含むデジタル信号をユーザに送信すること、物理媒体上のこのコードをユーザに提供すること、又はコードを利用可能なものとする他のいずれかの方法を含むことが可能である。
本発明の実施形態は、本発明の実施形態のプロセスのいずれかを実施するためにコンピュータで実行することが可能なコードを送信する、コンピュータで実施される方法を含むことが可能である。この送信する方法は、インターネットなどのネットワークの1部分を介しての転送、ワイヤを介しての転送、大気や宇宙を介しての転送、又は他のいずれかのタイプの送信を介しての転送を含むことが可能である。この送信方法は、コードの送信を始動する方法又はコードをいずれかの領域又は国に対して別の領域又は国から送らせる方法が含まれる。ユーザに対して送信する方法は、送信がどこから送られるかとは無関係に、領域又は国のユーザがいずれかの送信を受信する方法を含むことが可能である。
本発明の実施形態は、本発明の実施形態のプロセスのうちのいずれかを実行するためにコンピュータで実行することが可能な符号を含む信号を含むことが可能である。この信号は、インターネットなどのネットワークを介しての送信、ワイヤを介しての送信、大気や宇宙を介しての送信、又は他のいずれかのタイプの送信が可能である。この信号全体を同時に送信する必要はない。この信号は、その転送の期間中に時間的に拡張することが可能である。この信号は、現在送信中のスナップショットと考えるべきではない。
本発明の好ましい実施形態に関する前述の説明は、例証と説明を目的としたものである。これに尽きること、又は本発明を開示の形態そのものに限定することを意図するものではない。関連技術の当業者であれば、多くの修正例や変形例が明らかであろう。例えば、ここに開示される本発明の実施形態で実行されるステップは順序を変えて実行したり、あるステップを省略したり、さらなるステップを追加したりすることが可能である。本発明の他の実施形態も開発可能であり、本発明と特許請求の範囲の精神と範囲に含むことが可能であることを理解すべきである。これら実施形態は、本発明の原理とその実際の応用をもっともよく説明するために選ばれ、説明され、これによって、関連技術の他の当業者は、本発明のさまざまな実施形態と、予想される特定の用途に適したさまざまな修正例とを理解することが可能となるであろう。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲とその等価物によって定義されることを意図するものである。
明細書、特許請求の範囲、図面及び要約を含む、2007年1月29日に提出された米国仮特許出願第60/887,115号の全開示は、その全体を参照によって本明細書に組み込まれる。