JP5086733B2 - 磁気検出プローブ、磁気検出プローブの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)基板に表面実装された磁気検出素子を備える磁気検出プローブであるので、ワイヤボンディング時のワイヤ、及び、基板上におけるワイヤ接続用のランドが不要となり、磁気検出素子が設けられている部分の厚さ及び幅を小さくできる。
また、ワイヤボンディングを用いる場合には、ワイヤが磁気検出素子の検出面側に突出することとなるので、そのワイヤの突出寸法分は、磁気検出素子の検出面が被測定物に接近することができなかった。しかし、本発明では、ワイヤを用いないので、磁気検出素子の検出面をより磁気検出プローブの表面付近に配置できる。よって、測定時に、磁気検出素子の検出面を被測定物に接近させることができる。
(4)補強部が設けられている部分の総厚は、磁気検出素子が設けられている部分の総厚と略等しいので、補強部が設けられている部分の総厚が厚くならず、磁気検出プローブ全体の厚さを薄くできる。
図1は、磁気検出プローブの実施形態を示す図である。
図2は、磁気検出プローブの先端付近を拡大して示した図である。図2(a)は、検出面側から見た図であり、図2(b)は、図2(a)中に示した矢印A1−A2で切断した断面図である。以下、図2(b)の上方を検出面側と呼び、図2(b)の下方を裏面側と呼ぶ。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本実施形態の磁気検出プローブ1は、基板2と、磁気検出素子3と、素子保護部4と、補強部5と、半田部6と、リード線7と、被覆部8とを備えている。
本実施形態の基板2は、厚さt1=0.1mm、幅B=0.6mmである。
被覆部8は、熱収縮チューブを熱収縮させることにより形成された被覆であり、本実施形態では、電子線架橋軟質ポリオレフィン樹脂製のチューブを使用している。被覆部8は、基板2の後端付近であって、補強部5を覆う位置から、リード線7が不図示のコネクタに接続される位置までを被覆している。
図3は、磁気検出プローブの製造方法を示す図である。図3は、磁気検出プローブの先端側を拡大して示している。
まず、基板2を作製する(図3(a))。基板2の表面2a側の先端側には、4つのランド部2cを形成する。このランド部2cは、磁気検出素子3の不図示の電極に対応した位置に設けられている。なお、4つのランド部2cからは、カバーレイに覆われた配線部2eが後端側に向かって形成され、後端の4つのランド部2dと接続されている。
基板2を用意したら、ランド部2cに半田ペースト(後に半田部6となる)を印刷塗布する(図3(b))。
ランド部2cに印刷塗布された半田ペーストと磁気検出素子3の不図示の電極とが対応する位置となるようにして、磁気検出素子3を半田ペーストを挟んで基板2の表面2aに載せる。その後、半田ペーストの溶融温度に達するまで基板2を加熱し、半田ペーストを溶かして、ランド部2cと磁気検出素子3の不図示の電極とを半田付けする(図3(c))。
補強部5を基板2に接合した後、磁気検出素子3の周囲にエポキシ樹脂を塗布して硬化させ、素子保護部4を形成する(図3(e))。
その後、ランド部2dにリード線7を半田付けするとともに、リード線を不図示のコネクタに接続する。さらに、熱収縮チューブを必要な範囲に被せて加熱し、被覆部8(図1参照)を形成することで、磁気検出プローブ1の製造を完了する。
本実施形態の磁気検出プローブ1は、上述したように、幅0.6mmであり、厚さ0.3mmである。これと比較するために、磁気検出素子と基板とがワイヤボンディングにより接続された従来の形態の磁気検出プローブを用意した。この比較例の磁気検出プローブは、幅1.5mmであり、厚さ1.2mmである。
本実施形態の磁気検出プローブ1と比較例の磁気検出プローブとを用いて、円環状の磁石の内周において、磁束密度を測定した。測定対象の磁石は、内径が10mmの8極着磁された磁石である。各磁気検出プローブは、マグネットアナライザ MAD−300(株式会社ディー・エム・ティー製)に接続し、各磁気検出プローブ先端の検出面側を磁石の内径に接触する直前まで接近させて配置し、磁石を回転させながら測定を行った。
実線で示した測定結果L1は、本実施形態の磁気検出プローブ1を用いたときの測定結果を示し、破線で示した測定結果L2は、比較例の磁気検出プローブを用いたときの測定結果を示している。
比較例の場合に対して、本実施形態の場合には、より高い磁束密度の値が得られており、また、波形の変化がより細かくなっている。これは、以下の2つの理由により得られる効果である。
(理由1)
本実施形態の磁気検出プローブ1は、比較例のものよりも幅が狭いことから、磁石の内壁に対してより接近でき、磁気変化をより高い精度で検出できる。
(理由2)
本実施形態の磁気検出プローブ1は、磁気検出素子3が面実装されていることから、ワイヤボンディングにより磁気検出素子が実装された比較例のものよりも磁気検出素子3の検出面が磁気検出プローブ1の表面付近に位置するようになっている。よって、磁気検出素子3の検出面が磁石の内壁に対してより接近でき、磁気変化をより高い精度で検出できる。
図5は、本実施形態の磁気検出プローブの使用例を示した図である。
図5に示す例では、磁気検出プローブ1は、閉磁路が形成されたコア100とマグネット200との間に挿入され、狭い閉磁路の磁束を測定している状態である。
以上のように、本実施形態の磁気検出プローブ1を用いることにより、以下のような測定が簡単かつ精度よく行える。
(1)今まで測定出来なかった狭いギャップの磁束測定。
(2)マグネットのコア間等の非常に狭い隙間における閉磁路磁束測定。
(3)測定ギャップが出来やすい小径マグネットの内周磁束測定
また、ワイヤを用いないので、磁気検出素子の検出面をより磁気検出プローブの表面付近に配置でき、測定時に、磁気検出素子の検出面を被測定物により接近させることができる。
さらに、磁気検出素子3を基板2に表面実装したので、基板2上の磁気検出素子3の周囲にワイヤボンディング用のランドを設ける必要が無くなる。よって、基板2の幅を狭くすることができ、その結果として、磁気検出プローブ1は、ワイヤボンディングにより接続する場合と比べて、幅を狭くできる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、磁気検出素子3の周囲に素子保護部4を設けた例を示したが、これに限らず、素子保護部を設けないようにして、さらに磁気検出プローブの先端の幅を狭くしてもよい。
(3)本実施形態において、磁気検出プローブ1の製造方法として、磁気検出素子3の表面実装を行い、その後、補強部5の接合、素子保護部4の形成をこの順番に行う例を示したが、これに限らず、例えば、素子保護部4を形成した後に補強部5を接合してもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した本実施形態によって限定されることはない。
2 基板
3 磁気検出素子
4 素子保護部
5 補強部
6 半田部
7 リード線
8 被覆部
Claims (2)
- 配線パターンの一部が露出したランド部を有する基板と、
前記基板のランド部に対向して電気的に直接接続して表面実装された磁気検出素子と、
前記磁気検出素子の周囲を覆い、その磁気検出素子の検出面側の表面を覆わないように形成された素子保護部と、
前記基板の前記磁気検出素子が表面実装されている側の面であって、かつ、前記磁気検出素子が表面実装されていない部分に接合され、前記基板の強度を補強する補強部と、を備え、
前記補強部が設けられている部分の総厚は、前記磁気検出素子が設けられている部分の総厚と略等しく、前記磁気検出素子の検出面側の表面から突出するものがないこと、
を特徴とする磁気検出プローブ。 - 基板上の配線パターンの一部が露出したランド部に対向して電気的に直接接続して表面実装する第1ステップと、
前記磁気検出素子の周囲を覆い、その磁気検出素子の検出面側の表面を覆わないように素子保護部を形成する第2ステップと、
前記基板の前記磁気検出素子が表面実装されている側の面であって、かつ、前記磁気検出素子が表面実装されていない部分、又は、表面実装される予定の側の面であって、かつ、前記磁気検出素子が表面実装されない予定の部分に対して、前記基板の強度を補強する補強部を接合する第3ステップと、を備え、
前記第3ステップは、前記補強部が設けられている部分の総厚が、前記磁気検出素子が設けられている部分の総厚と略等しく、前記磁気検出素子の検出面側の表面から突出するものがないこと、
を特徴とする磁気検出プローブの製造方法。
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