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JP5085082B2 - 近赤外線吸収材料及び近赤外線吸収フィルター - Google Patents

近赤外線吸収材料及び近赤外線吸収フィルター Download PDF

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JP5085082B2 JP2006257096A JP2006257096A JP5085082B2 JP 5085082 B2 JP5085082 B2 JP 5085082B2 JP 2006257096 A JP2006257096 A JP 2006257096A JP 2006257096 A JP2006257096 A JP 2006257096A JP 5085082 B2 JP5085082 B2 JP 5085082B2
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Description

本発明は近赤外線吸収材料に関するものであって、更に詳しくは近赤外線吸収フィルター、近赤外線吸収着色樹脂組成物、液晶表示素子、光カード、光記録媒体、保護眼鏡などオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす、近赤外線吸収材料及び該近赤外線吸収材料を備えた近赤外線吸収フィルターに関する。
可視光を実質的に吸収しないが、赤外線を吸収する近赤外線吸収色素は近赤外線吸収フィルター等、種々のオプトエレクトロニクス製品に用いられている。これらは使い方によっては高温、高湿または光照射条件にさらされるものであり、その分解が問題となることがあった。
色素の構造を変更することでこれらに対する耐性を向上させる技術として、例えば特定の構造のナフタロシアニン色素(例えば、特許文献1〜3参照)が良好であることが見出されていた。
また、近赤外線吸収色素と紫外線吸収材料を併用することで光による分解を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献4〜6参照)。
特開平2−4685号公報 特開平2−43269号公報 特開平2−138382号公報 特開平11−167350号公報 特開2001−133624号公報 特開2005−181966号公報
特許文献1〜3に記載の、特定の構造のナフタロシアニン色素では、吸収波長と溶解性等のその他の物性との両立が困難であった。
また、特許文献4〜6に記載の方法は、何れもフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物等に関するもので、かつその抑制の程度は不十分であり、一層の耐光性向上技術が望まれた。更に近赤外線吸収色素としてクロコニウム骨格を有する化合物については、これまでに分解を抑制するための有力な手段に関しての報告はなされていない。
本発明の目的は、耐光性と光劣化後の変色が少ないこととを両立する近赤外線吸収材料及び該近赤外線吸収材料を備えた近赤外線吸収フィルターを提供することにあり、該目的の達成を課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1>溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下であり、下記一般式(I−1)〜(I−5)のいずれかで表される第1の化合物の2種以上と、下記一般式(II−1)又は(II―2)で表される第2の化合物と、を少なくとも含み、前記第1の化合物の少なくとも1種は下記一般式(I−1)で表される化合物であり、前記第1の化合物の総モル数が前記第2の化合物1モルに対して0.1〜0.5モルである近赤外線吸収材料。
[式中、R201、R202、R211、R212、R221及びR222は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で連結する複素環基を表し、Z201及びZ202は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R213〜R216及びR223〜R226は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基を表し、R213とR214、R214とR211、R211とR212、R212とR215、R215とR216、R223とR224、R224とR221、R221とR222、R222とR225及びR225とR226は互いに結合して環を形成してもよい。]
[式中、R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基を表し、R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合する複素環基を表し、X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160のうち、互いに隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。]
前記第1の化合物が前記特定の構造を有する化合物であることで、より効果的に耐光性を向上させることができる
2種以上の前記第1の化合物が相互作用することで、より効果的に耐光性が向上する
紫外線吸収能が良好な構造の前記第1の化合物を含有することで、より効果的に耐光性が向上する
<2>前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、430nm以下であることを特徴とする前記<1>に記載の近赤外線吸収材料である。
<3>前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、410nm以下であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の近赤外線吸収材料である。
<4>前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、380nm以下であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料である。
前記第1の化合物を前記<2>〜<4>に記載の分光吸収極大波長を有する化合物とすることで、より耐光性に優れた近赤外線吸収材料とすることができる。
<5>前記第1の化合物と前記第2の化合物とが、同一層中に共存することを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料である。前記第1の化合物が前記第2の化合物の近傍に存在することにより、より効率よく耐光性を向上させることができる。
<6>前記第1の化合物の少なくとも1種が前記一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料である。紫外線吸収能が良好な構造の前記第1の化合物を含有することで、より効果的に耐光性が向上する。
>前記<1>〜<>のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料を備えた近赤外線吸収フィルターである。良好な耐光性を示す近赤外線吸収材料を用いることで耐光性と近赤外線吸収能を両立した近赤外線吸収フィルターとすることができる。
本発明によれば、耐光性と近赤外線吸収能及び光劣化後の変色が少ないこととを両立する近赤外線吸収材料及び該近赤外線吸収材料を備えた近赤外線吸収フィルターを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
<近赤外線吸収材料>
本発明の近赤外線吸収材料は、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である第1の化合物(以下、化合物(I)ということがある)と、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表される第2の化合物(以下、化合物(II)ということがある)と、を少なくとも含むことを特徴としている。これにより、耐光性と近赤外線吸収能及び光劣化後の変色が少ないこととを両立することができる。
本発明において、前記化合物(I)と化合物(II)とを「少なくとも含む」態様としては、特に制限はないが、例えば、化合物(I)と化合物(II)とを別々の層に存在させる態様や、化合物(I)と化合物(II)とを同一層中に共存させる態様が挙げられる。これらの態様のうち、耐光性の観点から、上記化合物が同一層中に共存させる態様が好ましい。
式中、R201、R202、R211、R212、R221及びR222は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で連結する複素環基を表し、Z201及びZ202は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R213〜R216及びR223〜R226は水素原子又は置換基を表し、R213とR214、R214とR211、R211とR212、R212とR215、R215とR216、R223とR224、R224とR221、R221とR222、R222とR225及びR225とR226は互いに結合して環を形成してもよい。
(分光極大吸収波長)
ここで、分光吸収極大波長に関して説明する。
分光吸収極大波長は、溶液中の吸収スペクトルで規定されるものである。前記溶液は、化合物が溶解する溶媒であれば、どのような溶媒を用いて構成してもよい。溶媒としては、有機若しくは無機の溶媒、又は水であってもよく、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。本発明においては、化合物が溶解する溶媒や温度であれば、いずれかの条件における分光吸収極大波長が本発明で規定する範囲内であればよい。
有機溶媒としては、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ウレイド系溶媒(例えば、テトラメチルウレア等)、エーテル系溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、シクロヘキサノン等)、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン、n−デカン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、テトラクロロエタン,クロロベンゼン、クロロナフタレン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール等)、ピリジン系溶媒(例えば、ピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、カルボン酸系溶媒(例えば、酢酸、プロピオン酸等)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル等)、スルホン酸系溶媒(例えば、メタンスルホン酸等、)、アミン系溶媒(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等)を挙げることができる。
また、無機溶媒としては、例えば、硫酸、リン酸等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、溶解性の観点から、本発明における化合物(I)の分光吸収極大波長を測定する場合には、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒又はニトリル系溶媒を好ましく用いることができる。
一方、本発明における化合物(II)の分光吸収極大波長を測定する場合には、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒又はアルコール系溶媒を好ましく用いることができる。
分光吸収極大波長を測定する溶液の濃度としては、分光吸収の極大波長が確認できる濃度であればよく、好ましくは1×10−13〜1×10−7の範囲である。温度は特に限定しないが、好ましくは0℃〜80℃であり、化合物の溶解性に問題がなければ、室温(25℃)がより好ましい。
分光吸収極大波長を測定する測定機器としては、通常の分光吸収測定装置(例えば、日立ハイテクノロジーズ(株)製U−4100スペクトロフォトメーター)を用いることができる。
(本発明における基)
化合物の説明に入る前に、本発明における基に関して、詳細に説明する。
本明細書において、脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基及び置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換又は無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表わす。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
置換アラルキル基のアリール部分の置換基の例は、下記置換アリール基の置換基の例と同様である。
本明細書において芳香族基は、アリール基及び置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環又は複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。またその中でもアリール基としてはフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」の例として挙げた置換基が挙げられる。
本発明においては、複素環基は5員又は6員の飽和又は飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子の例にはB、N、O、S、Se及びTeが含まれる。中でも複素環のヘテロ原子としてはN、O及びSが好ましい。複素環は炭素原子が遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環の例には、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環の例には、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していても良い。置換基の例としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」の例として挙げた置換基が挙げられる。
(溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である第1の化合物)
本発明の近赤外線吸収材料は、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である第1の化合物(化合物(I))を少なくとも1種含有する。
化合物の分光吸収特性の観点から、溶液における該分光吸収極大波長は、430nm以下であることが好ましく、410nm以下であることがより好ましく、380nm以下であることが更に好ましい。
前記化合物(I)としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、チアゾリドン化合物(例えば、特公昭44−29627号公報に記載の化合物)、1,3−ブタジエン化合物(例えば、特開昭51−56620号公報に記載の化合物)、サリチル酸エステル化合物及びシュウ酸ジアニリド化合物等が挙げられる。
このうち、好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、サリチル酸エステル化合物及びシュウ酸ジアニリド化合物であり、より好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物及びサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物及びサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物及びベンゾフェノン化合物であり、ベンゾトリアゾール化合物が最も好ましい。
本発明においては、前記化合物(I)が下記一般式(I−1)〜(I−5)のいずれかで表されることが好ましい。
式中、R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160は各々独立に水素原子又は置換基を表し、R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合する複素環基を表し、X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160のうち、互いに隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。
111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160で表される置換基の例としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」の例として挙げた置換基が挙げられる。
111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160として、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基である。
111〜R114として、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基であり、最も好ましくは水素原子及びハロゲン原子である。
121〜R130として、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基である。またR121がヒドロキシル基となることが最も好ましい
131〜R140として、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基である。またR131がヒドロキシル基となることが最も好ましい。
141〜R150として、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、アルコキシ基、アミノ基である。
151〜R160として、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アリールチオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基であり、R151がヒドロキシル基となるのが最も好ましい。
115は、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合する複素環基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、又は炭素数6〜30のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、又は炭素数6〜25のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、又は炭素数6〜22のアリール基であり、更に好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、最も好ましくは炭素数6〜20のオルトヒドロキシフェニル基である。
141は、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合する複素環基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、又は炭素数6〜30のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、又は炭素数6〜25のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、又は炭素数6〜22のアリール基であり、最も好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。
本発明においては、前記第1の化合物を2種以上含むことが好ましい。
また、本発明においては、第1の化合物の少なくとも1種が前記一般式(I−1)で表される化合物であることが好ましい。
更に、本発明においては、第1の化合物の少なくとも1種が前記一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物であることがより好ましい。
更に、本発明においては、第1の化合物が2種以上含まれる場合、少なくとも1種が前記一般式(I−1)で表される化合物であり、他の化合物が前記一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物であることがより好ましい。
上記構成とすることにより、より効果的に耐光性が向上する。
以下に、「溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物」の具体例として例示化合物(I−1)〜(I−97)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(一般式(I−1)に包含される化合物)
(一般式(I−2)に包含される化合物)

(一般式(I−3)に包含される化合物)
(一般式(I−4)に包含される化合物)
(一般式(I−5)に包含される化合物)
これらの化合物は、特公昭50−25337号公報、米国特許第3,785,827号公報、特開平5−4449号公報、特公昭48−30492号公報、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第23巻、1344ページ(1958年発行)に記載の方法又はその方法に準じて容易に合成することができる。また、上記一般式(I−1)で表される化合物は、例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から「チヌビン109」などの商品名にて販売されている。
<一般式(II−1)又は(II−2)で表される化合物>
本発明の近赤外線吸収材料は、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表される第2の化合物を少なくとも1種含有する。
式中、R201、R202、R211、R212、R221及びR222は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で連結する複素環基を表す。
201及びR202として、好ましくは水素原子、炭素数1〜30の脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族基、炭素数2〜30の炭素原子で結合する複素環基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜20のフェニル基又はナフチル基、炭素数2〜20の5又は6員環の炭素原子で連結する複素環基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のフェニル基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基である。
211、R212、R221及びR222として、好ましくは脂肪族基、芳香族基、炭素原子で連結する複素環基であり、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基、炭素数6〜30のフェニル基又はナフチル基、炭素数2〜30の炭素原子で連結する複素環基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のフェニル基、炭素数2〜20の炭素原子で連結する複素環基であり、更に好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜15のフェニル基であり、最も好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
201及びZ202は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。Z201及びZ202によって形成される含窒素複素環として、好ましくは5又は6員の含窒素へテロ環であり、より好ましくはキノリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環であり、更に好ましくはキノリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環である。
213〜R216及びR223〜R226は、水素原子又は置換基を表し、R213とR214、R214とR211、R211とR212、R212とR215、R215とR216、R223とR224、R224とR221、R221とR222、R222とR225及びR225とR226は互いに結合して環を形成してもよい。
該置換基の例としては前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」の例として挙げた置換基が挙げられる。R213〜R216及びR223〜R226が置換基の場合、好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、
より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、カルバモイル基、シリル基であり、
更に好ましくはハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アシル基、カルバモイル基、シリル基、炭素数6〜20のアリール基又はアリールオキシ基、アリールチオ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基、アミノ基、炭素数6〜12のアリール基又はアリールオキシ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基である。
一般式(II−1)で表される化合物のうち、好ましくはZ201及びZ202によって形成される含窒素複素環がキノリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環又はベンゾインドレニン環のいずれかであって、R201及びR202が水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基の化合物である。より好ましくは、Z201及びZ202によって形成される含窒素複素環がキノリン環、ナフトチアゾール環、ベンゾインドレニン環であって、R201及びR202が水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基の化合物である。
一般式(II−2)で表される化合物のうち、好ましくはR213〜R215及びR223〜R225が、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はハロゲン原子で、R216及びR226がヒドロキシル基又はアシルアミノ基であって、R211、R212、R221及びR222が炭素数1〜10のアルキル基の化合物である。
本発明においては、一般式(II−1)又は(II−2)で表される化合物のうち、一般式(II−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(II−2)で表される化合物のうち、より好ましくはR213及びR223が水素原子であって、R214がR211と、R215がR212と、R224がR221と、R225がR222とそれぞれ互いに結合して5又は6員環を形成するアルキル基であって、R216及びR226がヒドロキシル基である化合物、又は、R211、R212、R221及びR222がアルキル基であって、R213〜R215及びR223〜R225が水素原子であって、R216及びR226がヒドロキシル基である化合物である。
以下に本発明における一般式(II−1)又は(II−2)で表される化合物の具体例として例示化合物(II−1)〜(II−30)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(一般式(II−1)で表される化合物)
(一般式(II−2)で表される化合物)
一般式(II−1)又は(II−2)で表される化合物は、例えば特開平2−84383号公報、特公昭51−41061号公報、特開平5−313305号公報及びリービッヒス・アンナーレン・デア・ケミーの935〜939ページ(1993年)に記載の方法を参考にして合成することができる。
例えば、一般式(II―2)で示される化合物を合成する場合、クロコン酸に対して、使用するアニリン化合物のモル比は好ましくは1.5〜3であり、更に好ましくは1.8〜2.5であり、更に好ましくは1.9〜2.1である。
反応溶媒としては、例えば、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン等)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ウレイド系溶媒(例えば、テトラメチルウレア等)、エーテル系溶媒(例えば、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、シクロヘキサノン等)、炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、n−オクタン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等)、アルコール系溶媒(例えば、1−ブタノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール等)、カルボン酸系溶媒(例えば、酢酸等)を単独又は混合して用いることができる。
反応溶媒として、好ましくは無溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒およびカルボン酸系溶媒であり、更に好ましくは炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒およびアルコール系溶媒である。
反応温度は0〜250℃、好ましくは50〜200℃、更に好ましくは60〜150℃であり、5分〜30時間の反応時間の範囲で行うことができる。
反応中、副生する水を系外に除くことも好ましく、減圧下あるいは常圧にて単独又は溶媒とともに留去する方法、モレキュラーシーブ等の吸収剤を用いる方法、無水酢酸等の脱水縮合剤を用いる方法等が好ましく用いられる。
なお、原料となるアニリン化合物は、例えば、特開平10−29976号公報に記載の方法を参考に合成することができる。
本発明の近赤外線吸収材料に含まれる、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物(化合物(I))の総モル数が、前記一般式(II−1)又は(II−2)で表される第2の化合物(化合物(II))1モルに対して、0.1〜2.0モルであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0モルであり、更に好ましくは0.1〜0.5モルである。前記範囲内であることにより、より効果的に耐光性が向上し、光劣化後の変色が少ないこととの両立が容易になる。
また、本発明の近赤外線吸収材料における、前記化合物(II)の含有量については特に制限はないが、全固形分に対して、10−10〜20質量%であることが好ましく、10−7〜5質量%であることがより好ましく、10−4〜3質量%であることが更に好ましい。化合物(II)の含有量が前記範囲内であることにより、良好な近赤外線吸収能を得ることができる。
本発明においては、化合物(I)と化合物(II)について、以下の組合せを好ましい態様として挙げることができる。
a)化合物(II)が一般式(II−2)で表される化合物であって、化合物(I)が一般式(I−1)で表される化合物のである態様。
b)化合物(II)が一般式(II−2)で表される化合物であって、化合物(I)が一般式(I−1)で表される化合物を2種以上である態様。
c)化合物(II)が一般式(II−2)で表される化合物であって、化合物(I)が一般式(I−1)で表される化合物と一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物との組合せである態様。
(近赤外線吸収材料の製造方法)
本発明の近赤外線吸収材料は、例えば、以下の方法により得ることができる。
(1)化合物(I)と化合物(II)とを溶媒(例えば、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水等)に溶解又は分散する方法。
(2)化合物(I)と化合物(II)とを樹脂(例えばABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂)と加熱、混練する方法。
(3)化合物(I)と化合物(II)とを、前述の溶媒に溶解又は分散したところへ、例えば前記樹脂を添加して加熱溶解後、薄膜化又はそのまま固化させる方法。
(4)化合物(I)と化合物(II)とを溶媒に溶解又は分散したものを、例えば、紙、樹脂シート、樹脂、フイルム、ガラス、金属板などに塗布又はハードコートする方法。
(5)化合物(I)と化合物(II)とをそのまま、微粒子化又は溶液として、モノマーとの混合物として、これを重合させる方法。
上記のそれぞれの方法においては、必要に応じて、バインダーや他の化合物を併用することもできる。
(近赤外線吸収材料の使用方法)
本発明の近赤外線吸収材料は、種々の用途に使用できる。即ち長波長レーザー用光記録媒体、不可視性印刷用記録材料、光学フィルター、建築および農業用フィルター、塗装材料等に使用することができる。これらのうち好ましくは光学フィルター、建築および農業用フィルター、塗装材料等であり、更に好ましくは光学フィルターである。
本発明の近赤外線吸収材料は、化合物(I)と化合物(II)とを含有するため、耐光性と赤外線吸収能及び光劣化後の変色が少ないこととを両立でき、新たな用途にも使用が可能である。
<近赤外線吸収フィルター>
本発明の近赤外線吸収フィルターは、本発明の近赤外線吸収材料を備えてなることを特徴とする。本発明の近赤外線吸収フィルターは、上記近赤外線吸収材料の製造方法で述べた方法によって製造することができる。また、必要に応じて保護層等その他の層を更に設けることもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、説明の便宜上、前記化合物(I)の具体例を化合物(I−a)及び(I−b)と称し、前記化合物(II)の具体例を化合物(II−a)と称する。また、下記表中の「構造」は対応する例示化合物番号を意味する。
実施例1
(近赤外線吸収フィルターの製造 )
ポリスチレン10g、下記表1及び表2に示す構造及び量の化合物(I−a)及び(I−b)と、例示化合物(II―22)0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作製した。
(耐光性試験)
実施例1で得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、例示化合物(II―22)の分光吸収極大波長における吸光度を測定して、照射前の分光吸収極大波長における吸光度に対する残存比を求め、耐光性(光堅牢性)を評価した。結果を表1及び表2に示す。

表1及び表2に示すように、化合物(I−a)を添加することにより、いずれの場合も耐光性が向上した。また、1種類の化合物(I−a)だけを添加するよりも、合計の添加モル数が同じで、2種以上の化合物(I−a)を添加する場合のほうが、良好な耐光性を示し、その効果は非常に大きいものであった。また、試験後の本発明サンプルは何れも目視で比較サンプルより褐色の色味が薄かった。
(実施例2)
ポリスチレン10g、下記表3及び表4に示す構造及び量の化合物(I−a)及び(I―b)と、化合物(II−a)0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作製した。
(耐光性試験)
実施例3で得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、化合物(II−a)の分光吸収極大波長における吸光度を測定して、照射前の分光吸収極大波長における吸光度に対する残存比を求め、耐光性(光堅牢性)を評価した。結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4に示すとおり、化合物(II−a)を種々変えて調べた結果も、化合物(I−a)を添加することにより、いずれの場合も耐光性が向上した。また、1種類の化合物(I−a)だけを添加するよりも、合計の添加モル数が同じで、2種以上の化合物(I−a)を添加する場合のほうが、良好な耐光性を示し、その効果は非常に大きいものであった。また、試験後の本発明サンプルは何れも目視で比較サンプルより褐色の色味が薄かった。
本発明の実施例に用いた化合物の物性値を以下に示す。

Claims (7)

  1. 溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下であり、下記一般式(I−1)〜(I−5)のいずれかで表される第1の化合物の2種以上と、下記一般式(II−1)又は(II―2)で表される第2の化合物と、を少なくとも含み、前記第1の化合物の少なくとも1種は下記一般式(I−1)で表される化合物であり、前記第1の化合物の総モル数が前記第2の化合物1モルに対して0.1〜0.5モルである近赤外線吸収材料。


    [式中、R201、R202、R211、R212、R221及びR222は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で連結する複素環基を表し、Z201及びZ202は含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R213〜R216及びR223〜R226は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基を表し、R213とR214、R214とR211、R211とR212、R212とR215、R215とR216、R223とR224、R224とR221、R221とR222、R222とR225及びR225とR226は互いに結合して環を形成してもよい。]


    [式中、R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基を表し、R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合する複素環基を表し、X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
    ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150及びR151〜R160のうち、互いに隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。]
  2. 前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、430nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収材料。
  3. 前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、410nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外線吸収材料。
  4. 前記第1の化合物の分光吸収極大波長が、380nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
  5. 前記第1の化合物と前記第2の化合物とが、同一層中に共存することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
  6. 前記第1の化合物の少なくとも1種が前記一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料を備えた近赤外線吸収フィルター。
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