JP5077431B2 - 系統安定化装置 - Google Patents
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Description
図15に、既存の電力系統(配電系統よりも上位の系統)1と配電系統(マイクログリッド)10とが、線路インピーダンスLsと遮断器2を介して接続された例を示す。
そこで、この発電量の変動を吸収する目的で系統安定化装置が用いられる。
このような電力の急変動に応答性良く追従することにより、内燃機関型発電設備をアシストし、電力の需要と供給のバランスをとるといった目的のためにも、系統安定化装置が用いられている。
電力変換器22は、制御部21から送られてくるゲート信号gに応じて動作する。この電力変換器22は、順変換動作をするときには、配電系統10から得た交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を直流充電部23に充電し、逆変換動作をするときには、直流充電部23に充電していた直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を配電系統10に送る。
フィルタ回路27は、リアクトル,コンデンサ及びトランス等から構成されており、電力変換器22が出力するパルス電圧を平滑にする機能を果たしている。
(1)系統連系運転時には、系統安定化装置20は、配電系統10に流入する系統電流Isを検出し、この系統電流Isから系統電力を求めて、この系統電力の変動を抑制するように動作する。
(2)自立運転時には、系統安定化装置20は、配電系統10内の系統電圧Vsを検出し、この系統電圧Vsの電圧振幅と周波数が安定となるように補償動作を行なう。
位相同期回路(PLL)101は、系統電圧Vsから系統電圧Vsの位相を示す基準位相信号θを出力する。正弦波発生器102は、基準位相信号θに同期した定格電圧に相当する三相電圧波形{sin(θ),sin(θ−2/3π),sin(θ+2/3π)}を基準三相正弦波信号Kとして出力する。
変動検出ブロック105,106は、微分機能とフィルタ機能を有するバンドバスフィルタであり、その構造の詳細は後述する。
加算部113は、電圧指令Vφに基準三相正弦波信号Kを加算して、最終的な電圧指令V*を出力する。
このゲート信号gにより電力変換器22の動作制御が行なわれ、系統連系運転時において、系統電流Isの変動を抑制するために、電力変換器22から電力が出力される。
変動検出ブロック123,124は、微分機能とフィルタ機能を有するバンドバスフィルタであり、その構造の詳細は後述する。
加算部113は、電圧指令Vφに基準三相正弦波信号Kを加算して、最終的な電圧指令V*を出力する。
このゲート信号gにより電力変換器22の動作制御が行なわれ、自立運転時において、系統電圧Vsの電圧振幅と周波数の変動を抑制するために、電力変換器22から電力が出力される。
ここで、変動検出ブロック105,106,123,124として用いることができる、従来のバンドパスフィルタ50の構成を図18を参照して説明する。なお図18においてsは微分機能を示すラプラス演算子である。
なお、バンドパスフィルタ50の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ51の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ52の時定数をT2とする。
ローパスフィルタ52は、時定数が、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
両フィルタ51,52は、入力信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
この変動分信号は、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、バンドパスフィルタ(変動検出ブロック)50が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
しかし、この場合には、系統安定化装置20から配電系統10に送り出される電流(フィルタ回路27を通過した後の電流)を検出する電流検出器AAが別途必要になるという問題がある。
更に、PIアンプは、入力信号の直流成分に対するゲインが無限大になるという特徴があるため、変動分が零であってもPIアンプ出力は零にならず系統安定化装置20から電力が出力され続けてしまう。この不具合を解消するため、リセットする必要がある。
しかし、急激にリセットすると系統安定化装置20から出力される電力が急激に零に変化し、系統等に悪影響を与えてしまうため、このような単純なリセットではなく、PIアンプの出力を少しづつ零に戻すといった複雑な制御処理が必要になるという問題もある。
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
前記の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、低周波数側の遮断周波数がf2として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、値が1/f2となっている変動検出時間を設定するための時定数がT2として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、T2をαで除算した値がT4として設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
前記減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする。
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
前記の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、任意の時間に設定したクッション時間がT5として設定され、1サンプル周期がTsとして設定され、リミット値がXとして設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
前記フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
前記第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して第2の減算信号求め、
前記第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする。
一般的に、電力変換器(インバータ)の交流出力側には、インバータから出力されるパルス電圧を平滑するために、フィルタ回路(リアクトル,コンデンサ及びトランス等から構成される)が付加されている。
本発明では、変動検出ブロック内においてフィードバック制御をしたり、信号増幅をしたりすることにより、前述の減少分を補償しているため、系統安定化装置から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器から出力されフィルタ回路にてフィルタリング処理されてから配電系統に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いることなく、系統安定化装置による安定した制御動作を確保することができる。
なお、変動検出ブロック60の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ61の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ62の時定数をT2とする。
ローパスフィルタ62は、時定数が、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。
両フィルタ61,62は、入力信号及びフィードバック回路64を通ってフィードバックされたフィードバック信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号及びフィードバック信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック60が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック60が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
減算器63から出力された信号は、フィードバック回路64を通ってフィードバックされ、加算器65により入力信号に加算されてから、ローパスフィルタ61,62に入力される。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
実施例2の変動検出ブロック70は、実施例1の変動検出ブロック60を改良したものであり、実施例1の問題、即ち特性が振動的となる問題を解決したものである。
なお、変動検出ブロック70の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2とし、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタ71の時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタ72の時定数をT2とする。
更に、設定数αは、後述する式(6)で示す値であり、
T3=T1×α、T4=T2/αとして設定している。
ローパスフィルタ72は、時定数が、時定数T4となっている、一次遅れ特性を有するフィルタである。時定数T4は、変動検出する時間を設定する目的として決定した時定数T2を設定数αで除算した値である。
両フィルタ71,72は、入力信号が入力されると、それぞれのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック70が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
この変動分信号は、変動検出ブロック70が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック70が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
更に、アンプ74により増幅された変動分信号は、定格リミッタ75を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
系統安定化装置20(電力変換器22)が電力補償することに起因して、系統連系運転時における系統電流Isの検出値や、自立運転時における系統電圧Vsの検出値が減少しても、本実施例では、変動分信号をアンプ74により増幅した信号を、有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力するため、前記の減少分をアンプ74により増幅することにより補完していることとなる。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
実施例3の設計手法では、ゲインGを先に決定し、その後に設定数αを決定する。このようにすることで、振動係数ζを指標とした設計ではなく、ゲインGの項を優先した設定が可能となる。
なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。また、図3において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値を示している。
なお変動検出ブロック80の通過帯域周波数は、各変動検出ブロック105,106,123,124に要求されるフィルタリング特性に応じて決定される。また、決定された通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1とする。なおf1=1/T1となっている。
更に、設定数αは、前述した式(6)で示す値であり、T3=T1×αとして設定している。
ローパスフィルタ81は、入力信号が入力されると、そのフィルタ特性を利用して、入力信号をフィルタリングする。
なお、入力信号とは、変動検出ブロック80が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lである。
なお、T5は、任意の時間に設定したクッション時間であり、Tsは1サンプル周期であり、Xはリミット値である。
このリミッタ82は、1サンプル周期Tsあたりの変化量を制限するものである。リミッタ82は、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)と−X(下限のリミット値)の間の値であるときには、その信号の信号値をそのまま保持して出力し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、+X(上限のリミット値)以上である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで増加し、その後は値を+Xに制限し、リミッタ82に入力される信号の信号値が、−X(下限のリミット値)以下である場合には、所定の時間は値が一定の傾きで減少し、その後は値を−Xに制限する。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の前段で負帰還している。
つまり、遅延回路83の出力信号を、リミッタ82の後段で正帰還している。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以下で−X以上である場合には、リミッタ82から出力される信号値は0となる。
一方、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、リミッタ82から出力される信号値は、その上限値・下限値がリミット値(+X,−X)で制限された値となる。
したがって、フィルタ81から減算器84に入力される信号値が、+X以上または−X以下である場合には、加算器86から出力される信号値は、直線的に増加していく。
この変動分信号は、変動検出ブロック80が変動検出ブロック105であれば系統電流の有効分Isdの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック106であれば系統電流の無効分Isqの変動分である無効分の電流指令Irefqであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック123であれば周波数信号Fの変動分である有効分の電流指令Irefdであり、変動検出ブロック80が変動検出ブロック124であれば振幅信号Lの変動分である無効分の電流指令Irefqである。
更に、アンプ87により増幅された変動分信号は、定格リミッタ88を通過してから出力されるため、その信号値(指令値)の上限値・下限値が定格値にリミットされてから出力される。
系統安定化装置20(電力変換器22)が電力補償することに起因して、系統連系運転時における系統電流Isの検出値や、自立運転時における系統電圧Vsの検出値が減少しても、本実施例では、変動分信号をアンプ87により増幅した信号を、有効分の電流指令Irefdまたは無効分の電流指令Irefqとして出力するため、前記の減少分をアンプ87により増幅することにより補完していることとなる。
この結果、系統電流Isの検出値や系統電圧Vsの検出値が減少しても、系統安定化装置20の制御動作が安定する。
しかも、系統安定化装置20から配電系統に送り出される電流、つまり電力変換器22から出力されフィルタ回路27にてフィルタリング処理されてから配電系統10に送り出される出力電流を検出するための電流検出器AAや、PIアンプを用いる必要はない。
このようにすれば、ζ>1とすることができ、変動検出ブロック80の特性が振動的でなくなるという特徴を奏する。
なお、この電流特性は系統連系運転時の特性である。また、図5において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値を示している。
実施例5の設計手法では、ゲインGを先に決定し、その後に設定数αを決定する。このようにすることで、振動係数ζを指標とした設計ではなく、ゲインGの項を優先した設定が可能となる。
なお振動係数ζは、前述した式(5)と同じである。
図2に示す変動検出ブロック70と、図4に示す変動検出ブロック80については、負荷変動が定格の範囲内であれば動作に問題はないが、負荷変動が定格を越える場合に動作に問題が生じることがある。
このことを、図6と図7を参照して説明する。なお、図6,図7において、「p.u.」は単位記号であり、1p.u.は定格値、3p.u.は定格の3倍の値を示している。
図6(d)において、点線は補償できる変動に上限はないものとして変動分信号の演算が行われたとしたときの変換器電流Iinvであり、実線は定格リミッタ75により変動分信号が定格値に抑制されたときの変換器電流Iinvである。
このような過補償動作が行われてしまうと、この期間Td1において追加の負荷変動(負荷増加)が発生したときに、この変動を全く補償することができない。
なお、図6(e)は、実際の系統電流Isを示す。
図7(d)において、点線は補償できる変動に上限はないものとして変動分信号の演算が行われたとしたときの変換器電流Iinvであり、実線は定格リミッタ88により変動分信号が定格値に抑制されたときの変換器電流Iinvである。
このような過補償動作が行われてしまうと、この期間Td2において追加の負荷変動(負荷増加)が発生したときに、この変動を全く補償することができない。
なお、図7(e)は、実際の系統電流Isを示す。
特に、直流充電部23を電気二重層キャパシタにより構成した場合には、電気二重層キャパシタはバッテリに比べて蓄電容量が小さいため、かかる現象により無駄に電力を消費しきってしまうと、次に発生した負荷変動を抑制できなくなってしまうという状態に陥りやすい。
このため、変動検出ブロック70と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、過補償抑制部200を中心に説明をする。
(1)「定格リミッタ75から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」が継続しているタイマ時間が、予め決めた一定時間以上経過したとき(タイマで構成した場合)や、
(2)「定格リミッタ75から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」の動作回数が予め決めた所定カウント回数を越えたとき(デジタルカウンタで構成した場合)に、
時定数変更信号Hを出力する。
一方、リミッタオーバー判定ブロック201から時定数変更信号Hが出力されているときには、時定数変更ブロック202は、ローパスフィルタ72の時定数を、小さい値、例えばT4の1/3に変更する。
なお、リミッタオーバー判定ブロック201から出力されていた時定数変更信号Hの出力が停止されると、時定数変更ブロック202は、ローパスフィルタ72の時定数を直ちに時定数T4に戻す。
このため、図9(b)において実線で示すように、定格値となっている変換器信号Iinvが出力される時間が短くなる。
したがって、時定数がT4に戻った後は、図9(b)において実線で示すように、時定数T4で規定される減少特性に応じて、変換器電流Iinvの値が漸減していく。
(2−1) 変動検出ブロック70Aに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
(2−2) 変動検出ブロック70Aに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
(2−3) 第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
(2−4) 減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
(2−4) アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときにはアンプ信号を変動分として求め、アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときにはアンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
(2−5) アンプ信号の信号値が定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、第2のフィルタ信号を求める際のフィルタ処理の時定数をT4よりも小さい値に変更し、アンプ信号の信号値が定格値よりも小さい状態になったら、第2のフィルタ信号を求める際のフィルタ処理の時定数をT4に戻す。
このため、変動検出ブロック80と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、過補償抑制部300を中心に説明をする。
(1)「定格リミッタ88から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」が継続しているタイマ時間が、予め決めた一定時間以上経過したとき(タイマで構成した場合)や、
(2)「定格リミッタ88から出力される変動分信号の信号値が定格値(±1p.u.)にリミットされるリミット動作」の動作回数が予め決めた所定カウント回数を越えたとき(デジタルカウンタで構成した場合)に、
クッション時間変更信号hを出力する。
一方、リミッタオーバー判定ブロック301からクッション時間変更信号hが出力されているときには、クッション時間変更ブロック302は、リミッタ82のクッション時間を、小さい値、例えばT5の1/10に変更する。
なお、リミッタオーバー判定ブロック301から出力されていたクッション時間変更信号hの出力が停止されると、クッション時間変更ブロック302は、リミッタ82のクッション時間を直ちにクッション時間T5に戻す。
このため、図11(b)において実線で示すように、定格値となっている変換器信号Iinvが出力される時間が短くなる。
したがって、クッション時間がT5に戻った後は、図11(b)において実線で示すように、クッション時間T5で規定される減少特性に応じて、変換器電流Iinvの値が直線的に減少していく。
このため、変動検出ブロック80Bと同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、追加した他の機能構造を中心に説明をする。
つまり、充放電リミッタ402では、直流充電部23の残存容量に応じて、充電時にはリミット上限値f11とリミット下限値f12が設定され、放電時にはリミット上限値f21とリミット下限値f22が設定される。
リミット値設定部420は、直流充電部23の残存容量に応じて充電時のリミット上限値f11とリミット下限値f12、放電時のリミット上限値f21とリミット下限値f22を設定する。
一方、論理和判定部403は、充電リミッタ402に入力される信号が、この充電リミッタ402に設定したリミット値を越えず、しかも、定格リミッタ88に入力される信号が、この定格リミッタ88に設定したリミット値を越えない場合には、リミット動作信号Liは出力しない。
このクッション時間変更ブロック320は、クッション時間変更信号hが入力されると、リミッタ82に設定するクッション時間をT5からT5/10に徐々に変更し、クッション時間変更信号hが入力されなくなると、リミッタ82に設定するクッション時間をT5/10からT5徐々に戻すようにしている。
また、図14(b)に示すように、リミッタ82に設定するクッション時間が、徐々に減少してから徐々に復帰する。
このように、動作を緩やかに変化させることにより、他の機器に悪影響を与えることを防止することができる。
(2−1) 変動検出ブロック80A,80B,80Cに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
(2−2) フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
(2−3) 第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
(2−4) リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
(2−5) 加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、遅延信号とし、
(2−6) フィルタ信号から加算信号を減算して第2の減算信号求め、
(2−7) 第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
(2−8) アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときにはアンプ信号を変動分として求め、アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときにはアンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
(2−9) アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、リミット処理する際のクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、リミット処理する際のクッション時間をT5に戻す。
2 遮断器
10 配電系統
11 分散電源
12 負荷
20 系統安定化装置
21 制御部
22 電力変換器
23 直流充電部
24,26 電流検出器
25 電圧検出器
60,70,80,70A,80A,80B,80C 変動検出ブロック
105,106,123,124 変動検出ブロック
200,300 過補償抑制部
201,301 リミッタバーバー判定ブロック
202 時定数変更ブロック
203 クッション時間変更ブロック
Claims (6)
- 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
- 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、低周波数側の遮断周波数をf2、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、遮断周波数をf2とした変動検出時間を設定するためのローパスフィルタの時定数をT2、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、T2をαで除算した値をT4としたときに、時定数をT3とする一次遅れ特性の第1のフィルタと、時定数をT4とする一次遅れ特性の第2のフィルタと、第1のフィルタから出力された信号と第2のフィルタから出力された信号を減算して出力する減算器と、この減算器の出力にゲインGを乗算して出力するアンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部とで構成され、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
- 請求項1または請求項2に記載の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、低周波数側の遮断周波数がf2として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、値が1/f2となっている変動検出時間を設定するための時定数がT2として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、T2をαで除算した値がT4として設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、第1のフィルタ信号を求め、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT4とした一次遅れフィルタ処理して、第2のフィルタ信号を求め、
第1のフィルタ信号から第2のフィルタ信号を減算して減算信号を求め、
前記減算信号にゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記第2のフィルタの時定数をT4よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記第2のフィルタの時定数をT4に戻す、
ことを特徴とする系統安定化装置。 - 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、式(01)で示す振動係数ζを1より大きい値に設定して、式(01),(02),(03)を用いて、設定値αとゲインGが設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
- 電力系統が正常であるときには前記電力系統に接続され、前記電力系統に異常が発生したときには前記電力系統から遮断され、しかも分散電源と負荷が接続された配電系統に備えられる系統安定化装置であって、
前記系統安定化装置は、制御部と、前記制御部から送られてくるゲート信号に応じて順変換動作と逆変換動作をする電力変換器を有し、
前記制御部は、
前記電力系統が正常であるときには、
前記電力系統から前記配電系統に流入する系統電流から、系統電流の有効分と系統電流の無効分を求め、
第1の変動検出ブロックにより前記系統電流の有効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第2の変動検出ブロックにより前記系統電流の無効分に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
前記電力系統に異常が発生したときには、
前記配電系統の系統電圧から、系統電圧の周波数を示す周波数信号と系統電圧の振幅を示す振幅信号を求め、
第3の変動検出ブロックにより前記周波数信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を有効分の電流指令とし、
第4の変動検出ブロックにより前記振幅信号に含まれる変動分を求めて、この変動分を無効分の電流指令とし、
更に、前記電力変換器が入出力する変換器電流から、変換器電流の有効分と変換器電流の無効分を求め、
前記有効分の電流指令と前記変換器電流の有効分との偏差である有効分の電流偏差を零とし、且つ、前記無効分の電流指令と前記変換器電流の無効分との偏差である無効分の電流偏差を零とするゲート信号を出力し、
しかも、第1から第4の変動検出ブロックは、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数をf1、遮断周波数をf1としたノイズ除去用ローパスフィルタの時定数をT1、ζを振動係数、αを設定数、Gをゲイン、T1にαを乗算した値をT3、任意の時間に設定したクッション時間をT5、1サンプル周期をTs、Xをリミット値としたときに、
時定数をT3とする一次遅れ特性のフィルタと、±(X/T5)Tsとなったリミット特性を有するリミッタと、入力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力する遅延回路と、第1の減算器と、第2の減算器と、加算器と、アンプと、前記アンプから出力されたアンプ信号が予め設定した定格値よりも小さいときには前記アンプ信号をそのまま通過させ前記アンプ信号が予め設定した定格値以上となったときには信号値を定格値に抑制してから前記アンプ信号を通過させる定格リミッタと、過補償抑制部を有し
前記第1の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記遅延回路から出力された信号を減算して前記リミッタに送り、
前記加算器は、前記リミッタから出力された信号と前記遅延回路から出力された信号とを加算して出力し、
前記遅延回路は、前記加算器から出力された信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて出力し、
前記第2の減算器は、前記一次遅れ特性のフィルタから出力された信号から前記加算器から出力された信号を減算して前記アンプに出力し、
前記アンプは前記加算器の出力にゲインGを乗算して出力し、
しかも、ゲインGを任意の値に設定して、式(04)を用いて、設定値αが設定され、振動係数ζはζ=〔T1・α+(T2/α)〕/〔2(T1・T2)1/2〕に設定され、
更に、前記過補償抑制部は、前記アンプ信号の信号値が前記定格リミッタにより定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号が前記定格リミッタをそのまま通過する状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻すことを特徴とする、
系統安定化装置。
- 請求項4または請求項5に記載の系統安定化装置において、
前記第1から第4の変動検出ブロックには、
当該変動検出ブロックの通過帯域周波数の高周波数側の遮断周波数がf1として設定され、値が1/f1となっているノイズ除去用の時定数がT1として設定され、振動係数がζとして設定され、設定数がαとして設定され、ゲインがGとして設定され、T1にαを乗算した値がT3として設定され、任意の時間に設定したクッション時間がT5として設定され、1サンプル周期がTsとして設定され、リミット値がXとして設定されており、
前記第1から第4の変動検出ブロックは、演算処理プログラムを用いた演算処理により、
当該変動検出ブロックに入力される入力信号を、時定数をT3とした一次遅れフィルタ処理して、フィルタ信号を求め、
前記フィルタ信号から遅延信号を減算して第1の減算信号を求め、
前記第1の減算信号を、±(X/T5)Tsとなったリミット特性によりリミット処理して、リミット信号を求め、
前記リミット信号と遅延信号を加算して加算信号を求め、
前記加算信号を1サンプル周期Tsだけ遅延させて、前記遅延信号とし、
前記フィルタ信号から前記加算信号を減算して第2の減算信号求め、
前記第2の減算信号に、ゲインGを乗算してアンプ信号を求め、
前記アンプ信号が予め決めた定格値よりも小さいときには前記アンプ信号を変動分として求め、前記アンプ信号が予め決めた定格値以上となったときには前記アンプ信号を定格値に抑制して変動分として求め、求めた変動分を電流指令として出力し、
前記アンプ信号の信号値が前記定格値に抑制される状態が予め決めた一定時間以上継続したら、前記リミッタのクッション時間をT5よりも小さい値に変更し、前記アンプ信号の信号値が前記定格値よりも小さい状態になったら、前記リミッタのクッション時間をT5に戻す、
ことを特徴とする系統安定化装置。
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