JP5072004B2 - 無鉛ガソリン組成物の製造法 - Google Patents
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Description
近年、ガソリン自動車は、大気環境改善のための排出ガス中の有害物質の低減と、地球温暖化抑制の観点から温室効果ガスのCO2排出量低減の両立が求められており、このためには、排出ガス後処理装置を含む車両・エンジン技術の改良と共に、ガソリン品質の最適化も重要である。ガソリンには、ガソリン自動車の優れた排出ガス浄化性能と、燃費性能、運転性能とを引き出す品質が必要とされる。
また、これら供給ソースを多様化した場合に得られるガソリンの品質は、排出ガス浄化性能や、燃費性能、運転性に優れたものである必要がある。
本発明の製造法で得られるガソリン(以下、単に「本発明のガソリン」と記載する)は、FT合成基材を含有している必要がある。
ここで、FT合成基材とは、水素及び一酸化炭素を主成分とする混合ガス(合成ガスと称する場合もある)に対してフィッシャートロプシュ(FT)反応を適用させて得られるナフサ、灯油、軽油相当の液体留分、およびこれらを水素化精製、水素化分解することによって得られる炭化水素混合物、およびFT反応により液体留分およびFTワックスを生成し、これを水素化精製、水素化分解することにより得られる炭化水素混合物からなる基材のことを示す。
炭素を含有する物質としては、天然ガス、石油液化ガス、メタンガス等の常温で気体となっている炭化水素からなるガス成分や、石油アスファルト、バイオマス、石炭、建材やゴミ等の廃棄物、汚泥、及び通常の方法では処理しがたい重質な原油、非在来型石油資源等を高温に晒すことで得られる混合ガスが一般的であるが、水素及び一酸化炭素を主成分とする混合ガスが得られる限りにおいては、本発明はその原料を限定するものではない。
多孔質担体としては無機酸化物が好ましく用いられる。具体的には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ボリア、シリカ、ゼオライトなどが挙げられる。
ゼオライトは結晶性アルミノシリケートであり、フォージャサイト、ペンタシル、モルデナイトなどが挙げられ、好ましくはフォージャサイト、ベータ、モルデナイト、特に好ましくはY型、ベータ型が用いられる。なかでも、Y型は超安定化したものが好ましい。
活性金属Aタイプは周期律表第8族金属から選ばれる少なくとも1種類の金属である。好ましくはRu、Rh、Ir、PdおよびPtから選ばれる少なくとも1種類であり、さらに好ましくはPdまたは/およびPtである。活性金属としてはこれらの金属を組み合わせたものでよく、例えば、Pt−Pd、Pt−Rh、Pt−Ru、Ir−Pd、Ir−Rh、Ir−Ru、Pt−Pd−Rh、Pt−Rh−Ru、Ir−Pd−Rh、Ir−Rh−Ruなどがある。これらの金属からなる貴金属系触媒を使う際には、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いることができる。一般的には水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が還元され、水素化活性を発現することになる。
また活性金属Bタイプとして、周期律表第6A族および第8族金属から選ばれる少なくとも一種類の金属を含有し、望ましくは第6A族および第8族から選択される二種類以上の金属を含有しているものも使用することができる。例えばCo−Mo、Ni−Mo、Ni−Co−Mo、Ni−Wが挙げられ、これらの金属からなる金属硫化物触媒を使う際には予備硫化工程を含む必要がある。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の反応温度は、170℃以上320℃以下であることが好ましく、175℃以上300℃以下であることがより好ましく、180℃以上280℃以下であることが更に好ましい。水素化精製における反応温度が320℃を超えると、ナフサ留分へ分解する副反応が増えて中間留分の収率が極度に減少するため好ましくない。また、反応温度が170℃を下回ると、アルコール分が除去しきれずに残存するため好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の水素圧力は、2MPa以上10MPa以下であることが好ましく、2.5MPa以上8MPa以下であることがより好ましく、3MPa以上7MPa以下であることが更に好ましい。水素圧力は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の液空間速度(LHSV)は、0.1h−1以上2h−1以下であることが好ましく、0.2h−1以上1.5h−1以下であることがより好ましく、0.3h−1以上1.2h−1以下であることが更に好ましい。LHSVは低いほど反応に有利であるが、低すぎる場合には極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となるので経済的に好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化精製を行う場合の水素/油比は、100NL/L以上800NL/L以下であることが好ましく、120NL/L以上600NL/L以下であることがより好ましく、150NL/L以上500NL/L以下であることが更に好ましい。水素/油比は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
固体酸性質を有する担体にはアモルファス系と結晶系のゼオライトがある。具体的にはアモルファス系のシリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニアとゼオライトのフォージャサイト型、ベータ型、MFI型、モルデナイト型などがある。好ましくはフォージャサイト型、ベータ型、MFI型、モルデナイト型のゼオライト、より好ましくはY型、ベータ型である。Y型は超安定化したものが好ましい。
活性金属Aタイプとしては主に周期律表第6A族および第8族金属から選ばれる少なくとも1種類の金属である。好ましくはNi、Co、Mo、Pt、PdおよびWから選ばれる少なくとも1種類の金属である。これらの金属からなる貴金属系触媒を使う際には、水素気流下において予備還元処理を施した後に用いることができる。一般的には水素を含むガスを流通し、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が還元され、水素化活性を発現することになる。
また活性金属Bタイプとしてはこれらの金属を組み合わせたものでよく、例えば、Pt−Pd、Co−Mo、Ni−Mo、Ni−W、Ni−Co−Moなどが挙げられる。また、これらの金属からなる触媒を使う際には、予備硫化したのち使用するのが好ましい。
上記活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化分解を行う場合の液空間速度(LHSV)は、0.1h−1以上2h−1以下であることが好ましく、0.2h−1以上1.7h―1以下であることがより好ましく、0.3h−1以上1.5h−1以下であることが更に好ましい。LHSVは低いほど反応に有利であるが、低すぎる場合には極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となるので経済的に好ましくない。
活性金属Bタイプからなる触媒を用いて水素化分解を行う場合の水素/油比は、150NL/L以上2000NL/L以下であることが好ましく、300NL/L以上1700NL/L以下であることがより好ましく、400NL/L以上1500NL/L以下であることが更に好ましい。水素/油比は高いほど水素化反応が促進されるが、一般には経済的に最適点が存在する。
水素化処理装置の反応形式は、固定床方式をとりうる。水素は原料油に対して、向流または並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔の中段には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスをクエンチとして注入してもよい。
留分範囲の例としては、例えば25℃〜70℃の軽質留分、70℃〜160℃の中間留分、160℃〜220℃の重質留分等が挙げられる。この他、25℃〜220℃の留分から一部の留分範囲を除いた残りを使用すること等もできる。
具体的には、例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫処理して得られる直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(ホールレンジナフサ)、ナフサの軽質留分、ナフサの重質留分、ホールレンジナフサを脱硫した脱硫ホールレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分である軽質改質ガソリン、改質ガソリンの中質留分である中質改質ガソリン、改質ガソリンの中重質留分である中重質改質ガソリン、改質ガソリンの重質留分である重質改質ガソリン、各改質ガソリンの2種類以上の混合物、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(ホールレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分である軽質分解ガソリン、接触分解ガソリンの重質留分である重質分解ガソリン、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、オレフィン分の重合によって得られる重合ガソリン、プロピレンまたはブテンの二量化によって得られるオレフィン留分、プロピレンまたはブテンの二量化によって得られたオレフィン留分を水素化して得られるパラフィン留分、脱ノルマルパラフィン油、芳香族炭化水素化合物(トルエン、炭素数8の芳香族(キシレン類)、炭素数9の芳香族等)等の基材が挙げられる。
(1)改質ガソリン:0〜80容量%
(2)分解ガソリン:0〜60容量%
(3)アルキレート:0〜40容量%
(4)異性化ガソリン:0〜30容量%
含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert-ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert-ブチルエーテル(ETBE)、tert-アミルメチルエーテル(TAME)、tert-アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なかでもエタノール、MTBE、ETBEが好ましく、二酸化炭素排出量抑制の観点からは、バイオマス由来のエタノール、バイオマス由来のエタノールを原料として製造したETBEを特に好ましく使用することができる。なお、メタノールは、腐食性と、排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性もあるので、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定により試験したときに検出されない(0.5容量%以下)ことが好ましい。
本発明のガソリン中の含酸素化合物含有量は、自動車燃料系部材の適合性と、排出ガス中のNOxが増加を抑制する観点から、酸素原子換算で3.8質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましく、2.7質量%以下であることがさらに好ましく、1.3質量%以下であることが最も好ましい。
また、高速における耐ノッキング性能の悪化を防止する観点から、本発明のガソリンのモーター法オクタン価(MON)は84.0以上である必要があり、86.0以上であることが好ましく、87.0以上であることがより好ましく、87.5以上であることがさらにより好ましく、88.0以上であることがさらにより一層好ましく、88.5以上であることが最も好ましい。
ここでいうリサーチ法オクタン価(RON)およびモーター法オクタン価(MON)とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値を意味する。
本発明のガソリンの10容量%留出温度(T10)は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上である。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性が低下する可能性がある。一方、T10は、70℃以下であることが必要であり、好ましくは60℃以下である。T10が70℃を超える場合には、低温始動性が低下する可能性がある。
本発明のガソリンの30容量%留出温度(T30)は、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上である。T30が55℃に満たない場合は燃費が悪化する可能性がある。一方、T30は、好ましくは77℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。T30が77℃を超える場合には、中低温運転性が低下する可能性がある。
本発明のガソリンの50容量%留出温度(T50)は、燃費の悪化を防止する観点から、75℃以上であることが必要であり、80℃以上であることが好ましい。一方、常温運転性の悪化を防止する観点から、T50は、110℃以下であることが必要であり、105℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
本発明のガソリンの70容量%留出温度(T70)は、好ましくは95℃以上である。T70が95℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、T70は、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下である。T70が135℃を超える場合は冷機時の中低温運転性が低下する可能性があり、また、排出ガス中の炭化水素の増加、吸気バルブデポジットの増加、燃焼室デポジットが増加する可能性がある。
本発明のガソリンの90容量%留出温度(T90)は、好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上である。T90が115℃に満たない場合は、燃費が悪化する可能性がある。一方、冷機時の低温及び常温運転性の悪化、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生等の現象を防止できる観点から、T90は、180℃以下であることが必要であり、好ましくは175℃以下、より好ましくは170℃以下、さらに好ましくは165℃以下である。
本発明のガソリンの蒸留終点(EP)は、150℃以上であることが好ましい。また、EPは、220℃以下であることが必要であり、好ましくは215℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは195℃以下である。EPが220℃を超えると、吸気弁デポジットや燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。
ここでいうIBP、T10、T30、T50、T70、T90、EPとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」により測定される値(℃)を意味する。
ここでいう15℃における密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される値(g/cm3)を意味する。
ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値(分)を意味する。
ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
ここでいう洗浄実在ガム量および未洗実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値(mg/100ml)を意味する。
ここでいうベンゼン含有量とは、JIS K 2536「石油製品-成分試験方法−ガスクロによる芳香族試験方法」により測定されるベンゼン含有量(容量%)を意味する。
ここで、灯油混入量とはガソリン全量基準での炭素数13及び14のノルマルパラフィン炭化水素の含有量で判定し、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定によって得られる灯油の換算値が4容量%以下であることであることを意味する。
ここでいう芳香族分とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法−蛍光指示薬吸着法」により測定されるガソリン中の芳香族分含有量(容量%)を意味する。
ここでいうオレフィン分とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法−蛍光指示薬吸着法」により測定されるガソリン中のオレフィン分含有量(容量%)を意味する。
ここでいうマンガン、鉄、ナトリウムの含有量は「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」、カリウムの含有量は「燃焼灰化−原子吸光法」、リンの含有量はASTM D3231”Standard Test Method for Phosphorus in Gasoline”により測定される値である。
(1)試料20gを白金皿に採取する。
(2)成分元素の揮散を抑えるために粉末硫黄0.4gを加え、サンドバス上150℃で1時間おき、揮発分を除く。
(3)残留分を燃焼させる。
(4)500℃の電気炉で2〜3時間灰化する。
(5)2〜3mLの濃硫酸で溶解し、20mLに定容する。
(6)マンガン、鉄、ナトリウムの含有量は誘導結合プラズマ発光分光分析計(島津製作所社製、ICPS−8000)、リンの含有量は原子吸光光度計(日立製作所社製、Z6100)を用いて分析する。
清浄分散剤の含有量は、本発明のガソリン1リットル当たり、25〜1000mgであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500mgがさらに好ましく、100〜300mgが最も好ましい。なお、清浄分散剤は、清浄性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがあるが、こうした場合、上記の添加量は、有効成分としての添加量を意味している。
なお、摩擦調整剤と称して市販されている商品は、耐摩耗性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがあるため、こうした市販品を本発明のガソリンに添加する場合にあたっては、上記の添加量は、有効成分としての添加量を意味している。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
水素及び一酸化炭素を主成分とする混合ガスに対してフィッシャートロプシュ(FT)反応を適用させて、留出温度範囲が35℃〜165℃のFT合成基材Aを得た。FT合成基材Aは、ノルマルパラフィン分73.6容量%、イソパラフィン分2.5容量%、オレフィン分23.9容量%を含む。このFT合成基材Aを5容量%と、改質ガソリン、接触分解ガソリン、アルキレート、トルエン、ノルマルブタンなどのガソリン基材および酸化防止剤、金属不活性化剤、清浄分散剤、摩擦調整剤を配合することにより、実施例1のガソリン組成物を調製した。
比較例2は市販のプレミアムガソリンである。
基材の性状、実施例および比較例における試験ガソリンの性状は以下の方法により測定した。
リサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価は、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価による値である。
硫黄分は、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定した。
鉛分は、JIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」により測定した。
蒸留性状(IBP、T10、T30、T50、T70、T90、EP)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法」により測定した。
蒸気圧(@37.8℃)は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定した。
密度(@15℃)は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定した。
酸化安定度は、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期法)」によって測定した。
銅板腐食は、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した。
未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量は、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した。
ベンゼンは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法−ガスクロによる芳香族試験方法」により測定した。
芳香族分及びオレフィン分は、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法−蛍光指示薬吸着法」により測定した。
灯油分は、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定に従って測定した。
マンガン、鉄、ナトリウムの含有量は「燃焼灰化−誘導結合プラズマ発光法」、カリウムの含有量は「燃焼灰化−原子吸光法」、リンの含有量はASTM D3231”Standard Test Method for Phosphorus in Gasoline”により測定した。
実施例及び比較例のガソリンについて、FT合成基材の配合量と、原油を原料とするガソリン基材の配合量から、原油以外を原料にしうる基材の配合割合として、供給ソースの多様化指標を求めた。
環境温度25℃、環境湿度50%に保持したシャーシダイナモメータ上で、下記の試験車両を使用し、加速性能評価を実施した。試験は試験車両を十分に暖機走行させた後、Dレンジ(ODはオン)で50km/hから110km/hまでの全開加速を10回行い、60km/hから100km/hに達するまでの所要時間を測定し、最初の3回を除いた7回の所要時間の平均値を加速時間と定義した。
[試験車両]
エンジン:直列4気筒(プレミアムガソリン仕様、過給器有り)
排気量:1998cc
噴射方式:マルチポイント式
ミッション:オートマチックトランスミッション
排出ガス浄化システム:三元触媒、空燃比フィードバック制御
平成12年排出ガス規制適合
排出ガス試験は、上記の試験車両を用いて、国土交通省によるガソリン自動車10・15モード排出ガス測定の技術指針に従って、排出ガス中に含まれるCOおよびNOxの排出量を計測した。
燃料消費試験は、上記の試験車両を用いて、国土交通省によるガソリン自動車10・15モード燃料消費試験方法に従って計測した。
Claims (13)
- 留出温度範囲が25℃から220℃の留分の全部もしくはその一部であるFT合成基材を混合する工程を含むことを特徴とする、得られる組成物のリサーチ法オクタン価が96.0以上、モーター法オクタン価が84.0以上、硫黄分含有量が10質量ppm以下、10容量%留出温度が35℃以上70℃以下、30容量%留出温度が55℃以上77℃以下、50容量%留出温度が75℃以上110℃以下、70容量%留出温度が95℃以上135℃以下、90容量%留出温度が115℃以上180℃以下、蒸留終点が220℃以下、リード蒸気圧が44kPa以上93kPa以下、密度(15℃)が0.690g/cm3以上0.783g/cm3以下、酸化安定度が240分以上、銅板腐食(50℃、3時間)が1以下、洗浄実在ガムが5mg/100ml以下、未洗実在ガムが30mg/100ml以下、ベンゼン含有量が1容量%以下である無鉛ガソリン組成物の製造法。
- ガソリンに含有されるFT合成基材中のノルマルパラフィン含有量が75容量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- ガソリンに含有されるFT合成基材中のイソパラフィン含有量が20容量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- ガソリンに含有されるFT合成基材中のオレフィン含有量が5容量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 留出温度範囲が25℃から220℃の留分の全部もしくはその一部であるFT合成基材の含有量が、ガソリン全量に対して3容量%以上30容量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 灯油を含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 芳香族分含有量が10容量%以上45容量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- オレフィン分含有量が35容量%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- センシティビティが12.5以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- マンガンの含有量が2質量ppm以下、鉄の含有量が2質量ppm以下、ナトリウムの含有量が2質量ppm以下、カリウムの含有量が2質量ppm以下、及びリンの含有量が2質量ppm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 酸化防止剤と金属不活性化剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 清浄分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
- 摩擦調整剤を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の無鉛ガソリン組成物の製造法。
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JP2007270092A (ja) | 2007-10-18 |
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