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JP5067862B2 - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所望の形状にパターニングされた透明電極を備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置に用いられる一般的な液晶セルは、従来、以下のような製造方法で製造されている。まず、ガラス基板にITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜を蒸着し、フォトレジストを塗布した後、露光機にフォトマスクをセットし、所望のパターンを露光する。露光後は、現像、エッチングおよび剥離工程を行うことにより、透明導電膜を所望の電極パターンに加工する。ITO膜の上に配向膜をフレキソ印刷機、インクジェット塗布装置等により塗布する。なお、配向膜を塗布する前に絶縁膜を塗布する場合もある。その後、配向膜にラビング処理を施す。ラビング処理まで終了した2枚の基板を、配向膜が向かい合うように重ね合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入して封止し、両外側面に偏光板を貼り付ける。これにより液晶セルが完成する。
このように、液晶セルの透明導電膜を所望の電極パターンに加工するには、露光、現像、エッチング、剥離の工程が必要であり、工程が複雑である。また、薬液の管理や交換、廃棄処理が必要であり、コストアップの要因となる。さらに、露光工程では、露光機の他に、表示パターンごとにフォトマスクを用意する必要があるため、フォトマスクの製造および管理にコストがかかり、多品種少量生産ではコストアップにつながる。
これらの課題を解消するために、ウエットエッチング工程に代えて、ドライエッチング法も利用されるようになってきた。また、最近では、露光から剥離までの工程を簡略化するために、レーザ光を透明導電膜に照射し、アブレーション作用により透明導電膜を蒸散させる技術が、例えば特許文献1および2に開示されている。
特開平9−152618号公報 特開平7−320637号公報
液晶表示装置では、駆動方法として、スタティック駆動やマルチプレックス(デューディ)駆動等が用いられる。マルチプレックス駆動は、複数の透明電極を一つの電極端子に接続し、液晶パネルの一方の基板の透明電極に信号電圧を印加し、他方の基板の透明電極に走査電圧を供給することにより、時系列に透明電極を選択して表示させる方法である。この駆動方法では、選択電極の液晶には臨界電圧以上の所定の駆動電圧が印加され、非選択電極の液晶には臨界電圧以下の所定の低電圧が印加される。このため、非選択電極においても液晶分子は僅かながら電界方向に立ち上がるため、電極が配置されていない領域に対して表示状態(透過率)が僅かに異なる。このため非選択電極が観察者から認識され、表示品位が低下する。また、斜め方向から見たときには非選択電極がより目立ちやすい。
本発明の目的は、非選択電極が観察者から認識されにくい液晶表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような液晶表示装置が提供される。すなわち、対向して配置された一対の透明基板と、一対の透明基板の対向面側にそれぞれ配置された所定形状の透明電極と、基板の間に挟まれた液晶とを有する液晶表示装置であって、一対の透明基板の少なくとも一方には、透明電極が配置されていない領域に、表面に凹凸を有する透明膜が配置されている。これにより、透明膜の凹凸により、液晶分子の配向状態に僅かに乱れが生じ、所定の低電圧が印加されている電極下の液晶分子の配向状態と近い状態になる。よって、低電圧が印加された電極が観察者から認識されにくくなり、表示品位が向上する。
上記した表面に凹凸を有する透明膜としては、例えばアイランド状の不連続膜を用いることができる。また、透明膜および透明電極を、透明導電膜により形成することができる。この場合、透明膜と透明電極とは非接触とする。
また、透明電極には、マルチプレックス駆動により所定の選択電圧および非選択電圧のうちの一方を選択的に印加する構成とすることができる。所定の低電圧である非選択電圧が印加された透明電極下の液晶分子の配向状態は、凹凸のある透明膜下の液晶分子の配向状態と近い状態となるため、非選択電極が認識されにくくなる。
また、本発明によれば、以下のような液晶表示装置の製造方法が提供される。すなわち、所定形状の透明電極を備えた基板を含む液晶表示装置の製造方法であって、透明導電膜が備えられた基板にレーザ光を照射することにより、透明導電膜を所定形状の透明電極に加工すると同時に、透明電極の周辺領域の透明導電膜の表面を凹凸に加工する製造方法である。これにより、透明電極の周囲の領域に、表面に凹凸を有する透明導電膜が配置された液晶表示装置を製造することができる。
透明電極は、その周辺領域の透明導電膜と非接触となるように加工することが望ましい。外側領域の透明導電膜に駆動電圧が印加されるのを防止するためである。
透明電極の周辺領域の透明導電膜を、レーザ光照射によりアイランド状の不連続膜に加工することも可能である。レーザ光は、例えばYVOレーザ光もしくはYAGレーザ光を用いることができる。
本発明の一実施の形態の液晶表示装置について図面を用いて説明する。
本実施の形態の液晶表示装置は、キャラクター表示、もしくは、キャラクター表示とドットマトリクス表示との混在表示をマルチプレックス駆動により表示するものである。この液晶表示装置は、表示領域の周囲に表示に寄与しない非表示領域を有している。本実施の形態では、通常は透明電極膜が配置されない非表示領域にも、表面に凹凸を有する透明膜または微小なアイランド状の不連続な透明膜を配置することにより、非選択電極を観察者から認識されにくくする。
すなわち、電極を配置しない非表示領域に、表面が凹凸またはアイランド状の透明膜を配置することにより、非表示領域における液晶分子の配向状態をわずかに乱れた状態にする。この液晶分子の状態は、マルチプレックス駆動表示において所定の低電圧を印加された非選択電極下の液晶分子の状態(電界方向にわずかに立ち上がった状態)と似通っており、光の透過率が近くなる。よって、表示領域の非選択電極と非表示領域は、観察者からの見え方がほぼ等しくなり、非選択電極が観察者から認識される現象を解消することができるため、表示品位が向上する。
表面が凹凸または微小なアイランド状の透明膜は、透明膜にレーザを照射することにより形成できる。すなわち、透明電極膜を所定の電極形状にパターニングする際に、レーザアブレーションを採用し、照射条件を適切に選択する。これにより、非表示領域の透明電極膜の表面を積極的に荒らし、電極をパターニングするのと同時に、非表示領域の凹凸を有する透明膜、または、微小なアイランド状の透明膜を形成することができる。
凹凸または微小なアイランド状の透明膜を透明導電膜で構成する場合、表示領域の透明電極と電気的に導通しないように透明電極に対して非接触である必要がある。ただし、一つ一つのアイランドは完全に独立である必要はなく、アイランド同士が一部がつながった不連続膜でもよい。
なお、本実施の形態では、表示したいパターン形状をそのまま表示するパターン表示、および、複数の表示要素を選択することにより数字等を表示するセグメント表示を含めてキャラクター表示とよぶ。ドットマトリクス表示は、画素を格子状に配列し、このうちの必要な画素を駆動して画素の集合体として画像を表示する方式である。
以下、本実施の形態の液晶表示装置の構造について具体的に説明する。この液晶表示装置は、図1および図2に示した構成の液晶セルを用いる。液晶セルは、図1のように、液晶セルは、2枚のガラス基板10を一定の間隔を開けて対向させ、その間に液晶13を充填し、周囲をメインシール材14で封止した構造である。2枚のガラス基板10の対向面には、それぞれ透明電極膜であるITO膜11と配向膜12とが積層配置されている。ここでは、透明電極膜としてITO膜を用いるが、酸化錫膜や酸化亜鉛膜等の他の透明導電膜を用いることも可能である。
液晶セルは、図2のように、キャラクター表示領域213とドットマトリクス表示領域214とを有し、その周囲は、非表示領域210になっている。キャラクター表示領域213およびドットマトリクス表示領域214のITO膜11は、図2に示したような所定の電極201、203、204の形状にパターニングされている。非表示領域210には、表面が凹凸のITO膜11またはアイランド状の不連続なITO膜11が配置されている。非表示領域210の凹凸またはアイランド状のITO膜11は、表示領域213,214の電極201、203、204のITO膜11とは非接触である。
電極形状について説明する。キャラクター表示領域213の電極201は、2桁の数字を、それぞれ7つのセグメントによって構成している。ITO膜11は、それぞれのセグメント電極201の形状にパターニングされている。対向する2つの基板10のITO膜11は、同形状にパターニングされている。ドットマトリクス表示領域214では、マトリクス状に配置された正方形の画素202により表示が行われる。このため、一方の基板10のITO膜11は、所定の幅および間隔で平行に配置された複数のライン状電極203の形状にパターニングされている。他方の基板10のITO膜11は、ライン状電極203と直交する向きに配置された複数のライン状電極204の形状にパターニングされている。相互に直交するライン状電極203、204が重なっている部分が画素202を構成している。
メインシール材14の外側には、図1のように一方のガラス基板10側から他方のガラス基板10のITO膜11への給電を可能にするための導通材15が配置されている。また、2枚のガラス基板10の外側には、それぞれ偏光板16が配置されている。図1および図2の液晶セルにバックライトや制御回路等を組み合わせることにより、液晶表示装置が構成されている。
つぎに、図3を用いて、図1の液晶セルの製造方法を説明する。
まず、製造工程に入る前に、レーザ照射の条件を実験により求める。本実施の形態では、ITO膜11をレーザアブレーションにより所定の電極201、203、204の形状に加工するのと同時に、従来は完全除去していた電極周囲のITO膜11を、凹凸の表面を有するか、または、微小なアイランド状の膜に加工し、残存させる。そこで、レーザを照射した領域は、ITO膜11が凹凸もしくはアイランド状になり、かつ、凹凸またはアイランド状のITO膜11が未照射領域(電極201、203、204)のITO膜11とは導電性がない、という条件を満たすレーザ照射条件を実験により求める。この実験は、ITO膜11を基板10に成膜した試料を用いて行う。
凹凸状のITO膜11を残存させる場合、その表面粗さ(Ra)は、50nm以上であることが望ましい。
アイランド状のITO膜11を残存させる場合、アイランドの径は、100nm以上100μm以下であることが望ましい。アイランド径を100nm以上にすることにより、一つのアイランドにより複数個、例えば20個以上の液晶分子の配向に影響を与えることができる。ただし、アイランド径は、電極間距離よりも小さくする必要がある。また、アイランド状ITO膜11の厚さは、20nm以上であることが望ましい。厚さ20nm以上にすることにより、アイランド径が100nmの場合に、アイランド状ITO膜11との界面の液晶分子を傾斜角約20°で傾斜させることができる。発明者らの実験及び経験によると、界面の液晶分子の傾斜角が20°のとき、界面近傍の局所的なプレティルト角は5°程度になる。界面近傍の局所的なプレティルト角が1.5〜5°程度のとき、液晶の厚さ全体のプレティルト角を1.5〜1.8°程度にすることができる。
具体的には、実験を以下のように行う。ガラス基板10上にITO膜11が形成された複数の試料を用意し、波長、レーザ出力、繰返しパルス周期、レーザ移動速度等のパラメータを種々変化させて、ITO膜11を所定の電極形状、例えば電極201、203、204に加工するレーザアブレーションを行う。その後、各試料について、所望の電極201、203、204の形状に加工されているかどうか、レーザを照射した領域に、凹凸状またはアイランド状のITO膜が残存しているか、および、電極201、203、204と凹凸またはアイランド状のITO膜11との導通性を評価する。これにより、最適なレーザ照射条件を選択する。発明者らの実験によれば、基本的にはレーザパルスの周波数が低く、レーザの移動速度が速く、これにより場所によってレーザ光の照射強度の分布があるような条件が適していた。
レーザ照射条件を選択した後、図2に示した各工程を実施し、製造を行う。各工程について順に説明する。まず、成膜工程301において2枚のガラス基板10にITO膜11を蒸着等により成膜する。
つぎに、レーザアブレーション工程302において、ITO膜11を図2の電極201、203,204の形状にパターニングする。このとき、レーザ波長、レーザ出力、繰返しパルス周期、レーザ移動速度等のパラメータは、上述したように予め求めておいた条件に設定する。これにより、電極201、203、204の周囲の非表示領域210のITO膜11を完全に除去するのではなく、凹凸または微小なアイランド状のITO膜11を残存させる。
つぎに、工程304に進み、ITO膜11の上に配向膜12をフレキソ印刷機、インクジェット塗布装置等により塗布する。その後、配向膜12にラビング処理を施す。次工程305では、ラビング処理まで終了した2枚の基板10にギャップ剤を散布し、メインシール材14を印刷等により取り付け、配向膜12が向かい合うように2枚の基板10を重ね、その間隙に液晶13を注入してエンドシール材で封止し、両外側面に偏光板16を貼り付ける。また、メインシール材14の外に導通材15を配置する。これにより液晶セルが完成する。この液晶セルに、バックライトや電気回路等を公知の手法により取り付け、液晶表示装置を完成させる。
完成した液晶表示装置は、マルチプレックス駆動時に、表示領域213、214の非選択電極と、非表示領域210との表示状態(透過率)がほぼ等しい。これにより、非表示領域と非選択電極の領域との表示状態の差異が殆ど認識されず、表示品位を向上させることができる。これは、非表示領域210に凹凸またはアイランド状にITO膜11を残存させたことにより、液晶13のプレティルト角が僅かに高くなり、非選択電圧を印加されて僅かに立ち上がった状態の液晶13の表示状態とほぼ等しくなっていることが、主因と考えられる。また、凹凸またはアイランド状のITO膜11の表面状態により水平方向の液晶配向が僅かに乱されたことも影響している可能性がある。
また、本実施の形態の液晶表示装置は、電極の外側の非表示領域にも凹凸またはアイランド状のITO膜11が存在するため、チャージがたまりにくく、静電気などが液晶表示装置に印加されたときの誤動作が生じにくい。
さらに、本実施の形態のレーザアブレーション法は、フォトリソ法に比較すると低コストで電極をパターニングすることが可能である。しかも、従来のレーザアブレーション法では、非表示領域のITO膜を完全に除去しつつ下地の基板10にダメージを与えない条件を選択する必要があったため、加工条件が非常にシビアであり、かつ、レーザを十分に照射しなければならないため時間がかかる(タクトが遅い)という問題があったが、本実施の形態では、凹凸またはアイランド状にITO膜11を残存させるため、レーザ照射条件は、従来よりもシビアではなく、最適条件を求めるのが比較的容易である。またITO膜11を完全除去しなくてもよいためタクトが速いというメリットもある。
上記実施の形態では、対向する2枚の基板10の両方について、非表示領域に凹凸状またはアイランド状のITO膜を残存させているが、一方の基板10のみに残存させ、他方の基板10については、非表示領域のITO膜11を完全除去する構成にすることも可能である。この場合であっても、液晶は、一方の基板側で配向が僅かに乱れるため、非選択電極が見えにくくなるという所定の効果を得られる。
本発明は、例えばキャラクター表示、または、キャラクター表示とフルドットマトリクス表示との混合表示等を行う液晶表示装置や、特に車載用ディスプレイ(カーナビゲーション、マルチインフォメーション、クラスタ表示、センターコンソール等)、航空機用ディスプレイ、遊技用表示装置、携帯電話・DSC(デジタル スチール カメラ)用表示部、オーディオ装置の表示部に適用することができる。
(実施例1)
実施例1として、実施の形態で説明した図1および図2の構成の液晶表示装置を製造した。製造手順は、実施の形態で説明した通りである。成膜工程301では、厚さ0.15μmのITO膜11を成膜した。レーザアブレーション工程302では、YVO(Nd:YVO)レーザを用いて、電極201、203、204をパターニングした。レーザ照射条件は、波長1064nm、出力5W、繰り返しパルス周期10kHz、レーザ移動速度500mm/secに設定した。
上記条件で加工した試料について、膜面上で探触子をスキャンさせてその断面形状を測定した結果を図4に示す。図4の両端の平らなところはレーザを照射していないITO膜11(電極201等)の部分、中央の領域40は、レーザを照射し、ITO膜11を凹凸または微小なアイランド状に加工した部分(非表示領域210)である。図4から明らかなように、中央の領域40には、細かい凹凸形状が見られ、表面粗さ(Ra)は約800nmであった。これは、中央領域40では、ITO膜11が完全に除去されておらず、微小なアイランド状に残留しているためである。残存しているアイランド状のITO膜11は、横方向には連続しておらず、ITO膜11が残っていても横方向の導電性は無かった。
つぎに、工程304に進み、パターニングしたITO膜11付き基板10を洗浄した後、配向膜12を印刷した。ここでは低プレティルト配向膜材料であるSE−410(日産化学工業(株)製)を用いた。ラビング処理後、ギャップ剤の散布、メインシール材14の印刷を行い、基板を重ね合わせて空セルを作製した。空セルに液晶を真空注入し注入口をエンドシール剤で封止し、偏光板を貼って液晶セルを作製した。
液晶材料としては、TN(Twisted Nematic)液晶(メルク(株)製)を用いた。両基板19間の配向方向は90°になるように設定した。液晶セル厚は、ここでは5ミクロンとした。上記液晶材料は誘電異方性△εが正で、屈折率異方性△nが0.15程度のものである。なお、△εが負の液晶を用いてもよい。
(比較例1)
比較例1として、実施例1のレーザアブレーション工程302のレーザ照射条件を、従来の照射条件に変更し、他の条件は実施例1と同じにして液晶セルを作製した。レーザ照射条件は、波長1064nm、出力20W、繰り返しパルス周期20kHz、レーザ移動速度300mm/secとした。
上記条件で加工した試料について、膜面上で探触子をスキャンさせてその断面形状を測定した結果を図5に示す。図5の両端の平らなところはレーザを照射していないITO膜11(電極201等)の部分、中央の領域50は、レーザを照射し、ITO膜11を除去した部分(非表示領域)である。領域50は、僅かに凹凸があるが、図4の中央の領域40の凹凸形状と比較すると、凹凸が小さく、ITO膜11がほぼ完全に除去されていることがわかる。従来のパターニングされたITO膜11の評価方法であれば、非表示領域のITO膜11が完全に除去されている比較例の方が好ましいことは同業者の常識から言えば自明であろう。
(評価)
実施例1および比較例1で作製した液晶セルを、それぞれマルチプレックス駆動し、各電極201、203、204に非選択電圧(1/4Duty、1/3Bias、5V)を印加した。実施例1の液晶セルおよび比較例1の液晶セルを正面および斜め方向(約30°)から観察し、写真を撮影した。図6aに実施例1の液晶セルの正面の写真を、図6bに斜め方向からの写真をそれぞれ示す。図7aに比較例1の液晶セルの正面の写真を、図7bに斜め方向からの写真をそれぞれ示す。図7aおよび図7bのように、比較例1の液晶セルは、オフ表示であるにもかかわらず、セグメント電極201のパターンが見えており、好ましくない表示状態であることがわかる。一方、図6aおよび図6bの実施例1の液晶セルは、非選択電極201等と非表示領域210の表示状態がほぼ等しいため、正面および斜めのいずれの方向から観察してもセグメント電極201のパターンはほとんど認識されず、非常に好ましい表示状態であることが確認できた。
実施例1および比較例1の液晶セルのプレティルト角をクリスタルローテーション法にて測定したところ、実施例1の非表示領域210のプレティルト角は1.8°であった。一方、実施例の表示領域213、214、および、比較例の表示領域の非選択電圧印加時のプレティルト角はいずれも1.5°であった。(比較例の非表示領域(電極がない領域)のプレティルト角は1.5°であった。)このことから実施例1の液晶セルは、非表示領域210に凹凸状またはアイランド状のITO膜11を残存させることによりプレティルト角が僅かに高くなり、非選択電圧が印加され、僅かに立ち上がった状態とほぼ等しくなることが確認できた。
なお、実施例1の非表示領域210において、複数の測定地点でプレティルト角を測定したが、得られるプレティルト角の値はほとんど同じであった。これは、凹凸状またはアイランド状のITO膜11の断面形状(図4の領域40の凹凸形状)の一つ一つの凹凸が直接プレティルト角に影響しているのではなく、凹凸の影響をマクロ的に平均したプレティルト角が得られるためと考えられる。このため、目視でみるレベルでは液晶表示状態に分布はなく、表示ムラなどは観察されなかった。なお、顕微鏡などを用いて微小領域のプレティルト角を測定した場合には、凹凸形状がプレティルト角に影響している可能性はある。
実施例1では、低プレティルト配向膜材料を用いたが、高プレティルト配向膜材料を用いることも可能である。また、垂直配向膜を用いることもできる。実施例1では、液晶表示モードとして、TNについて説明したが、STNモードでもよい。
(実施例2)
実施例2として、VAモードの液晶セルを製造した。実施例2の液晶セルの構造は、図1と同様であるが、配向膜12として垂直配向膜を用いた。まず、ITO膜11(膜厚0.15ミクロン)付きの基板10を用意し、ITO膜11をYVOレーザを用いて所定の電極形状にパターニングした。電極形状は、図2と同様に、ドットマトリクス表示とキャラクター表示とが混在して表示されるパターンとした。レーザ照射条件は実施例1と同じにした。すなわち、レーザ波長1064nm、出力5W、レーザパルス周波数10kHz、レーザの移動速度500mm/secとした。パターニング後のITO膜11の断面形状は、図4と同様であり、電極の周囲のレーザが照射された領域には、凹凸または微小なアイランド状に加工されたITO膜11が残存していた。
パターニングした基板10を洗浄し、配向膜12として、垂直配向膜を印刷により形成した。ここでは、SE−1211(日産化学工業(株)製)を用いて垂直配向膜12を形成した。なお、均一なモノドメイン配向を得る手法として、公知の手法を用いることができ、例えば特開2005−234254号公報に記載の方法を用いることができる。
次に、ラビング処理を行った。ラビング処理は、布を巻いた円筒状のロールを高速に回転させ、配向膜上を擦る工程であり、これにより液晶分子を一軸に配向する事ができる。実施例2では、上下基板10間の配向状態がアンチパラレル(反平行)状態になるようラビング処理を行った。2枚の基板10間にギャップ剤を散布し、メインシールパターンを印刷した。シール剤は、熱硬化性のシール剤ES−7500(三井化学(株)製)を用いた。このシール剤には3.9μmの大きさのグラスファイバーが数%含まれている。シール剤としては、光硬化性シール剤や光・熱併用型シール剤などを用いることも可能である。
また、Auボール(ギャップ剤の回りに金をコーティングしたもの)などを含む導通材を所定の位置に印刷により配置した。本実施例ではシール剤(ES−7500)に4.5μmのAuボールを数%添加したものを導通材としてスクリーン印刷した。シール剤パターン(及び導通材パターン)は、片側の基板10上にのみ形成し、反対側の基板10にはギャップコントロール剤を乾式散布法にて散布した。本実施例ではギャップ剤として4μmのプラスチックボールを用いたが、シリカ微粒子(例えば、商品名:真絲球、触媒化学工業(株)製)を用いても良い。ギャップ剤には、液晶13の配向を乱さないための表面処理が行われているものを用いることも可能である。
上下の基板10を所定の位置で重ね合せてセル化し、プレスした状態で熱処理によりシール剤を硬化させた。次にスクライバー装置によりガラス状に傷を付け、ブレイキングにより所定の大きさ・形に分割した。このセルに真空注入法にて液晶13を注入し、注入口をエンドシール剤にて封止した。液晶13は、誘電率異方性△εが負の液晶(屈折率異方性△n:0.09)(メルク(株)製)のを用いた。
偏光板16を所定のパターン(クロスニコル、ラビングに対し45°)で貼りつけた。以上により、垂直配向液晶セル(ノーマリーブラック)を作成した。偏光板16に視覚(光学)補償板が付いているものを用いることも可能である。
(比較例2)
比較例2として、実施例2のレーザ照射の条件を変更し、ITO膜11のパターニングを行った。ここではYAGレーザを用いた。レーザ照射条件は比較例1と同じである。すなわち、レーザ波長1064nm、出力20W、レーザパルス周波数20kHz、レーザの移動速度300mm/secとした。これによりパターニングされたITO膜11の断面形状は図5と同様であり、電極の周囲からはITO膜11がほぼ完全に除去されていた。
上記ITO膜11の基板10を用いて、実施例2と同様に液晶セルを作製した。ITO膜11のパターニング条件以外は、実施例2と同一とした。
(評価)
実施例2および比較例2の液晶セルに駆動回路等を接続し、液晶表示装置を作製し、マルチプレックス駆動によるドットとキャラクター混在表示を行った。ドット表示の部分は、1/16Duty、キャラクター表示の部分は、1/4Dutyで駆動表示した。比較例2の液晶セルを用いた液晶表示装置は、ドット表示のオフ表示部分(非選択電圧印加部分)が、ITO膜11が配置されていない非表示領域に比べ光抜けがあるため、表示が浮き上がって見えた。これに対し、実施例2の液晶セルを用いた液晶表示装置は、オフ表示部分(非選択電圧印加部分)の表示状態と、非表示領域の表示状態がほぼ同じであり、違和感のないきれいな表示がVAモードの液晶表示装置において得られることが確認できた。
本実施の形態の液晶セルの断面構造を示す説明図。 本実施の形態の液晶セルの電極(ITO膜11)の形状を示す上面図。 本実施の形態の液晶セルの製造工程を示す説明図。 実施例1の液晶セルにおいてレーザ照射により加工したアイランド状のITO膜の断面構造を示すグラフ。 比較例1の液晶セルにおいてレーザ照射により加工したITO膜の断面構造を示すグラフ。 実施例1の液晶セルの電極に非選択電圧を印加し、その表示状態を正面から撮影した写真。 実施例1の液晶セルの電極に非選択電圧を印加し、その表示状態を斜め方向から撮影した写真。 比較例1の液晶セルの電極に非選択電圧を印加し、その表示状態を正面から撮影した写真。 比較例1の液晶セルの電極に非選択電圧を印加し、その表示状態を斜め方向から撮影した写真。
符号の説明
10…ガラス基板、11…ITO膜、12…配向膜、13…液晶、14…メインシール材、15…導通材、16…偏光板、201…セグメント電極、202…画素、203、204…ライン状電極、210…非表示領域、213…キャラクター表示領域、214…ドットマトリクス表示領域。

Claims (8)

  1. 対向して配置された一対の透明基板と、前記一対の透明基板の対向面側にそれぞれ配置された所定形状の透明電極と、前記基板の間に挟まれた液晶とを有し、
    前記一対の透明基板の少なくとも一方には、前記透明電極が配置されていない領域に、表面に凹凸を有する透明膜が配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記表面に凹凸を有する透明膜は、アイランド状の不連続膜であることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の液晶表示装置において、前記透明膜および前記透明電極は、いずれも透明導電膜により形成され、相互に非接触であることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記透明電極に電圧を印加して前記液晶を駆動させる回路をさらに有し、
    前記透明電極は、前記一対の透明基板にそれぞれ複数配置され、前記回路は、マルチプレックス駆動により所定の選択電圧および非選択電圧のうちの一方を選択的に前記透明電極に印加することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 所定形状の透明電極を備えた基板を含む液晶表示装置の製造方法であって、
    透明導電膜が備えられた前記基板にレーザ光を照射することにより、前記透明導電膜を前記所定形状の透明電極に加工すると同時に、前記透明電極の周辺領域の前記透明導電膜の表面を凹凸に加工することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法であって、前記透明電極は、その周辺領域の前記透明導電膜と非接触であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の液晶表示装置の製造方法であって、前記レーザ光の照射により、前記透明電極の周辺領域の透明導電膜をアイランド状の不連続膜に加工することを特徴とする液晶表示装置の製造方法
  8. 請求項5ないし7に記載の液晶表示装置の製造方法であって、前記レーザ光が、YVOレーザ光もしくはYAGレーザ光であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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