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JP5059542B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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JP5059542B2 JP2007271737A JP2007271737A JP5059542B2 JP 5059542 B2 JP5059542 B2 JP 5059542B2 JP 2007271737 A JP2007271737 A JP 2007271737A JP 2007271737 A JP2007271737 A JP 2007271737A JP 5059542 B2 JP5059542 B2 JP 5059542B2
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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナー、その製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法に関する。
近年、電子写真技術では、印字速度の高速化と省エネルギーの観点から、できるだけ低いエネルギーでの定着が可能な、低温定着性に優れたトナーの開発が重要な課題となっている。そのための技術の1つとして、結着樹脂中への結晶性樹脂の添加が検討されており(例えば、特許文献1、2参照)、融点にて急激な粘度変化をもつ結晶性樹脂を用いることで、トナーにシャープメルト性を持たせ、低温定着性の向上が達成されている。
しかしながら、結晶性樹脂を非晶質の結着樹脂に添加するとトナーの低温定着性が向上する反面、非晶質樹脂を可塑化させるため、トナーの保存安定性や耐久性を悪化させる原因となる。
そこで、近年、これを解決するための新しい技術として、トナーの製造段階の中間品、もしくは最終製品に加熱処理を施すことにより、トナー中の結晶性樹脂の結晶化度を高め、トナーを熱的に安定させる、いわゆる「アニーリング」技術が検討されている。これにより、トナーの低温定着性と保存安定性の両立が達成される(例えば、特許文献3、4参照)。
特許第2931899号公報 特開2003−167384号公報 特開2006−65015号公報 特開2006−65077号公報
しかしながら、アニーリング処理には数時間から数十時間要するため、生産性が悪く、また、大規模な設備も必要とするため、多大な設備投資も必要となる。
本発明の課題は、結晶性樹脂を用いても、低温定着性及び保存安定性に優れ、さらに耐久性にも優れた静電荷像現像用トナーを、短時間で、簡便に製造し得る方法、該方法により得られる静電荷像現像用トナー、及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 軟化点と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性樹脂を含有した結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を少なくとも含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、さらに、溶融混練工程以降の処理物にマイクロ波を照射する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法、
〔1〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られる静電荷像現像用トナー、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載の静電荷像現像用トナーを、線速が750mm/sec以上の画像形成装置に使用する、画像形成方法
に関する。
本発明の方法により、低温定着性及び保存安定性に優れ、さらに耐久性にも優れた静電荷像現像用トナーを、短時間で、簡便に製造することができる。
本発明は、結着樹脂として結晶性樹脂を含むトナー原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を少なくとも含む方法によりトナーを製造する際に、さらに、溶融混練工程以降の処理物にマイクロ波を照射する工程を行う点に大きな特徴を有する。マイクロ波を照射することにより、溶融混練工程でくずれた結晶性樹脂の結晶構造が再結晶化され、結晶性樹脂を用いても、低温定着性、保存安定性及び耐久性のいずれにも優れた静電荷像現像用トナーを、短時間で、簡便に製造することができる。また、本発明においては、マイクロ波の照射により、結晶性樹脂が再結晶化されるだけでなく、処理物が球形化される。従って、マイクロ波を照射する工程は、トナーの表面形状の制御が可能な点から、粉砕工程以降に行うことが好ましく、トナーの耐久性向上の観点から、外添工程以降の処理物にマイクロ波を照射することがより好ましい。
本発明において、結着樹脂は、少なくとも結晶性樹脂を含有し、保存性の観点から、さらに非晶質樹脂を含有することが好ましい。本発明において、「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6〜1.3、好ましくは0.8〜1.2である樹脂をいい、「非晶質樹脂」とは、結晶性指数が1.3より大きいか、0.6未満、好ましくは1.3より大きく、4.0以下である樹脂をいう。一般に、結晶性指数が1.3を超える樹脂は非晶質であり、0.6未満の樹脂は結晶性が低く、非晶質部分が多い。ここで、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、樹脂の軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
結晶性樹脂及び非晶質樹脂は、トナーの低温定着性の観点から、いずれもポリエステルが好ましい。
結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルは、いずれも原料モノマーとしてアルコール成分とカルボン酸成分とを用い、それらを縮重合させて得られる。
結晶性ポリエステルにおけるアルコール成分には炭素数2〜8の脂肪族ジオール等の樹脂の結晶性を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、特にα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていてもよい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性を高める観点から、アルコール成分中、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。さらに、2種以上の炭素数2〜8の脂肪族ジオールを用いている場合にはその中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールが好ましく、1,6-ヘキサンジオールがより好ましく、これらはアルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有されているのが望ましい。
非晶質ポリエステルにおけるアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I):
Figure 0005059542
(式中、ROはアルキレンオキシ基であり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール等の樹脂の非晶質化を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、帯電安定性の観点から、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
カルボン酸成分に含まれるカルボン酸化合物としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の炭素数2〜30、好ましくは2〜8の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、結晶性ポリエステルにおいては、結晶化度を高める観点から、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物が、非晶質ポリエステルにおいては、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、フマル酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、カルボン酸成分中、70モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、結晶性ポリエステルの高分子量化を図る際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、さらに減圧反応時、アルコール成分の留去によりポリエステルの分子量を容易に調整できるため、0.9〜1が好ましく、0.95〜1がより好ましい。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを、例えば、不活性ガス雰囲気中、要すればエステル化触媒の存在下で縮重合させて得られる。反応温度は、結晶性ポリエステルの製造においては、120〜230℃が好ましく、非晶質ポリエステルの製造においては、180〜250℃が好ましい。
結晶性ポリエステルの製造においては、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
また、さらに高分子量化した結晶性ポリエステルを得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択したりすればよい。なお、高い攪拌所要動力下では、高分子量化した高粘度の結晶性ポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
結晶性ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましく、105〜130℃がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの融点は、トナーの定着性の観点から、60〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性と耐久性の観点から、80〜150℃が好ましく、85〜145℃がより好ましく、90〜145℃がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルのガラス転移点は、溶融混練物の粉砕性及びトナーの保存性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
また、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの環境安定性の観点から、0.1〜30mgKOHが好ましく、0.5〜10mgKOHがより好ましく、水酸基価は、トナーの環境安定性の観点から、1〜50mgKOH/gが好ましく、10〜30mgKOH/gがより好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルは、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、少なくとも1種の共通の化合物を原料モノマーとして得られるものであることが好ましい。かかる共通の化合物は、カルボン酸成分であることが好ましく、結晶性ポリエステルの結晶化度を高める観点から、フマル酸及びフタル酸がより好ましく、フマル酸がさらに好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
また、結晶性ポリエステルの製造において、溶融混練物の粉砕性及びトナーの生産性向上の観点から、ワックスの存在下で原料モノマーを重合させてもよい。ワックスは、炭化水素系ワックス、エステル系ワックス、アミド系ワックス等のいずれでもよいが、結晶性ポリエステルとの相溶性及び離型性の観点から、炭化水素系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックスは、一般に-(CH2-CH(R))n-(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示す)で表される主骨格を有し、具体的には、フィッシャートロプシュワックス等のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが挙げられ、これらの中では、結晶性ポリエステルの粉砕性向上の観点から、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスが好ましく、ポリプロピレンワックスがより好ましい。ワックスの融点は、70〜170℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。ワックスの配合量は、結晶性ポリエステルの原料モノマー総量100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。
結晶性樹脂の含有量は、トナーの低温定着性と耐久性の観点から、結着樹脂中、2〜35重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
また、結着樹脂が非晶質樹脂を含有する場合、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、結晶性樹脂と非晶質樹脂の重量比(結晶性樹脂/非晶質樹脂)は、3/97〜35/65が好ましく、5/95〜30/70がより好ましい。
なお、結晶性樹脂及び非晶質樹脂は、いずれも複数の樹脂からなるものであってもよい。
結着樹脂には、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等のポリエステル以外の樹脂が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、画像濃度の維持と低温定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
トナー母粒子には、さらに、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を経て得られ、さらに、溶融混練以降の処理物にマイクロ波を照射する工程を行う。なお、溶融混練工程以降の処理物は、溶融混練工程以降に得られる製造中間品を意味し、溶融混錬により得られる溶融混練物、粉砕工程により得られる粉砕物、分級工程により得られる分級物(トナー母粒子)、外添工程後の外添トナー及び各工程中の処理物等が含まれる。
マイクロ波とは、波長が3〜30cm(周波数1000MHz〜10000MHz)程度の電磁波の総称である。本発明で用いるマイクロ波としては、現在工業用加熱(高周波誘導加熱)に利用し得る周波数915MHz又は2450MHzの電磁波が挙げられるが、2450MHzは家庭用電子レンジとして最も普及している周波数で、発振端子が安価に手に入るため、本発明においては、2450MHZの周波数が好ましい。
マイクロ波の出力は、生産効率と安全性の観点から、100〜1200Wが好ましく、300〜1000Wがより好ましい。
マイクロ波の照射時間は、生産効率と安全性の観点から、1〜60分が好ましく、3〜30分がより好ましい。
マイクロ波を照射する処理物の温度は、処理物が溶融しないように且つ効率的に結晶化させる観点から、好ましくは(Tg〜Tg+50)℃、より好ましくは(Tg〜Tg+40)℃、さらに好ましくは(Tg〜Tg+30)℃に調整することが望ましい。ここで、Tgとは、マイクロ波を照射する処理物、即ちマイクロ波照射前の処理物のガラス転移点である。
以降、マイクロ波照射理工程以外の各工程について説明する。
トナー母粒子の原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機又はオープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、2軸押出機を用いることが好ましい。溶融混練の温度は、各原料が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されない。なお、溶融混練工程に供する結着樹脂及び着色剤、さらに適宜用いられる離型剤、荷電制御剤等の原料は、ヘンシェルミキサー等を用いて混合した後、溶融混練工程に供することが好ましい。
溶融混練工程により得られた溶融混練物を、圧延し、冷却する。圧延、冷却の方法は特に限定されない。圧延手段としては、圧延ロールや圧延ドラム等が、冷却手段としては、空冷方式、水冷方式、スチール製の冷却ベルト方式等が、それぞれ挙げられる。圧延ロールや圧延ドラムの間隔を調整することにより、圧延後の厚みを調整することができる。
圧延後、冷却に供される溶融混練物の厚みは、ワックスの分散性向上と生産性の観点から、3mm以上が好ましく、4〜6mmがより好ましい。
粉砕工程は、耐久性の向上の観点から、得られた溶融混練物を粉砕可能な程度まで冷却し、好ましくは体積中位粒径が20μm以下、より好ましくは10μm以下に粉砕する工程である。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を、体積中位粒径(D50)が1〜5mm程度となるように粗粉砕した後、さらに所望の粒径、例えば体積中位粒径(D50)が4〜12μmとなるように微粉砕してもよい。また、粉砕、分級工程時の生産性を向上させるために、溶融混練物を疎水性シリカ等の無機微粒子と混合した後、粉砕してもよい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が挙げられる。
なお、粉砕工程を多段階に分けて行う場合、粗粉砕工程等の途中の粉砕工程で得られた粉砕物、例えば、粉砕工程が粗粉砕工程と微粉砕工程とからなる場合には粗粉砕物も、マイクロ波を照射する処理物に含まれる。
分級工程に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程と繰り返してもよい。
溶融混練工程の後、粉砕工程及び分級工程を経て得られたトナー母粒子を外添剤と混合する外添工程を行い、外添剤をトナー表面に外添する。トナー母粒子の体積中位粒径(D50)は、4〜12μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子等が挙げられ、これらの中では、トナーへの外添剤の埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが好ましい。
シリカは、トナーの環境安定性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、メチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらの中では、環境安定性の観点から、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。疎水化処理剤の処理量は、無機微粒子の表面積当たり1〜7mg/m2が好ましい。
外添剤としては、平均粒径が好ましくは12〜120nm、より好ましくは35〜80nm、さらに好ましくは40〜60nmのシリカ(シリカA)を用いることが好ましく、トナーの流動性付与の観点から、シリカAとともに、シリカAよりも平均粒径が小さいシリカ(シリカB)を用いることがより好ましい。
シリカAの外添量は、トナーへのシリカの埋没防止と遊離シリカ防止の観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、0.3〜5.0重量部がより好ましく、0.5〜2.0重量部がさらに好ましい。
シリカBの平均粒径は、トナーの流動性付与の観点から、10〜30nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。
また、シリカAとシリカBの平均粒径の比(シリカA/シリカB)は、適度な流動性付与の観点から、1.2〜10が好ましく、1.5〜5がより好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
シリカBの外添量は、トナーへの適度な帯電性と流動性付与の観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.1〜4.0重量部がより好ましく、0.2〜2.0重量部がさらに好ましい。
外添工程は、外添剤とトナー母粒子とをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等を用いる乾式混合法が好ましい。複数種の外添剤を用いる場合は、あらかじめ混合して高速攪拌機やV型ブレンダーに添加してもよく、また別々に添加してもよい。
外添工程後は、トナーを篩にかけて粗粉(凝集物)を除去する篩工程を行うことが好ましい。外添工程後に前記マイクロ波照射工程と篩工程を行う場合、マイクロ波照射工程は外添工程と篩工程の間に行うことが好ましい。
本発明では、マイクロ波照射工程により球形度の高いトナーが得られる。本発明により得られるトナーの平均円形度は、トナーの耐久性向上の観点から、0.930〜0.980が好ましく、0.940〜0.980がより好ましく、0.950〜0.970がさらに好ましい。トナーの平均円形度は、次式:
Figure 0005059542
により算出される円形度の平均値であり、「粒子の投影像と同じ面積を有する円の周囲長」及び「粒子投影像の周囲長」は、例えばフロー式粒子像分析装置(FPIA-1000、FPIA-2000又はFPIA-3000;シスメックス社製)を用いてトナーを水分散系で測定を行って得られる。上記の分析装置による値は、数千個、少なくとも3000個の平均値として得られる値であるため、本発明における平均円形度の信頼性は極めて高い。なお、本明細書中において、平均円形度の測定装置は上記装置に限定されるものではなく、同様の原理により、平均円形度を上式に基づいて求めることができる装置であればいかなる装置によって測定されてもよい。
トナーの軟化点は、耐久性と低温定着性観点から、80〜140℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。また、トナーのガラス転移点は、保存安定性と低温定着性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
トナーの誘電率(ε)は、現像機中で絶縁破壊を避ける観点から、2.0〜6.0が好ましく、3.0〜5.0がより好ましい。トナーの誘電率は、カーボンブラックの添加や、導電剤の添加により調整することができる。
また、トナーの誘電正接(tanδ)は、現像機中で絶縁破壊を避ける観点から、0.0020〜0.0200が好ましく、0.0050〜0.0150がより好ましい。トナーの誘電正接は、カーボンブラックの添加や、導電剤の添加により調整することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像用トナーとして使用することもできるが、本発明のトナーは、耐久性に優れ、キャリアへのトナースペントの抑制に対して本発明の効果がより顕著に発揮されるため、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することが好ましい。
本発明において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが用いられるのが好ましい。キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、帯電性の観点から、鉄粉、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトが好ましく、画質の観点から、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトがより好ましい。
キャリアの表面は、スペント防止の観点から、樹脂で被覆されているのが好ましい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、トナーが負帯電性である場合には、帯電性及び表面エネルギーの観点から、シリコーン樹脂が好ましい。樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
トナーとキャリアとを混合して得られる二成分現像剤において、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、1/99〜10/90が好ましく、2/98〜8/92がより好ましい。
また、本発明のトナーは、低温定着性に非常に優れかつ耐久性にも優れる事から、線速が750mm/sec以上、好ましくは850〜2000mm/secの高速の現像装置を用いた画像形成方法にも好適に用いることができる。
〔樹脂、処理物及びトナーの軟化点(Tm)〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及びガラス転移点(Tg)〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSC Q20)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度を求める。また、非晶質樹脂特有のガラス転移点は、前記測定で、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔処理物及びトナーのガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ20)を用いて-20℃まで冷却し、その温度から昇温速度10℃/分で160℃まで昇温した時における吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。ただし、結晶性ポリエステルについては、クロロホルムを測定溶媒として使用した。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ20)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔粉砕物及びトナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナーの誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ)〕
トナー5gに、1.2トンの圧力を10秒間かけ、直径60.0mm、厚さ1.8mmの表面が平滑なペレットを調整する。得られたペレットを、プレジョンLCRメータ「HP4284A」及び誘電体測定用電極「HP16451B」(ともに横河ヒューレットパッカード社製)を用い、温度25℃、湿度50%の環境下、1kHzで測定した時の誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)を採用する。
〔トナーの平均円形度〕
測定機:FPIA-3000(シスメックス社製)
標準ユニット(対物レンズ10倍)
測定モード HPFモード
バージョン 00-10
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB13.6)5重量%電解液
分散条件:分散液10mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、蒸留水10mlを添加し、さらに、超音波分散機にて2分間分散させる。
測定条件:分散液に分散したトナーを、粒子濃度1800〜2200個になる濃度で20℃で測定する。
〔外添剤の平均粒径〕
外添剤の平均粒径とは個数平均粒径を指し、走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
〔キャリアの飽和磁化〕
(1) 外径7mm(内径6mm)、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV-50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
結晶性ポリエステルの製造例1(樹脂A)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂A)を得た。
結晶性ポリエステルの製造例2(樹脂B)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分、ワックス、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂B)を得た。
非晶質ポリエステルの製造例1(樹脂C)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、樹脂Cを得た。なお、本発明において反応率とは、反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
非晶質ポリエステルの製造例2(樹脂D)
表1に示すアルコール成分、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させた。その後、210℃に冷却し、表1に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Dを得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
Figure 0005059542
実施例1、2、5〜8及び比較例3、4
表2に示す結着樹脂100重量部、カーボンブラック「NIPEX-60」(デグサ社製)6重量部、負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学工業社製)2重量部及び離型剤「カルナウハ゛ワックス C-1」(加藤洋行社製)2重量部をヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。得られた混合物を二軸押出機により溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて体積中位粒径(D50)が1mm程度となるように粗粉砕した。得られた粗粉砕物をエアージェット方式の粉砕機により微粉砕後、分級し、体積中位粒径(D50)が8.5μmの負帯電性のトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部と、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、平均粒径 16nm、疎水化処理剤 DMDS)0.9重量部と疎水性シリカ「NAX50」(日本アエロジル社製、平均粒径 40nm、疎水化処理剤 HMDS)1.0重量部とをヘンシェルミキサーで3分間混合して、外添処理をしたトナー(外添トナー)を得た。
得られた外添トナーの温度を光ファイバー温度計にて温度を測定し、キャビティ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、周波数:2.45GHz、最高出力:1.5kW)を用いて、表2に示す条件下でマイクロ波を照射した。
実施例3、4
マイクロ波の照射を、外添後ではなく、粗粉砕後に行った以外は、実施例1、2と同様にして、トナーを得た。
実施例9、10
マイクロ波の照射を、外添後ではなく、溶融混練後に行った以外は、実施例1、2と同様にして、トナーを得た。
比較例1、2
マイクロ波の照射を行わなかった以外は、実施例1、2と同様にして、トナーを得た。
比較例5、6
マイクロ波の照射を行わなかった以外は、比較例3、4と同様にして、トナーを得た。
Figure 0005059542
試験例1〔低温定着性〕
トナー6重量部と、フェライトキャリア(体積平均粒径:60μm、飽和磁化:68Am2/kg)94重量部とを混合し、二成分現像剤を得た。得られた二成分現像剤を、複写機「AR-505」(シャープ社製)に実装し、トナー付着量が0.6mg/cm2になるように調整した後、定着前の段階で画像を取り出し、未定着画像を得た。さらに、非接触定着方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセ・プリンティングシステムズ社製)用の定着機を改造した外部定着機を使用し、紙上の温度を90℃から150℃へと10℃ずつ順次上昇させて定着画像を得た。各温度で定着させた画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、500gの荷重がかかるようにローラーでテープに圧力をかけた後、テープを剥離し、剥離前後の画像濃度を測定した。定着率(テープ剥離後の画像濃度/テープ貼付前の画像濃度×100)が最初に90%を越える紙上の温度を最低定着温度とした。定着試験に用いた紙はシャープ社製の厚紙「CopyBond SF-70NA」(75g/m2)である。結果を表3に示す。
試験例2〔保存安定性〕
トナー5gを50ml容のポリビンに入れ、温度50℃、相対湿度60%の環境で48時間放置した。その後、そのトナーを目開き100μmのメッシュで篩い、メッシュ上の残存トナーを計量し、以下の評価基準に従って、保存安定性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
○:残存トナーが0.5g未満
△:残存トナーが0.5g以上、1g未満
×:残存トナーが1g以上
試験例3〔トナースペント(耐久性)〕
トナー6重量部と、フェライトキャリア(体積平均粒径:60μm、飽和磁化:68Am2/kg)94重量部とを混合し、二成分現像剤を得た。得られた二成分現像剤を、二成分現像方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセプリンティングシステム社製)に実装し、印字率9%、線速1000mm/secで30時間耐刷した後、以下の方法に従ってスペント量を測定した。結果を表3に示す。
(1) 二成分現像剤を掃除機により目開き20μmのメッシュに通し、残ったキャリアのカーボン量を炭素分析装置(カーボンアナライザー:HORIBA社製)で測定する。
(2) (1)でカーボン量を測定したキャリアをクロロホルムにて洗浄し、キャリアに付着しているトナーを除去する。洗浄後、キャリアのカーボン量を測定する。
(3) (1)で測定したカーボン量から、(2)で測定したカーボン量を引いた値をトナーのスペント量とする。表中は、キャリアの重量に対する重量%で示す。
Figure 0005059542
以上の結果より、実施例1〜10で得られたトナーは、比較例1〜6で得られたトナーと対比して、低温定着性及び保存安定性に優れ、また、トナースペントが少なく耐久性も良好であることが分かる。なかでも、結晶性ポリエステルを使用した実施例1、2と比較例1、2、非晶質ポリエステルのみを使用した比較例3、4と比較例5、6とをそれぞれ対比することにより、マイクロ波照射による保存安定性の向上及びトナースペントの抑制に対する効果が、非晶質樹脂にはみられない結晶性樹脂に特有の顕著な効果であることが分かる。
本発明により得られる静電荷像現像用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (3)

  1. 軟化点と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性樹脂を含有した結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を少なくとも含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、さらに、溶融混練工程以降の処理物にマイクロ波を照射する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである請求項1記載の製造方法。
  3. 粉砕工程以降の処理物にマイクロ波を照射する請求項1又は2記載の製造方法。
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