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JP5056240B2 - ワーク搬送ガイド機構、及びワークガイド方法 - Google Patents

ワーク搬送ガイド機構、及びワークガイド方法 Download PDF

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JP5056240B2 JP2007198705A JP2007198705A JP5056240B2 JP 5056240 B2 JP5056240 B2 JP 5056240B2 JP 2007198705 A JP2007198705 A JP 2007198705A JP 2007198705 A JP2007198705 A JP 2007198705A JP 5056240 B2 JP5056240 B2 JP 5056240B2
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Description

本発明は、プレス機などに用いられるワーク搬送装置に用いるガイド装置及びその構造に関し、ワーク搬送時にワークの蛇行を防ぐ技術である。
フープ材(金属製の薄板)からプレス機などによって製品を打ち抜き加工する場合、順送り型の材料搬送方法を行うことが多い。このフープ材からプレスによって部品が打ち抜かれ、1回のパンチ工程毎にワークを所定量だけ順次送り出す。
ところで、フープ材は送られる際にワークの幅方向にガイドされて送られている。これは、ワークであるフープ材の蛇行を防ぐためである。
ワークが蛇行してしまうと、プレスの型からワークが外れてしまい、不良品を造ってしまう虞がある。特に生産性を高めるために、取りシロを切りつめると、フープ材の蛇行は良品率に大きく影響するようになる。
特許文献1では、ワークの搬送方向に対して直角方向に進退する一対のワークガイドを備え、ワークガイド用シリンダを用いてワークを幅方向から挟み込むようにガイドしている。そして、ガイドは連動機構によって互いに逆方向に連動させている。
ワークガイドの先端はV型の溝にワークを挟み込む形状となっているので、ワークのセンター出しを容易にし、ワークがワークガイドから外れる虞がないので、蛇行を防ぐことが可能となる。
特開平8−118093号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術には、以下のような課題があると考えられる。
特許文献1に開示される技術では、ワークであるフープ材の幅が残っていないとワークガイドでガイドすることができない。
生産効率を向上させるためには、いかに材料取りを良くするかという点が重視される。したがって、フープ材から大きな製品をプレスしノックアウトする場合に、フープ材の幅の半分を切り落としてしまうような加工をするケースもある。
しかしこのように、フープ材の幅を減らしてしまうような加工方法を採用すると、特許文献1のようなワークガイドでは幅の減少したフープ材をガイドすることが困難である。
ワークガイドはプレス用の金型との干渉を避けて配置する必要があるため、金型の降下する位置にワークガイドを設置することはできず、特許文献1のようにフープ材の左右をプレス装置のほぼ全域に渡ってガイドする方式であると、少なくともフープ材の端は残す必要があるし、ガイド可能なようにノックアウトした後の切れ端についても幅方向の剛性がある程度は残るようにする必要があると考えられる。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、ワーク搬送時にワークの幅が減少する場合であってもガイド可能なワーク搬送ガイド機構及びワークガイド方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明によるワーク搬送ガイド機構は以下のような特徴を有する。
(1)パンチが固設された可動側フレームと、ダイが固設された固定側フレームとを有し、前記可動側フレームが前記固定側フレームに接近して、前記パンチと前記ダイにより、板状のワークから製品を打ち抜くプレス打抜き加工を連続して行うプレス装置に設けられ、前記板状のワークを搬送する際に前記ワークの幅方向をガイドするワーク搬送ガイド機構において、
前記ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、前記ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、前記ワークガイドを前記ワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、を備え、前記スライドカムの前記第1傾斜カム面が押圧されることで、前記ワークガイドは前記ワークから離間すること、前記可動側フレームに固設され、前記第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面が形成された駆動カムを備えること、前記可動側フレームが下降して、前記プレス打抜き加工が行われているときには、前記第2傾斜カム面が前記第1傾斜カム面を押圧することにより、前記ワークガイドが前記ワークから離間して、前記パンチと干渉しない位置まで後退することにより、打ち抜かれた製品が斜めに落下し、前記製品の一端がスライドガイド上を滑って、下側コンベア上に落下されること、前記プレス打抜き加工が終了して前記可動側フレームが上昇すると、前記ワークガイドは、前記弾性部材により前進され、前記ワークの側面に当接して、前記側面をガイドすることを特徴とする。
(1)に記載のワーク搬送ガイド機構において、
前記ワークの幅方向両側に配設された前記駆動カムが、共通の部材に設けられ、同時に進退せしめられることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明によるワークガイド方法は以下のような特徴を有する。
パンチが固設された可動側フレームと、ダイが固設された固定側フレームとを有し、前記可動側フレームが前記固定側フレームに接近して、前記パンチと前記ダイにより、板状のワークから製品を打ち抜くプレス打抜き加工を行うプレス装置に設けられ、前記板状のワークを搬送する際に前記ワークの幅方向をガイドするワークガイド方法において、
前記ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、前記ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、前記ワークガイドを前記ワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、先端から徐々に断面が拡大し、前記第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面を有する駆動カムと、を備え、前記スライドカムの前記第1傾斜カム面が押圧されることで、前記ワークガイドは前記ワークから離間すること、前記可動側フレームに固設され、先端から徐々に断面が拡大する駆動カムを備えること、前記駆動カムの一部に前記スライドカムの前記第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面が形成されていること、前記可動側フレームが下降して、前記プレス打抜き加工が行われているときには、前記第2傾斜カム面が前記第1傾斜カム面を押圧することにより、前記ワークガイドが前記ワークから離間して、前記パンチと干渉しない位置まで後退することにより、打ち抜かれた製品が斜めに落下し、前記製品の一端がスライドガイド上を滑って、下側コンベア上に落下されること、前記プレス打抜き加工が終了して前記可動側フレームが上昇すると、前記ワークガイドは、前記弾性部材により前進され、前記ワークの側面に当接して、前記側面をガイドすることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によるワーク搬送ガイド機構により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、板状のワークを搬送する際にワークの幅方向をガイドするワーク搬送ガイド機構において、ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、ワークガイドをワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、を備え、スライドカムの第1傾斜カム面が押圧されることで、ワークガイドはワークから離間する。
したがって、ワークに向けて弾性部材(バネ等)でワークガイドを付勢するので、ワークに対してワークガイドの位置を精密に制御する必要がなくなる。また、第1傾斜カム面を押圧することでワークガイドをワークから離間する方向に駆動できる。また、第1傾斜カム面を押圧することでワークガイドをワークから離間させるため、駆動力は別途必要としない。
このように、退避可能なワークガイドを用いることで、例えばプレス加工によって、ワークとなるフープ材の幅が減少する場合にも、プレス用金型とワークガイドが干渉する領域でワークのガイドをすることが可能となり、プレス加工時には第1傾斜カム面を押圧することでワークガイドをワークから離間させ、駆動力を別途用意することなくワークガイドとプレス金型と干渉しないように退避させる可能である。
また、(2)に記載される発明は、(1)に記載のワーク搬送ガイド機構において、先端から徐々に断面が拡大する駆動カムを備え、駆動カムの一部にスライドカムの第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面が形成され、スライドカムには、断面が徐々に縮小する係合部が設けられ、係合部の一部に第1傾斜カム面が形成され、駆動カムの先端が、スライドカムの係合部に挿入され、係合する位置まで、ワークガイドはワークから離間する方向に移動するので、ワークガイドの停止位置を駆動カムの先端とスライドカムの係合部との係合によって決められる。
ワークガイドは、弾性部材によってワークに近接する方向に付勢されており、ワークから離間する方向には第2傾斜カム面によって決められるので、第1傾斜カム面は第2傾斜カム面に常時押し付けられることになる。
したがって、次のワークをガイドする際に動く距離やその時の弾性部材の付勢力を、特別なストッパを設けたり精密な制御をおこなったりすることなく適切に設定可能である。
また、(3)に記載される発明は、(1)又は(2)に記載のワーク搬送ガイド機構において、ワークの幅方向両側に配設された駆動カムが、共通の部材に設けられ、同時に進退せしめられるので、精密な機構を用いずに両側のガイドを同期駆動することが可能である。
例えば、プレス装置の可動側フレームに駆動カムを配置し、固定側フレームにスライドカムを配置すれば、可動側フレームの移動に同期して駆動カムがスライドガイドを駆動することが可能になるので、ワークの幅方向両側をワークガイドによってガイドすることが可能となる。
また、このような特徴を有する本発明によるワークガイド方法により、以下のような作用、効果が得られる。
(4)に記載される発明は、板状のワークを搬送する際にワークの幅方向をガイドするワークガイド方法において、ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、ワークガイドをワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、先端から徐々に断面が拡大し、第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面を有する駆動カムと、を備え、ワークガイド前進時には、ワークに近接する方向に付勢する弾性部材により、ワークの幅方向をガイドするワークガイドに付勢することで、ワークをワークガイドによりガイドし、ワークガイド後退時には、駆動カムの第2傾斜カム面が、スライドカムの第1傾斜カム面を押圧し、スライドカムを弾性部材による付勢力に抗して移動させることで、ワークガイドをワークから離間させるので、(2)に記載のワーク搬送ガイド機構と同様に、ワーク搬送時にワークの幅が変化する場合であってもガイド可能なワークガイド方法を提供することが可能である。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態のプレス装置10の概略平面を示す。また、図2にプレス装置10の断面図を示す。
プレス装置10は、フープ材20から製品25をプレスによって打ち抜く装置である。プレス装置10には、可動側フレーム11と固定側フレーム12とからなり、可動側フレーム11にはパンチ13と押圧ガイド14が備えられている。一方、固定側フレーム12にはダイ15及び支持ガイド16が備えられている。
可動側フレーム11は、固定側フレーム12に対して上下方向に動作可能に支持されており図示しない加圧駆動機構によって動作する。
可動側フレーム11に設けられたパンチ13は、製品25を打ち抜く。可動側フレーム11のパンチ13に対応するように、固定側フレーム12にはダイ15が設けられている。
また、固定側フレーム12にはスライダ17が備えられ、ダイ15によって打ち抜かれた製品25を、ローラコンベア18側に落とす。ローラコンベア18は、パンチ13及びダイ15によって打ち抜かれた製品25をプレス装置10の外に搬送する。
また、固定側フレーム12にはフープ材20の幅をガイドするワークガイド30とローラーガイド38が備えられている。ローラーガイド38は固定側フレーム12に固定されて、複数個設けられている。
図1では、ローラーガイド38が固定側フレーム12上に7個設けられているように描かれている。ローラーガイド38は、フープ材20の側面をガイドし、図示しないがフープ材20が浮き上がらないようにローラーガイド38の上部に膨らみが設けられている。
一方、ワークガイド30は、可動式のガイドである。
図3に、ワークガイド30の拡大断面図を示す。スライドカム31は後退端の位置にある。また、図4に、ワークガイド30のスライドカム31が前進端に進んだ状態の拡大断面図を示す。
ワークガイド30は、スライドカム31と、固定側フレーム12に固定されるスライドベース36と、スライドカム31に取り付けられるガイドプレート33と、ガイドプレート33を保持するアッパーガイド35と、スライドベース36に固定されるストッパプレート37と、可動側フレーム11に取り付けられる駆動カム32よりなる。
スライドカム31には、FC250等の鋳鉄材が用いられている。そして、固体潤滑剤が埋め込まれた第1傾斜カム面に対応する傾斜カム面31aが設けられている。一方、駆動カム32には、傾斜カム面31aと当接する第2傾斜カム面に対応する押圧傾斜面32aが設けられている。駆動カム32は、スライドカム31同様にFC250等の鋳鉄材に固体潤滑剤が埋め込まれており、傾斜カム面31aと押圧傾斜面32aは滑らかに摺動するものとする。
そして、スライドベース36に取り付けられたスライドカム31とストッパプレート37が形成する係合部に、駆動カム32が挿入されることで、スライドカム31は後退し、駆動カム32が係合部に挿入されて係合することで、スライドカム31は後退端まで移動する。
スライドベース36の内部にはスプリング34が備えられている。スプリング34の一端はスライドベース36に当接し、他端はスライドカム31に備えられた突起に当接している。このスプリング34を備えることで、スライドカム31は常にワーク方向に付勢されている。
スライドベース36上を摺動するスライドカム31の上面にはガイドプレート33が取り付けられている。ガイドプレート33は、固定側フレーム12に設けられる摺動ガイド19とスライドカム31に支えられ、図3の左右方向に摺動する。
ガイドプレート33の先端にはL字型のガイド面33aが設けられている。そして、ガイドプレート33が前進端にあるときは、ガイド面33aでフープ材20の片側を受けることが可能であり、ガイドプレート33が後退端にあるときは、フープ材20を受けない状態となる。
ガイドプレート33の下部は、固定側フレーム12から延長されたガイドによって受けられているので、フープ材20の重量を支えることができる。
第1実施形態は上記構成を備えるので、以下に説明する作用が得られる。
まず、プレス装置10にフープ材20が供給される。
フープ材20はローラーガイド38によってガイドされて、ワーク進行方向に送られる。そして、所定位置までフープ材20が送られ、固定側フレーム12に対して可動側フレーム11を降下させることで、フープ材20を押圧ガイド14でずれないように保持しながらパンチ13とダイ15によって製品25を打ち抜く。製品25は第1ノックアウト部25aと第2ノックアウト部25bとで、パンチ13とダイ15によってそれぞれ打ち抜かれる。したがって、一度の可動側フレーム11の降下によって、2つの製品25が打ち抜かれることになる。
図5(a)に、フープ材20から製品25が切り取られる際の様子を模式的に示す。また、図5(b)に、フープ材20が送られる様子を模式的に示す。図5(a)の状態と図5(b)の状態を繰り返すことで、製品25が打ち抜かれ、フープ材20から製品25を無駄なく打ち抜くことが可能となる。
フープ材20の板幅A1は製品25が交互に2枚取れるような幅となっている。第2ノックアウト部25bの位置で、製品25の形状にパンチ13及びダイ15によって打ち抜かれる。この際、第1ノックアウト部25aの位置でも、フープ材20の一辺を剪断することで製品25を形成することができる。
第2ノックアウト部25bで打ち抜かれた製品25は、図1に示すように、ローラコンベア18によってプレス装置10の外に運ばれる。一方、第1ノックアウト部25aで打ち抜かれた製品25は、プレス装置10の外に設けられた図示しないコンベアによって搬送されることになる。
しかし、このように第1ノックアウト部25a及び第2ノックアウト部25bで製品25を打ち抜くため、フープ材20の長さに対してローラーガイド38の保持では不十分となってしまう。
すなわち、製品25の形状故に、ローラーガイド38のうち、フープ材20の先端を保持している先端ローラーガイド38aは、図1に示す製品最大幅A2と製品最小幅A3のうち、製品最大幅A2に合わせて設定されているため、図5(a)の状態から図5(b)の状態に移行する際に、しばしば蛇行することになる。
第2ノックアウト部25bでフープ材20から製品25が打ち抜かれることにより、フープ材20の先端は製品最大幅A2となり、先端ローラーガイド38aまで固定のガイドがない。したがって、フープ材20の進行方向に対して左右に蛇行する虞がある。
これを防ぐため、ワークガイド30のガイドプレート33が、搬送中のフープ材20のガイドを行う。可動側フレーム11に取り付けられた駆動カム32に形成される押圧傾斜面32aは、スライドカム31に形成された傾斜カム面31aを押圧する。そして、可動側フレーム11が上端にあるときは、スライドカム31は前進端に移動し、可動側フレーム11が降下するとスライドカム31は、駆動カム32に押圧されて図3のように後退端まで移動する。
この際に、スライドカム31はガイドプレート33に固定されて連動するので、可動側フレーム11のパンチ13にガイド面33aが干渉しない位置まで後退することができる。
ワークガイド30にはスプリング34が内蔵されており、可動側フレーム11が上昇することで、駆動カム32にスライドカム31が追従して内側に移動し、ガイドプレート33がフープ材20をガイド可能な位置まで移動する。
第1実施形態は上記構成を備え上記作用を得るので、以下に説明する効果を奏する。
まず、第1の効果としてワークガイドの位置を精密に制御する必要がなくなるというメリットが挙げられる。
フープ材20を搬送する際にフープ材20の幅方向をガイドするワーク搬送ガイド機構において、フープ材20の幅方向をガイドするワークガイド30と、ワークガイド30に接続される傾斜カム面31aを有するスライドカム31と、ワークガイド30をワークガイド30に近接する方向に付勢するスプリング34と、を備え、傾斜カム面31aを押圧することにより、ワークガイド30をワークガイド30から離間する方向に駆動する。
したがって、フープ材20に向けてスプリング34でワークガイド30を付勢するので、フープ材20に対してワークガイド30の位置を精密に制御する必要がなくなる。
例えば、特許文献1に示されるように、油圧式のシリンダなどでワークガイド30を駆動させる場合、ガイドプレート33の位置を決めるための装置を別途必要とすることになる。シリンダなどで必要以上にフープ材20に圧力をかけてしまうと、フープ材20を曲げてしまう虞があり、それを避けるためにガイド面33aの位置がフープ材20より離れていると、ガイドとして機能しない虞があるため、精密に制御する必要がある。
しかし、第1実施形態のガイドプレート33は可動側フレーム11の上下動に連動してスライドカム31と共にガイドプレート33がスライドし、スライドカム31をフープ材20側にスプリング34によって押圧しているため、常に傾斜カム面31aと押圧傾斜面32aは当接状態となり、スライドカム31と駆動カム32の製品精度及び組み付け精度によるので、ワークガイド30の備えるガイド面33aの位置は、精密に制御される必要がない。
また、可動側フレーム11の降下に伴い、傾斜カム面31aを押圧することでワークガイド30をフープ材20から離間する方向に駆動できる。このように、退避可能なワークガイド30を用いることで、プレス加工によって、フープ材20の幅が変化するような場合にも、フープ材20のガイドをすることが可能となり、プレス加工時には傾斜カム面31aを押圧することでワークガイド30を離間させ、パンチ13と干渉しない領域まで後退させることが可能である。
また、シリンダなどの駆動機構を設ける場合には、シーケンサなどでプレス装置10と同期を取って駆動する必要がある他、異常を検出するためにガイド面33aの位置を検出するセンサなどが必要となる。これは、万が一、シリンダ等の駆動装置に異常が発生してガイドプレート33の位置を検出できなかった場合、ガイドプレート33とパンチ13及びダイ15の一部が干渉してしまう虞があるためである。パンチ13及びダイ15が破損すると、設備の停止を避けられず、生産はストップしてしまう。
しかし、第1実施形態の場合は可動側フレーム11と連動して駆動カム32が降下することで、ガイドプレート33はパンチ13及びダイ15の範囲外まで退避するので、パンチ13及びダイ15とガイドプレート33が干渉することは無い。これは、傾斜カム面31a及び押圧傾斜面32aの働きにより実現される。つまり、押圧傾斜面32aが降下することで、傾斜カム面31aは押圧されスライドカム31がプレス装置10の外側にスライドする動きに変換する。こうすることで、スライドカム31に取り付けられたガイドプレート33は確実に退避することが可能である。
また、第2の効果として特別なストッパを設けたり精密な制御をおこなったりすることなくガイド面33aの位置を適切に設定可能である点が挙げられる。
スライドカム31には、断面が徐々に縮小する係合部が設けられ、その一部に傾斜カム面31aが形成され、先端から徐々に断面が拡大する駆動カム32の一部に、スライドカム31の傾斜カム面31aを押圧する押圧傾斜面32aを備え、駆動カム32の先端が、スライドカム31の係合部に挿入され係合する位置まで、ワークガイド30をフープ材20から離れる方向に駆動するので、ワークガイド30の停止位置を駆動カム32の先端とスライドカム31の係合部との係合によって決められる。
すなわち、傾斜カム面31aと押圧傾斜面32aの関係によって、ガイドプレート33の位置が決められる。
したがって、フープ材20をガイドする際に動く距離やその時のスプリング34の付勢力を、特別なストッパを設けたり精密な制御をおこなったりすることなく適切に設定可能である。
(第2実施形態)
図6に第2実施形態の、プレス装置10について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態のプレス装置10とその構成においてほぼ同じである。ただし、ワークガイド30が両側につくことで、フープ材20を両側からガイド可能になる点で異なる。
フープ材20から製品25を打ち抜く際に、製品25のレイアウトによっては左右から抜き出す必要がある場合があり、これをサポートするためには図6に示すような構成にすることでフープ材20の幅が減少した部分を保持することが可能になる。
第2実施形態のプレス装置10は上記構成を備えるので、以下に説明する作用効果を奏する。
フープ材20の幅方向両側に配設された駆動カム32が、共通の部材である可動側フレーム11に設けられて同時に進退せしめられるので、精密な機構を用いずに両側のガイドプレート33を同期駆動することが可能である。
第1特許文献のようにシリンダを用いた構造では、シリンダを同期させる必要がある。しかし、エア若しくは油圧で駆動するために、同じ圧力でエア若しくはオイルを供給する必要があり、その為に精密な機構を備える必要がある。これを回避するために第1特許文献では、ラックアンドピニオンを用いた同期機構をプレス装置の下部に設けているが、同期機構のためのスペースを必要とする他、高い精度を必要とするので、装置のコストが高くなってしまう。
しかし、第2実施形態では、可動側フレーム11に同じ形状の駆動カム32を取り付け、スライドカム31を移動させるため、左右のワークガイド30を同期することが容易であるし、ワークガイド30はフープ材20に対してスプリング34で加圧し、その位置制御をスライドカム31と駆動カム32の関係によって決められるため、部品の精度が確保できれば、細かい調整等を行う必要もない。
また、ワークガイド30を制御するためにシーケンサを介すこともないので、電機系のトラブルとは無縁であり、配線、配管も必要としないため、プレス装置10の構造が単純になりメンテナンスが容易となるメリットがある。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、ローラーガイド38の形状やガイドプレート33のガイドの形状や個数について、変更することを妨げない。
第1実施形態の、プレス装置10の概略平面を示している。 第1実施形態の、プレス装置10の断面図を示している。 第1実施形態の、ワークガイド30の拡大断面図を示している。 第1実施形態の、ワークガイド30のスライドカム31が前進端に進んだ状態の拡大断面図を示している。 (a)第1実施形態の、フープ材20から製品25が切り取られる際の様子を模式的に示している。(b)第1実施形態の、フープ材20が送られる様子を模式的に示している。 第2実施形態の、プレス装置10の断面図を示している。
符号の説明
10 プレス装置
11 可動側フレーム
12 固定側フレーム
13 パンチ
14 押圧ガイド
15 ダイ
16 支持ガイド
17 スライダ
18 ローラコンベア
19 摺動ガイド
20 フープ材
25 製品
30 ワークガイド
31 スライドカム
31a 傾斜カム面
32 駆動カム
32a 押圧傾斜面
33 ガイドプレート
33a ガイド面
34 スプリング
35 アッパーガイド
36 スライドベース
37 ストッパプレート

Claims (3)

  1. パンチが固設された可動側フレームと、ダイが固設された固定側フレームとを有し、前記可動側フレームが前記固定側フレームに接近して、前記パンチと前記ダイにより、板状のワークから製品を打ち抜くプレス打抜き加工を連続して行うプレス装置に設けられ、前記板状のワークを搬送する際に前記ワークの幅方向をガイドするワーク搬送ガイド機構において、
    前記ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、
    前記ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、
    前記ワークガイドを前記ワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、を備え、
    前記スライドカムの前記第1傾斜カム面が押圧されることで、前記ワークガイドは前記ワークから離間すること、
    前記可動側フレームに固設され、前記第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面が形成された駆動カムを備えること、
    前記可動側フレームが下降して、前記プレス打抜き加工が行われているときには、前記第2傾斜カム面が前記第1傾斜カム面を押圧することにより、前記ワークガイドが前記ワークから離間して、前記パンチと干渉しない位置まで後退することにより、打ち抜かれた製品が斜めに落下し、前記製品の一端がスライドガイド上を滑って、下側コンベア上に落下されること、
    前記プレス打抜き加工が終了して前記可動側フレームが上昇すると、前記ワークガイドは、前記弾性部材により前進され、前記ワークの側面に当接して、前記側面をガイドすること、
    を特徴とするワーク搬送ガイド機構。
  2. 請求項1に記載のワーク搬送ガイド機構において、
    前記ワークの幅方向両側に配設された前記駆動カムが、共通の部材に設けられ、同時に進退せしめられることを特徴とするワーク搬送ガイド機構。
  3. パンチが固設された可動側フレームと、ダイが固設された固定側フレームとを有し、前記可動側フレームが前記固定側フレームに接近して、前記パンチと前記ダイにより、板状のワークから製品を打ち抜くプレス打抜き加工を行うプレス装置に設けられ、前記板状のワークを搬送する際に前記ワークの幅方向をガイドするワークガイド方法において、
    前記ワークの幅方向をガイドするワークガイドと、
    前記ワークガイドに接続され、第1傾斜カム面を有するスライドカムと、
    前記ワークガイドを前記ワークに近接する方向に付勢する弾性部材と、を備え、
    前記スライドカムの前記第1傾斜カム面が押圧されることで、前記ワークガイドは前記ワークから離間すること、
    前記可動側フレームに固設され、先端から徐々に断面が拡大する駆動カムを備えること、
    前記駆動カムの一部に前記スライドカムの前記第1傾斜カム面を押圧する第2傾斜カム面が形成されていること、
    前記可動側フレームが下降して、前記プレス打抜き加工が行われているときには、前記第2傾斜カム面が前記第1傾斜カム面を押圧することにより、前記ワークガイドが前記ワークから離間して、前記パンチと干渉しない位置まで後退することにより、打ち抜かれた製品が斜めに落下し、前記製品の一端がスライドガイド上を滑って、下側コンベア上に落下されること、
    前記プレス打抜き加工が終了して前記可動側フレームが上昇すると、前記ワークガイドは、前記弾性部材により前進され、前記ワークの側面に当接して、前記側面をガイドすること、
    を特徴とするワークガイド方法。
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