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JP5055248B2 - 磨耗低減を示す編みシステム - Google Patents

磨耗低減を示す編みシステム Download PDF

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Description

本発明は、磨耗低減を示す編みシステム用シンカー(Sinker)に関する。
編み物の作製のため、シンカーを設けることができる編みシステムが通常用いられる。これらのシンカーは、旋回するように位置決めされたラッチを有する針、例えばべら針と一緒に動作する。
このタイプの編みシステムは特許文献1から既知であり、この編みシステム用シンカーは、u形状凹部を有する平坦な金属部で構成されている。べら針はこの凹部を越えて、直角の方向に移動される。同様にべら針のラッチもシンカーの規定領域を越えて移動する。
シンカーとべら針とが接触するたびに、特にラッチがシンカーと接触する場合には磨耗を生じることになる。例えば丸編機で用いられる針のラッチは、針シャンク内に比較的小さい遊びを有して位置決めされた新たな針上でも、遠心力および慣性力の結果として側方に反れる。この反りは、連続磨耗およびラッチ遊びの増加の結果として、針の耐用年数にわたり増加する。シンカーおよびラッチの磨耗の増加に伴って、シンカーおよびべら針の交換が必要になる恐れがある。確かに特許文献2は、生じる磨耗を低減するために、そしてその代わりに糸と接触する前部の厚みを低減するために、シンカーカムに係合するシンカー部のシートメタル厚みを増加させることを提案している。しかし前部のシートメタル厚みをあまり低減することができないが、それはそのような低減が、シンカーの必要な安定性および/または剛軟度ならびに用いる糸の切断感度により限定されるからである。
欧州特許第0570320B1号明細書 欧州特許第0570340B1号明細書
そのため本発明の目的は、摩耗が低減されたシンカーおよび/または編みシステムを作製することである。
この目的は請求項1および11に係るシンカーおよび編みシステムで解決される。
本発明に係るシンカーおよび/または本発明に係る押下要素には、種々の厚みの2つの領域を有する作業部が設けられている。この場合の厚みが低減された領域は、隣接するべら針のラッチが、編みシステム動作中に、部分的または完全に移動する領域である。
作業部上に異なる厚みを有する領域を設けることにより、シンカー、針および編みシステム全体の磨耗を低減することが可能である。特に、厚みが低減されたシンカー領域と、編機内で隣接配置された針の前後移動ラッチとの間の距離を増加することができる。シンカーとべら針との間の接触の危険性が低減される。同様にシンカーおよびべら針の磨耗も低減され、これは、新しい針および特に非常に微細な針ゲージを有するものにも当てはまる。摩耗の増大およびより大きいラッチ遊びの結果として、針のラッチおよび針自体の側への反りが、針の耐用年数にわたって増加する。この点で、シンカーおよび針のより長い利用期間により、本発明に係るシンカーの利点が増す。
シンカー上のより大きい厚さを有する領域とより小さい厚さを有する領域との間の移行領域は、シンカーによって保持されるループがより大きい厚さを有するシンカー領域の縁によって支持されるように固定されることが好ましい。例えば本発明に係るシンカーは、糸またはループを適所に保持するための、上部と平行に実施される凹部を有する、ひっくり返しおよび押下シンカーとして実施され、上部が上縁により閉鎖する。厚みが低減された領域が上部縁で終端することが好ましい。この場合のシンカーを、一方の平坦面(片側)で、または両方の平坦面(両側)でオフセットまたは少なくとも面取りすることができる。両側オフセットシンカーは丸編機で好適に用いられ、この場合動作移動は往復移動に相当可能であり、これは左右に向くことができることを意味する。加えて、両平坦面でオフセットされたシンカーは、横編機で用いるのに適している。対照的に、丸編機が主に一回転動作方向を有する場合には、片側厚さ低減が有意義であり得る。この場合の片側低減は、より深くすることで実施可能である。そのため、両側オフセットシンカーの厚さ低減は、一方側のみで実施でき、ラッチの反りのためにより大きい空間を生じる。
適当な再形成によりまたは接合プロセスを用いて、例えば異なる厚みのシートメタル部を溶接することによって、シンカーをシートメタル片から作製することができる。選択された具体的な作製方法とは関係なく、確実に厚みが低減された領域と厚みが増大された領域との間のいかなる移行縁も、慎重に丸くすることが有利である。
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、図面、明細書または特許請求の範囲の主題である。本願明細書は本発明の基本的な態様および他の事実に限定されている。図面は本願明細書を補足するものである。
図1に図示する編みシステム1は、並んで配置されたシンカー2とべら針3とを備える。編機には一般に、このタイプの複数の並列配置の編みシステム1が設けられている。例えば方向Xに移動するようにシンカー2を配置することができる。べら針3は方向Yに移動するように位置決めされている。方向XおよびYは例えば互いに直角に位置決めされている。シンカー2およびべら針3は、適当なホルダ形状のガイド内に位置決めされているが、本明細書にはさらに詳細には示さない。このタイプのホルダは、例えば丸編機に見られるタイプの編成シリンダ、リップドディスク(ripped disks)およびシンカー支持リングである。シンカー2をべら針3に対して、図1に示した角度とは異なる角度で配置することもできる。方向XおよびYの編成具の移動を生じる例えばカム形状の駆動手段はさらに、シンカー2およびべら針3である2つの編成具に割り当てられる。編成具の移動路は調整されるとともに、直線または曲線のいずれかに沿うことができる。
べら針3は、一端のフック5とラッチ6とを有する細長シャンク4を有し、ラッチ6はフック5付近に配置されるとともに、枢軸7を中心に旋回できるようにべら針3のシャンク4上に位置決めされている。シンカー2は、基本的に平坦な金属部、例えば平坦シートメタル部で構成される本体8を有する。本体8は作業部9と駆動部10とを備える。作業部9は、編成される織物のループおよびべら針3と協働する。駆動部10は、シンカー2を方向Xに移動させる駆動装置として機能する。駆動部10にはこのために駆動領域、例えば内部に配置されたバット11が設けられている。
図1に示す例示的実施形態の駆動領域の高さhは、シンカー2の全高Hより低い。バット11はカム内に係合するが、カムは本明細書にさらに詳細に示さない。方向Xに対して直角に延びるとともに、バット11上および適用可能である場合には駆動領域の縁30上に実施される縁12および/または13は、カムの湾曲トラック、いわゆるカムトラックに接続されているとともに、カムが針床に対してある方向に移動される場合にはシンカー2を方向Xに移動させる。
本例示的実施形態の場合、作業部9および駆動部10のシートメタル厚みは同じである。この厚みd1は図2および4に別に図示されている。厚みd1を、シンカー2の2つの好適に平行な平坦面14および15間で測定しなければならない。
図1および3に図示するようにシンカー2には、シンカー2の下方狭面により形成されるシンカー背面16、例えば直線背面が設けられている。シンカー背面16は、べら針3のフック5に隣接配置されたシンカーの上縁17と反対側に位置決めされている。上縁17とシンカー背面16との間で、シンカー2には方向Xに開口するU字形状の凹部18が設けられている。突起19がこの口状開口にわたり延びており、シンカーの上縁17によって上部の境界が画定されるとともに、凹部18のU形状縁の1つの脚を形成する押下縁20の一部によって下部の境界が画定されている。
押下縁20と反対側に配置されているのは、U形状凹部18の他方の脚を形成する好適に直線且つ幾分長い縁21、いわゆるループ形成部である。押下縁20とループ形成縁21との間には丸い溝22が形成されている。
シンカー2の作業部9は第1の厚さ領域23、図4〜6に見られるようにそれぞれ厚みd2が低減された帯域を有する。この第1の厚さ領域23はループ縁21の上方に配置されている。加えて作業部9は、厚みが第1の厚さ領域23を超える第2の厚さ領域29を有する。そのため、ループをひっくり返すように機能するループ形成縁21の厚みd1は、第1の厚さ領域23の厚みを超える。特にラッチ6を有する針3はこの第1の厚さ領域23のそばを通過して、ループ形成動作を実行する。図4に特に示すように、領域23は例えば2つの段24、25を介して残りの作業部9に移行する。2つの段24、25は好適には同一高さであるとともに、互いに平行に配向されている。図1および3に示すように、2つの段24、25を直線状に実施することができるとともに、さらに図4に示すように慎重に丸くされる。2つの段24、25は図3に示すように押下縁20と位置合わせされるか、または溝22と接することができる。2つの段24、25は、例えば縁20の上方に異なる状態で配置することもできる。
シンカー2は編成動作中に、編地を押下し、かつループをひっくり返すなどの2つの異なる仕事に対応できる。このプロセスではべら針3は方向Yに移動し、ラッチ6は旋回運動を実行する。領域23の厚みd2が低減されているため、ラッチ6がシンカー2と接触する恐れは、特に領域23において低下しているかまたはなくなる。針およびシンカーの磨耗はそのため低減するとともに、編みシステムの信頼性が向上する。
段24、25は、図4に従う実施形態の場合それぞれ同じ幅を有する。換言すればシンカー2の作業部9は、仮想垂直中心面に対して鏡面対称に実施される。しかし段24、25は必要に応じて異なる幅を有することもできるため、シンカー2は中心面に対して非対称に実施される。図5のシンカー2aの場合のように、シンカーに片側に1つの段のみを設けることも十分であり得る。シンカー2aの作業部9にはまた、異なる厚みを有する2つの帯域、すなわち厚みd2を有する領域23および厚みd1を有する作業部9の残りの部分が設けられる。
厚みが低減された領域23はまた、シンカーの上縁17全体に沿って延びることができる。加えて、段25はまた、凹部18または縁20の高さに配置されることが好適である。平坦面15および領域23の平坦面は、対をなして且つ互いに平行に配向される。しかし図6に従うシンカー2bの場合のように、領域23の側面26、27を互い対して鋭角に配置することも可能である。この場合シンカー2bは、移行点28からシンカーの上縁17に向かって細くなっている。領域23は楔状断面を有する。段24、25は省略、または高さが低減されている。他は上記の説明が適用される。
多数の変更例が可能である。例えば段24、25は図7に示すように直線から外れることができる。段25は、上シンカー縁17または他の箇所のいずれかでシンカーの縁に接することができる。
上記の実施形態のすべての場合と同様に、この場合もループ形成縁として実施される縁21がより幅広いことが好適であることは真実である。換言すれば縁21は縁20より大きい厚さを有する。縁21は例えば幅d1を有するため相当な糸支持面を提供する一方で、縁20はそれに対応してより狭くなる。その結果、領域23の厚さの低減はべら針3、特にそのラッチ6の摩耗の低減をもたらす。縁21における糸支持面は丸みが付けられるとともに、良好な糸支持を提供する幅を有する。押下縁20も糸を扱いやすくなるように丸みが付けられている。
本発明に従う一例示的実施形態(本明細書に図示せず)は、さらなる厚さ領域、作業部9の領域内の第2の厚さ低減を有することができる。しかし本発明に従うすべての実施形態の共通特徴は、領域23がループ形成縁21の厚みd1よりも厚みd2が低減され、領域23がループ形成縁21の上方に配置されているということである。領域23の厚みd2はループ形成縁21の厚みの3分の1になることが好ましい。領域23の厚みd2はループ形成縁21の厚みの半分になり得るとともに、特定の用途の場合さらに小さくなってもよい。シンカー2にはその作業部9上に厚みの低減された領域23が提案される。そのため隙間状の作業空間が、シンカー2の少なくとも一方側上に作製される。この隙間空間により、シンカー2とべら針3との間の間隔を低減すること、またはこれらの2つの要素間の磨耗を低減することも可能になる。隙間空間はさらにまた、シンカーとシンカーの他方側のべら針との間の距離に影響しない。シンカー2は各側に1つの隙間空間をそれぞれ好適に有するため、シンカーを両回転方向用に設計された丸編機で使用することができる。
べら針およびシンカーを有する編成機の概略的斜視図である。 前面から見た、図1に従うシンカーである。 側面から見た、図1に従うシンカーである。 拡大図の、図2に従うシンカーである。 図4に相当する図の、シンカーの代替実施形態である。 図4に相当する図の、シンカーの代替実施形態である。 図3に示した実施形態に相当する、シンカーの変更実施形態である。
符号の説明
1 編みシステム
2 シンカー
3 べら針
X、Y 方向
4 シャンク
5 フック
6 ラッチ
7 軸
8 本体
9 作業部
10 駆動部
11 バット
12、13 縁
d1、d2 厚み
14、15 平坦面
16 シンカー背面
17 シンカーの上縁
18 凹部
19 突起
20 押下縁、縁
21 ループ形成縁、縁、ループ形成部
22 溝
23 第1の厚さ領域
24、25 段
26、27 側面
28 移行領域
29 第2の厚さ領域
30 縁

Claims (6)

  1. フック(5)と、前記フック(5)上の内部空間を開放および閉鎖するように、針本体(4)上で旋回するように位置決めされたラッチ(6)とを有する針本体(4)を備えて構成されたべら針(3)を備えるとともに、前記ラッチ(6)を有するべら針(3)が設けられたシンカー(2)を備える、編機用編みシステム(1)であって、
    前記シンカー(2)が、平坦な金属部で形成され、かつ動作中、針の長手方向に前後移動するべら針(3)に隣接配置された作業部(9)を有する本体(8)であって、押下縁(20)とループ形成縁(21)とが形成された凹部(18)が設けられている本体(8)を有するとともに、動作中にカムに係合する駆動部(10)をさらに備え、前記作業部(9)が少なくとも2つの厚さ領域(23および29)を有し、第1の厚さ領域(23)の厚み(d2)が、第2の厚さ領域(29)の厚み(d1)に比べて低減されており、前記押下縁(20)が前記第1の厚さ領域(23)に配置されており、前記ループ形成縁(21)が前記第2の厚さ領域(29)に配置されており、前記押下縁(20)の厚み(d2)が前記ループ形成縁(21)の厚み(d1)より薄い、編みシステム
  2. 低減された前記厚み(d2)を備えた領域(23)が、前記本体(8)の凹部(18)のすぐ隣に配置されることを特徴とする請求項1に記載の編みシステム。
  3. 直線に沿って延びる移行部が、低減された厚み(d2)を備えた領域(23)と、前記金属部の残りの部分との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の編みシステム。
  4. 段(24、25)の形状をした移行部が、低減された厚み(d2)を備えた領域(23)と、前記金属部の残りの部分との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の編みシステム
  5. 前記金属部が2つの平坦面(14、15)を有し、移行部が低減された厚み(d2)を備えた領域(23)と、前記金属部の残りの部分との間に設けられ、さらに前記移行部が前記金属部の一方の平坦面(14)のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の編みシステム
  6. 前記金属部が2つの平坦面(14、15)を有し、移行部が低減された厚み(d2)を備えた領域(23)と、前記金属部の残りの部分との間に設けられ、さらに前記移行部が前記金属部の両平坦面(14、15)に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の編みシステム
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