JP5053066B2 - トナー容器用内栓及び外栓 - Google Patents

Description

本発明は、トナー補給装置を備えた現像装置及び画像形成装置で使用される交換可能なトナー容器に関し、内圧調整機構が必要とされる粉体収納容器に応用される。

このタイプのトナー容器は、図１に示されるように、一端側前面を開放してトナー排出のための口部（排出口）（１１）をなし、この口部（１１）は、外栓（２０）と内栓（３０）で二重にシールされている。
図１を借用して、本発明の基礎となるトナー容器の１例の概要を説明する。図１において、円筒状の容器本体（１０）は、口部（１１）との間に若干小径の首部（１５）を有し、首部（１５）は、トナーの口部（１１）方向への移動を円滑化するためなだらかな曲線形状をなす肩部（１４）を介して若干大径のトナー収納部（１６）と連結している。容器本体（１０）には、内部トナーを容器本体（１０）の回転によって口部（排出口）（１１）側に搬送するための案内溝（１３）が螺旋状に形成されている。案内溝（１３）は容器本体内側に突出するように成型された断面凸状の螺旋部分の裏面である。
外栓（２０）は、内周壁に一体成形されている雌ネジ部（２１）を有し、この雌ネジ部（２１）は、トナー容器本体（１０）の前記口部（１１）の外周壁に成形されている雄ネジ部（１２）に螺合する。
一方の内栓（３０）は、トナー容器本体（１０）の前記口部（排出口）（１１）内に押し込まれたときに該口部（１１）をシールし、口部（１１）内から引き抜かれたときに該口部（１１）を開放するように、先端が僅かに細く、頭部方向に向かうにつれて若干太くなるテーパー構造（このテーパー構造は非常に僅かであり、肉眼で一見しただけでは気付き難い程度の勾配である）を有し、可撓性樹脂材料で成形されてなる口部進入部（３１）を有する。口部進入部（３１）の外周壁には、該口部（１１）のシールのため、円周方向に繋がった弾性の横リブ（３３）が複数（この例では上段リブ（３３ａ）、中段リブ（３３ｂ）、下段リブ（３３ｃ）の３つ）設けられ、さらに、テーパー構造の口部進入部（３１）の根元の栓頭部（３４）は、ツバ部（３５）を有し、このツバ部（３５）の外縁には、環状の返しリブ（３６）が設けられており、この返しリブ（３６）の可撓性先端は、天面（１１ａ）に密に接しトナー容器本体をシールする（返しリブ（３６）と天面（１１ａ）の相互位置関係は図８によく示される）。つまり、内栓（３０）は、前記テーパー構造の口部進入部（３１）に設けられた複数の弾性ある横リブ（３３）と、返しリブ（３６）の２つの封止手段により、トナー容器本体の前記口部（１１）をシールするようになっている。図中、符号（３７）は摘み部であり、この摘み部（３７）は、トナー容器が画像形成装置内の所定位置に配置され、開封される際、画像形成装置内に設けられたチャック機構によって把持されることにより、該内栓（３０）を固定し、容器本体（１０）を、固定された内栓（３０）から遠ざかる方向に移動させる画像形成装置内移動機構により、内栓（３０）を脱栓させるにも特に有用なものである（このような脱栓システムは我々の特許第３５０９３８５号公報（特許文献１）、特開２００４−１１００４９号公報（特許文献２）に詳細に開示されている）。

さて、このトナー容器（ボトル）の場合、シール性は非常に良く、トナー洩れはしないが、トナー容器の保存場所の温度変化（環境変化）により、ボトル内圧と大気圧に差が生じ易く、特に冷所（寒冷地の倉庫）に保管されるとボトル内圧が負圧となる。これが長期間になると、トナーシール性は良いといっても完全密封ではないのでボトル内圧が大気圧になるまで冷気が入り込んでしまう。冷気が大気圧になるまで入ったトナー容器は、暖房の効いた室内に持ち込まれると温度上昇に伴い内圧が上昇し、外栓を外した際に内栓が耐え切れない内圧以上になると内栓が抜ける不具合が発生してしまう（特許文献３：特開平９−９６９５９号公報参照）。
また、ボトル口部への内栓固定ネジ方式としている特許文献４（特開平８−２２０８５７号公報）記載のものは、内栓が外れるという不具合は発生しないが、ボトル口部、内栓の加工が難しく、電子写真装置内での内栓を外す機構も複雑になってしまう。
上記不具合を解消するため、ボトル口部と内栓との間にボトル保存状態によりボトル内の気体が抜ける機構を設けたものが特許文献５（特開２００４−２７９９７８号公報）に開示されているが、バラツキが生じ内圧の低下にバラツキが見られ、また追加工のためコストもかかっている。
また、ここではボトルと外栓との締め付けトルクを低い値で規制して、内栓と外栓の間から気体が抜ける様に管理しているが、製品輸送の段階で、落下、振動、取り扱いにおいて、外栓が緩む可能性があり、外栓締め付けトルクを管理する課題もある。
また、ケーシング部位に弾性体部材付き圧力弁を装着し、内圧変動に動作して内圧を調整する機構を設けたものが特許文献６（特開２００１−７５３４９号公報）に開示されているが、内圧が０．０１ｋｇｆ／ｃｍ^２以上で開き弁体が可動するため横または逆さにした場合にトナー洩れが発生する可能性がある。また、通常のユーザーの取り扱い、または輸送時にトナー洩れが発生する可能性がある。

特許第３５０９３８５号公報 特開２００４−１１００４９号公報 特開平９−９６９５９号公報 特開平８−２２０８５７号公報 特開２００４−２７９９７８号公報 特開２００１−７５３４９号公報

本発明の目的は、ケーシング部内の装着部に通気部材を設けたことにより、トナーを通過させずにエアーのみ通過し、且つトナーシール性を有し、輸送時、容器の内圧変化に対してもトナー洩れがないトナー容器を提供することである。

上記課題は、以下の本発明により解決される。
（１）「容器本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー容器に用いられるトナー容器用内栓（３０）であって、該内栓に設けるケーシング部内に通気部材が設けられたことを特徴とするトナー容器の内栓」、
（２）「前記内栓に設けるケーシング部内に装着する通気部材の通気度が、ＪＩＳ Ｐ８１１７に基づいてガーレー法で測定した値が２７．５ｓ以下で、ＪＩＳ Ｌ １０９６の６．２７．１ Ａ法に基づくフラジール法に準じて測定した値が１５ｃｍ^３・ｃｍ^２／ｓ以上であることを特徴とする前記第（１）項に記載のトナー容器の内栓」、
（３）「前記ケーシング部の内径に対して前記通気部材が圧入状態にあり、圧入代が外径差０．０５〜１．５ｍｍで、該通気部材が該ケーシング部内に固定されたことを特徴とする前記第（１）項又は第（２）項に記載のトナー容器の内栓」、
（４）「前記ケーシング部内の全周に０．１ｍｍ〜１．０ｍｍの高さの抜け防止リブを設けたことを特徴とする前記第（１）項乃至第（３）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（５）「前記通気部材の形状が、円柱、板状又は球状であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（４）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（６）「前記内栓に設けるケーシング部の通気部材が金属焼結部材（焼結メタル銅系タブレット、ステンレス、樹脂粉からなる成型体）であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（５）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（７）「前記内栓に設けるケーシング部の通気部材が発泡材（ウレタンフォーム）であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（５）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（８）「前記通気部材の密度が５０ｋｇ／ｍ^３〜５００ｋｇ／ｍ^３であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（７）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（９）「前記通気部材は、吸引方式によりケーシング部に挿入されたものであることを特徴とする前記第（１）項乃至第（８）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（１０）「前記内栓の材質がポリエチレンであることを特徴とする前記第（１）項乃至第（９）項のいずれかに記載のトナー容器の内栓」、
（１１）「容器本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー収納容器であって、該内栓（３０）は前記第（１）項乃至第（１０）項のいずれかに記載されたものであることを特徴とするトナー収納容器」、
（１２）「前記外栓（２０）は、該内栓（３０）と接触する部分に非接触部分が設けられたものであり、且つ、該内栓（３０）と接触する部分が非連続であることを特徴とする前記第（１１）項に記載のトナー収納容器」、
（１３）「前記外栓（２０）の前記内栓（３０）との非接触部分が凹形状であることを特徴とする前記第（１２）項に記載のトナー収納容器」、
（１４）「前記外栓（２０）の前記内栓（３０）と接触する部分が凸形状であることを特徴とする前記第（１２）項又は第（１３）項に記載のトナー収納容器」、
（１５）「前記外栓（２０）の締付け値が１１０Ｎ以上２３０Ｎ以下であることを特徴とする前記第（１１）項乃至第（１４）項のいずれかに記載のトナー収納容器」、
（１６）「前記第（１１）項乃至第（１５）項のいずれかに記載のトナー収納容器を装着したことを特徴とする画像形成装置」。

本発明により、ケーシング部内の装着部に通気部材を設けたことにより、トナーを通過させずにエアーのみ通過し、且つトナーシール性を有し、輸送時、容器の内圧変化に対してもトナー洩れがないトナー容器の提供が可能となる。

本発明のボトル口部と内栓との間にボトル内圧を調整するためのボトル内圧調整機構について、図面を参照して説明する。
図１は、本発明の対象となるトナー容器（ボトル）本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）からなるトナーボトルの基本的構成例の概要を示した図である。上に説明したように、外栓（２０）は輸送時、保管時に外力を受けても内栓（３０）が外れないように保管するキャップであり、内栓（３０）はボトル口部（１１）から現像装置内で自在に脱着できる構造となっている。この基本的構成自体は、本発明が排除するものでなく、むしろ本発明が包含しているものであるが、既に上で説明済みであるので、ここで再度繰り返すことを省略する。

図２は、内栓の装着部上部にΦ３ｍｍの通気孔（３８）と径Φ５．４ｍｍの通気部（３９）を設けた内栓のケーシング部（３９ｃ）を示した図である。

図３は、通気部（３９）に挿入する通気部材（３９ａ）がウレタンフォームであり、その直径がΦ５．５ｍｍ〜７．５ｍｍで且つ、高さが４〜７ｍｍであることにより、トナー粒子は通過させずにエアーのみ通過する構造となっている。

図４は、通気部（３９）の全周に通気部材（３９ａ）の抜け防止リブ（３９ｂ）を設け、ボトル（容器）内部が減圧された場合又は、衝撃により通気部材（３９ａ）が抜け落ちることがないような構造になっている。

図５は、通気部（３９）に通気部材（３９ａ）を挿入した状態を示しており、この状態でボトル（容器）に装着することにより本発明の機能であるトナーを通過させずに、エアーのみを通過して内圧の上昇を防ぐ効果が得られる。

前記、第１項記載の本発明により、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー容器であって、該内栓（３０）がボトル（容器）本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、内栓（３０）のケーシング部（３９ｃ）内に通気部材を設けられたことにより、ボトル内の内圧が大気圧より高くなった場合に気体が通気部材（３９ａ）とケーシング部（３９ｃ）壁面との間及び通気部材（３９ａ）自体より排出され、ボトル内は大気圧と均一になり、内栓（３０）が抜けることを防止できる。また、航空輸送時や高度２０００ｍの高地から、平地にボトルを輸送した場合、ボトル内が減圧状態となるが、その際にも内栓（３０）内のケーシング部（３９ｃ）にある通気部材が容器（１０）内に抜け落ちることがない。

また、第２項記載の本発明により、ケーシング部（３９ｃ）内に装着する通気部材（３９ａ）の通気度がガーレ法により測定した値が２７．５ｓ以下、フラジール法により測定した値が１５ｃｍ^３・ｃｍ^２／ｓ以上とすることで、ボトル（容器）（１０）体内の気体が外部へ排出され、ボトル（容器）（１０）本体内は大気圧と均一にすることができる。ガーレ法により測定した値が２７．５ｓを超えた場合、フラジール法により測定した値が１５ｃｍ^３・ｃｍ^２／ｓ未満の場合、ボトル本体（１０）の気体が外部へ排出されにくく、ボトル内圧低下効果が薄れる。

また、第３項記載の本発明により、通気部材（３９ａ）をケーシング部（３９ｃ）内に固定する方法において、ケーシング内径に対して通気部材（３９ａ）が圧入状態にあり、圧入代が外径差０．０５〜１．５ｍｍにすることでケーシング部（３９ｃ）内から通気部材（３９ａ）が抜け落ちることなく、且つケーシング部（３９ｃ）に装着する時に装着し易い。圧入代が外径差が０．０５ｍｍ未満であると、振動、落下等により通気部材（３９ａ）がケーシング部（３９ｃ）から抜け落トナー洩れが発生する。また、圧入代が外径差が１．５ｍｍを超えるとケーシング部（３９ｃ）内へ通気部材（３９ａ）を装着する際、装着がしづらく挿入時間がかかり作業性が悪い。

また、第４項記載の本発明により、ケーシング部（３９ｃ）内の全周に０．１ｍｍ〜１．０ｍｍの高さの抜け防止リブを設けることにより、振動、落下、ボトル内が減圧状態になった場合にケーシング部（３９ｃ）から通気部材（３９ａ）が抜け落ちることがない。更に本実験では０．２ｍｍ〜０．５ｍｍの高さの抜け防止リブ（３９ｂ）を設けることがより好ましいことが確認された。ケーシング部（３９ｃ）内の全周に０．２ｍｍ未満の場合、振動、落下、ボトル内が減圧状態になって場合に、通気部材（３９ａ）がケーシング部（３９ｃ）より抜け落ちトナー洩れが発生する。また、ケーシング部（３９ｃ）内の全周に０．５ｍｍを超えると、ケーシング部（３９ｃ）内への通気部材（３９ａ）の挿入がしずらく、作業性が悪い。

また、第５項記載の本発明により、通気部材（３９ａ）の形状が、図５に示されるように、円柱、板状又は球状であることにより、トナーを通過させずに、エアーのみを通過して内圧の上昇を防ぐ効果が得られる。

また、第６項記載の本発明により、内栓（３０）に設ける通気部（３９）の通気部材（３９ａ）が金属焼結部材（焼結メタル銅系タブレット、ステンレス、樹脂粉からなる成型体）であるにより、トナーを通過させずに、エアーのみを通過して内圧の上昇を防ぐ効果が得られる。実験の結果、金属焼結部材にとして用いられるものとして、ＳＭＣのＥＳＰが適用できる。

また、第７項記載の本発明により、内栓（３０）に設ける通気部（３９）の通気部材が発泡材（ウレタンフォーム）であることにより、トナーを通過させずに、エアーのみを通過して内圧の上昇を防ぐ効果が得られる。発泡材としては、イノアック製のＥＰ１０００Ｇ、モルトプレンＳＭ−５５、ポロンＬＥ−２０、ポロンＬ−２４（高密度，微細均一なセル構造をもった発泡体）がある。実験の結果、ポロンＬ−２４がエアーのみを通過しトナー洩れの発生が無かった。

また、第８項記載の本発明により、通気部材（３９ａ）の密度が５０ｋｇ／ｍ^３〜５００ｋｇ／ｍ^３とすることでボトル内圧低下効果が得られる。本実験結果から、通気部材（３９ａ）の密度が１００ｋｇ／ｍ^３〜３００ｋｇ／ｍ^３であることが好ましいことが分かった。

また、第９項記載の本発明により、通気部材（３９ａ）を通気部（３９）に挿入する方法として、吸引方式で通気部材（３９ａ）をケーシング部（３９ｃ）内に挿入することにより、通気部材（３９ａ）をケーシング部（３９ｃ）内へ挿入し易く作業効率が良い。吸引方式で通気部材（３９ａ）を挿入することにより、同時にエアーリーク試験が可能で、また通気部材（３９ａ）の流出防止も可能である。

また、第１０項記載の本発明により、前記内栓（３０）の材質がポリエチレンが低密度ポリエチレン樹脂であることをさらに特徴とすることにより、適度の硬さと適度の可撓性を兼ね備え、精緻な構造の割に成形が比較的簡単な本発明の内栓（３０）が提供される。

また、本発明は、容器本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー収納容器であって、該内栓（３０）は前記第（１）項乃至第（１０）項のいずれかに記載されたものであることを特徴とするトナー収納容器を包含し、特に、上記のような内栓（３０）からリークしたエアーを外栓（２０）の外部へ流すことを可能とする構造的機構を、さらに包含する。これらについて図８〜１１により、具体例のいくつかを説明する。
図８に示されるように、このような機構は、内栓（３０）が外栓（２０）と接触する部分に非接触部分を一部設けること、且つ、内栓と接触する部分を非連続とするものであってもよく、内栓（３０）が外栓（２０）と接触する部分を凹形状にしたものであってもよく、図９及び図１０に示されるように、内栓（３０）が外栓（２０）と接触する部分を凸形状にしたものであってもよく、図１１に示されるように、内栓（３０）が外栓（２０）と接触する部分に非接触部分を持たせたものであってもよい。

而して、第１２項記載の本発明により、前記外栓が内栓と接触する部分に非接触部分を一部設けること、且つ、内栓と接触する部分が非連続であることにより、内栓からリークしたエアーを外栓の外部へ流すことが可能である。
また、第１３項記載の本発明により、外栓が内栓と接触する部分を凹形状にすることにより、内栓との非接触を確実なものにし、また金型で成形可能なため、凹形状形成も容易でかつ凹形状寸法も安定したものが得られ、内栓からリークしたエアーを外栓の外部へ流すことが確実に可能となる。
また、第１４項記載の本発明により外栓が内栓と接触する部分を凸形状にすることにより、外栓の凸形状部と内栓が接触し、凸形状でない部分が非接触となり、内栓からリークしたエアーを外栓の外部へ流すことができる。また、金型で成形可能なため、凸形状形成も容易でかつ凸形状寸法も安定したものが得られ、内栓からリークしたエアーを外栓の外部へ流すことが確実に可能となる。
また、第１５項記載の本発明は、前記外栓が内栓と接触する部分に非接触部分をもつことから、外栓の締付けを十分に行なうことができ、締付け値が１１０Ｎ以上２３０Ｎ以下においても内栓からリークしたエアーを外栓の外部へ流すことが確実に可能となる。また、締め付け値が１１０Ｎ以下の場合、製品輸送の段階で、落下、振動、取り扱いにおいて、外栓が緩む可能性がある。また、締め付け値が２３０Ｎ以上だと、落下、振動、取り扱いにおいて、外栓が緩むことはないが、外栓を容易に開けることができないため、ボトルセット時に外栓が開けられないというクレームが発生する可能性がある。
さらに、第１２項〜１５項記載の本発明により、輸送時、保存時の気圧変化に対してもトナー洩れがないトナー容器が提供され、第１６項記載の本発明により、このトナー容器を搭載しトナー供給が円滑な画像形成装置が提供される。

以下、実施例に基いて、本発明の内栓（３０）、トナー容器について更に具体的に説明する。

＜実施例１〜１０及び比較例１〜４；栓のポン飛び評価＞
[実験方法]
下記に評価方法を記載する。
（ポン飛び評価方法）
ボトルに穴を開け、ケーシング部（３９ｃ）内に各種の通気手段として、通気部材（３９ａ）を挿入した内栓（３０）、又は多孔フィルタを貼付した内栓（３０）を、比較のための外周面に縦凸リブを設けただけの内栓（３０）の比較例１、２、凹溝を設けただけの内栓（３０）の比較例３、４と共に、同一規格の容器にセット後、外栓（内栓と接触する部分に凹形状及び凸形状を設けた）（２０）をした。その後トルクを合わせ０℃恒温槽に２時間放置した。２時間後、ボトル（容器）に開けた穴を塞ぎ５０℃の乾燥器で３０分放置し、３０分後にボトルを乾燥器から取り出し外キャップ（外栓）を外し、内キャップ（内栓）（３０）が飛び出さないか確認を行なった。実施例１〜４は通気手段としてフィルタを使用した例、実施例５〜１０は通気手段として多孔質通気部材を使用した例である。結果はつぎの通りであった。

註；１）評価結果の欄における○印はポン飛びをしなかったことを、×印はポン飛びし内栓が容器より飛び出したことを、なし印はメーカーカタログ値を転記したためデータなしを、それぞれ表わす。
２）使用通気部材の欄におけるФ６は径６ｍｍを示す。

＜実施例１１〜１８及び比較例５〜８；振動によるトナー漏れ評価＞

（振動試験方法）
上下振動試験器を用いて、ケーシング部内に通気部材を挿入したキャップをセット後、外栓の非接触部分に凹形状及び凸形状の外栓をセットしたボトルを集合箱（カートン）に収納し、下記条件で振動させ、ボトルからトナーが洩れているか確認を行なった。結果は表２に示される。
（条件）
加速度：１Ｇ
周波数：５〜５０Ｈｚ
振動時間：５３．３分
加振方向：上下

註；３）表中、評価結果の欄における○印は、ボトルからトナーが洩れていないことを、×印はボトルからトナーが洩れたことを、それぞれ表わす。

＜実施例１９〜２６及び比較例９〜１２；ボトル落下によるトナー漏れ評価＞
（落下試験方法）
ボトルで単体８０ｃｍ、の高さから８回落下し、口部にトナー洩れがないか確認をする。結果は表３に示される。

註；４）表中、評価結果の欄における、○印はボトル単体で８０ｃｍの高さから８回落下したがボトル口部からのトナー洩れがないことを、×印はボトル口部からトナー洩れが発生したことを、それぞれ表わす。

＜実施例２７〜３４及び比較例１３〜１６；低温状態から復元した温度下での内圧復元評価＞

[測定方法]
（１）内圧測定
航空機輸送や低温下で保管されたトナー容器であっても、画像形成装置に搭載されたときには、マシンに因る所定のキャップ外し操作でキャップが速やかに外され、トナーを現像箇所に速やかに供給するものであることが望ましく、そのためには、容器内の負圧を遅滞なく解消するものであることが好ましい。この評価では、ボトルにチューブを取り付け（図６参照）、内キャップ外キャップを装着し、その後トルクを合わせ０℃恒温槽に２時間放置し、その後５０℃の乾燥機にボトルを移しセンサーを用いて５０℃差によるボトル内の圧力（圧力変化）を測定した。結果は表４に示される。

註；５）表中、評価結果の欄における、○印はボトル内の内圧が低温から高温にした時に、一度はボトル内の内圧が上昇するが３０分程度で内栓の引き抜き力に換算した場合、０．４ｋｇｆ以下に低下することを、×印は一度上昇した内圧が低下しない状態を、それぞれ表わす。

＜実施例３５〜３７；通気部材（３９ａ）の抜出力の評価＞
実施例９，１０，１７，１８，２５，２６，３３および３４で用いた材質の通気部材抜け防止リブ（３９ｂ）の高さと通気部材（３９ａ）の抜出力との関係を評価した。結果は図７に示される。

＜実施例３８；通気部材（３９ａ）の減圧下での抜け有無評価＞
また該抜け防止リブ（３９ｂ）の減圧下での抜け有無を評価した。結果は表５、表６に示される。

単位（ｃｍＨｇ）

単位（ｃｍＨｇ）

＜実施例３９；外栓締め付け値の開栓し易さ評価＞
外栓の締付け値での外栓の開け易さとトナー洩れについて評価した。結果は表７に示される。

従来のトナーボトル内栓、外栓の構成を示した図である。 内栓の装着部上部にΦ３ｍｍの通気孔とΦ５．４ｍｍの装着部を設けた内栓のケーシング部を示した図である。 通気部材（ウレタンフォーム）の形状を示した図である。 装着部の全周に通気部材の抜け防止リブを設けたことを示した図である。 通気部に通気部材を挿入したことを示す図である。 低温状態から復元した温度下での内圧変化を評価するためのボトルにチューブ取付態様を説明する図である。 通気部材抜け防止リブ（３９ｂ）の高さと通気部材（３９ａ）の抜出力との関係の評価結果を示すグラフである。 外栓の内栓との非接触部分が凹形状であることを示した図である。 内栓と外栓が接触する部分が凸形状であることを示した図である。 外栓内側を上から見た図である。 外栓内側を上から見た図である。

符号の説明

１０ 容器本体
１１ 口部（排出口）
１１ａ 天面
１２ 雄ネジ部
１３ 案内溝
１４ 肩部
１５ 首部
１６ トナー収納部
２０ 外栓
２１ 雌ネジ部
３０ 内栓
３１ 口部進入部
３３ 横リブ
３４ 栓頭部
３５ ツバ部
３５ａ 天面封止部
３６ 返しリブ
３７ 摘み部
３８ 通気孔
３９ 通気部
３９ａ 通気部材
３９ｂ 通気部材抜け防止リブ
３９ｃ 内栓のケーシング部

Claims (16)

1. 容器本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー容器に用いられるトナー容器用内栓（３０）であって、該内栓に設けるケーシング部内に通気部材が設けられたことを特徴とするトナー容器の内栓。
2. 前記内栓に設けるケーシング部内に装着する通気部材の通気度が、ＪＩＳ Ｐ８１１７に基づいてガーレー法で測定した値が２７．５ｓ以下で、ＪＩＳ Ｌ １０９６の６．２７．１ Ａ法に基づくフラジール法に準じて測定した値が１５ｃｍ^３・ｃｍ^２／ｓ以上であることを特徴とする請求項１に記載のトナー容器の内栓。
3. 前記ケーシング部の内径に対して前記通気部材が圧入状態にあり、圧入代が外径差０．０５〜１．５ｍｍで、該通気部材が該ケーシング部内に固定されたことを特徴とする請求項１又は２に記載のトナー容器の内栓。
4. 前記ケーシング部内の全周に０．１ｍｍ〜１．０ｍｍの高さの抜け防止リブを設けたことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
5. 前記通気部材の形状が、円柱、板状又は球状であることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
6. 前記内栓に設けるケーシング部の通気部材が金属焼結部材（焼結メタル銅系タブレット、ステンレス、樹脂粉からなる成型体）であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
7. 前記内栓に設けるケーシング部の通気部材が発泡材（ウレタンフォーム）であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
8. 前記通気部材の密度が５０ｋｇ／ｍ^３〜５００ｋｇ／ｍ^３であることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
9. 前記通気部材は、吸引方式によりケーシング部に挿入されたものであることを特徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
10. 前記内栓の材質がポリエチレンであることを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載のトナー容器の内栓。
11. 容器本体（１０）、内栓（３０）、外栓（２０）で構成され、電子写真法を利用する画像形成装置の現像装置に着脱可能なトナー収納容器であって、該内栓（３０）は請求項１乃至１０のいずれかに記載されたものであることを特徴とするトナー収納容器。
12. 前記外栓（２０）は、該内栓（３０）と接触する部分に非接触部分が設けられたものであり、且つ、該内栓（３０）と接触する部分が非連続であることを特徴とする請求項１１に記載のトナー収納容器。
13. 前記外栓（２０）の前記内栓（３０）との非接触部分が凹形状であることを特徴とする請求項１２に記載のトナー収納容器。
14. 前記外栓（２０）の前記内栓（３０）と接触する部分が凸形状であることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のトナー収納容器。
15. 前記外栓（２０）の締付け値が１１０Ｎ以上２３０Ｎ以下であることを特徴とする請求項１１乃至１４のいずれかに記載のトナー収納容器。
16. 請求項１１乃至１５のいずれかに記載のトナー収納容器を装着したことを特徴とする画像形成装置。

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