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JP5052840B2 - ゴルフ用パターヘッド - Google Patents

ゴルフ用パターヘッド Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフ用パターヘッドに関し、特に、ヘッドの重心位置を使用者の好みに応じて任意に変更できるパターヘッドに関する。
従来から、ゴルフ用パターヘッドの重心位置を変更することのできる発明は多数なされている。
例えば、特開昭63−68186号には、「トウ及びヒール方向に延びる薄板状のフェイス板の略中央背後にフェイス板と直角に後方に延びる棒状のボディを設け、該ボディにトウ及びヒール方向に延びるロッドを設け、該ロッド上に重量体を取り付けてなるパタークラブのヘッド」が開示されている。
本発明によれば、ロッド上の重量体を動かすことでパターヘッドの重量配分を変更することができる。しかし、重量を変更できる方向は、フェイス板に平行な方向に限られるものである。
また、特許第2760723号には「本体部は、細長いフェース面を有し、そのフェース面の裏側に凹部を形成し、且つその凹部の内面にフェース面の略長手方向に沿って溝状又は突条のレールを形設したヘッドと、このヘッドのレールの所望位置に固定され、固定解除操作されると前記レールに沿って移動でき、固定操作により異なる位置に再固定可能な重心変更用重量子とからな」るパターヘッドが開示されている。
この発明のパターヘッドにおいても、重量子を移動することで変更できるのは、ヘッドのトウ・ヒール方向の重量バランスであるに過ぎない。
特開昭63−68186号 特許第2760723号
そこで、本発明は、パターヘッドの重量配分を、ヘッドのトウ・ヒール方向の線的な変更だけでなく、ヘッドのトウ・ヒール方向とは垂直な方向への変更をも加えて、二次元(面)的に重量配分を変更できるパターヘッドを提供しようとするものである。すなわち、トウ・ヒール方向の慣性モーメントだけでなく、重心深度をも変更できるパターヘッドを提供しようとするものである。
請求項1の発明は、ヘッド本体部と、一端に重量体部を有し、前記重量体部から伸びる脚部を有する複数個の重心位置変更部材とから構成されるパターヘッドであって、前記重心位置変更部材の脚部は、前記重量体部が平面視において前記ヘッド本体部の外側に突出する固定位置を少なくとも含む複数箇所において、前記ヘッド本体部に着脱自在に固定され、前記重心位置変更部材の脚部は、重量体部から伸びる第1の脚部と、該第1の脚部から直角に伸びる第2の脚部とよりなるL字形状であり、前記第1の脚部は、前記ヘッド本体部に設けられるフェース面に対して平行な方向、及び前記フェース面に対して垂直な方向のいずれかに向けて固定され、前記第1の脚部が前記フェース面に対して垂直な方向に固定された場合に、前記重量体部は前記ヘッド本体部の外側に突出する、ことを特徴とするゴルフ用パターヘッドである。
重心位置変更部材を複数個とすれば、それぞれの重心位置変更部材の脚部のヘッド本体部への取り付け位置、取り付け角度を様々に組み合わせることによって、さらに、重量配分をヘッド本体部のトウ・ヒール方向かつ垂直な方向に、二次元的に多様に変更することが可能となる。
重心位置変更部材の脚部を、ヘッド本体部のどの位置に取り付けるかよって、ヘッド本体部のトウ・ヒール方向の重量配分を変えることができる。また、重心位置変更部材の脚部を、ヘッド本体部と垂直な方向ではなく、(0度から90度までの範囲の任意の)角度を有するように取り付ければ、ヘッド本体部とは垂直な方向への重量配分も変更することができる。
従って、これらを組み合わせることで、言い換えれば、ヘッド本体部への重心位置変更部材の脚部の取り付け位置、取り付け角度を調整することによって、重量配分をヘッド本体部のトウ・ヒール方向かつ垂直な方向に二次元的に調整することが可能となる。
請求項の発明は、前記重心位置変更部材が2個の場合において、前記重心位置変更部材のL字形状脚部が各々左右対称方向に折り曲げられている請求項記載のゴルフ用パターヘッドである。
この場合には、重心位置変更部材をヘッド本体部のトウ・ヒール方向に左右対称形状に配置することができるので、パターを構えたときに視覚的に安定感が出て、パターがしやすくなるものである。また、ヘッド本体部のトウ・ヒール方向の略中心に重心位置を配置できるという特徴も有する。
請求項の発明は、前記ヘッド本体部のフェース面とは反対側に段差部を設け、前記重心位置変更部材の脚部を前記ヘッド本体部の段差部に着脱可能とした請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のゴルフ用パターヘッドである。
ヘッド本体部のフェース面とは反対側に段差部を設けておくと、重心位置変更部材の脚部のヘッド本体部への着脱の際の位置決めがしやすくなるものである。
請求項の発明は、前記ヘッド本体部には1又は複数のビス孔を設け、前記重心位置変更部材の脚部にも前記ヘッド本体部のビス孔に対応する位置にビス孔を設けて、前記重心位置変更部材を前記ヘッド本体部にビスで着脱自在とした請求項1乃至のいずれか1項に記載のゴルフ用パターヘッドである。
ヘッド本体部と重心位置変更部材の脚部とにビス孔を設けておくと、重心位置変更部材のヘッド本体部への取り付けが確実になるものである。
また、それぞれのビス孔を等間隔に設けておけば、重心位置変更部材をずらしてヘッド本体部に着脱することが可能となり、重量配分の調整が容易となる。

以上のように、本発明によれば、パターヘッドの重量配分をヘッド本体部のトウ・ヒール方向かつ垂直な方向に二次元的に調整することが可能となるので、従来よりも使用者のニーズに応じた重量配分の調整をすることができる。
さらに、重量の調整が、ヘッド本体部への重心位置変更部材の脚部の取り付け方を変更するというきわめて簡単な方法によって行うことができるものである。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のゴルフ用パターヘッドの一実施例を示す斜視図であり、図2は同平面図である。図3は、図1のゴルフ用パターヘッドにおけるヘッド本体部のみを示す斜視図、図4は同重心位置変更部材のみを示す斜視図である。
図1に示すゴルフ用パターヘッド1は、ヘッド本体部2と重心位置変更部材3とから構成されている。
ヘッド本体部2は、図3に示すように、フェース面21およびシャフトが挿入されるシャフト挿入孔22を有している。さらに、本実施例においては、フェース面21とは反対側(バックフェース部)に段差部23を設けている。さらに、バックフェース部には、フェース面とは垂直な方向に伸びる延長部24を設けている。段差部23及び延長部24にはビス孔25を複数個設けている。
重心位置変更部材3は、図4に示すように、重量体部31と、重量体部31から伸びる脚部32とを有している。脚部32はL字形状をしており、重量体部31と脚部32との結合を確実にするために補助杆34でも結合している。さらに、脚部32にはビス孔35を複数個設けている。
重心位置変更部材3のビス孔35と、前記したヘッド本体部2のビス孔25とは同じ間隔で設けており、ヘッド本体部2の段差部23に重心位置変更部材3の脚部32を重ねると、両者のビス孔は一致するようになっている。
具体的には、重心位置変更部材3のビス孔、351と352との間、352と353との間、ヘッド本体部2の段差部23における251と252との間、252と253との間、253と254との間の距離はそれぞれ同じということである。(なお、これ以外にも同じ距離のところが存在するが、それは以降の説明から自明であるので省略する。)
他面、ルール違反となる組み合わせができないように、ビス孔をわざと空けなかったり、ビス孔の間隔をわざと異ならせておいたりするような設計も可能である。
図1の実施例では、重心位置変更部材3を、重心位置変更部材3aと重心位置変更部材3bの2個を使用している。重心位置変更部材3aと重心位置変更部材3bとの差異は、L字形状に折り曲げられた脚部32aと32bとが、各々左右対称方向に折り曲げられている点にある。
なお、本実施例では、重心位置変更部材3a、3bのビス孔35から、ヘッド本体部2の段差部23のビス孔25にビスを差し込むことによって、両者を固定している。
図1及び図2の実施例は、重心位置変更部材3a、3bの重量体部31a、31bを、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aからみれば中心位置で、かつ、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向とは垂直な方向Bからみれば最も遠い位置に配置した例を示している。このような配置にすれば、パターヘッドのトウ・ヒール方向の慣性モーメントは大きくなり、重心深度は深くなる。
これはストロークタイプのゴルファー向けで、あえて少しスイートスポットを外すような打ち方も可能となる。
図5及び図6は、重心位置変更部材3a、3bの他の組み合わせ事例を示す平面図である。
図5では、重心位置変更部材3a、3bの重量体部31a、31bを、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aからみれば最もトウ・ヒール寄りで、かつ、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向とは垂直な方向Bからみれば最もヘッド本体部2に近い位置に配置した例を示している。このような配置にすれば、パターヘッドのトウ・ヒール方向の慣性モーメントは図1及び図2の実施例よりも小さくなり、重心深度は浅くなる。
これは、オーソドックスな重心設定となり、万人向けのパターとなる。
図6では、重心位置変更部材3a、3bの重量体部31a、31bを、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aからみれば最もトウ・ヒール寄りで、かつ、ヘッド本体部2のトウ・ヒール方向とは垂直な方向Bからみればヘッド本体部2から最も遠い位置に配置した例を示している。このような配置にすれば、パターヘッドのトウ・ヒール方向の慣性モーメントは図1及び図2の実施例よりも大きくなり、重心深度は深くなる。
これは、パターが苦手、特にショートパットが苦手なゴルファーに向いている。
以上のように、本発明によれば、重量配分をヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aかつ垂直な方向Bに二次元的に調整することが可能となるので、従来よりも使用者のニーズに応じた重量配分の調整をすることができるものである。
ヘッド本体部2の延長部24を設けるかどうかは任意である。
図6に示すような重心位置変更部材3a、3bの配置をとった場合、延長部24があるとパッティング方向を示す目印となるので、パターがしやすくなる。
さらに、図1、図2及び図5に示すような重心位置変更部材3a、3bの配置をとった場合には、L字形状の脚部32a、32bの固定を、ヘッド本体部2の段差部23だけでなく、延長部24でも行うことができるので、重心位置変更部材3a、3bのヘッド本体部2への固定が確実になるという特徴も有する。
図1、図2、図5及び図6では、重心位置変更部材3a、3bをヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aの中心位置から左右対称形状に配置することができるので、本ゴルフ用パターヘッド1を構えたときに視覚的に安定感が出る。従って、パターがしやすくなるという特徴も有する。
また、ヘッド本体部のトウ・ヒール方向の略中心に重心位置を配置できるという特徴も有する。
しかし、本発明は、前記した実施例に限られるものではないから、重心位置変更部材3を1個だけ用いて、その取り付け方をさまざまに変化させることも可能である。
図7に示すように、脚部32が単なる直線状である(L字形状をしていない)重心位置変更部材3を使用することも可能である。
本形状の重心位置変更部材3を、ヘッド本体部2にビス孔35とビスを介して取り付ける際には、脚部35をヘッド本体部2に対して0度から90度までの任意の角度で取り付けることができる。
従って、取り付ける位置と、取り付け角度を調整することで、重量配分をヘッド本体部2のトウ・ヒール方向Aかつ垂直な方向Bに二次元的に調整することが可能となる。
本形状の重心位置変更部材3を複数個用いれば、さらに複雑な重量配分の調整も可能となる。
さらに、図8に示すような重心位置変更部材3を使用することも可能である。図8の重心位置変更部材3では、図4の実施例とは異なり、ビス孔35を水平面と垂直な方向ではなく、水平面と平行な方向に設けている。
従って、(図示はしないが)パターヘッド本体2の水平面に垂直なバックフェース面や、段差部23の水平面とは垂直な面の方に、脚部32のビス孔35に対応するビス孔25を設けておくことで、重心位置変更部材3の着脱が自在となる。
重心位置変更部材3のヘッド本体部2への取り付け方は、ビスを用いるほか、リベットを用いたり、両面テープを用いたり、接着剤を用いることもできる。
また、ヘッド本体部2に段差部23を設けておくと、重心位置変更部材3の脚部32を着脱する際に位置決めがやりやすくなるが、段差部23を設けなくとも本発明を実施できることはもちろんである。
重心位置変更部材3の重量体部31は、脚部32と同一の素材でもよいが、より好ましくは、脚部32よりも比重の大きい素材を用いる。
両者を一体に作る場合は、ステンレス、クロムモリブデン鋼、S25Cなどの鉄系材料を使用するのがよく、また、重量体部31を、タングステン、真鍮、鉛のような比重の大きい素材で作って、これを既知の方法で嵌合、溶接、接着等して構成してもよい。
また、ヘッド本体2を、重心位置変更部材3よりも比重の小さいアルミニウム合金やマグネシウム合金で作れば、重心位置変更部材3を変更することによる重心位置の変動は一層大きくなる。すなわち、重心位置変更部材3を少し移動させるだけで、トウ・ヒール方向の慣性モーメントや重心深度の変化を大きく変えることができるという効果も奏する。
本発明ゴルフ用パターヘッドの一実施例の斜視図である。 図1の平面図である。 図1のゴルフ用パターヘッドにおけるヘッド本体部のみを示す斜視図である。 図1のゴルフ用パターヘッドにおける重心位置変更部材のみを示す斜視図である。 他の実施例を示す平面図である。 他の実施例を示す平面図である。 他の重心位置変更部材を示す斜視図である。 さらに別の重心位置変更部材を示す斜視図である。
符号の説明
1 ゴルフ用パターヘッド
2 ヘッド本体部
21 フェース面
22 シャフト挿入孔
23 段差部
24 延長部
25 ビス孔
251、252、253、254 ビス孔
3、3a、3b 重心位置変更部材
31、31a、31b 重量体部
32、32a、32b 脚部
34 補助杆
35 ビス孔
351、352、353 ビス孔

Claims (4)

  1. ヘッド本体部と、
    一端に重量体部を有し、前記重量体部から伸びる脚部を有する複数個の重心位置変更部材とから構成されるパターヘッドであって、
    前記重心位置変更部材の脚部は、前記重量体部が平面視において前記ヘッド本体部の外側に突出する固定位置を少なくとも含む複数箇所において、前記ヘッド本体部に着脱自在に固定され、
    前記重心位置変更部材の脚部は、重量体部から伸びる第1の脚部と、該第1の脚部から直角に伸びる第2の脚部とよりなるL字形状であり、
    前記第1の脚部は、前記ヘッド本体部に設けられるフェース面に対して平行な方向、及び前記フェース面に対して垂直な方向のいずれかに向けて固定され、
    前記第1の脚部が前記フェース面に対して垂直な方向に固定された場合に、前記重量体部は前記ヘッド本体部の外側に突出する、
    ことを特徴とするゴルフ用パターヘッド。
  2. 前記重心位置変更部材が2個の場合において、前記重心位置変更部材のL字形状脚部が各々左右対称方向に折り曲げられている請求項記載のゴルフ用パターヘッド。
  3. 前記ヘッド本体部のフェース面とは反対側に段差部を設け、前記重心位置変更部材の脚部を前記ヘッド本体部の段差部に着脱可能とした請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のゴルフ用パターヘッド。
  4. 前記ヘッド本体部には1又は複数のビス孔を設け、前記重心位置変更部材の脚部にも前記ヘッド本体部のビス孔に対応する位置にビス孔を設けて、前記重心位置変更部材を前記ヘッド本体部にビスで着脱自在とした請求項1乃至のいずれか1項に記載のゴルフ用パターヘッド。
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