JP5051476B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Description
まず、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明に係る車両用駆動装置1は、第一駆動輪W1を第一駆動装置2により駆動する車両3に搭載され、第一駆動輪W1とは別の第二駆動輪W2を駆動する第二駆動装置として機能する。本実施形態では、図2に示すように、車両用駆動装置1は、エンジン21を駆動力源として備える第一駆動装置2により第一駆動輪W1としての左右前輪を駆動する車両3に2個搭載され、第二駆動輪W2としての右後輪と左後輪とをそれぞれ駆動するように設けられている。
まず、車両用駆動装置1の各部の機械的構成について説明する。図1に示すように、この車両用駆動装置1は、回転電機MGと、当該回転電機MGのロータRoに駆動連結される入力部材Iと、第二駆動輪W2に駆動連結される出力部材Oと、差動歯車装置DGと、第一ワンウェイクラッチF1と、第二ワンウェイクラッチF2と、ブレーキ装置Bと、を備えている。これらの車両用駆動装置1の各構成は、車両3に固定される非回転部材としてのケースCS内に収納されている。なお、本実施形態では、入力部材IはロータRoと一体回転するように駆動連結されており、出力部材Oは第二駆動輪W2と一体回転するように駆動連結されている。
次に、車両用駆動装置1の制御システムの構成について説明する。この制御システムは、右側駆動装置1R及び左側駆動装置1Lの双方を統合制御するように構成されている。そのため、図3に示すように、この制御システムは、右側駆動装置1Rが備える右側回転電機MGR及び左側駆動装置1Lが備える左側回転電機MGLの双方を制御すると共に、右側駆動装置1Rが備える右側ブレーキ装置BR及び左側駆動装置1Lが備える左側ブレーキ装置BLの双方を制御するように構成されている。ここでは、制御システムは、車両用駆動装置1を制御するための主制御ユニット31を備えている。主制御ユニット31は、第一駆動装置制御ユニット32、右側回転電機制御ユニット33、左側回転電機制御ユニット34、及びブレーキ制御ユニット35との間で、相互に情報伝達が可能な状態で接続されている。
次に、本実施形態に係る車両用駆動装置1により実現可能な動作モードについて説明する。図4は、各モードでの各係合要素F1、F2、Bの係合状態、及び回転電機MGの動作状態としてのトルクTM及び回転速度RMの向きを示す動作表である。図4において、「○」は各係合要素が係合状態にあることを示し、「×」は各係合要素が解放(係合解除)状態にあることを示し、「△」は各係合要素が係合状態及び解放状態のいずれでも良い状態にあることを示している。また、図4において、「+」は回転電機MGのトルクTM又は回転速度RMが正方向であることを示し、「−」は回転電機MGのトルクTM又は回転速度RMが負方向であることを示し、「無印」は回転電機MGのトルクTM又は回転速度RMの方向がいずれでも良い状態にあることを示している。図4に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置1は、「前進駆動」、「従動前進」、「回生」、「後進駆動」、及び「従動後進」の5つのモードを切り替え可能に備えている。
前進駆動モードは、回転電機MGが正方向に回転(MG回転速度RM>0)しつつ正方向のトルクを出力(MGトルクTM>0)することにより第一ワンウェイクラッチF1が係合して入力部材Iと第一サンギヤS1とが駆動連結され、回転電機MGの正方向のトルクが正方向に回転する出力部材Oに伝達されるモードである。この前進駆動モードでは、回転電機MGの回転は減速されて出力部材Oに伝達され、その際の変速比は、後述する回生モードよりも大きく設定されている。よって、この前進駆動モードでは、回転電機MGはモータとして機能し、差動歯車装置DGは回転電機MGの出力トルク(MGトルクTM)を出力部材Oに伝達すると共に回転電機MGの回転速度(MG回転速度RM)を減速して出力部材Oに伝達するための減速装置として機能する。
従動前進モードは、第一駆動装置2により第一駆動輪W1を前進方向へ駆動している状態で、車両用駆動装置1において回転電機MGのロータRoを空転させるように制御することにより出力部材Oを空転させ、車両3を第一駆動装置2の駆動力のみにより走行させるモードである。上記のとおり、この従動前進モードは、第一駆動上限車速VL1より高い車速域で実行される。図4に示すように、従動前進モードでは、ブレーキ装置Bは係合状態とされ、MG回転速度RMは正(RM>0)とされる。これにより、従動前進モードでは、車両用駆動装置1の速度線図は図5と同様になる。但し、この従動前進モードでは、回転電機MGは、MG回転速度RMが第一サンギヤS1の回転速度と第二サンギヤS2の回転速度との間の回転速度範囲内となると共に、出力部材Oに伝達されるMGトルクTMが略ゼロ(TM≒0)となるように制御される。この従動前進モードでは、図4に示すように、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2は、係合状態及び解放状態のいずれでも良い。例えば、MG回転速度RMが前記回転速度範囲の下限である第二サンギヤS2の回転速度と一致し、第二ワンウェイクラッチF2が係合した状態で第二サンギヤS2の回転に従動してロータRoが回転するとともに、ロータRoから第二サンギヤS2へのトルクの伝達が略ゼロとなるように、回転電機MGを制御すると好適である。
回生モードは、回転電機MGが正方向に回転(MG回転速度RM>0)しつつ負方向のトルクを出力(MGトルクTM<0)することにより第二ワンウェイクラッチF2が係合して入力部材Iと第二サンギヤS2とが駆動連結され、回転電機MGの負方向のトルクが正方向に回転する出力部材Oに伝達されるモードである。本実施形態では、この回生モードでも、回転電機MGの回転は減速されて出力部材Oに伝達される構成となっている。よって、この回生モードでは、回転電機MGはジェネレータとして機能し、差動歯車装置DGは回転電機MGの出力トルク(MGトルクTM)を出力部材Oに伝達すると共に回転電機MGの回転速度(MG回転速度RM)を減速して出力部材Oに伝達するための減速装置として機能する。但し、この回生モードでは、回転電機MGの回転が出力部材Oに伝達されるまでの変速比は、前進駆動モードにおける変速比よりも小さく設定されている。
後進駆動モードは、ブレーキ装置Bを解放状態としてリングギヤRIをケースCSから分離すると共に、回転電機MGが負方向に回転(MG回転速度RM<0)しつつ負方向のトルクを出力(MGトルクTM<0)することにより第二ワンウェイクラッチF2が係合して入力部材Iと第二サンギヤS2とが駆動連結され、回転電機MGの負方向のトルクが負方向に回転する出力部材Oに伝達されるモードである。この後進駆動モードでは、回転電機MGはモータとして機能する。この際、差動歯車装置DGは4つの回転要素が一体的に同速で回転する状態となり、回転電機MGの回転は同速のまま出力部材Oに伝達される。
従動後進モードは、車両用駆動装置1においてブレーキ装置Bを解放状態としてリングギヤRIをケースCSから分離することにより車両3が後進することを許容する状態とすると共に、第一駆動装置2により第一駆動輪W1を後進方向へ駆動し、車両3を第一駆動装置2の駆動力のみにより走行させるモードである。図4に示すように、従動後進モードでは、ブレーキ装置Bは係合状態とされるが、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2は、係合状態及び解放状態のいずれでも良い。図6に破線の直線L3として示す差動歯車装置DGの速度線図は、この従動後進モードでの差動歯車装置DGの状態の一例を示している。この図に示すように、従動後進モードでは、出力部材Oが駆動連結されるキャリヤCAの回転速度が車速に応じて定まるが、他の回転要素の回転速度については、第一サンギヤS1の回転速度が第二サンギヤS2の回転速度よりも高い(正側にある)範囲内で任意の状態を取り得る。但し、この従動後進モードでは、回転電機MGによる電力消費を抑制するために、回転電機MGは、MG回転速度RMが略ゼロ(RM≒0)となると共に、MGトルクTMが略ゼロ(TM≒0)となるように制御されると好適である。この場合、入力部材Iの回転速度もゼロとなるため、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2の双方が係合状態とならないように、第一サンギヤS1の回転速度はゼロ以上、第二サンギヤS2の回転速度はゼロ以下となる。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係る車両用駆動装置1の構成を示すスケルトン図であるが、第一出力部材O1及び第二出力部材O2のそれぞれの軸に対称な下半分の構成を省略して示している。この車両用駆動装置1は、差動歯車装置DGが3つの回転要素を備える構成となっている点、及び差動歯車装置DGの出力回転が伝達される第一出力部材O1がカウンタ減速機構CGを介して第二出力部材O2に伝達される構成となっている点で、上記第一の実施形態と相違している。また、この車両用駆動装置1は、差動歯車装置DGが3つしか回転要素を備えていないことに起因して、第二出力部材O2が駆動連結される中間回転要素EMが第二回転要素EMと共通とされている点でも、上記第一の実施形態と相違している。以下では、本実施形態に係る車両用駆動装置1について、上記第一の実施形態との相違点を中心として説明することとし、特に説明しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。なお、本実施形態に係る車両3の構成及び車両用駆動装置1の制御システムの構成は、上記第一の実施形態に係る構成と同様とし、本実施形態の説明においても図2及び図3を適宜参照する。
まず、本実施形態に係る車両用駆動装置1の機械的構成について説明する。図8に示すように、本実施形態においては、差動歯車装置DGは3つの回転要素を備えている。ここでは、差動歯車装置DGは、1組のシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。具体的には、この差動歯車装置DGは、サンギヤSと、リングギヤRIと、サンギヤS及びリングギヤRIの双方に噛み合うピニオンギヤPと、当該ピニオンギヤPを支持するキャリヤCAとを備えている。この差動歯車装置DGの3つの回転要素の回転速度の順は、サンギヤS、キャリヤCA、リングギヤRIの順となっている。そして、サンギヤSは、第一ワンウェイクラッチF1を介して入力部材Iに選択的に駆動連結される。キャリヤCAは、第二ワンウェイクラッチF2を介して入力部材Iに選択的に駆動連結される。また、キャリヤCAには、第一出力部材O1が一体回転するように駆動連結されている。この第一出力部材O1には、カウンタ減速機構CGを介して第二出力部材O2が駆動連結される。よって、キャリヤCAは、第一出力部材O1に駆動連結されると共にカウンタ減速機構CGを介して第二出力部材O2に駆動連結される。リングギヤRIは、ブレーキ装置Bを介してケースCSに選択的に固定される。従って、本実施形態では、サンギヤSが本発明における第一回転要素E1に相当し、キャリヤCAが本発明における第二回転要素E2及び中間回転要素EMに相当し、リングギヤRIが本発明における第三回転要素E3に相当する。すなわち、本実施形態では、中間回転要素EMは第二回転要素E2と同じ回転要素で構成されている。そして、回転電機MGのロータRoに駆動連結される入力部材Iは、第一ワンウェイクラッチF1を介して差動歯車装置DGのサンギヤSに選択的に駆動連結されると共に、第二ワンウェイクラッチF2を介して差動歯車装置DGのキャリヤCAに選択的に駆動連結される。
次に、本実施形態に係る車両用駆動装置1により実現可能な動作モードについて説明する。図9は、本実施形態に係る車両用駆動装置1の各モードでの各係合要素F1、F2、Bの係合状態、及び回転電機MGの動作状態としてのトルクTM及び回転速度RMの向きを示す動作表である。図9の記述方法は図4と同様である。図10及び図11は、車両用駆動装置1が備える差動歯車装置DGの速度線図を示しており、図10は前進駆動モード、従動前進モード、及び回生モードでの速度線図、図11は後進駆動モード及び従動後進モードでの速度線図をそれぞれ示している。これらの速度線図の記述方法は図5及び図6と同様である。本実施形態に係る車両用駆動装置1も、上記第一の実施形態と同様に、「前進駆動」、「従動前進」、「回生」、「後進駆動」、及び「従動後進」の5つのモードを切り替え可能に備えている。以下、各動作モードでの車両用駆動装置1の動作状態について詳細に説明する。
前進駆動モードは、回転電機MGが正方向に回転(MG回転速度RM>0)しつつ正方向のトルクを出力(MGトルクTM>0)することにより第一ワンウェイクラッチF1が係合して入力部材IとサンギヤSとが駆動連結され、回転電機MGの正方向のトルクが正方向に回転する第一出力部材O1及び第二出力部材O2に伝達されるモードである。この前進駆動モードでは、回転電機MGの回転は差動歯車装置DGにより減速されて第一出力部材O1に伝達され、その際の変速比は、後述する回生モードの変速比(=1)よりも大きく設定されている。また、本実施形態では、第一出力部材O1に伝達された回転電機MGの回転は、カウンタ減速機構CGにより更に減速されて第二出力部材O2に伝達される。なお、本願において正方向とは、車両3が前進している状態での各部材の回転方向であるので、互いに反対方向に回転する第一出力部材O1と第二出力部材O2とは、それぞれの正方向も回転方向としては互いに反対となる。
従動前進モードは、第一駆動装置2により第一駆動輪W1を前進方向へ駆動している状態で、車両用駆動装置1において回転電機MGのロータRoを空転させるように制御することにより第一出力部材O1及び第二出力部材O2を空転させ、車両3を第一駆動装置2の駆動力のみにより走行させるモードである。この従動前進モードは、前進駆動モードを実行可能な上限の車速より高い車速域で実行される。図9に示すように、従動前進モードでは、ブレーキ装置Bは係合状態とされ、MG回転速度RMは正(RM>0)とされる。これにより、従動前進モードでは、車両用駆動装置1の速度線図は図10と同様になる。但し、この従動前進モードでは、回転電機MGは、MG回転速度RMがサンギヤSの回転速度とキャリヤCAの回転速度との間の回転速度範囲内となると共に、第一出力部材O1及び第二出力部材O2に伝達されるMGトルクTMが略ゼロ(TM≒0)となるように制御される。この従動前進モードでは、図9に示すように、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2は、係合状態及び解放状態のいずれでも良い。例えば、MG回転速度RMが前記回転速度範囲の下限であるキャリヤCAの回転速度と一致し、第二ワンウェイクラッチF2が係合した状態でキャリヤCAの回転に従動してロータRoが回転するとともに、ロータRoからキャリヤCAへのトルクの伝達が略ゼロとなるように、回転電機MGを制御すると好適である。
回生モードは、回転電機MGが正方向に回転(MG回転速度RM>0)しつつ負方向のトルクを出力(MGトルクTM<0)することにより第二ワンウェイクラッチF2が係合して入力部材IとキャリヤCAとが駆動連結され、回転電機MGの負方向のトルクが正方向に回転する第一出力部材O1及び第二出力部材O2に伝達されるモードである。本実施形態では、この回生モードでは、回転電機MGの回転は差動歯車装置DGにより減速されず、同速(変速比=1)のまま第一出力部材O1に伝達される。但し、第一出力部材O1に伝達された回転電機MGの回転は、カウンタ減速機構CGにより減速されて第二出力部材O2に伝達される。
後進駆動モードは、ブレーキ装置Bを解放状態としてリングギヤRIをケースCSから分離すると共に、回転電機MGが負方向に回転(MG回転速度RM<0)しつつ負方向のトルクを出力(MGトルクTM<0)することにより第二ワンウェイクラッチF2が係合して入力部材IとキャリヤCAとが駆動連結され、回転電機MGの負方向のトルクが負方向に回転する第一出力部材O1及び第二出力部材O2に伝達されるモードである。本実施形態では、後進駆動モードにおいて、差動歯車装置DGの全ての回転要素が一体回転する状態とはならず、差動歯車装置DGのキャリヤCAに入力部材I及び第一出力部材O1の双方が一体回転するように駆動連結され、差動歯車装置DGの他の回転要素は自由に回転可能な状態となる点で、上記第一の実施形態とは相違している。
従動後進モードは、車両用駆動装置1においてブレーキ装置Bを解放状態としてリングギヤRIをケースCSから分離することにより車両3が後進することを許容する状態とすると共に、第一駆動装置2により第一駆動輪W1を後進方向へ駆動し、車両3を第一駆動装置2の駆動力のみにより走行させるモードである。図9に示すように、従動後進モードでは、ブレーキ装置Bは係合状態とされるが、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2は、係合状態及び解放状態のいずれでも良い。図11に破線の直線L3として示す差動歯車装置DGの速度線図は、この従動後進モードでの差動歯車装置DGの状態の一例を示している。この図に示すように、従動後進モードでは、カウンタ減速機構CG及び第一出力部材O1を介して第二出力部材O2に駆動連結されるキャリヤCAの回転速度が車速に応じて定まるが、他の回転要素の回転速度については、サンギヤSの回転速度がキャリヤCAの回転速度よりも高い(正側にある)範囲内で任意の状態を取り得る。但し、この従動後進モードでは、回転電機MGによる電力消費を抑制するために、回転電機MGは、MG回転速度RMが略ゼロ(RM≒0)となると共に、MGトルクTMが略ゼロ(TM≒0)となるように制御されると好適である。この場合、入力部材Iの回転速度もゼロとなるため、第一ワンウェイクラッチF1及び第二ワンウェイクラッチF2の双方が係合状態とならないように、サンギヤSの回転速度はゼロ以上、キャリヤCAの回転速度はゼロ以下となる。
(1)上記第一の実施形態では、回生モードにおいて回転電機MGの回転が減速されて出力部材Oに伝達される構成を例として説明した。また、上記第二の実施形態では、回生モードにおいて回転電機MGの回転が同速のまま第一出力部材O1(出力部材O)に伝達される構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、回転電機MGの回転が出力部材Oに伝達されるまでの変速比に関して、回生モードでの変速比が前進駆動モードでの変速比よりも小さく設定されていれば、本発明の目的を達成することが可能である。従って、例えば、回生モードにおいて回転電機MGの回転が増速されて出力部材Oに伝達される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。このような構成は、例えば、差動歯車装置DGが、上記第一の実施形態と同様に、第一ワンウェイクラッチF1を介して入力部材Iに選択的に駆動連結される第一回転要素E1、第二ワンウェイクラッチF2を介して入力部材Iに選択的に駆動連結される第二回転要素E2、非回転部材に固定される第三回転要素E3、及び出力部材Oに駆動連結される中間回転要素EMの4つの回転要素を有する場合において、回転速度の順が、第一回転要素E1、中間回転要素EM、第二回転要素E2、第三回転要素E3の順となるように構成とすることにより実現可能である。
2:第一駆動装置
3:車両
W1:第一駆動輪
W2:第二駆動輪
MG:回転電機
RO:ロータ
I:入力部材
O:出力部材
DG:差動歯車装置
E1:第一回転要素
E2:第二回転要素
E3:第三回転要素
EM:中間回転要素
F1:第一ワンウェイクラッチ
F2:第二ワンウェイクラッチ
CS:ケース(非回転部材)
B:ブレーキ装置(係合装置)
Claims (11)
- 第一駆動輪を第一駆動装置により駆動する車両に搭載され、前記第一駆動輪とは別の第二駆動輪を駆動する第二駆動装置としての車両用駆動装置であって、
回転電機と、当該回転電機のロータに駆動連結される入力部材と、前記第二駆動輪に駆動連結される出力部材と、回転速度の順に少なくとも第一回転要素、第二回転要素、及び第三回転要素の3つの回転要素を有する差動歯車装置と、第一ワンウェイクラッチと、第二ワンウェイクラッチと、を備え、
前記入力部材は、前記第一ワンウェイクラッチを介して前記第一回転要素に選択的に駆動連結されると共に、前記第二ワンウェイクラッチを介して前記第二回転要素に選択的に駆動連結され、
前記出力部材は、前記差動歯車装置の前記第二回転要素又は他の回転要素であって、回転速度の順で前記第一回転要素と前記第三回転要素との間に位置する中間回転要素に駆動連結され、
前記第三回転要素は非回転部材に固定され、
前記第一ワンウェイクラッチは、前記入力部材が前記第一回転要素に対して正方向に相対回転することを制限すると共に負方向に相対回転することを許容し、前記第二ワンウェイクラッチは、前記入力部材が前記第二回転要素に対して負方向に相対回転することを制限すると共に正方向に相対回転することを許容するように設けられている車両用駆動装置。 - 前記第三回転要素を非回転部材に対して選択的に固定又は分離する係合装置を更に備える請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記車両が後進する際に、前記係合装置を解放状態として前記第三回転要素を非回転部材から分離する請求項2に記載の車両用駆動装置。
- 前記回転電機は、所定の駆動上限回転速度以下でトルクを出力可能に構成され、
前記車両は、前記回転電機の回転速度が前記駆動上限回転速度より大きくなる車速域では、前記第一駆動装置による前記第一駆動輪の駆動のみにより走行する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記回転電機が正方向に回転しつつ正方向のトルクを出力することにより前記第一ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第一回転要素とが駆動連結され、前記回転電機の正方向のトルクが正方向に回転する前記出力部材に伝達される前進駆動モードと、
前記回転電機が正方向に回転しつつ負方向のトルクを出力することにより前記第二ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第二回転要素とが駆動連結され、前記回転電機の負方向のトルクが正方向に回転する前記出力部材に伝達される回生モードと、を切り替え可能に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記第三回転要素を非回転部材から分離すると共に、前記回転電機が負方向に回転しつつ負方向のトルクを出力することにより前記第二ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第二回転要素とが駆動連結され、前記回転電機の負方向のトルクが負方向に回転する前記出力部材に伝達される後進駆動モードを実行可能に備える請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 前記差動歯車装置は、前記第一回転要素、前記第二回転要素、及び前記第三回転要素に加えてもう一つの他の回転要素を有し、当該他の回転要素が前記出力部材に駆動連結される前記中間回転要素とされ、当該中間回転要素は、回転速度の順で前記第二回転要素と前記第三回転要素との間に位置する請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
- 第一駆動輪を第一駆動装置により駆動する車両に搭載され、前記第一駆動輪とは別の第二駆動輪を駆動する第二駆動装置としての車両用駆動装置であって、
回転電機と、当該回転電機のロータに駆動連結される入力部材と、前記第二駆動輪に駆動連結される出力部材と、回転速度の順に少なくとも第一回転要素、第二回転要素、及び第三回転要素の3つの回転要素を有する差動歯車装置と、第一ワンウェイクラッチと、第二ワンウェイクラッチと、を備え、
前記入力部材は、前記第一ワンウェイクラッチを介して前記第一回転要素に選択的に駆動連結されると共に、前記第二ワンウェイクラッチを介して前記第二回転要素に選択的に駆動連結され、前記第三回転要素は非回転部材に固定され、
前記回転電機が正方向に回転しつつ正方向のトルクを出力することにより前記第一ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第一回転要素とが駆動連結され、前記回転電機の正方向のトルクが正方向に回転する前記出力部材に伝達されると共に前記回転電機の回転が減速されて前記出力部材に伝達される前進駆動モードと、
前記回転電機が正方向に回転しつつ負方向のトルクを出力することにより前記第二ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第二回転要素とが駆動連結され、前記入力部材の負方向のトルクが正方向に回転する前記出力部材に伝達されると共に前記回転電機の回転が前記前進駆動モードよりも小さい変速比で変速され又は同速のまま前記出力部材に伝達される回生モードと、を切り替え可能に備える車両用駆動装置。 - 前記第三回転要素を非回転部材に対して選択的に固定又は分離する係合装置を更に備え、
前記車両が後進する際に、前記係合装置を解放状態として前記第三回転要素を非回転部材から分離する請求項8に記載の車両用駆動装置。 - 前記係合装置を解放状態として前記第三回転要素を非回転部材から分離すると共に、前記回転電機が負方向に回転しつつ負方向のトルクを出力することにより前記第二ワンウェイクラッチが係合して前記入力部材と前記第二回転要素とが駆動連結され、前記回転電機の負方向のトルクが負方向に回転する前記出力部材に伝達される後進駆動モードを更に切り替え可能に備える請求項9に記載の車両用駆動装置。
- 前記回転電機は、所定の駆動上限回転速度以下でトルクを出力可能に構成され、
前記車両は、前記回転電機の回転速度が前記駆動上限回転速度より大きくなる車速域では、前記第一駆動装置による前記第一駆動輪の駆動のみにより走行する請求項8から10のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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Publications (2)
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