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JP5047750B2 - 維持回復方法、維持回復装置及び画像形成装置 - Google Patents

維持回復方法、維持回復装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5047750B2 JP2007266003A JP2007266003A JP5047750B2 JP 5047750 B2 JP5047750 B2 JP 5047750B2 JP 2007266003 A JP2007266003 A JP 2007266003A JP 2007266003 A JP2007266003 A JP 2007266003A JP 5047750 B2 JP5047750 B2 JP 5047750B2
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Description

本発明は維持回復方法、維持回復装置及び画像形成装置に関し、印字印刷状態を良好に保持する技術に関する。
図16は液体吐出装置における液滴吐出ヘッドの構成を示す概略断面図である。同図の(a)は液滴吐出ヘッドの液室長手方向に沿う概略断面図であり、同図の(b)は液滴吐出ヘッドの液室短手方向に沿う概略断面図である。同図に示す液滴吐出ヘッド100は、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106にインクを供給するための共通液室107に連通するインク供給口108を含んで構成されている。また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図16の(b)では1列のみ図示している)の積層型圧電素子109と、この圧電素子109を接合固定するベース基板110とを具備している。なお、圧電素子109の間には支柱部111を設けている。この支柱部111は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子109と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。また、圧電素子109には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル112を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材113に接合し、このフレーム部材113には、圧電素子109及びベース基板110などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部114及び共通液室107となる凹部、この共通液室107に外部からインクを供給するためのインク供給穴115を形成している。このフレーム部材113は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
また、振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子109及び支柱部111を接着剤接合し、更にフレーム部材113を接着剤接合している。
更に、ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。なお、このノズル板103の表面がノズル面となる。
また、圧電素子109は、圧電材料116と内部電極117とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子109の交互に異なる端面に引き出された各内部電極117には個別電極118及び共通電極119が接続されている。なお、圧電素子109の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子109の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板110に1列の圧電素子109が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子109に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子109が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子109に印加する電圧を上げて圧電素子109を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子109に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室107から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
ここで、一般的には低コスト化のために従来よりも安価な樹脂性部材を図16の(a)の振動板102やノズル板103に適用するようになってきている。しかし、これらの樹脂性部品はその膜厚が数μmから数十μm程度の薄膜であるため透湿性が高くなってしまい、水分を透過させやすくなってしまう。その結果、装置が停止状態で放置されると液室106にあるインク中の水分が樹脂性部材の振動板102やノズル板103を透過してインク中の水分量が減り、その結果図17の(a)に示すように増粘してしまう。放置された環境が特に高温であると、更に透湿性が高くなってしまい増粘は加速的に進んでしまう。また、液室106にある増粘したインクは密度が通常インクよりも大きくなるので、図17の(b)に示すように放置期間の間に重力によりゆっくりと増粘インクAや増粘インクBなどのように移動する。一方、増粘インクCはノズル裏に局所的に滞留することになる。ここでは例として樹脂性部品を代表的な部材を示したが、透湿性がある材料では一般的に起こりうる現象であるので樹脂性部品だけに限ったことではない。
そして、一般的には装置がしばらく停止した後、印字を開始する際には、特許文献1〜3に記載されている図18の(a)に示すような印字に関係ない吐出(空吐出)や図18の(b)に示すような吸引や加圧などの維持回復動作により、記録ヘッド内の気泡を含むインクを排出させることによって通常品質の印字ができるようにしている。
特開2002−361908号公報 特開2003−145782号公報 特開2004−066463号公報
しかし、図17に示すように、ノズル104とノズル連通路105の側壁との間に空間があると、図17の(a)に示すように空吐出や吸引や加圧などの維持回復動作では除去できない滞留領域(図17の(a)の点線で示す)ができてしまう。その結果、長期間使った場合やまして装置の停止期間が長かったりした場合では、ノズル連通路105内の滞留領域で増粘インクの比率が増加するので偶発的にノズル104近傍に存在する確率が高くなり、適正粘度で設計された吐出波形では粘度のミスマッチを起こして噴射曲がりや吐出ダウンなどの吐出異常が発生する確率も高くなる。その結果、印字印刷の品質が低下してしまうといった課題がある。これらの課題は上記特許文献1〜3による維持回復方法では解決できず、また新たな課題が生じてしまう。詳細には、上記特許文献1によれば、キャビテーションにより生じた気泡は浮力を受けて液室内に留まることがあり、その後の吸引動作をしてもノズル部から除去できずに吐出不良を誘発する要因となってしまう。また、上記特許文献2によれば、クリーニング不要なノズルからはインク射出を行わないため、クリーニング用インクの消費量を削減することができるが、そもそも超音波振動子の部品追加となり、ヘッド組立工程も複雑化してインクジェットプリンタヘッドのコストアップになってしまう。更に、上記特許文献3によれば、インク貯留部を介して記録ヘッド内に発生する気泡を吸引するだけでは上述した記録ヘッド内の増粘したインクの除去はできず、印字時に波形のミスマッチで吐出不良を起してしまう。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、記録ヘッド内に発生した増粘インクを残すことなく効率的に除去し、長期間に渡って安定した印字印刷を行うことのできる、維持回復方法、維持回復装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の維持回復装置は、液滴吐出ヘッドのノズル面を覆うキャップ部材に連通し、キャップ部材を介して液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給すると共に、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態で液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引するインク供給吸引手段と、吸引手段及びインク供給吸引手段の動作を制御する制御手段とを有することに特徴がある。そして、本発明の維持回復装置における制御手段は、吸引手段を作動させてキャップ部材を介して液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引し、又は圧力発生手段によって液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を空吐出する前に、少なくとも液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態で、前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引するように前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段並びに前記圧力発生手段の動作を制御する。よって、記録ヘッドの個別液室内インク滞留部にある増粘がかなり進んだインクを効率的に記録ヘッドから除去でき、増粘したインク起因の吐出異常がなくなり、安定した印字印刷が可能になる。
また、制御手段は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆い、吸引手段を作動させてキャップ部材を介して液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引してキャップ部材内に所定量の記録液を保持し、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態でインク供給吸引手段によって液滴吐出ヘッドのインク供給側から液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引し、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態で吸引手段を作動させてキャップ部材を介して液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して排出するように、吸引手段及びインク供給吸引手段の動作を制御する。よって、キャップ部材をノズル面から離すことなしに連続して動作ができるので処理時間を短くできる。
更に、制御手段は、液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、インク供給吸引手段の吸引動作及び吸引手段の吸引動作を繰り返すように吸引手段及びインク供給吸引手段を制御することにより、記録ヘッド内に発生した増粘インクを残すことなく効率的にかつ完全に除去が可能となる。
また、制御手段は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆い、吸引手段を作動させてキャップ部材を介して液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引してキャップ部材内に所定量の記録液を保持し、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態でインク供給吸引手段によって液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引し、液滴吐出ヘッドのノズル面からキャップ部材を外し、圧力発生手段によって液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を液滴吐出ヘッドのノズルから空吐出するように、吸引手段及びインク供給吸引手段並びに圧力発生手段の動作を制御する。よって、排出するインク量を少なくできる。
更に、制御手段は、液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、インク供給吸引手段の吸引動作及び圧力発生手段による空吐出動作を繰り返すようにインク供給吸引手段及び圧力発生手段の動作を制御することにより、記録ヘッド内に発生した増粘インクを残すことなく効率的にかつ完全に除去が可能となる。
また、別の発明としての画像形成装置は、上記維持回復装置を有することに特徴がある。よって、長期間に渡って安定した印字印刷を行うことのできる画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止の間に記録ヘッドのインクが直接接触する構成部材から透湿し、乾燥増粘したインクが液滴吐出ヘッドの個別液室内インク滞留部に流入し、またはその場で生成した場合でもその増粘したインクを効率的に液滴吐出ヘッドから除去できるので増粘したインク起因の吐出異常がなくなり、安定した印字印刷が可能になる。
図1は本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。同図に示す本発明の画像形成装置は、維持回復装置を具備する液滴吐出装置を含んで構成されている。本発明の画像形成装置は、装置本体10と、装置本体10に装着した用紙を装填するための給紙トレイ11と、装置本体10に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ12とを備えている。更に、装置本体10の前面13の一端部側には、前面13から前方側に突き出し、上面14よりも低くなったカートリッジ装填部15を有し、このカートリッジ装填部15の上面に操作キーや表示器などの操作部16を配置している。カートリッジ装填部15には、液体補充手段としての液体保管用のメインタンクであるインクカートリッジ17が交換可能に装着され、また開閉可能な前カバー18を有している。
図2は本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。また、図3は本発明の画像形成装置の要部構成を示す概略平面図である。両図に示すように、本発明の画像形成装置は、フレーム19を構成する左右の側板19a、19bに横架したガイド部材であるガイドロッド20とステー21とでキャリッジ22を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。このキャリッジ22には、記録液の液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド23を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
ここで、記録ヘッド23は、例えばイエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド23y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド23m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド23c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド23bkで構成している。
なお、記録ヘッド23と称すときは色を区別しないものとする。また、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1つ又は複数の色の液滴を吐出する1つ又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1つ又は複数用いて構成することもできる。更に、記録ヘッド23を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ22には、各記録ヘッド23にそれぞれ各色の記録液を供給するための各色のサブタンク24y、24m、24c、24bk(色を区別しない場合はサブタンク24と称す)を搭載している。このサブタンク24には各色の記録液供給チューブ25を介して前述した各色のインクカートリッジ17(各色を区別する場合には、インクカートリッジ17y、17m、17c、17bkと称す)から記録液を供給するようにしている。
ここで、インクカートリッジ17は、図3にも示すように、カートリッジ装填部15に収納され、このカートリッジ装填部15にはインクカートリッジ17内の記録液の送液と吸引を行うためのチュービングポンプ26Aを有する供給ポンプユニット26が設けられている。また、インクカートリッジ装填部15からサブタンク24に至るまでの記録液供給チューブ25は這い回しの途中でフレーム19を構成する後板19Cに本体側ホルダ27にて固定保持されている。更に、キャリッジ22上でも固定リブ28にて固定されている。
一方、給紙トレイ11の用紙積載部(底板)29上に積載した用紙29を給紙するための給紙部として、用紙積載部29から用紙30を1枚ずつ分離給送する半月コロの給紙コロ31、及び給紙コロ31に対向し摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド32を備え、この分離パッド32は給紙コロ31側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙30を記録ヘッド23の下方側で搬送するための搬送部として、用紙30を静電吸着して搬送するための搬送ベルト33と、給紙部からガイド34を介して送られる用紙30を搬送ベルト33との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ35と、略鉛直上方に送られる用紙30を略90°方向転換させて搬送ベルト33上に倣わせるための搬送ガイド36と、押さえ部材37で搬送ベルト33側に付勢された先端加圧コロ38とを備えている。また、搬送ベルト33の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ39を備えている。
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、搬送ローラ40とテンションローラ41との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ39は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、搬送ベルト33の裏側には、記録ヘッド23による印写領域に対応してガイド部材42を配置している。このガイド部材42は、上面が搬送ベルト33を支持する2つのローラ(搬送ローラ40とテンションローラ41)の接線よりも記録ヘッド23側に突出している。これにより、搬送ベルト33は印写領域ではガイド部材42の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
更に、記録ヘッド23で記録された用紙30を排紙するための排紙部として、搬送ベルト33から用紙30を分離するための分離爪43と、排紙ローラ44及び排紙コロ45とを備え、排紙ローラ44の下方に排紙トレイ12を備えている。ここで、排紙ローラ44と排紙コロ45との間から排紙トレイ12までの高さは排紙トレイ12にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体10の背面部には両面給紙ユニット46が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット46は搬送ベルト33の逆方向回転で戻される用紙30を取り込んで反転させて再度カウンタローラ35と搬送ベルト33との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット46の上面には手差し給紙部47を設けている。
更に、図3に示すように、キャリッジ22の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド23のノズルの状態を維持し、回復するための本発明に係る液体吐出装置の維持回復装置50を配置している。
この維持回復装置50には、記録ヘッド22の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材51a〜51d(区別しないときは、キャップ部材51と称す)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード52と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け53及びこの空吐出受け53に一体形成され、ワイパーブレード52に付着した記録液を除去するための清掃部材であるワイパークリーナ54と、ワイパーブレード52のクリーニング時にワイパーブレード52をワイパークリーナ54側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナコロ56などを備えている。
また、図3に示すように、キャリッジ22の走査方向の他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け57を配置し、この空吐出受け57には記録ヘッド23のノズル列方向に沿った開口58などを備えている。
このような構成を有する液体吐出装置においては、給紙トレイ11から用紙30が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙30はガイド34で案内され、搬送ベルト33とカウンタローラ35との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド36で案内されて先端加圧コロ38で搬送ベルト33に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ39に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト33が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト33上に用紙30が給送されると、用紙30が搬送ベルト33に静電的に吸着され、搬送ベルト33の周回移動によって用紙30が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ22を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド23を駆動することにより、停止している用紙30にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙30を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙30の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙30を排紙トレイ12に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ22は維持回復装置50側に移動されて、キャップ部材51で記録ヘッド23がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ部材51で記録ヘッド23をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド23の安定した吐出性能を維持する。
そこで、本発明に係る維持回復装置の構成の概要について図4〜図6を参照して説明する。なお、図4は本発明の維持回復装置の要部構成を示す平面図、図5は本発明の維持回復装置の機構構成を示す概略側面図、図6は図4の右側面図である。
本発明の維持回復装置50におけるフレーム59には、キャップ保持機構である2つのキャップホルダ60a、60b(区別しないときはキャップホルダ60と称す)と、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード52と、キャリッジロック61とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。また、ワイパーブレード52とキャップホルダ60aとの間には空吐出受け53が配置され、ワイパーブレード52のクリーニングを行うために、フレーム58の外側からワイパーブレード52を空吐出受け53の清掃部材であるワイパークリーナ54側に押し付けるための清掃部材であるクリーナコロ54を含むクリーナ手段であるワイパークリーナ54が揺動可能に保持されている。また、キャップホルダ60a、60bには、それぞれ、2つの記録ヘッド22のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ部材51aと51b、キャップ部材51cと51dを保持している。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ60aに保持したキャップ部材51aには可撓性チューブ62を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)63を接続し、その他のキャップ部材51b、51c、51dはチュービングポンプ63を接続していない。すなわち、キャップ部材51aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップとし、その他のキャップ部材51b、51c、51dはいずれも単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド23の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド23をキャップ部材51aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップホルダ60a、60bの下方にはフレーム59に回転自在に支持したカム軸64を配置し、このカム軸64にはキャップホルダ60a、60bを昇降させるためのキャップカム65a、65bと、ワイパーブレード52を昇降させるためのワイパーカム66、キャリッジロック61をキャリッジロックアーム67を介して昇降させるためのキャリッジロックカム68と、空吐出受け53内で空吐出される液滴がかかる空吐出着弾部材である回転体としてのコロ69と、ワイパークリーナ55を揺動させるためのクリーナカム70をそれぞれ設けている。
ここで、キャップ部材51はキャップカム65a、65bにより昇降させられる。ワイパーブレード52はワイパーカム66により昇降させられ、下降時にワイパークリーナ55が進出して、このワイパークリーナ55のクリーナコロ56と空吐出受け53のワイパークリーナ55とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード52に付着したインクが空吐出受け53内に掻き落とされる。また、キャリッジロック61は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックカム68で駆動されるキャリッジロックアーム67を介して昇降させられる。
そして、チュービングポンプ63及びカム軸64を回転駆動するために、モータ71の回転をモータ軸71aに設けたモータギヤ72に、チュービングポンプ63のポンプ軸63aに設けたポンプギヤ73を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ73と一体の中間ギヤ74に中間ギヤ75を介して一方向クラッチ76付きの中間ギヤ77を噛み合わせ、この中間ギヤ77と同軸の中間ギヤ78に中間ギヤ79を介してカム軸64に固定したカムギヤ80を噛み合わせている。なお、クラッチ76付きの中間ギヤ77、78の回転軸である中間軸81はフレーム59にて回転可能に保持している。
また、カム軸64にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム82を設け、この維持回復装置50に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ部材51が最下端に来たときにホームポジションレバー(不図示)を作動させ、センサが開状態になってモータ71(チュービングポンプ63以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ部材51(キャップホルダ60)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ部材51のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド23がキャッピングされる。
次に、キャップの保持機構及び昇降機構の詳細について、図5及びキャップ保持昇降機構部の側面図を示す図7を用いて説明する。
キャップ保持機構の構成部材の一つであるキャップホルダ60aは、キャップ51a、キャップ51b(これらを併せてキャップ51Aと称す)を昇降可能に保持するホルダ84と、ホルダ84の底面とキャップ51Aの底部との間に介装されてキャップ51Aを上方に付勢するスプリング85と、ホルダ84を前後方向(記録ヘッド23のノズルの並び方向)に移動可能に保持するスライダ86とを有している。キャップ51Aは両端部に設けたガイドピン83aをホルダ84の図示しないガイド溝に上下動可能に、底面に設けたガイド軸83bをホルダ84に上下動可能に挿通して、ホルダ84に対して上下動可能に装着している。キャップ51Aとホルダ84との間に介装したスプリング85はキャップ51a、51bを上方向(キャッピング時にノズル面側に押圧する方向)に付勢している。スライダ86は、前後端に設けたガイドピン87、88をフレーム59に形成したガイド溝89に摺動可能に嵌め合わせることで、スライダ86及びホルダ84並びにキャップ51A全体が上下動できる構成としている。
そして、スライダ86の下面に設けたカムピン90をキャップカム65aの図示しないカム溝に嵌め合わせて、モータ71の回転が伝達されるカム軸64の回転に同動するキャップカム65aの回転によってスライダ86、ホルダ84及びキャップ51Aが上下動するようにしている。
更に、吸引用のキャップ51aにはスライダ86及びホルダ84を挿通して、キャップ51aの短手方向に対してキャップ中央位置の下方からチューブ62を這い回して接続している。
なお、キャップ51c、51d(これらを併せてキャップ51Bと称す)を保持するキャップホルダ60b及びこれを上下動させる構成も上記と同様であるので説明を省略する。ただし、キャップ51c、51dにはチューブ62は接続されていない。
このように、1つの駆動源であるモータ71を駆動することによって1つの軸であるカム軸64が回転し、このカム軸64の回転によってカム軸64に固定したカム65a、65bが回転して、キャップ51A及びキャップ51Bが上下動する構成としている。
次に、本発明の維持回復装置のシーケンス動作について当該動作フローを示す図8及び当該動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す図9〜図11に従って説明する。ここではブラックの記録ヘッドを例にして説明するものとする。
図9に示すように、ヘッド回復動作を実施する記録ヘッド23bkを吸引用のキャップ51aまで移動させ、移動完了後キャップ51aを前述の昇降機構を用いてノズル面に密着させる(ステップS101)。その後、図示しない制御部からの制御信号に従ってチュービングポンプ63により記録ヘッド23bkのノズルからインクを吸引し(ステップS102)、吸引キャップ51a容量にほぼ近い量までになったらチュービングポンプ63を停止させ(ステップS103)、その状態を保持し安定するのを待つ。次に、図示しない制御部からの制御信号に従って供給ポンプユニット26のチュービングポンプ26Aを用いて図10のように、記録ヘッド23bkのインク供給側からサブタンク24を介して吸引を行う(ステップS104,S105)。この吸引時にインク流れが生じることが重要なのでチュービングポンプ26Aの経路を大気開放して吸引用のキャップ51a容量以下の吸引量を吸引することでインク流れを生じさせることが可能になる。そして、ノズル連通路及び液室内にインク流れを生じさせることによって増粘インクA,B,Cが図中矢印方向に移動、拡散する。そして、画像記録装置が乾燥しやすい環境に長時間放置された場合などのように、増粘が進んで拡散後の粘度が通常の粘度よりも高粘度になることがあり、図示しない制御部からの制御信号に従って図11のようにチュービングポンプ63により、ノズルから吸引してノズル連通路及び液室内から増粘したインクを排出することで通常粘度に戻すことができる(ステップS106,S107)。このときの吸引動作時にサブタンク内のインクが無くならないように必要に応じて事前にインク残量を調整することも重要である。その後、吸引用のキャップ51aをデキャップ(キャッピングを解除)し(ステップS108)、吸引用のキャップ51a内のインクを吸引して空にした後ノズル面についたインクをワイピングした後、上述した圧力発生手段による空吐出を行う(ステップS109〜S111)。そうすることによって印刷に使われるインクは標準粘度となり、吐出が安定する。
また、上述したように回復させるヘッドがブラックの場合、吸引用のキャップ51aは通常様々な色で吸引するため、各色が混ざったインクが付着(通常はブラック)である場合が多いが、回復させるブラックであれば他の色で混色を気にせずに回復動作を実施できる。また、ブラックはモノクロ印刷を行う機会が多いビジネス用途ではモノクロ印刷品質を確保することは重要であり、本発明の効果は製品価値を維持することを可能にする。また、他ブラック以外の色の品質を維持するときは吸引用のキャップ51aに相当する各色毎のキャップ手段を備えることで可能になる。
次に、本発明の維持回復装置の別のシーケンス動作について当該動作フローを示す図12及び当該動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す図9、図10、図13に従って説明する。ここでもブラックの記録ヘッドを例にして説明するものとする。
図9に示すように、ヘッド回復動作を実施する記録ヘッド23bkを吸引用のキャップ51aまで移動させ、移動完了後キャップ51aを前述の昇降機構を用いてノズル面に密着させる(ステップS201)。その後、図示しない制御部からの制御信号に従ってチュービングポンプ63により記録ヘッド23bkのノズルからインクを吸引し(ステップS202)、ノズルからインクを吸引用のキャップ51a容量にほぼ近い量までになったらチュービングポンプ63を停止させ(ステップS203)、その状態を保持する。次に、図示しない制御部からの制御信号に従って供給ポンプユニット26のチュービングポンプ26Aを用いて図10のように、記録ヘッド23bkのインク供給側からサブタンク24を介して吸引を行う(ステップS204,S205)。この吸引時にインク流れが生じることが重要なのでチュービングポンプ26Aの経路を大気開放して吸引キャップ51a容量以下の吸引量を吸引することでインク流れを生じさせることが可能になる。そして、画像記録装置が放置された場合など、増粘が進んで拡散後の粘度が通常の粘度よりも高粘度になることがあるが、図8に示す前述の実施の形態の場合よりも増粘が進んでいない場合は、図13のように吸引用のキャップ51aをデキャップ(キャッピングを解除)し(ステップS206)、吸引用のキャップ51a内のインクを廃液タンクの方へ流出させた後、ノズル面についたインクをワイピングして除去する。そしてノズルから吸引用のキャップ51aまたは空吐出受けにインクを吐出させてノズル連通路及び液室内から増粘したインクを排出させる(ステップS207〜S209)。図8に示す前述の実施の形態の場合よりも増粘が進んでいない場合のように増粘の進み具合が少量の時はインクを吐出させ、または空吐出させることでインク吸引時よりも少量の排出量で通常粘度に戻すことができる。
図14は印刷停止時間とインク増粘との関係を示す特性図である。同図に示すように、印刷停止時間が長くなるとともにインク乾燥が進み、その結果インクが増粘する。また、装置内のヘッド周囲の環境温度が高い場合(図14中の破線)は前述のように透湿性を持つ材料はその透湿性が高く(水分を透過させやすい)なり、低い場合(図14中の実線)はその透湿性が低く(水分を透過させにくく)なる。ここで、インク増粘領域を便宜的に3つに分けて増粘領域1、増粘領域2、増粘領域3とした場合、図14中の実線を基にすると、印刷停止時間T1とT2とでインク増粘領域を定めることができる。一方、インク増粘の回復強度(増粘したインクを通常に戻す効果の度合い)は、図12に示したヘッド回復処理(以下ヘッド回復処理Aと称す)から、図8に示したヘッド回復処理(以下ヘッド回復処理Bと称す)に向かって強くなる。また、本発明の維持回復装置の別のシーケンス動作フローである図15に示すように、インク増粘の回復強度がより一層高い場合は、図示しない制御部からの制御信号に従って図10に示す供給ポンプユニット26のチュービングポンプ26Aを用いた吸引と図11に示すチュービングポンプ63を用いた吸引を所定回数繰り返すヘッド回復処理(以下ヘッド回復処理Cと称す)を行う(ステップS304〜S308)ように、回復処理時間も強度が強いほど長くなる。よって、下記の表1にように関係させることによって無駄な時間を掛けずに処理を行うことが可能になり、いつも安定した印字印刷が可能になる。
Figure 0005047750
なお、本発明は上記各実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。 本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の要部構成を示す概略平面図である。 本発明の維持回復装置の要部構成を示す平面図である。 本発明の維持回復装置の機構構成を示す概略側面図である。 図4の右側面図である。 キャップ保持昇降機構部を示す側面図である。 本発明の維持回復装置のシーケンス動作を示すフローチャートである。 本発明の維持回復装置のシーケンス動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。 本発明の維持回復装置のシーケンス動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。 本発明の維持回復装置のシーケンス動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。 本発明の維持回復装置の別のシーケンス動作を示すフローチャートである。 本発明の維持回復装置の別のシーケンス動作における記録ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。 印刷停止時間とインク増粘との関係を示す特性図である。 本発明の維持回復装置の別のシーケンス動作を示すフローチャートである。 液体吐出装置における液滴吐出ヘッドの構成を示す概略断面図である。 液滴吐出ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。 従来の維持回復装置のシーケンス動作における液滴吐出ヘッド内のインクの流れを示す概略断面図である。
符号の説明
17;インクカートリッジ、23;記録ヘッド、24;サブタンク、
26A,63;チュービングポンプ、50;維持回復装置、
51;キャップ部材。

Claims (11)

  1. 異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列に連通した圧力室の容積を変化させてノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給・吸引可能なインク供給吸引手段とを備える画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復方法において、
    前記液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆った状態で、該キャップ部材に連通して前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引手段により吸引する維持回復工程、又は圧力室の容積を変化させることによって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を空吐出する空吐出工程のいずれかの工程を行う前に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引する供給側吸引工程を行うことを特徴とする維持回復方法。
  2. 前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆い、前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して前記キャップ部材内に所定量の記録液を保持する吐出側吸引工程と、
    前記吐出側吸引工程終了後に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引する前記供給側吸引工程と、
    前記供給側吸引工程終了後に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して排出する前記維持回復工程とを有することを特徴とする請求項1記載の維持回復方法。
  3. 前記液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、前記供給側吸引工程及び前記維持回復工程を繰り返すことを特徴とする請求項2記載の維持回復方法。
  4. 前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆い、前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して前記キャップ部材内に所定量の記録液を保持する吐出側吸引工程と、
    前記吐出側吸引工程終了後に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引する前記供給側吸引工程と、
    前記供給側吸引工程終了後に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面から前記キャップ部材を外し、圧力室の容積を変化させることによって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を前記液滴吐出ヘッドのノズルから空吐出する前記空吐出工程
    を有することを特徴とする請求項1記載の維持回復方法。
  5. 前記液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、前記供給側吸引工程及び前記空吐出工程を繰り返すことを特徴とする請求項4記載の維持回復方法。
  6. 異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復装置を備え
    前記維持回復装置は、
    前記液滴吐出ヘッドのノズル面を覆うキャップ部材に連通し、前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために前記液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、
    各サブタンクにメインタンクから記録液を供給すると共に、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引するインク供給吸引手段と、
    前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段並びに前記圧力発生手段の動作を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引し、又は前記圧力発生手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を空吐出する前に、少なくとも前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で、前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引するように前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段並びに前記圧力発生手段の動作を制御することを特徴とする維持回復装置。
  7. 前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆い、前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して前記キャップ部材内に所定量の記録液を保持し、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッドのインク供給側から前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引し、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して排出するように、前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段の動作を制御することを特徴とする請求項6記載の維持回復装置。
  8. 前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、前記インク供給吸引手段の吸引動作及び前記吸引手段の吸引動作を繰り返すように、前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段の動作を制御することを特徴とする請求項7記載の維持回復装置。
  9. 前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆い、前記吸引手段を作動させて前記キャップ部材を介して前記液滴吐出ヘッドのノズルから所定量の記録液を吸引して前記キャップ部材内に所定量の記録液を保持し、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を前記キャップ部材で覆った状態で前記インク供給吸引手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を吸引し、前記液滴吐出ヘッドのノズル面から前記キャップ部材を外し、前記圧力発生手段によって前記液滴吐出ヘッド内の所定量の記録液を前記液滴吐出ヘッドのノズルから空吐出するように、前記吸引手段及び前記インク供給吸引手段並びに前記圧力発生手段の動作を制御することを特徴とする請求項6記載の維持回復装置。
  10. 前記制御手段は、前記液滴吐出ヘッドによる記録液吐出動作の停止時間に応じて、前記インク供給吸引手段の吸引動作及び前記圧力発生手段による空吐出動作を繰り返すように、前記インク供給吸引手段及び前記圧力発生手段の動作を制御することを特徴とする請求項9記載の維持回復装置。
  11. 異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、請求項6〜10のいずれか1項に記載の維持回復装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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