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JP5045065B2 - セラミックメタルハライドランプ - Google Patents

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Description

本発明は、主に一般照明に使用されるセラミックメタルハライドランプに関する。
一般照明用途に使用される高圧金属蒸気放電灯の発光管材料として、近年石英に代わって、透光性セラミックス製の発光管を用いた高圧金属蒸気放電灯が商品化されている。
透光性セラミックスは石英と比べて耐熱性、耐食性が高いことから、発光管の壁面負荷を石英製発光管の壁面負荷よりも高くすることで石英製の発光管を用いた高圧金属蒸気放電灯に比べて高効率、高演色、長寿命と非常に優れた特性を有し、また、石英製の発光管に比べ形状のばらつきが非常に少ないことから光源色のばらつきも非常に少なく、メタルハライドランプとして用いた場合に光源色が白色であることから150W以下を中心に店舗などの屋内照明用として普及している。
そして、省エネの観点から更なる高効率化を求められており、その実現のため、構造的に、3パーツもしくは5パーツを組み合わせたタイプから、細管と発光部を一体成型するタイプへと変わってきている。
発光色については、従来のセラミックメタルハライドランプは、相関色温度が3000K〜4500Kの電球色〜白色が多かったが、市場では相関色温度5000K前後の昼白色や、6500K前後の昼光色のものが要求されている。
従来の高演色メタルハライドランプにおいて、比較的高めの色温度を実現する手段として、発光金属にディスプロシウム−タリウム−セシウム系やディスプロシウム−ネオジム−セシウム系を用いるなどの手段が知られている。
そして、このようにディスプロシウムなどの希土類元素を用いたメタルハライドランプにおいては、所望の光色を得るためには封入した希土類ハロゲン化物の分子発光を利用する必要がある。
一般的に希土類ハロゲン化物の分子発光を有効に利用するためには、ナトリウムやセシウムといった蒸気圧は低いが、励起電圧の低いアルカリ金属元素を、モル比で希土類金属元素より数倍多く封入して、アルカリ金属元素と希土類元素とハロゲンとの複合分子を作る。
この複合分子は希土類ハロゲン化物単体より遥かに高い蒸気圧を有し、励起電圧の低いアルカリ金属元素の効果によりアークを太くする作用を有するため、比較的低いアーク温度領域で発光すると言われる希土類ハロゲン化物の分子発光を著しく増大させることができる。
一般に、セシウムCsなどのアルカリ金属の封入モル比率を多くするとアークが太くなってアーク揺れを抑え、点灯を安定化させる効果があり、逆に封入モル比率が少ないとアークが細くなってアーク揺れが起こったりアーク湾曲を起こしたり、場合によってはランプ電圧が過度に上昇してランプ点灯中に突然消える立消えを起こすという傾向があることが知られている。
したがって、通常のメタルハライドランプでは、「アーク揺れを抑える」「高演色にする」という目的を達成するために、従来技術のランプでは、例えば、アルカリ金属としてセシウムを大量に封入することとしている。
しかしこのように励起電圧の低いアルカリ金属元素を多く封入すると別の問題が顕在化する。例えば、アルカリ金属としてセシウムハライドを封入した場合に、セシウム自体が赤外線を発光するためにエネルギを消費し、一般照明として重要な可視光の発光効率が上がらないという問題を生じ、セラミックメタルハライドランプの特徴である高発光効率を実現する妨げとなるだけでなく、希土類金属の分子発光が強すぎて色温度が低めになるという問題点を生じていた。
このため、後述の特許文献1においても同様の理由でセシウムCsのモル比を0.5M〜1.0Mと比較的高めに規定している。
また、アルカリ金属として、主発光波長が589nm付近にしかないナトリウムハライドを大量に封入すれば、発光効率は上昇するが、色温度が低下するので、高色温度を実現することは困難である。
また、従来より、高演色を得るために希土類元素を封入する場合、ディスプロシウム、ツリウム、ホルミウムはほぼ同じ効果があるとされ、この3種類のうちから適当に選択してランプに封入すれば演色性につき所望の効果があるとされてきたが、実際にはこれら3元素の発光スペクトルは同じではなく、セラミックメタルハライドランプ製品に要求されるような高いレベルの高演色を実現しつつ、所望の色度を達成しようとする時にはこれら3元素を使い分ける必要がある。
一方、特許文献1には、透光性材料からなるセラミックメタルハライドランプの発光管の内部に始動用希ガス、水銀、ハロゲン化テルビウム(TbX)、ハロゲン化タリウム(TlX)およびハロゲン化セシウム(CsX)が封入され、かつハロゲン化ディスブロシウム(DyX)、ハロゲン化ホルミウム(HoX)、ハロゲン化エルビウム(ErX)、ハロゲン化ツリウム(TmX)の少なくとも1種を封入して、色温度をJIS規格Z9112に規定された蛍光ランプの昼光色に相当する5700〜7100Kの範囲内としたランプが開示されている。
特開2004−158218号公報
この特許文献1の図3には、Dy−Tb−Tl−Cs−I系封入物で構成した400Wのセラミックメタルハライドランプにおいて、前記テルビウムTb及びディスプロシウムDyの総モル数をMとしたときに、テルビウムTbのモル比が0.15M、0.25M、0.4Mの夫々の場合に、セシウムCsのモル比を0.5M〜1.0Mで変化させたときの色温度の変化が示されている。
この図3によれば、色温度5000Kから11000Kまでの範囲において、ハロゲン化テルビウムの封入比率が低いほど色温度が低くなり、またハロゲン化セシウムの封入比率が低いほど色温度が低くなっている。
さらに、図2を参照すると、同仕様でタリウムTlのモル比を0.15Mとしたランプにおいて、テルビウムTb封入量をゼロにすれば色温度5000K以下にできることが判る。
しかし、発明者らが、色温度が昼光色ではなくJIS規格Z9112に規定された蛍光ランプの昼白色と同等の4600K〜5500K、定格消費電力150Wの低電力ランプを同様の仕様で試作したところ、発光効率が、高効率ランプの場合に要求される85lm/Wに及ばず、80lm/W以下であった。
すなわち、発光管に封入されたセシウムCsが発光効率を低下させ、しかも定格消費電力が150Wと低電力であるため、発光効率がさらに低下したものと考えられる。
このため、セシウムCsの封入比率を少なくすれば、発光効率を高くすることができるが、現実には前述の通り、アークを安定化させるためにある一定の下限値以下にすることはできず、高効率・高演色が期待される昼光色・昼白色のセラミックメタルハライドランプとしては実用的ではない。
そこで本発明は、発光効率および演色性を低下させることなく、色温度4600K以上で発光させることができ、これにより、JIS規格Z9112に規定された蛍光ランプの昼白色または昼光色と同等の色度範囲のランプを提供することを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、金属ハロゲン化物、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとが、セラミックで形成された発光管を備えたセラミックメタルハライドランプにおいて、点灯状態における発光部の最冷部温度が800℃以上、発光部の肉厚が平均肉厚±20%に形成された前記発光管内に、前記金属ハロゲン化物として、ディスプロシウム、ホルミウム、タリウム及びセシウムの各ハロゲン化物のみが封入され、ハロゲン化ナトリウムの封入モル数が0に規定され、ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル数を夫々M及びMとしたときに、セシウムの封入モル数M及びタリウムの封入モル数Mが、夫々次式により算出される範囲の値に規定されていることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
[式] 0</(M+M)≦0.4
0.1≦M/(M+M)≦0.5
本発明によれば、発光部の肉厚が平均肉厚±20%以内に抑えた上で、且つ、発光管の最冷部が800℃以上になるように形成されているので、発光管内部の温度分布をディスプロシウム及びホルミウムの希土類金属のハロゲン化物が充分蒸発し得る状態に保持し、その結果、安定的なアークを生じさせることができる。
なお、実験によれば、このときの蒸気圧が発光に適した50〜100Paであった。
また、発明者の実験によれば、4600K以上の高色温度と高演色と高効率とを同時に実現するために、希土類金属の原子発光(短波長領域)と、希土類金属ハロゲン化物の分子発光(長波長領域)とを好適な比率でバランスさせることが必要であることが判明した。
原子発光は高温を必要とするためアーク中心部で生じ、分子発光は比較的低温のアーク外縁部付近で生ずる。
したがって、アークが細ければ分子発光が生じる空間領域が小さくなるため原子発光の比率が大きく、アークが太ければ分子発光が生じる空間領域が大きくなるため分子発光の比率が大きくなる。
ここで、タリウムはアークを太くする効果を有するので、本発明では所要量のタリウムを封入することにより、希土類金属ハロゲン化物が分子発光するようなアーク温度領域を確保するとともに、分子発光の比率が高すぎないような太さに調整することができ、高演色性を実現することができた。
この場合、セシウムを少量加えることにより、以下の効果が得られる
すなわち、希土類金属を分子発光させる効果はタリウムよりむしろセシウムの方が優れており、本発明にて規定している程度の封入量であれば、赤外発光による可視光の発光効率の低下よりも、希土類ハロゲン化物の分子発光による発光効率の上昇の程度が大きく、したがって高発光効率のランプが得られる。
また、タリウム封入量のみを増減して希土類金属の発光を最適化しようとすると、タリウム自体の発光による色変化を考慮する必要を生ずることもあり、この場合は最適化作業が面倒になるため、セシウムを少量加えることが高効率高演色を図る上で都合が良い。
このように、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属を封入しなくても、希土類金属のハロゲン化物を蒸発させて安定的なアークを生じさせることができるので、分子発光を利用できるだけでなく、希土類原子の原子発光をも利用して高色温度のランプを得ることができる。
特に、本発明では相関色温度低下の原因となるナトリウムは封入されていないので相関色温度の低下を阻止して、昼光色及び昼白色で発光させることができる。
さらに、発光効率低下の原因となるセシウムの封入量も低下させることができるので、発光効率85(lm/W)以上に維持することができる。
そして、この結果、高い発光効率と高い演色性を保ったまま、色温度4600K以上で発光させることができるランプとなる。
なお、請求項2によれば色温度4600〜5500Kのランプとなり、請求項3によれば色温度5700〜7100Kのランプとなる。
これによりJIS規格Z9112に規定された蛍光ランプの昼白色または昼光色と同等の色度範囲の発光色を持つセラミックメタルハライドランプを実現することができる。
本例では、セラミックメタルハライドランプの発光効率および演色性を低下させることなく、4600K以上の色温度範囲で発光させることができるようにするという目的を達成するために、点灯状態における発光部の最冷部温度が800℃以上、発光部の肉厚が平均肉厚±20%に形成された前記発光管内に、前記金属ハロゲン化物として、ディスプロシウム、ホルミウム、タリウム及びセシウムの各ハロゲン化物のみが封入され、ハロゲン化ナトリウムの封入モル数が0に規定され、ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル数を夫々M及びMとしたときに、セシウムの封入モル数M及びタリウムの封入モル数Mが、夫々次式により算出される範囲の値に規定されていることを特徴とする。
[式] 0</(M+M)≦0.4
0.1≦M/(M+M)≦0.5
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明にかかるメタルハライドランプの要部を示す説明図、図2はその全体外管図、図3はセシウム封入量による発光効率の変化を示すグラフ、図4はタリウム封入量による平均演色評価指数Raの変化を示すグラフ、図5はディスプロシウム及びホルミウムの封入量による発光色の変化を示すグラフ、図6は各実施例のx−y色度図上における発光色変化を示すグラフ、図7は発光金属の封入量を示す表である。
本例のセラミックメタルハライドランプ1は、アルミナなど透光性セラミックで形成された発光管2が、片端に口金12を有する外球13内に収容配設されてなる。
発光管2は、発光部3とキャピラリ4A、4Bが透光性アルミナの粉末圧縮体で一体成形されて成り、発光部3の内部には金属ハロゲン化物、水銀及び始動用希ガスが封入されている。
また、略回転楕円型発光部3の両端に形成されたキャピラリ4R、4Lには、電極5、5を備えた一対の電極アセンブリ6A、6Bが挿通されて、そのキャピラリ4R、4Lの両端が、電気絶縁性を有するフリットガラスによって気密にシールされると同時に、該シール材によって電極アセンブリ6A、6Bが、キャピラリ4R、4L内の定位置に固定されている。
そして、口金12のステム14に立設された2本の支柱15、16に、サポートディスク17、17が所定間隔で固定され、その中心に形成された挿通孔にキャピラリ4R、4Lが挿通されて発光管2が取り付け支持されると共に、該ディスク17、17に発光部3を囲むように透光性スリーブ18が固定されている。
さらに、キャピラリ4R、4Lの端末から突出する電力供給リード7、7を各支柱15、16に直接溶接するか又はニッケルリボン線19,19を介して溶接することにより口金12に電気的に接続されている。
この発光管2は、点灯状態における最冷部温度が800℃以上、発光管2からキャピラリ4R、4L部分を除いた発光部3の肉厚がその平均肉厚±20%に形成されている。
最冷部温度を800℃とするために、本例では、完璧負荷が25.6W/cm(定格消費電力150W、内表面積5.86cm、発光管内容積1.2cc)となるように発光部3が形成されている。
また、発光部3は略回転楕円型に形成され、その肉厚が平均肉厚±20%に形成されている。本例では、
平均肉厚tav=8.5mm
に対し、
最小肉厚tmin=0.78mm
最大肉厚tmax=0.98mm
となっており、
許容最小肉厚tav−20%=0.68mm
最大許容肉厚tav+20%=1.02mm
であるので、平均肉厚±20%の許容肉厚寸法内で形成されている。
これにより、発光管発光部3内の最冷部温度を800℃以上に保持するために必要な管壁負荷を小さくでき、発光部内の温度差を従来より小さくできる。このため、希土類金属ヨウ化物と発光部内壁面を構成する材料との化学反応速度を低く抑えることができ、ランプ寿命を伸ばすことができる。
なお、セラミックメタルハライドランプの中には発光部とキャピラリ部とを3ピースまたは5ピースの部品に分けて加工し、それらを発光管焼結時の収縮による焼ばめによって組み立てる発光管がある。このタイプの組立型発光管は、部品を焼ばめする際の機械的強度を確保するために、発光部の端部が発光部中央付近の1.5倍以上の厚肉になっているのが一般的である。
この場合、厚肉部の放熱が他所より大きいため、厚肉部の温度が上がりにくく、この部分の温度を800℃以上に維持するためには管壁負荷を高めに設定しなければならず、その結果、発光部内における温度差が大きくなり、高温部において希土類金属ヨウ化物と発光管内壁面を構成する材料との化学反応速度が高くなり、発光管内壁面の浸食が速まってランプ寿命が短くなるという問題を生ずる。
ただし、発光部の肉厚ばらつきが平均肉厚±20%以内に抑えられていれば、組立型発光管であっても本発明と同様の効果を奏する。
また、発光部3は略回転楕円型に形成され、最大径をd、電極間距離をAとしたときに、その比d/Aが、
0.8≦d/A≦1.5
となるように範囲に選定され、本例では、
電極間距離A=10.0(mm)
最大径d=12.5(mm)
に設計されている。
d/Aの値を上記のように設定することは本発明の効果を得るために必ずしも必要ではないが、経験上この値の範囲であれば、発光部内の温度分布が良好な範囲に収まり、ランプライフ中の長期間に渡って発光部クラックなどの問題が起こりにくい。
d/Aが0.8より小さい細長形状の発光部を有するランプでは、光軸を垂直にして点灯した場合に下側電極に近い発光部端部付近に最冷部を生じるが、この最冷部を800℃以上に維持しつつ最高温度を比較的低温にするような設計は技術的に不可能ではないが、かなり難しく、設計裕度が小さくなってしまう。
d/Aが1.5を越える太くて短かい形状の発光部を有するランプでは、光軸を水平にして点灯した場合に発光部中央下側付近に最冷部を生じるが、この最冷部を800℃以上に維持するためには管壁負荷を高く設定する必要がある。そうすると、発光部内における温度差が大きくなり、特に発光部中央上側付近の発光管内壁面が高温となって希土類金属ヨウ化物と発光管内壁面を構成する材料との化学反応速度が高くなり、発光部内壁面の浸食が速まってランプ寿命が短くなる。
さらに、金属ハロゲン化物として、ディスプロシウム、ホルミウム、タリウム及びセシウムの各ハロゲン化物のみが封入され、ハロゲン化ナトリウムの封入モル数が0に規定されている。
また、ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル数を夫々M及びMとしたときに、セシウムの封入モル数M及びタリウムの封入モル数Mを、夫々次式により算出される範囲の値に規定した。
[式] 0</(M+M)≦0.4
0.1≦M/(M+M)≦0.5
さらに、ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル比M/Mにつき、発光色をJIS規格Z9112に規定する蛍光ランプの昼光色とする場合は、
0.2≦M/M≦0.4
に規定され、発光色を同規格に規定する蛍光ランプの昼白色とする場合は、
0.4<M/M≦0.6
に規定されている。
図3は、タリウムTl、ディスプロシウムDy、ホルミウムHoの各発光金属の封入モル数を固定し、セシウムCsの封入モル数Mを変化させたときの発光効率の変化を示すグラフである。
本例では、ディスプロシウムDy、ホルミウムHo、タリウムTlの封入モル数M、M、Mを以下の通りとした。
≒1.4×10−3mol
≒2.8×10−3mol
≒0.9×10−3mol
また、セシウムCsの封入モル数Mを、以下の範囲で変化させた。
0≦/(M+M)≦0.5
これによれば、0≦/(M+M)≦0.4のときに発光効率が85[lm/W]以上であり、0.4<M/(M+M)のときに、発光効率が85[lm/W]未満に低下することがわかる。
また、0≦/(M+M)≦0.2の範囲ではセシウムを増加させるに従って発光効率が増大していくが、0.2を超えると、それ以上セシウムを増加しても発光効率は減少していく。
これは、セシウムCsには「希土類金属の蒸気圧を高める」「可視光の発光効率を下げる」という2種類の効能があるが、0.2以下の範囲では前者の影響が大きく、セシウム比がそれより多くなると後者の影響が支配的になってしまうためと考えられる。
また、この傾向は他の金属の封入モル数が変化しても同様であった。
したがって、この結果より、発光効率85[lm/W]以上の高効率に維持するためには、セシウムCsの封入モル数Mが、0≦/(M+M)≦0.4であることが導かれる。
図4は、セシウムCs、ディスプロシウムDy、ホルミウムHoの各発光金属の封入モル数を固定し、タリウムTlの封入モル数Mを変化させたときの平均演色評価数Ra及び発光効率の変化を示すグラフである。
本例では、ディスプロシウムDy、ホルミウムHo、セシウムCsの封入モル数M、M、Mを以下の通りとした。
≒1.4×10−3mol
≒2.8×10−3mol
≒1.2×10−3mol
また、タリウムTlの封入モル数Mを、以下の範囲で変化させた。
0≦M/(M+M)≦0.6
これによれば、0≦M/(M+M)≦0.5のときに平均演色評価数Ra≧90となり、0.5<M/(M+M)のときに平均演色評価数Ra<90となり、それ以上は、タリウム封入量を増加しても平均演色評価数Raは減少していく。
また、M/(M+M)の値が減少するに従って発光効率は減少し、M/(M+M)<0.1のときに発光効率が85[lm/W]未満に低下することがわかる。
これらの傾向は他の金属の封入モル数が変化しても同様であった。
したがって、この結果より、タリウムの最適封入モル数Mは、以下の範囲であることが導かれる。
0.1≦M/(M+M)≦0.5
図5は、セシウムCs、タリウムTlの封入モル数を固定し、ディスプロシウムDy、ホルミウムHoの封入モル比M/Mを変化させたときの色温度の変化を示すグラフである。
本例では、セシウムCs及びタリウムTlの封入モル数M及びMを以下の通りとした。
≒1.2×10−3mol
≒0.9×10−3mol
また、ディスプロシウムDy、ホルミウムHoの封入モル比M/Mを以下の通り変化させた。
0.1≦M/M≦0.7
これによれば、0.2≦M/M≦0.37のときに色温度が、JIS規格Z9112に規定される蛍光ランプの昼光色に相当する5700〜7100Kとなり、0.4≦M/M≦0.6のときは同規格の昼白色に相当する4600〜5500Kとなり、この傾向は他の金属の封入モル数が変化しても同様であった。
図6は実施例1〜5、比較例1〜2の合計7種類のメタルハライドランプ1を100時間点灯させたときの発光色をx−y色度図で示したものである。
実施例1〜5、比較例1〜2の夫々のランプのハロゲン化物としての金属の封入モル数及びモル比は、図7の通りである。
発光部3の各部の温度は、赤外線放射温度計を使用し、発光部3表面を1mmの正方形要素に分割して、各要素の温度を測定した。
また、外球13を外し、発光部3を真空チャンバー中にて点灯し、熱電対にて温度測定した値を用いて放射温度計の測定値を較正した。
いずれの場合も、セラミックメタルハライドランプ1を、口金12が上方になるように鉛直方向に立てて点灯した場合、発光管の最冷部は口金12側のキャピラリ4Rと、発光部3との境界位置Pであり、いずれの場合も、その温度は810℃前後であった。
また、セラミックメタルハライドランプ1を、水平方向に倒して点灯した場合、発光管の最冷部は発光部3の最大径部下側位置Pであり、その温度は823℃前後であった。
実施例1は、ディスプロシウムDy、ホルミウムHo、タリウムTl、セシウムCsの封入モル数M、M、M、Mを以下の通りとした。
≒1.6×10−3mol
≒2.8×10−3mol
≒0.9×10−3mol
≒1.2×10−3mol
実施例2及び3は、セシウムCsの封入モル数Mを夫々、以下の通りとする以外は、実施例1と同様である。
≒1.5×10−3mol
≒0.0×10−3mol
実施例1〜3の場合、いずれも、発光色がJIS規格Z9112に規定される蛍光ランプの昼白色範囲に入っており、平均演色評価数Ra=94〜95、発光効率=85[lm/W]であった。
なお、実施例1のハロゲン化物としての金属の封入モル数は合計6.5×10−3molであり、発光管2の単位容積あたりの総封入モル数は5.410−3mol/ccとなる。この値は本実施例に使用した発光管および点灯条件において最適な封入量であったが、封入量がこの値の0.5倍から2倍程度に変化しても、発光特性はあまり影響を受けなかった。
発光管その他のランプ形状を本実施例と同じにした場合、発光部3の最冷部温度を本発明にて規定した下限値の800℃としたランプでは、ハロゲン化物としての金属の総封入モル数は実施例1に示した量よりも多めにした方がよい結果が得られる。一方、発光部3の最冷部温度を高めに設定したランプでは、ハロゲン化物としての金属の総封入モル数を実施例1に示した量よりも少なめにした方がよい結果が得られる。ただし、最冷部温度が950℃を越えるような条件で点灯させた場合、発光管最高温度が1200℃を越える場合があり、この場合には発光管2の内壁面が急速に劣化して数百時間で発光管2がクラックして極端な短寿命ランプとなる。
比較例1の場合、セシウムの封入モル数Mを以下の通りとする以外は、実施例1と同様である。
≒2×10−3mol
この場合、モル比でM/(M+M)=0.44と、モル比で0.4を超えており、発光色のy値が大となる方向にずれ、平均演色評価数Raは90であるが、発光効率が80[lm/W]まで低下している。
比較例2の場合、タリウムの封入モル数Mを以下の通りとする以外は、実施例1と同様である。
≒2.4×10−3mol
この場合、モル比でM/(M+M)=0.55と、0.25を大幅に超えており、発光効率は90[lm/W]と高いものの、発光色のy値が大となる方向にずれ、平均演色評価数Raも85と低下している。
実施例4は、ディスプロシウムの封入モル数Mを以下の通りとする以外は、実施例1と同様である。
≒1.0×10−3mol
この場合、モル比M/M=0.36と、0.40未満となっており、発光色がJIS規格Z9112に規定される蛍光ランプの昼光色範囲となり、平均演色評価数Ra=90、発光効率=85[lm/W]であった。
実施例5は、360Wのセラミックメタルハライドランプを設計した例を示す。外観形状は実施例1に示す150Wのセラミックメタルハライドランプとほぼ相似形であるが、
点灯状態における最冷部温度が800℃以上、発光部の肉厚が平均肉厚±20%に形成された発光部3は、その最大径d=19mm、電極間距離A=22mm、内表面積は19.15cmであり、管壁負荷は18.8W/cmとなっている。発光管2の内容積は7.1ccであった。
この発光部3に封入するディスプロシウムDy、ホルミウムHo、タリウムTl、セシウムCsの封入モル数M、M、M、Mを以下の通りとした。
≒5×10−3mol
≒11.9×10−3mol
≒3.5×10−3mol
≒2.7×10−3mol
この場合、発光色がJIS規格Z9112に規定される蛍光ランプの昼白色範囲に入っており、平均演色評価数Ra=95、発光効率=90[lm/W]であった。
以上述べたように、本発明は、主に一般照明に使用されるセラミックメタルハライドランプに適用できる。
本発明にかかるメタルハライドランプの要部を示す説明図。 その全体外管図。 セシウム封入量による発光効率の変化を示すグラフ。 タリウム封入量による平均演色評価指数Raの変化を示すグラフ。 ディスプロシウム及びホルミウムの封入量による発光色の変化を示すグラフ。 各実施例のx−y色度図上における発光色変化を示すグラフ。 発光金属の封入量を示す表。
符号の説明
1 セラミックメタルハライドランプ
2 発光管
3 発光部
4A、4B キャピラリ
5、5 電極
6A、6B 電極アセンブリ
7、7 電力供給リード

Claims (3)

  1. 金属ハロゲン化物、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとが、セラミックで形成された発光管を備えたセラミックメタルハライドランプにおいて、
    点灯状態における発光部の最冷部温度が800℃以上、発光部の肉厚が平均肉厚±20%に形成された前記発光管内に、前記金属ハロゲン化物として、ディスプロシウム、ホルミウム、タリウム及びセシウムの各ハロゲン化物のみが封入され、ハロゲン化ナトリウムの封入モル数が0に規定され、
    ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル数を夫々M及びMとしたときに、セシウムの封入モル数M及びタリウムの封入モル数Mが、夫々次式により算出される範囲の値に規定されていることを特徴とするセラミックメタルハライドランプ。
    [式] 0</(M+M)≦0.4
    0.1≦M/(M+M)≦0.5
  2. 前記ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル比M/Mが、
    0.4≦M/M≦0.6
    に規定されている請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。
  3. 前記ディスプロシウム及びホルミウムの封入モル比M/M
    0.2≦M/M≦0.37
    に規定されている請求項1記載のセラミックメタルハライドランプ。

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