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JP5042032B2 - 成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法 - Google Patents

成形品の製造方法、ガラス素材、ならびにガラス素材および成形型の面形状決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱垂下成形法による成形品の製造方法、熱垂下成形法に使用されるガラス素材およびその下面形状決定方法、ならびに熱垂下成形法に使用される成形型の成形面形状決定方法に関する。
眼鏡レンズ用ガラスモールドの成形方法としては、機械的研削研磨法や、機械的研削法や放電加工等の電気的加工法により作成した耐熱性母型を用い、これにガラスブランクスを接触加熱軟化させて母型の面形状を転写する方法等、得ようとする面形状ごとに研削プログラムを用いたり、対応する面形状を有する母型を成形する方法が採用されている。
近年、軸対称の非球面レンズ設計を組み入れることにより、薄肉軽量化を図った多焦点眼鏡レンズの需要が増大している。そのため、このような複雑な形状の眼鏡レンズを得るためのモールドの成形法として、熱垂下成形法が提案されている(特開平6−130333号公報、特開平4−275930号公報参照)。
熱垂下成形法は、ガラス等の熱軟化性物質からなるガラス素材を型の上に載せ、その軟化点以上の温度に加熱することによりガラス素材を軟化させて型と密着させることにより、型形状をガラス素材の上面に転写させて所望の面形状を有する成形品を得る成形法である。このように、熱垂下成形法は、ガラス素材上面を型と接触させずに間接的に成形する成形法であるため、上面形状の制御は容易ではない。特に、多焦点眼鏡レンズ用モールドを製造するためには、非球面の面形状を有する成形型が使用されるが、このように複雑な形状をガラス素材上面に高精度に転写することはきわめて困難であった。
また、眼鏡レンズの光学面形状は度数等によりアイテムごとに異なる。そのため、所望の光学面を成形するためのレンズ用モールドを得るためには、成形型の面形状もアイテムに応じて設計する必要がある。しかし、加熱軟化によりガラス素材の形状は複雑に変化するため、所望の光学面に対応する形状になるように設計した成形面を有する成形型を使用したとしても、ガラス素材上面を所望形状に成形することは困難である。そのため、実際は、ガラス素材、成形型の設計においては、ガラス素材、成形型それぞれに複数回の形状補正を加えることが行われている。このように、所望形状の成形品を得るためのガラス素材、成形型の設計は容易ではない。
かかる状況下、本発明の目的は、ガラス素材の上面を所望形状に成形するための手段を提供することである。
更に、本発明は、所望形状の成形品を製造するためのガラス素材および成形型の面形状を容易かつ簡便に決定するための手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、球面を除く自由曲面形状の成形面上において、上面および下面が共に球面であるガラス素材を加熱軟化し、ガラス素材の上面を成形型成形面に対して略オフセット面に成形することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形して成形品を得ることを含む成形品の製造方法であって、
前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であるガラスを使用し、
前記成形型として、成形面が、球面を除く自由曲面形状である成形型を使用し、
前記ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形する、前記製造方法
に関する。
更に、本発明は、
球面を除く自由曲面形状を有する成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形型成形面に対する略オフセット面に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材であって、
上面および下面が球面形状であり、かつ法線方向に実質的に等厚である、前記ガラス素材
に関する。
更に、本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の成形面形状を決定する方法であって、
前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
前記成形面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定する、前記方法
に関する。
更に、本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形することを含む成形品の製造方法であって、
前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であり、かつ法線方向に実質的に等厚であるガラス素材を使用し、
前記成形型として、球面を除く自由曲面形状の成形面を有し、かつ本発明の成形面形状決定方法によって成形面形状が決定された成形型を使用する、前記製造方法
に関する。
更に、本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材の下面形状を決定する方法であって、
前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
前記下面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定された成形面形状に基づき決定する、前記方法
に関する。
更に、本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材の下面形状を決定する方法であって、
前記成形品は眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
前記眼鏡レンズは、遠用屈折力測定基準点および近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力レンズであり、
前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
前記下面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する面として決定する、前記方法
に関する。
更に、本発明は、
成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形して成形品を得ることを含む成形品の製造方法であって、
前記成形型として、球面を除く自由曲面形状の成形面を有する成形型を使用し、
前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であり、法線方向に実質的に等厚であり、かつ本発明の下面形状決定方法によって下面形状が決定されたガラス素材を使用する、前記製造方法
に関する。
本発明によれば、熱垂下成形法により、所望形状の成形品を高精度に製造することができる。
更に、本発明によれば、熱垂下成形法に使用されるガラス素材および成形型の面形状を容易かつ簡便に決定することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の成形品の製造方法は、成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形して成形品を得ることを含む成形品の製造方法であって、前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であるガラスを使用し、前記成形型として、成形面が、球面を除く自由曲面形状である成形型を使用し、前記ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形するものである。
本発明の成形品の製造方法では、ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形する。成形型成形面に対するオフセット面とは、該面と成形型成形面との法線方向間隔が一定である面をいう。このように、オフセットとは、相似とは明らかに異なるものである。また、略オフセット面とは、成形型面形状の主たる要素がオフセットより構成されていることをいい、他の目的で加えられた補正、加工誤差などと合算されて構成される面形状を含むものとする。即ち、本発明において成形後のガラス素材上面と成形型成形面とは、法線方向間隔がどの位置においてもほぼ等しい略オフセットの関係にある。本発明の成形品の製造方法によれば、ガラス素材の所望の上面形状に対して略オフセット面となる成形面を有する成形型を使用することにより、所望形状の成形品を高精度に製造することができる。しかも、最終的に成形したい面形状(ガラス素材の上面形状)が決定すれば、該面形状に対して略オフセットの関係となるように成形型成形面を設計すればよいため、成形面の設計が容易である。更に、加工および設計が容易な両面球面のガラス素材から、多焦点眼鏡レンズ用モールドのように複雑な面形状の成形品を得ることができるという利点もある。
本発明では、法線方向に実質的に等厚なガラス素材を使用することにより、ガラス素材上面が成形型成形面に対して略オフセット面となるように成形を行うことができる。ここで、「法線方向に実質的に等厚」とは、ガラス素材上の少なくとも幾何中心、または遠用度数測定点を含む光学中心点において測定した法線方向厚さの変化率が1.0%以下、好ましくは0.8%以下であることをいう。
以下に、図1に基づき加熱軟化加工前のガラス素材の形状について説明する。図1に、法線方向に実質的に等厚なガラスの一例(断面図)を示す。
図1中、ガラス素材206は凹凸面を有するメニスカス形状であり、外形は円形である。さらにガラス素材凹面202および凸面201の表面形状は共に球面形状である。
ガラス素材両面の法線方向とは、ガラス素材表面上の任意の位置でガラス素材表面となす角度が垂直である方向を示す。従って法線方向は面上の各位置によって変化する。例えば図1の方向204はガラス素材凹面上の点208における法線方向を表し、法線方向204が凹凸面となす交点がそれぞれ208および209となるため、208と209との間隔が、法線方向の厚みとなる。一方、他のガラス凹面上の位置として例えば210や212があり、その法線方向はそれぞれ方向203と方向205である。法線方向203上では210と211の間隔が、法線方向205では212と213の間隔が、法線方向の厚みとなる。法線方向に等厚なガラス素材では、このように上下面の法線方向間隔が同一の値となる。つまり、法線方向に等厚なガラス素材では、上下面が同一の中心(図1中の207)を共有する球面の一部となる。
これに関連し、図2に、軟化前後のガラス素材と成形型との接触状態の模式図を示す。本発明者らは、図2(a)に示すように、ガラス素材下面周縁部の少なくとも一部において成形面と密着し、かつガラス素材下面中心部が成形型と離間するように成形型上に配置されたガラス素材の加熱軟化による形状変形について検討を重ねた。その結果、図2に示すように配置されたガラス素材は、加熱軟化により、ガラス素材上面(凹面)は面と平行方向に縮小し、下面(凸面)は面に平行な方向に拡大するように変形することが見出された。そして、本発明者らは更に検討を重ねた結果、ガラス素材の加熱軟化による形状変形において、凹凸両面の法線方向間隔が形状変化の前後でほぼ変化せずに維持されることを見出した。なお、図2には、上面が凹面、下面が凸面の例を示すが、上面が凸面、下面が凹面であっても同様に、凹凸面の法線方向間隔は形状変化の前後でほぼ維持される。詳細は未だ解明されていないが、これは、加熱軟化によるガラスの変形は粘弾性体の変形と同じか、または近似できることに起因すると考えられる。
ここで粘弾性体について概略を説明する。まず弾性体とは、力を加えればその力の大きさに比例して伸び、力を加えるのをやめれば元の形に戻る物体である。一方、粘性体とは、力を加えると徐々に変形していき、力を加えるのをやめるとそのままの形状を保持するという特質を持つ物体である。そして粘弾性体とは、弾性体と粘性体の両方の性質を持った物体であり、力を加えると弾性体の如く変形していき、力を加えるのをやめるとそのままの形状を保持する性質を持つ。以下に、簡略化のため板状のガラスを例に取り、粘弾性体の形状変形について更に説明する。
図3は板状ガラスの粘弾性体変形を示す図である。板状ガラスが加熱軟化により変形すると、板状ガラスは弾性体の如く円弧状に変形し、片面は伸びその反対面は縮むと考えられる。するとガラス両面の中間には伸びも縮みもしない面がある。これを中立面といい、その断面を中立線という。粘弾性体に近似できるとすると、図3で中立線ABの曲率半径をRとすると、そこから法線方向にδRだけ離れた曲線CDの長さは(R+δR)θと近似することができる。
一方、粘弾性体の断面は変形後も歪まずに平面を保ち中立面および両面に直交する。従って加熱軟化したガラス素材が弾性体と同様に変形し、変形後は粘性体の如く振る舞い変形後の形状が保持される。本発明者らは、こうしてガラス素材の法線方向の厚みは実質的に変化せず、変形の前後でガラス素材の上下面の法線方向間隔がほぼ保持されることを見出した。即ち、本発明において使用されるガラス素材は、法線方向に実質的に等厚であり、かつ該法線方向厚みが成形前後で実質的に変化しないことが好ましい。ここで、「法線方向厚みが成形前後で実質的に変化しない」とは、JIS規定の遠用測定点における法線方向厚みの成形前後の変化率が1%以下であることをいうものとする。
このようなガラス素材を使用することにより、成形型成形面に対してオフセットまたは略オフセットの関係となるようにガラス素材上面を高精度に成形することが可能となる。
上記のようにガラス素材を粘弾性体に近似するためには、ガラス素材の法線方向厚みに対してガラス素材の外径が十分に大きいこと、およびガラスの鉛直方向変形量に対してガラス素材外径が十分に大きいことが好ましい。具体的には、粘弾性体とみなし得るために本発明において使用されるガラス素材は、法線方向厚みが2〜10nmであることが好ましく、5〜7nmであることがより好ましい。一方、前記ガラス素材の外径は、60〜90nmであることが好ましく、65〜86nmであることがより好ましい。なお、ガラス素材の外径とは、ガラス素材の下面周縁端部の任意の1点と、周縁端部上の対向する点との距離をいうものとする。
更に、本発明は、成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形する成形法に使用される成形型の成形面形状を決定する方法であって、前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、前記成形面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定する、前記方法に関する。
先に説明したように、加熱軟化による変形の前後でガラス素材の上下面の法線方向厚みはほぼ保持される。よって、成形後のガラス素材の上面と成形型成形面との法線方向間隔は、成形前のガラス法線方向厚みと実質的に同一とみなすことができる。従って、成形型成形面の形状は、所望のガラス素材上面形状とガラス素材の法線方向厚みに基づき決定することができる。即ち、所望のガラス素材上面形状を決定し、次いで、その決定された形状の面との法線方向間隔が、ガラス素材の法線方向厚みと一致する面を決定することにより、成形型成形面の面形状を決定することができる。
更に、本発明は、成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形する成形法に使用されるガラス素材の下面形状を決定する方法であって、前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、前記下面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定された成形面形状に基づき決定する、前記方法に関する。
更に、本発明により、遠用屈折力測定基準点と近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力眼鏡レンズ用モールドを製造する場合、ガラス素材の下面形状を、前記遠用屈折力測定基準点の平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する面となるように決定することが好ましい。こうすることにより、後述するように少なくとも所定の3点でガラス素材下面と成形型成形面とを当接させることができ、非球面形状の成形型成形面上に球面形状のガラス素材を安定に配置することができる。なお、累進屈折力レンズおよび屈折力測定基準点の詳細は後述する。更に、本発明では、法線方向に等厚であり、かつ上下面とも球面形状のガラス素材を使用するため、前記のようにガラス素材下面形状が決定されれば、法線方向厚みに基づきガラス素材上面形状も決定することができる。
一方、本発明によれば、両面球面のガラス素材を使用するため、単焦点眼鏡レンズ用モールドを製造する場合には、前述のように成形型成形面の形状が決定されれば、決定された成形型成形面の形状に基づき、ガラス素材の下面形状を決定することができる。以下、下面形状決定方法の詳細について説明する。
本発明では、ガラス素材の下面は球面であるため、球面の中心と、任意の円周上の対向する2点の合計3点が決定されれば曲率半径が求められ、下面形状が決定される。例えば、図2(a)に示すように、下面周縁端部の少なくとも一部と成形面とが密着し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態となるように成形型上にガラス素材を配置する場合、ガラス素材下面周縁端部の1点と、該点と対向する点(図2(a)中、EおよびE’)で、ガラス素材下面が成形面と接すると仮定する。なお、ガラス素材の下面は球面であるため、前記接触位置は、成形型成形面上の中心から一定距離の円の円周上の点となり、両点の距離(図2(a)中、EおよびE’)は、ガラス素材の外径と一致する。次に、成形型成形面の中心位置から鉛直方向に距離Tだけ離れた点(図2(a)中のC)を特定する。距離Tは、加熱前のガラス素材下面と成形型成形面との間隔に相当し、ガラス素材の寸法、熱変形特性等を考慮して決定することができ、例えば0.2〜5mmとすることができる。
これにより、E、E’およびCを通過する球面の形状、即ちガラス素材下面形状が決定される。
ガラス素材の下面形状を決定する方法について、より詳細に説明する。
図2(a)中、E、E’を結ぶ線(図2(a)中の点線)と、成形面中心との鉛直方向の距離をdt(mm)、E−E’間の距離をD(mm)、成形面の平均曲率をRとする場合、下記式:
Figure 0005042032
により、dtを求めることができる。
次に、求めたdtとガラス素材下面中心と成形面中心との距離T(mm)から、下記式:
Figure 0005042032
により、下面の曲率半径rを求めることができる。以上により、ガラス素材の下面形状を決定することができる。
更に、両面球面であり法線方向に等厚なガラス素材を使用することにより、上記のようにガラス素材の下面形状が決定されれば、決定された下面形状とガラス素材の法線方向厚みから、ガラス素材の上面形状を決定することができる。即ち、決定された面形状を有する下面との法線方向間隔が、ガラス素材の法線方向厚みと一致する面を、ガラス素材の上面とすることができる。
本発明では、以上のように面形状が決定された成形型およびガラス素材を使用して、成形品を製造することができる。なお、こうして決定された面形状の成形型およびガラス素材を用いて高精度に成形を行うためには、粘弾性体への近似を良好に行い得る、先に記載した好ましい法線方向厚みおよび外径を有するガラス素材を使用することが好ましい。こうして、成形型成形面に対する略オフセット面となるようにガラス素材上面形状を成形することができる。
次に、本発明において使用可能な成形型について説明する。
ガラス素材を配置する成形型は、球面を除く自由曲面形状の成形面を有するものであれば特に限定されず、熱垂下成形法に使用される公知の成形型を用いることができる。
前記自由曲面形状とは、光学面上の遠用部測定位置における曲率とその他の位置における曲率が異なる面によって構成される面形状のことであり、例えば軸対称非球面屈折力レンズ、累進屈折力レンズ、両面非球面型累進屈折力レンズなどの光学面を構成する面形状である。
ところで球面形状とは遠用測定部とレンズ光学面上のその他の位置において曲率が一定となる形状のことである。一方軸対称非球面形状とは例えば幾何中心に配置された遠用部測定位置の曲率とレンズ光学面上のその他の位置における曲率が異なる形状のことである。一般に軸対称非球面レンズは幾何中心に遠用測定部を配置し、中心からレンズ周縁部に至る主経線上で、レンズ中心から離れるにしたがって連続的に曲率が増大、または減少する形状である。中心対称非球面レンズは、例えば図11bの断面を有する。さらに累進屈折力レンズは、老視用累進屈折力レンズとして用いられるレンズである。累進屈折力レンズは老視用眼鏡レンズでありながら外見上は容易に老眼鏡と察知されない利点や、遠距離から近距離まで切れ目なく連続的に明視しうる利点などの理由から、一般に広く利用されている。しかしながら、限られたレンズ面積の中に境界線を介入させることなく、遠方を見るための視野と近方を見るための視野、更にはそれらの中間的な距離を見るための視野といった複数の視野を配置する。本発明により加工可能な累進屈折力レンズとしては、例えば、第一には物体側表面である第1の屈折表面と眼球側表面である第2の屈折表面の何れかに累進面を有する片面累進屈折力レンズ、第2には物体側表面である第1の屈折表面と眼球側表面である第2の屈折表面とに分割配分されている累進屈折力作用を備え、前記第1の表面と前記第2の表面とを合わせて処方値に基づいた遠用度数と加入度数を与える構成となっている両面非球面型累進屈折力レンズを挙げることができる。累進屈折力レンズは、例えば図7〜図10の度数分布、または図11aおよび図11cの断面を有する。
更に、本発明では、所定の粗さの成形面を有する成形型を用いることが好ましい。一般に熱垂下成形法に使用される成形型の成形面は、研磨などにより鏡面加工される。しかし、ガラス素材と接触する成形型の成形面が研磨面のような平滑面であると、ガラス素材との融着が頻繁に発生し、ガラス材料の除去の際に成形型表面を痛めるなどして耐久性が低下するおそれがある。それに対し、所定の粗さの成形面を有する成形型を用いれば、ガラス素材との融着を防ぐことができる。この点を、図4に基づき説明する。
図4に、所定の粗さの成形面を有する成形型における、加熱軟化前後の成形型とガラス素材との接触状態の拡大模式図を示す。図4に示すように、所定の粗さの成形面では、軟化の進行と共にガラス素材の一部で融着が発生しても、融着は成形面全面では発生せず、凸部の一部にのみに限定され、ガラス素材と成形型の成形面の接着強度が強固にならない。このため成形型からのガラス素材の除去が容易になり、成形型および軟化後のガラス素材(成形品)の損傷を防ぐことができる。但し、成形面の粗さが過度に大きいと、ガラス素材上面形状に影響を及ぼし所望の面形状が得られないおそれがある。以上の点を考慮し、成形型としては、例えば、最大高さRmaxが0.1〜100μmの範囲であり、かつ局部山頂の平均間隔Sが0.01〜1.00mmの範囲である複数の凹凸を有する成形型を使用することが好ましい。前記RmaxはJIS BO601−1982に規定された表面粗さの定義に従って測定された値をいう。また、前記局部山頂の平均間隔Sは、例えばJIS K7125に規定された定義に従って測定された値をいう。前記粗さ最大高さRmaxは、好ましくは1〜10μm、より好ましくは3〜9μmである。前記局部山頂の平均間隔Sは、好ましくは0.01〜0.1mm、より好ましくは0.05〜0.5mmである。また、前記成形面の粗さは、JIS BO601−1982に規定された表面粗さの定義に従って測定される算術平均粗さRaとしては、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.3〜0.9μmである。上記範囲内であれば、融着防止と成形精度を両立することが可能となる。
上記凹凸の高さおよび間隔の測定は、例えばテーラーホブソン社製のフォームタリサーフを主として用いて行うことができる。フォームタリサーフはルビーもしくはダイヤモンドが測定子の先端に配置され、測定子先端がレンズの表面上を接触しながら移動し、レンズ表面を走査して表面形状を測定する。その測定走査軌跡は通常直線のみとなっている。測定は表面の一部で行い、測定の走査方向が成形型成形面凹凸に直交するように行う。測定後は測定値の凹凸の高さと間隔からそれぞれ成形型成形面凹凸高さ及び凹凸間隔を解析して求める。
前記成形型は、一般に熱垂下成形法に使用される公知の成形型に使用される素材から形成することができる。但し、金属は、軟化加工の一般的な最高温度800℃での耐久性に乏しく、また熱膨張率が大きいため、800℃近い温度変化では熱膨張により形状が大きく変形する。変形量が大きいとガラス素材と成形型の接触面では冷却時に収縮差に耐えられずガラス素材または成形型の少なくとも一方が破損するおそれがある。そこで、本発明において使用される成形型は、膨張係数がガラス素材に近く、耐久性に優れた耐熱性材料から形成したものであることが好ましい。耐熱性材料としては、例えばアルミナ系(Al23)、アルチック系(Al23−TiC)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素系(Si34)、窒化アルミニウム系(AlN)、炭化ケイ素系(SiC)等のSiO2、Al23またはMgOを主成分とするセラミックが適している。ここで、「主成分とする」とは、上記成分が、成形型構成成分の50質量%以上を占めることをいう。
成形型素材としては、例えば、第1には硬さ(ビッカーズ硬さ)7〜24Hv、曲げ強度400〜2000MPa、ヤング率180〜410GPa、熱伝導率3.0〜170W/mk、線膨張係数4.30〜10.8×10E−6、耐熱温度750〜850℃、密度3.10〜10.70g/cm3のものが適している。さらに第2には、特に硬さ(ビッカーズ硬さ)7〜15Hv、ヤング率190〜210GPa、線膨張係数6.0〜7.0×10E−6、耐熱温度775〜825℃のものが好適である。加えて第3には、硬さ(ビッカーズ硬さ)9〜15Hv、ヤング率180〜402GPa、線膨張係数4.30〜10.8×10E−6、耐熱温度800℃以上のものが特に好適である。さらに、成形型素材は疎水性であることが好適である。
前記の表面粗さを有する成形面は、研磨を行わず、通常の切削または研削加工のみで得ることができる。本発明では、球面形状をした研磨面を有する高精度な球面形状ガラス素材と、球面を除く自由曲面形状型との組み合わせにより、ガラス素材上面に、球面を除く自由曲面の光学面を容易に形成することができる。前記表面粗さの成形面であれば、成形面を自由曲面形状に研磨するという工程を必要とせずに、鏡面の自由曲面ガラス光学面を得ることができる。これは、コスト面および生産性の点で大きな利点である。
本発明では、成形に先立ち、成形型成形面上に、ガラス素材を配置する。ガラス素材は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも一部において成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形型と離間するように成形型上に配置することができる。本発明では、球面を除く自由曲面形状の成形面上に、下面が球面形状のガラス素材を配置するため、ガラス素材を安定に配置するためには、ガラス素材を、下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触するように配置することが好ましい。
本発明の成形品の製造方法は、注型重合により眼鏡レンズを得るための眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部を製造する方法として適用することができる。一般に、眼鏡レンズは、単焦点眼鏡レンズ、多焦点眼鏡レンズ、および累進屈折力眼鏡レンズに分類される。累進屈折力レンズについてはJIS T 7315、JIS T 7330に概略が記載されている。以下に、累進屈折力眼鏡レンズについて説明する。
累進屈折力レンズは、遠方、中間、近方それぞれの視野領域を使用頻度に応じて配分されるレンズである。使用頻度の高い遠用領域を広くとる場合が多く、遠方重視、近方重視に応じて設計される。対物距離に対応した視野領域の広さの違いで用途が異なり、汎用累進屈折力レンズ、中近累進屈折力レンズ、近近累進屈折力レンズの3種類に大別できる。遠方重視タイプ、遠中重視タイプと呼ばれるものもある。汎用累進屈折力レンズは遠近両用として用いられ、遠方から近方まで見ることができる機能を持っているが、中間領域や近用領域の視野の広さに制限がある。一般に、遠近の視野領域が広いほど、中間領域側に累進特有の揺れや歪みが生じやすい。中近累進屈折力レンズは遠用領域を限定することによって中間領域や近用領域を広く持っている。遠用領域は汎用よりも上方の位置であり、長い累進帯をもつため、累進特有の揺れや歪みが少ないが、遠方視には適さない。近近累進屈折力レンズは主に近用領域で遠用領域がないため、単焦点レンズとして分類されることもある。前記いずれの分類の累進屈折力レンズも、本発明の製造方法または後述する本発明の成形型を用いて製造される成形品を鋳型として用いて製造される対象レンズとして好適である。
累進屈折力レンズは、レンズの凹凸面における累進要素の配置に応じて、3種類に分類される。第一に凸面に累進面を配置した凸面(外面)累進屈折力レンズ、第2に凹面に累進面を配置した凹面(内面)累進屈折力レンズ、第3に両面に累進要素を分割配置した両面非球面型累進屈折力レンズ(両面複合累進ともいう)である。
凸面型累進屈折路力レンズは凸面に累進面を有し、凸面の光学面表面形状により累進屈折力を形成している。凹面累進屈折路力レンズも凹凸の違いを除けば同様である。
両面非球面型累進屈折力レンズは「外面累進屈折力レンズ」と「内面累進屈折力レンズ」の両方の長所を併せ持たせるため、累進帯の長さにかかわる縦方向の屈折力変化を凸面側に、揺れや歪みにかかわる横方向の屈折力変化を凹面側に分割配置した構造を有する累進屈折力レンズである。この「両面複合累進」の面は表裏いずれも累進面ではない特殊な非球面で構成されており、表裏ともに累進面を用いて所定の加入度数を表裏で分担する従来の「両面累進屈折力レンズ」とは構造的に異なる累進屈折力レンズである。レンズの両面を複合的に活用できるため、遠中近の全てについてクリアな視野を広げることができ、特にレンズ周辺部における揺れや歪みが改善されている。
眼鏡レンズの屈折率を測定する基準点として、JIS T7315、JIS T7313またはJIS T7330に屈折力測定基準点が規定されている。屈折力測定基準点は、眼鏡レンズの物体側または眼球側の面上の例えば直径8.0〜8.5mm程度の円で囲まれる部分である。屈折力測定基準点は、単焦点眼鏡レンズでは、レンズ表面中央部に位置する。また、累進屈折力レンズおよび多焦点眼鏡レンズは、複数の屈折力測定基準点を有する。後述するように、累進屈折力レンズは、汎用累進屈折力レンズ、中近累進屈折力レンズ、近近累進屈折力レンズの3種類に大別できる。汎用累進屈折力レンズおよび中近累進屈折力レンズには、遠用部測定基準点と近用部測定基準点という2つの屈折力測定基準点が存在し、近近累進屈折力レンズには、2つの近用部測定基準点が存在する。
累進レンズは、一般に上下左右非対称な非球面形状で形成されており球面形状と比較して複雑な形状で構成される。累進屈折力レンズの遠用部測定基準点と近用部測定基準点の間に位置する中間領域は累進帯と呼ばれ、屈折力が累進的に変化している。さらに近用部測定基準点は主子午線から左右いずれかの位置の眼球の輻輳に相当する位置に配置されており、眼球の左右区分に応じて主子午線の左右いずれに配置されるかが決定される。従って凸面累進レンズの場合、凸面は左右上下非対称な非球面形状である。このような面形状を形成するための鋳型上面も非球面形状であるため、この鋳型上面形状(所望のガラス素材上面形状)と略オフセットの関係にある成形型成形面の形状も左右上下非対称な非球面形状となる。ところがガラス素材は球面形状である。上下左右非対称な型上に球面形状のガラス材料を載置すると安定した状態で固定することができず不安定になることがある。両面非球面型累進屈折力レンズの場合も同様である。非球面形状の成形面上に、球面形状のガラス素材を安定に配置するためには、少なくとも、ガラス素材下面周縁部の、累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点が成形面と接触するように、成形型上にガラス素材を配置することが好ましい。ガラス素材が成形され成形品(鋳型またはその一部)となった場合、該鋳型では、ガラス素材上面(成形面と密着した面とは反対の面)であった面が眼鏡レンズに転写される。前記のガラス素材下面の「屈折力測定基準点に相当する位置」とは、得られる鋳型表面において眼鏡レンズの屈折力測定基準点に転写される部分となるガラス素材上面の部分に対向する、ガラス素材下面の部分をいう。先に説明したように、ガラス素材下面を、最終的に得ようとする累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状に形成することにより、前記3点を支持点としてガラス素材を成形面上に安定に配置することができる。
図12(a)は、累進屈折力レンズ用鋳型を製造するための成形素材の下面と成形型成形面との接触の説明図である。図12(a)中、支持点A、B、Cはガラス素材下面の成形面との接触点である。図12(a)中、2つのアライメント基準位置を通るレンズの水平線(水平基準線または主経線ともいう)に相当する線より上部の支持点A、Bが、遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点であり、子午線より下部の支持点Cが、近用屈折力測定基準点に相当する位置側の1点である。図12(a)に示すように、遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置することが好ましい。また、近用屈折力測定基準点に相当する位置側の支持点は、最終的に得ようとするレンズが片面のみ累進面を有する表面形状の場合、図12(a)に示すように、主子午線に相当する線に対して近用屈折力測定基準点と反対の位置に配置されることが好ましい。一方、最終的に得ようとするレンズが累進要素を有する非球面形状(例えばHOYA(株)製HOYALUX iDの凸面)の場合、図12(b)に示すように、近用屈折力測定基準点に相当する位置側の接触点は、主子午線に相当する線上(図12(b)中の支持点F)に位置することが好ましい。
なお、ガラス素材下面の「遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線」とは、鋳型表面において眼鏡レンズの前記主子午線が位置する部分に転写される部分となるガラス素材上面の部分に対向する、ガラス素材下面の部分をいう。
以上説明した態様では、少なくとも上記3点が接触点(支持点)となることが好ましいが、4点以上で接触することももちろん可能である。
一方、単焦点眼鏡レンズは、下面周縁部全周で成形面と接触するように配置することが好ましい。
ガラス素材としては、特に限定されないが、クラウン系、フリント系、バリウム系、リン酸塩系、フッ素含有系、フツリン酸系等のガラスが適している。ガラス素材の構成成分として、第一には、例えばSiO2、B23、Al23を含み、ガラス材料組成はモル百分率でSiO2が45〜85%、Al23が4〜32%、Na2O+Li2Oが8〜30%(但しLi2OはNa2O+Li2Oの70%以下)、ZnOおよび/またはF2の合計量が2〜13%(但しF2<8%)、Li2O+Na2O/Al23が2/3〜4/1、SiO2+Al23+Na2O+Li2O+ZnO+F2>90%なるガラスが適している。
また第2には、例えばガラス材料組成はモル百分率でSiO2が50〜76%、 Al23が4.8〜14.9%、Na2O+Li2Oが13.8〜27.3%(但しLi2OはNa2O+Li2Oの70%以下)、ZnOおよび/またはF2の合計量が3〜11%(但しF2<8%)、Li2O+Na2O/Al23が2/3〜4/1、SiO2+Al23+Li2O+Na2O+Li2O+ZnO+F2>90%なるガラスは好適である。
加えて第3には例えば、
SiO2(47.8%)、Al23(14.0%)、Na2O(12.1%)、B23(%)、ZnO(6.0%)、F2(2%)、MgO(2%)、Li2O(16.1%)、As23(0.3%)よりなるガラス組成:
さらに第4には例えば、
SiO2(63.6%)、Al23(12.8%)、Na2O(10.5%)、B23(1.5%)、ZnO(6.3%)、Li2O(4.8%)、As23(0.3%)、Sb23(0.2%)よりなるガラス組成はさらに好適である。そして10%を越えない範囲で他の金属酸化物、例えばMgO、PbO、CdO、B23、TiO2、ZrO2や着色金属酸化物等をガラスの安定化、溶融の容易、着色等のために加えることができる。
またガラス素材の他の特徴として、例えば熱的性質は、歪点460〜483℃、除冷点490〜621℃、軟化点610〜770℃、ガラス転移温度(Tg)が510〜665℃、屈伏点(Ts)が535〜575℃、比重は2.47〜3.65(g/cm3)、屈折率は、Nd1.52300〜1.8061、熱拡散比率は0.3〜0.4cm2*min、ポアソン比0.17〜0.26、光弾性定数2.82×10E−12、ヤング率6420〜9000kgf/mm2、線膨張係数8〜10×10E−6/℃ が適しており、また歪点460℃、除冷点490℃、軟化点650℃、ガラス転移温度(Tg)が485℃、屈伏点(Ts)が535℃、比重は2.47(g/cm3)、屈折率は、Nd1.52300、熱拡散比率は0.3576cm2*min、ポアソン比0.214、光弾性定数2.82×10E−12、ヤング率8340kgf/mm2、線膨張係数8.5×10E−6/℃が特に好適である。
前記ガラス素材の上面および下面形状の設計については、先に説明した通りであり、決定された面形状となるようにガラスを加工することより、成形対象となるガラス素材を得ることができる。ガラス素材の加工は、公知の方法で行うことができる。ガラス素材の形状は、上下両面が球面であれば特に限定されず、球状、楕円形状、回転対称形状(トーリックレンズ、非球面回転対称屈折力レンズ)、自由曲面形状(累進屈折力レンズ、非球面型両面屈折力レンズ)等であることができ、好ましくは、両面に球面の研磨面を有するメニスカス形状である。ガラス素材の表面は、鏡面とすることが好ましい。その表面粗度は、粗さ最大高さRmax0.04μm以下であることが好ましく、算術平均粗さRaは0.005μm以下であることが好ましい。ガラス素材の粗さの下限値は、例えば、最大粗さRmaxで0.01μm、算術平均粗さRaで0.01μmである。
ガラス素材を成形型成形面上に配置した後、ガラス素材を、成形型上で変形可能な温度まで加熱する。変形可能な温度とは、ガラス転移点(Tg)以上の温度であることが好ましい。加熱は、公知の方法、例えば成形型を電気炉内に配置して行うことができる。ガラス素材が設定した温度となるように電気炉内の雰囲気温度を制御することにより、ガラス素材を所望の温度に加熱することができる。なお、温度制御の詳細については後述する。
図2(a)に示すように、加熱前には、ガラス素材下面と成形面との間には、一部に隙間が生じており完全に密着していない。この状態でガラス素材を加熱すると、軟化によりガラス素材の流動性が増し、図2(b)に示すように、ガラス素材下面が成形面と密着した状態になる。なお、ここでいう「密着」とは、成形面表面の凹凸内にまでガラス素材が侵入した状態を意味するものではない。
本発明では、図2に示すように、ガラス素材を配置した成形型上に、閉塞部材を配置し、ガラス素材を配置した成形型の成形面側開放部を閉塞することが好ましい。なお、本発明における「閉塞」とは、塵や埃等の異物が出入りしない程度に内部空間を外部と隔離することを意味するが、気体の出入りは許容するものとする。
加熱軟化されたガラス素材の表面は、非常に反応性が高い。成形工程は通常長時間に及ぶため、その間に空気中の塵や電気炉内のゴミ等の異物がガラス素材上面に付着すると強固に固着し、成形精度が低下し、ひいては光学面を形成することができなくなるおそれがある。それに対し、閉塞部材によってガラス素材の成形面側開放部を閉塞した状態で、ガラス素材を加熱軟化して成形すれば、上記のような異物混入を防ぐことができる。また、上記のように閉塞部材を用いれば、電気炉を含む大規模クリーンルーム装置を設置する必要がなくなるという利点もある。
前記閉塞部材は、ガラス素材を配置した成形型の成形面側開放部を閉塞し得る形状を有するものであればよい。そのような閉塞部材の一例を、図2に基づき説明する。但し、本発明は、図2に示す態様に限定されるものではない。また、以下では閉塞部材が蓋部材である態様について説明するが、本発明における閉塞部材は蓋形状のものに限定されるものではない。
なお、図2に示す態様では、蓋部材と成形型との間に環状の保持部材を配置し、保持部材外周の段差部にある端面と蓋部材開口部端面とを勘合させている。このような保持部材を使用しない場合は、成形型外周部に閉塞部材保持のための段差部を設け、該段差部端面と閉塞部材開口部とを勘合させればよい。
図2に示す蓋部材は、円柱形状の一部をなしており、円柱形状の一方の底面のみが開口し、内部に空間が形成されている。閉塞部材の寸法は特に限定されないが、耐衝撃性と熱伝導効率の観点から、厚みは1〜5mm程度、内部高さは5〜100mm程度、特に30〜60mmが好適である。
図2に示す蓋部材には、内部に段付け部が形成されており、段付け部から開口部に向かう側面の厚さは、段付け部から上面へ向かう側面より薄くなっている。このように閉塞部材の開口部端面の厚さを薄くすることにより、閉塞部材と保持部材(保持部材を使用しない場合は成形型)との接触面が小さくなり、閉塞部材の自重によって与えられる開口部端面にかかる単位面積あたりの圧力が高くなるため、閉塞部材内部の気密性を高めることができる。また、図2に示すように保持部材を使用する場合、蓋部材の開口部端面の面積が小さくすれば、保持部材の閉塞部材との接触部の面積を小さくすることができ、保持部材全体の小型化につながる。保持部材の小型化により、保持部材の熱膨張の量が減少するため、閉塞部材の気密性を向上させることができる。
成形型または保持部材と勘合する閉塞部材の開口部端面は、密閉性向上のため平滑面とすることが好ましい。また、ガラス素材の熱分布を均一にするためには、閉塞部材の開口部と対向する内側上面は、ガラス素材上面形状と近似した形状とすることが好ましく、ガラス素材上面形状と略相似形状とすることが更に好ましい。また、蓋部材の開口部と対向する内側上面を、略平面とすることも好ましい。閉塞部材の内側上面形状をガラス素材上面形状と近似した形状とすれば、成形型上に配置されたガラス素材に閉塞部材からの輻射熱を均等に照射し、ガラス素材の熱分布の均一性を高めることができる。但し、ガラス素材の上面形状はアイテムによって異なる。そこで、上面形状の異なる複数のガラス素材を成形する際にもガラス素材の熱分布の均一性を確保するためには、閉塞部材の内側上面は略平面とすることが好ましい。更に、閉塞部材の内側上面の周縁部は、図1に示すように、角がとれた丸みを帯びた形状とすることが好ましい。角があると部分的に熱分布が不均一になりやすくなるが、図1に示すように丸みを帯びた形状とすることにより、閉塞部材内部の熱分布を均一にすることができる。また、例えばセラミック製の蓋部材の場合、セラミックの性質から角があると欠けやすいため、上記のように丸みを帯びた形状とすることは耐久性向上の効果もある。
前記閉塞部材は、成形型または成形型上に配置された保持部材と勘合することにより、閉塞部材内部を外部雰囲気から隔離する。このように閉塞部材内部の雰囲気を外部から隔離することにより、塵やゴミ等の異物の飛散、混入を防止することに加え、ガラス素材が晒される雰囲気の温度分布の不均一および急激な温度変化を緩和する緩衝効果も得ることができる。従来の熱垂下成形法では、ガラス素材は成形型上に配置され、成形型とともに炉内に導入される。しかし、炉内の熱分布は均一ではないため、炉内で複数のガラス素材を均等に加熱することは困難である。また、炉の温度変化が直接ガラス素材に影響するため、急激な温度変化により歪等が生じるおそれもある。
それに対し、前記閉塞部材は、外部の熱を暫時保持し、閉塞部材自体が均一な温度分布となる。そして蓄積された熱は閉塞部材から内部へ放射される。前述のように閉塞部材の内側上面形状を調整することにより、閉塞部材各部を熱源として放射された熱がガラス素材へ均等に照射されるように制御し、ガラス素材を均一に加熱することができる。また、炉内の急激な温度変化が閉塞部材によって緩和されるため、急激な温度変化による歪等の発生を防ぐこともできる。ガラス素材の加熱軟化を良好に行うためには、前記閉塞部材の熱伝導率は、3〜170W/mkであることが好ましく、より好ましくは90〜120W/mkである。
前記閉塞部材は、耐熱性に優れたセラミック材料からなるものであることが好ましい。セラミック材料としては、例えば、アルミナ系(Al23)、アルチック系(Al23−TiC)、ジルコニア系(ZrO2)、窒化珪素系(Si34)、窒化アルミ系(AlN)、炭化珪素系(SiC)等のSiO2、Al23、MgOを主成分とするセラミックが適している。ここで、「主成分とする」とは、上記成分が、閉塞部材構成成分の50質量%以上を占めることをいう。
閉塞部材の素材として好適な耐熱性材料は、例えばSiO2、Al23、MgOを99%以上、その他にK2O等を含むセラミックである。
閉塞部材の材質としては、例えば、第1には硬さ(ビッカーズ硬さ)7〜24Hv、曲げ強度400〜2000MPa、ヤング率180〜410GPa、線膨張係数4.30〜10.8×10E−6、耐熱温度750〜850℃、密度3.10〜10.70g/cm3のものが適している。さらに第2には、特に硬さ(ビッカーズ硬さ)7〜15Hv、ヤング率190〜210GPa、線膨張係数6.0〜7.0×10E−6、耐熱温度775〜825℃のものが好適である。加えて第3には、硬さ(ビッカーズ硬さ)9〜15Hv、ヤング率180〜402GPa、線膨張係数4.30〜10.8×10E−6、耐熱温度800℃以上のものが特に好適である。さらに、閉塞部材の素材は疎水性であることが好適である。
閉塞部材の製造方法は特に限定されず、例えばセラミック製蓋部材の場合は、粉末治金法によって製造することができる。具体的には、セラミック粉末の顆粒粉を蓋部材の鋳型となる金型に詰め、プレス成形する。次いで、成形されたセラミックを、例えば1000℃以上の高温(例えば1550〜1750℃)で所定時間(例えば10時間程度)加熱することにより、セラミックの焼結体である蓋部材を得ることができる。その後、好ましくは閉塞部材の開口部端面を平滑加工する。平滑加工は、特に限定されず、通常の面取り方法を用いて行うことができる。例えば、総型ダイヤ皿の平面タイプを加工装置の下軸に取り付け、約200〜300rpmにて回転させて蓋部材開口部側面を研削することにより、平滑面とすることができる。なお、平滑加工では冷却のため水を加工面に供給(例えば約1〜2L/分)することが好ましい。
セラミック製閉塞部材の場合、閉塞部材の内側上面には、粒子飛散防止加工を施すことが好ましい。これは、成形中にセラミックの微粒子が落下し、ガラス素材上面を汚染することを防止するためである。粒子飛散防止加工としては、上釉を塗布、焼成する方法を用いることができる。前述の閉塞部材製造工程において、プレス成形後、焼成前に、上釉を閉塞部材内側上面に塗布することにより、焼成によって上釉を蓋部材内側上面に密着させることができる。なお、この粒子飛散防止処理は、少なくともガラス素材上面と対向する閉塞部材内側上面に行えばよい。また、後述のように成形型に設けた貫通孔を通して吸引を行いつつ成形を行う場合は、粒子飛散防止加工を閉塞部材内側上面に行い、側面は未処理として通気性を確保することが好ましい。
上釉は、一般に焼き物の表面に光沢を付与するために用いられる、ガラス粒子を含む粘性物質である。一般的な上釉は、SiO2、Al23、CaO、MgO、K2O、Na2O、Fe23、Li2O等からなる。閉塞部材内側上面に上釉を塗布した後、融点より高温で焼成すれば、ガラス粒子が熔解するため閉塞部材内面にコーティング層が形成され、このコーティング層によりガラス素材内側上面からのセラミック粒子の飛散を防止することができる。上釉としては、ガラス素材の加熱軟化温度より高温の融点を有するもの、例えば、1150〜1300℃に融点を有するものを使用することができる。ガラス素材の加熱軟化温度より高融点の上釉によって形成されたコーティング層は、成形中に熔解することなく維持され粒子飛散防止効果を発揮し得るため好ましい。
また、図2に示すように、成形型周縁部に、保持部材を配置することもできる。この保持部材は、ガラス素材の位置決めに有効である。以下に、保持部材による保持について説明する。
ガラス素材を保持部材によって保持する場合、ガラス素材を、ガラス素材下面周縁部の少なくとも一部が成形面と密着し、ガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように配置し、かつ保持部材による保持を、ガラス素材側面下方部が保持部材と離間した状態で、ガラス素材側面上端部の少なくとも一部を保持部材によって保持するように行うことが好ましい。上記のようにガラス素材の配置および保持部材による保持を行うことにより、ガラス素材と保持部材の融着を起こすことなく、保持部材によって成形型上のガラス素材の位置決め、保持を行うことができる。以下、この点について図1および図13に基づき説明する。但し、本発明は下記態様に限定されるものではない。
図2に示す態様では、下面が凸面、上面が凹面のメニスカス形状のガラス素材を、凸面形状の成形型成形面に配置している。図13は、軟化前後の保持部材とガラス素材側面の接触状態の拡大模式図である。
まず、成形開始にあたり、ガラス素材を保持部材によって保持した状態で成形型成形面上に配置する。図13(a)に示すように、保持部材による保持は、ガラス素材側面下方部は保持部材と離間した状態で、ガラス素材側面上端部の少なくとも一部を前記保持部材によって保持することにより行うことが好ましい。ここで、ガラス素材側面上端部は、例えば、ガラス素材側面の上側4/5の範囲であり、好ましくは、上側1/2の範囲であり、ガラス素材側面下方部とは、上記のように保持部材によって保持される部分より下に位置する部分をいう。
更に、成形開始にあたり、図2(a)に示すように、ガラス素材を、ガラス素材下面周縁部が成形面と密着し、ガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態となるように、成形型成形面上に配置する。ここで、ガラス素材下面中心部とは、例えば、成形面中心から半径1/2までの位置をいい、好ましくは、成形面中心から半径50mmまでの位置をいう。また、成形面と密着するガラス素材下面周縁部は、上記ガラス素材下面中心部より外側に位置する部分である。成形開始時には、成形型成形面との接触部はガラス素材下面周縁部のみであり、周縁部より内側のガラス素材幾何中心へ向かうすべての範囲で、載置されたガラス素材下面と成形面とは離間した状態にあり、空間を形成する。
このように、下面周縁部でのみ成形型成形面と接触させた状態で、ガラス素材を加熱軟化すると、加熱に伴い、軟化したガラス素材中心部が自重により鉛直方向に変形し、図2(b)に示すように、下面中心部が成形面と接触した状態となる。この下面の形状変化により、ガラス素材上面は微小量収縮する形状変化を起こす。本発明では、ガラス素材を側面上端部でのみ保持部材によって保持するため、上記のガラス素材上面の収縮により、ガラス素材と保持部材との接触が解除され、図13(b)に示すように、保持部材がガラス素材と離間する。一方、ガラス素材周縁部は、成形開始時から成形面と接触した状態にあるため、熱膨張による拡大が抑制されるので、ガラス素材側面下方部と保持部材との非接触状態を維持することができる。こうして、少なくともガラス素材下面全面が成形型成形面に密着したときには、ガラス素材は保持部材と離間した状態とすることができる。こうして、ガラス素材と保持部材との融着を起こすことなく、成形型上のガラス素材の位置決めを行い、加熱軟化時の位置ずれを防止することにより、高精度で成形を行うことができる。また、成形中、ガラス素材側面下方部は保持部材と接触しないため、熱膨張の違いにより圧迫されることはなく歪み等の発生を防ぐこともできる。
なお、上記のように保持を行えば、ガラス素材の加熱軟化による形状変化(ガラス素材下面中心部の成形面と接触する方向への移動、およびそれに伴うガラス素材上面の収縮)に伴い、ガラス素材と保持部材との接触が解除されるため、融着回避のために保持部材を除去する必要はない。よって、保持部材を成形型上から除去することなく、ガラス素材と保持部材との融着を起こさずに成形を行うことができる。以上の態様では、少なくともガラス素材側面上端部と保持部材が離間するまでの間、更にはガラス素材上面の成形が完了するまでの間、成形型上での保持部材の固定状態を維持することが好ましい。これにより、正確な位置決めを行い成形精度を高めることができる。
次に、上記保持部材および保持部材による保持の詳細について説明する。
前述のように、本発明において使用する保持部材は、ガラス素材側面下方部との非接触状態を維持しつつ、ガラス素材側面上端部の少なくとも一部を保持することが可能な形状を有することが好ましい。そのような保持部材の一例としては、図14に断面図を示すように、ガラス素材外周端面に沿って円形状をなし、ガラス素材を載置する部分が空間となる環状部材を挙げることができる。図1に示す環状部材の上面図を図14(a)に、図14(a)のI−I線断面図を図14(b)に示す。
前記保持部材は、ガラス素材側面上端部の少なくとも一部を保持すればよいが、ガラス素材を安定に保持するためには、ガラス素材側面上端部の少なくとも3点と当接することによりガラス素材を保持することが好ましく、ガラス素材側面上端部全周と当接することによりガラス素材を保持することが更に好ましい。例えば、図2に示す環状部材は、図13に示すように、その内周に突起部1101と端面1102を有し、突起部1101がガラス素材側面上端部と当接することにより、ガラス素材を保持することができる。端面1102は、ガラス素材側面に面するが、該側面とは非接触状態にある面である。なお、上記突起部は、必ずしも保持部材内周全周に配置する必要はなく、部分的に配置することも可能である。例えば、保持部材内周上に、例えば3つ以上の突出部を、好ましくは等角度で配置することも可能である。但し、確実な位置決め保持を行うためには、前記突起部を保持部材内周全周に環状に形成することが好ましい。
突起部1101の形状は、位置決め保持するガラス素材の寸法および形状を考慮して決定することができる。例えば、保持部材内周全周に突起部1101を形成する場合、突起部1101の内径は、例えば、外径60〜90mmのガラス素材を用いる場合、ガラス素材の外径を基準として、ガラス素材の外形に対して公差−0〜+0.05mmの範囲とすることができる。突起部1101のガラス素材側面上端部との接触部の幅(図13中のd)は、ガラス素材を保持可能であり、かつ軟化後に離間可能な程度の幅とすることが好ましく、例えば、ガラス素材側面の幅(図13中のD)が3〜20mmの場合には、例えばDの10〜20%程度とすることが好ましい。なお、突起部1101の上縁部が、ガラス素材上縁端部と接触するように配置することが好ましい。
図2および図13に示すように、保持部材は、成形型周縁の上部に嵌合して配置することができる。そして成形型と嵌合する端面1105の形状は、成形型の形状にあわせて設定することが好ましく、例えば、上記外径のガラス素材を用いる場合、成形型の外径を基準として公差+0.1mm〜0.2mmとすることができる。また、成形型側面に段付け部を設け、保持部材外周底面と嵌合させることにより、保持部材をより安定に支持することができる。
前述のように閉塞部材を使用する場合には、例えば、図13に示すように、ガラス素材外周の段差部にある端面1103と防塵蓋の開口部を嵌合させて防塵蓋を配置する。端面1103の幅は、防塵蓋の開口部に対して十分な面積があればよく、例えば6〜8mm程度とすることができる。なお、端面1103の表面は、防塵蓋との密着性を高めるため、鏡面加工することができる。
前記保持部材は、内周部に設けた突起部1101で載置されるガラス素材側面上端部の少なくとも一部、好ましくはガラス素材側面上端部全周囲を保持し、ガラス素材を成形型成形面の所望の位置に配置するための位置決めを行う。上記所望の位置とは、例えば、成形型成形面の幾何中心とガラス素材の光学中心又は幾何中心とが一致する位置である。
前記保持部材は、耐熱性材料から形成することが好ましい。耐熱性材料としては、耐熱ステンレス材が好ましく、例えばオーステナイト系が適している。オーステナイト系ステンレス材は、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Moを含む組成よりなるものである。含有する化学成分の割合(質量%)は、例えばCが0.08%以下、Siが1.50%以下、Mnが2.00%以下、Pが0.045%以下、Sが0.030%以下、Niが19.00〜22.00%、Crが24.00〜26.00%である。具体的には、高クロム・高ニッケル系のSUS310Sを用いることができる。
保持部材の形状加工は、マシニングセンタまたはNCフライス盤を用いて行うことができる。保持部材表面には、耐久性向上のため酸化被膜を形成することが好ましい。被膜形成のための表面処理としては、例えば電解研磨仕上、または静電塗装等を用いることができる。
本発明では、成形面から成形面と反対の面へ貫通する貫通孔を有する成形型を使用し、前記成形時に、貫通孔を通して吸引を行うことが好ましい。このように成形面に貫通孔を設け吸引を行うことにより、ガラス素材の変形時間を短縮することができ、生産性を高めることができる。また、図4に拡大模式図を示したように、表面に凹凸を有する成形型を用いる場合は、加熱軟化により型成形面とガラス素材下面とを密着させた後も、成形面とガラス素材との間には、図4(b)に示すように空間が存在する。この空間が形成されることにより、前述のように融着防止効果を得ることができるが、他方、この空間に空気が残留し空気溜まりが形成される。空気溜まりが成形面とガラス素材との間に滞留すると、空気の排出が行われず閉じこめられることがある。ところが空気だまりは成形面とガラス素材との間に空間を形成し、ガラス素材が成形面と接触して成形面によるガラス素材の形状制御を阻害する要因となるおそれがある。そこで、前述のように所定の粗さの成形面を有する成形型を使用する場合は、成形面に貫通孔を設けて吸引を行い、この空気溜まりを除去することが好ましい。
前述のように閉塞部材を使用しつつ吸引を行う場合、閉塞部材の密閉性が過度に高いと、吸引ポンプの脈動が不均一になる場合がある。更に、吸引ポンプの吸引力限度まで吸引した後は、貫通孔からの吸引が行われなくなる場合もある。そこで、成形面に貫通孔を設けて吸引を行う場合は、吸引時の流量を制御して吸引ポンプの脈動を平滑化するために、所定の通気性を有する閉塞部材を用いることが好ましい。所定の通気性を有する閉塞部材を用いれば、閉塞部材内部がある程度の陰圧になると外気が導入されるため、閉塞部材内部が極端な陰圧となり、吸引が停止することを防ぐことができる。また、閉塞部材内部に導入される外気は、閉塞部材がフィルターの役割を果たし、塵や埃等の異物混入が防止されるので清浄度に問題はない。
このように、所定の通気性を確保するため、閉塞部材は多孔質材料から構成することが好ましく、その気孔率は、例えば5〜80%であり、30〜40%であることが好ましい。また、前述のように粒子飛散防止加工を行う場合には、閉塞部材内側上面のみに処理を施すことにより、側面の通気性を維持することができる。
本発明により眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部を製造するにあたり、貫通孔を有する成形型を使用する場合、貫通孔の成形面側開口は、成形型成形面とガラス素材下面との密着時、ガラス素材下面の前記眼鏡レンズにおける屈折率測定部に相当する位置と重なり合わないように配置することが好ましい。
前記鋳型は、具体的には、2枚の鋳型を環状のガスケットに装着し、鋳型とガスケットにより形成されるキャビティ内にレンズ原料液を注入して重合を行うことにより眼鏡レンズを製造する際に使用することができる。一般に、この方法に使用される成形型の設計は、眼鏡レンズの面形状を決定(設計値の決定)→眼鏡レンズの設計値を鋳型の面形状に変換(鋳型の設計値の決定)→鋳型の設計値を成形型の面形状に変換、という手順で進められる。各変換は、公知の方法で行うことができ、好ましくは先に説明した本発明の面形状決定方法によって行うことができる。こうして決定された面形状を有する成形型を用いて製造された鋳型のキャビティ内部に位置する面の形状が眼鏡レンズに転写されることにより、光学機能面を形成することができる。しかし、成形される鋳型に、貫通孔を通した吸引に起因する意図しなかった変形が生じると、設計値とは異なる形状の光学機能面が形成されることになる。眼鏡レンズにおいて光学特性に最も大きく影響する位置は屈折力測定基準点である。この部分の面形状が設計値から大きくずれると、所望の屈折率を有する眼鏡レンズを得ることは困難となる。そこで、鋳型表面の、眼鏡レンズに転写され屈折力測定基準点を形成する位置に転写される箇所に、前述の変形が生じることを防ぐために、成形型の成形面に、成形面とガラス素材下面が密着するときに、ガラス素材下面の眼鏡レンズにおける屈折力測定基準点に相当する位置と重なり合わないように、貫通孔開口を配置することが好ましい。こうすることにより、屈折力測定基準点に相当する位置に吸引に起因する変形のない眼鏡レンズ用鋳型(またはその一部)を得ることができ、この鋳型を使用することにより所望の光学特性を有する高品質な眼鏡レンズを得ることができる。
次に、前記貫通孔の配置について説明する。
前記貫通孔は、1つでもよいが、好ましくは複数設ける。成形型に形成する貫通孔の数は特に限定されるものではなく適宜決定することができるが、例えば80〜100mm程度の直径を有する成形面の場合、成形面上に6〜60個程度の貫通孔開口を配置することができる。また、複数の貫通孔は、図5(a)に示すように、成形面全面に同一間隔で均等に設けることができる。ただし、前述のように成形面とガラス素材下面が密着するときに、ガラス素材下面の眼鏡レンズにおける屈折力測定基準点に相当する位置が成形面側開口と重なり合わないように貫通孔を設けることが好ましい。
成形型の貫通孔は、好ましくは、少なくとも成形面の周縁部に配置し、より好ましくは、ガラス素材の外径より小さい範囲内で、少なくとも二重の同心円周上に複数個配置する。
なお、ここで、成形面周縁部とは、成形面中心部を取り囲む部分をいい、成形面中心部とは、例えば、成形面中心から半径1/2までの位置をいう。
図5(b)および(c)は、成形型成形面の幾何中心付近には貫通孔は配置せず、成形面周縁部に貫通孔を配置した例である。これらの場合も、成形面とガラス素材下面が密着するときに、ガラス素材下面の眼鏡レンズにおける屈折力測定基準点に相当する位置が成形面側開口と重なり合わないように貫通孔を設けることが好ましい。さらに、図5(b)では、配置された周縁部の貫通孔は複数の同心円上に等間隔に配置され、中心に近い位置では貫通孔の単位面積あたりの貫通孔の数を少なくし、中心から離れるに従って単位面積あたりの貫通孔の数を増加させている。すなわち、貫通孔は、中心部から周縁部に向けて増加して配置されている(中心付近には少なく周縁部では多く配置している)。本発明者らの検討の結果、上記のように貫通孔を配置することにより、特にガラス素材としてガラス材料を用いる場合、確実な転写性を確保することができ、あわせて全面での熱軟化変形を均一に行いガラス材料内部の歪み発生回避が抑制できることが見出された。理由について詳細には未だ明らかになっていないが、次のように推測される。
ガラス材料の変形速度および変形のしやすさは中心部が最も最も大きく、一方周辺部においては比較的変形速度が小さく、さらに変形しにくい性質がある。図3に示すようにガラス素材の下面が凸面、型成形面が凹面の場合、ガラス材料支持部分はガラス材料の外周端部である。この場合、ガラス材料の成形面によって支持される周端部は、加熱軟化時にも移動しにくく、周端部周辺の軟化による変形を阻害する要因として作用し、外周部は変形速度が小さくなり、形状変形しにくいと考えられる。一方中心部は支持部分がなく、軟化による変形を阻害する要因がない。実際ガラス材料の変形は中央部から発生し、順次周辺部へと波及して進行することが本発明者らによって明らかにされた。
しかしながらガラス材料周縁部と中央部での変形速度の差異はガラス材料内部に歪みを発生させる要因となることがある。ガラス材料中央部が先行して熱軟化変形し、周縁部では変形しないと、ガラス材料の中心部と周縁部の間には歪みが発生するためである。さらに周辺部での変形速度が小さいことおよび変形しにくいことは、転写精度を低下させる要因ともなる。従って、貫通孔を型成形面周縁部に多く配置して変形しにくい周縁部吸引力の配分を強化し、変形しやすい中心部は少なく配置し、単位面積あたりの吸引力を適切に配分することにより、確実な転写性を確保し、あわせて全面での熱軟化変形を均一に行いガラス材料内部の歪み発生を回避することができると考えられる。このように、貫通孔の配置によってガラス材料の場所による変形速度、変形のしやすさの違いを制御して、ガラス形状の転写再現性を向上させることができる。あわせて、貫通孔を通して吸引を行うことにより、前述のように、ガラス素材の変形時間を短縮し、生産性を高めることができるという利点もある。
貫通孔の配置は成形する素材毎に適宜選択することができる。例えば加工対象の形状が平均曲率8カーブ以上など比較的カーブが大きい場合は図5(b)が、平均曲率5カーブ以下等比較的カーブが小さい場合は図5(c)が好適である。また、図5(a)に示すように全面に均等に貫通孔を配置することは、累進屈折力レンズなどの自由曲面形状に対し好適である。
貫通孔を通して吸引を行いつつ、高精度で成形を行うためには、貫通孔の直径、吸引時のガラス素材の粘度、ガラス素材の厚み、吸引圧力が下記式1を満たすことが好ましい。特に、前述のように、成形面の表面粗度が高い成形型を使用する場合、貫通孔を通して過度に吸引を行うと、成形面の表面粗さや貫通孔形状が、ガラス素材上面形状に影響を及ぼすおそれがあるため、吸引を行う場合は下記式1を満たすように行うことが好ましい。また、吸引ポンプの脈動を平滑化するためには、下記式1を満たす条件で吸引を行い、更に前述のように適度な通気性を有する閉塞部材を使用することが好ましい。
Figure 0005042032
式1は、具体的には、下記式1−1であることができる。
Figure 0005042032
上記式中、Hは貫通孔の直径(mm)、Vは吸引時のガラス素材の粘度(poise)、Tはガラス素材の厚み(mm)、Pは吸引圧力(mmHg/cm2)である。但し、1poise=0.1Pa・sである。そしてKは係数であり1.8〜3.0×10-9が好適である。)
具体的には、貫通孔の直径は、0.3〜0.5mm、吸引時のガラス素材の粘度は、6.81×10+7〜1.26×10+8poise、ガラス素材の厚みは、4〜7mm、吸引圧力は、80〜120mmHg/cm2(≒1.0×104〜1.6×104Pa/cm2)とすることができる。
なお、ガラス素材の厚みは、成形中同一とみなし、上記式1において、ガラス素材の厚みは、成形開始時の厚みとする。本発明では、上記式1に基づき、加熱軟化時のガラス素材の温度を熱電対等でモニターしてガラス素材の粘度を割り出し、吸引圧力を設定することができ、また、使用するガラス素材の粘度特性から求められる粘度と温度との相関から、吸引圧力を設定することもできる。
次に、吸引方法について図6に基づき説明する。図6は、吸引方法の一例を示す図である。但し、本発明は、図6に示す態様に限定されるものではない。
図6に示すように、ガラス素材を配置した成形型402を、吸引台403に配置する。吸引は、吸引台403および吸引ポンプ部404にて行う。吸引台403は、成形型の載置場所が凹形状にくぼんだ中空の板状の台である。素材は、例えば耐熱ステンレス材(SUS310S)であり、吸引台上面の成形型載置場所には、吸気口407が配置されている。さらに吸引台下面には、吸気された気体を吸引ポンプへ送出するための排気口があり、吸引ポンプに連結された吸引端子405に接続されている。吸引圧力は、先に示した式1を満たすように設定することが好ましく、例えば、80〜120mmHg(≒1.0×104〜1.6×104Pa)とすることができる。
次に、本発明の成形品の製造方法の具体的態様について説明する。但し、本発明は下記態様に限定されるものではない。
まず、好ましくはクリーンルーム内で、成型面を上にして成形型を設置する。前述のように保持部材を用いる場合には、成型面周縁部および側面の段付け部に保持部材を勘合させる。そして保持部材に沿ってガラス素材を成型面の所定の位置に載置する。水平方向にはガラス素材側部端面が保持部材によって支持固定され、一方垂直方向にはガラス素材下面の周縁部端面が、成形型の成型面と接触して保持固定される。そしてガラス素材の成形型との接触面側の中央部は、型成型面より離間している。離間の距離は、成形面素材下面および型成形面の形状により異なるが、通常約0.1〜2.0mm程度である。
次いで、好ましくは蓋部材を保持部材と勘合させて載置する。蓋部材でガラス素材を配置した成形型上部開放部を閉塞した後、クリーンルームから電気炉へ搬送し、電気炉の吸引台に成形型、保持部材、ガラス素材、蓋部材の組み合わせを吸引台に載置して電気炉によって加熱処理、及び吸引装置によって吸引処理を行う。異物混入を確実に防止するためには、このようにクリーンルーム内でガラス素材の成形型への配置等を行うことが好ましい。
電気炉において、あらかじめ設定された温度プログラムに基づいて温度制御をしながら加熱軟化処理を行うことができる。電気炉としては、バッチ型電気炉、連続投入型電気炉のいずれを用いてもよい。まずバッチ型電気炉について説明する。
バッチ型電気炉は、比較的小さい閉じた空間内に被加工物を設置し、予め決められた温度プログラムに従って炉内の温度を変化させる装置である。複数のセンサーを備え、複数のセンサーにより温度を計測し、各ヒーターを制御して温度管理をすることができる。バッチ型の熱軟化炉は、内部に被加工物を保持する支持部がある。更に支持部は炉内で可動する。支持部が稼働することによって炉内の場所による温度分布の不均衡を平均化することができる。
次に連続投入型電気炉について説明する。
連続投入型電気炉は入り口と出口を有しており、設定された温度分布の電気炉内部を、コンベアー等の搬送装置によって被加工物を一定時間で通過させて熱処理を行う装置である。連続投入型電気炉では、発熱と放熱を考慮した複数のヒーターと炉内空気循環の制御構造によって、炉内部の温度分布を均一化することができる。
電気炉の各センサーとヒーターの温度制御には、PID制御を用いることができる。なお、PID制御は、プログラムされた所望の温度と実際の温度との偏差を検出し、所望の温度との偏差が0になるように戻す(フィードバック)ための制御方法である。そしてPID制御とは、偏差から出力を計算するときに、「比例(Proportional)」、「積分(Integral)」、「微分(Differential)」的に求める方法である。PID制御の一般式を次に示す。
Figure 0005042032
上記式中、eは偏差、Kはゲイン(添字Pのゲインを比例ゲイン、添字Iのゲインを積分ゲイン、添字Dのゲインを微分ゲイン)、Δtはサンプル時間(サンプリング時間、制御周期)、添字nは現在の時刻を示す。
PID制御を用いることにより、投入された処理物形状および数量による熱量分布の変化に対する炉内温度の温度制御精度を高くすることができる。また電気炉内における搬送は、無摺動方式(例えばウォ―キングビーム)を採用することができる。
本発明において使用可能な連続投入型電気炉の具体的態様は、搬送方式が無摺動方式、温度制御がPID制御、温度測定器は“プラチナ製 K熱電対 30ポイント“、最高使用温度は800℃、常用使用温度は590〜650℃、内部雰囲気はドライエアー(オイルダストフリー)、雰囲気制御は入り口エアーカーテン、炉内パージ、出口エアーカーテン、温度制御精度は±3℃、冷却方法は空冷、吸引部は炉内3ポジションである。
電気炉内の温度は、加熱昇温により室温からガラス転移点を越えて、ガラス軟化点未満まで上昇させることができる。ガラス軟化点未満で一定時間温度を保持した後、徐冷して室温まで温度を下げることが好ましい。
電気炉内の温度制御は、所定時間を1サイクルとして行われる。
以下に、ガラス素材としてガラス材料を用いて17時間を1サイクルとする温度制御の一例を説明する。但し、本発明は以下に示す態様に限定されるものではない。
炉内の温度制御は、7つの工程で行うことができる。第一の工程は(A)予備昇温工程、第二の工程は(B)急速加熱昇温工程、第三の工程は(C)低速加熱昇温工程、第四の工程は(D)定温保持工程、第五の工程は(E)低速冷却工程、第六の工程は(F)急速冷却工程、第七の工程は(G)自然冷却工程である。
第一の工程である(A)予備昇温工程においては、室温付近の一定温度で90分間固定する。ガラス材料各部の温度分布を均一にし、加熱軟化加工の温度制御によるガラス材の熱分布が容易に再現できるようにするためである。固定する温度は室温程度(約20〜30℃)の何れかの温度にて行う。
第二の工程は(B)急速加熱昇温工程であり、室温(例えば25℃)からガラス転移温度(以降Tgともいう)−50℃(以降T1ともいう)まで、例えば4℃/minの速度で約90分加熱する。そして第三の工程である(C)低速加熱昇温工程は、温度T1からガラス軟化点より約−50℃(以降T2ともいう)まで、例えば2℃/minで120分間加熱する。第四の工程である(D)定温保持工程は、温度T2で約60分温度一定にする。
温度T2で加熱されたガラス材料は定温保持工程で30分加熱する。更に温度T2で30分加熱を行うが、前述のように貫通孔を有する成形型を使用する場合には、後半の30分において、成形型の貫通孔からの吸引処理も併せて行うことができる。吸引処理は、電気炉外部に設置された吸引ポンプを作動させて行うことができる。図6に示すように、吸引ポンプ404は、吸引端子405、吸引台403、成形型貫通孔にそれぞれ接続されている。そして吸引ポンプが吸引を行うと陰圧が発生し、陰圧は成形型の貫通高を通して成形型に載置されたガラス材料を吸引する。電気炉の温度T2で加熱が開始されてから30分後から所定の耐熱性母型の吸引口により、例えば80〜150mmHg(≒1.0×104〜1.6×104Pa)の圧力で吸引する。まず炉外の吸引ポンプ404が作動して、吸引端子405を介して中空構造をした吸引台の内部を陰圧にする。内部が陰圧になった吸引台は成形型の底面にある貫通孔に通じている。成形型底面の貫通孔は成形型上部の成形面まで貫通しており、成形型上に載置したガラス材料に吸引による陰圧を作用させて吸引を行う。なお、前述のように、貫通孔を通して吸引を行う場合は、所定の通気性を有する蓋部材を使用することが好ましい。
吸引が完了すると、ガラス材料の成形型への熱軟化変形が完了する。熱軟化変形完了後、冷却を行う。冷却工程である第五の工程(E)低速冷却工程は、Tgの−100℃(以降T3ともいう)まで、例えば1℃/minの速度で約300分間冷却し、軟化による形状変化を定着させる。またこの低速冷却工程は、ガラスの歪みを除くアニールの要素も含んでいる。
次いで、第六の工程である(F)急速冷却工程において、速度約1.5℃/minで約200℃程度まで冷却する。軟化加工を終了したガラスと成形型は、自らの熱収縮や温度変化に対する相互の熱膨張係数の違いにより破損するおそれがある。従って破損しない程度に温度の変化率を小さくすることが好ましい。
さらに、温度が200℃以下になると、第七の工程である(G)急速冷却工程を行う。(G)急速冷却工程において、200℃以下になると以降は自然冷却により室温まで冷却する。
軟化加工が完了すると、ガラス材料下面と型成形面が互いに雌雄の関係になる。一方ガラス材料上面は、ガラス材下面の形状変形に応じて変形し、所望の光学面が形成される。以上の工程によりガラス光学面を形成した後、ガラス材料を成形型から除去し、成形品を得ることができる。こうして得られた成形品は、眼鏡レンズ(好ましくは多焦点眼鏡レンズ)用鋳型として用いることができる。または周縁部など一部を除去して眼鏡レンズ用鋳型として使用することができる。
法線方向に実質的に等厚なガラスの一例(断面図)を示す。 軟化前後のガラス素材と成形型との接触状態の模式図を示す。 板状ガラスの粘弾性体変形を示す図である。 所定の粗さの成形面を有する成形型における、加熱軟化前後の成形型とガラス素材との接触状態の拡大模式図を示す。 成形型成形面上の貫通孔の配置の具体例を示す。 吸引方法の一例を示す図である。 累進多焦点レンズのS度数(平均度数)分布図である。 累進多焦点レンズのC度数(円柱度数)分布図である。 図7のS度数分布に対応する鳥瞰図である。 図8のC度数分布に対応する鳥瞰図である。 累進屈折力プラスチックレンズの断面を表す図である。 中心対称な非球面屈折力プラスチックレンズの断面を表す図である。 累進屈折力ガラスレンズの断面を表す図である。 成形素材の下面と成形型成形面との接触の説明図である。 軟化前後の保持部材とガラス素材側面の接触状態の拡大模式図である。 図2に示す環状部材の上面図を図14(a)に、図14(a)のI−I線断面図を図14(b)に示す。

Claims (45)

  1. 成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形して成形品を得ることを含む成形品の製造方法であって、
    前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であるガラスを使用し、
    前記成形型として、成形面が、球面を除く自由曲面形状である成形型を使用し、
    前記ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形する、前記製造方法。
  2. 前記ガラス素材は、法線方向に実質的に等厚である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、成形前後で実質的に変化しない、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、2〜10mmの範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記ガラス素材の外径は、60〜90mmの範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記成形品は眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記眼鏡レンズは、遠用屈折力測定基準点および近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力レンズであり、
    前記ガラス素材下面周縁部の3点は、ガラス素材下面周縁部の、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置する請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記ガラス素材下面は、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記成形品は単焦点眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部全周が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 球面を除く自由曲面形状を有する成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形型成形面に対する略オフセット面に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材であって、
    上面および下面が球面形状であり、かつ法線方向に実質的に等厚である、前記ガラス素材。
  12. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、成形前後で実質的に変化しない、請求項11に記載のガラス素材。
  13. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、2〜10mmの範囲である、請求項12または13に記載のガラス素材。
  14. 前記ガラス素材の外径は、60〜90mmの範囲である、請求項11〜13のいずれか1項に記載のガラス素材。
  15. 前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項11〜14のいずれか1項に記載のガラス素材。
  16. 前記成形品は眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記眼鏡レンズは、遠用屈折力測定基準点および近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力レンズであり、
    前記ガラス素材下面周縁部の3点は、ガラス素材下面周縁部の、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点である請求項15に記載のガラス素材。
  17. 前記遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置する請求項16に記載のガラス素材。
  18. 前記ガラス素材下面は、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する請求項16または17に記載のガラス素材。
  19. 前記成形品は単焦点眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部全周が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項11〜16のいずれか1項に記載のガラス素材。
  20. 成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用される成形型の成形面形状を決定する方法であって、
    前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
    前記成形面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定する、前記方法。
  21. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、成形前後で実質的に変化しない、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、2〜10mmの範囲である、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記ガラス素材の外径は、60〜90mmの範囲である、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記成形品は眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記眼鏡レンズは、遠用屈折力測定基準点および近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力レンズであり、
    前記ガラス素材下面周縁部の3点は、ガラス素材下面周縁部の、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点である請求項24に記載の方法。
  26. 前記遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置する請求項25に記載の方法。
  27. 前記ガラス素材下面は、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する請求項25または26に記載の製造方法。
  28. 前記成形品は単焦点眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部全周が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
  29. 成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形することを含む成形品の製造方法であって、
    前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であり、かつ法線方向に実質的に等厚であるガラス素材を使用し、
    前記成形型として、球面を除く自由曲面形状の成形面を有し、かつ請求項20〜28のいずれか1項に記載の方法によって成形面形状が決定された成形型を使用する、前記製造方法。
  30. 前記ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形する、請求項29に記載の製造方法。
  31. 成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材の下面形状を決定する方法であって、
    前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
    前記下面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記所望の上面形状と前記ガラス素材の法線方向厚みに基づき決定された成形面形状に基づき決定する、前記方法。
  32. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、成形前後で実質的に変化しない、請求項31に記載の方法。
  33. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、2〜10mmの範囲である、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記ガラス素材の外径は、60〜90mmの範囲である、請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項28〜31のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記成形品は単焦点眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部全周が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 成形型成形面上に配置したガラス素材を、変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を所望の形状に成形して成形品を得る成形法に使用されるガラス素材の下面形状を決定する方法であって、
    前記成形品は眼鏡レンズ用鋳型または鋳型の一部であり、
    前記眼鏡レンズは、遠用屈折力測定基準点および近用屈折力測定基準点をそれぞれ1つ有する累進屈折力レンズであり、
    前記成形面は、球面を除く自由曲面形状であり、
    前記下面の形状を、ガラス素材は上面および下面が球面形状であり法線方向に実質的に等厚であるとして、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点における平均曲率と略同一の平均曲率を有する球面形状を有する面として決定する、前記方法。
  38. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、成形前後で実質的に変化しない、請求項37に記載の方法。
  39. 前記ガラス素材の法線方向厚みは、2〜10mmの範囲である、請求項37または38に記載の方法。
  40. 前記ガラス素材の外径は、60〜90mmの範囲である、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記ガラス素材の配置は、ガラス素材下面周縁部の少なくとも3点が成形面と接触し、かつガラス素材下面中心部が成形面と離間した状態になるように行われる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記ガラス素材下面周縁部の3点は、ガラス素材下面周縁部の、前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点および近用屈折力測定基準点側の1点である請求項41に記載の方法。
  43. 前記遠用屈折力測定基準点に相当する位置側の2点は、ガラス素材下面における前記累進屈折力レンズの遠用屈折力測定基準点を通る主子午線に相当する線に対して対称に位置する請求項42に記載の方法。
  44. 成形型成形面上に配置したガラス素材を変形可能な温度まで加熱し、該ガラス素材の下面を前記成形面に密着させることにより、前記ガラス素材の上面を成形して成形品を得ることを含む成形品の製造方法であって、
    前記成形型として、球面を除く自由曲面形状の成形面を有する成形型を使用し、
    前記ガラス素材として、上面および下面が球面形状であり、法線方向に実質的に等厚であり、かつ請求項31〜43のいずれか1項に記載の方法によって下面形状が決定されたガラス素材を使用する、前記製造方法。
  45. 前記ガラス素材の上面を、成形型成形面に対する略オフセット面に成形する、請求項44に記載の製造方法。
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