上記目的を達成するために、この発明の一の局面による画像表示装置は、観察者に立体画像を提供する画像表示装置であって、画像を表示するための画素開口部と画素開口部以外の部分に設けられる遮光部とを有する複数の画素を含む表示パネルと、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態および表示パネルの所定の基準辺を第1の方向と交差する第2の方向に配置した状態のそれぞれに対応するように、表示パネルの画素開口部から出射された光を、観察者の右目に向かう光と左目に向かう光とに分離することが可能な透過部を有する分離手段とを備え、分離手段の透過部の中心位置は、表示パネルの画素の中心位置とは異なる位置に存在する画素開口部の中心位置に実質的に対応するように設けられ、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態において、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態に対応する分離手段の透過部の中心位置が、第1の方向に交差する第2の方向に互いに隣接する画素開口部と画素開口部との間の遮光部の中心位置近傍に配置され、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に交差する第2の方向に配置した状態において、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に交差する第2の方向に配置した状態に対応する分離手段の透過部の中心位置が、第1の方向に交差する第2の方向に互いに隣接する画素開口部と画素開口部との間の遮光部の中心位置近傍に配置されている。
この一の局面による画像表示装置では、上記のように、分離手段の透過部の中心位置を、表示パネルの画素の中心位置とは異なる位置に存在する画素開口部の中心位置に実質的に対応するように設けられ、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態において、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態に対応する分離手段の透過部の中心位置が、第1の方向に交差する第2の方向に互いに隣接する画素開口部と画素開口部との間の遮光部の中心位置近傍に配置され、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に交差する第2の方向に配置した状態において、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に交差する第2の方向に配置した状態に対応する分離手段の透過部の中心位置が、第1の方向に交差する第2の方向に互いに隣接する画素開口部と画素開口部との間の遮光部の中心位置近傍に配置されることによって、表示パネルの画像が表示される画素開口部の中心位置から出射された光を、分離手段の透過部の中心位置を介して、観察者の右目および左目に向かって進行させることができる。すなわち、観察者の右目および左目は、分離手段の透過部の中心位置を介して、表示パネルの画像が表示される画素開口部の中心位置を観察することができる。その結果、観察者の右目および左目は、共に、表示パネルの画素開口部に表示される画像の中心部周辺を観察することができるので、観察者に良好な立体画像を提供することができる。
上記一の局面による画像表示装置において、好ましくは、分離手段の透過部は、表示パネルの画素開口部の中心位置および分離手段の透過部の中心位置を通過する光を、観察中心に位置する観察者の目に進行させる位置に設けられている。このように構成すれば、画像が表示される画素開口部の中心位置を出射した光が、分離手段の透過部の中心位置を介して、観察中心に位置する観察者の右目および左目に入射するので、観察中心に位置する観察者は、良好な立体画像を観察することができる。
上記一の局面による画像表示装置において、好ましくは、分離手段は、位相差板を含み、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態で、表示パネルの画素開口部の中心位置が、表示パネルの画素の中心位置から第1の方向に第1の距離だけ隔てた位置に存在する場合に、位相差板は、位相差板の第1の方向の中心位置が、表示パネルの第1の方向の中心位置から第1の方向に第1の距離だけ隔てた位置と実質的に一致するように配置され、第1の距離をΔL1とすると、第1の距離ΔL1は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第1の方向の一方側に延びる遮光部の幅をW1とした場合に、幅W1よりも小さくなるように設定されている。このように構成すれば、表示パネルの第1の方向の中心位置と、位相差板の第1の方向の中心位置とが実質的に一致した状態から、位相差板を第1の方向に第1の距離だけ移動することにより、容易に、表示パネルの画素開口部の第1の方向の中心位置と、位相差板の透過部の第1の方向の中心位置とが対応するように配置することができる。その結果、容易に、観察者に良好な立体画像を提供することができる。
この場合、好ましくは、第1の距離をΔL1とすると、第1の距離ΔL1は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第1の方向の一方側に延びる遮光部の幅W1と、表示パネルの画素開口部の他方端側から第1の方向の他方側に延びる遮光部の幅W2とにより、以下の式(1)を満たすように設定されている。このように構成すれば、表示パネルに形成される遮光部の第1の方向の一方側の幅W1と、他方側の幅W2とに基づいて、容易に、第1の距離ΔL1を算出することができる。その結果、容易に、表示パネルの画素開口部の中心位置と、位相差板の透過部の中心位置とが対応するように配置することができる。
ΔL1=(W1/2)−(W2/2)・・・(1)
上記位相差板を備えた画像表示装置において、好ましくは、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態で、表示パネルの画素開口部の中心位置が、表示パネルの画素の中心位置から第1の方向に交差する第2の方向に第2の距離だけ隔てた位置に存在する場合に、位相差板は、位相差板の第2の方向の中心位置が、表示パネルの第2の方向の中心位置から第2の方向に第2の距離だけ隔てた位置と実質的に一致するように配置され、第2の距離をΔL2とすると、第2の距離ΔL2は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第2の方向の一方側に延びる遮光部の幅をW3とした場合に、幅W3よりも小さくなるように設定されている。このように構成すれば、表示パネルの第2の方向の中心位置と、位相差板の第2の方向の中心位置とが実質的に一致した状態から、位相差板を第2の方向に第2の距離だけ移動することにより、容易に、表示パネルの画素開口部の第2の方向の中心位置と、位相差板の透過部の第2の方向の中心位置とが対応するように配置することができる。その結果、容易に、観察者に良好な立体画像を提供することができる。
この場合、好ましくは、第2の距離をΔL2とすると、第2の距離ΔL2は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第2の方向の一方側に延びる遮光部の幅W3と、表示パネルの画素開口部の他方端側から第2の方向の他方側に延びる遮光部の幅W4とにより、以下の式(2)を満たすように設定されている。このように構成すれば、表示パネルに形成される遮光部の第2の方向の一方側の幅W3と、他方側の幅W4とに基づいて、容易に、第2の距離ΔL2を算出することができる。その結果、容易に、表示パネルの画素開口部の第2の方向の中心位置と、位相差板の透過部の第2の方向の中心位置とが対応するように配置することができる。
ΔL2=(W3/2)−(W4/2)・・・(2)
上記位相差板を備えた画像表示装置において、好ましくは、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態では、位相差板の透過部は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向との両方に交差する第3の方向に沿って延びるように設けられるとともに、表示パネルには、第3の方向に沿って延びるように右目用画像および左目用画像が表示されている。このように構成すれば、第3の方向に沿って延びるように表示される右目用画像および左目用画像が付加された光を、第3の方向に沿って延びる位相差板の透過部を通過させることができる。これにより、右目用画像が付加された光と、左目用画像が付加された光とを、それぞれ、第3の方向に沿って延びた状態で進行させることができる。その結果、右目および左目に向かって進行するように分離された光を、第1の方向(縦方向)および第2の方向(横方向)にほぼ均等に分散した状態で観察者の目に向かって進行させることができるので、観察者の両面が観察する表示パネルの画像の解像度の低下を第1の方向(縦方向)および第2の方向(横方向)に分散することができる。その結果、観察者に、画像劣化の少ない立体画像を観察していると認識させることができる。
上記分離手段が位相差板を含む画像表示装置において、好ましくは、分離手段は、偏光制御液晶パネルをさらに含み、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向と交差する第2の方向に配置した状態で、表示パネルの画素開口部の中心位置が、表示パネルの画素の中心位置から第2の方向に第1の距離だけ隔てた位置に存在する場合に、偏光制御液晶パネルは、偏光制御液晶パネルの第2の方向の中心位置が、表示パネルの第2の方向の中心位置から第2の方向に第1の距離だけ隔てた位置と実質的に一致するように配置され、第1の距離をΔL1とすると、第1の距離ΔL1は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第2の方向の一方側に延びる遮光部の幅をW1とした場合に、幅W1よりも小さくなるように設定されている。このように構成すれば、表示パネルの第2の方向の中心位置と、偏光制御液晶パネルの第2の方向の中心位置とが実質的に一致した状態から、偏光制御液晶パネルを第2の方向に第2の距離だけ移動することにより、容易に、表示パネルの画素開口部の第2の方向の中心位置と、偏光制御液晶パネルの透過部の第2の方向の中心位置とが対応するように配置することができる。その結果、容易に、観察者に良好な立体画像を提供することができる。
この場合、好ましくは、第1の距離をΔL1とすると、第1の距離ΔL1は、表示パネルの画素開口部の一方端側から第2の方向の一方側に延びる遮光部の幅W1と、表示パネルの画素開口部の他方端側から第2の方向の他方側に延びる遮光部の幅W2とにより、以下の式(1)を満たすように設定されている。このように構成すれば、表示パネルに形成される遮光部の第2の方向の一方側の幅W1と、他方側の幅W2とに基づいて、容易に、第1の距離ΔL1を算出することができる。その結果、容易に、表示パネルの画素開口部の第2の方向の中心位置と、偏光制御液晶パネルの透過部の第2の方向の中心位置とが対応するように配置することができる。
ΔL1=(W1/2)−(W2/2)・・・(1)
上記偏光制御液晶パネルを備えた画像表示装置において、好ましくは、偏光制御液晶パネルには、第1電極および第2電極が設けられており、偏光制御液晶パネルは、第1電極および第2電極に電圧を印加しないことにより、第1電極および第2電極が設けられる位置に対応する領域を透過部にする第1状態と、第1電極に電圧を印加しないとともに、第2電極に電圧を印加することにより、少なくとも第2電極が設けられる位置に対応する領域を透過部にする第2状態とに切り替えることが可能であり、偏光制御液晶パネルを第1状態に制御することにより、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向に配置した状態で、観察者に立体画像を提供するとともに、偏光制御液晶パネルを第2状態に制御することにより、表示パネルの所定の基準辺を第2の方向に配置した状態で、観察者に立体画像を提供する。このように構成すれば、偏光制御液晶パネルを第1の状態および第2の状態に切り替えることにより、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向(縦方向)および第2の方向(横方向)の両方向に配置した場合に、観察者に立体画像を提供することができる。
上記第1電極および第2電極が設けられた偏光制御液晶パネルを備えた構成において、好ましくは、偏光制御液晶パネルは、第1電極および第2電極に電圧を印加することにより第1電極および第2電極が設けられる位置に対応する領域を透過部にする第3状態に切り替えることがさらに可能であり、偏光制御液晶パネルを第3状態に制御することにより、表示パネルの所定の基準辺を第1の方向および第2の方向に配置した状態で、観察者に平面画像を提供する。このように構成すれば、偏光制御液晶パネルを第3の状態にすることにより、観察者に平面画像を提供することができるので、同じ画像表示装置で観察者に立体画像および平面画像を提供することができる。
上記一の局面による画像表示装置において、好ましくは、表示パネルに光を照射するための光源をさらに備えている。このように構成すれば、画像を表示するための表示パネルに光を照射することができるので、容易に、表示パネルの画像が付加された光を観察者側に進行させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による画像表示装置の分解斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による画像表示装置の表示パネルを観察者が観察した状態を側方から示した図であり、図3は、図1に示した一実施形態による画像表示装置の表示パネルを観察者が観察した状態を上方から示した図である。図4〜図12は、図1に示した一実施形態による画像表示装置の構成を詳細に説明するための図である。まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による画像表示装置1の構成について説明する。
本発明の一実施形態による画像表示装置1は、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、観察者80に立体画像を提供することが可能な装置である。さらに、本実施形態の画像表示装置1は、縦向きに配置した場合および横向きに配置した場合の両方の場合に、観察者80に平面画像を提供することも可能である。この画像表示装置1は、図1〜図3に示すように、バックライト10と、バックライト10の光出射側に配置され、画像を表示するための液晶表示パネルからなる表示パネル20と、表示パネル20を挟み込むように配置される偏光板30および40と、偏光板40の光出射側に配置される位相差板50と、位相差板50の光出射側に配置される偏光制御液晶パネル60と、偏光制御液晶パネル60の光出射側に配置される偏光板70とを備えている。なお、位相差板50および偏光制御液晶パネル60は、本発明の「分離手段」の一例である。なお、画像表示装置1を観察する観察者80は、画像を正面から見ることが可能な観察中心に位置している。つまり、観察者80は、画像を分離する分離手段である位相差板50および偏光制御液晶パネル60の中心に対応する観察中心(図2および図3参照)に位置している。また、本実施形態において、縦向きに配置とは、表示パネル20、位相差板50および偏光制御液晶パネル60の基準辺20a、50aおよび60a(図1参照)が観察者80から見て垂直方向(図1のY方向)に配置された状態のことを意味し、横向きに配置とは、表示パネル20、位相差板50および偏光制御液晶パネル60の基準辺20a、50aおよび60aが観察者80から見て水平方向(図1のX方向)に配置された状態のことを意味する。なお、Y方向(垂直方向)は、本発明の「第1の方向」の一例であり、X方向(水平方向)は、本発明の「第2の方向」の一例である。
バックライト10は、偏光板30に光を照射する機能を有している。また、本実施形態では、偏光板30は、観察者80側から見て約135°の偏光軸を有するように設定されているので、観察者80側から見て約135°の偏光軸を有する光のみを透過する機能を有している。以下、特に記載のない限り、偏光軸の角度は、観察者80側から見た角度を示す。なお、本実施形態では、偏光軸の角度は、表示パネル20を縦向きに配置した状態における角度を示す。
表示パネル20は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を約90°変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させる90°TN(Twisted Nematic)液晶パネルからなる。この表示パネル20は、図4に示すように、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光の3原色をそれぞれ表示するための画素21、22および23を有している。そして、その画素21は、赤色(R)を表示する領域の画素開口部21aを含み、画素22は、緑色(G)を表示する領域の画素開口部22aを含み、画素23は、青色(B)を表示する領域の画素開口部23aを含んでいる。また、画素開口部21a、22aおよび23a以外の部分には、画素開口部21a、22aおよび23aの周りを、それぞれ、囲むように遮光部24が設けられている。
この画素開口部21a、22aおよび23aは、表示パネル20の基準辺20aが図4のY方向(垂直方向)に配置された縦向き配置の状態において、Y方向が長手方向となるように長方形状に形成されている。そして、表示パネル20を縦向きに配置した場合には、画素開口部21a、22aおよび23aに表示される左目用画像L1および右目用画像R1は、図4のX方向およびY方向の両方に対して交差する斜め方向であるA方向に沿った市松状(階段状)に表示されている。具体的には、図4に示した各画素開口部21a、22aおよび23aにおいて、左目用画像L1の表示領域は、ハッチング領域(斜線領域)で示されており、右目用画像R1の表示領域は、ハッチングの施されていない非ハッチング領域(非斜線領域)で示されている。また、ハッチング領域に位置する左目用画像L1は、斜め方向(図4のA方向)にRGBの画素開口部21a、22aおよび23aが連続するように表示される。また、非ハッチング領域に位置する右目用画像R1も、斜め方向(図4のA方向)にRGBの画素開口部21a、22aおよび23aが連続するように表示される。そして、左目用画像L1と右目用画像R1とは、RGBの画素開口部21a、22aおよび23aが連続するように延びる斜め方向(図4のA方向)に交差する方向に交互に表示される。
また、画像表示装置1をB方向(図1および図4参照)に90°回転させることにより、表示パネル20の基準辺20aが図5に示すようにX方向(水平方向)に配置された横向き配置の場合には、光の3原色(RGB)に対応する画素開口部21a、22aおよび23aに表示される左目用画像L2(ハッチング領域)および右目用画像R2(非ハッチング領域)は、それぞれ、横向き配置された表示パネル20を観察する観察者80(図3参照)の右目80aおよび左目80bを結んだ線分に対して実質的に垂直方向(Y方向)に延びるように表示される。そして、図5に示した横向き配置の場合には、垂直方向(Y方向)に延びる左目用画像L2と右目用画像R2とは、水平方向(X方向)に交互に表示される。
また、遮光部24は、図6に示すように、能動素子となるTFT25や、そのTFT25に接続される電極(図示せず)を覆うように設けられている。また、縦向き配置の状態において、遮光部24は、画素開口部21a、22aおよび23a(図4参照)の長手方向の一方端側(Y1方向側)からY1方向に延びる遮光領域24aと、長手方向の他方端側(Y2方向側)からY2方向に延びる遮光領域24bと、短手方向の一方端側(X1方向側)からX1方向に延びる遮光領域24cと、短手方向の他方端側(X2方向側)からX2方向に延びる遮光領域24dとを含んでいる。そして、遮光領域24aは、TFT25を覆うために設けられており、縦向き配置の状態において、遮光領域24bのY方向の幅W2より大きいY方向の幅W1を有している。また、遮光領域24cは、縦向き配置の状態において、遮光領域24dのX方向の幅W4より大きいX方向の幅W3を有している。このため、画素21、22および23(図4参照)の中心位置(画素中心位置)C1は、画素開口部21a、22aおよび23aの中心位置(画素開口部中心位置)C2とは異なる位置となる。具体的には、縦向き配置の状態において、画素開口部21a、22aおよび23aの画素開口部中心位置C2は、画素21、22および23の画素中心位置C1からY(Y2)方向にΔL1(=(W1/2)−(W2/2))隔てた位置となる。また、縦向き配置の状態において、画素開口部21a、22aおよび23aの画素開口部中心位置C2は、画素21、22および23の画素中心位置C1からX(X2)方向にΔL2(=(W3/2)−(W4/2))隔てた位置となる。
本実施形態では、偏光板40は、図1に示すように、約45°の偏光軸を有するように設定されているので、約45°の偏光軸を有する光のみを透過する機能を有している。
また、本実施形態では、位相差板50は、図7に示すように、約75°の偏光軸を有する偏光制御領域51aと、約15°の偏光軸を有する偏光制御領域51bとを含むように構成されている。この位相差板50は、表示パネル20の基準辺20aおよび位相差板50の基準辺50aが縦向き(Y方向)に配置された状態で、偏光制御領域51bから出射した光を、観察者80の右目80aに向かう光と、観察者80の左目80bに向かう光とに分離するために設けられている。なお、偏光制御領域51bは、本発明の「透過部」の一例である。また、偏光制御領域51aおよび51bは、透過する光の偏光軸を位相差板50の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化させる機能を有している。つまり、偏光制御領域51aは、入射した光の偏光軸を約75°の偏光軸に対して線対称に変化させ、偏光制御領域51bは、入射した光の偏光軸を約15°の偏光軸に対して線対称に変化させる機能を有している。なお、本実施形態では、後述するように、偏光制御液晶パネル60も同様の機能を有している。
ここで、本実施形態では、図6に示すように、偏光制御領域51bの中心位置(透過部中心位置)C3は、縦向きに配置された表示パネル20の画素21、22および23の画素中心位置C1とは異なる位置にある画素開口部21a、22aおよび23aの画素開口部中心位置C2に実質的に対応するように設けられている。このため、偏光制御領域51bは、表示パネル20の画素開口部中心位置C2および偏光制御領域51bの開口部中心位置C3を通過する光を、図2に示した観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bに進行させることが可能となる。以下、特に記載のない限り、右目80aおよび左目80bは、観察者80の右目80aおよび左目80bを示す。また、本実施形態では、偏光制御領域51bは、図8のX方向およびY方向の両方に対して交差する斜め方向であるA方向に沿った市松状(階段状)に配置されている。この偏光制御領域51bは、図7および図8のY方向が長手方向となるように長方形状に形成されている。
ここで、表示パネル20と位相差板50との位置関係について詳細に説明する。表示パネル20の基準辺20aおよび位相差板50の基準辺50aを縦向き(Y方向)に配置した状態では、画素開口部中心位置C2(図6参照)は、画素中心位置C1(図6参照)からY(Y2)方向にΔL1だけ隔てた位置にあるので、位相差板50のY方向の中心位置C4が、表示パネル20のY方向の中心位置C5からY2方向にΔL1だけ隔てた位置になるように、位相差板50が配置されている。さらに、表示パネル20の基準辺20aおよび位相差板50の基準辺50aを縦向き(Y方向)に配置した状態では、画素開口部中心位置C2は、画素中心位置C1からX(X2)方向にΔL2だけ隔てた位置にあるので、図8に示すように、位相差板50のX方向の中心位置C6が、表示パネル20のX方向の中心位置C7からX2方向にΔL2だけ隔てた位置になるように、位相差板50が配置されている。
また、偏光制御領域51aは、表示パネル20の基準辺20aおよび位相差板50の基準辺50aが縦向き(Y方向)に配置された場合に、表示パネル20の左目用画像L1が表示される領域(ハッチング領域)と観察者80の右目80aとを結んだ線上に配置されるとともに、表示パネル20の右目用画像R1が表示される領域(非ハッチング領域)と観察者80の左目80bとを結んだ線上に配置される。
本実施形態では、偏光制御液晶パネル60は、図9および図10に示すように、約120°の偏光軸を有する偏光制御領域61aおよび61bを有している。この偏光制御液晶パネル60は、表示パネル20、位相差板50および偏光制御液晶パネル60の基準辺20a、50aおよび60aが横向き(X方向)に配置された状態(図10参照)で、偏光制御領域61bから出射した光を、観察者80の右目80aに向かう光と、左目80bに向かう光とに分離するために設けられている。なお、偏光制御領域61bは、本発明の「透過部」の一例である。また、偏光制御領域61aおよび61bは、入射した光の偏光軸を約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化させる機能を有している。
ここで、本実施形態では、図11に示すように、表示パネル20の基準辺20aおよび偏光制御液晶パネル60の基準辺60aが横向き(X方向)に配置された状態において、偏光制御領域61bのX方向の中心位置(透過部中心位置)C8は、横向きに配置された表示パネル20の画素中心位置C1とは異なる位置にある画素開口部中心位置C2に実質的に対応するように設けられる。このため、偏光制御領域61bは、表示パネル20の画素開口部中心位置C2および偏光制御領域61bの開口部中心位置C8を通過する光を、図3に示した観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bに進行させることが可能となる。また、偏光制御領域61aおよび61bは、図10に示すように、表示パネル20が横向きに配置された状態で、観察者80の右目80aおよび左目80bを結んだ方向(X方向)に対して実質的に垂直方向(図10のY方向)に延びるように形成されるとともに、図10のX方向に沿った方向に交互に設けられている。
ここで、表示パネル20と偏光制御液晶パネル60との位置関係について詳細に説明する。表示パネル20の基準辺20aおよび偏光制御液晶パネル60の基準辺60aが横向き(X方向)に配置された状態において、画素開口部中心位置C2(図11参照)は、画素中心位置C1からX(X2)方向にΔL1だけ隔てた位置にあるので、図12に示すように、偏光制御液晶パネル60のX方向の中心位置C9が、表示パネル20のX方向の中心位置C5からX2方向にΔL1だけ隔てた位置になるように、偏光制御液晶パネル60が配置されている。
また、偏光制御領域61aは、表示パネル20が横向きに配置された場合に、表示パネル20の左目用画像L2が表示される領域(ハッチング領域)と観察者80の右目80aとを結んだ線上に配置されるとともに、表示パネル20の右目用画像R2が表示される領域(非ハッチング領域)と観察者80の左目80bとを結んだ線上に配置される。
また、本実施形態では、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bの対応する位置には、それぞれ、電極61cおよび61dが設けられている。これにより、偏光制御領域61aおよび61bに位置する液晶に電極61cおよび61dを用いて電圧を印加することが可能となる。このため、電極61cおよび61dに対応する位置の液晶への電圧の印加状態を制御することによって、偏光制御領域61aおよび61bの偏光制御状態を容易に変化させることが可能となる。本実施形態では、偏光制御液晶パネル60は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させるTN液晶パネルからなる。そして、本実施形態では、偏光制御領域61aおよび61bを電圧印加状態(ON状態)にすることにより、約120°の偏光軸を無効にして所定の偏光軸を有する光を偏光軸をほぼ変化させないで透過させることが可能となり、かつ、電圧非印加状態(OFF状態)にすることにより約120°の偏光軸を有効にしてその120°の偏光軸に対して線対称に光の偏光軸を変化させることが可能となる。これにより、電極61cおよび61dに電圧を印加しないことにより、偏光制御領域61aおよび61bを電圧非印加状態(OFF状態)に制御する第1の状態と、電極61cに電圧を印加せず、電極61dに電圧を印加することにより、偏光制御領域61aを電圧非印加状態(OFF状態)に制御するとともに偏光制御領域61bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第2の状態と、電極61cおよび61dに電圧を印加することにより、偏光制御領域61aおよび61bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第3の状態とを切り替えることが可能となる。なお、電極61cおよび電極61dは、それぞれ、本発明の「第1電極」および「第2電極」の一例である。
本実施形態では、偏光板70は、約45°の偏光軸を有するように設定されているので、入射する光を、約45°の偏光軸を有する光に変化させて透過する機能を有する。
(縦向き配置時の立体画像表示モード)
図13は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルの縦向き配置時における立体画像表示方法を説明するための図である。なお、図13において、破線は、偏光板30、40、70、位相差板50および偏光制御液晶パネル60の偏光軸の角度を示すとともに、矢印は、透過光の偏光軸の角度を示す。次に、図2、図4、図6、図9および図13を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル20の縦向き配置時における立体画像表示方法について説明する。
まず、バックライト10(図2参照)から照射された光は、図13に示すように、偏光板30により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板30を出射した光は、表示パネル20の画素開口部21a、22aおよび23aに入射する。この場合、図4に示すように、画素開口部21a、22aおよび23aのうちのハッチング領域には、左目用画像L1が表示されているとともに、画素開口部21a、22aおよび23aのうちの非ハッチング領域には、右目用画像R1が表示されている。表示パネル20に入射した光は、図13に示すように、90°TN液晶パネルからなる表示パネル20により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル20を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル20を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板40を透過して、位相差板50の偏光制御領域51aまたは51bに入射する。
位相差板50の偏光制御領域51aに入射した光は、図13に示すように、偏光制御領域51aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、偏光制御領域51aを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、電極61cおよび61d(図9参照)に電圧が印加されないOFF状態(上記第1の状態)に制御されているので、偏光制御領域61aおよび61bの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに入射した光は、偏光制御領域61aおよび61bの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51aを出射して偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約135°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板70により遮光される。この場合、位相差板50の偏光制御領域51aは、上記したように、表示パネル20の左目用画像L1が表示される画素開口部21a〜23aと右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L1が右目80aに入射するのを抑制することが可能となる。また、位相差板50の偏光制御領域51aは、表示パネル20の右目用画像R1が表示される領域と左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R1が左目80bに入射するのを抑制することが可能となる。
一方、位相差板50の偏光制御領域51bに入射した光は、図13に示すように、偏光制御領域51bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、偏光制御領域51bを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、電極61cおよび61d(図9参照)に電圧が印加されないOFF状態(上記第1の状態)に制御されているので、偏光制御領域61aおよび61bの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに入射した光は、偏光制御領域61aおよび61bの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51bを出射して偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約75°の偏光軸を有することとなる。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。この場合、図6に示すように、位相差板50の偏光制御領域51bの透過部中心位置C3は、表示パネル20の左目用画像L1が表示される画素開口部中心位置C2と、観察中心の左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L1を左目80bに入射することが可能となる。また、透過部中心位置C3は、表示パネル20の右目用画像R1が表示される画素開口部中心位置C2と、観察中心の右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R1を右目80aに入射することが可能となる。
上記のように、表示パネル20の縦向き配置時において、右目80aおよび左目80bに、それぞれ、左目用画像L1および右目用画像R1が入射されることにより、観察者80は、立体画像を見ることが可能となる。
(横向き配置時の立体画像表示モード)
図14は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルの横向き配置時における立体画像表示方法を説明するための図である。次に、図3、図10、図11および図14を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル20の縦向き配置時における立体画像表示方法について説明する。
まず、バックライト10(図3参照)から照射された光は、図14に示すように、偏光板30により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。なお、横向き配置時には、縦向き配置時に比べて偏光軸が90°ずつ回転するが、本実施形態では、簡略化のため、横向き配置時においても、縦向き配置時の偏光軸の角度をそのまま用いて説明する。そして、偏光板30を出射した光は、表示パネル20の画素開口部21a、22aおよび23aに入射する。この場合、図4に示すように、画素開口部21a、22aおよび23aのうちのハッチング領域には、左目用画像L2が表示されているとともに、画素開口部21a、22aおよび23aのうちの非ハッチング領域には、右目用画像R2が表示されている。表示パネル20に入射した光は、図14に示すように、90°TN液晶パネルからなる表示パネル20により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル20を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル20を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板40を透過して、位相差板50の偏光制御領域51aまたは51bに入射する。
位相差板50の偏光制御領域51aに入射した光は、図14に示すように、位相差板50の偏光制御領域51aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51aを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図10参照)に電圧を印加しないOFF状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御領域61aの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、位相差板50の偏光制御領域51aを出射して偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aに入射した光は、偏光制御領域61aの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51aを出射して偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aを出射した光は、約135°の偏光軸を有する。そして、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aを出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板70により遮光される。この場合、上記したように、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aは、表示パネル20の右目用画像R2が表示される画素開口部21a〜23aと左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2が左目80bに入射するのを抑制することが可能となる。また、偏光制御領域61aは、表示パネル20の左目用画像L2が表示される画素開口部21a〜23aと右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2が右目80aに入射するのを抑制することが可能となる。
一方、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61bに対応する電極61d(図10参照)に電圧を印加するON状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御領域61bの偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61bに入射した光は、図14に示すように、偏光軸を変化されることなく出射される。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51aを出射して偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。この場合、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bの透過部中心位置C8は、図11に示すように、表示パネル20の左目用画像L2が表示される画素開口部21a〜23aと左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2を左目80bに入射させることが可能となる。また、透過部中心位置C8は、表示パネル20の右目用画像R2が表示される画素開口部21a〜23aと右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2を右目80aに入射させることが可能となる。
また、位相差板50の偏光制御領域51bに入射した光は、偏光制御領域51bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51bを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図10参照)に電圧を印加しないOFF状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御領域61aの約120°の偏光軸は有効になる。したがって、位相差板50の偏光制御領域51bを出射して偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aに入射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aの約120°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51bを出射して偏光制御領域61aを出射した光は、約75°の偏光軸を有する。そして、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aを出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。この場合、上記したように、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aは、表示パネル20の右目用画像R2が表示される画素開口部21a〜23aと左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2が左目80bに入射する。また、偏光制御領域61aは、表示パネル20の左目用画像L2が表示される画素開口部21a〜23aと右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2が右目80aに入射する。
一方、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61bに対応する電極61d(図10参照)に電圧を印加するON状態(上記第2の状態)に制御されているので、偏光制御領域61bの偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61bに入射した光は、図14に示すように、偏光軸を変化されることなく出射される。すなわち、位相差板50の偏光制御領域51bを出射して偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。この場合、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bの透過部中心位置C8は、図11に示すように、表示パネル20の左目用画像L2が表示される画素開口部21a〜23aと左目80bとを結ぶ線上に配置されているので、左目用画像L2を左目80bに入射させることが可能となる。また、透過部中心位置C8は、表示パネル20の右目用画像R2が表示される画素開口部21a〜23aと右目80aとを結ぶ線上に配置されているので、右目用画像R2を右目80aに入射させることが可能となる。
上記のように、表示パネル20の横向き配置時において、右目80aおよび左目80bに、それぞれ、左目用画像L2および右目用画像R2が入射されることにより、観察者80は、立体画像を見ることが可能となる。
(縦向き配置時の平面画像表示モード)
図15は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルを縦向きに配置した場合の平面画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。図16は、図1に示した本発明の一実施形態による表示パネルの縦向き配置および横向き配置時における平面画像表示方法を説明するための図である。次に、図9、図10、図15および図16を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル20の縦向き配置時における平面画像表示方法について説明する。
まず、バックライト10(図15参照)から照射された光は、図16に示すように、偏光板30により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板30を出射した光は、表示パネル20に入射する。この場合、図15に示すように、表示パネル20には、平面画像S1が表示されている。表示パネル20に入射した光は、図16に示すように、90°TN液晶パネルからなる表示パネル20により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル20を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル20を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板40を透過して、位相差板50の偏光制御領域51aまたは51bに入射する。
位相差板50の偏光制御領域51aに入射した光は、図16に示すように、位相差板50の偏光制御領域51aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51aを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図9および図10参照)および偏光制御領域61bに対応する電極61d(図9および図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル60の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに入射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル60から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約105°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。これにより、偏光制御領域51aを介して偏光板70から出射された光により、偏光制御領域51aに対応する表示パネル20の平面画像S1が右目80aおよび左目80bに入射される。
一方、位相差板50の偏光制御領域51bに入射した光は、図16に示すように、位相差板50の偏光制御領域51bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51bを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図9および図10参照)および偏光制御領域61bに対応する電極61d(図9および図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル60の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに出射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル60から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約165°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。これにより、偏光制御領域51bを介して偏光板70から出射された光により、偏光制御領域51bに対応する表示パネル20の平面画像S1が右目80aおよび左目80bに入射される。
上記のように、右目80aおよび左目80bに平面画像S1が入射されることにより、観察者80は、表示パネル20を縦向きに配置した場合に、平面画像を見ることが可能となる。
(横向き配置時の平面画像表示モード)
図17は、図1に示した本発明の一実施形態による画像表示装置の表示パネルを横向きに配置した場合の平面画像表示時において観察者が表示パネルを見た状態を上方から示した図である。次に、図9、図10、図16および図17を参照して、本発明の一実施形態による表示パネル20の横向き配置時における平面画像表示方法について説明する。
まず、バックライト10(図17参照)から照射された光は、図16に示すように、偏光板30により、約135°の偏光軸を有する光のみを透過する。そして、偏光板30を出射した光は、表示パネル20に入射する。この場合、図17に示すように、表示パネル20には、平面画像S2が表示されている。表示パネル20に入射した光は、図16に示すように、90°TN液晶パネルからなる表示パネル20により偏光軸が90°変化した状態で出射される。すなわち、表示パネル20を透過した光は、約45°の偏光軸を有する。そして、表示パネル20を出射した光は、約45°の偏光軸を有する偏光板40を透過して、位相差板50の偏光制御領域51aまたは51bに入射する。
位相差板50の偏光制御領域51aに入射した光は、図16に示すように、位相差板50の偏光制御領域51aの約75°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51aを出射した光は、約105°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51aを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図9および図10参照)および偏光制御領域61bに対応する電極61d(図9および図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル60の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに入射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル60から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約105°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。これにより、偏光制御領域51aを介して偏光板70から出射された光により、偏光制御領域51aに対応する表示パネル20の平面画像S2が右目80aおよび左目80bに入射される。
一方、位相差板50の偏光制御領域51bに入射した光は、図16に示すように、位相差板50の偏光制御領域51bの約15°の偏光軸に対して線対称の偏光軸に変化されて透過する。すなわち、偏光制御領域51bを出射した光は、約165°の偏光軸を有する。そして、位相差板50の偏光制御領域51bを出射した光は、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを透過する。この際、偏光制御液晶パネル60は、偏光制御領域61aに対応する電極61c(図9および図10参照)および偏光制御領域61bに対応する電極61d(図9および図10参照)に電圧が印加されるON状態(上記第3の状態)に制御されるので、偏光制御液晶パネル60の偏光軸は無効になる。したがって、偏光制御領域61aおよび61bに出射した光は、偏光軸が変化されることなく偏光制御液晶パネル60から出射される。すなわち、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約165°の偏光軸を有する。その後、偏光制御液晶パネル60を出射した光は、約45°の偏光軸に変化されて偏光板70から出射される。これにより、偏光制御領域51bを介して偏光板70から出射された光により、偏光制御領域51bに対応する表示パネル20の平面画像S2が右目80aおよび左目80bに入射される。
上記のように、右目80aおよび左目80bに平面画像S2が入射されることにより、観察者80は、表示パネル20を横向きに配置した場合に、平面画像を見ることが可能となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、上記のように、位相差板50の偏光制御領域51bの透過部中心位置C3を、縦向きに配置された表示パネル20の画素21、22および23の画素中心位置C1とは異なる位置にある画素開口部21a、22aおよび23aの画素開口部中心位置C2に実質的に対応するように設けることによって、表示パネル20の画像が表示される画素開口部21a〜23aの画素開口部中心位置C2から出射された光を、位相差板50の偏光制御領域51bの透過部中心位置C3を介して、観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bに向かって進行させることができる。すなわち、観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bは、位相差板50の偏光制御領域51bの透過部中心位置C3を介して、表示パネル20の画像が表示される画素開口部21a〜23aを観察することができる。その結果、観察者80の右目80aおよび左目80bは、共に、表示パネル20の画素開口部21a〜23aに表示される画像の中心部周辺を観察することができるので、観察中心に位置する観察者80に良好な立体画像を提供することができる。
また、本実施形態では、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bの透過部中心位置C8を、横向きに配置された表示パネル20の画素21、22および23の画素中心位置C1とは異なる位置にある画素開口部21a、22aおよび23aの画素開口部中心位置C2に実質的に対応するように設けることによって、表示パネル20の画像が表示される画素開口部21a〜23aの画素開口部中心位置C2から出射された光を、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bの透過部中心位置C8を介して、観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bに向かって進行させることができる。すなわち、観察中心に位置する観察者80の右目80aおよび左目80bは、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61bの透過部中心位置C8を介して、表示パネル20の画像が表示される画素開口部21a〜23aを観察することができる。その結果、観察者80の右目80aおよび左目80bは、共に、表示パネル20の画素開口部21a〜23aに表示される画像の中心部周辺を観察することができるので、観察中心に位置する観察者80に良好な立体画像を提供することができる。
また、本実施形態では、偏光制御液晶パネル60の電極61cおよび61dに電圧を印加しないことにより、偏光制御領域61aおよび61bを電圧非印加状態(OFF状態)に制御する第1の状態と、電極61cに電圧を印加せず、電極61dに電圧を印加することにより、偏光制御領域61aを電圧非印加状態(OFF状態)に制御するとともに偏光制御領域61bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第2の状態と、電極61cおよび61dに電圧を印加することにより、偏光制御領域61aおよび61bを電圧印加状態(ON状態)に制御する第3の状態とに切り替えることが可能な偏光制御液晶パネル60を設けることによって、表示パネル20を縦方向および横方向の両方向に配置した場合に、観察者60に立体画像および平面画像を提供することができる。
また、本実施形態では、表示パネル20の基準線20aがY方向(垂直方向)に配置された縦向き配置の状態で、位相差板50の偏光制御領域51bをA方向に沿って延びるように設けるとともに、A方向に沿って右目用画像R1および左目用画像L1を表示することによって、A方向に沿って延びるように表示される右目用画像R1および左目用画像L1が付加された光を、A方向に沿って延びる位相差板50の偏光制御領域51bを通過させることができる。これにより、右目用画像R1が付加された光と、左目用画像L1が付加された光とを、それぞれ、A方向に沿って延びた状態で進行させることができる。その結果、右目80aおよび左目80bに向かって進行するように分離された光を、縦方向(Y方向)および横方向(X方向)にほぼ均等に分散した状態で観察者80の右目80aおよび左目80bに向かって進行させることができるので、右目80aおよび左目80bが観察する表示パネル20の画像の解像度の低下を縦方向(Y方向)および横方向(X方向)に分散することができる。その結果、観察者80に、画像劣化の少ない立体画像を観察していると認識させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、表示パネルの右目用画像と左目用画像とを分離するための分離手段として、位相差板および偏光制御液晶パネルを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、レンズを用いて右目用画像および左目用画像が付加された光に指向性を持たせて、観察者の右目および左目に進行させてもよい。また、透過部と遮光部とが設けられたパララックスバリアなども本発明の画像表示装置に適用可能である。
また、上記実施形態では、本発明の分離手段として、位相差板と偏光制御液晶パネルとを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、位相差板または偏光制御液晶パネルのいずれか一方のみを用いてもよい。この場合、縦置き配置時または横置き配置時のいずれかで観察者に立体画像を提供することが可能である。
また、上記実施形態では、位相差板50の基準線50aがY方向(垂直方向)に配置された縦向き配置の状態で、位相差板50の偏光制御領域51bをA方向(斜め方向)に延びる市松状(階段状)に配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、位相差板50の基準線50aがY方向に配置された縦向き配置の状態で、位相差板50の偏光制御領域51bを所定の方向(図7のY方向)に延びるように配置してもよいし、市松状(階段状)以外の斜め方向に延びるように配置してもよい。
また、上記実施形態では、偏光制御液晶パネル60の基準線60aがX方向(水平方向)に配置された横向き配置の状態で、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bがY方向(垂直方向)に延びるように配置された例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光制御液晶パネル60の基準線60aがX方向に配置された横向き配置の状態で、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび61bを、位相差板50の偏光制御領域51bのように、斜め方向(A方向)に延びる市松状(階段状)に配置してもよい。
また、上記実施形態では、表示パネル20は、90°TN方式を用い、表示パネル20を挟んで対向するように配置される偏光板30および40が、互いに直交する偏光軸を有する例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、VA(Vertical Alignment)方式およびECB(Electrically Controlled Birefringence)方式などの他の方式を用いてもよい。この場合、たとえば、VA方式を用いれば、表示パネル20を挟み込むように配置された偏光板30および5を、同じ偏光軸を有する偏光板により構成するとともに、表示パネル20、偏光板30および5の偏光軸に対応するように、画像表示装置により形成される画像に対応する光の偏光軸を設定すればよい。
また、上記実施形態では、偏光制御液晶パネル60は、OFF状態で、入射した光の偏光軸を変化させた状態で出射させるとともに、ON状態で、入射した光の偏光軸をほぼ変化させないで出射させるTN方式を用いる例について示したが、本発明はこれに限らず、上記したVA方式およびECB方式などの他の方式を用いてもよい。
また、上記実施形態では、バックライト(光源)からの光が照射される液晶表示パネルからなる表示パネルを用いることにより観察者に立体画像を提供する例について説明したが、本発明はこれに限らず、有機ELやPDP(プラズマディスプレイパネル)などの自発光タイプの表示パネルを有する画像表示装置や、他の平面ディスプレイにも適用可能である。
また、上記実施形態では、観察者側から順番に、偏光制御液晶パネル、位相差板、表示パネル、バックライトを配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、観察者側から順番に、表示パネル、位相差板、偏光制御液晶パネル、バックライトを配置してもよい。
また、上記実施形態では、偏光板30、40、70、位相差板50の偏光制御領域51a、51bおよび偏光制御液晶パネル60の偏光軸を、それぞれ、約135°、約45°、約45°、約75°、約15°、約120°に設定する例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光板30、40、70、位相差板50の偏光制御領域51a、51bおよび偏光制御液晶パネル60の偏光軸を上記の値以外の値に設定してもよい。この場合、偏光軸を最適化することにより、表示パネルを横向きに配置した場合に、位相差板50の偏光制御領域51bを出射して、偏光制御液晶パネル60の偏光制御領域61aおよび偏光板70を透過する光の量を低減するのが好ましい。これにより、観察者の左目に入射する右目用画像の光の量を低減するとともに、観察者の右目に入射する左目用画像の光の量を低減することが可能になる。
また、上記実施形態では、表示パネルを縦向きおよび横向きに配置して観察者に立体画像を提供する例を示したが、上記実施形態の構成では、表示パネルを縦向きに配置した場合には、観察者の左目に右目用画像が入射するのをより抑制することができるとともに、観察者の右目に左目用画像が入射するのをより抑制することができる一方、表示パネルを横向きに配置した場合には、右目用画像の一部が観察者の左目に入射するとともに、左目用画像の一部が観察者の右目に入射するので、表示パネルを縦向きに配置するのを標準状態にして観察者に立体画像を提供するのが望ましい。