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JP4934168B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

この発明は、鍋等の炊事具をIH(Induction Heating)クッキングヒータ等の上に搭載した状態で、炊事具の底面の温度を検出するための温度センサに関する。
IHクッキングヒータ等の誘導加熱式の調理器においては、調理器の天板上に炊事具である鍋等を載せた状態で炊事具を加熱することで調理を行う。このとき、調理器に備えた温度センサによって鍋底の温度を検出し、その温度をコントローラで監視することで、調理中に鍋の内部が調理に適当な温度状態になっているか否か、あるいは、鍋底が異常な高温になっていないか、等をモニタリングし、加熱度合いの調整や、加熱の停止等を制御することが行われている。
このような目的に用いられる温度センサは、サーミスタ式が主流となっていて、従来から、種々の形式のものが提案されている。
ところで、ガスコンロのように鍋を載せる五徳のないIHクッキングヒータにおいては、鍋を置く位置の目安として、天板の加熱コイルに対応した位置に円形の線が描かれているものの、線から鍋がずれたとしても、ガスコンロのように五徳から鍋が落ちそうになって不安定になることもない。このため、鍋が天板の円形の線から大きくずれたままとなることがある。すると、温度センサで鍋底の温度を検出することができなくなり、その結果、いくら鍋を加熱しても、温度センサでの検出温度が上がらないために加熱し続けてしまい、鍋を加熱し過ぎてしまう可能性がある。
そこで、近年、IHクッキングヒータにおいて、温度センサを複数箇所に設け、鍋の温度を確実に検出することが行われつつある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−4212号公報
ここで、サーミスタを用いた温度センサの場合、サーミスタ素子の両極に接続される配線(デュメット線)を、リード線に接続し、このリード線を、コネクタ等を介してコイルの加熱制御を行うコントローラに接続する。このため、温度センサには、導体からなる接続板(一般的に金属板)が設けられ、サーミスタ素子に接続された配線の端部と、リード線の端部とが、それぞれ溶接等の接合法により接合されている。
図7に示すように、温度センサ1は、鍋底の温度を検出するため、IHクッキングヒータ2の天板3の下面に押し付けられるようにして設けられる。温度センサ1を複数備える場合、コイル4の中心の他、コイル4の内周側や外周側等に、周方向に間隔を隔てて温度センサ1を配置するが、コイル4の内周側や外周側の温度センサ1は、コイル4上に位置することとなる。すると、導体からなる接続板5を、コイル4の発生する磁界の磁力線が通過し、渦電流が発生して接続板5が加熱されてしまう。接続板5が加熱されると、温度センサ1のサーミスタで検出する鍋底の温度に影響が生じ、正確な温度検出ができなくなるという問題がある。特にこれは、磁束密度が高くなるコイル4の内周側において、より顕著となる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、温度の検出精度を高めることのできる温度センサを提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明は、通電されることにより磁場を発生することで調理容器を加熱するための環状のコイルを備えた誘導加熱調理器に用いられる温度センサであって、絶縁材料から形成され、一定幅を有してその長手方向の中間部において屈曲した側面視L字状で、屈曲部に対して一方の部分と当該一方の部分に直交する他方の部分を有するベース部材と、ベース部材の一方の部分に設けられ、コイルで加熱される調理容器の温度を検出する温度検出素子と、クッション性を有し、温度検出素子を調理機器の天板に押し付ける緩衝層と、ベース部材の他方の部分に設けられ、温度検出素子の両極に接続された配線を外部に導出するためのリード線を配線に接続するための導電性材料からなる接続板と、を備えることを特徴とする。
このような温度センサは、一方の部分を、コイルの内周側で生じる磁力線の方向に直交する面内に配置し、他方の部分を、コイルの内周側または外周側において、コイルの内周側で生じる磁力線の方向に平行な面内に配置することで、接続板を通過する磁力線を抑えることができる。
また、温度検出素子の配線は、一方の部分から他方の部分に導かれ、他方の部分にインサート成形された接続板に電気的に接続するのが好ましい。
このとき、接続板は、コイルに対し、コイルの一方の側にオフセットして設けるのが好ましい。
また、このような温度センサを複数備える場合、これら温度センサの温度検出素子に接続されたリード線を、一つのコネクタに接続するのが好ましい。これにより、リード線の接続の手間を軽減するとともに、誤配線を防止できる。
本発明の温度センサによれば、接続板を、コイルの内周側または外周側において磁場の方向に平行な面内に配置することで、接続板を通過する磁力線を抑え、接続板が加熱されるのを防ぐことができる。その結果、温度の検出精度を高めることが可能となる。
本実施の形態における調理器の構成を示す断面図である。 センターセンサの断面図である。 外周センサのベース部材を示す斜視図である。 (a)は外周センサの背面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 外周センサの平面図である。 複数の外周センサを接続したコネクタを示す図である。 従来の温度センサを調理器に配置した状態を示す断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における温度センサ10の構成を説明するための図である。
図1に示すように、IHクッキングヒータ(誘導加熱調理器)100には、その上面を形成する天板101の下面側に近接して、環状に形成されて天板101と平行な面内に位置するコイル110が設けられている。
温度センサ10は、コイル110の内方の中央部に設けられたセンターセンサ20と、センターセンサ20に対して外周側であって、コイル110の内周縁部に位置する外周センサ30と、から構成されている。本実施形態において、外周センサ30は、例えば4個設けられている。もちろん、その数はこれに限るものではない。
図2に示すように、センターセンサ20は、例えば、セラミックス製の保護管21の内部に、サーミスタ素子22が収容され、サーミスタ素子22の両極には、デュメット線23、23が接続された構成を有している。デュメット線23、23は、絶縁チューブ24内において、接続子26、26を介してリード線27、27の一端に接続されている。リード線27、27の他端は、IHクッキングヒータ100のコントローラに接続するためのコネクタ(図示無し)に接続されている。
このセンターセンサ20は、保護管21が、IHクッキングヒータ100の図示しないフレームにブラケット等を介して取付・固定される。
図3、図4に示すように、外周センサ30は、一定幅を有し、その長手方向の中間部において屈曲した側面視L字状で、樹脂等の絶縁材料からなるベース部材31を有し、ベース部材31の屈曲部31aに対して一方の面(一方の部分)31bの先端部側に温度検出部32が設けられ、屈曲部31aに対して他方の面(他方の部分)31cに、配線接続部40が設けられている。図4(b)に示したように、この外周センサ30は、ベース部材31の一方の面31bが、コイル110の内周縁部の上方に位置してIHクッキングヒータ100の天板101側に対向し、温度検出部32が天板101の下面に押し付けられるよう配置される。
図5に示すように、温度検出部32は、クッション性を有するセラミックペーパ(セラミック系材料を繊維状としたもの)等からなる緩衝層33と、サーミスタ素子(温度検出素子)34と、サーミスタ素子34を覆うように設けられ、例えばゴム系材料からなる感熱層35と、これら緩衝層33、サーミスタ素子34、感熱層35を覆う保護層36と、が積層されることで形成されている。
前記のサーミスタ素子34の両極にはデュメット線(配線)37、37の一端が接続されている。デュメット線37、37は、ベース部材31に形成された溝31dを通し、サーミスタ素子34が配置された一方の面31bから他方の面31cに導かれている。
緩衝層33は、そのクッション性により、外周センサ30をIHクッキングヒータ100に取り付けたときに、サーミスタ素子34を天板101の下面に押しつけるためのものである。感熱層35は、天板101の下面側の熱を吸収することで、サーミスタ素子34における感温性能を向上させる。保護層36は、粘着テープによって形成することができ、この粘着テープをベース部材31に貼り付けることで形成できる。
図4に示したように、配線接続部40として、ベース部材31において、導電性材料(金属)からなる接続板41、41が、前記の他方の面31cにインサート成形されている。これら接続板41、41は、コイル110に対し、コイル110で発生する磁場方向に対して平行な面内、すなわち天板101に直交する面内に位置するよう設けられている。さらに、接続板41、41は、コイル110に対し、その一方の側(天板101と反対側)にオフセットするよう設けられている。
ベース部材31には、接続板41に対応する位置に、サーミスタ接続孔42、42と、リード線接続孔43、43とが形成されている。このサーミスタ接続孔42、42には、前記のデュメット線37、37の他端が挿通され、リード線接続孔43、43には、リード線39、39の一端が挿通され、それぞれ、接続板41、41に溶接されている。これによってデュメット線37、37とリード線39、39が、接続板41、41を介して電気的に接続されている。
図6に示すように、このような外周センサ30は、前述したように複数設けられているが、これら複数の外周センサ30のリード線39、39は、一つのコネクタ50に接続されている。そして、このコネクタ50が、IHクッキングヒータ100の図示しないコントローラ側のコネクタに接続される。
このような構成によれば、温度センサ10は、コイル110の中央部に配したセンターセンサ20と、コイル110の内周縁部に配した複数の外周センサ30の温度検出部32と、を、それぞれIHクッキングヒータ100の天板101の下面に対向させた状態で設置される。IHクッキングヒータ100のコントローラでは、センターセンサ20、外周センサ30のサーミスタ素子22、34を、天板101の下面に押し付けて温度を検出することで、IHクッキングヒータ100の天板101上の調理容器の底の温度を検出し、加熱温度の制御を行う。
上述した温度センサ10は、外周センサ30が、側面視L字状とされて、温度検出部32が設けられた面31bが、コイル110と天板101との間に配置され、デュメット線37、37とリード線39、39とを接続する接続板41、41が、コイル110の内周側において、コイル110で発生する磁場の方向に平行な面内に位置するよう配置された構成とされている。
これにより、コイル110上に磁場の方向に直交する面内に接続板41、41を配した場合に比較して、磁束密度が高くなるコイル110の内周側においても、接続板41、41を通過する磁力線を大幅に少なくすることができ、接続板41、41の加熱を抑えることができる。
その結果、外周センサ30における温度検出精度を向上させることができる。しかも、複雑な構造や、新たな付加物を設ける必要もなく、ベース部材31の形状によって上記接続板41、41の配置を実現できるので、低コストで上記効果を得ることができる。
また、複数の外周センサ30のリード線39、39が、一つのコネクタ50に接続されているので、温度センサ10の組付け時に誤配線を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態では、温度センサ10の各部の構成を詳細に説明したが、外周センサ30の数等は、適宜他の構成とすることができる。
また、上記実施形態では、センターセンサ20と外周センサ30とで異なる構成のものを用いたが、センターセンサ20についても外周センサ30と同様の構造のものを用いるようにしても良い。
さらに、外周センサ30の温度検出部32や、センターセンサ20における温度検出方式も、適宜他の方式とすることも可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10…温度センサ、20…センターセンサ、22…サーミスタ素子、30…外周センサ、31…ベース部材、31a…屈曲部、31b…面(一方の部分)、31c…面(他方の部分)、32…温度検出部、34…サーミスタ素子(温度検出素子)、37…デュメット線(配線)、39…リード線、40…配線接続部、41…接続板、50…コネクタ、100…クッキングヒータ(誘導加熱調理器)、101…天板、110…コイル

Claims (4)

  1. 通電されることにより磁場を発生することで調理容器を加熱するための環状のコイルを備えた誘導加熱調理器に用いられる温度センサであって、
    絶縁材料から形成され、一定幅を有してその長手方向の中間部において屈曲した側面視L字状で、屈曲部に対して一方の部分と当該一方の部分に直交する他方の部分を有するベース部材と、
    前記ベース部材の前記一方の部分に設けられ、前記コイルで加熱される前記調理容器の温度を検出する温度検出素子と、
    クッション性を有し、前記温度検出素子を前記調理機器の天板に押し付ける緩衝層と、
    前記ベース部材の前記他方の部分に設けられ、前記温度検出素子の両極に接続された配線を外部に導出するためのリード線を前記配線に接続するための導電性材料からなる接続板と、を備え、
    前記一方の部分は、前記コイルの内周側で生じる磁力線の方向に直交する面内に配置され、
    前記他方の部分は、前記コイルの内周側または外周側において、前記コイルの内周側で生じる前記磁力線の方向に平行な面内に配置されることを特徴とする温度センサ。
  2. 前記温度検出素子の前記配線が、前記一方の部分から前記他方の部分に導かれ、
    前記他方の部分にインサート成形された前記接続板に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記接続板は、前記コイルに対し、前記コイルの一方の側にオフセットして設けられていることを特徴とする請求項2に記載の温度センサ。
  4. 前記センサが複数備えられ、これら前記センサの前記温度検出素子に接続された前記リード線が、一つのコネクタに接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
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