JP4932069B2 - アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 - Google Patents
アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4932069B2 JP4932069B2 JP01582799A JP1582799A JP4932069B2 JP 4932069 B2 JP4932069 B2 JP 4932069B2 JP 01582799 A JP01582799 A JP 01582799A JP 1582799 A JP1582799 A JP 1582799A JP 4932069 B2 JP4932069 B2 JP 4932069B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- temperature
- hydrogen atom
- general formula
- branched alkyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C233/00—Carboxylic acid amides
- C07C233/01—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
- C07C233/45—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups
- C07C233/46—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by an acyclic carbon atom
- C07C233/49—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by an acyclic carbon atom having the carbon atom of the carboxamide group bound to a carbon atom of an acyclic unsaturated carbon skeleton
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C233/00—Carboxylic acid amides
- C07C233/01—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
- C07C233/34—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by amino groups
- C07C233/35—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by amino groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by an acyclic carbon atom
- C07C233/38—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by amino groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by an acyclic carbon atom having the carbon atom of the carboxamide group bound to a carbon atom of an acyclic unsaturated carbon skeleton
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F20/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F20/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
- C08F20/52—Amides or imides
- C08F20/54—Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側鎖に官能基を有するアクリルアミド誘導体およびこの誘導体の単独重合体、共重合体、さらに該重合体の架橋物に関する。本発明のアクリルアミド誘導体は、容易にラジカル重合し簡便に単独重合体が得られ、他のモノマーとの共重合も可能である。本発明のアクリルアミド誘導体から合成される共重合体は、水溶液中で特定の温度を境に低温側で溶解、高温側では不溶化を起こす、温度応答性高分子と成りうる。従って、固体表面に固定化することにより、特定の温度を境に低温側で親水性、高温側で疎水性となる。本発明の共重合体を用いれば狭い温度範囲で、親水性、疎水性の変化を起こすばかりでなく、荷電状態から非荷電状態への温度変化のみによるスイッチが可能となる。さらに種々の官能基を有しているために、これを利用して共有結合あるいは水素結合などにより様々な分子の導入が可能である。
【0002】
【従来の技術】
N−アルキル置換アクリルアミド重合体は、温度応答性高分子の一つであり、中でもポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(以下、PIPAAmと略記する)は、32℃の相転移温度を境にそれ以下では水溶性を示し、それ以上では急激に不溶化して沈殿を生起する。PIPAAm連鎖を固体表面に導入して、温度変化のみで親水性・疎水性を変化させ、細胞培養後の細胞の回収や、クロマトグラフィーへの展開が行われている。かかる技術は、例えば、下記の文献に記載されている。
T.Okano,N.Yamada,H.Sakai,Y.Sakurai,Journal of Biomedical Materials Research,27巻,1243〜1251ページ(1993年)
T.Okano,N.Yamada,M.Okuhara,H.Sakai,Y.Sakurai,Biomaterials,16巻,297〜303ページ(1995年)
H.Kanazawa,K.Yamamoto,Y.Matsushima,N.Takai,A.Kikuchi,Y.Sakurai,T.Okano,Analytical Chemistry,68巻,100〜105ページ(1996年)
H.Kanazawa,Y.Kashiwase,K.Yamamoto,Y.Matsushima,A.Kikuchi,Y.Sakurai,T.Okano,Analytical Chemistry,69巻,823〜830ページ(1997年)
この温度応答性高分子に官能基を導入するために、アクリル酸等の官能基を有するコモノマーとの共重合が一般に行われている。ところが、直鎖状の重合体あるいはハイドロゲル(すなわち、架橋物)においては、アクリル酸の導入率を増加させると、相転移温度は顕著に上昇してしまい、さらにその転移挙動も鈍感になってしまうことが避けられなかった。すなわち、温度応答性重合体またはハイドロゲルにおいて鋭敏な温度応答性を保持したまま、多くの官能基を導入する方法はこれまでなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鋭敏な温度応答性を保持したまま多くの官能基が導入された高分子、あるいはハイドロゲル(すなわち、架橋物)を調製するためのモノマーおよびその重合体あるいはハイドロゲル(すなわち、架橋物)を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に基づいて鋭意検討を加えた。その結果、共重合させるモノマーと構造を極めて類似させることにより、単独重合体が保持している温度応答性を発現させることが出来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【0006】
【化13】
【0007】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表し、R2、R3は各々独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表すか、または、R2とR3は一体となってシクロアルカンを形成しても良く、Xは水素原子、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくは−COOR5(R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す。)を表し、Yはアミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくは−COOR5(R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す。)を表す。)で表されるアクリルアミド誘導体を提供する。
【0008】
また、本発明は、下式一般式(II)
【0009】
【化14】
【0010】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表し、R2、R3は各々独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表すか、または、R2とR3は一体となってシクロアルカンを形成しても良く、Xは水素原子、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくは−COOR5(R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す。)を表し、Yはアミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくは−COOR5(R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す。)を表す。)で表される繰り返し単位からなる重合体を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、前記一般式(II)で表される繰り返し単位と、一般式(III)
【0012】
【化15】
【0013】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表し、R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表し、R6は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す。)で表される繰り返し単位とからなる共重合体を提供する。
【0014】
さらに加えて、本発明は、上記重合体を含む架橋物および上記共重合体を含む架橋物を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル、n−ペンチル基およびn−ヘキシル基を挙げることができる)。
【0016】
本発明において、炭素数1〜6のアルキレン基の例としては、モノメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基およびヘキサメチレン基を挙げることができる。好ましいメチレン基としてはモノメチレン基を挙げることができる。
【0017】
本発明において、ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子のいずれかを意味する。特に好ましいハロゲン原子は塩素原子である。
本発明において、置換フェニル基の置換基としては、特に制限されないが、例えば、ニトロ基、メチルメルカプト基が挙げられる。特に好ましい置換フェニル基の置換基はニトロ基である。
【0018】
本発明において、置換ベンジル基としては、特に制限されないが、例えば、トリフェニルメチル基、ジフェニルメチル基が挙げられる。
一般式(I)および一般式(II)において、R2とR3が一体となって環を形成する場合、好ましい環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等が挙げられる。
【0019】
本発明において、一般式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体の重合度は、繰り返し単位の数が2以上であれば特に限定されないが、好ましくは50〜500である。
【0020】
本発明において、一般式(II)で表される繰り返し単位と、一般式(III)で表される繰り返し単位とからなる共重合体は、各々の繰り返し単位の数の合計が2以上であれば特に限定されないが、好ましくは50〜500である。また、前者の繰り返し単位と後者の繰り返し単位との割合も特に限定されないが、一般式(II)で表される繰り返し単位の数:一般式(III)で表される繰り返し単位の数=1〜50:99〜50が好ましい。
【0021】
以下、本発明のアクリルアミド誘導体、該誘導体を用いて得られる重合体、共重合体および架橋物の製造方法を示す。
本発明のアクリルアミド誘導体は、例えば、一般式(IV)
【0022】
【化16】
【0023】
(式中、R2は炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、R3は炭素数1〜6のアルキレン基、Xは水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、−COOR4(R4は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す)を表し、Yはアミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくは−COOR5(R5は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基を表す。)で表されるエステル基、−NH−R5(R5は炭素数1〜6の直鎖あるいは分岐したアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、置換ベンジルオキシカルボニル基を表す。)で表される置換アミノ基を表し、R2とR3は一体となってシクロアルカンを形成しても良い。)と、例えば、一般式(V)
【0024】
【化17】
【0025】
(式中、R1は水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐したアルキル基を表す。)で表される化合物と反応させることにより、容易に得られる。
化合物(V)で表される化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、α−n−ヘキシルアクリル酸を例示でき、一般に市販されているものもある。この反応では縮合剤を用いることによりより効率的に進行し、縮合剤はジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物ジフェニルホスホリルアジド等が例示でき、単独であるいはN−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等と組み合わせて用いられる。反応は溶媒中で行うことが望ましく、用いられる溶媒は化合物を溶解するが反応に関与しないものであればいずれでもよく、水、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。反応は通常0℃〜100℃の範囲内で円滑に進行する。
【0026】
これらの縮合剤を用いない場合は、一般式(V)を酸ハロゲン化物に変換した化合物を用いることにより、反応が容易に進行する。酸ハロゲン化物としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミドを例示でき、一部は市販されている。その他のものに関しては、塩化チオニル、三塩化リン、五酸化リンなどを用いて公知の方法で酸ハロゲン化物に変換できる。反応は有機溶媒中、不活性ガス雰囲気下において容易に進行する。用いられる溶媒としては、反応に関係しないものであれば何でもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
この反応は塩基性物質存在下で行うことが好ましく、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が好適に用いられる。
【0028】
一般式(IV)で用いられる化合物としては、1−(ヒドロキシメチル)エチルアミン、1−(ヒドロキシメチル)プロピルアミン、β−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸メチルエステル、β−アミノ酪酸p−ニトロフェニルエステル、β−アミノ酪酸ベンジルエステル、2−アミノプロピルクロリド、2−アミノプロピルブロミド、γ−アミノ吉草酸、γ−アミノ吉草酸メチルエステル、γ−アミノ吉草酸p−ニトロフェニルエステル、γ−アミノ吉草酸ベンジルエステル、β−アミノ吉草酸、β−アミノ吉草酸ベンジルエステル、1−メチルアミノ−2−アミノプロパン、1−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−2−アミノプロパン、1−ベンジルアミノ−2−アミノプロパン、1−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2−アミノプロパンを例示できる。これらの中で一部のものは市販されている。
【0029】
本発明の一般式(I)で表されるアクリルアミド誘導体は単独重合により、一般式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体が一般的な重合法により得られ、特に、ラジカル重合法により簡便に製造できる。ラジカル重合法においては、バルク重合、溶液重合、乳化重合などの公知の方法を用いることができ、ラジカル開始剤の添加により効率よく開始される。反応に好適に用いられるラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物が例示でき、重合促進剤と呼ばれるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどのアミン化合物と組み合わせて用いることにより低温での迅速な重合が可能である。さらに、ジラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物あるいはα,α−アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルのようなアゾ化合物を例示することができる。
【0030】
この場合のラジカル重合反応に利用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。反応は通常0℃〜100℃の範囲内で円滑に進行する。
【0031】
一般式(II)で表される繰り返し単位と一般式(III)で表される繰り返し単位とからなる共重合体は、例えば、イソプロピルアクリルアミド、イソブチルアクリルアミド、3−ペンチルアクリルアミド、シクロペンチルアクリルアミド、3−ヘキシルアクリルアミドなどと一般式(I)で表される化合物とを共重合させることにより容易に合成できる。この際、一般的な重合法が用いられ、特に、ラジカル重合法により簡便に製造できる。ラジカル重合法においては、バルク重合、溶液重合、乳化重合などの公知の方法を用いることができ、ラジカル開始剤の添加により効率よく開始される。反応に好適に用いられるラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物が例示でき、重合促進剤と呼ばれるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどのアミン化合物と組み合わせて用いることにより低温での迅速な重合が可能である。さらに、ジラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物あるいはα,α−アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルのようなアゾ化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
この場合のラジカル重合反応に利用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。反応は通常0℃〜100℃の範囲内で円滑に進行する。
【0033】
一般式(II)で表される繰り返し単位を含む架橋物および一般式(II)と一般式(III)で表される共重合体を含む架橋物は、一般に架橋剤と呼ばれる多官能性の化合物を共存させて重合反応を行うことにより容易に得られる。架橋剤としては、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを例示でき、一部は市販されている。この際、一般的な重合法が用いられ、特に、ラジカル重合法により簡便に製造できる。ラジカル重合法においては、バルク重合、溶液重合、乳化重合などの公知の方法を用いることができ、ラジカル開始剤の添加により効率よく開始される。反応に好適に用いられるラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物が例示でき、重合促進剤と呼ばれるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどのアミン化合物と組み合わせて用いることにより低温での迅速な重合が可能である。さらに、ジラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物あるいはα,α−アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルのようなアゾ化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
この場合のラジカル重合反応に利用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。反応は通常0℃〜100℃の範囲内で円滑に進行する。
【0035】
本発明で得られた重合体の温度応答性は、水あるいは緩衝溶液に溶解させた後、その溶液の温度を一定の速度で変化させた時の濁度変化を測定し、濁度変化が完結するのに要する温度幅を測定することにより評価できる。また架橋物については、温度変化させたときの各温度での平衡膨潤度を測定し、その変化の程度で評価できる。
【0036】
【実施例】
以下実施例、比較例、参考例により本発明を更に詳しく説明する。ただし、本発明がこれらに限定されるものではないことはもちろんである。
【0037】
【参考例1〜4】
表1記載の量のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAmと略す)、アクリル酸(AAcと略す)、および11.5mgの重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと略す)を35mlのテトラヒドロフランに溶解させ、脱気封管後、65℃で2.5時間撹拌した。反応後ジエチルエーテルへの沈殿を2回繰り返して精製した。
【0038】
【表1】
【0039】
【参考例5〜8】
試験官中に、表2記載の量のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAmと略す)、アクリル酸(AAcと略す)、26.6mgの架橋剤メチレンビスアクリルアミド(MBAAmと略す)および48μlの重合促進剤N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを10mlの水に溶解させた。窒素ガスをバブリングした後、40mg/mlの過硫酸アンモニウム水溶液200μlを直ちに加えた後、キャピラリー管中に溶液を吸い上げた。0℃で24時間保った後、キャピラリーより調製した架橋物を取り出し、冷水中に1日間浸漬して精製した。
【0040】
【表2】
【0041】
【実施例1】
【0042】
【化18】
【0043】
[化18]の合成スキームに従い、はじめにβ−アミノ酪酸18.1g、ベンジルアルコール87.5ml、p−トルエンスルホン酸40.0gを175mlのベンゼンに溶解させ、還流させた。生成してくる水をベンゼンとの共沸混合物として除去した。反応溶液にジエチルエーテル280ml、ヘキサン280mlを加え、沈殿を生成させた。この沈殿を濾別し、エーテル・エタノールの混合溶液中で再結晶させて、生成した。53.8mgのβ−アミノ酪酸ベンジルエステル・p−トルエンスルホン酸塩を白色結晶として得た。1H−NMR測定結果により、β−アミノ酪酸ベンジルエステル・p−トルエンスルホン酸塩の合成を確認した。以下に、1H−NMRスペクトル測定結果を示す。下線部は化合物中の対応するプロトンの位置を示す。なお、以下のNMRデータにおいて、「Φ−」はフェニル基を表す。
1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)1.20(d,3H,CH 3CHCH2),2.29(s,3H,Φ−CH 3),2.68(m,2H,CH3CHCH 2),3.54(m,1H,CH3 CHCH2),5.14(s,2H,COOCH 2−Φ),7.11および7.48(m,4H,p−トルエンスルホン酸塩のベンゼン環の水素),7.39(m,5H,ベンジルエステルのベンゼン環の水素),7.81(m,2H,CH3CH(NH2)CH 2)
次に、50.0gのβ−アミノ酪酸ベンジルエステル・p−トルエンスルホン酸塩を54.3mlのトリエチルアミンを含む300mlのエーテルに分散させた。この溶液に0℃でアクリル酸クロリド12.7mlをゆっくりと加え、2時間撹拌した。エーテル層を回収後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的の2−(ベンジルオキシカルボニル)イソプロピルアクリルアミド19.59gを白色結晶として得た。1H−NMR測定、元素分析により合成を確認した。以下に、1H−NMRスペクトル測定結果および元素分析結果を示す。下線部は化合物中の対応するプロトンの位置を示す。
1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)1.11(d,3H,CH 3CHCH2),2.53(m,2H,CH3CHCH 2),4.20(m,1H,CH3 CHCH2),5.06(s,2H,COOCH 2−Φ),5.55、6.07および6.18(m,3H,CH=CH 2),7.35(m,5H,ベンゼン環の水素),8.10(d,1H,CONH)
C14H17NO3247.32
計算値: C67.93 H6.94 N5.66
測定値: C67.92 H6.90 N5.73
1H−NMRスペクトル測定結果および元素分析結果により、上記目的化合物の合成が確認された。
【0044】
【実施例2】
【0045】
【化19】
【0046】
[化19]の合成スキームに従って、実施例1で合成した2−(ベンジルオキシカルボニル)イソプロピルアクリルアミド1.0gを1Nの水酸化ナトリウム水溶液50mlに分散させ、1時間撹拌した。エーテルを用いて脱保護されたベンジルアルコールを除去後、溶液全体がpH2になるまで濃塩酸を加えた。塩化水素および水を完全に留去した後、残渣にメタノールを加え2時間撹拌した。メタノール層のみを分離し、濃縮して目的とする2−カルボキシイソプロピルアクリルアミドを透明な粘性液体として得た。構造は1H−NMRを用いて確認した。1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)1.35(d,3H,CH 3CHCH2),2.38(m,2H,CH3CHCH 2),4.15(m,1H,CH3 CHCH2),5.55、6.06および6.12(m,3H,CH=CH 2),8.10(d,1H,CONH)
1H−NMRスペクトル測定結果により、上記目的化合物の合成が確認された。
【0047】
【実施例3〜4】
表3記載の量のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAmと略す)、2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAmと略す)、および11.5mgの重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと略す)を35mlのテトラヒドロフランに溶解させ、脱気封管後、65℃で2.5時間撹拌した。反応後、ジエチルエーテルへの沈殿を2回繰り返して精製した。
【0048】
【表3】
【0049】
【実施例5〜7】
【0050】
【表4】
【0051】
試験管中に、表4記載の量のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAmと略す)、2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)、26.6mg/mlの架橋剤メチレンビスアクリルアミド(MBAAmと略す)水溶液100μlおよび4.8μlの重合促進剤N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを0.9mlの水に溶解させた。窒素ガスをバブリングした後、40mg/mlの過硫酸アンモニウム水溶液20μlを直ちに加えた後、キャピラリー管中に溶液を吸い上げた。0℃で24時間保った後、キャピラリーより調製した架橋物を取り出し、冷水中に1日間浸漬して精製した。
【0052】
【実施例8】
【0053】
【化20】
【0054】
[化20]のスキームに従って、はじめに蒸留精製した1,2−ジアミノプロパン119.4mlとトリエチルアミン194.9mlを脱水した500mlのジエチルエーテルに溶解させた。0℃でカルボベンゾキシクロリド20.0mlをゆっくりと滴下し、室温で18時間撹拌した。上清を回収し、水で洗浄後濃縮した。酢酸エチルを加えて結晶を析出させ、これを濾別、除去した。濾過液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−アミノ−プロパン9.51gを透明無色の粘性液体として得た。合成は以下に示した1H−NMRスペクトル測定結果により確認された。
1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)0.91(d,3H,CH 3CHCH2),2.80(m,1H,CH3 CHCH2),2.85(m,2H,CH3CHCH 2),5.01(s,2H,COOCH 2−Φ),7.35(m,5H,ベンゼン環の水素)
8.0gの1−アミノ−2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノプロパンと8.0mlのトリエチルアミンをジエチルエーテル200mlに溶解させ、塩化アクリロイル3.74mlを0℃でゆっくり滴下した。2時間撹拌後、濃縮し残渣に酢酸エチルを加え、溶解させた。さらにこの溶液を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。カラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノイソプロピルアクリルアミド3.43gを板状結晶として得た。合成は以下に示した1H−NMRスペクトル測定結果により確認された。
1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)1.03(d,3H,CH 3CHCH2),3.04(m,2H,CH3CHCH 2),3.92(m,1H,CH3 CHCH2),5.01(m,2H,COOCH 2−Φ),5.57、6.07および6.18(m,3H,CH=CH 2),7.34(m,5H,ベンゼン環の水素)
【0055】
【実施例9】
【0056】
【化21】
【0057】
実施例8で合成した2−(ベンジルオキシカルボニル)アミノイソプロピルアクリルアミド1.0gを臭化水素酢酸溶液に分散させ、2時間撹拌した。臭化水素、酢酸を徹底的に留去した後、残渣に水を加えた。エーテルを用いて脱保護されたベンジルブロミドを抽出除去した後、水層を濃縮した。残渣にメタノールを加え2時間撹拌した。メタノール層のみを分離し、濃縮して目的とする2−アミノイソプロピルアクリルアミド臭化水素酸塩を白色固体として得た。構造は1H−NMRを用いて確認した。
1H−NMRδ(DMSO−d6,ppm)1.35(d,3H,CH 3CHCH2),2.89(m,2H,CH3CHCH 2),4.21(m,1H,CH3 CHCH2),5.50、6.06および6.12(m,3H,CH=CH 2),8.08(d,1H,CONH)
1H−NMRスペクトル測定結果により、上記目的化合物の合成が確認された。
【0058】
【比較例1〜12】
参考例1〜4で調製したN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体またはN−イソプロピルアクリルアミド単独重合体を各種のpHのリン酸緩衝液に0.6%になるように溶解させた。20℃から昇温して90%透過度と10%透過度を示す温度の中間の温度を下限臨界溶液温度(LCST)とした。さらにこの温度幅を相転移の敏感さの指数とした。すなわち、この指数が小さいほどより狭い温度幅で相転移が起こったことを表し敏感であることを示す。測定の結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【実施例10〜15】
【0061】
【表6】
【0062】
実施例3および4で調製したN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAmと略す)/2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAmと略す)共重合体をリン酸緩衝液に0.6%になるように溶解させた。LCSTおよび相転移の敏感さの指数を比較例1〜12の場合と同じように評価した。測定の結果を表6に示す。表中にはPIPAAm単独重合体と比較するために比較例1、5、9の結果も記載した。
【0063】
表6および比較例の表5より明らかなように、実施例で得られたN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)と類似な構造を有する2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)からなる共重合体は、約10mol%のCIPAAm含有率においてもIPAAm単独重合体で観察されるのとほぼ同じ温度で相転移を起こし、そのときの温度幅もきわめて小さいことから、比較例中のアクリル酸との共重合体とは全く異なるものである。
【0064】
【比較例13〜16】
pH6.4のリン酸緩衝液中で、参考例5〜8のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)とアクリル酸(AAc)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは参考例5〜8で調製した際のキャピラリー径に相当する初期の径(d0)で各温度での平衡に達したときの径(d)を割った値を3乗したもの((d/d0)3)と定義した。結果を図1に示す。
【0065】
【比較例17〜20】
pH7.4のリン酸緩衝液中で、参考例5〜8のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)とアクリル酸(AAc)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは比較例13〜16の場合と同一の定義である。結果を図2に示す。
【0066】
【比較例21〜24】
pH9.0のリン酸緩衝液中で、参考例5〜8のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)とアクリル酸(AAc)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは比較例13〜16の場合と同一の定義である。結果を図3に示す。
【0067】
【実施例16〜18】
pH6.4のリン酸緩衝液中で、実施例5〜7のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)と2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは比較例13〜16の場合と同一の定義である。結果を図1に示す。
【0068】
【実施例19〜21】
pH7.4のリン酸緩衝液中で、実施例5〜7のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)と2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは比較例13〜16の場合と同一の定義である。結果を図2に示す。
【0069】
【実施例22〜24】
pH9.0のリン酸緩衝液中で、実施例5〜7のN−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)と2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)共重合架橋物の10℃から50℃までの各温度での平衡膨潤度を測定した。ここでいう平衡膨潤度とは比較例13〜16の場合と同一の定義である。結果を図3に示す。
【0070】
図1〜3より、N−イソプロピルアクリルアミドとアクリル酸とからなる共重合体架橋物においては、アクリル酸の含量の増加に従って、体積変化が完結する温度が高温側に移動し、また各温度の平衡膨潤度の変化も鋭敏ではなくなる傾向を示した。これに反して、PIPAAmと2−カルボキシイソプロピルアクリルアミド(CIPAAm)からなる共重合体においては、PIPAAm単独重合体と同じ温度で体積変化が完結し、また平衡膨潤度変化もシャープであった。すなわち、反応性に富むカルボキシル基を有しながらも、PIPAAm単独重合体と同様な極めて鋭敏な体積変化挙動を示す架橋物が得られた。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、鋭敏な温度応答性を保持したまま多くの官能基を導入された高分子、あるいはハイドロゲル(すなわち、架橋物)を調製するためのモノマーおよびその重合体あるいはハイドロゲル(すなわち、架橋物)を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pH6.4のリン酸緩衝液中での各架橋物の平衡膨潤度を表すグラフである。
【図2】 pH7.4のリン酸緩衝液中での各架橋物の平衡膨潤度を表すグラフである。
【図3】 pH9.0のリン酸緩衝液中での各架橋物の平衡膨潤度を表すグラフである。
Claims (6)
- 一般式(III)におけるR1 が水素原子、R 5 がメチル基、及びR 6 がメチル基で表される、請求項3記載の温度応答性共重合体。
- 架橋剤を共存させることによって得られる、請求項2記載の温度応答性重合体。
- 架橋剤を共存させることによって得られる、請求項3または4記載の温度応答性共重合体。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01582799A JP4932069B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 |
DE60009452T DE60009452T2 (de) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamid derivative und deren polymere |
EP00900885A EP1147076B1 (en) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamide derivatives and polymers containing said derivatives |
AU30765/00A AU3076500A (en) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamide derivatives and polymers containing said derivatives |
US09/889,953 US6495645B1 (en) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamide derivatives and polymers containing said derivatives |
AT00900885T ATE263141T1 (de) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamid derivative und deren polymere |
PCT/JP2000/000314 WO2000043355A1 (en) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamide derivatives and polymers containing said derivatives |
DK00900885T DK1147076T3 (da) | 1999-01-25 | 2000-01-24 | Acrylamidderivater og polymerer indeholdende disse derivater |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01582799A JP4932069B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010146920A Division JP5654786B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000212144A JP2000212144A (ja) | 2000-08-02 |
JP4932069B2 true JP4932069B2 (ja) | 2012-05-16 |
Family
ID=11899694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01582799A Expired - Lifetime JP4932069B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6495645B1 (ja) |
EP (1) | EP1147076B1 (ja) |
JP (1) | JP4932069B2 (ja) |
AT (1) | ATE263141T1 (ja) |
AU (1) | AU3076500A (ja) |
DE (1) | DE60009452T2 (ja) |
DK (1) | DK1147076T3 (ja) |
WO (1) | WO2000043355A1 (ja) |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6660247B1 (en) | 2000-06-23 | 2003-12-09 | Battelle Memorial Institute | Multiple stimulus reversible hydrogels |
US20030154881A1 (en) * | 2002-02-19 | 2003-08-21 | Spectra Systems Corporation | Gels exhibiting reversible opacity change |
WO2004020660A1 (de) * | 2002-08-08 | 2004-03-11 | Siemens Aktiengesellschaft | Radikalisch vernetzbares hydrogel mit linkergruppen |
US20040152085A1 (en) * | 2003-02-04 | 2004-08-05 | Veridian Systems Division | Surface for collection and/or purification of nucleic acids |
US7223851B2 (en) * | 2003-02-06 | 2007-05-29 | General Dynamics Advanced Information Systems, Inc. | Nucleic acid-binding polymers |
AU2004252568B2 (en) | 2003-06-27 | 2011-06-30 | Ethicon, Incorporated | Regeneration and repair of neural tissue using postpartum-derived cells |
US20090054596A1 (en) * | 2004-08-25 | 2009-02-26 | Kagoshima University | Composite Particulate and Manufacturing Method for the Same |
US8039258B2 (en) * | 2004-09-28 | 2011-10-18 | Ethicon, Inc. | Tissue-engineering scaffolds containing self-assembled-peptide hydrogels |
ES2621847T3 (es) * | 2004-12-23 | 2017-07-05 | DePuy Synthes Products, Inc. | Células posparto derivadas de tejido de cordón umbilical, y métodos de elaboración y uso de las mismas |
WO2007109584A1 (en) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | University Of Washington | Temperature-and ph-responsive polymer compositions |
US7981688B2 (en) | 2007-03-08 | 2011-07-19 | University Of Washington | Stimuli-responsive magnetic nanoparticles and related methods |
MY152139A (en) * | 2007-12-12 | 2014-08-15 | Mimos Berhad | Process for the preparation of fluorinated acrylic derivatives |
MY148610A (en) * | 2007-12-12 | 2013-05-15 | Mimos Berhad | Process for the preparation of fluorinated quaternary ammonium salts |
US20100166822A1 (en) * | 2008-12-31 | 2010-07-01 | Howmedica Osteonics Corp. | Adhesive cartilage implant |
US8426214B2 (en) | 2009-06-12 | 2013-04-23 | University Of Washington | System and method for magnetically concentrating and detecting biomarkers |
US9080933B2 (en) | 2009-11-09 | 2015-07-14 | University Of Washington Through Its Center For Commercialization | Stimuli-responsive polymer diagnostic assay comprising magnetic nanoparticles and capture conjugates |
JP7056351B2 (ja) * | 2018-04-25 | 2022-04-19 | コニカミノルタ株式会社 | 活性光線硬化型インクジェットインクおよび画像形成方法 |
CN112426409B (zh) * | 2020-12-09 | 2023-01-06 | 三峡大学 | 糖响应型微球的制备方法及其应用 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2549072B1 (fr) * | 1983-07-13 | 1985-12-13 | Elf Aquitaine | Procede de preparation de copolymeres en grains, fonctionnalises, par polymerisation en suspension dans un milieu non aqueux |
WO1990004610A1 (en) * | 1988-10-27 | 1990-05-03 | Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. | Process for producing particulate polymer |
JP2676629B2 (ja) * | 1989-05-19 | 1997-11-17 | 富士写真フイルム株式会社 | 電子写真感光体 |
JP2609166B2 (ja) * | 1989-12-01 | 1997-05-14 | 富士写真フイルム株式会社 | 静電写真用液体現像剤 |
DE4004841A1 (de) | 1990-02-16 | 1991-08-22 | Boehringer Mannheim Gmbh | Salpetersaeureester von cyclohexanol-derivaten |
US5198517A (en) * | 1991-08-06 | 1993-03-30 | Eastman Kodak Company | Polymeric scavengers for oxidized developing agents and photographic elements containing the same |
JPH08269890A (ja) * | 1995-03-30 | 1996-10-15 | Nippon P M C Kk | 製紙用添加剤及び製紙方法 |
US6268449B1 (en) * | 1996-12-20 | 2001-07-31 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Process for synthesizing temperature-responsive N-isopropylacrylamide polymers |
US5700892A (en) * | 1996-03-12 | 1997-12-23 | Kao Corporation | Film-forming resin and hair cosmetic composition containing the same |
JP3985976B2 (ja) * | 1996-09-05 | 2007-10-03 | 雪印乳業株式会社 | 新規なオリゴ糖及びその用途 |
JPH10221852A (ja) * | 1997-02-06 | 1998-08-21 | Fuji Photo Film Co Ltd | ポジ型感光性組成物 |
US6069216A (en) * | 1997-06-11 | 2000-05-30 | Kao Corporation | Cationic group-containing copolymer and thickener |
JP3910275B2 (ja) * | 1997-10-24 | 2007-04-25 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 相転移型光学活性高分子及びその製法 |
-
1999
- 1999-01-25 JP JP01582799A patent/JP4932069B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-01-24 AU AU30765/00A patent/AU3076500A/en not_active Abandoned
- 2000-01-24 EP EP00900885A patent/EP1147076B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-01-24 AT AT00900885T patent/ATE263141T1/de not_active IP Right Cessation
- 2000-01-24 WO PCT/JP2000/000314 patent/WO2000043355A1/en active IP Right Grant
- 2000-01-24 DK DK00900885T patent/DK1147076T3/da active
- 2000-01-24 DE DE60009452T patent/DE60009452T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2000-01-24 US US09/889,953 patent/US6495645B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6495645B1 (en) | 2002-12-17 |
JP2000212144A (ja) | 2000-08-02 |
WO2000043355A1 (en) | 2000-07-27 |
ATE263141T1 (de) | 2004-04-15 |
EP1147076A1 (en) | 2001-10-24 |
DK1147076T3 (da) | 2004-07-19 |
DE60009452D1 (de) | 2004-05-06 |
DE60009452T2 (de) | 2005-01-27 |
EP1147076B1 (en) | 2004-03-31 |
AU3076500A (en) | 2000-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4932069B2 (ja) | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 | |
US6852819B2 (en) | Stimuli-responsive polymer utilizing keto-enol tautomerization and stimuli-responsive separating material and chemical-releasing capsule comprising the same | |
US4281192A (en) | N-(2,5-Dihydroxy-3,4,6-trimethyl-benzyl)-acrylamide and-methacrylamide | |
EP0125762B1 (en) | Medium for electrophoresis | |
JP5654786B2 (ja) | アクリルアミド誘導体および該誘導体を含む重合体 | |
US7052917B1 (en) | Polymerizable biotin derivatives, biotin polymer, and polymer responsive to avidin stimulation | |
JPH0257962A (ja) | 電気泳動媒体 | |
JP4217804B2 (ja) | 上限溶液臨界温度を有する熱応答性高分子誘導体を用いた熱応答型分離材料及び薬剤放出カプセル | |
US6197906B1 (en) | Electrophoresis gels and cross-linking agents for their preparation | |
US5424468A (en) | Polymeric contact lens material of improved oxygen permeability | |
GB2270766A (en) | Electrophoresis method | |
US5212253A (en) | Electrophoresis element comprising a polymer containing a haloacetamido group | |
US7052590B1 (en) | Method and kit for the manufacture of separation gels | |
JP4167296B2 (ja) | 電気泳動用ポリアクリルアミドゲル、それを用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動方法、その製造方法、およびアクリルアミド化合物 | |
JP4069221B2 (ja) | 上限臨界溶液温度の発現方法 | |
EP0419652B1 (en) | Polymeric electrophoresis media | |
JPH0641157A (ja) | ジエステル単量体及びその重合体 | |
JPH05262779A (ja) | ボロン酸基含有モノマーおよびそのポリマー | |
SU1122672A1 (ru) | Сополимеры,содержащие звень @ -оксида диалкиламиноэтилметакрилата в качестве стабилизаторов жидких дисперсий и способ их получени | |
JP2002138113A (ja) | 側鎖にアミノ酸残基を有する重合体及びそのゲル化物 | |
AU752814B2 (en) | Electrophoresis gels and cross-linking agents for their preparation | |
JPH0859586A (ja) | N−(メタ)アクリロイル−ロイシンアルキルエステル、その製法およびその重合体 | |
JPH05310692A (ja) | 新規ビニル化合物及びその製造方法 | |
JPH11279234A (ja) | 感熱性高分子材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081211 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090212 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090209 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090610 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100326 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111219 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |