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JP4928120B2 - 電子写真用導電性部材、これを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用導電性部材、これを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真装置内で用いられる、現像部材、帯電部材、転写部材等の電子写真用導電性部材に関するものである。
従来から、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般的な例としては、次のような方法が挙げられる。まず、感光性(光導電性)物質を利用した被帯電体上に電位を付与し(帯電工程)、被帯電体上を部分的に露光することで電気的潜像を形成する(露光工程)。ついで、該電気的潜像をトナーで可視像とし(現像工程)、紙等の転写材にトナー画像を転写する(転写工程)。その後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して(定着工程)、画像を得る方法が挙げられる。また、転写材上に転写されずに被帯電体上に残ったトナー粒子を、種々の手段によって被帯電体上より除去する(クリーニング工程)などの付帯的な工程が追加されることもある。
このような電子写真法において、種々の電子写真用導電性部材が、帯電、現像、転写等の工程において、ローラー、ブレード、ブラシ、ベルト、フィルム、シート及びチップ等のさまざまな形状で使用されている。
この中でも、ローラーやベルト形状の電子写真用導電性部材の場合には、回転が自在なために、画像上悪影響なトナーや外添剤や紙粉などの汚れが蓄積しにくく、特定箇所へ連続して通電することが無いので、部材の通電劣化が抑制されるなどの利点がある。その中でもローラー形状の場合には、簡単な部材構成で電子写真用部材としての機能を満たすことができるので良い。
特に、この電子写真用導電性部材を被帯電体に接触させて使用する場合に、電子写真用導電性部材は、適度な低硬度を満たす導電性弾性体を有することが望ましい。電子写真用導電性部材の硬度が高い場合には、次に示すような弊害が起こり、これらが原因で画像欠陥になる。
1)被帯電体が削れる。
2)トナーや外添剤が圧着するために電子写真用導電性部材が汚れる。
3)被帯電体と電子写真用導電性部材が従動せずスティックスリップする。
4)放電に必要な被帯電体と電子写真用導電性部材との間の適切なニップが取れない。
また、電子写真用導電性部材として好適に用いるためには、104〜1011Ωcm程度の半導電領域の電気抵抗が必要となることから、一般に導電性ゴムを使用する。導電性ゴムの導電性発現の機構としては、イオン導電機構と電子導電機構の二つに大別される。そのうち電子導電機構による導電性ゴムは、ゴム中に導電性付与剤として、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト、金属微粉末、金属酸化物等の導電性粒子を分散し、ゴムと複合化することで得られる。電子導電機構による導電性ゴムは、イオン導電機構による導電性ゴムに比べ、電気抵抗の温湿度依存性が小さい、安価である、ブリードやブルームが少ないなどの長所がある。そのため、導電性粒子を用いた導電性ゴムを用いた電子写真用導電性部材は、温湿度などの使用環境による変動が少なく、感光体への汚染性が低く、ローコスト化を目指した電子写真装置においては、より好ましい。しかし、分散複合材料であるために、充填量だけではなく分散状態によっても導電性などの物理的性質が大きく変化する。そのため、部材内および生産毎の電気抵抗のばらつきが大きく、制御が困難であることが課題となっている。また、カーボンブラックや金属微粉末などの導電性粒子は、補強性があり、適度な導電性を得るために一定量を充填した場合には、導電性弾性体が硬くなりすぎる傾向にある。
ばらつきの小さい半導電性の電気抵抗であり、適度な低硬度である導電性粒子を用いた導電性ゴムを得るために種々の工夫がされている。その一つの方法として、導電性粒子との親和性の異なる数種の未加硫ゴムをブレンドしてドメイン構造(海島構造)を形成し、導電性粒子を導電性粒子と親和性の高いゴム相に偏在させることが行われている。ここで、本明細書では、ドメイン構造(海島構造)とは、「2種類以上の複数種のポリマーをブレンドした場合に、完全には相溶せずに、平均ドメイン径が50nm以上の単一種のポリマー相を有する構造」を意味するものとする。ただし、平均ドメイン径とは、各ドメインの重心を通る径を2°刻みに測定し、それを平均して得られたドメイン径の平均値と定義する。また、図1にドメイン構造の模式図を示したように、連続している網目状の相をマトリックス相(海相)11、非連続の粒子状の相をドメイン相(島相)12とする。この方法では、導電性粒子がブレンドした複数種のゴム相のうち、1つのゴム相に多く偏在することで、導電性充粒子の充填量が少量でも半導電領域の電気抵抗が得られ、なおかつ充填量が少量で済むので低硬度の導電性弾性体が得られる(特許文献1参照)。
しかし、この方法も多くの課題がある。その例としては以下のものが列挙される。
1)導電性粒子は、その混練条件や使用するポリマーブレンドの組み合わせなどにより、ブレンドしたどちらのポリマーに、充填量に対して何割の導電性粒子が偏在するかという様子が変化するので、コントロールするのが難しい。
2)偏在したとしても、平均ドメイン径やドメイン径の分布やドメイン相の異方性などのポリマーブレンドの構造が、混練条件や成型条件などによりばらつき、そのばらつきが電気抵抗の安定性、均一性、制御性に影響を及ぼす。
3)導電性粒子が、ドメイン相側に偏在した場合に電気抵抗のばらつきがそれほど抑制されない。
4)ブレンドした複数種のゴム相のうち、1つのゴム相に添加した全ての導電性粒子を偏在させることは、実質的に不可能である。
また、この導電性弾性体を被帯電体に接触させて使用する場合には、弾性体中の低分子量成分が電子写真用導電性部材の表面に滲み出して(ブリードやブルームして)、被帯電体表面に付着することに起因する画像不良が発生することがあった。このことを被帯電体汚染と呼ぶ。これを改善するために、種々の工夫がこれまでなされてきている。
その工夫として最も一般的なものに、導電性弾性部体の外周に表面層を設けた2層以上の複層構成にして、弾性体からの滲み出し物質を表面層によって阻止する構成にすることがある。この表面層の組成や厚さや表面形状を最適化することで、弾性体から滲み出してくる物質による被帯電体汚染を防ぐ。また同時に、表面層に電気特性を制御する、トナーや外添剤が固着するのを防ぐ等の機能を担わせることができるので、電子写真装置に弾性体を有する電子写真用導電性部材を組み込んだ時に、良好な画像が得られる(特許文献2参照)。しかし、表面層には、1)画像特性を良好にするために必要とされる組成と厚み、2)生産性のある組成と厚み等があり、そのうえ3)滲み出しを防ぐことができる組成と厚みまで考慮に入れていたので、表面層の材料設計の自由度が非常に低くなっていた。
そのため被帯電体汚染を防ぐ根源的な解決策としては、弾性体中の低分子量成分を低減する、もしくは、弾性体中の低分子量成分が移行するのを抑制することが好ましい。この場合には、1)可塑剤や軟化剤等の移行性の高い物質を添加しない、2)低分子量成分の移行性が低いポリマーを用いる、3)低分子量成分をそれ自体や他の物質と化学反応させ分子量を大きくし、移行性を低くするなどの対応が考えられる。
上記のうち2)の低分子量成分の移行の小さいポリマーを用いた例としては、次の組成からなる半導電性ゴムローラーが提案されている(特許文献3参照)。
(A)アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR) 40〜90質量部
(B)液状NBR 10〜60質量部
(C)その他の固体ゴム 0〜50質量部
(ただし、(A)と(B)と(C)の合計量が100部)
このようにNBRを主体とする弾性体は、被帯電体汚染が抑制される事が知られている。しかし、この特許文献3の発明に、導電性粒子を用いたとしても、ドメイン構造は形成されず、ばらつきの少ない109Ωcm以下の半導電領域の電気抵抗を得られない。
以上のように、低硬度で、ばらつきの少ない半導電領域の電気抵抗であり、被帯電体汚染の無いことが電子写真用導電性部材の導電性弾性体には求められる。
特開平11−45013号公報 特開平8−160716号公報 特開平9−309975号公報
本願に係る発明の目的は、電子写真用導電性部材として適した低硬度を有し、導電性粒子を分散させて半導電領域の電気抵抗を得る場合にも電気抵抗のばらつきが少なく、表面層の有無に関わらず被帯電体汚染の少ない電子写真用導電性部材を得ることである。
上記課題を解決するための本発明は、導電性支持体上に、少なくとも(A)相と(B)相とを有する導電性弾性体を備えた電子写真用導電性部材であって、
(A)相:アクリロニトリルブタジエンゴムと導電性粒子とを含むマトリックス相
(B)相:アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相
該(B)相は、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一方の架橋ゴム粒子からなり、該架橋ゴム粒子は、該架橋ゴム粒子の粒子径よりも小さい粒子径を有する無機微粒子を含有していることを特徴とする電子写真用導電性部材である。
また、本発明は、上記の電子写真用導電性部材を備えた電子写真装置またはプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記の電子写真用導電性部材の製造方法であって、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一方の架橋ゴム粒子と、未架橋のアクリロニトリルブタジエンゴムと、導電性粒子とを混合し、混練した後、該未架橋のアクリロニトリルブタジエンゴムを架橋して導電性弾性体を形成する工程を含み、
該架橋ゴム粒子は、該架橋ゴム粒子の粒子径よりも小さい粒子径を有する無機微粒子を含有していることを特徴とする電子写真用導電性部材の製造方法である。
上記構成の電子写真用導電性部材とすることで、硬度が低く、電気抵抗のばらつきが小さく、低分子量成分の滲み出しの少ない導電性弾性体を備えた電子写真用導電性部材となる。
上記構成の電子写真用導電性部材において、前記(B)相の真球度が、2以上10以下である構成とすることもできる。こうすることで、電気抵抗のばらつきが小さくなる。この理由は詳細には明らかになっていないが、真球度が小さすぎる場合には、ドメイン相が無い場合のようなカーボンの分散状態のみに支配された導電性を示すと推定される。また、真球度が大きすぎる場合には、導電パスの分断がドメイン相によって起こるために、導電性の差が拡大するために電気抵抗のばらつきが大きくなるものと推定される。
上記構成の電子写真用導電性部材において、前記電子写真用導電性部材の表面における、ポリエステルフィルム(ASTMD−1894によって測定された動摩擦係数が0.4であり、厚みが100μmのもの)との間の動摩擦係数が、0.05以上0.5以下である構成とすることもできる。こうすることで、電子写真用導電性部材として適度な表面の摩擦性となる。
上記の電子写真装置またはプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真用導電性部材が、ポリカーボネート系樹脂またはポリアリレート系樹脂を含む電荷輸送層を最外層とする被帯電体と接触もしくは近接して配置されている構成とすることもできる。すなわち、電荷輸送層が、ポリカーボネート系樹脂のような滞留電荷の残りにくい特性を有している樹脂、またはポリアリレート系樹脂のような摺擦によって削れにくく、ソルベントクラックを起こしにくい樹脂で形成されている。
本願に係る発明によれば、電子写真用導電性部材として適した低硬度を有し、導電性粒子を分散させて半導電領域の電気抵抗を得る場合にも電気抵抗のばらつきが少なく、表面層の有無に関わらず被帯電体汚染の少ない電子写真用導電性部材を得ることができる。
より具体的には、本発明の電子写真用導電性部材を電子写真装置に使用することで、次のような効果が得られる。
1)導電性弾性体としての硬度が低いために、トナーや外添剤が電子写真用導電性部材と他部材との間で圧着することによる画像不良が発生しにくくなる。
2)導電性粒子は、混練条件や成型条件によらず、実質的にマトリックス相にのみ存在し、ドメイン構造の形成状態の再現性が良く、導電パスが安定に形成される。したがって、半導電領域の電気抵抗でありながら電気抵抗のばらつきを小さくする事ができ、画像の濃度むらが発生しにくくなる。
3)ドメイン相とマトリックス相共に低分子量成分の移行速度が遅いアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)やスチレンブタジエン(SBR)を主体として構成されているために、滲み出し起因の画像不良が発生しにくくなる。
また、本発明の構成を有する電子写真装置とすることで、高品位の画像を出力することができる。
また、本発明の構成を有するプロセスカートリッジとすることで、画像品位を保つための部品の交換などを容易にすることができる。
本発明の電子写真用導電性部材は、導電性支持体上に、所定の導電性弾性体を備えたものである。その構造としては、図2に示したように、導電性弾性体22を導電性支持体(シャフト)21の外周上に形成し、その最表面が高離型化された高離型層23を有する電子写真用導電性部材を例示することができる。
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)は、他の汎用的に電子写真用導電性部材に用いられているエラストマーに比べ、被帯電体汚染を非常に起こしづらいエラストマーであることが検討の結果明らかになった。そのため、導電性弾性体は、NBRを主体とする組成物からなることが好ましいことを見出した。
なかでも、本発明では、導電性弾性体が少なくとも以下の(A)相と(B)相とを有する構成とする。
(A)相:アクリロニトリルブタジエンゴムと導電性粒子とを含むマトリックス相。
(B)相:アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相。
(A)相に用いるNBRの種類は特に限定されることは無く、少なくともアクリロニトリル単量体とブタジエン単量体の共重合体であればよい。アクリロニトリル単量体とブタジエン単量体と共重合と可能なその他の単量体を含んでいても良い。アクリロニトリル量、ムーニー粘度等は任意の種類のNBRを用いることができる。また、カルボキシル化されたXNBR、ブタジエンの一部をイソプレンに置き換えたNBIR、ブタジエンの二重結合の一部が水素化されたHNBR、部分架橋NBRなどの任意の変性をしたNBRも選ぶことができる。ただし、安定化剤に汚染性のあるものや、ジオクチルフタレートなどの可塑剤を含有したものは、被帯電体汚染の恐れがあるために好ましくない。また、(A)相を形成するNBRと、被帯電体汚染を損なわない範囲で他のポリマーとをブレンドしても良い。ブレンドする場合、他のポリマーは全体の30質量%を超えない量とすることが好ましい。具体的には、一般的な電子写真用導電性部材に用いられる熱可塑性エラストマーとNBRをブレンドして用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンオキサイド−ブロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体等から選ばれる少なくとも1種類を含むゴム、あるいは汎用のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどから選ばれる少なくとも1種類を含むものが挙げられる。
なかでも、導電性の安定化という観点からは、ムーニー粘度が高く、アクリロニトリル量の高いNBRを選ぶほうが良い。例えば、ムーニー粘度が50〜90ML(1+4)100℃のNBRを選ぶことができ、アクリロニトリル単位が30〜50モル%のNBRを選ぶことができる。なお、ムーニー粘度の測定は、JIS K6300−1で行うことができる。そのようなNBRを選ぶことで、混練時に導電性粒子にせん断がかかりやすくなり、ポリマーの極性が高いほうが導電性粒子の分散が容易になるために電気抵抗のばらつきの小さい導電性ゴムが得られる。
(A)相には、導電性粒子が含まれる。導電性粒子を添加することにより、104〜1011Ωcm程度の導電性に調整することが好ましい。さらには、104〜106Ωcm程度の導電性に調整することがより好ましい。
導電性ゴムの導電性発現の機構としては、イオン導電機構と電子導電機構の二つに大別される。イオン導電機構で導電性を発現するイオン導電剤は、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムに代表される極性ゴムと同時に用いることで、低抵抗化という効果が大きく発揮される。しかし、イオン導電機構のゴム材料は、電気抵抗の環境依存性が大きく、106Ωcm以下の低抵抗化する技術が困難であり、イオンの移行による導電性の発現という機構上の問題でブリード・ブルームを起こしやすい。
それに対し、電子導電機構による導電性ゴムは、ゴム中に導電性粒子として、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト、金属微粉末、金属酸化物等を分散し、複合することで得られる。電子導電性ゴムは、イオン導電性ゴムに比べ、電気抵抗の温湿度依存性が小さい、106Ωcm以下の低抵抗化する技術が容易である、ブリードやブルームが少ない、安価であるなどの長所がある。電子写真用導電性部材は、近年の電子写真装置の高速出力化に伴いより低抵抗化が必要とされ、高画質化に伴い以前に比べ滲み出しの量も更に少なくする必要に迫られている。そのため、高速化・高画質化が進む電子写真技術においては、電子導電性機構による導電性ゴムが好ましい。
(A)相に用いる導電性粒子としては、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀等の金属及び金属酸化物等が挙げられる。
これらの導電性粒子の充填量としては、電子写真装置の導電性弾性体部材や、NBR、導電性粒子の種類によって、導電性弾性体部材が所望の電気抵抗を有するものとなるように、適宜選択することができる。例えば、NBRを含むポリマー成分100質量部に対して、0.5質量部〜100質量部、好ましくは2質量部〜50質量部などとすることができる。
しかし、電子導電性機構による導電性ゴムは、分散複合系材料であるために、充填量だけではなく分散状態によっても大きく物理的性質が変化する。そのため、部材内および生産毎の電気抵抗のばらつきが大きく、制御が困難であることが課題となっている。また、所望の導電性を得るために、導電性粒子を添加したときに、電子写真用導電性部材として用いるには高硬度になりすぎる傾向がある。
そのために、本発明では、(B)相として、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相を有する構成とする。(B)相は、導電性粒子を含まないことが好ましい。導電性粒子を含む場合、例えば(B)相中のポリマー成分100質量部に対して1質量部を超えない量とすることが好ましい。こうすることで、導電性弾性体の硬度を低下させることができ、導電性粒子は、マトリックス相に偏在するので、導電性粒子の導電パスが安定し、電気抵抗のばらつきが小さくなる。
このような(B)相を形成する方法として、あらかじめ(B)相を形成する未架橋ゴムを架橋した架橋ゴム粒子を形成しておき、(A)相を形成する未架橋ゴムと共に混練した後に、(A)相を形成する未架橋ゴムを架橋し成型する方法が好ましい。この方法であれば、導電性粒子を含まないドメイン相を形成することができ、平均ドメイン径やドメイン径の分布やドメイン相の等方性といったドメイン構造の制御も容易である。
(B)相に用いることができるNBRの種類は特に限定されることは無く、少なくともアクリロニトリル単量体とブタジエン単量体の共重合体であればよい。アクリロニトリル単量体とブタジエン単量体と共重合と可能なその他の単量体を含んでいても良い。アクリロニトリル量、ムーニー粘度等は任意の種類のNBRを用いることができる。例えば、ムーニー粘度が20〜90ML(1+4)100℃のNBRを選ぶことができ、アクリロニトリル単位が10〜50モル%のNBRを選ぶことができる。また、カルボキシル化されたXNBR、ブタジエンの一部をイソプレンに置き換えたNBIR、ブタジエンの二重結合の一部が水素化されたHNBR、部分架橋NBRなどの任意の変性をしたNBRも選ぶことができる。ただし、安定化剤に汚染性のあるものや、ジオクチルフタレートなどの可塑剤を含有したものは、被帯電体汚染の恐れがあるために好ましくない。
また、(B)相に用いることができるSBRの種類は特に限定されること無く、少なくともスチレン単量体とブタジエン単量体の共重合体であればよい。スチレン単量体とブタジエン単量体と共重合と可能なその他の単量体を含んでいても良い。スチレン量、ムーニー粘度等は任意の種類のSBRを用いることができる。例えば、ムーニー粘度が20〜90ML(1+4)100℃のNBRを選ぶことができ、アクリロニトリル単位が10〜50モル%のNBRを選ぶことができる。また、その合成法は、乳化重合であっても溶液重合であっても良い。ただし、安定化剤に汚染性のあるものや、ジオクチルフタレートなどの可塑剤を含有したものは、被帯電体汚染の恐れがあるために好ましくない。
(B)相には、NBR、SBRのいずれも使用することができるが、NBRがより好ましい。なぜなら、ドメイン相とマトリックス相共にNBRであれば、次のような利点があるためである。
・電気抵抗差が小さくなるのでドメイン相とマトリックス相の体積比率による電気抵抗が制御しやすい。
・ドメイン相とマトリックス相の接着性が高まり圧縮永久歪みなどの力学的強度が高まる。
・リサイクル性が向上する。
なお、NBRとSBRとを併用することもできる。併用する場合、NBRとSBRの合計量中にNBRが50質量%以上含まれることが好ましい。NBRを単独で使用することも好ましい。
また、(B)相を形成するNBR及び/又はSBRと、被帯電体汚染を損なわない範囲で他のポリマーとをブレンドしても良い。ブレンドする場合、他のポリマーは全体の30質量%を超えない量とすることが好ましい。
(B)相を形成する未架橋ゴムを架橋した架橋ゴム粒子の製造方法としては、加硫ゴムを粉砕する方法や、ラテックスから重合する方法が挙げられる。
加硫ゴムを粉砕する方法の場合には、少なくともNBR及び/又はSBRと架橋剤を混合し加硫する。そのときに、粉砕性を高めるために、破断伸びおよび破断応力の小さい加硫ゴムとなるような組成を選ぶと良い。特に、JIS K6251における破断伸びが1000%以下、破断応力が20MPa以下であると好ましい。この破断伸びや破断応力を小さくするために充填剤や架橋剤を選択するのが良い。また、凍結粉砕をすることによっても粉砕性を高めることができる。
特に、ラテックスから重合する方法の場合には、球状に近く、粒子径が比較的揃った微粒子が得られるために好ましい。ラテックスから重合する製造方法としては、ラテックスをγ線や電子線などの高エネルギー放射線で架橋する方法が好適に用いられる。ラテックスとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、カルボン酸変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム(XNBR)などが挙げられる。その照射線量としては10kGy〜10000kGyを挙げることができる。このときに、架橋剤を併用することで、架橋の効率を向上させることも良い。架橋剤としては、Trimethylol propane triacrylate(TMPTA)やIso−octyl acrylate(OMA)等の多官能アクリレート、ポリチオール、ヘキサクロルエタン等のポリハロゲン化物等が挙げられる。この方法で製造された架橋ゴム粒子は、ラテックス中に存在するゴムの粒子サイズと同等の粒子径になり、平均粒子径が50〜500nmと小さく、かつ粒子径分布が狭い架橋ゴム粒子が得られるために本発明に好適である。
ドメイン相は、小さすぎる場合には、導電性粒子の導電パスを安定に形成する効果を失ってしまう。また、あまりに粗大なドメイン相の場合には、黒い画像欠陥になってしまう。したがって、ドメイン相の投影面積は、0.01μm2以上100μm2以下が好ましく、更には、0.1μm2以上25μm2以下がより好ましい。なお、ドメイン相の投影面積は、後述するドメイン相の真球度の測定方法で得られた画像におけるドメイン相の面積を指す。
このようにして得られた架橋ゴム粒子を(B)相であるドメイン相とすべく、(A)相であるマトリックス相を形成する未架橋ゴムと混合する。この架橋ゴム粒子を、(A)相を形成するNBRを含む未架橋ゴムと混合すると、その両者の分子鎖がからみあい、粘度が高くなる傾向がある。そのために、押出しなどの成型加工性が悪化する。その粘度上昇を抑制するために、表面近傍に、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、クレー、タルクなどの無機微粒子を持つ架橋ゴム粒子を用いる。これらの無機微粒子の粒子径としては、上記架橋ゴム粒子径より小径である。無機微粒子の粒子径としては、例えば、10nm〜1000nmを挙げることができる。この無機微粒子は、固着防止剤として働き、架橋ゴム粒子の質量に対して1〜20質量%の比率で架橋ゴム粒子に付着しているのが好ましい。上記無機微粒子と架橋ゴム粒子とを混合する方法としては、未架橋のラテックスに無機微粒子を混合し、湿式分散機で分散させておいたものを硬化する方法、架橋ゴム粒子に乾式分散機で固着させる方法などを挙げることができる。固着防止剤が存在する架橋ゴム粒子を用いた場合には、微細な架橋ゴム粒子を混合した場合に特有である、未加硫状態におけるゴム組成物の粘度上昇を抑制することができる。
(B)相を形成する架橋ゴム粒子は、(A)相を形成するNBR100質量部に対して、10質量部〜200質量部、好ましくは、30質量部〜100質量部などとすることができる。
また、(B)相を形成する架橋ゴム粒子の真球度は、後述の測定法において2以上10以下などとすることができる。このような真球度範囲とすることで、電気抵抗のばらつきがより小さくなり、画像の濃度むらがより小さくなる。
また、(A)相や(B)相には、本発明の電子写真用導電性部材の低硬度・低被帯電体汚染性という特性を失わない範囲で、エラストマーの配合剤として一般に用いられる添加剤を添加することができる。例えば、加工助剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、充填剤、分散剤、発泡剤、滑剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、導電剤等を添加することができる。
架橋剤としては、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等を例示することができる。架橋促進剤としては、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類等を例示することができる。架橋促進助剤としては、金属酸化物、脂肪酸等を例示することができる。架橋遅延剤としては、有機酸、ニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を例示することができる。滑剤としては、ステアリン酸金属塩等を例示することができる。老化防止剤としては、アミンケトン系、芳香族第二級アミン系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ベンゾイミダゾール系、チオカルバミン酸系、チオウレア系老化防止剤等を例示することができる。酸化防止剤としては、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系酸化防止剤等を例示することができる。
これら(A)相及び(B)相を形成する各種成分の混合方法としては、バンバリーミキサーやインターミックスや加圧式ニーダーといった密閉型混合機を使用した方法や、オープンロールのような開放型の混合機を使用した方法などを例示することができる。上記混合物の硬化方法としては、型加硫、缶加硫、連続加硫等の方法を挙げることができる。
ここで、混合物のローラー成型法としては、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。まず、組成物を、押出し機でチューブ状に押出したものを、加硫缶で蒸気加硫する。このチューブを、表面にホットメルト接着剤を塗布した、SUSやアルミニウムでできた円柱状のシャフトに圧入する。その後、熱風炉で加熱してシャフトとチューブを接着する。そして、チューブの両端を所望の長さに切断し、そのチューブ表面を研磨することでゴムローラーが得られる。
また、本発明の電子写真用導電性部材において、トナーや外添剤の固着性や電気特性や被帯電体の汚染性を制御するために、導電性弾性体表面が高離型化された高離型層を有していることが好ましい。その高離型化の方法として、従来から一般的に、表面に導電性弾性体と異なる組成の材料を被覆、塗工等のコーティングをすることが行われている。この場合には、低付着性、非汚染性、導電性、セット性等の機能をコーティング層と導電性弾性体とで機能分離できるので、材料の自由度が高く、高性能な電子写真用導電性部材ができる。
またコーティングに比べ簡便な高離型化法として、電子線、紫外線、X線、赤外線、プラズマなどに代表されるエネルギー線を照射することで弾性体表面を高架橋化する方法がある。エネルギー線照射では、材料費がいらない、加工工程が短い等の長所がある。
これらの高架橋化処理の中でも、紫外線を照射することが最も好ましい。紫外線を照射することで、所望の電気特性に制御でき、粘着性や摩擦係数が低下するので、トナーや外添剤が導電性弾性体に固着することが抑制され、良好な画像が得られる。照射条件としては、200nm〜450nmの波長の光を導電性弾性体表面に均一に照射し、光源としては前記波長範囲の紫外線を照射できるものであれば特に限定されない。例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等の公知の光源が使用できる。ランプの規格としては、ランプ出力80W/cm、定格電力4000Wのものを使用するのが好ましい。導電性弾性体は、ランプに近いほど照射効率がよく、回転させながら照射すると均一に表面処理できる。照射時間は、ランプの種類、照射距離等によって、最適範囲が異なるが、数秒から数十分の間で、表面の粘着性や摩擦係数が十分下がり、必要とする電気特性を満たす条件がよい。
このようにして得られる電子写真用導電性部材の表面における、ポリエステルフィルムとの間の動摩擦係数の値としては、後述の方法で測定した値で、0.05以上0.5以下が好ましく、さらには、0.1以上0.3以下がより好ましい。ここで、ポリエステルフィルムとしては、ASTMD−1894によって測定された動摩擦係数が0.4であり、厚みが100μmのものを使用することとする。その一例として、(株)東レ製商品名「ルミラーS10#100」を挙げることができる。動摩擦係数が0.05以上であれば、適度な摩擦力があり、被帯電体と従動駆動することができる。そのため、電子写真用導電性部材に駆動機構を設けなくても、スリップによる画像不良が出にくくなる。一方、動摩擦係数が0.5以下であれば、粘着性が低く、トナーや外添剤が固着しにくくなる。
得られた電子写真用導電性部材のマイクロゴム硬度は、40〜70であることが好ましい。マイクロゴム硬度の測定方法は後述する。
得られた電子写真用導電性部材の電気抵抗は、2.0×104〜5.0×107Ωであることが好ましい。電気抵抗の測定方法は後述する。
本発明の電子写真装置は、上記の電子写真用導電性部材を備えたものである。このような電子写真装置であれば、高品位の画像を出力することができる。
図3に、本発明の電子写真用導電性部材を電子写真装置に適用した例を示す。31は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(被帯電体)である。この被帯電体31は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。被帯電体31には、例えばロール状の導電性支持体と該支持体上に無機感光材料または有機感光材料を含有する感光層とを少なくとも有する公知の被帯電体等を採用すればよい。
32は帯電ローラーである。帯電装置としては帯電ローラー以外にも公知の手段を利用することができる。本例では、帯電ローラー32と帯電ローラー32に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源S1とによって帯電手段が構成されている。帯電ローラー32は、被帯電体31に所定の押圧力で接触させてあり、本例では被帯電体31の回転に対して順方向に回転駆動する。この帯電ローラー32に対して帯電バイアス印加電源S1から、所定の直流電圧(例えば−1200Vとする)が印加されることで、被帯電体31の表面が所定の極性電位(例えば暗部電位−600Vとする)に一様に帯電処理される(DC帯電)。このDC帯電のほかにもAC/DC重畳帯電、注入帯電等の公知の帯電法を用いることができる。この帯電ローラーに本発明の電子写真用導電性部材を好適に用いることができる。
33は露光手段である。この露光手段33には公知の手段を利用することができ、例えばレーザービームスキャナー等を好適に例示することができる。この場合、レーザー光Lで露光される。
被帯電体31の帯電処理面に該露光手段33により目的の画像情報に対応した像露光がなされることにより、帯電面の露光明部の電位(本例では明部電位−350Vとする)が選択的に低下(減衰)して被帯電体31に静電潜像が形成される。
34は現像手段である。現像手段34としては公知の手段を利用することができる。本例では、トナーを収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体34aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材34bと、トナー担持体34aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材34cとを有する。現像手段34は、被帯電体31表面の静電潜像の露光明部に、被帯電体31の帯電極性と同極性に帯電(本例では現像バイアス−350Vとする)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する。現像方式としては特に制限はなく、既存の方法すべてを用いることができる。既存の方法としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式及び磁気ブラシ方式等が存在するが、特にカラー画像を出力する画像形成装置には、トナーの飛散性改善等の目的より、接触現像方式の現像ローラーが好ましい。この現像ローラーに本発明の電子写真用導電性部材を好適に用いることができる。
35は転写ローラーである。転写ローラー35は、被帯電体31に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、被帯電体31の回転と順方向に被帯電体31の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー35により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電される。そして、転写ニップ部において被帯電体31面側のトナー画像が転写材Pの表面側に静電転写される。この転写ローラーに本発明の電子写真用導電性部材を好適に用いることができる。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材Pは被帯電体面から分離して、不図示のトナー画像定着手段へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
転写残余トナー等の被帯電体31上の残留物は、ブレード型等のクリーニング手段36により、被帯電体上より回収される。
また、画像欠陥などの観点から、必要な場合には前露光手段37があるとよい。被帯電体31に滞留電荷が残るような場合には、帯電部材32による一次帯電を行う前に、前露光装置37によって被帯電体31の滞留電荷を除去したほうが良い。
また、上述の被帯電体、帯電部材、現像部材、クリーニング部材、トナー等やトナー容器、廃トナー容器等のうち複数のものを一体に結合し、少なくとも1つの部材として上記の電子写真用導電性部材を備えたプロセスカートリッジとすることもできる。そして、そのプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置に対して着脱自在に構成しても良い。プロセスカートリッジとすることで、画像品位を保つための部品の交換などを容易にすることができる、劣化の激しい部材を一括して交換することができる、トナーが飛散することなくトナーの補充と廃トナーの回収をする事ができる等の利点がある。
本発明の電子写真用導電性部材を使用した電子写真装置に用いられる被帯電体は、特に制限なく従来公知のものを使用することができるが、導電性支持体上に有機感光層を設けた有機感光体が好適に用いられる。
有機感光体の構成の一例としては、導電性支持体上に、バリアー機能と接着機能を有する下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順に積層したものがある。この機能分離積層構成の場合には、電荷の発生と取り出しの効率が高いために良好な画像が得られる。
導電性支持体としては、例えば金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、クロム及びチタン等)、導電性高分子等の支持体自体が導電性を有するものを用いることができる。また、金属、樹脂、繊維及び紙等の表面にアルミニウム、アルミニウム合金及び酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着によって皮膜形成された層を有するものを用いることができる。さらに、高分子化合物に導電性粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ及び金属粉等)を分散したもの等を用いることができる。形状としては、ドラム状、シート状及びベルト状等が挙げられる。
導電性支持体と感光層の間に、バリアー機能と接着機能とを有する下引層を設けることもできる。下引層は、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等によって形成できる。下引層の膜厚は、5μm以下が好ましく、より好ましくは0.5〜3μmが適当である。下引層はその機能を発揮するためには、1×107Ωcm以上であることが望ましい。
電荷発生層は、電荷発生材料を適当な溶剤を用いてバインダー樹脂中に分散した溶液をコーティングすることで得られる。
電荷発生材料としては、フタロシアニン系顔料、インディゴ系顔料、多環キノン系顔料、ペリレン系顔料、スクワリリウム系色素、ピリリウム及びチアピリリウム塩類、及びトリフェニルメタン系色素等が挙げられる。
電荷発生層に用いられるバインダー樹脂は、様々な絶縁性樹脂或いは有機光導電性ポリマーから選択される。例えば、ポリビニルブチラール系、ポリビニルベンザール系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、フェノキシ系、セルロース系、アクリル系及びポリウレタン系樹脂等が好ましい。
電荷輸送層は電荷発生層上に積層され、電界の存在下、電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は、電荷輸送材料を適当な溶剤を用いてバインダー樹脂中に分散した溶液をコーティングすることで得られる。
電荷輸送材料は、電子輸送材料と正孔輸送材料とに大別される。電子輸送材料としては、電子吸引性材料や、正孔輸送性材料が挙げられる。電子吸引性材料としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クローラーニル及びテトラシアノキノジメタン等が挙げられる。正孔輸送性材料としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン系化合物、スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリールメタン系化合物、トリフェニルアミン系化合物等が挙げられる。また、これらの電荷輸送材料の多量体やこれらの電荷輸送材料から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーでもよい。これらの電荷輸送材料は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂は、アクリル系、ポリアリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、アクリロニトリル−スチレンコポリマー系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系及び塩素化ゴム等の絶縁性樹脂、或いはポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。
電荷輸送層は、他の電子写真用部材と接触するので他部材からの滲み出し物によるソルベントクラックに対し耐性の強いものが好ましい。特にポリアリレート系樹脂は、他部材からの滲み出し物によるソルベントクラックが生じにくく、他部材との摺擦によって削れにくいことから長期使用にわたって良質な画質が得られるために好ましい。
また、電子写真装置の高画質化の観点から、電荷輸送層は、滞留電荷が残りにくいものが好ましい。滞留電荷が残りやすいと、被帯電体の帯電の履歴が、次回の帯電時にも残り、意図する画像濃度との誤差(ゴースト)が生じてしまう。以後、これを「ゴースト現象」と呼ぶ。ポリカーボネート系樹脂は、この滞留電荷が残りにくく、帯電能が良いためゴーストが発生しにくいために好ましい。ただし、ポリカーボネート系樹脂は、ソルベントクラックが起きやすい性質がある。しかし、本発明の電子写真用導電性部材を用いれば、ソルベントクラックが起こることも無い。
すなわち、本発明の電子写真装置及びプロセスカートリッジでは、前記電子写真用導電性部材が、ポリカーボネート系樹脂を主体として含む電荷輸送層を最外層とする被帯電体と接触もしくは近接して配置されていることが好ましい。このような構成とすることで、滞留電荷による画像不良(ゴースト)の少ない電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明の電子写真装置及びプロセスカートリッジでは、前記電子写真用導電性部材が、ポリアリレート系樹脂を主体として含む電荷輸送層を最外層とする被帯電体と接触もしくは近接して配置されていることが好ましい。ポリアリレート系樹脂を主体とする電荷輸送層は摺擦によって削れにくく、ソルベントクラック(被帯電体を汚染する物質が樹脂に浸透していくことによって起こる亀裂)が起こりにくい電荷輸送層を最外層とする被帯電体となる。そして、低硬度でありソルベントクラックを起こしにくい前記電子写真用導電性部材とを持つことで、長期及び高温多湿環境での使用の際も画像不良の起こることの少ない、電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。なお、以下、特に明記しない限り、試薬等で特に指定のないものは、市販の高純度品を用いた。
[実施例1]
以下の成分を加圧式ニーダーで15分間混練した。
[(A)相(アクリロニトリルブタジエンゴムと導電性粒子とを含むマトリックス相)を形成する成分]
・NBR 100質量部
(商品名「Nipol DN219」:日本ゼオン(株)製)
・カーボンブラック1(導電性粒子) 14質量部
(商品名「旭HS−500」:旭カーボン製)
・カーボンブラック2(導電性粒子) 6質量部
(商品名「ケッチェンブラックEC600JD」:ライオン製)
・ステアリン酸亜鉛 1質量部
・酸化亜鉛 5質量部
・液状エポキシ化ポリブタジエン 10質量部
(商品名「アデカザイザーBF−1000」:旭電化工業(株)製)
・炭酸カルシウム 30質量部
(商品名「ナノックス#30」:丸尾カルシウム(株)製)
[(B)相(アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相)を形成する成分]
・炭酸カルシウムを5質量%含む架橋NBR粒子 50質量部
(商品名「Baymod N PV KA 8641」:バイエル(株)製)
更に、以下の成分を加えて15分間オープンロールで混練した。
・ジベンゾチアゾリルジスルフィド 1質量部
(商品名「ノクセラーDM−P」:大内新興化学(株)製)
・テトラベンジルチウラムジスルフィド 3質量部
(商品名「パーカシットTBzTD」:フレキシス(株)製)
・硫黄(加硫剤) 1.2質量部
カーボンブラックは、導電性が高い種類ほどパーコレーション閾値(横軸に添加部数、縦軸に電気抵抗をとった場合の急激な電気抵抗の変化を及ぼす添加部数の値)付近での電気抵抗変化が急激である。ただし、やや導電性の低いカーボンブラックとブレンドして用いることで、その電気抵抗の変化を緩慢にする事ができるため、2種類のカーボンブラックをブレンドして用いている。
液状エポキシ化ポリブタジエンは、常温では粘度が低く、極性基と非極性基をもつのでゴム混合物を可塑化する効果がある。さらに、加熱することで自身が架橋硬化する。そのため、NBRを加硫したのちには、弾性体表面に滲み出してくることがなく、一般的なゴム用可塑剤や軟化剤、および液状イソプレンや液状ブチルゴムや液状NBR等の他の液状ゴムに比べ移行性が少ないために用いている。
テトラベンジルチウラムジスルフィドは、他のチウラム系加硫促進剤にくらべ分子量が高く、弾性体表面に滲み出してくることがないために用いている。
この混練した組成物をゴム押出機で、外径15mm、内径5.5mmの円筒形に押出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で、160℃の水蒸気で40分間1次加硫し、導電性弾性体1次加硫チューブを得た。次に直径6mm、長さ256mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面工業ニッケルメッキ品)の円柱面の軸方向中央部231mmにホットメルト接着剤を塗布し、乾燥した。この導電性支持体を前記導電性弾性体1次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンに入れ160℃で1時間、2次加硫と接着剤硬化を行い、未研磨の導電性部材を得た。この未研磨品のゴム部分の両端を切断し、ゴム部分の長さを231mmとした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、端部直径8.3mm、中央部8.5mmのクラウン形状で表面の十点平均粗さRz4μm、振れ40μmの電子写真用導電性部材を得た。
この電子写真用導電性部材を図3に示す構成の電子写真装置の帯電部材として用い、ポリアリレート系樹脂からなる電荷輸送層をもつ被帯電体と当接させた電子写真装置を作製した。
[実施例2]
実施例1の電子写真用導電性部材に低圧水銀ランプを用いて、254nmのセンサーにおける感度で、紫外線の光量が8000mJ/cm2になるよう上記電子写真用導電性部材を回転させながら均一に照射した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
炭酸カルシウムを5質量%含む架橋NBR粒子の代わりにタルクを5質量%含む架橋NBR粒子(商品名「Baymod NXL3820」:バイエル(株)製)を使用した以外は実施例2と同様に実施した。
[実施例4]
炭酸カルシウムを5質量%含む架橋NBR粒子の代わりに炭酸カルシウムを13質量%含む架橋SBR粒子(商品名「Narpow VP−121」:北京化学研究所製)を添加した以外は実施例2と同様に実施した。
[実施例5]
実施例2の電子写真用導電性部材を図3に示す構成の電子写真装置の帯電部材として用い、ポリカーボネート系樹脂からなる電荷輸送層をもつ被帯電体と当接させた電子写真装置を作製した。
[比較例1]
炭酸カルシウムを5質量%含む架橋NBR粒子を使用せず、カーボンブラック2の使用量を3質量部としたこと以外は実施例2と同様に実施した。
[比較例2]
NBRの使用量を50質量部とし、液状NBR(商品名「Nipol 1312」:日本ゼオン(株)製)50質量部を追加したこと以外は比較例1と同様に実施した。
[比較例3]
NBRと液状エポキシ化ポリブタジエンを使用せず、エピクロルヒドリンゴム(商品名「エピクロマーCG105」:ダイソー(株)製)100質量部を追加し、カーボンブラック2の使用量を4質量部に減らしたこと以外は実施例2と同様に実施した。
[比較例4]
以下の点以外は実施例2と同様に実施した。
・NBRと液状エポキシ化ポリブタジエンと炭酸カルシウムを使用しない。
・エチレンプロピレンゴム(EPDM)(商品名「EPT4045」:三井化学(株)製)100質量部とプロセスオイル(商品名「PW380」:出光興産(株)製)50質量部を追加する。
・カーボンブラック1の使用量を20質量部、カーボンブラック2の使用量を5.6部に変更する。
[比較例5]
以下の点以外は比較例1と同様に実施した。
・NBRの使用量を50質量部に変更する。
・液状エポキシ化ポリブタジエンを使用しない。
・エピクロルヒドリンゴム(商品名「エピクロマーCG105」:ダイソー(株)製)50質量部を追加する。
以下に、各評価項目の測定条件を記す。
〈マイクロゴム硬度測定〉
上記電子写真用導電性部材の導電性弾性体のマイクロゴム硬度は、高分子計器(株)製MD−1型(商品名)を使用して測定した。そして、その6点の平均値を算出した。
〈ドメイン相の真球度〉
ドメイン相の形成状態の評価をするために、真球度を測定した。ドメイン相の真球度は、以下のように測定したものと定義する。まず、上記の手順で作製した電子写真用導電性部材の導電性弾性体から、クライオミクロトームを用いて、50nm程度の厚みの超薄切片を作製する。導電性弾性体その切断面を透過型電子顕微鏡(TEM)の10,000倍で観察し、ドメイン構造を撮影した。撮影した画像上においてドメイン相とマトリックス相の明るさのコントラストが小さい場合には、染色を行っても良い。その一例としては、二重結合を持つ相を四酸化オスミウムにて染色する方法がある。ここで得られた画像を画像処理ソフト(商品名「Image−Pro Plus」:プラネトロン(株)製)に取り込み、カウント/サイズによって架橋ゴム粒子の真円度(本発明では、この値を真球度としている)を自動抽出した。このとき「真球度」とは、以下の式で与えられる。
真球度=(ドメイン相の投影円周長)2/(4π×ドメイン相の投影面積)
ただし、測定条件としては、ドメイン相の投影面積で0.01μm2未満のドメイン相、および一部でも画像輪郭と接しているドメイン相については除外し、各ドメイン相の真球度の平均値を真球度とした。超薄切片は、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に切り出し、それぞれを撮影することで、配向による影響を相殺した。ドメイン相のカウント数は100以上の平均値とした。
〈動摩擦係数〉
電子写真用導電性部材表面における、ポリエステルフィルムとの間の動摩擦係数の測定方法の一例(概要)を図4に示す。本測定方法は、測定物がローラー形状の場合に好適な方法で、オイラーのベルト式に準拠した方法である。この方法によれば、測定物である電子写真用導電部材と所定の角度(θ)で接触したベルト(厚さ100μm、幅30mm、長さ180mm)は、片方の端部が測定部(荷重計)と、他端部が重りWと結ばれている。この状態で導電性部材を所定の方向、速度で回転させた時、測定部で測定された力をF(g)、重りの重さをW(g)とした時、摩擦係数(μ)は以下の式で求められる;
μ=(1/θ)ln(F/W)
この測定方法により得られるチャートの一例を図5に示す。ここにおいて、電子写真用導電性部材を回転させた直後の値が回転を開始するのに必要な力であり、それ以降が回転を継続するのに必要な力であることがわかる。したがって、回転開始点(すなわちt=0秒時点)の力を静摩擦力とし、また、8<t(秒)≦10の間の時間における平均値をもって、動摩擦力とした。
その他測定条件としては、ベルトの材質としてポリエステルフィルム(商品名「ルミラーS10#100」:(株)東レ製)を用い、荷重は100g、回転数は115rpm、データの蓄積間隔は100回/秒で行った。この条件で得られた動摩擦力から動摩擦係数を算出した。
〈電気抵抗と電気抵抗ばらつき〉
図6に電子写真用導電性部材の電気抵抗測定装置の概略図を示した。電子写真用導電性部材2の芯金(シャフト)21の両端部を不図示の押圧手段で円柱状のステンレスドラム61に圧接され、ステンレスドラム61の回転駆動に伴い従動回転する。この状態で、電子写真用導電性部材2のシャフト21に外部電源62を用いて直流電圧を印加し、61のアルミニウムドラムに直列に接続した基準抵抗63にかる電圧から、帯電ローラーの電気抵抗を計算した。
直流電源には小型電源PL−650−0.1(松定プレシジョン社製商品名)を、電圧計にはデジタルマルチメーター フルーク83(フルーク製商品名)を使用した。
上記帯電ローラーの電気抵抗は、温度23℃/湿度50%R.H.環境下で、図6の装置を使用し、芯金と金属ドラムの間に直流50Vの電圧を印加して0.1秒ごとに5秒間測定した。そして、その平均値を電気抵抗、測定値の最大値÷最小値を電気抵抗ばらつきとして算出した。
〈画像評価〉
《滲み出し跡評価》
上述の実施例1〜5、比較例1〜5で得られた電子写真用導電性部材を、導電性支持体の両端に500gずつの荷重をかけて被帯電体に当接させ、室温40℃湿度95%の恒温恒湿槽に1週間放置した。なお、実施例5で使用した被帯電体は、ポリカーボネート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。実施例5以外で使用した被帯電体は、ポリアリレート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。
その電子写真用導電性部材と被帯電体を、恒温恒湿槽から取り出し、図3の構成を有する電子写真装置であるLBP5500(キヤノン(株)製商品名)に電子写真用導電性部材を帯電ローラーとして被帯電体と共に組み込んだ。そして、温度23℃、湿度50%RHの環境下においてハーフトーン画像を出力した。そのハーフトーン画像に、電子写真用導電性部材及び被帯電体の円周の周期、つまり当接部位であった所が白い画像欠陥(滲み出し跡)になっているかを評価した。具体的には以下の基準で評価した。B評価以上であれば、実用上問題ないレベルである。
A:滲み出し跡が画像上認識できない場合。
B:1枚目の画像には軽微な滲み出し跡が発生するが、数枚通紙後には確認できなくなる場合。
C:はっきりとした滲み出し跡が認識できる場合。
D:滲み出し跡がはっきりと確認できかつ被帯電体上にソルベントクラックが確認される場合。
《濃度むら評価》
上述の実施例1〜5、比較例1〜5で得られた電子写真用導電性部材を、図3の構成を有する電子写真装置であるLBP5500(キヤノン(株)製商品名)に帯電ローラーとして、被帯電体と共に取り付けた。なお、実施例5で使用した被帯電体は、ポリカーボネート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。実施例5以外で使用した被帯電体は、ポリアリレート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。そして、温度15℃、湿度10%RHの環境下においてハーフトーン画像を出力した。このときに、帯電ローラーの抵抗むらに起因する不定形の「画像濃度むら」を評価した。その明部と暗部の濃度差から、以下の基準で評価した。実使用上、B評価以上であれば問題はない。
A:濃度差は無し。
B:濃度差は軽微。
C:はっきりとした濃度差が有り。
この濃度むらという画像弊害は、前述の電気抵抗と電気抵抗のばらつきに大きく影響を受ける。電気抵抗が5.0×105Ω未満の場合、電気抵抗のばらつきが3未満になることでA評価に、3以上10未満になることでB評価に、C評価になる事はほぼ無い。電気抵抗が5.0×105Ω以上5.0×107Ω未満の場合、電気抵抗のばらつきが1.3未満になることでA評価に、1.3以上2.5未満になることでB評価に、2.5以上になることでC評価になる。電気抵抗が5.0×107Ω以上の場合、A評価になる事はなく、電気抵抗のばらつきが1.5以下になることでB評価になる。しかし、電気抵抗が低くなると、被帯電体表面の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の絶縁破壊が起こり、被帯電体と帯電ローラー間に大電流が流れ画像弊害になる傾向にある。
《ゴースト評価》
上述の実施例1〜5、比較例1〜5で得られた電子写真用導電性部材を、図3の構成を有する電子写真装置であるLBP5500(キヤノン(株)製商品名)に帯電ローラーとして、被帯電体と共に取り付けた。なお、実施例5で使用した被帯電体は、ポリカーボネート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。実施例5以外で使用した被帯電体は、ポリアリレート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。そして、温度30℃、湿度80%RHの環境下においてゴースト評価画像を出力した。このとき前露光手段は不使用にした。ゴースト評価画像とは、プリント画像書き出しから被帯電体の1回転の部分に25mm角の正方形のベタ黒部(濃い黒の部分)を並べ、電子写真感光体2回転目以降にハーフトーン(薄い黒の部分)のテストチャートを配したものである。このハーフトーンの部分に1回転目のべた黒部の残像が残ることをゴーストという。ゴーストの濃度差から、以下の基準で評価した。実使用上、このB評価以上であれば問題はない。
A:濃度差は無し。
B:濃度差は軽微。
C:はっきりとした濃度差が有り。
《耐久汚れ評価》
上述の実施例1〜5、比較例1〜5で得られた電子写真用導電性部材を、図3の構成を有する電子写真装置であるLBP5500(キヤノン(株)製商品名)に帯電ローラーとして、被帯電体と共に取り付けた。なお、実施例5で使用した被帯電体は、ポリカーボネート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。実施例5以外で使用した被帯電体は、ポリアリレート系樹脂を主体とする電荷輸送層をもつ。そして、温度30℃、湿度80%RHの環境下において画像出し耐久試験を行った。試験条件は前記の方法で連続6,000枚を通紙した。このときに、帯電ローラーに固着したトナーや外添剤による、点状もしくは線状の画像欠陥(耐久汚れ)の評価を、その発生頻度を基準に以下のように評価した。
A:まったく存在しない。
B:ごくまれに存在する。
C:多量に存在する。
この耐久汚れは、帯電ローラーと被帯電体の間でトナーや外添剤が圧着されることにより起こり、帯電ローラーの弾性体が、高硬度であるほど固着しやすい。また、適度な低硬度であっても、動摩擦係数が高く、粘着性が高い場合には、トナーや外添剤は固着しやすくなる.
《画像評価結果の説明》
滲み出し跡の評価としては、次の通りであった。実施例2〜5及び比較例1は、被帯電体汚染性の低いNBRを主体とした導電性弾性体を用い、表面がUV処理によって高架橋化されているために、導電性弾性体中の低分子量成分が滲み出しにくく、A評価になっている。実施例1は、実施例2にくらべUV処理が無い分、やや滲み出しの付着物があったためにB評価である。比較例2は、NBRを主体とした導電性弾性体を用いてはいるが、液状NBRの架橋による弾性体内部での固定化が不完全であるために、滲み出しが発生しC評価であった。比較例3〜5は、エピクロルヒドリン中の塩素基の脱離に由来する低分子量成分やEPDMの加工性改良のため添加されているプロセスオイルが滲み出すことによって、滲み出し跡となりD評価であった。
濃度むらの評価としては、次の通りであった。実施例1、2、及び5は、架橋ゴム粒子として炭酸カルシウムが少量添加されているNBRゴム粒子を使用しているために、分散性が良く、真球度のそろったドメイン相が形成されているために、電気抵抗のばらつきが小さく、濃度むらがA評価になっている。実施例3は、タルクが少量添加されているNBRゴム粒子を用いているために、炭酸カルシウムが添加されている実施例2等に比べドメイン相のばらつきが大きく、B評価となっている。実施例4は、炭酸カルシウムが少量添加されているSBRゴム粒子を用いているために、NBR粒子である実施例2等に比べドメイン相の粒子が小さくなりすぎて、それに伴い真球度も小さくなる。したがって、導電パスの制御が逆に困難になったため電気抵抗のばらつきが大きく、B評価となっている。比較例3、4は、エピクロルヒドリンやEPDMを主体としたマトリックス相はカーボンブラックとの分散性がNBRに比べ劣ること、NBR粒子との分散性が劣ることから、B評価となっている。比較例1、2、及び5では、導電性弾性体がドメイン構造しを形成しておらず、導電パスが不安定であるために電気抵抗がばらつき、C評価であった。
ゴーストの評価は、滞留電荷が残りにくく、帯電性の良いポリカーボネート系樹脂を電荷輸送層とする被帯電体を用いた実施例5のみが、A評価であり、実施例1〜4及び比較例1〜5は、ポリアリレート系樹脂であるために、B評価であった。
耐久汚れの評価は、実施例2〜5及び比較例2〜4は、被帯電体と電子写真用導電性部材がスリップしない程度に動摩擦係数が低く、硬度も低いために汚れが固着せずA評価であった。実施例1は、UV処理していないために動摩擦係数が高く、部分的に縦にすじが入る汚れが見られたが、B評価であった。比較例1、5は、架橋ゴム粒子や液状ゴムなどによる低硬度化が施されていないために、硬度が高く、トナーや外添剤が圧着して、多数の縦方向のすじが確認され、C評価であった。
上述の実施例、比較例と共に、その材料組成と評価結果をまとめたものを表1に示す。
Figure 0004928120
本発明のドメイン構造の模式図である。 本発明の電子写真用導電性部材の一例を示す概略図である。 本発明の電子写真用導電性部材を用いた電子写真装置の一例を示す概略図である。 本発明における電子写真用導電性部材の動摩擦係数の測定例を示す概略図である。 本発明における電子写真用導電性部材の動摩擦力を測定したチャートを示す概略図である。 本発明における導電性部材の電気抵抗の測定例を示す概略図である。
符号の説明
11 マトリックス相(海相)
12 ドメイン相(島相)
2 電子写真用導電性部材
21 導電性支持体(シャフト)
22 導電性弾性体
23 高離型層
31 電子写真感光体(被帯電体)
32 帯電部材(帯電ローラー)
33 露光手段
34 現像手段
34a トナー担持体
34b 撹拌部材
34c トナー規制部材
35 転写手段(転写ローラー)
36 クリーニング手段
37 前露光手段
61 アルミニウムドラム
62 外部電源
63 基準抵抗
L レーザー光
S1、S2 バイアス印加電源
P 転写材

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも(A)相と(B)相とを有する導電性弾性体を備えた電子写真用導電性部材であって、
    (A)相:アクリロニトリルブタジエンゴムと導電性粒子とを含むマトリックス相
    (B)相:アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相
    該(B)相は、アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一方の架橋ゴム粒子からなり、該架橋ゴム粒子は、該架橋ゴム粒子の粒子径よりも小さい粒子径を有する無機微粒子を含有していることを特徴とする電子写真用導電性部材。
  2. 前記(B)相の真球度が、2以上10以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用導電性部材。
  3. 前記電子写真用導電性部材の表面における、ポリエステルフィルム(ASTMD−1894によって測定された動摩擦係数が0.4であり、厚みが100μmのもの)との間の動摩擦係数が、0.05以上0.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用導電性部材。
  4. 前記(B)相の投影面積が、0.01μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真用導電性部材。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真用導電性部材を備えたことを特徴とする電子写真装置。
  6. 前記電子写真用導電性部材が、ポリカーボネート系樹脂またはポリアリレート樹脂を含む電荷輸送層を最外層とする被帯電体と接触もしくは近接して配置されていることを特徴とする請求項に記載の電子写真装置。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真用導電性部材を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 導電性支持体上に、少なくとも(A)相と(B)相とを有する導電性弾性体を備えた電子写真用導電性部材の製造方法であって、
    (A)相:アクリロニトリルブタジエンゴムと導電性粒子とを含むマトリックス相、
    (B)相:アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムの少なくとも1種類を含むドメイン相、
    アクリロニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一方の架橋ゴム粒子と、未架橋のアクリロニトリルブタジエンゴムと、導電性粒子とを混合し、混練した後、該未架橋のアクリロニトリルブタジエンゴムを架橋して導電性弾性体を形成する工程を含み、
    該架橋ゴム粒子は、該架橋ゴム粒子の粒子径よりも小さい粒子径を有する無機微粒子を含有していることを特徴とする電子写真用導電性部材の製造方法。
  9. 前記未架橋のアクリロニトリルブタジエンゴムを100質量部に対して、10質量部〜200質量部の前記架橋ゴム粒子を混合することを特徴とする請求項に記載の電子写真用導電性部材の製造方法。
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