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JP4926370B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル Download PDF

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JP4926370B2
JP4926370B2 JP2003190810A JP2003190810A JP4926370B2 JP 4926370 B2 JP4926370 B2 JP 4926370B2 JP 2003190810 A JP2003190810 A JP 2003190810A JP 2003190810 A JP2003190810 A JP 2003190810A JP 4926370 B2 JP4926370 B2 JP 4926370B2
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康則 大高
洋一 安蔵
橋本  学
哲夫 七井
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Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Hitachi Astemo Ltd
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Hitachi Automotive Systems Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの点火プラグ毎に装着されて各点火プラグに直結して使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関用点火装置としては、細長円筒形のコイルケース内部にセンタコア、1次コイル、2次コイルを内装しており、これらのコイルは、それぞれのボビンに巻かれ、センタコアの周囲に同心上をなして配置されている。このコイルでは、高電圧が発生する為、絶縁樹脂なるエポキシを充填し、硬化させることにより、各部材間の絶縁性が確保されている。この様な異種材料間では、線膨張係数が異なる為、厳しい温度環境下では熱応力が発生し、ボビンやエポキシに微少な亀裂が発生し、絶縁低下に陥る可能性がある。そこで、例えば下記特許文献1に記載のように、さらに、2次ボビンの内側とセンタコアとの間に弾性体を配置することにより、応力緩和を図っているものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−26267号公報 (第8頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来技術にあっては、熱衝撃性に対する応力緩和についてのみしか検討されておらず、耐衝撃性に関しては記載されていない。実環境上では、各コイルに外部から様々な衝撃が加わり、各部材には異なる材料を用いている為、様々な形で応力集中が発生してしまう箇所があり、そこを起点としたクラックが発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、熱衝撃性に優れるだけではなく、外部からの耐衝撃性までを含めた信頼性の高い内燃機関用点火コイルを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、内燃機関のプラグホールに内挿されるとともに、各点火プラグに直結して使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルにおいて,コイル部上方に設けられるコネクタケースの上面の一部又は全体を覆う衝撃吸収用のカバーを備え、前記衝撃吸収用のカバーは、コネクタケースの上端部で囲まれる部分の上に位置する基壁と、その基壁の周縁に設けられると共に、コネクタケース上端部の側面の周囲に対向するように位置する側壁とを有し、前記カバーと前記コネクタケースとの間にクリアランスを持たせたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーが衝撃を吸収する役割を果たすことから、コネクタケースの上面からの衝撃が図12に示されるように現行の場合と比べて格段に緩和されるようになる。カバーを備えてコネクタケースの上面の一部又は全体を覆うことにより、応力集中のし易い箇所を起点としたクラックの発生が低減され、信頼性の高い点火コイルになる。
また、クリアランスが衝撃吸収に効果的な役割を果たすようになる。具体的には、図2に示されるように、クリアランスを持たせることにより、コイル部にかかる応力が低減されるようになる。
【0008】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記クリアランスを少なくとも0.5mmとしたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、図2に示されるように、0.5mmのクリアランスを持たせることにより、コイル部にかかる応力が48%も低減されるようになる。尚、クリアランスを0.8mm持たせることにより41%、1.0mm持たせることにより33%も応力が低減されるようになる。
【0009】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイルにおいて、熱可塑性樹脂材を用いて前記カバーを成形するとともに、可撓性を有するキャップ形状に形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、樹脂製となるキャップ形状のカバーの変形を利用して衝撃が吸収されるようになる。すなわち、カバーは、可撓性を有しており剛体でないことから、衝撃を受けた際に瞬間的に変形が生じるようになる。これにより、衝撃が即、コネクタケース側に伝わらないようになる。
【0010】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記カバーに切り欠きを形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、衝撃を受けた際の瞬間的な変形が更に速められるようになる。これにより、衝撃吸収にかかる効果の向上が図れるようになる。
【0011】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1ないし請求項いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記カバーの内側に前記コネクタケースに対するセンタリング用の突起を形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーの偏りが防止され、どの部分においても衝撃吸収にかかる効果が得られるようになる。また、カバーの偏りが防止されると、外観の見栄えに対しても影響がないようになる。
【0012】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記センタリング用の突起を半円弧状且つ内方に向かってテーパ状となる形状に形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーの装着性が害されることはなく、カバーとコネクタケースとが近づくにつれて円弧状の頂点付近でセンタリングがなされ、カバーの偏りが防止されるようになる。尚、センタリング用の突起は、コネクタケースに対して点接触となることから、軽圧入としても応力的に問題になるようなことはない。
【0013】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記センタリング用の突起を少なくとも三箇所に形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーのガタツキが確実に押さえられようになる。また、精度良く位置決めがなされるようになる。
【0014】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1ないし請求項いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記カバー及び前記コネクタケースのいずれか一方に係止用の凸部を形成するとともに、いずれか他方には前記凸部に対応する係止用の凹部を形成したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、凹凸となる部分による係止構造、すなわち所謂フック構造によるカバーとコネクタケースとの係止になり、衝撃を受けた際にその衝撃に応じて凹凸部分が離間するようになる。カバーを取り付けるための構造の中で、衝撃が即、コネクタケース側に伝わらないような構造の一つになる。
【0015】
請求項記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1ないし請求項いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,前記カバーの内側又は外側に衝撃吸収用ゴムダンパを設けたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーと共にゴム材も衝撃を吸収する役割を果たすようになる。これにより、コネクタケースの上面からの衝撃がより一層緩和されるようになる。
【0016】
請求項10記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,前記衝撃吸収用ゴムダンパの厚さを少なくとも0.5mmとしたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、特にカバーの内側にゴム材を設ける場合に効果的になる。
【0017】
請求項11記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1ないし請求項10いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,前記カバーの内側の一部に常温硬化タイプでシリコン系の衝撃吸収用弾性接着剤を付けて、前記カバーを部分的に固定するようにしたことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、カバーの取り付けに係る工数が低減されるようになる。
【0018】
請求項12記載の本発明の内燃機関用点火コイルは、請求項1ないし請求項11いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,前記コイル部における二次ボビンの内側とセンターコアとの間、及び二次コイル全長の1/4から上面側に衝撃吸収用弾性部材としての可撓性エポキシ樹脂を充填したことを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、コイル部全体に加わる衝撃が緩和されるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の内燃機関用点火コイルの一実施の形態を示す断面図である。
【0021】
図1において、内燃機関のプラグホールに内挿され、各点火プラグに直結して使用される独立点火形の内燃機関用点火コイル(点火コイル)は、上記プラグホールに内挿される部分となる外径がφ18mm〜φ27mmに形成される細長円筒形ケース(外装ケース)6を有している。その外装ケース6の内部には、中心(内側)から外側に向けて、センタコア5、2次ボビン4に巻かれた2次コイル3、1次ボビン2に巻かれた1次コイル1が同心状に配置されている。これらの構成部品は、外装ケース6に内挿された後、熱硬化性絶縁樹脂(エポキシ樹脂)14が充填されて絶縁性が保証されている。
【0022】
外装ケース6の外側には、センタコア5と磁路を形成するサイドコア7が数層装着されている。サイドコア7は、0.2〜0.5mm程度の薄い珪素鋼板あるいは方向性珪素鋼板を管状に丸めて成形されており、1〜4枚重ねられて構成されている。サイドコア7には、磁束の1タ−ンショ−トを防ぐための切れ目が少なくとも1ヶ所、サイドコア7の円周上に設けられている。
【0023】
センタコア5は、板厚0.2〜0.7mmの珪素鋼板あるいは方向性珪素鋼板を使用して形成されており、その断面積が増えるように円筒形に近づけ、例えば幅長さが数段階に設定された多数の珪素鋼板をプレス積層してなっている。尚、ここでは特に図示しないが、センタコア5の軸方向の片端面、あるいは両端面にマグネットを設け、コイルで発生する磁束とは反対の磁束をかけることにより磁束密度の高いコアを使用した状態を作り、磁気エネルギーをアップ(高出力化)させる場合もあるものとする。
【0024】
センタコア5の端部(上端でも下端でも良い)には、応力吸収用弾性部材8(例えばシリコーンゴム)が設けられている。また、センタコア5の周囲には、弾性部材15が設けられている。これらは、2次ボビン4とセンタコア5との間に発生する熱応力(線膨張係数の差によって生じる応力)を緩和させるために設けられている。
【0025】
弾性部材15としては、耐熱性のあるシリコーンゴムや可撓性のエポキシ樹脂(本例では、軟質エポキシ樹脂)などが使用されている。軟質エポキシ樹脂は、ガラス転移点が常温(20℃)以下で、ガラス転移点以上では弾性のある柔らかい性質(エストラマー)を有するエポキシ樹脂であり、例えば、エポキシ樹脂と変性脂肪族ポリアミンの混合物である。軟質エポキシ樹脂は、センタコア5と2次コイル3との間の絶縁機能をもたせるため、ボイドなどが発生せぬように真空化(例えば4Torr以下)で注入した後、硬化させるようになっている。
【0026】
1次ボビン2は、機械的強度を確保するため無機物充填物20重量%以上のポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンオキサイド(変性PPO)、あるいはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形されており、その1次ボビン2に巻かれる1次コイル1は、線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層あたり数十回から百数十回ずつ、数層にわたり合計100〜300回程度積層巻きした巻線になっている。
【0027】
2次ボビン4も例えば、無機物を20重量%以上、より好ましくは30重量%以上混合した変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形されている。2次ボビン4は、有底筒状を呈し、上記した応力吸収用弾性部材8、センタコア5が2次ボビン底部に受けられるようになっている。応力吸収用弾性部材8、センタコア5は、2次ボビン4に内装されている。
【0028】
2次ボビン4は、センタコア5と2次コイル3との間に介在して2次コイル3に発生した高電圧を絶縁する役目を有している。そして、2次コイル3に発生した高電圧を絶縁するために、2次ボビン4の肉厚は、0.5〜1.5mmとなっている。更に、2次コイル3とセンタコア5との間の電界集中及び応力集中を防止するために、センタコア5は、2次ボビン4の内周側に弾性部材15を注入し、硬化させて固定するようになっている。
【0029】
2次コイル3は、線径0.03〜0.06mm程度のエナメル線を用いて合計10000〜30000回程度、2次ボビン4に多数配設した鍔間に多層構造で分割巻きされている。
【0030】
エポキシ樹脂14は、2次ボビン4に巻かれた2次コイル3、1次ボビン2に巻かれた1次コイル1を外装ケース6に内挿し、更にイグナイタユニット10をコネクタケース17に供給し、そのイグナイタユニット10の端子をコネクタ端子と溶接固定した後に、真空状態で注入されるようになっている。そして、加熱によりエポキシ樹脂14が硬化することで絶縁性と機械強度とを確保するようになっている。
【0031】
外装ケース6は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形されており、コイル部を収容、固定しエポキシ樹脂14を注型できるように形成されている。
【0032】
尚、特に符号を付さないが、図1には過早着火防止高圧ダイオード、イタバネ、高圧端子、点火プラグ接続用のスプリング、点火プラグ接続用のプラグシール(シリコーンゴム)、プラグホールシ−ルゴム、雑音防止用コンデンサが図示されている。
【0033】
図1の引用符号18は、本発明の要旨となるカバーを示している。そのカバー18は、熱可塑性合成樹脂で成形されている。また、カバー18は、コネクタケース17の上面の全体又は一部を覆うようなキャップ形状に形成されている。本形態においては、コネクタケース上端部17aで囲まれる部分(上記一部に相当)を覆うことができるように形成されている。すなわち、カバー18は、コネクタケース上端部17aで囲まれる部分の上に位置する基壁と、その基壁の周縁に連成されるとともに、コネクタケース上端部17a側面の周囲に対向するように位置する環状側壁とを有している。カバー18は、可撓性を有している。
【0034】
コネクタケース上端部17aとカバー内面18aには、クリアランスCが設けられている。カバー18に衝撃が加わった際に、カバー18はクリアランスCを利用して変形し、衝撃を吸収することができるように形成されている。クリアランスCは、図2に示されるように、0.5mm以上とすることでコイル部にかかる応力が1/2以下に低減(具体的には、0.5mmで48%、0.8mmで41%、1.0mmで33%低減)されるようになっている。これは、実験によって確認されている。
【0035】
カバー18は、図3に示されるように、カバー18の上記環状側壁の一部に設けられる凸部18bと、コネクタケース17のコネクタケース上端部17a側面の一部に設けられる凹部17bとにより係止し合う係止構造、言い換えればフック構造Eを有している。これにより、衝撃印加時の衝撃力(矢印参照)が、カバー18の横方向の変形(破線参照)によっても吸収されることになり、衝撃吸収効果が高まるようになっている。尚、特に図示しないが、カバー18に凹部を設け、コネクタケース17側に凸部を設けても同じ効果が得られるものとする。また、フック構造Eを2ヶ所以上設けることにより、カバー18の十分な固定強度が得られるものとする。
【0036】
カバー18には、そのカバー18がコネクタケース17に対して偏って取付けられることのないようにするための、図4に示されるようなセンタリング用の突起9が設けられている。センタリング用の突起9は、カバー内面18a(具体的には上記環状側壁内面)に設けられている。尚、カバー18の位置は、センタリング用の突起9が3ヶ所あれば決まるので、3ヶ所以上必要になるものとする。
【0037】
センタリング用の突起9の形状は、図5に示されるように、半円弧状でかつカバー内面18aに向かって(上記基壁に向かって)テーパ状の形状に形成されている。このような形状により、カバー18の装着性を害することなく、カバー内面18aとコネクタケース上端部17aとが近づくに従い、円弧状の頂点9a付近でセンタリングされるようになっている。センタリング用の突起9は、コネクタケース上端部17aに対して点接触となることから、軽圧入としても応力的に問題になるようなことはないものとする。したがって、センタリング用の突起9により、カバー18のガタツキを押さえ、かつ精度良く位置決めをすることができる。
【0038】
次に本発明の考え方について、図6を用いて説明する。
【0039】
コネクタケース17の上面に、例えば、落下の様な衝撃が印加された場合、衝撃が印加される反対側Hに最大応力が発生し、その大きさは、全体の重心位置Gと衝撃が印加される場所Kまでの距離Lと、衝撃力Fとの積で表される。この応力を緩和させるには、衝撃吸収体によって全体の衝撃力を緩和させるか、距離Lを短くするか、あるいは内部に緩和構造を持たせるなどが有効な手段となる。したがって、前述した図1に示すような熱可塑性樹脂のカバー内面18aとコネクタケース上端17aとの間にクリアランスCを設けて衝撃吸収の役目を果たすキャップタイプのカバー18が有効となる。
【0040】
次に別な実施例について説明する。先ず、図7を用いて説明する。
【0041】
図7では、衝撃印加力を押さえる方法として、熱可塑性樹脂のカバー18に切り欠き18cが設けられている(具体的には上記環状側壁に複数の切り欠き18cが設けられている)。したがって、切り欠き18cによりバネ力を持たせることができ、全体の衝撃印加力を低減させることができる。
【0042】
図8では、熱可塑性樹脂のカバー18の上面にゴム材等の弾性体、すなわちゴムダンパー(A)11が配置されている。また、図9では、熱可塑性樹脂のカバー18の下面に同じくゴムダンパー(B)12が配置されている。いずれの例も、ゴムダンパー(A)11、(B)12で衝撃をより効果的に吸収することができる。尚、図9の場合では、ゴムダンパー(B)12がカバー18に覆われているために、外観上も良好となっている。ゴムダンパー(B)12の厚さは、0.5mm以上が好ましいものとする。
【0043】
その他、図9のゴムダンパー(B)12の代わりに、図10に示されような弾性を持つ接着剤13(例えばシリコン系接着剤)を用いてもよいものとする。このような弾性接着剤13を用いることにより、カバー18の接着固定と弾性体による衝撃吸収とを兼ねることができる。さらに、この弾性接着剤13を常温硬化タイプにすることにより、高温硬化プロセスを用いること無く接着させることが可能となり、作業性を損ねること無く生産性を高めることが可能となる。
【0044】
図11では、モーメントが働く内部にクラックが入らないように、弾性部材23が2次コイル3の低圧側から上部に向かって注型されている(2次コイル3全長の1/4から上面側に注型されている)。2次コイル3の上面側は低電位となり、耐電圧上は厳しくなく、また、外装ケース6による剛性がある為、内部に弾性部材23が入っていても、エンジン側からの振動に十分耐えることができる。本実施例では、弾性部材23に、センタコア5の周りを覆っている弾性部材15を用いている。尚、弾性部材15は真空注型することから中にボイドができる心配もない。
【0045】
図12に、本発明の効果として、各例を有限要素法で解析した結果の一例を示す。コイル部に働く最大主応力は、現状に対し、約55〜30%に低下させることが可能となる。
【0046】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、熱衝撃性に優れ、外部からの耐衝撃性にも優れる信頼性の高い内燃機関用点火コイルを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関用点火コイルの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】効果を説明するためのグラフである。
【図3】要部断面図である。
【図4】カバーの底面図である。
【図5】センタリング用の突起の説明図である。
【図6】本発明の考え方の説明図である。
【図7】カバーの他の例を示す斜視図である。
【図8】本発明による内燃機関用点火コイルの他の一実施の形態(第二例)を示す断面図である。
【図9】本発明による内燃機関用点火コイルの他の一実施の形態(第三例)を示す断面図である。
【図10】本発明による内燃機関用点火コイルの他の一実施の形態(第四例)を示す断面図である。
【図11】本発明による内燃機関用点火コイルの他の一実施の形態(第五例)を示す断面図である。
【図12】有限要素法による効果を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1…1次コイル
2…1次ボビン
3…2次コイル
4…2次ボビン
5…センタコア
6…外装ケース
7…サイドコア
8…応力吸収用弾性部材
9…センタリング用の突起
9a…円弧状の頂点
10…イグナイタユニット
11…ゴムダンパーA
12…ゴムダンパーB
13…弾性接着剤
14…絶縁用樹脂(エポキシ樹脂)
15…弾性部材
17…コネクタケース
17a…コネクタケース上端部
17b…凹部(コネクタケース凹部)
18…カバー
18a…カバー内面
18b…凸部(カバー凸部)
18c…切り欠き
23…弾性部材
C…クリアランス
E…フック構造
F…衝撃による反力
G…重心
H…応力発生部
K…衝撃印加点

Claims (12)

  1. 内燃機関のプラグホールに内挿されるとともに、各点火プラグに直結して使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルにおいて,
    コイル部上方に設けられるコネクタケースの上面の一部又は全体を覆う衝撃吸収用のカバーを備え、
    前記衝撃吸収用のカバーは、コネクタケースの上端部で囲まれる部分の上に位置する基壁と、その基壁の周縁に設けられると共に、コネクタケース上端部の側面の周囲に対向するように位置する側壁とを有し、
    前記カバーと前記コネクタケースとの間にクリアランスを持たせた
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記クリアランスを少なくとも0.5mmとした
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    熱可塑性樹脂材を用いて前記カバーを成形するとともに、可撓性を有するキャップ形状に形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  4. 請求項3に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記カバーに切り欠きを形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  5. 請求項1ないし請求項4いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記カバーの内側に前記コネクタケースに対するセンタリング用の突起を形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  6. 請求項5に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記センタリング用の突起を半円弧状且つ内方に向かってテーパ状となる形状に形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  7. 請求項に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記センタリング用の突起を少なくとも三箇所に形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  8. 請求項1ないし請求項7いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記カバー及び前記コネクタケースのいずれか一方に係止用の凸部を形成するとともに、いずれか他方には前記凸部に対応する係止用の凹部を形成した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  9. 請求項1ないし請求項8いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記カバーの内側又は外側に衝撃吸収用ゴムダンパを設けた
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  10. 請求項9に記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記衝撃吸収用ゴムダンパの厚さを少なくとも0.5mmとした
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  11. 請求項1ないし請求項10いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記カバーの内側の一部に常温硬化タイプでシリコン系の衝撃吸収用弾性接着剤を付けて、前記カバーを部分的に固定するようにした
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  12. 請求項1ないし請求項11いずれか記載の内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記コイル部における二次ボビンの内側とセンターコアとの間、及び二次コイル全長の1/4から上面側に衝撃吸収用弾性部材としての可撓性エポキシ樹脂を充填した
    ことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
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