JP4915905B2 - 溶射装置 - Google Patents
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Description
そして、本装置は、ホッパーとエジェクターと噴射手段とを備えてなる。ホッパーは、原料粉体を貯蔵すると共に原料粉体を払い出す払出口を底部(貯蔵される原料粉体よりも下)に有する。エジェクターは、加圧されたキャリヤーガスがエジェクター内部で噴射されることにより、エジェクター内部が負圧(周囲の環境の圧力(通常、大気圧)よりも低い圧力)になり、これによってホッパーの払出口から原料粉体を吸入する。そしてエジェクターは、該吸入した原料粉体と、該噴射されたキャリヤーガスと、をエジェクター内部にて混合し前記混合物とする。そして、原料粉体とキャリヤーガスとの前記混合物はエジェクターから噴射手段へ送られ、噴射手段により噴射される。該噴射された混合物は燃焼し、その燃焼による熱により耐火性粉体が溶解(融解)又はそれに近い状態になることで耐火組成物を形成する。
本装置においては、ホッパーの払出口からエジェクターまで原料粉体を移送する原料粉体移送路に、外気に連通する外気連通部が設けられており、噴射手段からエジェクターまで逆火が生じても、この外気連通部から逆火が放散されることにより逆火が原料粉体を貯蔵するホッパーまで達することを防止又は減少させることができる。
こうすることで外気に連通する外気連通部を原料粉体移送路に容易に設けることができると共に、外気に連通する(逆火が放散される)該一端を、原料粉体を貯蔵するホッパーから容易に離すことができ、逆火によるホッパーへの影響を小さくすることができる。
なお、原料粉体移送路の流路断面及び外気連通部の流路断面のいずれも、それぞれの位置において流体が流れる方向(原料粉体移送路の流路断面の場合には原料粉体がホッパーの払出口からエジェクター方向に移動する方向であり、外気連通部の流路断面の場合には外気と原料粉体移送路との間で空気等の流体が移動する方向をいう。)に対し垂直な流路の断面をいう。また、原料粉体移送路の流路断面及び外気連通部の流路断面のいずれも、流路の位置によって流路断面の面積が異なる場合には最小の面積をS2及びS1とし割合(S1/S2)を算出する。
割合(S1/S2)は、あまり小さいと外気連通部から逆火を十分放散することができず、逆に、あまり大きいと外気連通部から原料粉体が流出したり外気連通部から多量の空気を吸入することがあるので、これら両条件を満たすようにされることが好ましく、通常は、0.05以上、好ましくは0.1以上、最も好ましくは0.2以上とされ、また1.0以下、好ましくは0.7以下、最も好ましくは0.6以下とされる(従って、通常、0.05〜1.0、好ましくは0.1〜0.7、最も好ましくは0.2〜0.6とされる。)。
なお、外気連通部の流路断面が、流路の位置によって流路断面の面積が異なる場合には該面積が最小となる位置における流路断面をいう。
外気連通部の流路断面は、外気連通部から逆火をうまく放散することができ、かつ外気連通部から原料粉体が流出したり外気連通部からあまり多くの空気を吸入することを防止することができるものであれば、いかなる形状及び大きさ(寸法)であってもよく、例えば、断面形状は円形、楕円形、扇形、n角形(但しnは3以上の自然数)等でもよい。しかしながら、通常は、外気連通部の流路断面を直径10mm乃至50mmの略円形とすれば、外気連通部から逆火をうまく放散すると共に外気連通部からの原料粉体の流出や外気連通部からの多量の空気吸入を防止又は減少させることができる。
「払出方向」とは、ホッパーの払出口から原料粉体が原料粉体移送路に向けて払い出される際に払出口における原料粉体の流れ方向をいう。そして、「払出方向に平行な方向」とは、このような払出方向に対して平行な直線の方向をいう(従って、該直線がのびる一方向と、該一方向とは逆の他方向と、の2の方向が存する。)。このような払出方向に平行な方向への前記払出口の投影領域(払出口を底面とし、払出方向に平行な方向に沿った母線を有する直柱体により該投影領域は形成される。)のうちホッパー内部側に存する領域には、払出口を経てホッパー内部に逆火したときに逆火の噴出力が大きく加わるので、ホッパー内部の該領域に存する原料粉体はホッパーから吹き出して飛散する等の問題が生じ得る。このため払出方向に平行な方向への払出口の投影領域の少なくとも一部に存するようホッパー内部に配設される邪魔部材を備えれば、払出口を経てホッパー内部に逆火したときの逆火の噴出力を邪魔部材が受けることで、ホッパー内部の該領域に存する原料粉体への逆火の噴出力を減少させることができ、上記の問題を防止又は減少させることができる。
ホッパー内部に配設される邪魔部材は、ホッパー内部に貯蔵された原料粉体を払出口から払い出すことを妨げないようなものであると共に、払出口を経てホッパー内部に逆火したときの逆火の噴出力を原料粉体から効果的に遮ることができるようなものとされることが好ましく、このためには払出口の近くではできるだけ大きく(逆火の噴出力を原料粉体から効果的に遮る)かつ上方から下方(払出口が存する)に向けて原料粉体が移動する際に原料粉体が引っかかったり貯まったりしない(原料粉体を払出口から円滑に払い出す)ような形状とされてもよい。かかる形状とするには、邪魔部材が下方拡大部分を有するようにしてもよい。下方拡大部分は、水平方向の断面積が上方から下方に向かうにつれて単調増加し、かつ水平方向への任意の断面部分である任意水平断面を該任意水平断面よりも下方に位置するいずれの水平断面に投影しても該いずれの水平断面の内部に存するものであるので、払出口の近くである下方では大きく(逆火の噴出力を原料粉体から効果的に遮る)かつ鉛直な平面によるいずれの断面における形状も凹部が存さないことから上方から下方(払出口が存する)に向けて原料粉体が移動する際に原料粉体が引っかかったり貯まったりしない(原料粉体を払出口から円滑に払い出す)。なお、邪魔部材の全体が下方拡大部分であれば(邪魔部材が下方拡大部分のみからなるものであれば)、一層、原料粉体を払出口から払い出すことを妨げることが少なく、かつ払出口を経てホッパー内部に逆火したときの逆火の噴出力を原料粉体から効果的に遮ることができる。
ホッパー内部に配設される邪魔部材は、払出口を経てホッパー内部に逆火したときの逆火の噴出力を受け止めることができるよう十分な強度で支持される必要があり、ホッパー内部に配設されることから、通常は、ホッパーに何らかの手段により取り付けられる。該手段はいかなる方法が用いられてもよく、何ら限定されるものではないが、例えば、ホッパーと邪魔部材とを部材(例えば、棒状部材、板状部材)により連結することでホッパーに対し邪魔部材を取り付ける。主表面が略鉛直方向に沿うように配設される板状部材により構成され前記ホッパー内部に配設される取付部材によって前記邪魔部材が前記ホッパーに取り付けられるようにすれば、ホッパーに対し邪魔部材を取り付ることのみならず、取付部材を構成する板状部材(主表面が略鉛直方向に沿う)によって、ホッパー内部に貯蔵された原料粉体を払出口が存する下方にうまく案内することができ(取付部材を構成する板状部材が原料粉体の案内板の役割を果たす。)、原料粉体が互いに押し固まって払い出されないこと(いわゆる棚つり現象)等を有効に防止又は減少させることができる。
なお、「主表面が略鉛直方向に沿う」とは、板状部材の主表面が沿った平面と、鉛直面と、がなす角(劣角をいう)が略0度であることをいい、好ましくは15度以下、より好ましくは10度以下、最も好ましくは5度以下である(無論、0度以上)。
このように互いの主表面が交わる第1板状部材及び第2板状部材を含む取付部材とすることで、取付部材を構成する板状部材(主表面が略鉛直方向に沿う)によって、さらに、ホッパー内部に貯蔵された原料粉体を払出口が存する下方にうまく案内することができ、原料粉体が互いに押し固まって払い出されないこと(いわゆる棚つり現象)等を有効に防止又は減少させることができる。
なお、第1板状部材及び第2板状部材の互いの主表面が交わる角度(劣角をいう)は、90度に近い方が好ましく、通常、好ましくは75度以上、より好ましくは80度以上、最も好ましくは85度以上である(無論、90度以下)。
本装置11は、大まかには、酸素供給部21と、酸素供給部21からの酸素供給を緊急時に遮断する緊急停止部31と、原料粉体91を貯蔵するホッパー部41と、エジェクター61と、ホッパー部41とエジェクター61との間に配設された移送管53と、一端が移送管53に連通した連通管51と、酸素供給部21からの緊急停止部31を通過した酸素をエジェクター61方向にのみ流通を許容する逆止弁39と、エジェクター61からの酸素と原料粉体91とを含む混合物を流通させるホース部71(可撓性)と、ホース部71からの混合物を受け入れ噴射するランス部81と、を備えてなる。
酸素供給部21によって供給される所望圧力及び所望流量の酸素ガスは、緊急遮断弁33を通過した後に逆止弁39に流入するようになっており、緊急停止スイッチ35を操作することで逆止弁39への酸素ガスの供給を断続することができる(例えば、本装置11が何らかの緊急状態になった場合には、緊急停止スイッチ35を操作することで逆止弁39への酸素ガスの供給を遮断することができ、かかる緊急状態を脱した場合には、緊急停止スイッチ35を操作することで逆止弁39への酸素ガスの供給を再開することができる。)。
逆止弁39を通過した酸素ガスは、エジェクター61に流入する。
なお、ホッパー部41については、後で詳述するが、可燃性粉体(ここでは具体的には金属粉末たるシリコン)と耐火性粉体(ここでは具体的には耐火骨材の粉末たる珪石粉末)とを含む、コークス炉補修用に一般的に市販されている原料粉体91が貯蔵され、ホッパー部41の底部に形成された払出口43を経て移送管53へ原料粉体91を払い出すようになっている。
ホッパー部41は、大まかには、ホッパー部41の外側部分を形成するホッパー45と、ホッパー45の内部に配設された取付板47(ホッパー45の内面に取り付けられている。)と、取付板47によってホッパー45に取り付けられた邪魔部49と、を有している。
なお、取付板47はホッパー45のうち主として下細り形状の下方部分45bに配設されているが(後述の図4参照)、取付板47の外縁がホッパー45(下方部分45b)の内面に取り付けられることで(例えば、溶接)、取付板47はホッパー45により支持されている。
この邪魔部49は、それが形成する直四角錐の軸は直線42上に略存し、底面部分を下方に向けているので、直線42を軸とする略円筒形をした払出口43を払出方向に平行な方向(ここでは直線42に平行な方向)へ投影した投影領域(払出口43が直線42に沿って平行に移動したときの払出口43の軌跡により描かれる直円柱形状)の少なくとも一部に存するようホッパー45内部に配設されている。
原料粉体91は、ホッパー45の上部に形成された開口44からホッパー45内部に投入され、貯蔵される。そして、貯蔵された原料粉体91は、ホッパー45の底部(下部)に形成された払出口43から移送管53(の上端)に徐々に払い出される。その払出口43からの原料粉体91の払出に応じて、払出口43よりも上方に存する原料粉体91は重力によって払出口43方向に降下するが(最終的には払出口43から払い出される)、その降下は、ホッパー45の内部46において第1板状部材47a1、47a2、47a3、第2板状部材47b1、47b2、47b3及び邪魔部49と、によって形成される上下方向に連通する上下連通空間W(例えば、図2(a)中では、ホッパー45の内部46において第1板状部材47a1、47a2、47a3、第2板状部材47b1、47b2、47b3及び邪魔部49以外の部分)を経て下部合流空間Zにて合流した後、払出口43から払い出されることによって行われる。
このノズル部85の閉塞実験から、内径が5〜50mmのいずれの連通管51を用いた場合も、連通管51を経由した原料粉体91の噴出(放出)があり、これによってホッパー45の開口44からの原料粉体91の噴出を防止又は減少させていることが理解される。しかしながら、内径10mm未満のものは、ホッパー45の開口44から原料粉体91が噴出する場合(邪魔部49を取付板47から取り除いた場合)もあったので、内径10mm以上とされることが好ましいことが明らかになった。
一方、内径が50mmを超える場合には、ノズル部85を閉塞していない状態でも、連通管51を経由して原料粉体91が漏れ出るという問題が生じた。
以上のことから、連通管51の内径は、10mm〜50mmが適当であった。
また、前記原料粉体移送路たる移送管53の流路断面の面積S2(ここでは314mm2)に対する前記外気連通部たる連通管51の流路断面の面積S1(ここでは176.6mm2)の割合(S1/S2=0.5624)が0.05以上1.0以下である。ここでは前記外気連通部たる連通管51の流路断面が、直径10mm乃至50mmの略円形とした。
また、水平方向の断面積が上方から下方に向かうにつれて単調増加する下方拡大部分(ここでは軸が直線42上に存する(頂点を上方向に向けた)直四角錐をした邪魔部49の全体が下方拡大部分を構成している。)であって、水平方向への任意の断面部分である任意水平断面を該任意水平断面よりも下方に位置するいずれの水平断面に投影しても該いずれの水平断面の内部に存するものである下方拡大部分を、前記邪魔部材たる邪魔部49が有するものである。
また、前記取付部材たる取付板47が、互いの主表面が交わる第1板状部材47a1、47a2、47a3及び第2板状部材47b1、47b2、47b3を含んでなるものである。
21 酸素供給部
23 酸素ボンベ
25 圧力調整弁
27 流量計
29 流量調整弁
31 緊急停止部
33 緊急遮断弁
35 緊急停止スイッチ
39 逆止弁
41 ホッパー部
42 直線
43 払出口
44 開口
45 ホッパー
45a 上方部分
45b 下方部分
46 内部
47 取付板
47a1、47a2、47a3 第1板状部材
47b1、47b2、47b3 第2板状部材
49 邪魔部
51 連通管
53 移送管
61 エジェクター
63 ノズル
65 内部空間
67 出口
71 ホース部
81 ランス部
83 パイプ部
83a 一端
83b 他端
85 ノズル部
91 原料粉体
98 耐火物壁面
Claims (8)
- 可燃性粉体と耐火性粉体とを含む原料粉体と、支燃性のキャリヤーガスと、を混合して混合物とし、該混合物を噴射し燃焼させて耐火組成物を形成する溶射装置であって、
該原料粉体を貯蔵し該原料粉体を払い出す払出口を底部に有するホッパーと、
加圧された該キャリヤーガスの流れにより該払出口から該原料粉体を吸入し該キャリヤーガスと該原料粉体とを混合し該混合物とするエジェクターと、
該エジェクターにより生成された該混合物を噴射する噴射手段と、
を備えてなり、
該払出口から該エジェクターまでの該原料粉体を移送する原料粉体移送路に、外気に連通する外気連通部を設けたものである、溶射装置。 - 前記外気連通部が、一端が外気に連通しかつ他端が原料粉体移送路に連通する管により構成されるものである、請求項1に記載の溶射装置。
- 前記原料粉体移送路の流路断面の面積S2に対する前記外気連通部の流路断面の面積S1の割合(S1/S2)が0.05以上1.0以下である、請求項1又は2に記載の溶射装置。
- 前記外気連通部の流路断面が、直径10mm乃至50mmの略円形である、請求項3に記載の溶射装置。
- 払出方向に平行な方向への前記払出口の投影領域の少なくとも一部に存するよう前記ホッパー内部に配設される邪魔部材を備えるものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載の溶射装置。
- 水平方向の断面積が上方から下方に向かうにつれて単調増加する下方拡大部分であって、水平方向への任意の断面部分である任意水平断面を該任意水平断面よりも下方に位置するいずれの水平断面に投影しても該いずれの水平断面の内部に存するものである下方拡大部分を、前記邪魔部材が有するものである、請求項5に記載の溶射装置。
- 主表面が略鉛直方向に沿うように配設される板状部材により構成され前記ホッパー内部に配設される取付部材によって前記邪魔部材が前記ホッパーに取り付けられるものである、請求項5又は6に記載の溶射装置。
- 前記取付部材が、互いの主表面が交わる第1板状部材及び第2板状部材を含んでなるものである、請求項7に記載の溶射装置。
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