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JP4913140B2 - グラフィカル・ユーザ・インタフェースを使って複数のスピーカを制御するための装置及び方法 - Google Patents

グラフィカル・ユーザ・インタフェースを使って複数のスピーカを制御するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、音声技術に関し、具体的には、デルタ立体音響システム(delta streophony systems)(DSS)または波面合成システム(wave−field synthesis systems)、または両システムを含むシステムにおける音源の位置付けに関する。
たとえば、一方では会議室、他方ではホールさらには屋外でのコンサート・ステージなどにおける比較的大きな環境で供給する標準的な音響処理(sonication)システムの全てが、通常使われるスピーカ・チャネルの数が少なすぎるために、音源のリアルな位置の再生は無視せざるを得ないという問題を有している。しかも、モノラルチャネルに加え左チャネルと右チャネルとを使う場合でも、まだ音量(level)に関する問題が残っている。例えば、後方の席、すなわちステージから遠く離れた席にも、当然、ステージに近い席と同様な音を供給しなければならない。例えば、もしホールの前面だけにあるいは側面だけにスピーカが配置されている場合、本来的問題として、一番後ろに座っている人でも聞き取れるようにすれば、スピーカの近くに座っている人はスピーカの音が大きすぎると感じるであろう。言い換えれば、このような音響処理シナリオでは、個々のスピーカは点音源として知覚されるので、常に、音が大きすぎるとクレームする人がいる一方で、音が十分な大きさでないという他の人が出てくることになる。通常、音が大きすぎる人たちは、点音源的なスピーカの非常に近くに座っている人々であり、音の大きさが十分でないと思うのは、該スピーカから遠く離れた席に座っている人となる。
従って、この問題を少なくともある程度回避するために、スピーカを高くに、すなわちスピーカの近くに座っている人たちの上方に配置し、これらの人たちが少なくとも全音量に全面的に曝されることのないようにし、一方では、スピーカ音の相当な量が聴衆の頭上に伝播し前の席で聴衆する人々に知覚されないようにしながら、他方では、もっと後方で聴取する人たちには十分な音量を提供するための試みが行われてきた。さらに、この問題は線形のアレイ技術により対処されている。
前列の、すなわちスピーカに近い人たちに過剰な負担を掛けないようにするために、低い音量で出音する他のやり方もあるが、この場合もやはり、会場のずっと後ろでは音量が十分でないというリスクがあるのは明らかであろう。
方向知覚に関しては、さらに難しい一連の問題がある。例えば、会議室などにある単一のモノラル・スピーカでは方向知覚はできない。スピーカの位置が当該方向に合致している場合にだけ方向知覚が可能ということになる。これは、一つのスピーカ・チャネルしかないという事実に本来的に起因する。しかしながら、たとえ2チャネルのステレオがあっても、言うなれば、せいぜい、左チャネルと右チャネルとの間でフェード・オーバ、またはクロスフェード、すなわちパンすることができるだけである。これは、一つの音源しかない場合には有益であろう。しかしながら、いくつもの音源がある場合、2つのステレオ・チャネルで可能な、音源局在化(localization)は、ホールの小領域の範囲内で大ざっぱに可能なだけである。ステレオであっても方向知覚は得られるが、これはスイートスポットにおいてだけである。いくつもの音源がある場合、この方向印象は、特に音源の数が増えてくるとますますぼやけてくる。
他のシナリオでは、こういったステレオのミックス、またはモノラル音が供給される中規模から大きなホールにおいて、スピーカは、聴衆の頭上に配置され、これらは、結局のところ、音源の方向情報についてどんな再生もできないことになろう。
音源、例えば、話している人、または舞台俳優が、ステージ上にいたとしても、彼または彼女は側面、または中央に配置されたスピーカを通して知覚されることになる。このような状況では、自然な方向知覚が失われる。音声が、後方の聴衆に対して十分な大きさで、前席にいる聴衆に対して耐え難いほど大きくなければそれで満足というわけである。
また、特定のシナリオでは、いわゆる「サポート・スピーカ(音源近傍スピーカ)」が使われ、音源の近傍に配置される。このような方法で、聴取感覚の面から自然な位置の認知を回復しようとする試みがされる。これらのサポート・スピーカは、通常、遅延なしに作動され、サプライ・スピーカを介したステレオ音響処理は、遅延され、サポート・スピーカが最初に知覚されて、第1波面の法則によって音源局在化が可能になる。しかしながら、サポート・スピーカも、点音源として知覚されるという問題を示す。これは、一方では、音の放出源(エミッタ)の実際の位置からの逸脱をもたらし、また、前記同様、前席の聴衆に対してはあまりにも音が大きすぎ、後方の聴衆に対してはあまりにも低すぎることになるリスクがある。
他方では、サポート・スピーカは、音源、例えば、話をしている人などがサポート・スピーカのすぐ近くに位置してさえいれば、実際の方向知覚を生み出すことが可能である。これは、サポート・スピーカが演台に組み込まれ、話す人がいつもその演台に立っていたならば、そして、この再生空間において、誰かが演台の隣で聴衆に講演することなど考えられない場合にはうまく行くであろう。
サポート・スピーカと音源との間の位置のずれによって、聴取者の方向知覚に角度的な不均衡が生じ、サポート・スピーカに馴染んでおらず、ステレオ再生に慣れているかもしれない聴衆の人たちには、不快な感じが加わることになろう。特に、第1波面の法則を用いながら、同時にサポート・スピーカを使っている場合、例えば、実際の音源すなわち話している人がサポート・スピーカら遠くに動きすぎた場合、サポート・スピーカを切ったほうが良いことが分かっている。言い換えれば、この問題はサポート・スピーカが動けないという問題に関わっており、聴衆の間に前記の不快感を生じさせないため、話している人が、サポート・スピーカから遠くに離れ過ぎた場合には、サポート・スピーカの動作は完全に停止される。
既に説明したように、用いられるサポート・スピーカは、通常、従来型のスピーカであり、サプライ・スピーカと同様、やはり点音源の音響特性を示し、システムのすぐ近くでは、過剰な音量をもたらして、多くの場合不快に知覚される。
したがって、一般に、演劇/芝居の分野において行われる音響処理シナリオのための音源位置の聴覚的知覚を提供するという目標があり、その狙いは、ホール全体に亘って音量を適切に供給するためだけに設計された一般の平均的音響処理システムを、方向付けスピーカ・システムとその制御とによって補完することである。
通常、中規模から大規模ホールでは、ステレオ、またはモノラル、一部のケースで5.1サラウンド技術が供給される。通常、スピーカは、聴衆に隣接してあるいはその上に配置され、聴衆のごく一部に対してだけ、音源の正確な方向情報を再生することが可能である。聴衆の大部分の人たちは、間違った方向印象を得ることになる。
また一方、さらに、第1音波面の法則によって方向の基準を生成するデルタ立体音響システム(DSS)もある。A3特許第DD242954号は、演技または演奏会場とレセプションまたは視聴会場とが直接隣接している、またはそれらが一つであるような比較的大きな会場及び領域のための大容量の音響処理システムを開示している。音響処理は、ランタイムの原理(run−time principles)によって実施される。具体的には、特に重要な独演音源の場合に、その動きと共に生ずる、乱れを感じさせる一切のずれ及びジャンプ効果は、どの音源制限領域もない出音時調整(run−time staggering)を実現し、音源群の音量を考慮することによって回避される。遅延または増幅手段に連結された制御装置が、音源位置と音響放射体位置との間の音響経路を類推することによって、これらの手段を制御することになる。このため、音源の位置が計測され、これを使って、増幅及び遅延に関してスピーカが調整される。ある再生シナリオは、境界を設定された、いくつかのスピーカ群を含み、これらはそれぞれに作動される。
デルタ立体音響は、一つまたはいくつかの方向付けスピーカが実際の音源の近傍(例えば、ステージ上)に配置され、前記方向付けスピーカは、聴衆の席の大部分において、位置認知の基準を提供する。ほぼ自然な方向知覚が可能になる。他のスピーカは、方向付けスピーカに遅れて作動され、位置基準が実現される。この様に、必ず方向付けスピーカが最初に知覚され、したがって、音源局在化が可能になり、このつながりは「第1波面の原則」ともいわれる。
サポート・スピーカは、点音源として知覚される。例えば、独演者が、サポート・スピーカのすぐ前や隣にいるのでなく、サポート・スピーカから距離を置いた位置にある場合、音声の放出源(エミッタ)、すなわち本来の音源の実際の位置からのずれが生ずる。
従って、音源が2つのサポート・スピーカの間で移動すると、こういった異なる位置に配置されたサポート・スピーカの間でフェード・オーバを行わなければならない。これは音量及び時間の双方に関連する。一方、波面合成システムを使う場合は、バーチャル音源を介して実際方向の基準を実現することができる。
本発明をさらに理解するため、以下に、波面合成システムをさらに詳しく説明することにする。
新しい技術を使って、音声再生における、空間印象の自然さの向上及び音周りの改良を実現することができる。この技術の基礎、いわゆる波面合成(WFS)は、80年代後半にデルフト(Delft)工科大学によって最初に研究された(A.J.Berkhout(バークアウト);D.de Vries(ド・フリース);P.Vogel(フォーゲル):Acoustic control by Wave−field Synthesis(波面合成よる音響制御).JASA 93、1993)。
この方法による、コンピュータ・パワーと伝送速度とに対する莫大な要求に起因して、波面合成の実際面の応用はこれまで稀有であった。マイクロプロセッサ技術及び音声符号化分野の目覚しい進展が、この技術を特定のアプリケーションに使うことを可能にしている。専門分野における最初の製品が、本年中に発表される予定である。数年の間に、消費者領域における波面合成アプリケーションが市場に出てくることになろう。
WFSの基本的な考え方は、波動理論のホイエンスの原理の応用に基づいている。
波が到達する各ポイントが、球形または円形に伝播する要素波の出発点となる。
音響のタームにおいて、入来する波面のどのような形も、隣り合って配置された多数のスピーカ(いわゆるスピーカ・アレイ)によって複製することができる。再生される単一の点音源およびスピーカの直線アレイのような最も単純なケースでは、個別のスピーカの放出する音場が正しく重なり合うような方法において、時間遅延と増幅度をスケールして、各スピーカの音声信号を供給しなければならない。いくつもの音源がある場合には、各々の音源について、各スピーカに対する寄与が別々に計算され、得られた信号が合算される。再生対象の音源が、反響する壁を有する会場に置かれている場合には、反響も、追加の音源としてスピーカ・アレイを介して再生されなければならない。従って、計算のコストは、音源の数、録音会場の反響特性、及びスピーカの数に大きく依存する。
この技術の利点は、特に、再生会場の大きな領域に亘って自然な空間音響印象の生成が可能なことである。今までの技術と違って、音源群の方向と距離とが高い精度で再生される。限られた程度であるが、実際のスピーカ・アレイと聴取者との間に、バーチャルな音源を配置することさえできる。
波面合成は、条件が既知の環境に対してはうまく機能するが、それでも、条件が変化したり、波面合成が、実際の環境条件に即さない環境条件をベースとして実施されている場合には、不具合が生ずることになる。
環境条件は、環境のパルス応答で表現することができる。
以下の例を使って、これについてのさらなる詳細を説明する。スピーカが、反響が望ましくない壁に向けて音響信号を放出していることを想定する。この単純な例では、波面合成を用いた空間補償は、まず、壁に反射された音響信号がスピーカに戻った時間を確認するために、この壁の反響が測定され、そして、反射された音響信号の振幅を確認することから成る。この壁からの反響が望ましくない場合、波面合成は、該反響信号と逆位相で振幅が一致する信号を元となる音声信号に加えてスピーカに印加し、フォアワード補償波が反射波を消去し、対象となる環境下においてこの壁からの反響が除去されるようにして、この壁からの該反響を排除するやり方を提供する。これは、最初に環境のパルス応答が計算され、この環境のパルス応答に基づいて、壁の状態と位置とが算定され、該壁は音像、すなわち入来する音を反射する音源として解釈される。
この環境のパルス応答が最初に計算され、続いて、音声信号に重畳された状態でスピーカに印加する必要のある補償信号が計算され、この壁からの反響がキャンセルされて、この環境にいる聴取者は、音響に関してはこの壁が全く存在しないような印象を受けることになる。
但し、反射波の最適な補償を行うのに最重要なことは、会場のパルス応答を正確に測定し、過度に補償が生じないようにすることである。
したがって、波面合成は、大きな再生範囲に亘ってバーチャル音源の正確な像を生成することを可能にする。同時に、これは、音響ミキサまたは音響技術者に、さらに複雑な音響シナリオを生成する上での新しい技術的な、および創造的可能性を提供している。80年代末にデルフト工科大学で開発された波面合成(WFSまたは音場合成)は、音声再生へのホログラフィック的アプローチを代表している。この基礎は、キルヒホッフ・ヘルムホルツの積分方程式である。これは、閉じられた容積の表面に、単極及び双極の音源(スピーカ・アレイ)を分布させることによって、該容積内に任意の音場を生成できることを提示している。詳細については、M.M.Boone(ブーン)、E.N.G.Verheijen(ベルヘイジェン)、P.F.v.Tol(トル)の「Spatial Sound−Field Reproduction by Wave−Field Synthesis(波面合成による空間音場再生)」 デルフト工科大学、振動及び音響研究所、Journal of J.Audio Eng.Soc.、第43巻、No.12、1995年12月:及びDimer de Vries(ダイマー・ド・フリース)の「Sound Reinforcement by wave−field synthesis:Adaptation of the Synthesis Operator to the Loudspeaker Directivity Characteristics(波面合成による音響補強:スピーカ指向特性への合成オペレータ適応)」デルフト工科大学、振動及び音響研究所、Journal of J.Audio Eng.Soc.、第44巻、No.12、1996年12月を参照できる。
波面合成では、バーチャル位置にあるバーチャル音源を放出する音声信号から、スピーカ・アレイの各スピーカに対する合成信号が計算され、スピーカ・アレイ中のスピーカから放出された個別の音の重畳から得られる波が、バーチャル位置のバーチャル音源があたかも実際の位置にある実際の音源であるかのように、バーチャル位置のこのバーチャル音源によって生成される波に対応するよう、振幅と周期に関して、構成される。
通常、いくつかのバーチャル音源が異なったバーチャル位置に置かれる。各バーチャル位置の各バーチャル音源に対し合成信号の計算が行われ、典型的には、結果として、あるバーチャル音源は、いくつかのスピーカの合成信号によって得られる。スピーカの側から見れば、したがって、このスピーカは、相異なるバーチャル音源に戻るいくつかの合成信号を受信する。これらの音源の重畳は、線形重畳の原理によって可能であり、結果として、実際にスピーカにより放出される再生信号をもたらすことになる。
波面合成の可能性については、スピーカ・アレイが近接しているほど、すなわち、より多くの個別スピーカをできるだけ相互に近接して配置できるほど、より有効に利用することができる。但し、その結果として、通常、チャネル情報も計算に取り入れる必要があるので、波面合成装置が達成しなければならない計算パフォーマンスも増加する。具体的には、このことは、原理的には各バーチャル音源から各スピーカへの専用のチャネルが存在し、原理的には、場合によって、結果として、各々のバーチャル音源が各々のスピーカに対する合成信号を生成し、または各スピーカがバーチャル音源の数と等しい数の合成信号を受信することを意味する。
なお、利用可能なスピーカの数が増加するほど、音声再生の品質は向上するという、この点について注意されたい。すなわち、スピーカ・アレイに存在するスピーカの数が増えるほど、音声再生の品質がより良好になり、よりリアルになる。
前記のシナリオにおいて、完全に表現されアナログからデジタルに変換された、個々のスピーカに対する再生信号は、例えば2線式ラインで波面合成中央装置から個別のスピーカに伝送することができる。確かに、これには、スピーカの全てが同期されて作動することをほぼ確実にし、この場合、同期化のためにさらなる手段は必要ない点で利点があろう。その一方、波面合成中央装置は、いずれの場合でも、特定の再生会場、または特定数のスピーカを使った再生についてだけ実現できよう。すなわち、各再生会場ごとに専用の波面合成中央装置を作製せねばならず、これら装置は、特に多数のスピーカまたは多数のバーチャル音源がある場合、かなりの量の計算パフォーマンスを達成する必要があろう。というのは、音声再生信号の計算は、少なくとも部分的には、並行してリアルタイムで達成しなければならないからである。
デルタ立体音響は、特に、異なる音源の間でフェード・オーバする際に、位相及び音量エラーに起因する位置のアーティファクトが発生するので厄介である。さらに、音源群の動きの速度が異なっている場合、位相エラーと位置付け誤りが発生することになる。加えて、一つのサポート・スピーカから別のサポート・スピーカへのフェード・オーバには、プログラミングに関して非常に大きなコストが掛り、また、特に、異なったサポート・スピーカ群によっていくつもの音源がフェードイン及びフェードアウトされる場合に、あるいは、特に、別々に作動される多数のサポート・スピーカがある場合に、全体の音響情景の大要を維持する問題がある。
さらに、一方の波面合成ともう一方のデルタ立体音響とは、実際は対照的な方法であるが、両方のシステムは、それぞれ異なったアプリケーションで利点を示すことができる。
例えば、デルタ立体音響は、スピーカ信号の計算に関しては波面合成よりもかなりコスト安である。他方、波面合成はアーティファクトを生じさせないようにできる。但し、空間的な要求条件、及び密接な間隔で置かれたスピーカを備えたアレイの必要性などの理由から、波面合成はどこにでも使えない。特に、ステージ技術の分野では、スピーカ・バンドまたはスピーカ・アレイをステージの上に配置するのが非常に難しい問題である。というのは、こういったスピーカは隠すのが困難で観客に見えることになりステージの視覚的印象に悪影響を与える。このことは、演劇/音楽の公演で通常そうであるように、ステージの視覚的印象が、他の全ての事項、特に音または音の生成よりも優先する場合、特に厄介である。他方で、波面合成では、サポート・スピーカの固定グリッドをあらかじめ定めておかないが、バーチャル音源を連続的に移動させることができる。但し、サポート・スピーカは動けない。しかし、指向性のフェード・オーバによって、サポート・スピーカの移動がバーチャルには生成される。
したがって、デルタ立体音響の限界は、特に、コスト上の理由から(ステージの設定の如何による)及び音響管理上の理由から、ステージに収容できるサポート・スピーカの数が限られていることにある。さらに、各サポート・スピーカは、第1波面の原理により作動される場合、必要な音量を生成する追加のスピーカ必要とする。これは、まさしくデルタ立体音響の利点でもあり、その主な点は、結果として容易に収容可能な比較的小さいスピーカで十分音源局在化を生成するができ、近傍に配置された多数の追加スピーカが、相対的に大きなホールのかなり後方に座っている聴衆の人たちに対しても必要な音量を生成するように機能することである。
従って、ステージ上の全てのスピーカを異なった方向ゾーンに関連付けることができ、各方向ゾーンは、全く遅延なしにまたは微小な遅延を付けて作動される音声局在化スピーカ(または同時に作動される音声局在化スピーカの小群)を有し、一方、該方向群の他のスピーカは、同一だが時間遅延された信号で作動され必要な音量を生成し、一方、音声局在化スピーカは、特定に設計された局在化を提供することになる。
十分な音量が必要なので、方向群中のスピーカの数を、任意の望む値に減らすことはできない。一方で、少なくとも連続性のある音声の供給を目指す上では、非常に多くの方向ゾーンを持つことが望まれる。音声局在化スピーカに加えて、各方向ゾーンにも十分な音量を生成するための十分な数のスピーカが必要で、ステージ領域が、相互に隣り合う、オーバーラップのない方向ゾーンに分けられている場合には、方向ゾーンの数は限定され、各方向ゾーンは、それに関連付けられた音声局在化スピーカまたは近接配置された音声局在化スピーカの小群を有する。
典型的なデルタ立体音響の考え方は、音源が一つの場所から別の場所に移動する場合、その2つの場所の間でフェード・オーバを行うという方法に基づいている。このコンセプトは、例えば、プログラムされた設定に、マニュアルの介入が行われたり、エラーの修正が発生した場合には問題となる。例えば、ある歌手がステージを横切るのに合意されたルートを守らず、違った動きをした場合、該歌手の知覚上の位置と実際の位置との間のずれが増加することになり、こういったことは明らかに望ましくない。
是正のための介入処置が望まれる場合、ユーザは、特定の時間点またはすぐに、是正目的のための入力を行い、音声の位置がステージ上の歌手の実際の位置と合致するようにできよう。但し、これは急なジャンプをもたらすことにもなり、音声源と知覚される音声源と間のミスマッチよりもさらに大きなアーティファクトがもたらされることになろう。
こういったジャンプを避けるために、すでに開始されたフェード・オーバ処理を完了してしまい、次いで、フェード・オーバ処理を完了の後、ある方向ゾーン内のある位置からの次のフェード・オーバの狙いを是正することもできよう。これにより、急なジャンプが生じないことが確実になろう。但し、この考え方の不利点は、フェード・オーバの作動処理中には介入できないことである。したがって、特に、比較的長いフェード・オーバ処理、例えば、大きなステージの非常に左よりの音源から該ステージの非常に右よりの音源へのフェード・オーバ処理が行われているとき、かなりの遅延が生ずることになる。このことにより、知覚された音声源の位置が実際のものからずれている、比較的長い時間間隔が生ずることになる。さらに、実際の位置は、既に再び動いているかも知れず、当然、これを捕捉しなければならないが、これは、音源がステージを横切って求める位置へ比較的速く通過することによってだけ達成できる。この非常に速い通過は、その代わりに、アーティファクトの原因となるか、または、少なくとも、ユーザが、歌手自身が動いていないかまたはほんのすこし動いただけなのに、知覚される音声位置がこんなに動いているのだろうと疑問を持つ結果をもたらすことになろう。
M.M.Boone(ブーン)、E.N.G.Verheijen(ベルヘイジェン)、P.F.v.Tol(トル)著「Spatial Sound−Field Reproduction by Wave−Field Synthesis(波面合成による空間音場再生)」 デルフト工科大学、振動及び音響研究所、Journal of J.Audio Eng.Soc.、第43巻、No.12、1995年12月 Dimer de Vries(ダイマー・ド・フリース)著「Sound Reinforcement by wave−field synthesis:Adaptation of the Synthesis Operator to the Loudspeaker Directivity Characteristics(波面合成による音響補強:スピーカ指向特性への合成オペレータ適応)」デルフト工科大学、振動及び音響研究所、Journal of J.Audio Eng.Soc.、第44巻、No.12、1996年12月
本発明の目的は、フレキシブルであるが、アーティファクトの少ない、複数のスピーカを制御するコンセプトを提供することである。
この目的は、請求項1に記載の複数のスピーカを制御するための装置、請求項15に記載の複数のスピーカを制御する方法、及び請求項16に記載のコンピュータ・プログラムによって達成される。
本発明は、音源がその上を動くことのできる補償パス(compensation path)を設定できれば、音源の動きの最中でも、アーティファクトの少ない高速なマニュアル介入が達成される、との発見に基づいている。補償パスは、それが方向群の位置から出発せず、2つの方向群の間を結ぶ線上から、すなわちこの接続線の任意の点から出発し、そこから新しい狙い方向群に延びる、という点で通常のソース・パスとは異なる。このように、ここでは、もはや2つの方向群の表示で音源を表現することはできず、音源は、少なくとも3つの方向群によって表現しなければならない。本発明の好適な実施形態において、音源の位置表現は、関連する3つの方向群による表示と2つのフェーディング係数を含み、第一フェーディング係数は、ソース・パス上のどこで「方向転換」が行われたかを示し、第二フェーディング係数は、音源が補償パスがどこに位置しているかを正確に示す、すなわち、音源がソース・パスから既にどの位外れているか、または、音源が新しいターゲット方向に達するのにどのくらいの距離移動しなければならないかを示す。
本発明によれば、ソース・パス、格納されたソース・パスのパラメータ値、及び補償パスに関する情報に基づいて、関連する3つの方向ゾーンのスピーカに対する重み係数の計算が行われる。補償パスに関する情報には、新規の行く先それ自体または第二フェーディング係数を含めることができる。さらに、補償パス上の音源の動きに対し、所定の速度を用いることができ、該所定速度を本システムのデフォルト速度とすることができる。というのは、補償パス上の動きは、通常、音声情景には依存しない補償動きであって、事前プログラムされた情景中の何かを変更または是正しようと意図されたものだからである。この理由で、補償パス上の音声源の速度は、通常、相対的に高速であるが、問題のある可聴のアーティファクトが発生するほど速くはない。
本発明の好適な実施形態において、重み係数を計算するための手段は、フェーディング係数に線形従属する重み係数を計算するよう構成されている。但し、sine2関数またはcosine2関数に関連する非線形従属のコンセプトも使うことができる。
本発明の好適な実施形態において、複数のスピーカを制御するための装置は、ジャンプ補償手段をさらに含み、該手段は、ジャンプ補償パスを使って急な音源のジャンプを回避するために、利用可能な各種の補償方法に基づいて望ましくは階層的に作動する。
ある好適な実施形態は、位置把握の容易な、ステージ上の動きのポイントの「グリッド」を特定する相互に隣り合う方向ゾーンというやり方を捨て去る必要があるとの考え方に基づいている。このやり方では、明瞭な作動状態を維持するため方向ゾーンをオーバーラップさせない必要があるので、方向ゾーンの数が制限されていた。というのは、各方向ゾーンは、音声局在化スピーカによって生成される第1波面に加えて、十分な音量を生成するため、音声局在化スピーカに加えて、十分な数のスピーカを必要とするからである。
望ましくは、ステージ領域は、相互にオーバーラップする方向ゾーン群に分割され、これにより、あるスピーカが、単一の方向ゾーンだけでなく、複数の方向ゾーン、例えば、少なくとも第一方向ゾーンと、第二方向ゾーンと、場合によっては第三さらには第四方向ゾーンとに属することが可能な状況が生成される。
スピーカは、ある方向ゾーンに属していれば、該ゾーンにより設定され該スピーカに関連付けられた特定のスピーカ・パラメータを有することによって、所属方向ゾーンが分かる。このようなスピーカ・パラメータを遅延値とし、この遅延値を当該方向ゾーンの音声局在化スピーカに対しては小さくし、該方向ゾーンの他のスピーカに対してはより大きくすることができよう。さらなるパラメータを、スケーリング、又フィルタ係数(イコライザ係数)から算定可能なフィルタ・カーブとすることができる。
これに関連して、ステージ上の各スピーカは、通常、それがどの方向ゾーンに属しているかとは関係なく、それ自体のスピーカ・パラメータを有することになる。スピーカ・パラメータのこれらの値は、スピーカが属する方向ゾーンに依存し、通常、特定の会場に対し、音響試験の間に音響技術者によって、ある程度発見的である程度経験的なやり方で規定され、スピーカを作動する際に使われる。
また一方、スピーカがいくつもの方向ゾーンに属することを可能にしたので、スピーカは、2つの異なるスピーカ・パラメータ値を持つことになる。例えば、あるスピーカが、方向ゾーンAに属しているときは第1遅延係数DAを有することになろう。しかしながら、該スピーカが、方向ゾーンBに属しているときは異なった遅延係数DBを有することになる。
方向群Aから方向群Bへの切り替えが行われる場合、または、方向群Aの方向ゾーン位置Aと方向群Bの方向ゾーン位置Bとの間に位置する音源の位置が再生される場合、このスピーカ及び対象の音声源に対して音声信号を供給するため、これらのスピーカ・パラメータが使われる。本発明によれば、実際上解決できない矛盾、すなわち、一つのスピーカが2つの異なる遅延設定、スケーリング設定、またはフィルタ設定を有するという矛盾は、該スピーカが放出する音声信号の計算において、関与する全ての方向群のスピーカ・パラメータ値を使うというやり方で解決される。
望ましくは、音声信号の計算は、距離指標、すなわち、2つの方向群位置の間の空間位置により決まり、距離指標は、通常、0から1までの係数であり、0の係数はスピーカが方向群位置Aに所在することを示しており、1の係数はスピーカが方向群位置Bに所在することを示している。
本発明の好適な実施形態において、音源が方向群位置Aから方向群位置Bに移動する速度の関数として、本来のスピーカ・パラメータに対する補間、もしくは、第一スピーカ・パラメータに基づく音声信号から第二スピーカ・パラメータに基づく音声信号へのフェード・オーバが行われる。特に、遅延設定に対し、すなわちスピーカの遅延(基準遅延に対する)を再生するスピーカ・パラメータに対し、補間またはフェード・オーバのいずれを用いるかについて、特別な注意を払わなければならない。すなわち、音源が非常に速く動く場合に補間を用いると、急速に増加する音量または急速に低減する音量の音声という可聴なアーティファクトがもたらされることになろう。従って、音源の速い動きに対しては、フェード・オーバが望ましく、実のところこれはくし形フィルタ効果を生じるが、急速なフェード・オーバのため全くと言っていいほど聞こえない。他方、遅い移動速度に対しては、遅いフェード・オーバで発生し付加されて明確に可聴音となる、くし形フィルタ効果を回避するため、補間が望ましい。補間からフェード・オーバへの「切替え」の間に生じる、クラック音などのさらなる可聴なアーティファクトを回避するために、この切り替えは、急には、すなわち一つのサンプルから次のサンプルには行われず、フェード・オーバは、フェード・オーバ関数に基づいていくつかのサンプルを含むフェード・オーバ区域内で行われ、フェード・オーバ関数は線形が望ましいが、例えば、非線形である三角関数などでもよい。
本発明のさらなる実施形態では、音源の、ある方向ゾーンから別の方向ゾーンへのパスをグラフィカルに示す、グラフィカル・ユーザ・インタフェースが提供される。望ましくは、音源のパスの速い変化を可能にし、または、場面の変化に伴い主ずることのある音源の急なジャンプを回避するために、補償パスも考慮に入れられる。補償パスは、音源が方向位置に位置する場合だけでなく、音源が2つの位置方向の間に位置する場合でも、音源のパスを変更することを確実にする。このことは、音源が2つの方向位置の間においてもプログラムされたパスから外れることが可能なことを確実にする。言い換えれば、これは、具体的には、音源の位置を、3つの(隣り合った)方向ゾーンによって、具体的には、3つの方向ゾーンを識別し2つのフェーディング係数を示すことによって規定することができる。
本発明のさらなる好適な実施形態において、波面合成スピーカ・アレイが使用可能な音響処理会場に波面合成アレイが配置され、前記波面合成アレイも、(例えば、アレイの中心に)バーチャル位置を表示することによって、方向ゾーン位置を有する方向ゾーンを表現する。
したがって、システムのユーザは、波面合成の音源、またはデルタ立体音響の音源のいずれを使うかの判断から解放される。
したがって、会場の、方向群へのフレキシブルな分割を可能にする、ユーザ・フレンドリーでフレキシブルなシステムが提供され、これにおいては、方向群のオーバーラップが可能であり、こういったオーバーラップ域内のスピーカのスピーカ・パラメータについては、方向ゾーンに属するスピーカ・パラメータから導き出されたスピーカ・パラメータが供給され、この導き出しは、望ましくは補間またはフェード・オーバを使って行われる。これに代えて、例えば、音源が一つの特定な方向ゾーンに近い場合は一つのスピーカ・パラメータを取り、次に、その音源が別の方向ゾーンに近く位置すれば、別のスピーカ・パラメータを取るといった厳しい決断をすることもでき、この場合、急なジャンプが生ずることになろうが、アーティファクトを低減するため簡単な円滑処置をとることができよう。但し、距離制御されたフェード・オーバまたは距離制御された補間を行うことが望ましい。
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1は、音響処理会場の、オーバーラップする方向群への区分けを示す。
図2aは、さまざまな領域における概略的なスピーカ・パラメータ表を示す。
図2bは、さまざまな領域に対するスピーカ・パラメータの処理に必要なステップのさらに具体的な表現を示す。
図3aは、線形2−パス・フェード・オーバの表現を示す。
図3bは、3−パス・フェード・オーバの表現を示す。
図4は、DSPを使い、複数のスピーカを作動する装置の概略ブロック図を示す。
図5は、本発明による、図4のスピーカ信号を計算するための手段のさらに詳細な表現を示す。
図6は、デルタ立体音響を実行するためのDSPの好適な実装を示す。
図7は、異なった音声源から発するいくつかの個別スピーカ信号中のスピーカ信号生成の概略的表現である。
図8は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース基づいて実施可能な、複数のスピーカの制御のための装置の概略的表現である。
図9aは、第一方向群Aと第二方向群Cとの間の、音源の移動の典型的なシナリオを示す。
図9bは、音源の急なジャンプを回避するための、ある補償ストラテジーによる動きの概略的表現である。
図9cは、図9d〜9iの記号凡例である。
図9dは、「InpathDual」補償ストラテジーの表現である。
図9eは、「InpathTriple」補償ストラテジーの概略的表現である。
図9fは、AdjacentA、AdjacentB、AdjacentC補償ストラテジーの概略的表現である。
図9gは、OutsideM及びOutsideC補償ストラテジーの概略的表現である。
図9hは、Cader補償パスの概略的表現である。
図9iは、3つのCader補償ストラテジーの概略的表現である。
図10aは、ソース・パス(デフォルト・セクタ)及び補償パス(補償セクタ)を定義するための表現である。
図10bは、変更された補償パスがある、Caderを使った音源の後退の概略的表現である。
図10cは、他のフェーディング係数に対するFadeACの影響の表現である。
図10dは、フェーディング係数、すなわちFadeACの関数として、重み係数を計算するための概略的表現である。
図11aは、ダイナミックな音源に対する入力/出力マトリックスの表現である。
図11bは、スタティックな音源に対する入力/出力マトリックスの表現である。
図1は、3つの方向ゾーン(第一方向ゾーン10a、第二方向ゾーン10b、第三方向ゾーン10c)に区分けされたステージ領域であり、各方向ゾーンは、ステージの幾何学的区域RGA、RGB、RGCを含み、区域の境界は重要ではない。重要なのは、図1に示されたさまざまな区域にスピーカが配置されているかどうかだけである。図1に示された例では、領域Iに配置されたスピーカは方向群Aだけに属し、方向群Aの方向群位置は11aとして示されている。定義により、方向ゾーン10aは方向群位置11aに位置付けられており、望ましくはここには方向群Aの当該スピーカが配置され、該スピーカは、第1波面の法則に従い、方向群Aに関連付けられた他のどのスピーカの遅延よりも小さな遅延値を有する。領域IIには、方向群だけに関連付けられたスピーカ群があり、該方向群は、定義により方向群位置11bを有し、ここには方向ゾーン10bのサポート・スピーカが配置され、該スピーカは方向ゾーン10bの他の全てのスピーカよりも小さな遅延値を有する。領域IIIには、同様に方向群Cだけに関連付けられたスピーカ群があり、方向群Cは、定義により方向群位置11cを有し、ここには方向ゾーン10cのサポート・スピーカが配置され、該スピーカは方向ゾーン10cの他の全てのスピーカよりも小さな遅延値を有する。
さらに、図1に示された、ステージ領域の方向ゾーンへの区分において、方向ゾーン10aと方向ゾーン10bとに関連付けられたスピーカが配置された領域IVがある。同様に、方向ゾーン10aと方向ゾーン10cとに関連付けられたスピーカが配置された領域Vがある。
さらに、方向ゾーン10cと方向ゾーン10bとの双方に関連付けられたスピーカを有する領域VIがある。最後に、3つ全ての方向群がオーバーラップする領域があり、このオーバーラップ領域VIIは、方向ゾーン10a及び方向ゾーン10bの両方と方向ゾーン10cとに関連付けられたスピーカを含む。
通常、ステージに設定する各スピーカは、音響技術者または音響を担当するディレクタによって関連付けられたスピーカ・パラメータ、またはスピーカ・パラメータ群を有する。図2aの列12に示すように、これらのスピーカ・パラメータは、遅延パラメータ、スケール・パラメータ、及びEQフィルタ・パラメータを含む。遅延パラメータDは、当該スピーカにより出力される音声信号の、ある基準値(別のスピーカに適用されるが、実質基準として存在する必要ない)に対する遅延値を表す。スケール・パラメータは、当該スピーカにより出力される音声信号の、ある基準値に対する増幅度または減衰度を表す。
EQフィルタ・パラメータは、スピーカにより出力される音声信号の周波数特性がどういったものかを表す。特定のスピーカに対し、低い周波数に比べてより高い周波数を増幅するという要求があるかもしれない、これは、例えば、そのスピーカが、ステージの強いローパス特性を有する部分の近傍に配置されている場合は道理にかなっている。他方、ローパス特性を持たないステージ領域に配置されるスピーカに対しては、そういったローパス特性を取り入れる要求があるかもしれず、こういった場合には、EQフィルタ・パラメータは、高周波が低周波に比べてより減衰される周波数特性を示すものとなろう。一般に、任意の周波数応答は、EQフィルタ・パラメータを介して、各スピーカを調整することができる。
領域I、II、III内に配置された全スピーカに対して、一つだけの遅延パラメータDk、スケール・パラメータSk、及びEQフィルタ・パラメータEqkがある。方向群が作動されるときはいつでも、領域I、II、III内のスピーカに対する音声信号は、それぞれの領域のスピーカ・パラメータを取り入れてそのまま計算される。
しかしながら、スピーカが、領域IV、V、VIに位置している場合には、各スピーカは、各スピーカ・パラメータについて2つの関連するスピーカ・パラメータ値を有する。例えば、方向ゾーン10a内のスピーカだけが作動されている場合、すなわち、音源が、例えば正確に方向群位置(11a)に位置している場合、当該音声源に対し方向群Aのスピーカだけが再生をしていることになる。この場合、方向ゾーン10aに関連付けられた、表中のパラメータ値列が、該スピーカに対する音声信号の計算に使われることになろう。
また一方、音声源が、方向ゾーン10bにおける方向群位置11bに正確に位置している場合、スピーカに対する音声信号を計算する際に、方向ゾーン10bに関連付けられた複数のパラメータ値だけが使われることになろう。
しかしながら、音声源がAとBとの間、すなわち図1の12で示された、11aと11bとの間を結ぶ線上のどこかの点に位置する場合、領域IV及びIII中に在るスピーカの全ては相反するパラメータ値を含むことになろう。
本発明によれば、後述するように、両方のパラメータ値を取り入れながら、望ましくは、さらに距離指標を取り入れながら音声信号が計算される。望ましくは、遅延パラメータの間及びスケール・パラメータの間で補間またはフェード・オーバが行われる。さらに、フィルタ特性もこれに加え、同じスピーカに関連付けられた相異なるフィルタ特性も考慮するのが望ましい。
また一方、音声源が、結合線12の上でなく、例えば、この結合線12の下側の位置に所在する場合も、方向ゾーン10cのスピーカは、作動しなければならない。領域VIIに位置するスピーカについては、同じ一つのスピーカ・パラメータに対する典型的な3つの異なるパラメータ値が取り入れられることになり、領域V及び領域VIについては、個々のスピーカの、方向群AとCとに対するスピーカ・パラメータが考慮されることになろう。
このシナリオは、図2b中にもう一度要約されている。図1の領域I、II、IIIに対しては、スピーカ・パラメータの補間またはミックスを行う必要はない。明確に関連付けられたスピーカが、スピーカ・パラメータの単一の組を有するので、単に、該当スピーカに関連するパラメータを採るだけでよい。但し、領域IV、V、及びVIに対しては、同一のスピーカに対する新規のスピーカ・パラメータを得るために、2つの異なるパラメータの補間/ミックスを行わなければならない。
領域VIIに対しては、新規スピーカ・パラメータの計算において、通常、表形式で格納されているスピーカ・パラメータ値の2つの異なる値の検討を行う必要があるだけでなく、3つの値の補間、すなわち3値のミキシングを行わなければならない。
なお、より高い次数のオーバーラップ、すなわち任意の数の方向群に属するスピーカも考慮に入れておく必要がある。
この場合、違ってくるのはミックス/補間のための作業量と、重み係数計算の作業量とだけであり、これについては後記する。
次に図9aを参照することとし、図9aは、音源が、方向ゾーンA(11a)から方向ゾーンC(11c)へ移動するケースを図示している。方向ゾーンA中のスピーカに対するスピーカ信号LsAは、AとBとの間にある音源の位置、すなわち図9a中のFadeACの関数S1が、線形に1から0に減少するにつれ、次第に低減され、同時に音源Cのスピーカ信号は次第に減衰される。これは、S2が線形に0から1に増加することによっても認知される。フェード・オーバ係数S1、S2は、どの時点でもこれら2つの係数の和が1になるように選定されている。別のフェード・オーバ、例えば、非線形のフェード・オーバを用いることもできる。これらフェード・オーバ方式の全てについて、各FadeAC値に対し、関係するスピーカのフェード・オーバ係数の和が1に等しくなることが望ましい。こういった非線形関数は、例えば、係数S1に対してはCOS2関数とし、重み係数S2についてはSIN2関数を用いる。さらなる関数が技術的に知られている。
なお、図3aの表現は、領域I、II、IIIにおいて、全てのスピーカに対する完全な対称的仕様を示すものであることに、注意されたい。さらにまた、それぞれの領域ごとにスピーカに関連付けられた、図2aの表のパラメータは、図3aの右上の音声信号ASの計算に既に織り込まれていることに、注意されたい。
音源が2つの方向ゾーンの間を結ぶ線の上に位置し、出発方向ゾーンと目的方向ゾーンと間の正確な位置がフェーディング係数ACで表されている、図9aに定義されるような定型的ケースに加えて、図3bは、例えば、音源が動きながらそのパスを変更した場合などに生ずる補償のケースを図示している。このとき、音源は、2つの方向ゾーンの間に所在するどこかの現在位置、その位置は図3bではFadeABとして表されている、から新しい位置にフェード・オーバされることになる。これにより、図3bの15bによって示される補償パスが生じ、方向ゾーンAとBとの間で最初にプログラムされた(定型)パスはソース・パス15aとして示される。したがって、図3bは、AからBへの音源の動きの途上で変更があり、従って、元のプログラミングが、いまや音源が方向ゾーンBに進むのでなく方向ゾーンCに進む内容に変更されたケースを示している。
図3bの下方に表されている数式は、方向ゾーンA、B、Cの中のスピーカに対するフェーディング特性を表す3つの重み係数g1、g2、g3を示している。なお、個別の方向ゾーンに対する音声信号ASには、前と同様、方向ゾーン固有のスピーカ・パラメータが既に取り入れられている。領域I、II、IIIに対する、元となる音声信号ASからの音声信号ASa、ASb、AScについては、単に、それぞれの区域のスピーカに対して、図2aの列16aに格納されているスピーカ・パラメータを使って計算し、最後に、重み計数g1を使い最終フェーディング重み付けをして得ることができる。但し、これらの重み付けを異なった乗算に分割する必要はなく、これに代えて、通常、同一の乗算で行われ、このとき、スケール係数Skが、重み係数g1で乗算されて乗算子が得られ、最後にこれと音声信号とが乗算されてスピーカ信号LSaが得られる。オーバーラップ領域に対しては同一の重み付けg1、g2、g3が使われるが、但し、目的の音声信号ASa、ASb、またはAScを計算するためには、同一のスピーカに対して設定されているスピーカ・パラメータ群の補間/ミックスを行う必要があり、これについては以下に説明する。
なお、3−パスの重み係数g1、g2、g3は、FadeAbCがゼロに設定され、g1、g2だけが残っているか、あるいは、他のケースすなわちFadeABがゼロに設定され、g1及びg3だけが残る場合は、3−パス重み係数g1、g2、g3は、図3aの2−パス・フェード・オーバに移行する。
図4を参照しながら、作動のための装置について以下に説明する。図4は、複数のスピーカを作動するための装置を示しており、スピーカは方向群にグループ化されており、第一方向群はそれに関連付けられた第一方向群位置を有し、第二方向群はそれに関連付けられた第二方向群位置を有する。第一方向群と第二方向群とには少なくとも一つのスピーカが関連付けられており、スピーカは、それ自体のスピーカ・パラメータを有し、該パラメータは、第一方向群については第一パラメータ値を持ち、第二方向群については第二パラメータ値を持つ。該装置は、2つの方向群位置の間に音源位置を設定、すなわち、例えば方向群位置11aと方向群位置11bとの間に、例えば図3bのFadeABによって示されるような音源位置を提供するための手段40をまず含む。
本発明の装置は、方向群RGAに適用され、第一パラメータ値入力端42aを介して供給される第一パラメータ値に基づき、そして、方向群RGB適用され、第二パラメータ値入力端42bを介して供給される第二パラメータ値に基づいて、少なくとも一つのスピーカに対するスピーカ信号を計算するための手段42をさらに含む。さらに、計算手段42は、音声信号の入力端43を介して音声信号を得、次いで、出力側に、領域IV、V、VI、またはVIIの対象スピーカに対するスピーカ信号を出力する。手段42の出力端44における出力信号は、現在対象となっているこのスピーカが、単一の音声源のためだけに作動している場合は、実際の音声信号となることになろう。しかしながら、該スピーカがいくつかの音声源のために作動している場合は、個々の音声源70a、70b、70cに基づき、プロセッサ71、72、または73を使って、対象スピーカのスピーカ信号の各音源に対する成分が計算され、図7に示されたNヶの成分信号は、加算器74において最終的に合計されることになる。ここで、制御プロセッサ75を介して時間的な同期化が行われ、望ましくは、該プロセッサも、DSSプロセッサ71、72,73と同様にDSP(デジタル信号プロセッサ)で構成される。
当然であるが、本発明は、特定アプリケーション用ハードウエア(DSP)を使った実現に限定されるものではない。一つまたはいくつかのパソコン(PC)またはワークステーションと一体化した実行も可能で、ある種のアプリケーションについてはその方が、利点があろう。
なお、図7は、サンプルごとの計算を表していることに、注意されたい。加算器74は、サンプルごとの加算を行い、また、デルタ立体音響プロセッサ71、72、73も、サンプルごとに出力し、音声信号も、望ましくはサンプルごとの仕方で音源に供給される。但し、ブロックごとの処理を進める場合は、すなわち、スペクトルが加算器74で相互に加算され場合は、全ての処理作業を周波数領域でも行うことが可能である。当然ながら、往復変換を使って行われる各処理作業については、特定の用途に対していずれによる実施がより適しているかに応じて、特定の処理作業を周波数領域、または時間領域で実施することができる。また、同様に、処理作業をフィルタバンク領域で行うこともでき、この場合、このために解析フィルタバンク及び合成フィルタバンクが必要となる。
図5を参照しながら、図4のスピーカ信号を計算するための手段42の詳細な実施形態を以下に説明する。
音声源に関連付けられた音声は、音声入力端43を介して、フィルタミックス・ブロック44にまず供給される。フィルタミックス・ブロック44は、領域VIIの中のスピーカに対しては、3つのフィルタ・パラメータ設定EQ1、EQ2、EQ3の全てを考慮する。これにより、フィルタミックス・ブロック44の出力信号は、それぞれの成分についてフィルタされた音声信号を表現し、後記で説明するように、いわば関連する3つ全ての方向ゾーンのフィルタ・パラメータ設定の影響を受ける。フィルタミックス・ブロック44の出力端におけるこの音声信号は、次に遅延処理ステージ45に供給される。遅延処理ステージ45は、遅延された音声信号を生成するように構成され、この遅延は、通常、補間された遅延値に基づくが、補間ができない場合には、その波形は3つの遅延値D1、D2、D3により決まる。遅延補間をする場合には、3つの方向群に対するスピーカに関連付けられた該3つの遅延値は、補完された遅延値Dintを計算するために、遅延補間ブロック46に提供され、この値は、次に遅延処理ブロック45に供給される。
最後に、スケーリング47が行われ、スケーリング47は、単一のスピーカがいくつかの方向群に属するという事実の点から、同一のスピーカに関連付けられた3つのスケーリング係数により決まる統合(overall)スケーリング係数を使って実施される。この統合スケーリング係数は、スケーリング補間ブロック48の中で計算される。望ましくは、図3bに関連して説明した、方向ゾーンに対する全体的なフェーディングを表現する重み係数も、入力49で示すようにスケーリング補間ブロック48に供給され、該スケーリングを使い、ブロック47において、スピーカに対する音源に基づいて最終的なスピーカ信号成分が出力される。図5に示された実施形態において、スピーカを3つの異なる方向群に属するものとすることができる。
ある音源を規定するのに使われる3つの対象方向群に対するスピーカを除き、他の方向群のスピーカの全ては、この音源に対しては信号を出力しないが、当然、他の音源に対しては作動することができる。
なお、図5のブロック45及び47の隣にそれぞれ数式で示すように、フェーディングに使われたのと同じ重み係数を、遅延値Dintを補間するため、あるいはスケーリング係数Sの補間のための使うことができることに注意されたい。
図6を参照しながら、DSPで実行される本発明の好適な実施形態を以下に説明する。音声信号入力端43を介して音声信号が供給され、音声信号が整数で提供される場合には、最初にブロック60において整数/浮動少数点変換が行われる。図6は、図5のフィルタミックス・ブロック44の好適な実施形態を示す。具体的には、図6は、フィルタEQ1、EQ2、EQ3を含み、該フィルタEQ1、EQ2、EQ3の伝達関数またはパルス応答は、フィルタ係数入力端440を介したそれぞれのフィルタ係数により制御されている。フィルタEQ1、EQ2、EQ3は、それぞれのフィルタのパルス応答により音声信号の畳み込みを行うデジタル・フィルタとすることができ、あるいは、周波数伝達関数を使って行うスペクトル係数の重み付けを行う変換手段を置いてもよい。EQ1、EQ2、EQ3中のイコライザ設定を使ってフィルタされた信号、分配点441で示されるようにこれらは全て同一の音声信号に帰結するが、これら信号は、次に、それぞれのスケーリング・ブロックで重み係数g1、g2、g3を使って重み付けされ、次いで加算器内で重み付けの結果が合算される。次に、ブロック44の出力端、すなわち加算器の出力端から、図5の遅延処理45の一部である循環バッファ中に供給される。本発明の好適な実施形態において、イコライザ・パラメータEQ1、EQ2、EQ3は、図2aに示した表により与えられるので、直接には得られないが、望ましくは、該イコライザ・パラメータは、補間され、これはブロック442で行われる。
一方、入力側では、図6のブロック443で表されているように、ブロック442は、スピーカに関連するイコライザ係数を実際に得る。フィルタ傾斜(ramping)ブロックの補間作業では、いわば、急速に変化するイコライザ・フィルタ・パラメータEQ1、EQ2、EQ3に起因するアーティファクトを回避するため、連続するイコライザ係数のローパスフィルタリングが行われる。
したがって、音源は、いくつかの方向ゾーンに亘ってフェード・オーバされ、これらの方向ゾーンは、イコライザに対する異なる設定によって特性付けられる。異なるイコライザ設定の間でフェード・オーバが行われ、図6のブロック44に示されるように、全てのイコライザに並行して通過されて、出力がフェード・オーバされることになる。
なお、フェード・オーバあるいはミキシングのイコライザ設定のため、ブロック44で使われる重み係数g1、g2、g3は、図3bに表される重み係数であることに注意されたい。重み係数を計算するため、望ましくは、3つの周辺方向ゾーンに対して音源の位置を重み係数に変換する、重み係数変換ブロック61が置かれている。ブロック61は、その上流につながれた位置補間器62を有し、該補間器は、典型的には、開始位置(POS1)と標的位置(POS2)との入力、及び、図3bに示されたシナリオ中の係数fade AB及びfade ABCのようなそれぞれのフェーディング係数の入力の関数として、そして、典型的には、最新時点で入力された動き速度の関数として現在の位置を計算する。位置入力は、ブロック63で行われる。但し、新しい位置をいつでも入力することができ、位置補間器を必ず備える必要はない。さらになお、位置の更新速度は任意に調整することができることに注意されたい。例えば、サンプルごとに新規重み係数を計算することも可能ではあろう。しかし、これは望ましくない。重み係数の更新速度は、これもアーティファクトの有用な回避法として、サンプリング周波数のフラクションだけで行う必要があることが判明している。
図5のブロック47及び48を用いて表されているスケーリング計算の一部だけが図6に示されている。図5のブロック48で行われた統合スケーリング係数の計算は、図6に表されたDSPでなく、上流の制御DSPで行われる。「スケール(Scales)64」で示されるように、統合スケーリング係数が既に入力され、スケーリング/補間ブロック65で補間され、ブロック67aに示されるように、図7の加算器74に進む前に最後にブロック66aにおいて最終スケーリングが行われる。
図6を参照しながら、図5の遅延処理45の好適な実施形態を以下に説明する。
本発明の装置は、2つの遅延処理工程を可能にする。一つの遅延処理工程は、遅延ミキシング工程451であり、もう一つの遅延処理工程は、IIR全パス452により行われる遅延補間である。
循環バッファ450に格納されていた、ブロック44の3つの異なる遅延値を含む出力信号が、以下に説明する遅延ミキシング工程に送られ、これら遅延値によりブロック451中の遅延ブロックが作動され、これら遅延値は、図2aのスピーカを参照して説明した表に示された平滑化されていない遅延値である。また、この事実は、ブロック66bの面からも明示されており、該ブロックは、方向群遅延値はここに入力され、ブロック67bには、方向群遅延値ではなく、1回に1スピーカに対する1つの遅延値だけが、すなわち、図5のブロック46に生成された補間遅延値Dintが、入力されることを示している。
3つの異なる遅延値を伴った、ブロック451中の音声信号は、次に、図6に示すように、どの場合にも重み係数によって重み付けされるが、但し、図3bで示されるように、この場合望ましくは線形のフェード・オーバによって生成された重み係数ではない。それよりもここでは、ブロック453において音量の重み付け是正を行って、非線形の3次元フェード・オーバを実現するのが望ましい。遅延ミキシングの場合には、遅延ミキシング・ブロック451内のスケール素子を作動するため、同様に重み係数g1、g2、g3を使っても、音声品質がより高く、アーティファクトがより少なくなることが分かっている。次いで、遅延ミキシング・ブロック中のスケール器の出力信号が合算されて、出力端453から遅延ミキシング音声信号が得られる。
これに代えて、本発明の遅延処理(図5のブロック45)では遅延補間も行うことができる。このため、本発明のある好適な実施形態では、(補間された)遅延値、これはブロック67bを介して供給され、遅延傾斜ブロック68でさらに平滑化されている、を含む音声信号が循環バッファ450から読み出される。さらに、図6に示された実施形態において、同一の音声信号ではあるが、1サンプル分、遅延された信号も読み出される。音声信号の、生成されたばかりのこれら2つの音声信号またはサンプルは、次に、補間のためIIRフィルタに供給され、補間に基づいて生成された音声信号が出力453bに得られる。
既に説明したように、入力453aにおける音声信号は、遅延ミックスなのでどのようなフィルタ・アーティファクトもほとんど含んでいない。これに対して、出力453bにおける音声信号のほとんどは、フィルタ・アーティファクトを免れない。また一方、この音声信号は、周波数レベルのシフトを示すことがある。遅延値が長い遅延値から短い遅延値に補間される場合には、シフトはより高い周波数へのシフトとなり、遅延値が短い遅延から長い遅延に補間される場合には、周波数シフトは低い周波数方向へのシフトとなろう。
本発明によれば、フェード・オーバ・ブロック457において、出力453aと出力453bとの間で切替えが行われ、この切替えはブロック65からの制御信号により制御されており、この計算については後記で取り上げる。
さらに、ブロック65において、ミキシングまたは補間の結果をパスするか、その結果の比率をミックスするかどうかが制御される。このため、ブロック68からの平滑化されたまたはフィルタされた値が、平滑化されない値と比較され、どちらが大きいかに応じ、457において(重み付け)切替えが行われる。
図6のブロック図は、ある方向ゾーンに位置し、フェード・オーバする必要のないスタティックな音源に対する分岐をさらに含む。この音源に対する遅延値は、当該方向群に対するスピーカに関連付けられている遅延値である。
従って、動きが遅すぎたり速すぎたりする場合は、遅延計算アルゴリズムが切替わる。物理的に同一のスピーカが、異なった音量設定及び遅延設定で2つの方向ゾーンに存在する。2つの方向ゾーンの間の音源の動きが遅い場合、音量はフェードされ、遅延値は全パス・フィルタを使って補間され、これが出力端435bからの信号となる。また一方、この遅延値の挿入は、信号のピッチの変化をもたらすが、遅い変化の事象においては、大きな問題はない。これに対し、補間の速度が、例えば、秒あたり10msといった特定の値を超えると、こういったピッチの変化が知覚可能になる。従って、速度が高すぎる場合、もはや遅延値の補間はされなくなるが、ブロック451に示されるように、2つの異なる一定の遅延を含む信号はフェードされる。確かに、これはくし形フィルタ効果をもたらす。だが、フェーディングの速度の速さのため、これが聞こえることはなかろう。
前に説明したように、2つの出力453aと453bとの間の切替は、音源の動きの関数、さらに具体的には、補間に対する遅延値の関数として実施される。大きな量の遅延を補間しなければならない場合には、ブロック457では、出力453aの使用に切り替えられることになる。他方、ある特定の時間期間に少量の遅延を補間しなければならない場合は、出力453bが使われることになろう。
また一方、本発明のある好適な実施形態では、ブロック457での切替えは、急なやり方では行われない。ブロック457は、閾値前後に設定されたフェード・オーバ範囲を持つよう構成される。したがって、補間の速度が閾値にある場合、ブロック475は、出力側サンプルを、453aの只今のサンプルと出力453bの只今のサンプルとを加算し、結果を2で割って計算するよう構成される。従って、閾値前後のフェード・オーバ範囲では、ブロック457は、出力453bから出力453aへのまたはその逆方向のソフトな移行を実施する。このフェード・オーバ範囲は、任意の大きさに構成され、ブロック475がほとんど連続してフェード・オーバ・モードで機能するようにすることができる。急激な傾向のある切替えに対しては、より狭いフェード・オーバ範囲を選択し、ブロック475がほとんどの時間、出力453aだけまたは出力453bだけをスケーラー66aに通すようにすることができる。
本発明の好適な実施形態において、フェード・オーバ・ブロック457は、ローパス及び遅延変更閾値のヒステリシスによってジッタ抑制を行うようさらに構成される。構成のシステムとDSPシステムとの間の制御データの流れの実行時が保証されていないので、制御ファイルにジッタが生じ、これが音声信号処理中のアーティファクトをもたらすことがある。従って、DSPシステムの入力端への制御データ・ストリームをローパスフィルタをすることによって、ジッタを補償することが望ましい。この方法は、制御時間の反応時間を低減させる。他方、非常に大きなジッタ変動も補償することができる。また一方、ローパスフィルタに換えて、遅延補間から遅延フェード・オーバへの切替えと遅延フェード・オーバから遅延補間への切替えとに異なる閾値を使用されれば、制御データの反応時間を低減することなく、制御データ中のジッタを回避することができる。
本発明のさらなる好適な実施形態において、フェード・オーバ・ブロック457は、遅延補間から遅延フェーディングに移る際に、制御データの操作を行うようさらに構成されている。
遅延値が、遅延補間と遅延フェード・オーバとの間の切替え閾値よりも大きな値に、急に上昇した場合、従来のフェーディングでは、遅延補間からのピッチ変動の一部がまだ可聴となろう。この影響を避けるために、フェード・オーバ・ブロック457は、こういったとき、遅延フェーディングへの完全なフェード・オーバが完了するまで、遅延制御データを一定に保つよう構成される。完了した後にだけ、遅延制御データは実施の値と合致される。この制御データ操作を用いて、どんな可聴な音程の変化もなく、短い制御データ反応時間で速い遅延変化を実現することも可能となる。
本発明の前記好適実施形態において、作動システムは、さらに、方向ゾーン/音声出力ごとのデジタル(仮想の)計測を行うよう構成された計測手段80を含む。図11a及び11bを参照しながら、これについて説明する。例として、図11aは、音声マトリックス1110を示し、図11bは、同じ音声マトリックス1110であるがスタティックな音源を対象として示されており、一方、図11aでは、音声マトリックスは、ダイナミックな音源を対象として表されている。
一般に、その一部が図6に示されている、DSPシステムは、遅延及び音量は、マトリックス・ポイントごとに音声マトリックスから計算され、この音量スケーリング値は、図11a及び図11bではAmPとして表されており、遅延は、ダイナミックな音源に対しては「遅延補間」、スタティックな音源に対しては「遅延」として示されている。
これらの設定をユーザに提示するために、これら設定は、これらが方向ゾーンに分割され、方向ゾーンが該ゾーンに割り当てられた入力信号を有するような仕方で格納される。これに関し、一つの方向ゾーンにいくつかの入力信号を割り当てることもできる。
ユーザ側からの信号のモニタリングを容易にするために、方向ゾーンに対する計測がブロック80によって表示されるが、但し、これは、マトリックスの節点の音量とそれぞれの重み係数から「バーチャル」に算定される。
この結果は、計測ブロック80によってディスプレイ・インタフェースに送られ、これは、ブロック「ATM」82(ATM=非同期伝送モード)によってシンボリックに示される。
なお、通常、これら方向ゾーンでは、例えば、2つの別の音源が、2つの異なった方向から同一の方向ゾーンに「入る」ケースなどいくつかの音源が同時に行動する。ホールでは、方向ゾーンごとの一つの音源の寄与度を測定するのは不可能であろう。しかしながら、測定ブロック80によってこれが実現され、この測定がバーチャル測定といわれる理由である。というのは、ホールでは、ある意味で全音源に対する全方向群の全ての寄与は常に重畳されているからである。
さらに、測定ブロック80は、ある一つの音源に対し作動している方向ゾーン全てに亘って、いくつかの音源の間におけるその音源の全体的レベルを計算する働きをすることもできる。この結果は、一つの入力音源についての全ての出力に対するマトリックス・ポイントを合計すれば得られることになろう。一方、ある音源に対するある方向群の寄与度は、他の出力を計算に入れないで、対象方向群に属する出力数合計の出力量を合算して得ることができる。
一般に、本発明のコンセプトは、使用する再生システムの如何に関わらず、音源の表現に対する普遍的作動コンセプトを提供する。ここで階層を下がってみる。最底部の階層の構成要素は、個々のスピーカである。中間の階層段階は、方向ゾーンであり、スピーカが2つの異なる方向ゾーンに同時存在することも可能である。
最頂部の構成要素は、方向ゾーンのプリセット群であり、特定の音声オブジェクト/アプリケーションに対し一緒に対応する特定の方向ゾーン群を、ユーザ・インタフェース上では単一の「包括的な方向ゾーン」と見なすことができる。
音源を位置付けるための本発明のシステムは、パフォーマンスを実施するためのシステムと、パフォーマンスを構成するためのシステムと、デルタ立体音響を計算するDSPシステムと、波面合成を計算するDSPシステムと、緊急介入のための対処システムとを含む、主要構成要素群に分割される。本発明の好適な実施形態において、グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、ステージまたはカメラ画像への出演者の視覚的配置を実現するために、使用される。システム運営者担当に対して、3D空間の2次元マッピングが提供され、これを図1のように構成することができるが、少数の方向群だけならば、図9a〜10bに示されたような方法で実施することもできる。適切なユーザ・インタフェースを用いて、ユーザは、選択した表記法を介して、方向ゾーン及びスピーカを3次元から2次元マッピングに割り付ける。これは、立体配置設定を使って達成される。該システムについて、画面上の方向ゾーンの2次元位置の、それぞれの方向ゾーンに配置されたスピーカの実際の3次元位置へのマッピングを達成する。運営担当者は、3次元空間に対する自分のコンテクストを用いて、方向ゾーンの実際の3次元位置を再構成し、3次元空間中の音の配置を実現することができる。
ミキサに図6のようなDSPを含めることが可能な場合、追加のユーザ・インタフェース(ミキサ)、及び、音源/演者及びその動きとそこに設定された方向ゾーンとの関連性を使い、音声源の実際の3次元空間への間接的な位置付けが実現される。このユーザ・インタフェースを使って、ユーザは、展望を変える必要なく、全空間次元に音を位置付けることができる、すなわち、音の高さと奥行きとを位置づけることが可能である。以下に、図8に従い、音源の位置付け、及びプログラムされたステージ活動からの逸脱に対するフレキシブルな補償に対するコンセプトを説明する。
図8は、望ましくはグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使った、複数のスピーカを制御するための装置であり、該スピーカは、少なくとも3つの方向群にグループ化されており、各方向群は、それに関連付けられた方向群位置を有する。該装置は、まず、第一方向群位置から第二方向群位置へのソース・パスと、該ソース・パスについての動き情報とを受信するための手段800を含む。図8の装置は、異なる時点で動き情報に基づいてソース・パス・パラメータを計算するための手段802をさらに含み、ソース・パス・パラメータは、ソース・パス上の音声源の位置を表している。
本発明の装置は、第3方向ゾーンへの補償パスを設定するためのパス変更命令を受信するための手段804をさらに含む。まださらに、ソース・パスから補償パスが枝分かれする位置で与えられたソース・パス・パラメータの値を格納するための手段806が備えられている。望ましくは、図8に808として示された、補償パス上の音声源の位置を表す補償パス・パラメータ(FadeAC)を計算するための手段が存在する。手段806によって計算されたソース・パス・パラメータと手段808によって計算された補償パスとの双方は、3つの方向ゾーンのスピーカ群に対する重み係数を計算するために、手段810に送られる。
大まかに言えば、重み係数を計算するための手段810は、ソース・パス、格納されたソース・パス・パラメータの値、及び補償パスに関する情報に基づく方法で作動するよう構成されており、補償パスに関する情報は、新しい行く先、すなわち、方向ゾーンCだけを含むか、あるいは、補償パスに関する情報は、これに加え補償パス上の音源の位置、すなわち、補償パス・パラメータを含む。なお、補償パスに入力されていない場合、または音源がまだソース・パス上にある場合は、この補償パス上の位置の情報は必要ないことに注意されたい。したがって、補償パス上の音源の位置を表す補償パス・パラメータは、不可欠なものではなく、すなわち、音源が補償パスに入っていない場合、補償パスは、ソース・パスの開始点に引き返し、開始点からある意味で新しい行き先に、補償パスを経ずに直接移動するための機会として使われる。このやり方は、音源がソース・パスの短い距離を進んだだけであることが分かれば有用であり、当該位置から新しい補償パスをたどることに利点はあまりない。これに代わる、補償パスに入らないでソース・パスを引き返すやり方は、その補償パスが、理由の如何を問わず、音源が局在化されるホール内のどの区域にも関わっていない場合に行われる。
本発明による補償パスの提供は、特に、音源が収容される2つの方向ゾーンの間での完全なパスだけが許されるシステムに対して有益である。というのは、特に方向ゾーンが遠くはなれた場所に位置する場合、音源が新しい(変更された)位置に至る時間が大幅に削減されるからである。さらに、ユーザを戸惑わせ異様に知覚される、音源の不自然なパスが除去される。例えば、当初、音源がソース・パス上を左から右へ動くよう想定されていたのが、いまや、元の位置からあまり遠くない、左端の異なる位置に動くことになった場合を考えると、補償パスが許されなければ、音源がステージ全体をほとんど2回も動き回ることになろうが、本発明はこのプロセスを短縮する。
本補償パスは、位置が、もはや2つの方向ゾーンと1つのファクタで設定されるのでなく、3つの方向ゾーンと2つのファクタで設定され、音源によって、2つの方向群位置を直接結ぶ線から外れた他の点も「作動」することができるという事実によって容易に設定される。
従って、図3bから直接見て取れるように、本発明のコンセプトは、音源によって、再生空間のどの点でも作動することを可能にする。
図9aは、音源が、出発方向ゾーン11aから行く先方向ゾーン11cの間をつなぐ線上に位置する定型的ケースを示す。出発及び行く先方向ゾーン間の音源の正確な位置は、フェーディング係数ACによって表される。
また一方、図3bに関連して既に記載、説明したように、定型的ケースに加えて、補償ケースがあり、これは音源の経路が動きの中で変更された場合に実施される。動きの途中における音源のパスの変更は、音源が行く先への途上にある間に、該音源の行く先が変更されることによって示される。この場合、音源を、図3bのソース・パス15aの現在の音源位置から、新しい位置、すなわち行く先11cにフェードしなければならない。これにより、補償パス15bがもたらされ、音源は、新規の行く先11cに到達するまでその上を移動することになる。また、補償パス15bは、音源の元の位置から、直接音源の新規の望ましい位置へも伸ばす。従って、補償を行うケースでは、音源位置は、3つの方向ゾーンと2つのフェーディング値で構成される。方向ゾーンA、方向ゾーンB、及びフェーディング係数FadeABが補償パスの開始点を形成する。方向ゾーンCは、該補償パスの終了点を形成する。フェーディング係数FadeAbCは、補償パスの開始点と終了点との間の音源の位置を規定する。
音源の補償パスへの移行に際しては、各位置について次のような変更が生ずる、すなわち:方向ゾーンAは維持される。方向ゾーンCは方向ゾーンBに変わり、フェーディング係数FadeACが、FadeABに変わり、新しい行く先方向ゾーンが、行く先の方向ゾーンCに書き込まれる。言い換えれば、フェーディング係数FadeACは、手段806によって格納され、方向の変更が行われるときの、すなわち、音源がソース・パスを離れ補償パスに入るときの、次のFadeABの計算に使われる。新しい行く先方向ゾーンが、方向ゾーンCに書き込まれる。
本発明によって、音源の急なジャンプを防止することがさらに望ましい。一般には、音源のジャンプ、すなわち一つの位置から別の位置への急速な移動を可能にするように音源の動きがプログラムされる。これは、例えば、場面がスキップされたり、channelHOLDモードが解除されたり、または音源が、場面1で場面2と違った位置で終了する場合に生じる。全ての音源ジャンプが急ジャンプに切替えられたならば、結果として、可聴なアーティファクトが生ずることになろう。従って、本発明では、急ジャンプを防止するコンセプトが採用されている。このため、この場合も同様に補償パスが使われ、これは特定の補償ストラテジーに基づいて選択される。一般に、音源をパスのいろいろな位置に配置することができる。音源が、2つまたは3つの方向ゾーンの間の、開始部に位置するか、または終端部に位置するかに応じて、音源を最速で所望の位置に移動するいろいろなやり方があろう。
図9bは、ある補償パスのある点(900)に位置する音源をある行き先位置(902)に移動させるための、ある可能な補償ストラテジーを示す。位置900は、ある場面が終了したときに音源が在り得る位置である。新しい場面の始まりでは、該音源は、新場面でのその初期位置すなわち位置906に移動される。その位置に到達するため、本発明では、900から906への直接の切替えは行われない。その代わりに、音源は、最初にその固有の行く先方向ゾーン、すなわち、方向ゾーン904に向けて移動し、次いで、そこから、新場面の当初の方向ゾーンである906移動する。結果として、音源は、場面の開始時点にいるべき点に存在する。但し、場面が既に開始されており、実際の音源が既に移動を開始しているような場合には、補償対象の音源は、狙い位置の902に追いつくまで、方向ゾーン906と方向ゾーン908との間にプログラムされたパス上を移動しなければならない。
一般に、図9cに示された、方向ゾーン、補償パス、音源の新規の望ましい位置、及び音源の現在の実際位置を表す記号に全て従って、以下の図9dから9iに、いろいろな補償ストラテジーの事例が示されている。
図9dに、簡単な補償ストラテジーを見ることができる。これは「InPathDual」と名付けられている。音源の行く先位置は、音源の出発位置と同様に方向ゾーンA、B、及びCによって規定されている。すなわち、本発明のジャンプ補償手段は、出発位置を規定する方向ゾーン群が、行く先位置を規定する方向ゾーン群が同一であることを確認するよう構成される。この場合、図9dに示されたストラテジーは、単に同一のソース・パスをたどるように選択されている。補償により到達する対象位置(望ましい位置)が、音源の現在位置(実際位置)と同じ方向ゾーン群の間に位置している場合には、InPathストラテジーが用いられることになる。これらには2種類が、すなわち図9dに示されるようなInPathDualと、図9eに示されるようなInPathTripleとがある。図9eは、実施の及び望ましい位置が、2つでなく3つの方向ゾーンの間に位置しているケースを示している。この場合は、図9eに示された補償ストラテジーが使われることになる。具体的には、図9eは、音源が既に補償パス上にあって、この補償パス上を戻り、ソース・パスの特定の点へ到達しようとしている。
既に述べたように、音源の位置は、最大の3つの方向ゾーンによって規定されている。望ましい位置と実際の位置とがぴったり一つの共通の方向ゾーンを有する場合、図9fに示されるAdjacentストラテジーが用いられる。これには3種類があり、英字「A」、「B」及び「C」は図に共通の方向ゾーンを示す。この補償手段では、具体的には、実際の位置と新規の望ましい位置が、共通な単一の方向ゾーンを有する方向ゾーンの組で規定されるよう設定されており、図9fから分かるように、該単一ゾーンは、AdjacentAの場合は方向ゾーンAであり、AdjacentBの場合は方向ゾーンBであり、そしてAdjacentCの場合は方向ゾーンCである。
図9gに示されたOutsideストラテジーは、実際の位置と望ましい位置が共通の方向ゾーンを持たない場合に使われることになる。ここで、2種類、すなわちOutsideMストラテジーとOutsideCストラテジーとがある。OutsideCは、実際の位置が、方向ゾーンCの位置に非常に近い場合に用いられることになる。OutsideMは、音源の実際の位置が2つの方向位置の間に位置している場合、または実際の音源の位置が、実際は3つの方向ゾーンの間に位置しているが、屈折点に非常に近い場合に用いられることになる。
なお、本発明の前記好適な実行形態においては、任意の方向ゾーンを任意の方向ゾーンとつなぐことができ、音源を一つの方向ゾーンから別の方向ゾーンにつなぐために、第三の方向ゾーンを横切る必要は全くなく、任意の方向ゾーンから任意の別の方向ゾーンへのプログラム可能なソース・パスがあろう。
本発明のある好適な実施形態では、音源は、マニュアルで、すなわちCaderといわれる手段を使って移動される。本発明のCaderストラテジーは、いろいろな補償パスを提供する。Caderストラテジーには、通常、方向ゾーンAと望ましい位置の方向ゾーンCとを音源の現在の実際の位置につなぐ補償パスを生成することが求められる。このような補償パスが、図9hに示されている。新しく到達する実の位置は、望ましい位置の方向ゾーンCであり、その実の位置の方向ゾーンCが、方向ゾーン920から方向ゾーン921に変更された場合には、図9hの補償パスが生じる。
全部で3つのCaderストラテジーがあり、図9iに示されている。図9iの左側の方策は、実際位置の行く先方向ゾーンCが変更されたときに用いられる。パスの進路に関する限りは、CaderはOutsideMストラテジーと一致する。CaderInverseは、実際位置の出発方向ゾーンAが変更される場合に用いられる。生成される補償パスは、通常のケース(Cader)における補償パスと同様に機能するが、DSPでの計算と異なるようにすることができる。CaderTripleStartは、音源の実際位置が3つの方向位置の間に位置しており新しい場面が始まる場合に用いられる。この場合、音源の実際位置から新しい場面の出発方向ゾーンへの補償パスを構築しなければならない。
音源のアニメーションを行うためCaderが使われる。重み係数の計算に関しては、音源が、マニュアルで移動されるか自動的に移動されるかによる差異はない。但し、基本的な違いは、音源の動きがタイマーで制御されるのでなく、パス変更命令を受信するための手段(804)が受信しているCaderイベントによって作動されるという事実である。従って、Caderイベントは、パス変更命令である。本発明の音源アニメーションが、Caderを使って提供する特別なケースは、音源の後退である。音源の位置が通常ケースに対応している場合、音源は、Caderにより、もしくは自動的に意図されたパスを進むことになる。しかしながら、補償ケースでは、特別なケースとして音源の後退が取り扱われる。この特別なケースを表現するために、音源のパスは、ソース・パス15aと、補償パス15bとに分けられ、デフォルト・セクタはソース・パス15aの一部を表し、図10aの補償セクタは補償パスを表している。デフォルト・セクタは、最初にプログラムされた音源のパスの部分に対応する。補償セクタは、プログラムされた動きから外れているパス部分を表す。
Caderを使って音源が後ろに動かされた場合、音源が補償セクタ上に位置しているかデフォルト・セクタ上に位置しているかの如何によって異なった効果が得られることになる。音源が補償セクタに位置しているとした場合、Caderの左方への動きは音源の後退をもたらすことになる。音源がまだ補償セクタにある間は、何事も予測通りに進む。しかし、音源が補償セクタを離れてデフォルト・セクタに入るや否や、音源はデフォルト・セクション上を全く正常に移動するが、補償セクタは再計算され、Caderが再度右に動いた場合、音源は、再度元のデフォルト・セクタ沿いに進むのでなく、再計算された補償セクタ介して、現在の行く先方向ゾーンに直接アプローチすることになる。この状況は、図10bに示されている。音源を後ろに動かし、次いで再び前進させることによって、デフォルト・セクタがこの後退することによって短縮された場合に、修正された補償セクタが計算されることになる。
以下に、音源の位置の計算について説明する。A、B、及びCは、これらを使って音源の位置が規定される、方向ゾーンである。A、B及びFadeABは、補償セクションの開始位置を表現する。C及びFadeAbCは、補償セクタ上の音源に位置を表現する。FadeACは、全体のパス上の音源の位置を表す。
求められるのは、FadeAB及びFadeAbCに対する2つの値の煩わしい入力をなくすことである。これに代えて、音源は、FadeACを介して直接設定される。FadeACをゼロに等しく設定すれば、音源は、パスの開始点に設定される。FadeACを1に等しく設定すれば、このとき音源はパスの終了点に位置されることになる。さらに、ユーザが、入力に際して、補償セクタかデフォルト・セクタかに「煩わされる」のを避けるようにする。他方で、FadeACに対する値の設定は、音源が補償セクタ上に位置するのか、デフォルト・セクタに位置するのかに依存する。原則として、図10cの最上部に数式をFadeACに適用するものとする。
FadeACの値をはっきりと指定することによって、現在のパス・セクションの位置を定義するという発想をする人がいるかもしれない。図10cは、FadeACが設定されたとき、FadeAB及びFadeAbCがどのように振舞うのかについてのある例を示す。
以下は、FadeACを0.5に設定した場合に生ずる事象の説明である。どういう事象が生ずるかの詳細は、音源が補償セクタまたはデフォルト・セクタのいずれに位置するかによって決まる。音源が、デフォルト・セクタ上に位置する場合には、次の式が成り立つ。
FadeAbC=0
但し、音源が、デフォルト・セクタの終端、または補償セクタの開始端に位置する場合は、それぞれについて次の式が成り立つ。
FadeAbC=0
且つ
(FadeAC=FadeAB/FadeAB+1)
図10dは、FadeACの関数として、パラメータFadeAB及びFadeAbCを算定する過程を示し、音源が、デフォルト・セクタに位置するか補償セクタに位置するかの差異は、第1項と第2項に表されており、第3項ではデフォルト・セクタに対する値が計算されており、第4項では補償セクタに対する値が計算されている。
図10dにより得られたフェーディング係数は、図3bに示されているように、次いで、重み係数を計算する手段に使われ、最終的に重み係数g1、g2、g3が計算され、これから、続いて、図6に関連して説明したように、音声信号及び補間などを計算することができる。
本発明のコンセプトは、特に波面合成とうまく組み合わせることができる。一つのシナリオでは、光学的理由で、ステージ上には波面合成スピーカ・アレイを配置することができず、音の局在化を実現するため、方向群を有するデルタ立体音響を使わざるを得ないが、通常、少なくとも、聴取席の側面及び聴取席の後面には波面合成アレイを配置することが可能である。しかしながら、本発明によれば、ユーザは、音源が、波面合成アレイまたは方向群を使うことによって今後聞こえるようになるかどうかに取り組む必要はない。
また、例えば、光学的印象に干渉する可能性があるので、ステージの特定の場所では波面合成スピーカ・アレイを使えないが、ステージの他の領域では問題なく用いることができる場合、適切にミックスされたシナリオも可能である。この場合にも、デルタ立体音響と波面合成スピーカ・アレイとの組み合わせが使われる。しかしながら、本発明によれば、ユーザは、自分の音源がどう処理されるかに取り組む必要はないことになろう。というのは、グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、波面合成スピーカ・アレイが配置された領域も、同様に方向群として提示するからである。パフォーマンスを実施するシステムの側で、波面合成またはデルタ立体音響の方向音響処理への音源の割り当てがユーザの介入なしに実施できるように、位置付けのための方向ゾーン・メカニズムが、常に共通ユーザ・インタフェースに備えられている。方向ゾーンのコンセプトは、普遍的に適用することができ、ユーザの音源位置付けは、常に同じやり方である。言い換えれば、ユーザは、自分が、音源をウエハー合成アレイを含む方向ゾーンに位置させたのかどうか、あるいは、自分が、音源を、第1波面の法則によって作動するサポート・スピーカを実際に有する方向ゾーンに位置させたかどうかを知ることはない。
音源の移動は、ユーザが方向ゾーン間の移動パスを入力するという事実だけで達成され、ユーザによって設定されたこの移動パスは、図8による、ソース・パスを受信のための手段によって受信される。それぞれの変換が、波面合成音源として処理するか、デルタ音響音源として処理するかを決めるのは、もっぱら構成システムの側である。具体的には、この決定は当該方向ゾーンの特性パラメータを調べることにより行われる。
ここで、各方向ゾーンには、任意の数のスピーカと、スピーカ・アレイおよび/またはバーチャル位置を使った関連スピーカ・アレイ内の固定位置に保持された、必ず正確に一つの波面合成音源とを含めることができ、該音源は、いわば、デルタ立体音響システムにおけるサポート・スピーカの(実際の)位置に対応する。このとき、波面合成音源は、波面合成システムのチャネルを表現し、知られるように、波面合成システムでは、チャネルごとに一つの別個のオブジェクト、すなわち別個の音源を処理することができる。波面合成音源は、適切な波面合成固有のパラメータで特徴付けられる。
波面合成音源の移動は、利用可能な計算能力に応じて2つのやり方で達成することができる。固定して位置づけられた波面合成音源は、フェード・オーバを使って作動される。音源が方向ゾーンの外に移動する場合、当該スピーカは減衰されることになり、該音源が進入する方向ゾーンのスピーカは、次第に減衰量が減らされることになる。
これに代えて、固定位置として入力するために、新しい位置が補間され、これを波面合成出力装置がバーチャル位置として使い、フェード・オーバなしに、実際の波面合成を使ってバーチャル位置が生成される。当然ながら、これは、デルタ立体音響に基づいて動作している方向ゾーンでは実施できない。
本発明は、自由な音源の位置付けと方向ゾーンへの割付けが達成できる点、及び、特にオーバーラップする方向ゾーンがある場合、すなわち、いくつもの方向ゾーンに属するスピーカがある場合に、方向ゾーンの位置に関し高い分解能を持つ多数の方向ゾーンを実現できる点で有益である。原則として、ステージ上の各スピーカは、許容されたオーバーラップに基づき、それ自体の方向ゾーンを表し、該ゾーンは、該スピーカ周りに配置された、より遅延の大きな音を放出し必要音量を満たすスピーカ群を有する。但し、他の方向ゾーンが関与するや否や、これらの(周りの)スピーカは、急にサポート・スピーカになり、もはや「補助スピーカ」ではなくなる。
本発明のコンセプトは、できるだけ多くの作業からユーザを開放し、これにより、システムの詳細全てについての熟練者でなくても、安全な運用ができるようにする直感型のオペレータ・インタフェースによって、さらに特徴付けられる。
さらに、共通のオペレータ・インタフェースを介して、波面合成とデルタ立体音響との組み合わせが実現され、好適な実施形態において、等化パラメータにより音源の動きの動的なフィルタリングが達成され、2つのフェード・アルゴリズムの間での切替えにより、一つの方向ゾーンから次の方向ゾーンへの移行に起因するアーティファクトの発生が回避される。さらに、本発明は、方向ゾーンの間のフェーディング中にも音量の下落がなく、ダイナミックなフェーディンがさらに行われてさらなるアーティファクトを低減することを確実にする。これらにより、補償パスの提供は、ライブ・アプリケーションの適切性を増進し、今後、例えば、演者がプログラムされた所定のパスを離れる場合に、音を追跡しながら、対処するといった介入の仕方が可能性になろう。
本発明は、劇場、ミュージカル公演のステージ、屋外ステージ、及び、ほとんどの主要なホールまたはコンサート会場における音響処理に特に利点がある。
状況に応じて、本発明の方法をハードウエアまたはソフトウエアに実装することができる。この実装をデジタル記憶媒体、具体的には、プログラム可能なコンピュータ・システムと協働して該方法を実施できる電子的に可読な制御信号を備えた、ディスクまたはCD上に実現することができる。従って、一般に、本発明は、マシン可読の担体に格納され、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータで実行されたとき、本発明の方法を実施するプログラム・コードを含むコンピュータ・プログラム製品でもある。言い換えれば、本発明は、従って、コンピュータ・プログラムがコンピュータで実行されると、該方法を実施するプログラム・コードを含むコンピュータ・プログラムとして実現することができる。
音響処理会場の、オーバーラップする方向群への区分けを示す。 さまざまな領域における概略的なスピーカ・パラメータ表を示す。 さまざまな領域に対するスピーカ・パラメータの処理に必要なステップのさらに具体的な表現を示す。 線形2−パス・フェード・オーバの表現を示す。 3−パス・フェード・オーバの表現を示す。 DSPを使い、複数のスピーカを作動する装置の概略ブロック図を示す。 本発明による、図4のスピーカ信号を計算するための手段のさらに詳細な表現を示す。 デルタ立体音響を実行するためのDSPの好適な実装を示す。 異なった音声源から発するいくつかの個別スピーカ信号中のスピーカ信号生成の概略的表現である。 グラフィカル・ユーザ・インタフェース基づいて実施可能な、複数のスピーカの制御のための装置の概略的表現である。 第一方向群Aと第二方向群Cとの間の、音源の移動の典型的なシナリオを示す。 音源の急なジャンプを回避するための、ある補償ストラテジーによる動きの概略的表現である。 図9d〜9iの記号凡例である。 「InpathDual」補償ストラテジーの表現である。 「InpathTriple」補償ストラテジーの概略的表現である。 AdjacentA、AdjacentB、AdjacentC補償ストラテジーの概略的表現である。 OutsideM及びOutsideC補償ストラテジーの概略的表現である。 Cader補償パスの概略的表現である。 3つのCader補償ストラテジーの概略的表現である。 ソース・パス(デフォルト・セクタ)及び補償パス(補償セクタ)を定義するための表現である。 変更された補償パスがある、Caderを使った音源の後退の概略的表現である。 他のフェーディング係数に対するFadeACの影響の表現である。 フェーディング係数、すなわちFadeACの関数として、重み係数を計算するための概略的表現である。 ダイナミックな音源に対する入力/出力マトリックスの表現である。 スタティックな音源に対する入力/出力マトリックスの表現である。

Claims (16)

  1. 少なくとも3つの方向ゾーン第一方向ゾーン10a、第二方向ゾーン10b、第三方向ゾーン10c)にグループ化された複数のスピーカを制御するための装置であって、各方向群(A、B、C)は、自群に関連付けられた方向群位置(11a、11b、11c)を有し、かつ、ステージの幾何学的区域を含む方向ゾーンに属し、
    前記装置は、音声源のソース・パスとして、第一方向群位置(11a)から第二方向群位置(11b)にかけて存在し、前記第一方向群位置および前記第二方向群位置に関する位置情報、及び前記ソース・パスについての動き情報として前記ソース・パス上の前記音声源の動きの速さを受信する手段(800)と、
    前記動き情報に基づいて、異なる時点で前記ソース・パス上の前記音声源の位置を表すソース・パス・パラメータ(FadeAB)を計算する手段(802)と、
    前記第三方向ゾーンへの補償パスを起動することにより、パスの変更命令を受信する手段(804)と、
    前記補償パス(15b)が前記ソース・パス(15a)から分かれる位置における前記ソース・パス・パラメータの値を格納する手段(806)と、
    前記ソース・パス(15a)、前記ソース・パス・パラメータ(FadeAB)の前記格納された値、及び前記補償パス(15b)に基づいて、前記3つの方向ゾーンの前記スピーカに対する重み係数を計算する手段(810)と、
    を含む装置。
  2. 前記補償パス(15b)上の前記音声源の位置を表す補償パス・パラメータ(FadeAbC)を計算する手段(808)と、前記補償パス・パラメータを使って、前記3つの方向ゾーンの前記スピーカに対する前記重み係数をさらに計算するように構成される前記計算手段(810)とをさらに含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ソース・パス・パラメータを計算する前記手段(802)は、前記音源が、前記動き情報で指定された前記音声源の動きの前記速で前記ソース・パス上を移動するように、連続的な時間点で前記ソース・パス・パラメータを計算するように構成される、請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 前記補償パス・パラメータを計算する前記手段(808)は、前記音源が、前記ソース・パス上を移動する音源の速度より速い所定速度で、前記補償パスを移動するように、連続的な時間点で前記補償パス・パラメータを計算するように構成される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記重み係数を計算する前記手段(810)は、次式により前記重み係数を計算するよう構成されており、
    1=(1−FadeAbC)(1−FadeAB);
    2=(1−FadeAbC)FadeAB;
    3=FadeAbC
    上式のg1は前記第一方向群のスピーカに対する重み係数であり、g2は前記第二方向群のスピーカに対する重み係数であり、g3は前記第三方向群のスピーカに対する重み係数であり、FadeABは前記手段(806)によって格納された前記ソース・パス・パラメータであり、FadeAbCは前記補償パス・パラメータである、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記3つの方向ゾーンはオーバーラップしている状態で配置され、前記3つの方向ゾーンに同時存在する少なくとも一つのスピーカがあり、前記スピーカはそれに関連付けられた各々の方向群に対するスピーカ・パラメータ有し、
    前記装置は、前記パラメータ値及び前記重み係数を使って、前記スピーカに対するスピーカ信号を計算する手段(42)をさらに含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記計算手段(42)は、前記重み係数に基づいて補間値を計算する補間手段(46、48)を含み、前記補間手段は、次の補間を実施するように構成され、
    Z=g1×a1+g2×a2+g3×a3
    ここで、上式のZは補間されるスピーカ・パラメータ値であり、g1は第一重み係数であり、g2は第二重み係数であり、g3は第三重み係数であり、a1は第一方向群に対応する前記スピーカのスピーカ・パラメータ値であり、a2は第二方向群に対応するスピーカ・パラメータ値であり、a3は第三方向群に対応するスピーカ・パラメータ値である、請求項6に記載の装置。
  8. 前記補間手段は、補間遅延値または補間スケーリング値を計算するように構成される、請求項7に記載の装置。
  9. パス変更命令を受信する前記手段(804)は、グラフィカル・ユーザ・インタフェースからのマニュアル入力を受信するように構成される、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の装置。
  10. 第一ジャンプ位置から第二ジャンプ位置への連続的なジャンプ補償パスを決定するジャンプ補償手段をさらに含み、
    前記重み係数を計算する前記手段(810)は、前記ジャンプ補償パス上の前記音声源の位置に対する重み係数を計算するように構成される、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記第一ジャンプ位置は、3つの方向ゾーンによってあらかじめ規定されており、前記第二ジャンプ位置は、3つの方向ゾーンによってあらかじめ規定されており、
    前記ジャンプ補償手段は、ジャンプ補償パスの探索において、前記第一ジャンプ位置を規定する前記3つの方向ゾーン、及び前記第二ジャンプ位置を規定する前記3つの方向ゾーンが、共通する一つまたはいくつかの方向ゾーンを有するかどうかに応じて、補償ストラテジーを選定するように構成される、請求項10に記載の装置。
  12. 前記ジャンプ補償手段は、前記第一ジャンプ位置の前記3つの方向ゾーンと前記第二ジャンプ位置の前記3つの方向ゾーンとが合致する場合は、InPathDual補償ストラテジーまたはInpathTriple補償ストラテジーを使い、
    前記第一ジャンプ位置の少なくとも一つの方向ゾーンが、前記第二ジャンプ位置のある方向ゾーンと同一の場合は、AdjacentA補償ストラテジー、AdjacentB補償ストラテジー、またはAdjacentC補償ストラテジーを使い、
    または、前記第一ジャンプ位置と前記第二ジャンプ位置とが共通の方向ゾーンを持たない場合は、OutsideM補償ストラテジー、またはOutsideC補償ストラテジーを使うように構成される、請求項1に記載の装置。
  13. パス変更命令を受信する前記手段(804)は、前記第一方向群と第三方向群との間の前記音源の位置を受信するように構成され、
    前記ソース・パス・パラメータを計算する前記手段(802)は、前記パス変更命令が作動されるときに、前記音源がソース・パス上に位置するのか補償パス上に位置するのかの時点を確認するように構成される、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記ソース・パス・パラメータを計算する前記手段(802)または前記補償パス・パラメータを計算する前記手段(808)は、前記音源が、前記補償パス上に位置するときは、第一計算仕様に基づいて前記補償パス・パラメータを計算し、前記音源が、前記ソース・パス上に位置するときは、第二計算仕様に基づいて前記パス・パラメータを計算するよう構成される、請求項13に記載の装置。
  15. 少なくとも3つの方向ゾーン第一方向ゾーン10a、第二方向ゾーン10b、第三方向ゾーン10c)にグループ化された複数のスピーカを制御する方法であって、各方向群(A、B、C)は、自群に関連付けられた方向群位置(11a、11b、11c)を有し、かつ、ステージの幾何学的区域を含む方向ゾーンに属し、
    前記方法は、音声源のソース・パスとして、第一方向群位置(11a)から第二方向群位置(11b)にかけて存在し、前記第一方向群位置および前記第二方向群位置に関する位置情報、及び前記ソース・パスについての動き情報として前記ソース・パス上の前記音声源の動きの速さを受信する工程(800)と、
    前記動き情報に基づいて、異なる時点で前記ソース・パス上の音声源の位置を表すソース・パス・パラメータ(FadeAB)を計算する工程(802)と、
    前記第三方向ゾーンへの補償パスを起動することにより、パスの変更命令を受信する工程(804)と、
    前記補償パス(15b)が前記ソース・パス(15a)から分かれる位置における前記ソース・パス・パラメータの値を格納する工程(806)と、
    前記ソース・パス(15a)、前記ソース・パス・パラメータ(FadeAB)の前記格納された値、及び前記補償パス(15b)に基づいて、前記3つの方向ゾーンの前記スピーカに対する重み係数を計算する工程(810)とを含む方法。
  16. コンピュータ・プログラムをコンピュータで実行すると、請求項15で請求された前記方法を実施するプログラム・コードを含む前記コンピュータ・プログラム。
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