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JP4907757B2 - 被曝量管理/制御システム - Google Patents

被曝量管理/制御システム Download PDF

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    • A61B6/545Control of apparatus or devices for radiation diagnosis involving automatic set-up of acquisition parameters

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動X線技術制御方法を蛍光透視用及び記録用X線撮影モードで使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光透視の機能によって、様々なX線手続き(procedure) に実時間撮影モードが提供される。手続きによっては、蛍光透視モードが、患者の内部の解剖学的構造を視覚化することにより記録装置の位置決め手段として使われる。そして、蛍光透視モードで得られたものと同じ画像が記録装置に与えられるため、適切に枠組みされた診断に適する画像が提供される。一般的に、この種の手続きには、最小の蛍光透視時間、一般的には5分未満の時間が必要となる。その他の手続きでは蛍光透視モードを主要モードとして使って、器具を体内に置き、医学的な介入を行い、蛍光透視画像に基づいて患者の医学的診断を行う。これらの手続きは長時間かかることがあり、また、2時間以上の大変長い時間に渡ってX線照射にさらされる必要がある。
【0003】
これらの各手続きに使われる最適なX線技術は、実施される医学的検査の種類と検査の目的によって変わる。例えば、血管に係る手続きでは、ヨード化された管を撮影するために、普通、70から90KVpの範囲のKVp設定値が必要とされる。他方、胃腸(GI)検査では、バリウム造影剤を透過させるためにより大きなKVpが好まれる。また、患者の大きさの関数としてこの技術を変えてもよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、このような多くの処理状況に直面するX線技術の制御システムは、可能な限り多くの臨床撮影の要件を受け入れるように設計されるのが望ましい。結果として、各状況に応じて最適な技術を提供するために、制御システムは多くの状況での手続きと患者に関する知識を必要とする。
【0005】
上述の処理を効率的に遂行するために制御される幾つかのパラメータ、即ち、複数の技術がある。これらには、KVp、mA、パルス幅(被曝時間)、画像の量子ノイズレベル(即ち、受像器入射被曝量または入射被曝率)が含まれる。また、焦点位置、X線ビーム・スペクトルの質、患者の入射放射線被曝率(即ち、空気カーマ(Kerma) )も含まれる。これらの各パラメータには、遭遇した必要な手続きと患者の大きさの各々に対して最適で唯一の設定値が与えられる。
【0006】
現状の制御法は、技術の設定を制御する機構としての輝度の制御に基づくものである。通常、1つの時点で1つのパラメータを制御する、即ち、独立の輝度を扱うループによる様々な方法を使って技術を設定する。よりよい画質の制御を行う別のアルゴリズムを使うことで、輝度の制御技術の動向に応じてバリエーションがあってもよいが、通常、一つの制御パラメータで制御動作を決定する。
【0007】
臨床的アプリケーションに応じて最適な技術の制御を行う輝度制御システムを提供することが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
被曝量管理/制御システム、並びにX線技術を選択する方法を提供する。画質に影響を与える最適なX線技術を前もって正確に決定することにより、これをアプリケーションで使うことができる。画質に影響しないパラメータを使って、閉ループの輝度制御と患者のモデルを組み合わせる。これを使って、知識ベースの制御システムとして動作する制御システムを作る。
【0009】
X線システム輝度制御システムは輝度を制御して、臨床的アプリケーションに最適な技術を提供する。輝度制御システムは、第1と第2の調整部を備える。第1の調整部は線量(dose)、即ち、輝度の調整部である。輝度調整部は4つの機能をもち、それには、最大mA制御、パワー制限、表皮線量制限、優先(override)機能が含まれる。第2の調整部は画質調整部である。第2の調整部は第1の調整部とは独立しているが、それと協調することにより輝度制御とは無関係にX線技術の最適化を行う。
【0010】
従って、本発明は輝度の調整と画質の調整を行うものである。そのため、輝度制御システムは、蛍光透視またはX線透視のアプリケーションのために最適な画質を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
被曝量管理/制御システムはモデルベースで開発されることが望ましい。この概念により、画質に影響を与える最適なX線技術を前もって決定することができる。患者のモデルについての知識と閉ループの輝度制御を組み合わせることで、知識ベースの制御システムとして動作する混成制御システムが作られる。閉ループの輝度制御では、画像の品質に影響を与えないパラメータが使われる。閉ループの動作によって、モデルに存在する不確かさを除去する。
【0012】
画質に影響を与えるモデルパラメータには、XVp、パルス幅、受像器入射被曝量または被曝率、焦点位置がある。また、X線ビーム・スペクトルの品質を制御するためのパラメータが使われる。制御システムはこれらの全パラメータを使い、それらをテーブルに格納することができる。テーブルは、患者の相対的大きさ、もしくは、吸収度によって索引を付けてもよい。患者の相対的大きさは、物理的な大きさではなく、X線吸収度を暗示させる。また、X線管電流mAもこれらのテーブルに基準値として存在する。もし、患者の吸収度のデータを入手できないなら、この基準値をデフォルト値として使ってもよい。
【0013】
画質に直接関与しない管電流は、X線ビームのコリメーションや線源-像間距離(SID)の変化に影響を受ける。それらのパラメータは患者の大きさには関与しない。このことは重要なことである。何故なら、線量の制御パラメータとしてmAを専用に使用しない制御システムではその他のパラメータを変更するからである。これらのパラメータには、コントラスト、解像度、S/N比が含まれる。これらのパラメータは、コリメーション、視野、線源−像間距離の関数として変更される。これらのシステム状態が発生するときに、この構想による単独のループによって管電流を独立に変化させるが、画質を制御する技術は変えない。一部のシステムでは、mAとkVpの組が制御システムとして使われる。このシステムは、入射線量のニーズを満足させることが画質に悪影響を与え、劣化させてしまうこともありうる構成の一例である。
【0014】
アプリケーション/医学的手続きの各々が異なるグループの技術を必要とするため、それぞれ別のテーブル、即ち、複数の画質軌跡が作られる。相対的に同じ大きさの患者についてのヨード造影剤撮影検査とバリウム造影剤撮影検査とでは、それぞれ異なる技術が要求される。各々の独自の1組の撮影要件については、患者の相対的大きさに対して完全な1組の技術がある。従って、それらの軌跡の幾つかに対してはニーズがある。
【0015】
適切な方法を用いて画質軌跡を作ることができる。コンピュータ・モデリングツールや、臨床的に好ましい適切なX線技術に関するアプリケーションで体験した知識を使うこともできる。また、先験的なコンピュータ・モデリングや実時間コンピュータ・モデリングを利用したり、また、手動で作成してもよい。コントラストやノイズや、小物体、例えば、ガイドワイアやステント(stint) を撮影する能力を具体的に検討してもよい。これらのパラメータは、特定の臨床的アプリケーションにのための軌跡を作成するときに使われる。これらを作成するにあたっては、X線管/X線生成器の制限がある。
【0016】
さらに、X線システムは無限のパワーをもたない。また、高品質の画像を得るために過度の放射線を使うこともない。従って、人工的な制限がシステムの能力に影響を与えるので、実際には、軌跡における最適な技術を獲得することになる。別個のループを組み入れることによって、閉ループの線量制御が所望の軌跡の値より優先することがある。線量要件を満足させることができる制御に対して制限があるときはいつも、この優先状態が発生する。このことは、システムのパワーの限界や外部調整による入射線量制限、あるいは、オペレータが不適切に位置決めした場合に発生することがある。
【0017】
ここで、図面を参照すると、図1は、蛍光透視能力とX線透視能力の両方をもつX線システム10を示す。そこで示されるシステム10では、アナログ検出器、即ち、イメージ増倍器12を使う。しかしながら、デジタル検出器をもつシステムに、ここで説明する模範構成を適用することも可能である。
【0018】
図1では、イメージ増倍管12は、X線管14によって作られたX線を受信する。管14は、アノード16とカソード18の連合構造をもつ。また、フィラメント・コントローラ17は高電圧用変圧器19と連合する。コリメータ20はX線を平行光に変える。X線が患者24等の被検体に送られる前に、スペクトルフィルタ22はそのX線を炉波することができる。最終的に、X線はイメージ増倍管12で受信され、その後、散乱線除去鉛格子26を通過する。画像は、カメラ28を介してモニタ30に出力される。様々な制御特徴と選択特徴が、被曝量管理部32、アプリケーション・データベース34、オペレータコンソール選択部36と関わる。
【0019】
蛍光透視またはX線透視によって、最適な品質の画像が得られる。X線を生成するために使われる特定の制御変数のレベルは、現在の患者の吸収特性に基づいて設定することが望ましい。この処理を自動化するためには、患者の吸収度を蛍光透視中に予測できることが望ましい。通常、手続き中の注目領域は、吸収特性が一定である体の特定の部分に限定される。断面の厚さ、患者の吸収特性をよく表す値とその予測値が、X線技術を選択する処理を自動化する際に使われる。
【0020】
実時間での監視/報告を行うために、患者の放射線被曝量、即ち、空気カーマを予測することがしばしば必要となる。ソフトウエアベースの放射線被曝量予測部は高価ではなく、また、ハードウエアベースの線量センサーの代わりとなる健康な組織を冒さないシステムである。健康な組織を冒さない代替システムとしては、X線の経路内に置かれないものがある。
【0021】
患者の特定の断面の厚さPは、そこで減衰するX線量と同じ量だけ減衰するアクリルガラスの厚さで表される。患者の表皮線量は、患者が横になるテーブルTに対する入射線量によって表される。アクリルの吸収度と人体の吸収度の関係を定義するためのモデルが明らかに必要である。このモデルは、体のどの部分をモデル化するかに依存する。また、スペクトルフィルタ22は、アルミニウム、銅、もしくは、その他の同様の金属のスライスから成る。
【0022】
被曝量管理部とそのコントローラは複数の機能を備えるが、その各々は輝度を改善する制御と技術の選択をオートメーションで行う機能を備える。図2のブロック50は、これらの各機能とシステム全体との関係を示す。好適な実施形態では、被曝量管理部とそのコントローラは共に実時間処理とバックグランド処理を行う。実時間処理には、線量調整部52と画質調整部54に対応する2つの調整用ループが含まれる。これら2つのループは、従来の輝度制御を行う1つの自動輝度制御ループに取って代わる。
【0023】
検出器入射線量調整部52は、瞬間線量、即ち、輝度を制御する制御ループである。パラメータmAにより、最適な画質とは無関係に、線量、即ち、輝度が制御される。このループは、線量の誤差、即ち、輝度の誤差だけに基づいて動作する。この輝度調整部の主な役割は過渡応答である。この固定的な動作は、画質調整部ループ54により相補的に決められる。
【0024】
画質調整部54は、画像を獲得するためのX線技術を適切な値で具体的に示すことにより、所望の品質の画像を提供するための処理を行う。このため、検査の種類と患者の大きさに関する知識が必要とされる。また、適切な技術を設定するために、手続き情報、システムの選択値、患者の大きさの値が使われる。これらの情報は、特定の検査に適するアクティブ画質軌跡(即ち、複数の技術データテーブル)と共に使われる。患者の相対的大きさの関数である、ロードされた画質軌跡に基づいて最適な撮影技術が選択される。この大きさは、画質調整部54で計算される。本システムのニューラルネットはX線スペクトラムに対して訓練されており、このニューラルネットによって撮影中に得られたデータがこの計算で使われる。本システムでは、患者の回りをパンニングすることで画像を取り込むときに適切なX線技術を確立してそれを維持することができる。コントラスト、患者線量、受像器被曝量または被曝率、画像の輝度、動きの不鮮明さのそれぞれを動的に制御することができる。これは、画像制御調整部の制御パラメータを用いて画質軌跡を補正することによってなされる。
【0025】
画質軌跡は、最適な品質の画像を提供するための鍵である。画質軌跡は、先験的、もしくは、実時間で生成することができる。この軌跡は被曝量管理サーバ58で管理される。そして、画質調整部でそれらの軌跡を使うことにより、最適な品質の画像を提供する。システム選択値と、手続き形態操作部56からの医学的手続きデータを、被曝量管理サーバ58に入力させてもよい。これが入力されると、各パラメータに対して適切な技術、即ち、軌跡を、患者の大きさの関数として求めることができる。このように、多くの異なる撮影条件が選択され、制御される。例えば、低線量(ニューロ論理のアプリケーション用)と高コントラスト(医学的介入)モードが選択される。被曝量管理サーバ58から出力された軌跡により、画質調整部の応答経路を手続き的に制御する。これは、画質軌跡に関する計算に基づいてなされる。このように画質と輝度/線量の制御を行うことにより、アプリケーションのニーズとユーザの好みを満足させることができる。
【0026】
図3は、線量/画質調整部の各々の間の関係と、それらの各々とX線システムとの関係を示す。これは、信号の入出力に基づいて示されている。線量調整部52は、本システムからのフィードバック信号である2つの入力値を受信する。これらは、結果としての入射被曝量、センサーフィードバック値90、実mA値88の被曝をもたらしたmA値を表すものである。また、3つの制御基準信号、即ち、最適化入射基準線量60、最適化KVp値92、最適化mA値63が入力される。これらの信号はフィードバック入力88,90と共に、出力される計算mA値を制御する処理に使われる。
【0027】
図3の画質調整部54は、優先信号86を生成する。4つの実技術入力信号と共に、線量調整部52からの信号86が送信される。この4つの信号には、センサーフィードバック90、実mA88、実mA87、実KVp89が含まれる。これらの入力に基づいて、患者の予測に役立つX線技術情報を供給する。画質調整部54からの4つの出力は、最適化されたX線技術を表す。これらには、最適化入射基準線量60、最適化KVp92、最適化被曝時間93、最適化mA値63が含まれる。
【0028】
図4に示されたIQ調整部は、適切なIQ特性を作るために適切な技術と所望の受像器被曝率を提供する。その技術には、KVp、パルス幅、焦点位置、X線ビームのスペクトル品質が含まれる。画質特性には、コントラスト、S/N比、動きの停止度が含まれる。これらは、臨床的条件に合うように、また、実際の医療に合う特定の患者表皮線量となるように作られる。このため、異なる臨床的ニーズに合わせるために画質調整部はプログラマブルである。これらの目的を達成するために、画質調整部54は2つの主構成要素を備える。これら2つの主構成要素には、患者吸収度(相対的大きさ)演算部92とプログラマブル技術軌跡58が含まれる。これらの両構成要素は患者の吸収度に基づいて動作する。
【0029】
X線の生成原理によれば、特定のパラメータが既知であれば、その他のパラメータを決定することができる。既知のパラメータには、複数の制御信号(実kVp90、実mA87)が含まれる。また、これらの既知のパラメータには、システム設定値99(例えば、視野、詳細度、線源-像間距離,線源-対象物間距離,アプリケーション手続き等)が含まれる。さらに、これらの既知のパラメータには、X線ビームのスペクトル品質(スペクトル濾波100)と患者情報(患者の厚さ93)が含まれる。これらの既知のパラメータにより、センサーフィードバック90信号(受像器で吸収されたエネルギー)を一意的に決定することができる。また、これらの既知のパラメータにより、患者表皮線量と受像器入射線量を一意的に決定することができる。
【0030】
しかしながら、本発明によって解決される問題は、以下のものである。即ち、制御信号(kV,mA)、システム設定(視野、詳細度、線源−像間距離, 線源−対象物間距離, アプリケーション手続き等)、X線ビームのスペクトル品質(スペクトル濾波情報:Alの厚さ、Cuの厚さ等)、特定の測定値(センサーフィードバック信号、基準輝度での受像器線量)が知られている。本発明の原理を適用することで、患者の厚さとそれに対応する患者表皮線量を求めることができる。これには因果関係が明らかにない。
【0031】
ニューラルネットワーク(患者吸収度演算部92)を使って、この複雑な入力/出力の関係を作ることができる。ニューラルネットワークのパラメータは、ノード(即ち、ニューロン)間の相互接続の強度を表す重みと、一部のノードの閾値である。ニューラルネットは、前方接続だけをもつフィードフォワード構造、もしくは、再帰的に、左右に、または、後方に接続された重みをもつ反復構造を持ってもよい。
【0032】
ニューラルネットワークは、学習(即ち、訓練)段階と実行段階を含む2段階を実行する。学習段階の目的は、ネットワークを実行段階で正しく機能させる適切なパラメータを決定することである。ニューラルネットワークを、複雑な機能、特に、非因果関係を処理するように訓練することができる。
【0033】
ニューラルネットワークのトポロジーにより、決定されるパラメータの数が規定される。実際には、学習段階では、超次元空間で非線型超曲線によるフィッティングを行う。この段階は、最小化する目的関数を所望の出力とニューラルネットの出力間の誤差とする最適化問題である。この誤差関数の最小値を求めるために探索方向が計算される。この探索空間の次元は、決定されるニューラルネットワークのパラメータの数に等しく、また、この空間の軸の各々は、1つのパラメータである。この段階で使われる最も普通の最適化アルゴリズムは、周知の「最急降下(steepest descent)」法で近似値を求める「後方伝搬」法である。まず、誤差関数を最急降下させる探索方向を計算する。次に、その方向に沿って適切なステップサイズを計算する。この処理は、誤差関数が基本的に零になるまで反復的に繰り返される。この学習段階では、入力とそれに対応する所望の出力を含むデータセットを利用する。この段階では、このデータのほんの一部を使って上述の最適化処理を行う。
【0034】
ニューラルネットワークの最終的なパラメータは、学習段階の最後で得られる。次の段階では、この訓練されたニューラルネットワークに元のデータセットのデータサブセットを供給する。ここで、このデータサブセットは訓練段階で(それらに対応する所望の出力なしで)入力されたものである。ニューラルネットワークの(その入力セットに対する)「実出力」を比較するには、「所望の出力」を妥当性測定基準として用いる。この測定基準は、誤差の平方和や誤差平方和の平均の平方根等である。もし、その評価結果が満足のいくものであれば、この結果をすぐにオンライン実行等の実行環境で使うことができる。もし、この最終的な結果が満足のいくものでなければ、データセット、ニューラルネットワーク構造、最適化アルゴリズム等の特定のパラメータを再検討する必要がある。
【0035】
患者の厚さと患者の線量レベルは、kVpと平均mAの情報に基づいて推定する。また、それは、検出器の入射線量を代表する線量サンプル値に基づく。また、それは、基準輝度信号レベルに校正される入射線量に基づく。また、X線ビームスペクトル品質(HVL;銅フィルタの厚さとアルミニウムフィルタの厚さを含むスペクトルフィルタ情報による)も使用される。最終的には、X線管ゲイン(mA/mAs)が用いられる。各入力変数は正規化されて、そのモデルに送られる。各出力変数を真の値に戻すためには、それを「逆正規化」する必要がある。このニューラルネットワークのモデルは、まず、物理ベース・モデルによって生成されるか、もしくは、研究室環境で収集した大きなデータセットのサブセットで訓練される。この訓練段階が首尾よく完了したあと、このニューラルネットワークは、このデータセットの残りのサブセットでテストされる。
【0036】
ここで図4を参照すると、パンニングに伴う患者の吸収度の変化に合わせて特定の技術から別の技術に変えるために、コントローラを使って実行点を滑らかに遷移させることができる。相対吸収度演算器92は、mA87、kVp89、ブロック99のシステム設定値、センサーフィードバック(SensorFdbk)等を入力する。吸収度演算器92の出力を使い、好適な実施形態に係る軌跡関数58によって最適な技術を決定する。関数58を実行するには幾通りかの方法がある。ここでは、他でも必要とされるかもしれない最適化のための探索に必要な計算時間を減らすためにルックアップテーブルを選んだ。
【0037】
図4では、線量ループからの優先信号86もちょうどこの場所で加算される。
この線量ループが飽和状態でなければ、優先入力値は無効(零)であり、計算された吸収値に対する寄与は何もない。もし、この線量ループが所定の極限状態に到達すると、この優先信号は立ち上がるかまたは立ち下がり、実際より大きいかまたは小さい人工的な吸収値を生成する。この線量ループが再び極限状態から抜け出すまでこの処理は継続する。
【0038】
加算器93が決定し出力した吸収値は、特定の大きさの患者を臨床撮影するニーズに合った適切な技術を決定する軌跡関数58に与えられる。好適な実施形態では、最適化された技術を含む複数のルックアップテーブルのグループが作られる。ここで、一つのテーブルは各臨床的ニーズに対応するものである。
【0039】
被曝シーケンス中での次の被曝処理のために、最適化kVp92、最適化被曝時間、最適化入射線量94、最適化mA95、焦点位置97、スペクトルフィルタ選択98の各技術がシステム高電圧生成器に与えられる。被曝シーケンスでのニーズに応じてしばしばこれらの手続きを繰り返することによって、ユーザが見るモニタ上で所望の質の画像を維持することができる。
【0040】
図5は、図3の線量調整部52の様々な機能の内訳を示す。限界点である最大mAを計算するワット・リミッタ70と線量リミッタ68の2つのリミッタ機能がある。これは、動作kVpと現在の線源から表皮までの距離に依存する。ワットリミッタ70は、高電圧生成器19等のシステム構成要素の限界値やX線管17の限界値に合わせて、調整部によって要求されるパワーの制限を行う。これらの限界値の各々の計算結果はmA演算部69によるmA値と比較されて、その最低値がmA演算値66として出力される。
【0041】
そのmAの演算によれば、最適化入射線量60とセンサーフィードバック90を比較して、必要とされる適切な最大mAを決定する。即ち、センサーフィードバック90を最適化入射線量60と等しくすること要求される。この値は限界値と比較された後に出力されて、次の被曝を起こすために使われる。入力された実mA87を使ってmA演算部69のゲインを制御するので、閉ループ処理での応答は安定する。その出力である装置ゲイン71はmA演算部69で使われるゲイン値を表す。必要とされるmA出力72は、最適化入射線量60を満足させるmAである。演算されたmA66が上述のように制限されると、必要とされるmAと計算されたmAとの差は最適化入射線量60を満足させるために必要な増分を示す。
【0042】
線量リミッタ68、もしくは、ワットリミッタ70のいずれか一方がmAの演算を制限するときはいつも、最適な入射線量60は得られない。これには幾つかの理由がある。限界以上のmAに対するニーズを引き起こすような極端なSIDでガントリを動作させると、ワットリミッタ70は、演算されたmA値の出力をクランプする。もし、表皮線量の限界に達すると、線量リミッタ68は演算されたmA値の出力をクランプして、この限界以上の照射が起こらないようにする。非最適な技術によってシステムを満足できる動作点にもってゆくために優先関数67が使われる。従って、実際の患者の大きさを予測するためのテーブルによって得られた技術を増やす手段が必要である。優先関数67は、最適化入射線量を満足させる必要のあるmAに基づいて他の患者の大きさのデータを提供する。
【0043】
本発明を好適な実施形態を用いて説明したが、本発明の範囲から離れることなしに、当業者は様々な変更を行うことができ、また、構成要素をそれと等価なものに置き換えることができることも理解すべきである。その上、本範囲から離れることなしに特定の状態や素材を本発明で教示にしたものに適応させるために多くの修正が可能である。従って、本発明は、本発明を実施するために考えられベストモードとして開示された特定の実施形態に限定されることはないが、添付の請求項の範囲にある全ての実施形態を本発明が含むという意図がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光透視能力とX線透視能力の両方を備える本発明を実施するX線システムのブロック図である。
【図2】本発明の被曝量管理/制御システムの機能を示すフローチャートである。
【図3】図2の輝度調整部の機能を示す模式的ブロック図である。
【図4】図2の画質に関する優先機能の特徴を示す模式的ブロック図である。
【図5】図2の画質調整部の機能を示す模式的ブロック図である。

Claims (3)

  1. 画像品質に影響を与えるパラメータを決定する手段と、
    画像当たりの受像器線量を決定する手段と、
    前記決定したパラメータと画像当たりの受像器線量を使って、患者の吸収度を計算する手段と、
    前記患者の吸収度の計算値と線源−像間距離を含む所定の臨床的撮影要件を使って、最適化mA値を決定する手段と、
    を備え、
    前記最適化mA値を決定する手段が、前記受像器線量を決定する手段と前記吸収度を計算する手段とが繰り返し実行されたときに、前記画像品質に影響を与えるパラメータを変えずに、計算された前記吸収値と前記所定の臨床的撮影要件を使って、新たな最適化mA値を決定し、
    前記画像品質に影響を与えるパラメータが、KVp値パルス幅いずれかつ以上及び、焦点位置を含み、
    線量リミッタ(68)、もしくは、ワットリミッタ(70)のいずれか一方が前記最適化mA値を制限する場合、実際より大きいかまたは小さい人工的な吸収値を生成する手段を更に備え、
    前記人工的な吸収値前記所定の臨床的撮影要件を使って、前記新たな最適化mA値が決定され、
    線量調整部(52)と画質調整部(54)と、手続き形式操作部(56)とを備え、
    前記手続き形式操作部(56)が前記パラメータを決定する手段を備え、
    前記画質調整部(54)が、前記人工的な吸収度に基づいて計算を行い、前記最適化mA値を決定する手段とを備え、
    前記線量調整部(52)が前記人工的な吸収値を生成する手段(86)を備え、
    前記線量調整部(52)と前記画質調整部(54)が実時間で繰り返し実行され、前記画像品質に影響を与えるパラメータと前記最適化mA値を決定することを特徴とする、ヨード造影剤撮影検査とバリウム造影剤撮影検査の双方を実行可能な制御システム。
  2. 患者の大きさが、実際のパラメータまたはモデル化したパラメータと入射線量データとを使って訓練されたニューラルネットワークによって計算され、
    前記画像品質に影響を与えるパラメータは、先験的に定められた複数の最適なパラメータを備えるルックアップテーブルを使って決定されることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記画質調整部は、X線管照射を独立した輝度制御として使い、前記線量調整部は、測定された入射線量と基準線量を比較することによって入射線量誤差を決定する手段と、前記X線システムの限界を保護するためにパワー出力を制限する手段と、患者が調整限度もしくは所望のレベルを越えて被曝することを妨ぐ手段と、を備えることを特徴とする請求項1の制御システム。
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