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JP4901451B2 - 部品実装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着ノズルに吸着された部品と電子回路基板との相対的な位置関係を補正するための撮像手段を有する部品実装装置に関し、さらに詳しくは、該撮像手段は撮像倍率を変更でき、且つ、撮像倍率変更時の光軸の位置の補正と正確な撮像倍率の把握を簡易に行うことができる部品実装装置に関する。
電子部品の電子回路基板への実装においては、電子回路基板に電子部品を正確に装着し、実装品質を向上させることが要求されるが、近年、電子部品の小型化・多種類化が進んでおり、この要求を満たすことには困難が伴うようになってきている。
これに対応するため、特許文献1には、ズームレンズにより画像倍率を変更できるようにし、最適視野で部品認識することができる部品装着装置が記載されているが、この部品装着装置は、撮像倍率を変更した時に光軸がずれるため、電子回路基板上への電子部品の搭載に高精度を要求される場合に適用することが難しかった。
かかる部品装着装置の部品搭載精度を向上させる技術としては、特許文献2に、認識視野を変更するごとにノズル中心位置を計測し、取得したノズル中心位置データといままでの視野のノズル中心位置データとの相対位置を計算し、最新視野におけるノズル位置補正データを取得できる部品装着装置が記載されている。
図10に、特許文献2に記載の前記部品装着装置の全体概略図を示す。1は電子回路基板、2は電子回路基板1を搬入搬出する搬送部、3及び4は部品供給部、5はXYロボット、6は電子部品を吸着・装着するノズルを含むヘッド部である。XYロボット5は、ヘッド部6を任意の位置に位置決めする。7は電子部品の吸着姿勢を撮像計測するズームレンズ付き部品認識カメラ(第2撮像手段)で、8は交換用ノズル先端部を備えたノズルステーションである。
図11は、特許文献2に記載の前記部品装着装置における、電子回路基板1、ヘッド部6、ズームレンズ付き部品認識カメラ7及びノズルステーション8の詳細図である。図11にて、電子回路基板1は、電子部品25(図示していないフィーダより吸着した部品)を実装するランド9と、ランド9の位置を計測するためにランド9に対して正確に配置されたICマーク10a及び10bとを有する。また、図11にて、ヘッド部6は、上下に昇降し且つ回転方向に自由に位置決めできるノズル11を有し、更に、基板用カメラ12、レンズ13及び照明14からなり電子回路基板1上にフォーカス面を持つ基板認識カメラユニット27(第1撮像手段)を有している。また、図11にて、ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)は、部品用カメラ16、ズームレンズ17、鏡筒18、照明接続部26、及びLED照明を備えた照明部21からなる。また、図11にて、ノズルステーション8には、装着する電子部品に応じて交換されるノズル先端部24が備えられている。
特許文献2に記載の前記部品装着装置においては、電子回路基板1に設けられた基板マーク40、41、もしくはICマーク10a、10bをヘッド部6に設けられた基板認識カメラユニット27(第1撮像手段)が読み取る。部品供給部から供給された電子部品25をヘッド部6に設けられたノズル11が吸着する。ノズル11に吸着された電子部品25を、ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)により撮像して電子部品25の位置を計測する。ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)が計測した電子部品25の位置と、基板認識カメラユニット27(第1撮像手段)が読み取った基板マーク40、41、もしくはICマーク10a、10bの位置から、電子部品25あるいは電子回路基板1を相対的に補正移動して電子部品25を電子回路基板1に装着する。
特許文献2に記載の前記部品装着装置において、撮像視野変更後に、ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)により、ノズル11のノズル位置補正データを取得する方法としては、以下の2つがある。
(1)固定比較法
この装置の標準視野でのノズル中心位置データを取得したときの画像中心位置から、標準視野でのノズル中心位置までの距離をノズル中心オフセット値とする。そして、撮像視野を変更するごとに、ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)で前記ノズルの中心位置を計測し、標準視野でのノズル中心位置と、撮像視野変更後のノズル中心位置との差をノズル位置補正データとして求める。
(2)順次比較法
この装置の標準視野でのノズル中心位置データを取得したときの画像中心位置から、標準視野でのノズル中心位置までの距離をノズル中心オフセット値とする。そして、撮像視野を変更するごとに、ズームレンズ付き部品認識カメラ7(第2撮像手段)で前記ノズルの中心位置を計測し、撮像視野変更前のノズル中心位置と、撮像視野変更後のノズル中心位置との差をノズル位置補正データとして求める。
なお、上記の両方法とも、視野の違いによる長さ補正(撮像倍率の補正)も行った上で、最新の撮像視野におけるノズル位置補正データとして保存する。以後、撮像視野を変えるまで、この最新の撮像視野におけるノズル位置補正データにより電子部品の装着をする。このようにして、ズームレンズの倍率変更時に生じる光軸ずれによる部品搭載位置のずれ量を補正している。
特開平2−226484号公報 特開2000−294996号公報
しかしながら、特許文献2に記載の部品装着装置では、XYロボットで位置決めしているノズルを、ズームレンズの光軸のずれ量の検出に使用しているため、検出された光軸のずれ量にXYロボットの位置決め誤差が残ってしまう。また、光軸のずれ量の検出のために、部品を吸着していないノズルのみでの撮像が必要となり、部品の吸着搭載動作とは無関係な動作をXYロボットがする必要があり、部品の搭載速度に大きな悪影響を与えてしまう。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、ズームレンズの光軸のずれ量の検出値にXYロボットの位置決め誤差が残らず、且つ、光軸のずれ量の検出を行っても部品の搭載速度への悪影響を最小限に抑えることができる部品装着装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、吸着ノズルに吸着された部品を撮像する撮像手段において、部品の方向を向いたカメラの前方に配置するズームレンズの前方に、該ズームレンズの光軸上に位置するようにビームスプリッタを配置して、このビームスプリッタによりカメラに2方向から光が入射できるようにするとともに、その2方向からの光を切り替えて別々にカメラに入射できるようにすることで前記課題を解決できると考え、研究開発を進めた。
そして、吸着ノズルに吸着された部品からの反射光だけでなく、ズームレンズの光軸のずれ量の検出および撮像倍率の把握をするための補正用マークを認識するための光も、カメラに切り替えて入射できるようにすることで前記課題を解決できることを見出し、本発明をするに至った。
また、基板上の基板マークや、すでに基板に搭載した部品を撮像する撮像手段においても、部品を撮像する前記撮像手段と同様な機能を具備させることで、基板上の基板マーク等の位置を正確に把握でき、有益であることを見出した。
即ち、本発明に係る部品装着装置の第一の態様は、平面方向に移動するヘッドと、該ヘッドに配置された部品吸着用の吸着ノズルと、該吸着ノズルに吸着された部品を撮像するための撮像手段と、前記ヘッドを平面方向に移動させる移動手段と、前記吸着ノズルを昇降させる昇降手段と、前記吸着ノズルで部品を吸着して所定の部品搭載位置に該部品を搭載するために、前記昇降手段及び移動手段を制御する制御部とを備えた部品実装装置において、前記撮像手段は、部品方向を向いたカメラと、該カメラの前方に配置され、撮像倍率を変更することができるズームレンズと、該ズームレンズの前方であって、且つ、該ズームレンズの光軸上に配置されたビームスプリッタと、前記光軸の位置および前記撮像倍率を補正するための補正用マークと、前記吸着ノズルに吸着された部品を照らす第一の照明装置と、前記補正用マークを照らす第二の照明装置と、を備えており、前記カメラは、前記部品と前記補正用マークとを別々に撮像することができ、前記ズームレンズの撮像倍率を変更する際に、前記補正用マークを撮像して、撮像倍率変更後の前記ズームレンズの光軸の位置および撮像倍率を求め、それによって、撮像倍率変更後に撮像した部品の認識位置の補正を行うようにされていることを特徴とする。
本発明に係る部品装着装置の第二の態様は、水平方向に移動するヘッドと、該ヘッドに設けられ、撮像対象物を撮像する撮像手段と、該ヘッドに配置された部品吸着用の吸着ノズルと、前記ヘッドを水平方向に移動させる移動手段と、前記吸着ノズルを昇降させる昇降手段と、前記吸着ノズルで部品を吸着して所定の部品搭載位置に該部品を搭載するために、前記昇降手段及び移動手段を制御する制御部とを備えた部品実装装置において、前記撮像手段は、撮像対象物の方向を向いたカメラと、該カメラの前方に配置され、撮像倍率を変更することができるズームレンズと、該ズームレンズの前方であって、且つ、該ズームレンズの光軸上に配置されたビームスプリッタと、前記光軸の位置および前記撮像倍率を補正するための補正用マークと、前記撮像対象物を照らす第一の照明装置と、前記補正用マークを照らす第二の照明装置と、を備えており、前記カメラは、前記撮像対象物と前記補正用マークとを別々に撮像可能であり、前記ズームレンズの撮像倍率を変更する際に、前記補正用マークを撮像して、撮像倍率変更後の前記ズームレンズの光軸の位置および撮像倍率を求め、それによって、撮像倍率変更後に撮像した撮像対象物の認識位置の補正を行うようにされていることを特徴とする。
ここで、撮像対象物とは、例えば、部品を搭載する基板または該基板上に搭載された部品である。
前記部品と前記補正用マークの撮像の切替え、及び前記撮像対象物と前記補正用マークの撮像の切替えは、例えば、シャッタにより行うことができる。シャッタとしては、ロータリーシャッタや液晶シャッタを用いることができる。
前記補正用マークとしては、例えば、矩形の4つの頂点に中心が位置する4つの円からなるものを用いることができる。
本発明に係る部品装着装置によれば、吸着ノズルに吸着された部品あるいは撮像対象物からの反射光だけでなく、ズームレンズの光軸のずれ量の検出および撮像倍率の把握をするための補正用マークが印された板状体からの透過光又は反射光も、切り替えて別々にカメラに入射できるようにしているので、撮像倍率の変更後のズームレンズの光軸のずれ量の検出値には、XYロボットの位置決め誤差が残らず、且つ、光軸のずれ量の検出を行っても部品の搭載速度への悪影響を最小限に抑えることができる。さらに言えば、照明の切替えにより補正用マークと対象物の画像を瞬時に切替えられるので、温度変化があったような場合であってもリアルタイムに光軸のずれ量の検出を行い、補正を行うことができる。また、所定の補正用マークを用いることにより、ズームレンズの光軸のずれ量の検出と同時に、撮像倍率の把握も行うことができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例の主要な構成を示す斜視図である。
本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例である表面実装装置50は、基台52と、搬送路54と、電子回路基板56と、供給部58と、パーツフィーダ60と、X軸フレーム62と、移載ヘッド64と、Y軸フレーム66A、66Bと、部品撮像手段68A、68Bとを有してなる。
基台52の中央部にはX方向に搬送路54が配設されている。搬送路54は電子回路基板56を搬送するとともに、搬送路54上で電子回路基板56を保持し、位置決めをする。したがって、搬送路54は電子回路基板56の保持部を兼ねている。搬送路54の両側には、電子部品の供給部58が配置され、それぞれの供給部58には多数台のパーツフィーダ60が並設されている。パーツフィーダ60はテープに保持された電子部品を収納し、このテープをテープ長手方向に送ることにより電子部品を順次供給する。
X軸フレーム62には、電子部品の移載ヘッド64がX軸方向に移動自在に装着されている。X軸フレーム62は、その両端部がY軸フレーム66AおよびY軸フレーム66BにY軸方向に移動自在に支持されて架設されている。また、移載ヘッド64及びX軸フレーム62は、X軸モータ及びY軸モータ(図示せず)により駆動され、それぞれX軸方向およびY軸方向に移動自在となっている。このような機構により、移載ヘッド64はXY方向に任意に移動可能になっている。そして、移載ヘッド64の下端部に装着された吸着ノズル90(図2参照)により、パーツフィーダ60のピックアップ位置から電子部品を吸着してピックアップし、電子回路基板56上に移載する。
また、電子回路基板56と供給部58との間には、部品撮像手段68A、68Bが夫々配設されており、部品撮像手段68A、68Bは、移載ヘッド64、吸着ノズル90、及び吸着ノズル90が吸着保持する電子部品を下方から撮像することが可能である。移載ヘッド64は、吸着ノズル90で電子部品を吸着保持した状態で部品撮像手段68A又は68Bの上方に移動する。そして、部品撮像手段68A又は68Bが、吸着ノズル90が電子部品を吸着保持した状態を撮像する。部品撮像手段68A又は68Bのどちらで撮像するかは、電子部品を吸着保持した吸着ノズル90の移動距離が短くなる方を選択する。このようにして撮像を行い、吸着ノズル90に吸着された電子部品の識別および位置ずれの検出を行う。
次に、図2を用いて部品撮像手段68A、68Bを詳細に説明する。図2は、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例における部品撮像手段68A、68Bの構成を模式的に示す図である。部品撮像手段68A、68Bは、上方を向いた部品撮像カメラ70と、撮像倍率を変更できるズームレンズ72と、ズームレンズ72の撮像倍率を変更するためにズームレンズ72を駆動するモータ74と、入射した光を2方向に分けるためにズームレンズ72の光軸上に配置されたビームスプリッタ76と、ズームレンズ72の光軸および撮像倍率を補正するための補正用マーク78(図4参照)が印された板状体80と、ビームスプリッタ76を間にして対向して配置された同軸照明装置82及び透過照明装置84と、補助的な照明装置である斜光照明装置86と、部品撮像手段68A、68Bの内部に塵埃が侵入するのを防止するカバーガラス88とを有してなる。
ビームスプリッタ76の左側に配置された同軸照明装置82の前面には拡散板82Aが配置されており、同軸照明装置82から発せられた同軸LED光を散乱させ、ビームスプリッタ76に光を均一に照射させる。ビームスプリッタ76に照射された光はビームスプリッタ76により方向を上向きに変えられ、カバーガラス88を透過し、吸着ノズル90に吸着された電子部品92に照射される。電子部品92に照射されて反射した光は直進し、部品撮像カメラ70内に入り、電子部品92が撮像される。斜光照明装置86は、吸着ノズル90が吸着保持した電子部品92に対して、比較的浅い角度の下方から光を照射する。ビームスプリッタ76の右側には透過照明装置84が配置され、その前面に配置された板状体80の裏面に光を照射する。板状体80の裏面に照射された光は板状体80を透過し、この透過した光はビームスプリッタ76で下方に向きを変え、部品撮像カメラ70内に照射され、補正用マーク78(図4参照)が撮像される。
電子部品92の撮像と補正用マーク78の撮像は、同軸照明装置82及び透過照明装置84の通電を切り替えることで、それぞれ別個に行う。あるいは、図3に示すように、カバーガラス88とビームスプリッタ76との間、及び透過照明装置84とビームスプリッタ76との間にロータリーシャッタ87を設け、ロータリーシャッタ87の切替えにより、電子部品92の撮像と補正用マーク78の撮像をそれぞれ別個に行ってもよい。また、ロータリーシャッタ87に替えて、カバーガラス88とビームスプリッタ76との間、及び透過照明装置84とビームスプリッタ76との間に液晶シャッタ(図示せず)を設けて、電子部品92の撮像と補正用マーク78の撮像を別個に行ってもよい。
また、透過照明装置84に替えて、あるいは透過照明装置84とともに、板状体80の前面を、板状体80の法線方向に対して比較的浅い角度の左方から光を照射する斜光照明装置89で照らし、補正用マーク78を撮像してもよい。
次に、補正用マークについて説明する。補正用マークは、例えば、長方形の4つの頂点に中心が位置する4つの円からなるものを用いることができるが、正方形の4つの頂点に中心が位置する4つの円78A、78B、78C、78Dからなる補正用マーク78(図4参照)を用いた方が、計算処理が簡単になる。
図2において、補正用マーク78が印された板状体80は、ビームスプリッタ76に向かう方向と直交し、且つ、補正用マーク78が印された板状体80の表面は鉛直方向と平行である。したがって、図4において、円78Aと円78Cの中心を結ぶ線は鉛直方向の線であり、円78Bと円78Dの中心を結ぶ線は水平面と平行であり、且つ、ビームスプリッタ76に向かう方向と直交する線である。
補正用マーク78を用いた場合、正方形の対角線上に位置する鉛直方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を、撮像倍率変更後の画像について求め、標準視野の場合と比較することで、画像の縦方向の倍率を求めることができ、水平方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を、撮像倍率変更後の画像について求め、標準視野の場合と比較することで、画像の横方向の倍率を求めることができ、画像の縦方向および横方向の両方向について撮像倍率の補正を行うことができる(固定比較法)。また、上下左右の4つの円からなる補正用マーク全体の重心位置を演算により求めるとともに、求めた重心位置を、画像の縦方向および横方向倍率で補正し、その補正した重心位置を標準視野における重心位置と比較して、光軸位置の補正値を算出することができる(固定比較法)。なお、撮像倍率の補正および光軸位置の補正は、固定比較法ではなく順次比較法を用いて行ってもよい。
次に、図5を用いて移載ヘッド64を詳細に説明する。図5は、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例における移載ヘッド64の主要な構成を示す斜視図である。
移載ヘッド64は、ノズル機構部64Aと、基板撮像手段64Bとからなる。ノズル機構部64Aには、Z軸モータ102、ボールねじ104、θ軸モータ106が設けられており、これらによりノズルシャフト108はZ軸方向およびθ軸方向に自在に駆動される。ノズルシャフト108の先端には、吸着ノズル90が着脱自在に係合される。ノズルシャフト108に真空発生装置(図示せず)が接続されることで、吸着ノズル90に電子部品が吸着保持される。
基板撮像手段64Bは、電子回路基板56に設けられた基板マークや、すでに搭載した電子部品を撮像して認識する撮像手段であり、下方を向いた基板撮像カメラ112と、撮像倍率を変更できるズームレンズ114と、ズームレンズ114の撮像倍率を変更するためにズームレンズ114を駆動するモータ116と、基板マーク等を照らす照明ユニット118と、を有してなる。
図6は、基板撮像手段64Bの構成を模式的に示す図である。照明ユニット118は、入射した光を2方向に分けるためにズームレンズ114の光軸上に配置されたビームスプリッタ122と、ズームレンズ114の光軸および撮像倍率を補正するための補正用マーク(図4参照)が印された板状体124と、ビームスプリッタ122を間にして対向して配置された同軸照明装置126及び透過照明装置128と、補助的な照明装置である斜光照明装置130と、照明ユニット118の内部に塵埃が侵入するのを防止するカバーガラス132と、光を通過させるために下面に設けられた開口部134とを有してなる。カバーガラス132は、照明ユニット118の上面に設けられており、ズームレンズ114の下方に近接した位置に設けられている。板状体124に印された補正用マークは、板状体80に印された補正用マーク78と同様のものを用いればよい。
ビームスプリッタ122の左側に配置された同軸照明装置126の前面には拡散板126Aが配置されており、同軸照明装置126から発せられた同軸LED光を散乱させ、ビームスプリッタ122に光を均一に照射させる。ビームスプリッタ122に照射された光はビームスプリッタ122により方向を下向きに変えられ、開口部134を通って、電子回路基板56に照射され、基板マーク等を撮像する。斜光照明装置130は、電子回路基板56に対して比較的浅い角度で光を照射する。ビームスプリッタ122の右側には透過照明装置128が配置され、透過照明装置128は、その前面に配置された板状体124の裏面に光を照射する。板状体124の裏面に照射された光は板状体124を透過し、この透過した光はビームスプリッタ122で上方に向きを変え、基板撮像カメラ112内に照射され、補正用マークが撮像される。
電子回路基板56上の基板マーク等の撮像と板状体124に印された補正用マークの撮像は、同軸照明装置126及び透過照明装置128の通電を切り替えることで、それぞれ別個に行う。あるいは、開口部134とビームスプリッタ122との間、及び透過照明装置128とビームスプリッタ122との間にシャッタ(図示せず)を設け、このシャッタにより、電子回路基板56上の基板マーク等の撮像と板状体124に印された補正用マークの撮像をそれぞれ別個に行ってもよい。シャッタとしては、例えば、ロータリーシャッタや液晶シャッタを用いることができる。
また、透過照明装置128に替えて、あるいは透過照明装置128とともに、板状体124の前面を、板状体124の法線方向に対して比較的浅い角度で左方から光を照射する斜光照明装置131で照らし、板状体124に印された補正用マークを撮像してもよい。
次に、図7を用いて、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例の制御について説明する。図7は、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての制御ブロック図である。
部品実装装置メイン制御部152は、部品データ(部品データには部品の種類や寸法等だけでなく、搭載する基板のデータも含まれる)を読み出し、基板搬送装置152Aにより電子回路基板56を搬送路54上の所定の位置に搬入するとともに、照明・ズーム制御部154に部品データを入力する。照明・ズーム制御部154は、入力された部品データに基づき、モータドライバ116Aでモータ116を駆動し、ズームレンズ114の倍率を変更し、基板撮像カメラ112による撮像倍率を変更した後、透過照明装置128に通電する指令を照明駆動部156に発し、板状体124に印された補正用マークを基板撮像カメラ112に撮像させる。
倍率変更後に撮像された補正用マークの画像は、画像認識処理部158により処理され、撮像倍率の補正およびズームレンズ114の光軸補正がなされる。具体的には、図4に示す補正用マーク78を用いた場合、画像認識処理部158は、正方形の対角線上に位置する鉛直方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を求めて、標準視野の場合と比較して画像の縦方向の倍率を求めるとともに、水平方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を求めて、標準視野の場合と比較して画像の横方向の倍率を求め、画像の縦方向および横方向の両方向について撮像倍率の補正を行う(固定比較法)。また、上下左右の4つの円からなる補正用マーク全体の重心位置を演算により求めるとともに、求めた重心位置を、画像の縦方向および横方向の倍率で補正し、その補正した重心位置を標準視野における重心位置と比較して、光軸位置の補正値を算出する(固定比較法)。なお、撮像倍率の補正および光軸位置の補正は、固定比較法ではなく順次比較法で行ってもよい。
その後、部品実装装置メイン制御部152が、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を電子回路基板56の基板マークの上方に移動させた後、照明・ズーム制御部154が同軸照明装置126及び斜光照明装置130に通電する指令を照明駆動部156に発し、電子回路基板56の基板マークを基板撮像カメラ112に撮像させる。
撮像された基板マークの画像は、画像認識処理部158により処理され、基板マークの位置が、先に求めた撮像倍率の補正値および光軸位置の補正値に基づき補正されて認識され、これらの補正値に基づき補正された基板位置のデータ(以下、基板位置補正データと記す)が得られる。
次に、照明・ズーム制御部154は、入力された部品データに基づき、モータドライバ74Aでモータ74を駆動し、ズームレンズ72の倍率を変更し、部品撮像カメラ70による撮像倍率を変更した後、補正用マークに光を照射するための透過照明装置84に通電する指令を照明駆動部156に発し、板状体80に印された補正用マークを部品撮像カメラ70に撮像させる。
倍率変更後に撮像された補正用マークの画像は、画像認識処理部158により処理され、撮像倍率の補正およびズームレンズ72の光軸補正がなされる。具体的には、図4に示す補正用マーク78を用いた場合、画像認識処理部158は、正方形の対角線上に位置する鉛直方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を求めて、標準視野の場合と比較して画像の縦方向の倍率を求めるとともに、水平方向に並んだ2つの円の中心(重心)間距離を求めて、標準視野の場合と比較して画像の横方向の倍率を求め、画像の縦方向および横方向の両方向について撮像倍率の補正を行う。また、上下左右の4つの円からなる補正用マーク全体の重心位置を演算により求めるとともに、求めた重心位置を、画像の縦方向および横方向の倍率で補正し、その補正した重心位置を標準視野における重心位置と比較して、光軸位置の補正値を算出する。
その後、部品実装装置メイン制御部152が、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を、対応するフィーダ(供給部58に含まれる)に格納された部品の上方に移動させ、吸着ノズル90で該部品を吸着させ、さらに、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を移動させて、吸着ノズル90に吸着された部品が部品撮像手段68A又は68Bの上方に位置するようにする。その後、照明・ズーム制御部154が同軸照明装置82及び斜光照明装置86に通電する指令を照明駆動部156に発し、吸着ノズル90に吸着された部品を部品撮像カメラ70に撮像させる。
撮像された部品の画像は、画像認識処理部158により処理され、部品の位置が、先に求めた撮像倍率の補正値および光軸位置の補正値に基づき補正されて認識され、これらの補正値に基づき補正された部品位置のデータ(以下、部品位置補正データと記す)が取得される。
次に、図8及び図9(本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての動作を示すフローチャート)を用いて、本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例の動作について説明する。図8は本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての動作の前半部を示すフローチャートであり、図9は後半部を示すフローチャートである。ただし、図7による前記説明と重複する箇所は簡略に説明する。
まず、部品実装装置メイン制御部152が部品データを読み出し、基板搬送装置152Aにより電子回路基板56を搬送路54上の所定の位置に搬入する(ステップS1)。部品実装装置メイン制御部152に読み出された部品データは照明・ズーム制御部154にも送られ、基板撮像手段64Bの撮像視野(撮像倍率)が適正かどうかが判断される(ステップS2)。適正な場合は、基板撮像手段64BがXY駆動装置152Bにより、基板マーク位置まで移動させられ(ステップS5)、基板マークの撮像がなされて基板マークが認識され、基板位置補正データが取得される(ステップS6)。適正でない場合は、基板撮像手段64Bの撮像倍率の変更処理がなされた後(ステップS3)、基板撮像手段64Bの撮像倍率の補正、及びズームレンズ114の光軸の補正がなされる(ステップS4)。その後、基板撮像手段64BがXY駆動装置152Bにより、基板マーク位置まで移動させられ(ステップS5)、基板マークの撮像がなされて基板マークが認識され、基板位置補正データが取得される(ステップS6)。
次に、部品実装装置メイン制御部152が部品データを再度読み出して(ステップS7)、該データを照明・ズーム制御部154に送る。照明・ズーム制御部154は、該データに基づき、部品撮像手段68A又は68Bの撮像視野(撮像倍率)が適正かどうかを判断する(ステップS8)。
部品撮像手段68A又は68Bの撮像視野(撮像倍率)が適正な場合は、部品実装装置メイン制御部152が、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を、対応するフィーダ(供給部58に含まれる)に格納された部品の上方に移動させ、吸着ノズル90で該部品を吸着させ(ステップS11)、さらに、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を移動させて、吸着ノズル90に吸着された部品が部品撮像手段68A又は68Bの上方に位置するようにする(ステップS12)。その後、吸着ノズル90に吸着された部品の撮像がなされて部品が認識され、部品位置補正データが取得される(ステップS13)。
部品撮像手段68A又は68Bの撮像視野(撮像倍率)が適正でない場合は、部品撮像手段68A又は68Bの撮像倍率の変更処理がなされた後(ステップS9)、部品撮像手段68A又は68Bの撮像倍率の補正、及びズームレンズ72の光軸の補正がなされる(ステップS10)。その後、部品実装装置メイン制御部152が、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を、対応するフィーダ(供給部58に含まれる)に格納された部品の上方に移動させ、吸着ノズル90で該部品を吸着させ(ステップS11)、さらに、XY駆動装置152Bで移載ヘッド64を移動させて、吸着ノズル90に吸着された部品が部品撮像手段68A又は68Bの上方に位置するようにする(ステップS12)。その後、吸着ノズル90に吸着された部品の撮像がなされて部品が認識され、部品位置補正データが取得される(ステップS13)。
次に、部品がチップ部品かどうかが判断され(ステップS14)、チップ部品であれば、基板位置補正データ及び部品位置補正データを用いて、部品搭載位置補正データが演算で求められる(ステップS15)。
部品がチップ部品でなく、ICあれば、電子回路基板56上のICマークを認識する必要があるため、まず、照明・ズーム制御部154は、部品データに基づき、基板撮像手段64Bの撮像視野(撮像倍率)が適正かどうかを判断する(ステップS16)。適正な場合は、基板撮像手段64BがXY駆動装置152Bにより、目的とするICマーク位置まで移動させられ(ステップS19)、目的とするICマークの撮像がなされてICマークが認識され、ICマーク位置補正データが取得される(ステップS20)。適正でない場合は、基板撮像手段64Bの撮像倍率の変更処理がなされた後(ステップS17)、基板撮像手段64Bの撮像倍率の補正、及びズームレンズ114の光軸の補正がなされる(ステップS18)。その後、基板撮像手段64BがXY駆動装置152Bにより、目的とするICマーク位置まで移動させられ(ステップS19)、目的とするICマークの撮像がなされてICマークが認識され、ICマーク位置補正データが取得される(ステップS20)。次に、取得されたICマーク位置補正データ及び部品位置補正データを用いて、部品搭載位置補正データが演算で求められる(ステップS21)。
次に、ステップS15又はステップS21で求められた部品搭載位置補正データに基づき、部品の装着がなされる(ステップS22)。全部品が終了すればそのまま終了し、全部品が終了していなければ、ステップ7にもどって部品の装着を続ける(ステップS23)。
以上述べてきたように、本発明に係る前記実施形態によれば、吸着ノズルに吸着された部品あるいは電子回路基板上の基板マーク、ICマークからの反射光だけでなく、ズームレンズの光軸のずれ量の検出および撮像倍率の把握をするための補正用マークが印された板状体からの透過光又は反射光も、切り替えて別々にカメラに入射できるようにしており、カメラへの入射光を切り替えるのみで撮像倍率の変更後のズームレンズの光軸のずれ量を検出することができ、光軸のずれ量の検出を行っても部品の搭載速度への悪影響を最小限に抑えることができる。さらに言えば、照明の切替えにより補正用マークと対象物の画像を瞬時に切替えられるので、温度変化があったような場合であってもリアルタイムに光軸のずれ量の検出を行い、補正を行うことができる。また、補正用マークが印された板状体の位置は固定されており、撮像倍率の変更後のズームレンズの光軸のずれ量の検出値には、XYロボットの位置決め誤差が残らない。また、図4に示すような補正用マークを用いることにより、ズームレンズの光軸のずれ量の検出と同時に、撮像倍率の把握も行うことができる。
本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例の主要な構成を示す斜視図 本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例における部品撮像手段68A、68Bの構成を模式的に示す図 部品撮像手段68A、68Bにおけるロータリーシャッタ87を模式的に示す図 補正用マーク78の一例を示す図 本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例における移載ヘッド64の主要な構成を示す斜視図 基板撮像手段64Bの構成を模式的に示す図 本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての制御ブロック図 本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての動作の前半部を示すフローチャート 本発明に係る部品装着装置の実施形態の一例についての動作の後半部を示すフローチャート 特許文献2に記載の部品装着装置の全体概略図 特許文献2に記載の部品装着装置における、電子回路基板1、ヘッド部6、ズームレンズ付き部品認識カメラ7及びノズルステーション8の詳細図
符号の説明
50…部品実装装置
52…基台
54…搬送路
56…電子回路基板
58…供給部
60…パーツフィーダ
62…X軸フレーム
64…移載ヘッド
64A…ノズル機構部
64B…基板撮像手段
66A、66B…Y軸フレーム
68A、68B…部品撮像手段
70…部品撮像カメラ
72…ズームレンズ
74…モータ
74A…モータドライバ
76…ビームスプリッタ
78…補正用マーク
80…板状体
82…同軸照明装置
82A…拡散板
84…透過照明装置
86…斜光照明装置
87…ロータリーシャッタ
88…カバーガラス
89…斜光照明装置
90…吸着ノズル
92…電子部品
102…Z軸モータ
104…ボールネジ
106…θ軸モータ
108…ノズルシャフト
112…基板撮像カメラ
114…ズームレンズ
116…モータ
116A…モータドライバ
118…照明ユニット
122…ビームスプリッタ
124…板状体
126…同軸照明装置
126A…拡散板
128…透過照明装置
130…斜光照明装置
131…斜光照明装置
132…カバーガラス
134…開口部
152…部品実装装置メイン制御部
152A…基板搬送装置
152B…XY駆動装置
154…照明・ズーム制御部
156…照明駆動部
158…画像認識処理部

Claims (4)

  1. 平面方向に移動するヘッドと、該ヘッドに配置された部品吸着用の吸着ノズルと、該吸着ノズルに吸着された部品を撮像するための撮像手段と、前記ヘッドを平面方向に移動させる移動手段と、前記吸着ノズルを昇降させる昇降手段と、前記吸着ノズルで部品を吸着して所定の部品搭載位置に該部品を搭載するために、前記昇降手段及び移動手段を制御する制御部とを備えた部品実装装置において、
    前記撮像手段は、部品方向を向いたカメラと、該カメラの前方に配置され、撮像倍率を変更することができるズームレンズと、該ズームレンズの前方であって、且つ、該ズームレンズの光軸上に配置されたビームスプリッタと、前記光軸の位置および前記撮像倍率を補正するための補正用マークと、前記吸着ノズルに吸着された部品を照らす第一の照明装置と、前記補正用マークを照らす第二の照明装置と、を備えており、前記カメラは、前記部品と前記補正用マークとを別々に撮像することができ、
    前記ズームレンズの撮像倍率を変更する際に、前記補正用マークを撮像して、撮像倍率変更後の前記ズームレンズの光軸の位置および撮像倍率を求め、それによって、撮像倍率変更後に撮像した部品の認識位置の補正を行うようにされていることを特徴とする部品実装装置。
  2. 水平方向に移動するヘッドと、該ヘッドに設けられ、撮像対象物を撮像する撮像手段と、該ヘッドに配置された部品吸着用の吸着ノズルと、前記ヘッドを水平方向に移動させる移動手段と、前記吸着ノズルを昇降させる昇降手段と、前記吸着ノズルで部品を吸着して所定の部品搭載位置に該部品を搭載するために、前記昇降手段及び移動手段を制御する制御部とを備えた部品実装装置において、
    前記撮像手段は、撮像対象物の方向を向いたカメラと、該カメラの前方に配置され、撮像倍率を変更することができるズームレンズと、該ズームレンズの前方であって、且つ、該ズームレンズの光軸上に配置されたビームスプリッタと、前記光軸の位置および前記撮像倍率を補正するための補正用マークと、前記撮像対象物を照らす第一の照明装置と、前記補正用マークを照らす第二の照明装置と、を備えており、前記カメラは、前記撮像対象物と前記補正用マークとを別々に撮像可能であり、
    前記ズームレンズの撮像倍率を変更する際に、前記補正用マークを撮像して、撮像倍率変更後の前記ズームレンズの光軸の位置および撮像倍率を求め、それによって、撮像倍率変更後に撮像した撮像対象物の認識位置の補正を行うようにされていることを特徴とする部品実装装置。
  3. 前記部品と前記補正用マークの撮像の切替えを、シャッタにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装装置。
  4. 前記補正用マークは、矩形の4つの頂点に中心が位置する4つの円からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の部品実装装置。
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