JP4900150B2 - 脆質ラベル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、脆質ラベルは、製品の管理や品質保証の目的の個別表示が容易にでき、光、熱、溶媒や外力への物理的及び化学的な耐久性、偽造や変造を防止するセキュリティ性が求められている。
また、脆質レーザー印字用積層体(本願の脆質ラベルに相当する)は、レーザー光照射により除かれ得る着色樹脂層、該着色樹脂層に積層され、着色樹脂層と視認可能な色差を有する着色破壊層、該着色破壊層に積層された接着剤層からなるレーザー印字可能な積層体であって、着色破壊層がグリコール化合物を含む架橋アクリル系樹脂であり、被着体に接着後剥離すると着色破壊層が破壊するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、個別情報を印字するには適しているが、レーザー発信機などの超高価かつ危険で高度な取扱法を要するという欠点がある。
さらにまた、本出願人も、情報保護ラベル(本願の脆質ラベルに相当する)は、ラベル基材,部分剥離剤層,偽造防止手段形成層,同一平面上に並べて形成された第一の粘着剤及び第二の粘着剤形成層,剥離紙がこの順に積層され、第二の粘着剤の粘着力が第一の粘着剤より強く設定されたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、情報の漏洩、偽造や改竄による不正防止機能はよいが、個別表示、及びラベルの熱、溶媒や外力への耐久性については記載も示唆もされていない。
請求項2の発明に係わる脆質ラベルの製造方法は、上記ハードコート層転写箔のハードコート層に代えて、ホログラム層及び反射層を設けることで、ハードコート層転写箔が転写箔基材と、該転写箔基材の一方の面に剥離層、ホログラム層、反射層、紫外線吸収層、及び接着層が順に積層されてなることを特徴とする請求項1記載の脆質ラベルの製造方法である。
請求項3の発明に係わる脆質ラベルは、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に受容層を有し、該受容層へインクジェット方式で画像が印字され、前記ラベル基材の他方の面にパターン状の剥離層、紫外線吸収層、印刷層、及び粘着層が順に積層されてなり、前記粘着層へ剥離可能に剥離紙が設けられている印字済み脆質ラベルの画像が形成された前記受容層面へ、転写箔基材と、該転写箔基材の一方の面に剥離層、ハードコート層、紫外線吸収層、及び接着層が順に積層されてなるハードコート層転写箔の接着層面とを重ね合わせて加熱加圧し積層した後に、前記転写箔基材を剥離し除去されていることを特徴とする脆質ラベルである。
請求項4の発明に係わるカードは、請求項3に記載の脆質ラベルを貼着してなるカードであって、インクジェット方式で印字された前記画像が少なくとも顔写真を含み、該顔写真とホログラムとが重なって観察されることを特徴とするカードである。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、ホログラム光回折画像も有するので、よりセキュリティ性に優れる脆質ラベルの製造方法が提供される。
請求項3の本発明によれば、個別表示が容易にでき、光、熱、溶媒や外力への物理的及び化学的な耐久性に優れ、偽造や変造を防止するセキュリティ性に優れる脆質ラベルが提供される。
請求項4の本発明によれば、個別表示がインクジェット方式で容易にでき、ホログラム(立体の社章像)の下に、白地背景にインクジェット方式で印字された顔写真と名前の画像が観察されるカードが提供される。
図1は、本発明の脆質ラベルの製造方法のステップ図である。
図2は、本発明に用いるハードコート層転写箔の断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示す印字用脆質ラベルの断面図である。
図4は、ハードコート層転写箔を印字用脆質ラベルへ転写する説明図である。
図5は、本発明の1実施例を示す脆質ラベルの断面図である。
図6は、本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。
(ハードコート層転写箔の準備)転写箔基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、ロールコーティング法で、下記の剥離層樹脂組成物(塗工液)を乾燥後1μmになるように塗布し乾燥して、剥離層13を形成した。
・<剥離層の樹脂組成物>
剥離ニス45−3(アクリル系樹脂、昭和インク社製、商品名) 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 0.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 90質量部
該剥離層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させ、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ハードコート層15を形成した。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
次に、該ハードコート層15面へ、下記組成のプライマ層組成物途工液によりグラビアコーティングにより、乾燥時0.5μmの厚さになるように塗布、乾燥した後に、45℃で24時間エージングして、プライマ層を形成した。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部
トルエン 40部
メチルエチルケトン 40部
次に、該プライマ層面へ、下記の紫外線吸収層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が4μmになるように、塗工し100℃で乾燥させ、50℃で1週間エージングして、紫外線吸収層16を形成した。
・<紫外線吸収層組成物>
UVA−C11(昭和インク社製、紫外線吸収架橋性樹脂の商品名) 25質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 73質量部
次に、該紫外線吸収層16面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成した。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 78.5質量部
以上のようにして、転写箔基材11/剥離層13/ハードコート層15/紫外線吸収層16/接着層19が順に積層されてなるハードコート層転写箔10を得た。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル系樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
該プライマ層面へ、下記の受容層組成物(pH=3.5)をグラビアリバースコーターで、乾燥後の厚さが5μmになるように塗工し乾燥させて、受容層27とした。
・<受容層組成物>
第4級アンモニウム塩型ポリカーボネート系ポリウレタン 20質量部
ダンフィックス505RE(日東紡績社製;ポリカチオン性フィックス剤)2質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(水) 80質量部
次に、該受容層27と反対側のラベル基材21面へ、迷彩模様をグラビア印刷法で、下記の剥離層樹脂組成物(塗工液)を乾燥後1μmになるように模様を印刷し乾燥して、パターン状の剥離層23を形成した。
・<剥離層の樹脂組成物>
剥離ニス45−3(アクリル系樹脂、昭和インク社製、商品名) 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 0.5質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 90質量部
次に、該パターン状の剥離層23面へ、下記の紫外線吸収層組成物をグラビアコーターで、乾燥後の塗布量が4μmになるように塗工し乾燥させ、50℃で1週間エージングして、紫外線吸収層26を形成した。
・<紫外線吸収層組成物>
UVA−C11(昭和インク社製、紫外線吸収架橋性樹脂の商品名) 25質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 73質量部
次に、該紫外線吸収層26面へ、公知の白色インキをグラビア印刷で乾燥後の塗布量が1μmになるように印刷し乾燥させて、印刷層28を形成した。
該印刷層28面へ、アクリル系粘着剤を乾燥後の40g/m2の塗布量となるように、コンマコーターで塗布し乾燥し粘着層29とし、この面へ剥離紙31として厚さが38μmのPETセパ紙を剥離可能に設けた。
このようにして、受容層27/ラベル基材21/パターン状の剥離層23/紫外線吸収層26/印刷層28/粘着層29/剥離紙31が順に設けられている印字用脆質ラベル20を得た。
(ホログラム転写箔の準備)ハードコート層15に代えて、ホログラム層35及び反射層37を設ける以外は実施例1と同様にして実施例2のホログラム転写箔10Aを得た。
ホログラム層35としては、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し乾燥させた。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.5質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
次に、該層面へ、立体の社章の2光束干渉法によるホログラムから、2P法で複製した絵柄(立体の社章像を再生するレリーフ)と、該絵柄毎にホログラムマークが設けて一対とし、該一対を複製の流れ方向へ順次羅列して複数絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層35を形成した。
該ホログラム層35のレリーフ面へコロナ処理を行い、厚さ500nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して反射層37とした。
10A:ホログラム転写箔
11:転写箔基材
13:剥離層
15:ハードコート層
16:紫外線吸収層
19:接着層
20:印字用脆質ラベル
21:ラベル基材
23:剥離層(パターン状)
26:紫外線吸収層
27:受容層
28:印刷層
30:脆質ラベル
31:剥離紙
35:ホログラム層
37:反射層
101:被貼着材
Claims (4)
- 脆質ラベルの製造方法であって、
(1)転写箔基材と、該転写箔基材の一方の面に剥離層、ハードコート層、紫外線吸収層、及び接着層が順に積層されてなるハードコート層転写箔を準備するハードコート層転写箔準備工程と、
(2)ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に受容層を有し、前記ラベル基材の他方の面にパターン状の剥離層、紫外線吸収層、印刷層、及び粘着層が順に積層されてなり、前記粘着層へ剥離可能に剥離紙が設けられている印字用脆質ラベルを準備する印字用脆質ラベル準備工程と、
(3)前記印字用脆質ラベルの受容層へインクジェット方式で画像を印字して、印字済み脆質ラベルとする画像形成工程と、
(4)前記印字済み脆質ラベルの画像が形成された受容層面へ、前記ハードコート層転写箔の接着層面を重ね合わせて加熱加圧し、前記ハードコート層転写箔の転写箔基材及び剥離層を剥離することによって、画像が形成された受容層面へ、接着層、紫外線吸収層、及びハードコート層を転写して脆質ラベルとするハードコート層転写工程と、
からなることを特徴とする脆質ラベルの製造方法。 - 上記ハードコート層転写箔のハードコート層に代えて、ホログラム層及び反射層を設けることで、ハードコート層転写箔が転写箔基材と、該転写箔基材の一方の面に剥離層、ホログラム層、反射層、紫外線吸収層、及び接着層が順に積層されてなることを特徴とする請求項1記載の脆質ラベルの製造方法。
- ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に受容層を有し、該受容層へインクジェット方式で画像が印字され、前記ラベル基材の他方の面にパターン状の剥離層、紫外線吸収層、印刷層、及び粘着層が順に積層されてなり、前記粘着層へ剥離可能に剥離紙が設けられている印字済み脆質ラベルの画像が形成された前記受容層面へ、
転写箔基材と、該転写箔基材の一方の面に剥離層、ハードコート層、紫外線吸収層、及び接着層が順に積層されてなるハードコート層転写箔の接着層面とを重ね合わせて加熱加圧し積層した後に、前記転写箔基材を剥離し除去されていることを特徴とする脆質ラベル。 - 請求項3に記載の脆質ラベルを貼着してなるカードであって、
インクジェット方式で印字された前記画像が少なくとも顔写真を含み、
該顔写真とホログラムとが重なって観察されることを特徴とするカード。
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